以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷装置Sの全体構成を示す正面図である。印刷装置Sは、印刷対象となる錠剤を搬送する吸引搬送装置Cと、当該吸引搬送装置Cによって搬送される錠剤に対して印刷を行う印刷機構Pとから構成される。
なお、ここで「錠剤」としては、例えば、裸錠(素錠)、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、ゼラチン被包錠、多層錠、有核錠等を挙げることができる。また以下の説明においては、硬カプセル、軟カプセルいずれで構成されているかを問わず、カプセル錠についても「錠剤」に含めて説明をする。
また、これら「錠剤」は、医薬用、飲食用を念頭に置いて説明を行うが、洗浄用、工業用、芳香用として使用されるものも含んでも良い。
印刷対象とされる錠剤が医薬用、飲食用である場合には、使用するインクは、可食性インクが好適である。具体的には、可食性色素としてアマランス、エリスロシン、ニューコクシン(以上、赤色)、タートラジン、サンセットイエローFCF、β−カロチン、クロシン(以上、黄色)、ブリリアントブルーFCF、インジゴカルミン(以上、青色)等を用い、これらをビヒクルに分散または溶解し、必要に応じて色素分散剤(界面活性剤)を配合したものを使用することができる。
図1に示すように、印刷装置Sは、2つの吸引搬送装置C(第1の吸引搬送装置1及び第2の吸引搬送装置2)が上下に配置される構成である。また、第1の吸引搬送装置1及び第2の吸引搬送装置2には、それぞれ印刷機構3,4が設けられている。すなわち、第1の吸引搬送装置1の上部に印刷機構3が、第2の吸引搬送装置2の上部には印刷機構4がそれぞれ組み合わせられて設けられ、全体として印刷装置Sが構成されることになる。
なお、本発明の実施の形態においては、第1の吸引搬送装置1と第2の吸引搬送装置2、或いは、印刷機構3と印刷機構4とは、それぞれ基本的な構成をともに同じくする。そこで、以下において吸引搬送装置C及び印刷機構Pの説明を行うに際しては、第1の吸引搬送装置1及び印刷機構3を例に挙げて説明する。
まず第1の吸引搬送装置1は、第1のプーリ1aと、第2のプーリ1bと、無端状の搬送ベルト1cと、吸引チャンバ1dと、を備えている。
第1のプーリ1aは、図1に示される第1の吸引搬送装置1に円形状に示される2つのプーリのうち、左側のプーリである。本発明の実施の形態においては、この第1のプーリ1aが駆動源に接続され、駆動プーリとしての役割を果たす。
第2のプーリ1bは、図1に示される2つのプーリのうちの右側のプーリである。第2のプーリ1bには特に駆動源は接続されておらず、搬送ベルト1cを介して第1のプーリ1aが回転するのに合わせて回転する従動プーリである。
なお、本発明の実施の形態では、図1の第1の吸引搬送装置1のうち、左側のプーリを駆動プーリである第1のプーリ1aとし、右側のプーリを従動プーリである第2のプーリ1bとしたが、いずれのプーリを第1と、或いは、第2とし、または、駆動プーリ、従動プーリとするかは装置構成において自由に設定することができる。
搬送ベルト1cは、第1のプーリ1aと第2のプーリ1bとに掛け渡され、端部が設けられない無端状であることから、第1のプーリ1aと第2のプーリ1bとが回転することで回転する。本発明の実施の形態においては、第1のプーリ1a及び第2のプーリ1bは、ともに右回転を行うことになる。
従って、第1の吸引搬送装置1では、搬送ベルト1cは、上側の水平領域において実線で示す矢印の方向、すなわち、第1のプーリ1aから第2のプーリ1bに向けて右向きに進む。後述する印刷機構3において、被搬送物品Tの例示とする錠剤Tに印刷を行う際には、この搬送ベルト1c上に錠剤Tが載置され、印刷機構3等に搬送される。
なお、ここではプーリが2つ設けられていることを前提に説明を行うが、この場合に限らず、搬送ベルト1cの移動経路に、プーリが3個以上配置されても良い。また、被搬送物品Tとして錠剤を例に挙げて説明するが、被搬送物品Tは、錠剤以外、例えば、ICチップや工具のバイトチップなどでも良い。
搬送ベルト1cの構成について、図2を利用してさらに具体的に説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る吸引搬送装置C(特に第1の吸引搬送装置1)の全体構成を示す斜視図である。
図2の搬送ベルト1cに示されているように、搬送ベルト1cの表面には、印刷対象となる錠剤Tを収めるためのポケット(凹部)1caが設けられている。さらに凹部1caに収納される錠剤Tを搬送中に確実に保持しておくために、本発明の実施の形態においては、空気を吸引することで凹部1ca内の錠剤Tを吸着、保持する機構を採用している。そのため、凹部1caの底部には、空気を吸引し錠剤Tを吸着するための吸着孔1cbが形成されている。従って、搬送ベルト1cの表面側には凹部1caが形成され、当該凹部1caの底部から搬送ベルト1cの裏面側に向けて吸着孔1cbが形成されていることから、搬送ベルト1cには貫通孔が形成されていることになる。
搬送ベルト1cに形成される凹部1caは、無端状に形成される搬送ベルト1cの全周にわたって、等間隔で形成される。また図2に示す第1の吸引搬送装置1においては、搬送ベルト1cの凹部1caは、搬送ベルト1cの幅方向中央に1つ設けられているが、例えば、複数設けられていても良い。
なお、ここではその図示を省略しているが、第1のプーリ1aと第2のプーリ1bは、歯付プーリである。また搬送ベルト1cは、歯付ベルトであり、より具体的には、搬送ベルト1cの裏面において、幅方向の両側に第1のプーリ1a、或いは、第2のプーリ1bの歯にかみ合う歯が設けられており、吸引チャンバ1dに対向する幅方向の中央部分は平坦面に形成されている。このように、第1のプーリ1a、或いは、第2のプーリ1bの歯に搬送ベルト1cの歯がかみ合うことで、第1のプーリ1a、或いは、第2のプーリ1bの回転に伴って搬送ベルト1cが回転する。
また、以下では、凹部1caが形成されていることを前提に説明するが、例えば、搬送ベルト1cに吸着孔だけあいていて、搬送ベルト1c上に吸引保持する凹部は形成されていなくても良い。
吸引チャンバ1dは、搬送ベルト1cの吸着孔1cbに吸引力を付与する。吸引チャンバ1dが空気を吸引することによって、吸着孔1cbを介して錠剤Tを凹部1ca内に吸着、保持する。
ところで印刷装置Sの設置は、水平、垂直、いずれの傾きをもって行われても良いが、例えば本発明の実施の形態においては、吸引搬送装置Cは、錠剤Tの搬送方向が水平となるように設置されている。第1の吸引搬送装置1における搬送ベルト1cは上述したように、実線の矢印で示す方向に回転、進行するが、吸引搬送装置C(第1の吸引搬送装置1)がこのように設置されている場合、上述したように、搬送ベルト1cは第1のプーリ1aから第2のプーリ1bへ向けては、水平方向右向きに進む。そして、搬送ベルト1cの裏面の一点に着目した場合、その一点は、搬送ベルト1cの回転に伴い、第2のプーリ1bに接触した箇所(図1中に符号Dを付した位置)から第2のプーリ1bの回転に伴って反転し、第2のプーリ1bから離間(図1中に符号Eを付した位置)した後は、第1のプーリ1aに向けて水平方向左向きに進むことになる。
従って、搬送ベルト1cの凹部1caに収納される錠剤Tは、搬送ベルト1cが第2のプーリ1bに接触する箇所から第2のプーリ1bの回転に伴って搬送ベルト1cが反転、離間し、これまでの進行方向とは逆方向(左向き)に移動した後、搬送ベルト1cが第1のプーリ1aに接触(図1中に符号Fを付した位置)し、反転、離間する位置(図1中に符号Gを付した位置)までの領域においては、吸引チャンバ1dによって凹部1ca内に吸着、保持しておかなければ、重力に従って自然と落下してしまう。
そこで、本発明の実施の形態においては、吸引チャンバ1dは少なくとも上述した領域において錠剤Tに対して吸引力を付与することができるように配置されている。
なお、吸引搬送装置C、特に吸引チャンバ1dの詳細な構造については、後述する。
第1の吸引搬送装置1は上述したような構成を採用しているが、図1に示すように、第1の吸引搬送装置1の上部には、第1のプーリ1aから第2のプーリ1bに向けて進む搬送ベルト1cの表面に対向する位置に印刷機構3が設けられている。
印刷機構3は、被搬送物品である錠剤Tに印刷を行うプリンタ3aと、プリンタ3aよりも搬送ベルト1cの進行方向上流側に設けられる錠剤Tの位置(正確には、錠剤Tが収納された凹部1caにおける相対位置)を検出する位置検出装置3bと、プリンタ3aよりも搬送ベルト1cの進行方向下流側に設けられる錠剤Tに対して行われた印刷の状態を確認する印刷状態確認装置3cとから構成される。
プリンタ3aは、錠剤Tの表面に印刷を行う。ここでのプリンタ3aは、例えば、インクジェット方式の塗布ヘッドを好適に使用することができ、使用されるインクは、上述したような可食性インクである。
なお、ここでのプリンタ3aとして、上述したようにインクジェット方式の塗布ヘッドを挙げたが、例えば、転写式等、他の印刷方式を採用するものであっても良い。
位置検出装置3bは、搬送ベルト1cの表面に形成される凹部1ca内に適切に錠剤Tが収納されているか、その位置を検出する装置である。位置検出装置3bは、錠剤Tを撮影する撮影装置3baと、撮影の対象となる錠剤Tを照らすための照明3bbとから構成される。撮影装置3baは錠剤Tを撮影し、その撮影画像を取り込んで図1に示す制御部Nに送信する。すなわち制御部Nは、印刷機構3(位置検出装置3b)の構成の一部を担う。制御部Nでは、当該位置(検出結果)に基づいて適切な印刷(位置ずれが生じていたら、そのずれを補正して印刷)を行うべく、プリンタ3aを駆動させ、或いは、印刷を行わない、といった判断を行う。
印刷状態確認装置3cは、プリンタ3aによって錠剤Tの表面にされた印刷の状態を確認する装置である。印刷状態確認装置3cは、錠剤Tにおける印刷状態を撮影する撮影装置3caと、撮影の対象となる錠剤Tを照らすための照明3cbとから構成される。撮影装置3caは錠剤Tを撮影し、その撮影画像を取り込んで制御部Nに送信する。従って、ここでも制御部Nは印刷機構3(印刷状態確認装置3c)の構成の一部を担う。制御部Nでは、撮影された画像を基に印刷状態を検出し、印刷の適否を判断する。印刷不良と判断した錠剤Tについては、後述するように、不良品回収ボックスへと移す処理を行う。
さらに、第1の吸引搬送装置1の第1のプーリ1aの左側には、ホッパ1eが設けられている。このホッパ1e内には多数の錠剤Tが収容されており、第1のプーリ1aの回転に伴って回転する搬送ベルト1cの凹部1caに印刷装置Sにおける印刷対象となる錠剤Tを供給する。
また、第2のプーリ1bから第1のプーリ1aへと搬送ベルト1cが進む領域(図1中に符号E、F間に位置する、搬送ベルト1cにおける下側の水平部分に対向する領域)には、印刷が終了した錠剤Tのインクを乾燥させるための乾燥装置1fが設けられている。すなわち、乾燥装置1fは、搬送ベルト1cと対向する位置に設けられており、例えば、錠剤Tに熱風を吹き付けることで、錠剤Tに印刷されたインクを乾燥させる。
乾燥装置1fは、ここでは搬送ベルト1cが第2のプーリ1bの回転に伴って反転し、第2のプーリ1bから離間する位置から第1のプーリ1aに向けて、第2の吸引搬送装置2における第1のプーリ2aの動きを阻害しない位置までの間に設けられている。但し、乾燥装置1fの設置位置は、この位置、領域に拘わらず、例えば、印刷機構3による印刷が終了した直後から第1の吸引搬送装置1によって搬送され、錠剤Tが第2の吸引搬送装置2へと受け渡されるまでの全領域、或いは、適切な位置に設けられていれば足りる。または、乾燥装置は必らずしも設けられていなくても良い。
ところで、図1に示すように、印刷装置Sは、その上部に第1の吸引搬送装置1が配置され、その下部に第2の吸引搬送装置2が配置されている。第2の吸引搬送装置2は、第1の吸引搬送装置1の上部に設けられている印刷機構3を利用して錠剤Tの表面に印刷した後、その上部に設けられている印刷機構4を利用して錠剤Tの裏面に印刷を行うために錠剤Tを搬送する装置である。
第2の吸引搬送装置2の基本的な構成は、上述した通り、第1の吸引搬送装置1と基本的に同様である。すなわち、第2の吸引搬送装置2は、駆動源である第1のプーリ2aと、従動プーリとしての第2のプーリ2bと、無端状の搬送ベルト2cと、吸引チャンバ2dと、を備えている。
このうち、搬送ベルト2cは、第1のプーリ2aと第2のプーリ2bとが回転することで、錠剤Tを搬送する。また、搬送ベルト2cの表面には、錠剤Tを収納するポケット(凹部)と、ベルト面に錠剤Tを吸着する吸着孔を備える。
また、吸引チャンバ2dは、少なくとも搬送ベルト2cの進行方向下流にて搬送ベルト2cを回転させる第2のプーリ2bに搬送ベルト2cが接触する位置(図1中に符号Hを付した位置)から、第2のプーリ2bの回転に伴って搬送ベルト2cが反転、離間(図1中に符号Iを付した位置)し、進行方向とは逆方向に移動した後、搬送ベルト2cが第1のプーリ2aに接触(図1中に符号Jを付した位置)し、反転、離間する位置(図1中に符号Fを付した位置の対向位置)までの領域にわたって設けられ、搬送ベルト2cの吸着孔2cbに吸引力を付与する。
但し、第2の吸引搬送装置2において、第1のプーリ2aは、図1において右側に示されているプーリであり、第2のプーリ2bは、左側のプーリを示している。これら第1のプーリ2a及び第2のプーリ2bは、左回りに回転することから、搬送ベルト2cは、上側の水平部分において、実線で示す矢印の方向、すなわち、第1のプーリ2aから第2のプーリ2bに向けて左向きに進むことになる。
第2の吸引搬送装置2は上述したような構成を採用しているが、図1に示すように、第2の吸引搬送装置2の上部には、第1のプーリ2aから第2のプーリ2bに向けて進む搬送ベルト2cの表面に対向する位置に印刷機構4が設けられている。
印刷機構4は、錠剤Tに印刷を行うプリンタ4aと、プリンタ4aよりも搬送ベルト2cの進行方向上流側に設けられる位置検出装置4bと、プリンタ4aよりも搬送ベルト2cの進行方向下流側に設けられる印刷状態確認装置4cとから構成される。ここで、位置検出装置4bは、錠剤Tを撮影する撮影装置4baと、撮影の対象となる錠剤Tを照らすための照明4bbとから構成される。一方印刷状態確認装置4cは、錠剤Tにおける印刷状態を撮影する撮影装置4caと、撮影の対象となる錠剤Tを照らすための照明4cbとから構成される。
なお、ここでのプリンタ4a、位置検出装置4b、及び印刷状態確認装置4cの役割、働きは、上述した印刷機構3の各構成要素と同様である。
また、第2のプーリ2bの回転に伴って反転した搬送ベルト2cが第2のプーリ2bから第1のプーリ2aへと進む領域(図1中における符号I、J間の領域)には、印刷が終了した錠剤Tのインクを乾燥させるための乾燥装置2fが設けられている。当該乾燥装置2fの配置位置については、上述した乾燥装置1fの配置位置と同様、印刷装置Sを構成する他の機構に干渉せず、錠剤Tに印刷されたインクを乾燥させることができるのであれば、いずれの位置に配置されても良い。
第2の吸引搬送装置2における乾燥装置2fの下流側の位置には、表面、及び裏面に対する印刷が終了した錠剤Tを、印刷の適否に応じて回収するボックスが設けられている。印刷状態確認装置3c及び印刷状態確認装置4cからの確認結果に基づいて、制御部Nが錠剤Tごとに印刷の適否を判断する。印刷状態が適切な場合には、錠剤Tは搬送ベルト2cから良品回収ボックス2eへと送られる。一方、印刷状態が不適切な場合には、錠剤Tは搬送ベルト2cから不良品回収ボックス2gへと送られる。
ここでは、例えば、制御部Nでは印刷状態が不適切な場合のみ判断を行い、不良品とされた錠剤Tについては、例えば、搬送ベルト2cから良品回収ボックス2eへと落下する途中で当該錠剤Tに対してエアを吹き付けることによって、不良品回収ボックス2gへと収納することとしても良い。
次に、図1を用いて印刷装置Sを利用した錠剤Tへの印刷処理について、順を追って説明する。
なお前提として、第1の吸引搬送装置1において第1のプーリ1aと第2のプーリ1bとに掛け渡されている搬送ベルト1cにはテンションが掛けられた状態にある。搬送ベルト1cにテンションが掛けられて張った状態になければ、錠剤Tを適切に搬送できなくなるばかりではなく、錠剤Tの印刷面を印刷機構3に対して正面に対向して位置させることも困難になりかねない。
また、吸引チャンバ1dがエアを吸引することによって、吸着孔1cbを介して錠剤Tを吸着、保持するが、搬送ベルト1cにテンションが掛かった状態になければ吸引チャンバ1dと搬送ベルト1cとの間が密着できず、吸着漏れ等、吸着孔1cbに対して適切な吸引力を付与することができない。従って、吸引チャンバ1dも搬送ベルト1cにテンションを掛けることに対して重要な役割を果たしている。
まず、ホッパ1eに収納されている印刷の対象とされる錠剤Tが、右向きに回転する第1の吸引搬送装置1の第1のプーリ1aに向けて供給される。第1のプーリ1a及び第2のプーリ1bには、搬送ベルト1cが掛け渡されており、第1のプーリ1aの回転に伴って、第1の吸引搬送装置1の下部から上部に向けて進む。この途中でホッパ1eから供給される錠剤Tが搬送ベルト1cの凹部1ca内に収納される。
このような位置でホッパ1eから錠剤Tが供給されることから、吸引チャンバ1dからは吸着孔1cbに対して吸引力が付与されており、凹部1caに収納された錠剤Tは落下することなく凹部1ca内に吸着、保持される。
錠剤Tは、吸引チャンバ1dによって搬送ベルト1cの凹部1ca内に収納されたまま搬送され、第1の吸引搬送装置1の上部に設けられている印刷機構3によって、その表面に予め設定されている文字や図形等が印刷される。
具体的には、まず、位置検出装置3bによって、凹部1ca内に収納される錠剤Tの位置を確認する。撮影装置3baによって撮影された凹部1caや錠剤Tの位置は、制御部Nに送信され、印刷の可否が判断される。
なお、ここで印刷の対象となる錠剤Tに割り線が設けられていたり、外形が三角形や四角形であったりして、印刷に先立って向きを判別する必要がある場合には、位置に加えて、錠剤Tの向きを検出するようにしても良い
もし印刷不可と判断された場合には、印刷を行わず、そのまま印刷機構3の下を通過する等の処理が行われる。一方錠剤Tの位置が印刷可能な位置に収納されている場合には、錠剤Tは、そのまま搬送ベルト1cによって、プリンタ3aの下へと搬送される。
プリンタ3aでは、搬送されてきた錠剤Tの表面に印刷を行う。印刷が終了すると、そのまま錠剤Tは搬送されて、次に印刷状態確認装置3cの下へと移動する。
印刷状態確認装置3cは、搬送されてきた錠剤Tを撮影し、その撮影画像を制御部Nへと送信する。制御部Nでは、印刷状態確認装置3cより送られてきた情報を基に、印刷状態の適否を判断する。
この後、錠剤Tは搬送ベルト1cの凹部1ca内に収納された状態のまま、第2のプーリ1bの回転に従って、第1の吸引搬送装置1の上部から下部へと移動する。この際、搬送ベルト1cは、第2のプーリ1bに接触し、その回転に伴って反転し、離間する。搬送ベルト1cが第2のプーリ1bから離間する位置まで進むと、搬送ベルト1c及びその凹部1ca内に収納されている錠剤Tの天地が逆さまとなる。従って、錠剤Tは凹部1ca内にただ収納されているだけでは重力に従って落下してしまう。
しかし、吸引チャンバ1dにより、搬送ベルト1cの凹部1caの底部に形成されている吸着孔1cbを介して錠剤Tを吸着、保持していることから、錠剤Tは印刷面を下にしつつも落下することはない。
図1に示すように、搬送ベルト1cが第2のプーリ1bから第1のプーリ1aへと図1において左向きに移動する間には、乾燥装置1fが設けられている。錠剤Tにおける印刷面は、乾燥装置1fに対向する位置にあることから、錠剤Tの表面に付着しているインクは乾燥装置1fによって乾燥する。
さらに、乾燥装置1fの下流側において、搬送ベルト1cが第2の吸引搬送装置2の搬送ベルト2cと対向する。第2の吸引搬送装置2における第1のプーリ2a及び第2のプーリ2bは、左回りに回転している。従って、これらのプーリに掛け渡されている搬送ベルト2cは、左向きに回転する。すなわち、搬送ベルト2cは、上側の水平領域において、図1において左向きに移動する。
従って、第1の吸引搬送装置1の搬送ベルト1cが第2の吸引搬送装置2の搬送ベルト2cと出会う領域においては、両者ともに同じ方向、すなわち、図1において左向きに進んでいることになる。ここで搬送ベルト1cと搬送ベルト2cとの搬送速度が同じであれば、両者の相対的な速度は「0」となる。従って、第1の吸引搬送装置1から第2の吸引搬送装置2に対して錠剤Tの受け渡しを行う場合、それぞれの搬送ベルトの搬送速度を同期させて両者の凹部の位置を合わせることによって、スムーズに錠剤Tの受け渡しを行うことができる。
本発明の実施の形態においては、第1の吸引搬送装置1の第1のプーリ1aと第2の吸引搬送装置2の第1のプーリ2aとは、互いにその軸線が鉛直方向で一致するように位置合わせがなされている。従って、第1の吸引搬送装置1の第1のプーリ1aに搬送ベルト1cが接触する位置であって、第2の吸引搬送装置2の第1のプーリ2aから搬送ベルト2cが離間する位置(図1に符号Fを付した位置)において錠剤Tの受け渡しが行われる。
但し、第1の吸引搬送装置1の第1のプーリ1aと第2の吸引搬送装置2の第1のプーリ2aとの位置関係については、本発明の実施の形態におけるような位置関係に固定されるわけではなく、両者の位置がずれていても良い。
ここで第1の吸引搬送装置1と第2の吸引搬送装置2との間における錠剤Tの受け渡しの方法については、例えば、以下の方法が考えられる。いずれの吸引搬送装置Cにおいても搬送ベルトに設けられた吸着孔を介して錠剤Tは搬送ベルトの凹部に吸着、保持され得る構成とされている。
従って、例えば、上述した受け渡し位置において、第2の吸引搬送装置2の吸引チャンバ2dによる吸引は継続しつつ、第1の吸引搬送装置1における吸引チャンバ1dによる吸引を、当該受け渡し位置において停止することが考えられる。この場合には、第1の吸引搬送装置1における搬送ベルト1cの吸着孔1cbには吸引力が付与されなくなる一方で、第2の吸引搬送装置2における吸引チャンバ2dの吸引は行われていることから、搬送ベルト1cの凹部1ca内の錠剤Tは搬送ベルト2cの凹部2caに引き寄せられて吸引されることになる。このような処理を行うことで、第1の吸引搬送装置1から第2の吸引搬送装置2への錠剤Tの受け渡しがスムーズに行われる。
また、上述した場合において、吸引チャンバ1dによる吸引力よりも吸引チャンバ2dにおける吸引力を高めておくことで、よりスムーズに受け渡しが行われる。
さらに、例えば、第1の吸引搬送装置1の第1のプーリ1aの近傍、すなわち、錠剤Tの受け渡し位置(図1中に符号Fを付した位置)の近傍に、エアを吐出する構成を備えることとしても良い。搬送ベルト1cの凹部1caに収納されて搬送されてきた錠剤Tを受け渡し位置において、例えば、吸着孔1cbから錠剤Tを押し出すようにエアを吐出することで、錠剤Tは凹部1caから離れ、第2の吸着搬送装置2の搬送ベルト2cへと移動させることができる。
以上説明したように、第1の吸引搬送装置1から第2の吸引搬送装置2へと受け渡された錠剤は、搬送ベルト2cを上部から見た場合、印刷機構3において印刷された表面は凹部2caの底部を向き、その裏面が見える状態で凹部2ca内に収納される。
第2の吸引搬送装置2においては、錠剤Tの裏面に印刷が行われる。印刷の流れはこれまで説明したのと同様であり、位置検出装置4bにおいて錠剤Tの位置を確認し、プリンタ4aで印刷を行った後、印刷状態確認装置4cからの情報に基づいて印刷状態の確認が行われる。
印刷が終了した錠剤Tは、搬送ベルト2cにおける下側の水平領域において、乾燥装置2fによるインクの乾燥が行われる。この場合、錠剤Tは、印刷機構4において印刷された錠剤の裏面は乾燥装置2fと対向する向きになっており、第2のプーリ2bから第1のプーリ2aに向けて搬送ベルト2cが移動する間にインクの乾燥処理が行われる。
乾燥が終了した錠剤は、回収ボックスに収納されて回収される。つまり、印刷状態確認装置3c、および、印刷状態確認装置4cからの確認結果に基づいて適切に印刷がなされたと制御部Nによって判断された錠剤Tについては、良品回収ボックス2eへと収納される。一方、印刷が不適切であると制御部Nによって判断された錠剤Tについては、不良品回収ボックス2gへと回収される。
次に、吸引搬送装置Cの構成、特に吸引チャンバ1d,2dの構成についてさらに詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る吸引搬送装置Cにおける吸引チャンバ1d,2dの全体構成を示す斜視図である。
なお、吸引チャンバ1d,2dの構成はいずれも同じであることから、ここでは第1の吸引搬送装置1に設けられている吸引チャンバ1dを例に挙げて、以下、説明する。
図3に示す吸引チャンバ1dは、図2に示す第1の吸引搬送装置1の全体構成を示す斜視図と略同じ向きに示されている。すなわち、その左手前側において当該吸引チャンバ1dを挟むように、奥側に第1のプーリ1aが、手前側に第2のプーリ1bが設けられる。
また、吸引チャンバ1dは、搬送ベルト1cの吸着孔1cbを介して搬送ベルト1cの凹部1ca内に収納される錠剤Tを吸着、保持する。このような吸引チャンバ1dの役割からすれば、吸引チャンバ1dは、少なくとも搬送ベルト1cの進行方向下流にて搬送ベルト1cを回転させる第2のプーリ1bに搬送ベルト1cが接触する位置(図1中に符号Dを付した位置)から、第2のプーリ1bの回転に伴って搬送ベルト1cが反転、離間(図1中に符号Eを付した位置)し、進行方向とは逆方向に移動した後、搬送ベルト1cが第1のプーリ1aに接触(図1中に符号Fを付した位置)し、反転、離間する位置(図1中に符号Gを付した位置)までの領域にわたって設けられていれば足りる。
すなわち、吸引チャンバ1dにより搬送ベルト1cの全周に渡って吸引力を付与することができるが、必ずしも全周に付与しなければならないものではなく、吸引力を部分的に付与しない部分があっても、また、吸引力を付与させる部分を選択的に設定できるような構成でも良い。
但し、ここでは搬送ベルト1cの全周に渡って吸引力を付与できるように構成された吸引チャンバ1dを例に挙げて説明する。
図3に示す吸引チャンバ1dは、第1のプーリ1a及び第2のプーリ1b、搬送ベルト1cと組み合わせて錠剤Tに対して吸引力を付与するチャンバ本体1daと、図示しないコンプレッサに接続され吸引を行う吸引経路1dbとから構成される。
チャンバ本体1daには、エアを吸引する吸引溝1dcがチャンバ本体1daの外周全周にわたって設けられている。当該吸引溝1dcは、搬送ベルト1cが第1のプーリ1a及び第2のプーリ1bに掛け渡された際に、搬送ベルト1cの吸着孔1cbの直下に位置することになる。そのため、吸引経路1dbを介してチャンバ本体1daがエアの吸引を行うと、当該吸引溝1dc、搬送ベルト1cの吸着孔1cbからエアが吸引されることになるため、吸着孔1cbに接触する錠剤Tに吸引力が付与されることになる。なお、吸引力を作用させたくない領域、例えば、図1中に符号Fを付した位置では、吸引溝1dcにカバーを設け、吸引溝1dcを塞げば良い。
さらに、チャンバ本体1daは、第1の吸引チャンバ1dAと第2の吸引チャンバ1dBとから構成される。第1の吸引チャンバ1dAと第2の吸引チャンバ1dBは、ともに略Jの形状をしており、互いの曲線部の端部と直線部の端部とが嵌め合わされることによって、図3に示すように全体として楕円形のチャンバ本体1daが形成される。
第1の吸引チャンバ1dAと第2の吸引チャンバ1dBとの接続部CA,CBは、曲線部の端部に設けられており、直線部の端部に嵌め込むことが可能なようにその他の構成部分よりもその断面が小さくなるように形成されている。
図4は、本発明の実施の形態に係る図1に示す吸引搬送装置CのA−A線における切断断面図である。すなわち、図4における左側が図1に示す第1の吸引搬送装置1の正面となる。なお、第2のプーリ1bは切断せずに示している。
図4において、第2のプーリ1bは吸引チャンバ1dを挟み込むように、H形に示されている。搬送ベルト1cは、左右一対の円板状の第2のプーリ1bに掛け渡されている。搬送ベルト1cには、上述したように、錠剤Tを収納する凹部1caと錠剤Tに対して吸引力を付与するための吸着孔1cbが形成されている。図4においては、上部に示される搬送ベルト1cの凹部1caに錠剤Tを示している。
吸引チャンバ1dは第2のプーリ1bに挟まれており、その外周が搬送ベルト1cの裏面に接触している。このうち、錠剤Tが示されている搬送ベルト1cの直下には第1の吸引チャンバ1dAのチャンバ本体1daが断面で示されている。また、吸着孔1cbと接する位置には、吸引溝1dcが位置しており、第1の吸引チャンバ1dAにおいてエアの吸引が行われた場合には、吸引溝1dc、吸着孔1cbを介して、錠剤Tに対して吸引力が付与されることになる。
一方、断面図下部には、接続部CAの状態が示されている。この接続部CAは、第1の吸引チャンバ1dAの曲線部の端部に設けられ、当該曲線部の端部が第2の吸引チャンバ1dBの直線部の端部に嵌め合わされる部分である。一方、第2の吸引チャンバ1dBの曲線部の端部が第1の吸引チャンバ1dAの直線部の端部に嵌め合わされる部分は、例えば、図3等において接続部CBと表わしている。
上述したように、それぞれの接続部は、曲線部の端部が直線部の端部に嵌め込むことが可能なようにその他の構成部分よりもその断面が小さくなるように形成されている。従って、接続部CAも図4に示すように、その外側に第2の吸引チャンバ1dBの直線部の端部が示され、その内側に第1の吸引チャンバ1dAの曲線部の端部が示されている。
なお、図3に拡大して示されているように、これら接続部においても吸引溝1dcが形成されていることから、接続部においても十分に錠剤Tに対して吸引力を付与することができる。
図5は、本発明の実施の形態に係る吸引搬送装置Cにおける、図3に示す吸引チャンバ1dの正面をB−B線において切断して示す切断断面図である。図5における切断断面図において、右側に示される曲線部を含むチャンバ本体1daが第1の吸引チャンバ1dAであり、左側に示される曲線部を含むチャンバ本体1daが第2の吸引チャンバ1dBである。
そして、第1の吸引チャンバ1dAと第2の吸引チャンバ1dBとはこのように構成されていることから、接続部CA,CBにおいて嵌め合わせた後、両者の嵌め合わせの長さを調整することによって、チャンバ本体1daの長さを調整することができる。
すなわち、接続部CA,CBにおける一方の他方に対する挿入の長さを調整することによって、図5の左右方向、つまり、第1のプーリ1a及び第2のプーリ1bの配置方向に伸縮可能に構成されている。そのため、接続部CA,CBは、吸引チャンバ1dの伸縮における調整代として働く。
ここでチャンバ1dは、チャンバ本体1daに設けられる支持ブラケット1ddによって、図2に図示する支持フレームFにねじ止めで固定される。また図1の第1の吸引搬送装置1における第1のプーリ1aと第2のプーリ1bとの間に支持フレームFに形成された後述する長孔9a,9bが示されているが、吸引チャンバ1dの伸縮を担保するべく、支持ブラケット1ddはこの長孔9a,9bを利用して支持フレームFに固定される。
なお、ここでは、チャンバ本体1daを、ともに略Jの形状を成した第1の吸引チャンバ1dAと第2の吸引チャンバ1dBとを嵌め合わせて構成したものとした。但し、第1の吸引チャンバ1dAと第2の吸引チャンバ1dBの形状は、略Jの形状に限られるものではなく、第1のプーリ1a、第2のプーリ1bの配置方向にチャンバ1da本体を伸縮可能に構成できるのならば、ともにU字の形状や、一方がU字の形状で他方が半円弧の形状など、他の形状であっても良い。
また、吸引チャンバ1dを第1の吸引チャンバ1dAと第2の吸引チャンバ1dBとから構成し、上側部分と下側部分でそれぞれ一つの接続部CA,CBを設けたものとしたが、接続部は、一つに限られるものではなく、二つ以上設けるようにしても良い
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る吸引搬送装置Cの裏面における構成を示す正面図である。図6では、第1の吸引搬送装置1を裏面から見ており、第1の吸引搬送装置1を構成する第1のプーリ1a、第2のプーリ1b、及び、吸引チャンバ1dが支持フレームFに固定された状態が示されている。従って、例えば図1に示されているように第1のプーリ1a、第2のプーリ1bは見えない。但し、理解に資するため、これら第1のプーリ1a、第2のプーリ1bについてはその存在を破線で示している。
支持フレームFは、例えば、板状の部材で形成されており、長方形の板の中央部であってその上下に切り欠きが形成されている。そのため、支持フレームFのみを正面から見ると略Hの形をしている。中央部の上下に形成された切り欠きは、吸引チャンバ1dのチャンバ本体1daと図示しないコンプレッサとをつなぎエアの吸引を行う吸引経路1db(図6においては図示せず)を通すためである。そして、当該切り欠きの領域には、吸引経路1dbの奥に吸引チャンバ1dが見える。上部の切り欠きにおいて見えるのは第1の吸引チャンバ1dAであり、下部の切り欠きから見えるのは第2の吸引チャンバ1dBである。
さらに、当該切り欠きからは、破線で図示されている第1のプーリ1a及び第2のプーリ1bに掛け渡されている搬送ベルト1cが見えている。また搬送ベルト1cは、吸引チャンバ1dに接して移動することから、上部の切り欠きでは第1の吸引チャンバ1dAに接して示され、下部の切り欠きでは第2の吸引チャンバ1dBに接して示されている。
図6は、第1の吸引搬送装置1を裏面から見た状態を示していることから、破線で示されているプーリのうち、支持フレームFの右側に駆動プーリである第1のプーリ1aが示され、左側に従動プーリである第2のプーリ1bが示されている。
第1のプーリ1aは固定板5を用いて支持フレームFに固定されている。支持フレームF及び固定板5の中央部には貫通孔が設けられており、図6の手前に向けて第1のプーリ1aの回転軸が貫通している。従って固定板5の中央部は第1のプーリ1aの軸受けの役割を果たす。そして、当該第1のプーリ1aの回転軸にここには図示しない、第1のプーリ1aを回転させるためのモータ等の駆動源が連結される。支持フレームFからは、支持フレームFに設けられたねじが図6の手前側に向けて突出しており、当該ねじを固定板5のねじ穴を貫通させてナットで締めることによって、第1のプーリ1aを支持フレームFに固定している。
一方、第2のプーリ1bは、移動プレート6を介して支持フレームFに固定されている。移動プレート6の中央部は第2のプーリ1bの軸受けの役割を果たし、当該軸受けを回転軸が貫通する。但し、第2のプーリ1bは従動プーリであることから、第2のプーリ1bの回転軸に駆動源は連結されない。
支持フレームFからは、支持フレームFに設けられたねじが図6の手前側に向けて突出しており、当該ねじを移動プレート6のねじ穴を貫通させてナットで締めることによって、第2のプーリ1bを支持フレームFに固定する。
また、搬送ベルト1cの交換の際には、第2のプーリ1bを第1のプーリ1aに近づく方向、すなわち図6の右側に向けて移動させることで、搬送ベルト1cに付加されていたテンションを緩める。さらに搬送ベルト1cの交換が完了した場合には、また改めて交換された搬送ベルト1cに対してテンションを掛ける必要があり、この場合には、第2のプーリ1bを第1のプーリ1aから離間する方向に、図6における左側に向けて移動させる必要がある。
そのため、第2のプーリ1bを支持フレームFに固定する際に利用する移動プレート6においては、ねじを貫通させる長孔6aが形成されている。従って、ねじに締められていたナットを緩めることで第2のプーリ1bの支持フレームFへの固定を緩めて、長孔の範囲内で第2のプーリ1b(移動プレート6)を第1のプーリ1aに近づく方向、或いは、離れる方向に移動させて適切な位置にて固定することが可能とされている。
移動プレート6の右側、支持フレームFの中央部に近い移動プレート6の短辺に接触可能な押しねじ7が設けられている。押しねじ7は、支持フレームFの長辺方向と平行になるように設けられている一組の桟8に設けられている支持部8aを貫通するように支持されている。押しねじ7を回転させることによって、支持部8aから移動プレート6までの突出量を調整することができる。
さらに、支持フレームFの中央部には、長孔9a,9bが形成されているが、この長孔9a,9bは上述したように、吸引チャンバ1dを支持フレームFに固定する際に用いられる。上部に形成される長孔9aは、支持フレームFに第1の吸引チャンバ1dAを固定する際に、下部に形成される長孔9bは、支持フレームFに第2の吸引チャンバ1dBを固定する際にそれぞれ用いられる。
以上で、図6に示される第1の吸引搬送装置1の裏面における各装置の固定等について説明した。そこで搬送ベルト1cの交換を行う際の手順について以下説明する。
なお、ここで搬送ベルト1cの交換を行う場合とは、例えば、印刷対象となる錠剤Tの大きさや形状等がこれまでの錠剤Tと異なるため、凹部の大きさや形状の異なる搬送ベルト1cに変更する場合が考えられる。また、搬送ベルト1cが切断し、或いは、摩耗するといった搬送ベルト1cの劣化が生じた場合にも交換の対象となる。さらには、搬送ベルト1cの長さは様々な長さがあるが、交換前の搬送ベルト1cの長さと異なる長さの搬送ベルト1cを装着する場合等も考えられる。
搬送ベルト1cの交換を行う際には、まず、搬送ベルト1cに掛けられているテンションを緩める必要がある。搬送ベルト1cに掛けられているテンションを緩めるには、移動プレート6に留められているねじを緩めて第2のプーリ1bを第1のプーリ1aの側に移動させる。この際、押しねじ7が移動プレート6に接触してしまうと第2のプーリ1bの移動が規制されてしまう。従ってそのようなことがないように、予め押しねじ7を回して支持フレームFの中央部側に退避させておく。
さらに、吸引チャンバ1dについても第2のプーリ1bと同様の方向に移動させる。上述したように、吸引チャンバ1dにおいてエアの吸引が行われる場合には、吸引溝1dc、吸着孔1cbを介して、錠剤Tに対して吸引力が付与されることになる。従って、吸引チャンバ1dと搬送ベルト1cとは接触しており、吸引チャンバ1dもまた搬送ベルト1cに対してテンションを付加する存在であるといえる。
そのため、搬送ベルト1cの交換を行う際には、第2のプーリ1bと同様、吸引チャンバ1dについても移動させて搬送ベルト1cのテンションを緩める。
具体的には、第2のプーリ1bと同じ方向に吸引チャンバ1dを移動させるに当たって、第1の吸引チャンバ1dAを第1のプーリ1a側、図6において右側に移動させる。第1の吸引チャンバ1dAは長孔9aにおいて支持フレームFに固定されているため、固定用のナットを緩めて、第1の吸引チャンバ1dAを第2の吸引チャンバ1dBに押し込むように、すなわち、接続部CA,CBを縮めるように移動させる。
このように第2のプーリ1b及び第1の吸引チャンバ1dAを搬送ベルト1cのテンションを緩める方向に移動させることによって、搬送ベルト1cと、第1、第2のプーリ1a、1bおよび第1、第2の吸引チャンバ1dA、1dBとの間に隙間ができ、搬送ベルト1cは容易に取り外すことができる。この後、改めて新しい搬送ベルト1cが第1のプーリ1a及び第2のプーリ1bの両プーリに掛け渡される。
両プーリに搬送ベルト1cが掛け渡された後、当該搬送ベルト1cにテンションを掛けるべく、まず第2のプーリ1bを第1のプーリ1aから離間する方向、すなわち、図6において左側に移動させる。その際、押しねじ7を利用して、支持フレームFに固定する際の移動プレート6の位置を仮固定する。
搬送ベルト1cにテンションを掛けると、搬送ベルト1cは縮もうとし、その力に押されて移動プレート6によって移動可能に支持フレームFに固定されている第2のプーリ1bも第1のプーリ1a側に移動してしまうことになりかねない。そこで第2のプーリ1bを支持フレームFに固定する位置まで移動させるべく、押しねじ7を回転させて、図6において左方向にねじ込み、移動プレート6を左方向に移動させる。
押しねじ7の存在によって移動プレート6(第2のプーリ1b)は第1のプーリ1a側に移動できず、この間に移動プレート6に設けられている長孔6aを介して支持フレームFから伸びているねじを利用してナットを締めることで第2のプーリ1b(移動プレート6)を支持フレームFに固定する。
第2のプーリ1bが支持フレームFに固定されることによって、第1のプーリ1a及び第2のプーリ1bに掛け渡されている搬送ベルト1cには適切なテンションを掛けることができる。
この状態になると、第2のプーリ1bは確実に支持フレームFに固定されることになるため、押しねじ7においてこれ以上移動プレート6が移動しないように支えておく必要はなくなる。従ってこの時点で押しねじ7については、その役割が終了となる。
次に、吸引チャンバ1dを元の位置に戻すために、同じく第1のプーリ1aから離間する方向、図6における左方向に移動させる。すなわち、第1の吸引チャンバ1dAを第2の吸引チャンバ1dBから離間させるように移動させ、適切な位置で長孔9aにおいて固定する。第1の吸引チャンバ1dAがこのように移動することで、第2の吸引チャンバ1dBとの接続部CA,CBは伸びることになる。
ここで吸引チャンバ1d(第1の吸引チャンバ1dA)の適切な位置とは、第1の吸引チャンバ1dAを移動させて吸引溝1dcを搬送ベルト1cの吸着孔1cbの位置に合わせるとともに、吸着孔1cbに接する錠剤Tに対して所定の吸引力を付与できるように第1のチャンバ本体1daと搬送ベルト1cとを間隙無く接触させるような位置のことである。
以上説明した通りの構成を採用することによって、第2のプーリの、第1のプーリと第2のプーリの配置方向への移動に合わせて、第1の吸引チャンバを第2の吸引チャンバに対して移動させ、吸引チャンバを伸縮させることができる。このため、吸引チャンバと搬送ベルトとの間に隙間を形成することができ、搬送ベルト1c、2cの全周に沿って吸引チャンバ1d、2dが設けられる構成であっても、搬送ベルトの交換を、より容易、かつ、短時間で行うことのできる吸引搬送装置及び印刷装置を提供することができる。
特に搬送ベルトの裏面側からエアを吸引して搬送されている被搬送物品を搬送ベルトに吸着、保持させる場合に、エアを吸引する吸引チャンバを伸縮自在に移動可能と構成したことにより、搬送ベルトの長さに合わせて吸引チャンバの長さ(搬送方向における長さ)を調整することができるから、搬送ベルトの交換の際のみならず、様々な長さを持つ多種の搬送ベルトを吸引搬送装置及び印刷装置において使用することができることになる。従って、搬送ベルトに応じて2つのプーリの間のみならず、吸引チャンバを伸縮させることで自由な装置構成を採用することができ、例えば、搬送経路の変更等が生じた場合であっても適宜対応が可能である。
また、搬送ベルトの交換に当たって搬送ベルト以外の各装置、例えば、吸引チャンバを取り外す必要がないことから、迅速な交換作業を行って装置を稼働させない時間を可能な限り短くすることができ、印刷効率の低下を最小限に抑えることができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
上述した第1の実施の形態においては、搬送ベルトの交換に当たって、プーリと吸引チャンバとを別個独立に移動させることで行う方法について説明した。第2の実施の形態においては、これまで別個独立に移動させていた第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとを一体に移動させることができる構成について説明するものである。
また、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとを完全に固定して一体にのみ移動させることとしても良いが、例えば、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとを一体に移動させた後、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとの相対的な位置を微調整可能とするものである。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る吸引搬送装置Cの裏面における構成のうち、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとをつなぐ相対間隔調整機構20の構成を示す正面図である。また、図8は、図7に示す相対間隔調整機構20の構成を上部から見た平面図で示したものである。
第2の実施の形態においては、第1の吸引チャンバ1dAを支持フレームFに固定するための支持ブラケット1ddを露出させるための窓Wを支持フレームFの中央部に形成している。ここでは、移動させる吸引チャンバ1dは、第1の吸引チャンバ1dAであることから、図7に示すように長孔9aの領域に窓Wを形成している。一方、例えば、移動させる対象が第2の吸引チャンバ1dBの場合には、第2の吸引チャンバ1dBを支持フレームFに固定するための支持ブラケット1ddを露出させるために、長孔9bの領域に窓Wを形成することになる。
第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとは、相対間隔調整機構20を用いて連結されている。相対間隔調整機構20は、移動プレート用ブラケット21と、ブロック部22と、ボルト23と、ロックナット24とから構成されている。
移動プレート用ブラケット21は、その一方端部21aが移動プレート6に固定されている。移動プレート用ブラケット21は、移動プレート6から支持ブラケット1dd側に延伸されるとともに、その延伸方向の端部21bが支持ブラケット1ddに設けられるブロック部22の位置まで立ち下がっている。これは後述するように、ボルト23を移動プレート用ブラケット21と、ブロック部22の双方に貫通させるためにその位置を合わせたものである。また、移動プレート用ブラケット21の端部21bには、貫通孔が設けられている。
支持ブラケット1ddは、一方端部は第1の吸引チャンバ1dAに固定され、L形に立ち下がるように形成されている他方端部が移動プレート用ブラケット21に連結される。この移動プレート用ブラケット21との連結に際して移動プレート用ブラケット21と連結される支持ブラケット1ddの他方端部にブロック部22が設けられている。当該ブロック部22には、その内部に雌ねじが切ってあり、ボルト23がねじ込めるようにされている。
そして、移動プレート用ブラケット21の端部21bとブロック部22とを貫くように、ボルト23が挿入される。すなわち、図7に示されているように、ボルト23は、移動プレート6側から移動プレート用ブラケット21の端部21bを貫通するように挿入され、回転可能に取り付けられる。さらにブロック部22にねじ込まれる。当該ブロック部22にねじ込まれるボルト23の一方端部は、ブロック部22を貫通した後、さらにロックナット24にもねじ込まれる。
このように当該ボルト23が移動プレート用ブラケット21、ブロック部22、ロックナット24に挿入されることによって、移動プレート6と支持ブラケット1ddとが連結されることになる。このことはすなわち、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとが連結されたことを意味する。
このように、相対間隔調整機構20が設けられることによって、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとが連結されることになるため、例えば、搬送ベルト1cを交換するに当たって第2のプーリ1bを移動させると、併せて第1の吸引チャンバ1dAも移動させることができる。このように第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAを併せて移動させることができるので、第2のプーリ1bを第1のプーリ1aの方向へ移動させて搬送ベルト1cを緩めるときには、第1の吸引チャンバ1dAも同時に第1のプーリ1aの方向へ移動して、搬送ベルト1cとの間に隙間ができるので、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとを別個独立に移動させるよりも搬送ベルトの交換作業に掛かる時間を短縮することができる。
なお、この状態ではボルト23とロックナット24によって移動プレート6と支持ブラケット1ddとが固定されていることから、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとの相対的な位置に変更はない。
但し、ボルト23は、ブロック部22の内部に切られた雌ねじにねじ込まれていることから、ボルト23を回すことによって、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとの相対的な位置を変更することができる。従って、例えば、搬送ベルト1cの交換が終了し、第2のプーリ1bを所定の位置に戻し、移動プレート6を利用して支持フレームFに固定した後、第1の吸引チャンバ1dAの固定位置を微調整することができる。
これにより、第2のプーリ1bを所定の位置に固定しただけでは、搬送ベルト1cの内側面と、第1の吸引チャンバ1dAの外周面との間に隙間ができて、この隙間から吸引溝1dcからの吸引力が漏れてしまうような場合でも、第1の吸引チャンバ1dAが外側(第1のプーリ1aから離れる方向)に移動するように、ボルト23を回すことによって、前述の隙間をなくすことが可能となる。このことにより、搬送ベルト1cの交換のみならず、搬送ベルト1cの交換後における、搬送ベルト1cの凹部1caに作用させる吸引力の調整作業も容易に行なうことが可能となる。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る吸引搬送装置Cの裏面における構成のうち、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとをつなぐ別の相対間隔調整機構30の構成を示す正面図である。図9に示す相対間隔調整機構30は、上述した相対間隔調整機構20の変形例である。
相対間隔調整機構30は、移動プレート6(第2のプーリ1b)と支持ブラケット1dd(第1の吸引チャンバ1dA)との間を連結する。相対間隔調整機構30の両端部は、ロッドエンドベアリング31で構成されており、それぞれ移動プレート6と支持ブラケット1ddに固定されている。そして、これらロッドエンドベアリング31,31を繋ぐ連結棒32が設けられている。
当該連結棒32の両端には、それぞれ雄ねじが形成されており、一方が右ねじ、他方が左ねじとなるように形成される。一方、連結棒32がねじ込まれるロッドリングベアリング31,31には、雄ねじに対応した雌ねじが切られている。
ロッドエンドベアリング31,31と連結棒32はそれぞれこのような構造となっていることから、連結棒32にロッドエンドベアリング31,31をねじ込んだ状態で、連結棒32を右回転、或いは、左回転させることで、ロッドエンドベアリング31,31間の間隔を調整することができる。
また、連結棒32の両端に形成されている雄ねじには、ロックナット33,33がねじ込まれている。従って、ロックナット33,33をそれぞれロッドエンドベアリング31,31側に締めることで、ロッドエンドベアリング31,31の位置が固定できるようになっている。
相対間隔調整機構30は上述した構造を採用していることから、相対間隔調整機構30が設けられることによって、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとが連結されることになる。従って例えば、搬送ベルト1cを交換するに当たって第2のプーリ1bを移動させると、併せて第1の吸引チャンバ1dAも移動させることができる。
そして、ロックナット33,33を緩め、連結棒32を回転させることによって、第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとの相対的な位置を変更することができる。その上で、再度ロックナット33,33を締めることで第2のプーリ1bと第1の吸引チャンバ1dAとの位置を固定することができる。
以上説明した通りの構成を採用することによって、搬送ベルト1c、2cの全周に沿って吸引チャンバ1d、2dが設けられる構成であっても、搬送ベルトの交換を、より容易、かつ、短時間で行うことのできる吸引搬送装置及び印刷装置を提供することができる。
特に、第2のプーリと第1の吸引チャンバとの間に相対間隔調整機構を備えることによって、両者を一体に移動させることを可能とすることで、第2のプーリを第1のプーリの方向へ移動させるのに連動して、第1の吸引チャンバが吸引チャンバを収縮する方向に移動し、また、第2のプーリを第1のプーリから離れる方向に移動させるのに連動して、第1の吸引チャンバが吸引チャンバを伸長させる方向に移動するので、第2のプーリを移動させるだけで、搬送ベルトの交換、テンションの付与を適切に行なうことができる。また、両者の相対的な間隔も調整することができることになるから、搬送ベルトを交換した後、搬送ベルトと吸引チャンバとの間の間隔を調整することが可能となる。そのため、第2のプーリを所定の位置に固定しただけでは、搬送ベルトの内側面と、吸引チャンバの外周面との間に隙間ができて、この隙間から吸引溝からの吸引力が漏れてしまうような場合でも、第1の吸引チャンバのみを第1のプーリから離れる方向に移動させるように、相対間隔調整機構を操作することによって、この隙間をなくし、搬送ベルトの凹部に適切な吸引力を作用させることが可能となる。従って、搬送ベルトの交換作業をより容易に行うことができ、かつ、搬送ベルトの交換に当たって搬送ベルト以外の各装置を取り外す必要がないこととも相まって、より一層の交換時間の短縮にもつながる。このことは、迅速な交換作業を行って装置を稼働させない時間を可能な限り短くすることができることにつながり、結果として印刷効率の低下を最小限に抑えることができる。
さらに、吸引チャンバの構成は第1の実施の形態と同様であることから、吸引チャンバを伸縮自在に移動可能と構成したことにより、搬送ベルトの交換の際のみならず、様々な長さを持つ多種の搬送ベルトを吸引搬送装置及び印刷装置において使用することができることになる。従って、搬送ベルトに応じて2つのプーリの間のみならず、吸引チャンバを伸縮させることで自由な装置構成を採用することができ、例えば、搬送経路の変更等が生じた場合であっても適宜対応が可能である。
なお、第2の実施の形態においては相対間隔調整機構を上述した構成として説明したが、連結した移動プレート6(第2のプーリ1b)と支持ブラケット1dd(第1の吸引チャンバ1dA)との相対間隔を調整可能な構成であれば、どのよう機構であっても良い。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記説明では移動プレート機構を第2のプーリ側に設けた例を挙げて説明したが、これに限らず、第1のプーリ側に設けても良く、両方に設けても良い。