JP5912718B2 - 鞍乗り型車両の防風構造 - Google Patents
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Description
また、前記収納ケース(611)が前記排風口(641)よりも前方に膨出し、この収納ケース(611)の側壁と前記車体カバー(C)との間に、走行風を前記排風口(641)に導く導風通路を形成するので、収納ケースと車体カバーとの間に空く隙間を利用して簡易に導風通路を形成することができる。
また、上記構成において、前記排風口(641)に前記レッグシールド(601)と前記レッグシールド(601)前面側の車体カバー(C)とを締結するための締結部(BT)を設けるようにしても良い。この構成によれば、レッグシールドと車体カバーとを締結する締結部を目立たなく配置することができ、乗員から見え難くすることができる。
また、上記構成において、前記排風口(641)に縦フィン(643)を設けるようにしても良い。この構成によれば、排風口を通る走行風を車幅方向で任意な方向に整流するとともに、この車外から排風口の開口を見え難くすることも可能になる。
また、排風口の車幅方向内側に収納ケースを備え、この収納ケースが前記排風口よりも後方に膨出し、この収納ケースの外側を覆う車体カバーが前記排風ガイド部を構成するようにすれば、収納ケースの外側を覆う車体カバーを排風ガイド部に兼用することができ、部品点数を増やさずに排風ガイド部を設けることができる。
また、前記収納ケースが前記排風口よりも前方に膨出し、この収納ケースの側壁と前記車体カバーとによって、走行風を前記排風口に導く導風通路を形成するようにすれば、収納ケースと車体カバーとの間に空く隙間を利用して簡易に導風通路を形成することができる。
また、前記排風口に前記レッグシールドと前記レッグシールド前面側の車体カバーとを締結するための締結部を設けるようにすれば、レッグシールドと車体カバーとを締結する締結部を目立たなく配置することができ、乗員から見え難くすることができる。
また、前記レッグシールドの前方にヘッドライトとウインカの灯火ユニットを備え、前記灯火ユニットの後面が後方に行くほど上方となる形状に形成されるようにすれば、車体前方からの走行風を灯火ユニット後方へと流し易くでき、灯火ユニット後方に位置する排風口へと円滑に走行風を流すことができる。
また、前記排風口に縦フィンを設けるようにすれば、排風口を通る走行風を車幅方向で任意な方向に整流するとともに、車外から排風口の開口を見え難くすることも可能になる。
自動二輪車(鞍乗り型車両)1は、シート10に着座した乗員RD(運転者)が足を載せる低床のステップフロア68を有するスクータ型車両であり、車体フレームF(図2)の前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジンU(ユニットスイングパワーユニット)に軸支されている。車体フレームFは、樹脂製の車体カバーCによって覆われている。
図2〜図4に示すように、車体フレームFは、金属製のチューブやパイプを溶接によって複数連結して形成されており、メインフレーム11は、前部に設けられるヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から後下方に延出した後、略水平に後方へ延び、後部で後上方に延びる左右一対のダウンチューブ13,13と、ダウンチューブ13,13の前下部から後上方へ車両後部まで延出する左右一対のシートレール14,14と、ヘッドパイプ12からダウンチューブ13,13の上方を後下方に延びてシートレール14,14に連結される左右一対のアッパーチューブ15,15とを有している。
ダウンチューブ13,13は、ヘッドパイプ12に前端が連結されて後下方へ延出する下方延出部70と、下方延出部70の下端から後方に略水平に延出する水平延出部71と、水平延出部71の後端から後上方に延出する斜め上方延出部72とを有している。
ダウンチューブ13,13の斜め上方延出部72,72の上部には、車幅方向外側に延出する左右一対のタンデムステップステー22,22が設けられている。
ヘッドパイプ12の前面には、灯火類や車体カバーC等を支持する籠状の前部フレーム24が連結されている。
また、メインフレーム11の外側方には、ダウンチューブ13,13に連結されて前後に延び、ステップフロア68を下方から支持する左右一対のステップフレーム23(図2、図3)が設けられている。
エンジンEは、水冷式の4サイクル単気筒エンジンであり、シリンダ軸線29が略水平に前方へ延びるように配置されている。エンジンEは、ユニットスイングエンジンUの前部に配置されるクランクケース30の前面に、シリンダ31及びシリンダヘッド32(図3)を結合して構成されている。
伝動ケースMの後端及びアーム部33の後端とシートレール14,14との間には、左右一対のリヤサスペンション34,34が掛け渡されている。
シリンダヘッド32の下面の排気ポートに接続された排気管37は、エンジンEの下方を通って後方に延び、アーム部33の外側(右側)に固定されたマフラー38(図3)に接続される。
伝動ケースMの後部の下部には、車両を直立状態に支持可能なメインスタンド39が設けられている。
前傾した燃料タンク40の前部の下方の空間には、エンジンEの冷却水を冷却する板状のラジエータ41が設けられている。ラジエータ41とエンジンEとを接続する一対の冷却水パイプ42(図2)は、ラジエータ41の左側部から延出され、車両の左側(一側)のステップフレーム23(図2)の下方を後方へ延び、ダウンチューブ13の内側を通ってエンジンEに接続される。
左側の水平延出部71には、サイドスタンド47が取り付けられている。
収納ボックス44の上面は、その全長に亘って開口しており、この開口は、乗員用のシート10(図1)によって開閉自在に塞がれている。シート10は、運転者が着座する前部シート10Aと、前部シート10Aよりも一段高く形成されて同乗者が着座する後部シート10Bとを有している。
収納ボックス44の後方においてシートレール14,14の後部には、グラブレール48が固定されている。
左右のステップカバー55,55の底部には、前部シート10Aに着座した運転者が足を載せるステップフロア68がそれぞれ形成されている。
フロントフォーク26,26には、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー65が設けられている。ボディサイドカバー59,59の下方には、後輪3を上方から覆うリヤフェンダー66が設けられている。
後部シート10Bの同乗者が足を載せる可倒式の一対のタンデムステップ67(図1)は、タンデムステップステー22,22に支持されている。
図5〜図7に示すように、上部インナーカバー53及び下部インナーカバー54,54は、乗員RD(図1)の前方にてシート10よりも車幅方向外側に張り出すとともに、この張り出し部分が上下に隙間無く連接して上下に延在し、これによって乗員RDの足の前方を覆うレッグシールド601を形成している。
つまり、上部インナーカバー53は、乗員RDの膝周辺の前方を覆う左右の上部レッグシールド602を構成し、下部インナーカバー54,54は、乗員RDのつま先周辺の前方を覆う下部レッグシールド603を構成し、これら上下のレッグシールド602,603によって乗員の足全体の前方を上下に渡って覆う大型のレッグシールド601が形成される。
図6乃至図8に示すように、上部レッグシールド602は、側面視で後方へ向かって上下に拡がるV字形状のカバーに形成されている。詳述すると、上部レッグシールド602は、前端FP(図6,図7)から後ろ上がりに延びる上辺部602Aと、前端から後ろ下がりに延びる下辺部602Bとを一体に有しており、上辺部602Aは、車体前部に設けられる前部収納ボックス(収納ケース)611(図5)を車幅方向外側から覆うように前後方向に延びる側方覆い部602A1(図5)と、前部収納ボックス611を下方から覆うように前後方向に延びる底覆い部602A2とを一体に備える形状に形成されている。つまり、上辺部602Aは、前部収納ボックス611の側方及び下方を覆うカバーに形成されている。
図5乃至図7に示すように、下辺部602B及び下部レッグシールド603は、車幅方向に延びる平板形状の断面で後ろ下がりに延びる形状に形成されており、これらの上面にフロアマット(不図示)が配置され、これらによって左右のステップフロア68(図1)が形成されている。
ここで、図9に示すように、左側の物品収納部612はフロントカバー50よりも前方に突出し、フロントカバー50よりも前方にて上記左側の導風通路K1の一部を形成する導風通路K2を形成している。
これら排風口641,641は、図6及び図7に示すように、上部インナーカバー53に一体に形成されて上辺部602A,602Aの上縁に沿って設けられて後方下向きに開口しており、また、各横フィン644,644も後方下向きに設定され、当該排風口641,641に導入された走行風を後方下向きに案内することができる。
さらに、縦フィン643,643を設けることによって、排風口641,641を通る走行風W2を車幅方向で任意な方向に整流することができるとともに、この自動二輪車1から降車した乗員RD等が車外から排風口641,641を見た際に、その視線を縦フィン643,643で遮り、排風口641,641の開口を見え難くすることができる。
なお、横フィン644,644は、後方下向きに限らず、乗員RDに向かう後方上向きでなければ乗員RD等から見えないようにすることができ、水平向き等にしても良い。
図10は排風口641,641を周辺構成とともに斜め下方から見た図である。この図に示すように、排風口641,641を斜め下方から見た場合にだけ、上記上板642Aと下板642Bの両方が視認可能となり、それ以外の位置では、例えば、シート10に着座した乗員RD(図1参照)からは上板642A及び下板642Bを視認することができない。
この上板642A及び下板642Bには、この排風口641,641を有する上部インナーカバー53と、上部インナーカバー53の前方に宛がわれるフロントカバー50とを締結するための締結部(本構成ではボルト締結部)BT,BTが各々設けられている。これにより、排風口641,641を利用して、シート10に着座した乗員RDからは見え難い位置で上部インナーカバー53とフロントカバー50とを締結することができる。
このようにして、前掲図8に示すように、左右一対の排風口641,641を、フロントカバー50内に埋設した外観形状にすることができる。
図6及び図7に示すように、自動二輪車1の走行中に、フロントカバー50に向かう走行風W1(図6,図7)は、フロントカバー50及びウインドスクリーン61の前面に沿って後上方へ流れ、このとき、上記走行風W1の一部がウインドスクリーン61の背面側にも導入されることによって、ウインドスクリーン61の後方に発生する負圧が低減される。これにより、ウインドスクリーン61の後方に位置する乗員RDの上半身が、負圧の影響を受けにくくなるとともに、適度な走行風を受けることで走行中の快適性を得ることができる。
これら排風口641,641から走行風を後方へ排出することによって、自動二輪車1の左右側方を流れる走行風が、車幅方向内側(乗員側)へ巻き込むことを抑制することができ、乗員RDの足下空間が負圧になることを抑制することができる。
すなわち、左右の側方覆い部602A1、602A1は、左右の排風口641,641から出た走行風を後方へガイドする排風ガイド部として機能する。これにより、自動二輪車1の左右側方を流れる走行風の巻き込みを防止できるエリアを後方へと拡げることができる。
また、側方覆い部602A1、602A1は、前掲図9に示すように、後方に行くほど車幅方向内側となる面に形成されている。このため、車幅方向中央側に排風を導入し、中央付近の負圧を低減することができる。
このように、レッグシールド601(上部レッグシールド602,下部レッグシールド603)後方の風防効果が得られるエリアを、後方及び上下に拡げるので、前部シート10Aに着座する乗員RDに加えて、後部シート10Bに着座する同乗者まで拡げることが可能になる。これらにより、本構成では、乗員RDの上半身側については、ウインドスクリーン61側で風防効果を得るとともに、乗員RDの下半身側については、レッグシールド601及び左右の排風口641,641によって十分な風防効果を得ることが可能になる。
また、排風口641,641の車幅方向内側に前部収納ボックス(収納ケース)611を備え、この前部収納ボックス611が排風口641,641よりも後方に膨出し、この前部収納ボックス611の外側を覆う車体カバーCが排風ガイド部(側方覆い部602A1,602A1)を構成するので、前部収納ボックス611の外側を覆う車体カバーCを排風ガイド部に兼用することができ、部品点数を増やさずに排風ガイド部を設けることができる。
さらに、本構成では、レッグシールド601は、前掲図6及び図7に示したように、車体側面視で後方へ向かって上下に拡がるV字形状を有し、排風口641,641は、レッグシールド601の後ろ上がりに延びる上辺部602Aに設けられて排風口641,641後方を下方に指向する空間にしているので、排風口641,641から出た走行風を後下方に拡げて後方へ流すことができ、風防効果を上下に拡げることができる。
また、前掲図6及び図7に示したように、レッグシールド601の前方にヘッドライト62とウインカ63の灯火ユニット62U,63Uを備え、これら灯火ユニット62U,63Uの後面が後方に行くほど上方となる形状に形成されているので、車体前方からの走行風W2(図6,図7)を灯火ユニット62U,63U後方へと流し易くでき、灯火ユニット62U,63U後方に位置する排風口641,641へと円滑に走行風を流すことができる。
また、排風口641,641に縦フィン643,643(図5)を設けているので、排風口641,641を通る走行風W2(図6,図7)を車幅方向で任意な方向に整流するとともに、この自動二輪車1の左右側方から排風口641,641の開口を見え難くすることも可能になる。
例えば、上記実施形態では、上部レッグシールド602の上辺部602A,602Aの側端部に排風口641,641を設ける場合を説明したが、これに限らず、下辺部602B,602Bの側端部に排風口641,641を設けるようにしても良い。また、排風口641,641は左右1個ずつに限らず、複数個設けるようにしても良い。
また、上記実施形態では、上部インナーカバー53に排風口641,641を一体に設ける場合を説明したが、これに限らず、要は、レッグシールド601の側端部に排風口641,641を設ければ良い。例えば、フロントカバー50に排風口641,641を一体に設ける際には、図11に例示するように、フロントカバー50の後壁50B,50Bに、上下に間隔を空けて複数の開口部645を形成し、これら開口部645に挟まれる部分を横フィン644に形成すれば良い。この構成によれば、フロントカバー50を利用して排風口641,641を設けることができ、また、開口部645に挟まれる部分を横フィン644にすることで風向きを任意な方向に設定することが可能である。
さらに、本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両に適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
50 フロントカバー
53 上部インナーカバー
62 ヘッドライト
62U ヘッドライトの灯火ユニット
63 ウインカ
63U ウインカの灯火ユニット
601 レッグシールド
602A,602A 上辺部
602A1,602A1 側方覆い部(排風ガイド部)
611 前部収納ボックス(収納ケース)
641,641 排風口
C 車体カバー
F 車体フレーム
BT,BT 締結部
Claims (4)
- 乗員の足の前方を覆うレッグシールド(601)を有する鞍乗り型車両の防風構造において、
前記レッグシールド(601)の側端部に車体前方からの走行風を後方に抜く排風口(641)を設けるとともに、この排風口(641)の車幅方向内側に後方に延びる排風ガイド部(602A1)を設けており、
前記排風口(641)の車幅方向内側に収納ケース(611)を備え、この収納ケース(611)が前記排風口(641)よりも後方に膨出し、この収納ケース(611)の外側を覆う車体カバー(C)が前記排風ガイド部(602A1)を構成し、
前記収納ケース(611)が前記排風口(641)よりも前方に膨出し、この収納ケース(611)の側壁と前記車体カバー(C)との間に、走行風を前記排風口(641)に導く導風通路を設けており、
前記レッグシールド(601)は、車体側面視で後方へ向かって上下に拡がるV字形状を有し、前記排風口(641)は、前記レッグシールド(601)の後ろ上がりに延びる上辺部(601)に設けられて前記排風口(641)後方を下方に指向する空間にしたことを特徴とする鞍乗り型車両の防風構造。 - 前記排風口(641)に前記レッグシールド(601)と前記レッグシールド(601)前面側の車体カバー(C)とを締結するための締結部(BT)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の防風構造。
- 前記レッグシールド(601)の前方にヘッドライト(62)とウインカ(63)の灯火ユニット(62U,63U)を備え、前記灯火ユニット(62U,63U)の後面が後方に行くほど上方となる形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の防風構造。
- 前記排風口(641)に縦フィン(643)を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の防風構造。
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