JP6921389B2 - ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブチレンテレフタレート単位とエチレンテレフタレート単位を特定量含有し、伸長時応力ならびに乾熱収縮率が特定の範囲を満足し、かつ突刺強度にも優れたポリエステルフィルムに関するものである。
近年、住宅用建材や家電製品内に収納される断熱材として、真空断熱材の普及が進んでいる。真空断熱材は、コア材を外装材に封入し、内部を真空排気した構造を有しており、高い断熱性を有している。真空断熱材は、断熱性を長期間保持するためには、その内部を長期間真空状態にしておく必要があるため、その外装材には、高いガスバリア性と耐ピンホール性が必要とされる。特許文献1には、高いバリア層を有する金属アルミニウム箔と、高い耐ピンホール性を有するポリアミドフィルムを用いた構成が開示されている。
しかしながら、ポリアミドフィルムは、耐熱性に劣るため、高温環境下での熱劣化による物性低下の問題があり、また吸湿性であるため、吸湿により寸法が変化したりカールする懸念などの問題があった。
上記真空断熱材は、その用途として、高温環境下にて長期間使用される用途などが検討されており、ポリアミドフィルムを用いた外装材では、熱劣化による物性低下を生じるという問題があった。
一方、ポリエステルフィルムは、耐熱性に優れ、また、耐薬品性、絶縁性などの特性に優れることから、包装用フィルム、磁気テープ用フィルム、光学用フィルム、電子部品用フィルムなど幅広い分野で利用されている。
しかしながら、ポリエステルは、柔軟性に乏しい化学構造を有しているため、ポリエステルからなるフィルムは、突刺強度や耐屈曲性などが十分でないため耐ピンホール性に劣り、また衝撃強度にも劣る。そのため、耐ピンホール性が要求される用途では、ポリアミドフィルムに代表される耐ピンホール性に優れたフィルムを使用されていた。このように、ポリエステルフィルムは、ポリアミドフィルムと比較して熱劣化による物性低下は小さいものの、硬く脆いため、真空断熱材の外装材で要求される耐ピンホール性を満たすことは困難であった。
上記問題を解決するため、耐ピンホール性に優れたポリエステルフィルムについて提案がされている。例えば、特許文献2、3には、面配向係数を増大させた二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。また、特許文献4、5には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリブチレンテレフタレート系樹脂とを配合した樹脂組成物からなるポリエステルフィルムが記載されている。
特許文献2〜4に開示されたポリエステルフィルムは、いずれもある程度の耐ピンホール性を有していた。しかしながら、製膜したフィルムは、測定用試料の採取位置によっては、面における4方向の伸長時応力が、均一ではなく、異方性を有することがあった。これはテンター式二軸延伸フィルムの製造工程で発生するボーイング現象によって、フィルムの幅方向の中央部と端部では、分子配向の方向が異なったことに起因するとみられる。そして、フィルムは、幅方向の端部に近いほど異方性が大きくなるため、幅方向の端部のフィルムは、突刺強度と耐屈曲性の両性能が、ポリアミドフィルムと比較して、十分に満足できるものでなく、したがって、耐ピンホール性も満足できるものでなかった。
また、特許文献5に開示されたポリエステルフィルムは、チューブラ同時二軸延伸法で製造されたものであるため、フィルムの幅方向と中央部と端部とも、異方性は少ないものの、突刺強度と耐屈曲性の両性能が、ポリアミドフィルムと比較して、十分に満足できるものではなかった。
上記したように、特許文献2〜5記載のポリエステルフィルムにおいても、突刺強度と耐屈曲性の両性能が、ポリアミドフィルムと比較して十分に満足できるものではなく、真空断熱材用途に好適に使用できるポリエステルフィルムは未だ提案されていない。
特開2003−262296号公報 特開2007−118476号公報 特開2009−202390号公報 特開2005−60617号公報 特開2012−121241号公報
本発明は、熱劣化による物性低下が小さく、かつ、真空断熱材の外装材で要求される耐ピンホール性を有するポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は上記課題を解決すべく検討した結果、原料としてブチレンテレフタレート単位(a)とエチレンテレフタレート単位(b)とを適切な量含有するポリエステル樹脂を使用し、製造条件、特に延伸条件を最適な範囲で調整した結果、フィルムの幅方向の端部においても、4方向の伸長時応力のバラつきが小さく、かつ乾熱収縮率が低く、異方性の小さいポリエステルフィルムを得ることができることを見出し、本発明に到達した。本発明のポリエステルフィルムはポリアミドフィルムと同等以上の突刺強度、耐屈曲性を有し、耐熱性に優れている。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
(1)ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)とからなり、ブチレンテレフタレート単位とエチレンテレフタレート単位のモル比(a/b)が40/60〜80/20であるポリエステル樹脂(R)からなるポリエステルフィルム(ただし、60層以上に多層化したフィルムは除く)であって、フィルム面における縦方向(MD)と、その方向に対して時計回りに45°、90°、135°の4方向のそれぞれにおける5%伸長時の応力について、これらの応力の最大値と最小値の差が20MPa以下であり、前記4方向のそれぞれにおける15%伸長時の応力について、これらの応力の最大値と最小値の差が35MPa以下であり、160℃、15分の熱処理後における4方向の乾熱収縮率が、いずれも10%以下であり、突刺強度が0.60N/μm以上であることを特徴とするポリエステルフィルム
(2)140℃、0%RHで2週間保存後において、突刺強度が0.60N/μm以上であることを特徴とする(1)記載のポリエステルフィルム。
)ゲルボフレックステスターを用いた500回の耐屈曲性試験で発生するピンホールの個数が、140℃、0%RHで2週間保存後において、10個以下であることを特徴とする(1)または(2)記載のポリエステルフィルム。
)上記(1)〜()のいずれかに記載のポリエステルフィルムを製造するための方法であって、ポリエステル樹脂(R)を含有する未延伸シートを、縦方向(MD)の延伸倍率(DRMD)と、横方向(TD)の延伸倍率(DRTD)とが、下記(a)、(b)を満足するように、逐次または同時に二軸延伸することを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
0.70≦DRMD/DRTD≦0.85 (a)
14.2≦DRMD×DRTD≦15.0 (b)
本発明のポリエステルフィルムは、4方向(MD、45°、90°、135°)の伸長時の応力値のバラつきが小さく、かつ乾熱収縮率が低いため異方性が小さく、突刺強度と耐屈曲性に優れ、また耐熱性に優れている。このため、本発明のポリエステルフィルムを使用することで、突刺強度と耐屈曲性、耐熱性が必要とされる用途において、従来行われていたようなポリアミドフィルムなどの耐ピンホール性に優れた樹脂フィルムと、ポリエステルフィルムなどの耐熱性に優れたフィルムとを積層して用いることが不要となる。
したがって、本発明のポリエステルフィルムは、ラミネート工程の短縮やゲージダウン効果から、コストダウンが期待でき、さらに、長期間の高温処理においても、突刺強度や耐屈曲性の低下が認められないため、真空断熱材外装材などの用途において、好適に使用することができる。
さらに、本発明のポリエステルフィルムの製造方法によれば、フィルムの幅方向の中央部付近のみならず、端部付近からも、本発明で規定するポリエステルフィルムを得ることができ、コスト的に非常に高い効果がある。
ポリエステルフィルムの伸長時応力を測定するための試料の採取位置を示す図である。 ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムの幅方向における物性測定位置を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムは、ブチレンテレフタレート単位(a)とエチレンテレフタレート単位(b)とを含有し、ブチレンテレフタレート単位とエチレンテレフタレート単位のモル比(a/b)が40/60〜80/20であるポリエステル樹脂(R)からなるものである。
本発明におけるポリエステル樹脂(R)は、具体的には、ブチレンテレフタレート単位(a)とエチレンテレフタレート単位(b)とを含有する共重合ポリエステル樹脂であっても、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)とを含有(混合)するものであってもよい。中でもポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を混合するものが好ましい。
ポリエステル樹脂(R)におけるブチレンテレフタレート単位とエチレンテレフタレート単位のモル比(a/b)は、中でも50/50〜80/20であることが好ましく、さらには、60/40〜80/20であることが好ましい。
本発明における上記のモル比は、ポリエステルフィルムを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にてH-NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めるものである。
ブチレンテレフタレート単位(a)は、エチレンテレフタレート単位(b)に比べて、単位骨格中に含まれる脂肪族鎖の炭素数が2つ多いため、分子鎖の可動性が高く、柔軟性が高い。ブチレンテレフタレート単位(a)とエチレンテレフタレート単位(b)とを有するポリエステル樹脂(R)からなるポリエステルフィルムは、柔軟性が増し、耐ピンホール性が向上する。ブチレンテレフタレート単位(a)の割合が上記範囲内において高くなるほど、ポリエステルフィルムは柔軟性が向上する。したがって、ブチレンテレフタレート単位(a)の割合が上記範囲より低くなると、得られるポリエステルフィルムは、柔軟性に乏しくなるため、耐ピンホール性が低下する。一方、ブチレンテレフタレート単位(a)の割合が上記範囲より高くなると、得られるポリエステルフィルムは、ブチレンテレフタレート単位(a)の特性が強く発現し、柔軟になりすぎるため、強度、耐ピンホール性、耐熱性が低下する。
ポリエステル樹脂(R)は、ブチレンテレフタレート単位(a)とエチレンテレフタレート単位(b)とを含有する共重合ポリエステル樹脂であるが、これに他の成分を共重合したものでもよい。
共重合成分としては、酸成分として、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンや乳酸などが挙げられる。
また、アルコール成分としては、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が挙げられる。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合成分は2種以上併用してもよい。
共重合成分の割合は、酸成分、アルコール成分ともに20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂(R)がポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)とを含有する場合には、質量比(A/B)が40/60〜80/20となるように混合することが好ましく、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)との質量比(A/B)は、中でも50/50〜80/20であることが好ましく、さらには、60/40〜80/20であることが好ましい。
本発明におけるポリブチレンテレフタレート樹脂(A)は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとを主たる重合成分とするものであり、これに他の成分を共重合したものでもよい。
共重合成分としては、上記のポリエステル樹脂(R)において例示した酸成分やアルコール成分を用いることができる。
本発明において、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)として共重合体を用いる場合には、共重合する成分の種類は適宜選択すればよいが、共重合成分の割合は、酸成分、アルコール成分ともに20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)は、共重合成分の割合が20モル%を超えると、融点が後述する範囲を下回る場合があり、結果として結晶性が低くなって、ポリエステルフィルムの耐熱性が低下することがある。
また、本発明において、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)の融点は、200〜223℃であることが好ましく、210〜223℃であることがより好ましい。融点が200℃未満であると、ポリエステルフィルムの耐熱性が低下する。
本発明におけるポリエチレンテレフタレート樹脂(B)は、テレフタル酸とエチレングリコールとを主たる重合成分とするものであり、これに他の成分を共重合したものでもよい。
共重合成分としては、上記のポリエステル樹脂(R)において例示した酸成分やアルコール成分を用いることができる。
また、共重合成分の割合は、酸成分、アルコール成分ともに20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、二次加工時における伸長時の応力バランスが非常に優れていることを示す指標として、下記(1)および(2)を同時に満足することを必須とする。すなわち、本発明のポリエステルフィルムは、(1)フィルム面におけるMD(フィルムの流れ方向)と、MDに対して時計回りに45°、90°(TD)および135°の3方向との4方向のそれぞれにおける5%伸長時の応力について、これらの応力の最大値と最小値の差が20MPa以下であり、(2)前記4方向のそれぞれにおける15%伸長時の応力について、これらの応力の最大値と最小値の差が35MPa以下であることを必須とする。上記最大値と最小値の差は、小さいほど好ましく、各伸長方向の伸長挙動が類似していることは、異方性が小さいものであることを示す。
4方向の5%伸長時の応力(F5)の最大値と最小値の差(ΔF5)、および4方向の15%伸長時の応力(F15)の最大値と最小値の差(ΔF15)が上記範囲を超えると、ポリエステルフィルムは、全方向での応力バランスが劣り、異方性が大きくなるため、突刺強度に劣るものとなる。
前記ΔF5は、20MPa以下であることが必要であり、15MPa以下であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましい。
前記ΔF15は、35MPa以下であることが必要であり、30MPa以下であることが好ましく、25MPa以下であることがより好ましい。
F5は、各方向において40〜80MPaであることが好ましく、50〜70MPaであることがより好ましい。またF15は、各方向において60〜120MPaであることが好ましく、70〜110MPaであることがより好ましい。F5やF15が上記範囲の下限値を満たさない場合は、伸度と比較して強度が低くなる傾向があり、一方、上記範囲の上限値を超える場合は、強度と比較して伸度が低くなる傾向があり、いずれの場合においても突刺強度が低下しやすくなる。
本発明フィルムにおける前記4方向の応力は、次のように測定する。まず、ポリエステルフィルムを23℃×50%RHで2時間調湿した後、図1に示すように、フィルム上の任意の点Aを中心点とし、フィルム面における縦方向(MD)を0°とし、0°の方向(a)から時計回りに45°方向(b)、90°方向(c)及び135°方向(d)の各方向を測定方向とし、中心点Aから各測定方向に100mm、かつ、測定方向に対して垂直方向に15mmの短冊状に裁断したものを試料とする。例えば、図1に示すように、0°(MD)方向では中心点Aから30mm〜130mmの範囲で試料X(縦100mm×横15mm)のように切り取る。他の方向についても同様に試料を切り取る。
これらの試料について、1kN測定用のロードセルとサンプルチャックとを取り付けた引張試験機(島津製作所社製AG−1S)を用い、引張速度500mm/minにて、5%伸長時の応力(F5)および15%伸長時の応力(F15)をそれぞれ測定する。そして、4方向における応力値の最大値と最小値との差をそれぞれ求める。
本発明のポリエステルフィルムは、前記4方向における乾熱収縮率が、いずれも10%以下であることが必要であり、8%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましい。フィルムは、乾熱収縮率が10%を超えると、耐熱性が低くなることによって、長期間の高温処理による収縮によるシワや歪みが発生し、加工適性が低下することに加えて、突刺強度や耐屈曲性が低下しやすくなる。
本発明のポリエステルフィルムにおける前記4方向の乾熱収縮率は以下のように測定を行う。前記の伸長時応力の測定に用いた試料の採取方法に準じて、中心点Aからそれぞれの測定方向に100mm、測定方向に対して垂直方向に10mmとなるように、ポリエステルフィルムを短冊状に裁断して、試料を採取する。
試料のポリエステルフィルムを23℃×50%RHで2時間調湿(調湿1)した後、160℃の乾燥空気中に15分間晒し、その後さらに23℃×50%RHにおいて2時間調湿(調湿2)する。調湿1後の試料長さと、調湿2後の試料長さを測定し、乾熱収縮率を次式にて求める。なお、試料数5で測定を実施し、平均値を乾熱収縮率とする。
乾熱収縮率(%)={(調湿1後の試料長さ−調湿2後の試料長さ)/調湿1後の試料長さ}×100
本発明のポリエステルフィルムは、突刺強度が0.60N/μmであることが必要であり、0.65N/μm以上であることが好ましく、0.70N/μm以上であることがより好ましい。ポリエステルフィルムは、突刺強度が0.6N/μm未満であると、ポリアミドフィルムと比較して突刺強度が大きく低下することから、ポリアミドフィルムの代替材料としての使用が困難となる。また、ポリエステルフィルムは、140℃、0%RH環境に2週間保存した後においても、突刺強度が0.60N/μm以上であることが好ましく、0.65N/μm以上であることがより好ましい。
本発明における突刺強度は以下のように測定を行う。ポリエステルフィルムを23℃×50%RHで1時間調湿し、幅50mm×長さ50mmの正方形に切り出したものを試験片とする。これを、引張試験機(島津製作所社製AG−IS)を用い、50N測定用ロードセル、針径1.0mmで先端径0.5mmのピンを使用し、外径70mm、内径30mm、厚さ2mmのドーナツ状のアルミ製固定版にシワが入らないように貼り付けて固定し、試験速度200mm/minで前記ピンを突刺し、貫通時の強力を測定する。
本発明のポリエステルフィルムは、ゲルボフレックステスターによる500回の耐屈曲性試験によって発生するピンホールの個数が10個以下であることが好ましく、5個以下であることがより好ましい。
また、140℃、0%RH環境に2週間保存した後においても、ゲルボフレックステスターによる500回の耐屈曲性試験によって発生するピンホールの個数が10個以下であることが好ましく、5個以下であることがより好ましい。ポリエステルフィルムは、耐屈曲性試験で発生するピンホールの個数が10個を超えると、ポリアミドフィルムの代替材料として使用することが困難となる。
本発明における耐屈曲試験は以下のようにして行う。ポリエステルフィルムを20℃×65%RHで1時間調湿した後、ゲルボフレックステスター(テスター産業社製、BE−1005)を用いて500回の耐屈曲性試験を行ったフィルムサンプル(チャック間距離178mm、直径89mmφ)について、ピンホール個数を計数する(濾紙上でインキの透過箇所の個数を数えた)。ねじり角は440゜とする。
本発明のポリエステルフィルムは、衝撃強度が0.060J以上であることが好ましく、0.065J以上であることがより好ましい。また、140℃、0%RH環境に2週間保存した後においても、0.060J以上であることが好ましく、0.065J以上であることがより好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、厚さが6〜40μmであることが好ましく、6〜30μmであることがより好ましい。本発明のポリエステルフィルムは、突刺強度や耐屈曲性などの耐ピンホール性に優れており、ポリエステルフィルム単体で用いることが可能である。
本発明におけるポリエステル樹脂(R)を構成する共重合ポリエステル樹脂や、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を製造する際の重合する方法は特に限定されず、例えば、エステル交換法、直接重合法等が挙げられる。エステル交換触媒としては、Mg、Mn、Zn、Ca、Li、Tiの酸化物や酢酸塩等が挙げられる。また、重縮合触媒としては、Sb、Ti、Geの酸化物や酢酸塩等が挙げられる。
重合後のポリエステルは、モノマーやオリゴマー、副生成物のアセトアルデヒドやテトラヒドロフラン等を含有しているため、減圧もしくは不活性ガス流通下、200℃以上の温度で固相重合してもよい。
重合においては、必要に応じ、添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が、熱安定剤としては、例えば、リン系化合物等が、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムは、上記したポリエステル樹脂(R)からなるものであるが、フィルム中には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、共重合ポリエステル樹脂や、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)以外の樹脂を含有していてもよい。
また、得られるポリエステルフィルムの巻き取り性を改善するために、フィルム中に粒子を添加してもよい。ポリエステルフィルム中に配合する粒子としては、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子が挙げられる。また、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の耐熱性有機粒子を用いてもよい。さらに、ポリエステル樹脂の製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
使用する粒子の形状は特に限定されず、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これらの粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法について説明する。本発明のポリエステルフィルムは、シート成形工程とそれに続く延伸工程により製造することができる。
シート成形工程では、ポリエステル樹脂(R)をシート状に成形することにより、未延伸シートを得る。ポリエステル樹脂(R)が、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)とを含有する場合、例えば、加熱装置を備えた押出機に、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を含む原料を投入し、270〜300℃で3〜15分間溶融混練することにより、樹脂組成物を調製することができる。溶融混練された樹脂組成物をTダイにより押し出し、50℃以下に温度調整したキャスティングドラム等により冷却固化することによって、シート状の成形体である未延伸シートを得ることができる。
未延伸シートの厚さは特に限定されないが、一般的には15〜250μm程度であることが好ましく、50〜235μmであることがより好ましい。未延伸シートは、厚さが上記範囲内であることによって、より効率的に延伸することができる。
延伸工程では、前記未延伸シートを縦方向(MD)および横方向(TD)に逐次または同時に二軸延伸することによって延伸フィルムを得る。
同時二軸延伸としては、テンターを用いて未延伸フィルムの両端を把持し、MDに延伸すると同時にTDにも延伸することにより、MDおよびTDの二軸延伸を同時に行なう方法が挙げられる。
一方、逐次二軸延伸においては、MDおよびTDの少なくとも一方向を、テンターにより延伸することが好ましく、これにより、より均一なフィルム厚みを得ることが可能となる。テンターを用いる逐次二軸延伸は、(1)回転速度が異なる複数のロールに未延伸シートを通過させることによりMDに延伸した後、その延伸されたフィルムをテンターによりTDに延伸する方法、(2)未延伸シートをテンターによりMDに延伸した後、その延伸されたフィルムをテンターによりTDに延伸する方法等がある。得られるフィルムの物性、生産性等の点で前記(1)の方法が特に好ましい。テンターを用いる逐次二軸延伸は、MDをロールによって延伸することから、生産性、設備面等において有利であり、TDをテンターによって延伸することから、フィルム厚みの制御等において有利となる。
本発明の製造方法では、延伸工程において、MDの延伸倍率(DRMD)と、TDの延伸倍率(DRTD)とが、下記(a)および(b)を同時に満足するように、未延伸シートを逐次または同時に二軸延伸することが必要であり、重要なポイントである。
0.70≦DRMD/DRTD≦0.85 (a)
14.2≦DRMD×DRTD≦15.0 (b)
上記(a)および(b)のいずれか一方でも満足しないと、得られるポリエステルフィルムは4方向の応力のバランスが劣るものとなり、本発明のポリエステルフィルムを得ることが困難となる。
つまり、延伸倍率比(DRMD/DRTD)が0.70未満である場合、MD倍率に対してTD倍率が高倍率になるため、ポリエステルフィルムは、TDの応力−歪み曲線における応力値が高く、低伸度となる。一方、延伸倍率比(DRMD/DRTD)が0.85を超える場合、TD倍率に対してMD倍率が高倍率になるため、ポリエステルフィルムは、MDの応力−歪み曲線における応力値が高く、低伸度となる。延伸倍率比(DRMD/DRTD)は、0.80以下であることが好ましい。またいずれの場合にも、45°方向および135°方向の応力−歪み曲線にも影響を与えるため、結果として、本発明で規定する、伸長時の応力の最大値と最小値の差(ΔF5、ΔF15)の条件を同時に満足するポリエステルフィルムを得ることが困難となる。
また、面倍率(DRMD×DRTD)が14.2未満である場合、面倍率が低過ぎて延伸が不十分となるため、ポリエステルフィルムは、十分な分子配向が得られない。一方、面倍率(DRMD×DRTD)が15.0を超える場合、面倍率が高過ぎるため、ポリエステルフィルムは、延伸時に全方向における延伸を均一に行なうことができない。いずれの場合にも、結果として、本発明で規定する、伸長時の応力の最大値と最小値の差(ΔF5、ΔF15)の条件を同時に満足するポリエステルフィルムを得ることが困難となる。
逐次二軸延伸を行なう際には、未延伸フィルムを縦延伸機に導き、加熱ロールや赤外線等で加熱し縦方向(MD)に延伸して縦延伸フィルムを得る。延伸は2個以上のロール周速差を利用し、65〜105℃の温度範囲で延伸することが好ましい。
そして、縦延伸フィルムを続いて連続的に、テンター式横延伸機に導き、横延伸、弛緩熱処理を順次施して二軸配向フィルムとする。横方向(TD)の延伸は90〜160℃の温度範囲で延伸することが好ましい。
弛緩熱処理は、弛緩熱処理時の熱セット温度が160〜210℃であることが好ましく、170〜210℃であることがより好ましい。熱セット温度は、テンターの弛緩熱処理ゾーンにて設定・制御することができる。また、弛緩熱処理における弛緩率は、2〜9%であることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、耐ピンホール性と耐熱性を両立するフィルムであり、特に真空断熱材外装材用途に好適なものである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例によって何ら制限されるものではない。ポリエステルフィルムの特性は、下記の方法により測定した。
<測定用試料の採取位置>
ロール状に巻き取られたポリエステルフィルムを図2に示すように、幅方向に10等分した。このうち、幅方向の中央部にあたり、ロールの巻量の半分にあたる位置で採取した試料Aと、フィルムの幅方向の中央部から左(フィルムの流れ方向の上流側から見て左)の左(5)の幅方向の中央部にあたり、ロールの巻量の半分にあたる位置で採取した試料Bとを下記の測定において用いた。
<伸長時の応力、乾熱収縮率、突刺強度、耐屈曲性試験>
それぞれ前記の方法で実施した。伸長時の応力、乾熱収縮率については、試料A、Bについて、それぞれ試験数5で、突刺強度はそれぞれ試験数10で、耐屈曲性試験はそれぞれ試験数3で測定を実施し、それぞれ平均値を測定値とした。
<衝撃強度試験>
ポリエステルフィルムを23℃×50%RHで2時間調湿し、幅100mm×長さ100mmの正方形に切り出したものを試験片とした。これを、フィルムインパクトテスタ(東洋精機製作所社製)を用い、1/2インチ、3.0kgf/cmの半球を衝撃ヘッドとして固定し、試験片をエア圧3〜4kg/cmで固定し、全衝撃ヘッドを衝突させることで衝撃強度を測定した。試料A、Bについてそれぞれ試験数10で測定を実施し、平均値を測定値とした。
<耐熱性試験(突刺強度、耐屈曲性、衝撃強度)>
140℃に設定した乾燥機内に2週間静置した後、乾燥機から取り出したポリエステルフィルムについて、前記と同様の方法で、突刺強度、耐屈曲性、衝撃強度を測定した。
<厚み>
ポリエステルフィルムを23℃×50%RHで2時間調湿した後、試料Aと試料Bにおける厚みを、長さゲージ(ハイデンハイン社製 HEIDENHAIN−METRO MT1287)により測定した。このとき、それぞれの試料において試験数5で行い、合計試験数10の平均値を測定値とした。
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)として下記に示すものを使用した。
(1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)
A−1:ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチック社製 NOVADURAN 5010S、極限粘度:1.10)
A−2:ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチック社製 NOVADURAN 5505S、極限粘度:0.92)
(2)ポリエチレンテレフタレート系樹脂(B)
B−1:ポリエチレンテレフタレート(日本エステル社製 UT−CBR、極限粘度:0.67)
B−2:ポリエチレンテレフタレート(日本エステル社製 NEH2050、極限粘度:0.78)
実施例1
ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)としてA−1を用い、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)としてB−1を用いて、両樹脂の質量比((A−1)/(B−1))が60/40となるように配合したものをポリエステル樹脂(R)として用いた。両樹脂の合計100質量部に対して平均粒径2.5μmの凝集シリカを0.08質量部添加し、275℃の温度で溶融し、滞留時間5分でTダイ出口より押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得た。このとき、延伸後に得られるポリエステルフィルムの厚みが25μmとなるように、両樹脂の供給量を調整した。
次いで、縦延伸機にて加熱ロールを用いて加熱し、MDに3.4倍延伸し、続いてテンター式逐次延伸機に導き、熱風により加熱しながらTDに4.3倍延伸した。この延伸において、延伸倍率比(DRMD/DRTD)は0.79であり、面倍率(DRMD×DRTD)は14.6であった。
そして、熱セット温度を185℃とし、TDの弛緩率を4%として4秒間の弛緩熱処理を施した後、室温まで冷却し、厚みが25μmのポリエステルフィルム得た。得られたポリエステルフィルムは、ロール状に巻き取られた。
実施例2〜13、比較例1〜7
ポリエステル樹脂(R)における、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の種類、質量比、MDおよびTDの延伸倍率、熱セット温度、延伸後のフィルム厚みを表1、3に示すものに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
実施例、比較例で得られたポリエステルフィルムの5%、15%伸長時の応力、乾熱収縮率、突刺強度、耐屈曲性および衝撃強度を測定した結果を表1〜4に示す。
参考例1、2
ポリエステルフィルムに代えて、厚み25μmのポリアミドフィルム(ユニチカ社製エンブレム(商標)ONU−25)、厚み15μmのポリアミドフィルム(ユニチカ社製エンブレム(商標)ONU−15)をそれぞれ用いて実施例1と同様に伸度5%、15%における応力、乾熱収縮率、突刺強度ならびに耐屈曲性を測定した結果を表3、4に示す。
Figure 0006921389
Figure 0006921389
Figure 0006921389
Figure 0006921389
表1〜4に示したように、実施例1〜13では、ブチレンテレフタレート単位とエチレンテレフタレート単位のモル比が適切な範囲であるポリエステル樹脂(R)を用い、延伸倍率比(DRMD/DRTD)、面倍率(DRMD×DRTD)が本発明で規定する範囲であったため、得られたポリエステルフィルムは、MD、45°、90°、135°方向において、5%伸長時の応力の最大値と最小値の差が20MPa以下、かつ、15%伸長時の応力の最大値と最小値の差が35MPa以下を満たしたものとなった。そして、得られたポリエステルフィルムは、突刺強度が0.60N/μm以上であり、優れた突刺強度を有するものであった。
一方、比較例1〜4は、延伸倍率比(DRMD/DRTD)、面倍率(DRMD×DRTD)が本発明で規定する範囲を満足しないものであったため、得られたポリエステルフィルムは、5%伸長時の応力の最大値と最小値の差が20MPa以下、かつ、15%伸長時の応力の最大値と最小値の差が35MPa以下を満たさないものとなった。このため、このため得られたポリエステルフィルムは、突刺強度が0.60N/μm未満となり、突刺強度に劣るものとなった。
比較例5では、熱セット温度が低いため、得られたポリエステルフィルムは、乾熱収縮率が10%を超え、また突刺強度が0.60N/μm未満となり、突刺強度に劣るものとなった。
また、比較例6〜7では、ポリエステル樹脂として、ブチレンテレフタレート単位とエチレンテレフタレート単位のモル比が本発明で規定する範囲外のものを用いたため、比較例6で得られたポリエステルフィルムは、突刺強度、耐屈曲性ともに低いものとなった。また、比較例7においては、製膜において破断が頻発に発生し、ポリエステルフィルムの生産が困難であった。
参考例1〜2に示すように、ポリアミドフィルムは、突刺強度、耐屈曲性および衝撃強度に優れていたが、140℃、2週間の熱処理後においては、フィルムが脆化したため、突刺強度、耐屈曲性および衝撃強度を評価することが不可能であった。
A 中心点
X ポリエステルフィルムの基準方向(0°方向)の伸長時応力測定用試料

Claims (4)

  1. ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)とからなり、ブチレンテレフタレート単位とエチレンテレフタレート単位のモル比(a/b)が40/60〜80/20であるポリエステル樹脂(R)からなるポリエステルフィルム(ただし、60層以上に多層化したフィルムは除く)であって、
    フィルム面における縦方向(MD)と、その方向に対して時計回りに45°、90°、135°の4方向のそれぞれにおける5%伸長時の応力について、これらの応力の最大値と最小値の差が20MPa以下であり、
    前記4方向のそれぞれにおける15%伸長時の応力について、これらの応力の最大値と最小値の差が35MPa以下であり、
    160℃、15分の熱処理後における4方向の乾熱収縮率が、いずれも10%以下であり、
    突刺強度が0.60N/μm以上であることを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. 140℃、0%RHで2週間保存後において、突刺強度が0.60N/μm以上であることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
  3. ゲルボフレックステスターを用いた500回の耐屈曲性試験で発生するピンホールの個数が、140℃、0%RHで2週間保存後において、10個以下であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステルフィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のポリエステルフィルムを製造するための方法であって、ポリエステル樹脂(R)を含有する未延伸シートを、縦方向(MD)の延伸倍率(DRMD)と、横方向(TD)の延伸倍率(DRTD)とが、下記(a)、(b)を満足するように、逐次または同時に二軸延伸することを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
    0.70≦DRMD/DRTD≦0.85 (a)
    14.2≦DRMD×DRTD≦15.0 (b)
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