JP6917892B2 - プラジカンテル及びその前駆体の製造方法 - Google Patents
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Description
ラセミ体のプラジカンテルは不快な程に苦い味を有する。これは特に幼児の治療において許容上の問題をもたらす。(R)-プラジカンテルユートマーは(S)-プラジカンテルディストマーよりも苦くない味を有すると考えられる (T.Meyer ら著 (2009) PLoS Negl Trop Dis 3(1): e357)。こうして、鏡像体上純粋な(R)-プラジカンテルのコスト有効な製造方法についての強い要望がある。
多くの努力が過去二十年にわたって(R)-プラジカンテル又はその類似体の製造方法を開発するのに費やされていた。これらの方法は二つのグループ、第一にエナンチオ選択的合成経路及び第二にキラル分割と組み合わせてラセミ方法を使用する方法に分けられる。今まで、二三のエナンチオ選択的方法が報告されていたが、それらの全てが労力を要し、しかもコストがかかる。
Woelfle らは(-)-ジベンゾイル-L-酒石酸によるプラジカンテル前駆体プラジカンアミン (1,2,3,6,7,11b-ヘキサヒドロ-ピラジノ[2,1-a]イソキノリン-4-オン) のキラル分割を記載している (“プラジカンテルの分割”, M.Woelfle, J-P.Seerden, J.de Gooijer, Krees Pouwer, P.Olliaro, M.H.Todd 著, (2011) PLoS Negl.Trop.Dis 5(9):e1260.doi:10.1371/ journal.pntd.000260)。この分割は二つの結晶化工程が充分に高い光学純度に達するのに必要であるという事実のためにかなり低い収率に達する。この操作と関連する別の問題は順序:アシル化、酸化脱水素、水素化そして最後に脱アシル化を使用して行い得る(S)-プラジカンアミンの労力を要し、かつ時間を浪費する循環である。この他に、(-)-ジベンゾイル-L-酒石酸の循環が問題を生じる。何とならば、それがケン化及びエステル交換を受け易い傾向があるからである。両方の局面は製造規模で特に困難である。
Alberto Cedillo Cruzら著Tetrahedron: Asymmetry (2014), 25(2), 133-140 はアキラル相による、ジアステレオマーナプロキセン-(R)/(S)-プラジカンアミド, ((11bS)- 及び(11bR)- [(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフタレニル)-1-オキソプロピル]-1,2,3,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2-4H-ピラジノ[2,1-a]イソキノリン-4-オン(これらは(S)-ナプロキセン-酸クロリド及びラセミ体のプラジカンアミンから合成される))のクロマトグラフィー分離を記載している。(R)-プラジカンアミンを得るために、(11bR)-[(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフタレニル)-1-オキソプロピル]-1,2,3,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2-4H-ピラジノ[2,1-a]イソキノリン-4-オン中の共有結合が苛酷な条件(85%-リン酸、150 ℃) 下で開裂される必要がある。この方法は労力を有し、しかも経済的ではない。更に、望ましくない(S)-プラジカンアミンの有効な循環がない。
・鏡像体(S)-(I) 又は(R)-(I) の一種と少なくとも14個のC原子を含む鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたキラル2-アリール-プロピオン酸により生成されるジアステレオマー塩の沈澱によるプラジカンアミンの鏡像体(S)-(I) 及び(R)-(I) の混合物のキラル分割を含む鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された(R)-プラジカンアミンの製造方法により解決された。
・鏡像体(S)-(II)又は(R)-(II)の一種と少なくとも14個のC原子を含む鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたキラル2-アリール-プロピオン酸により生成されるジアステレオマー塩の沈澱によるN置換プラジカンジアミンの鏡像体(S)-(II)及び(R)-(II)の混合物のキラル分割
を含む、鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたN置換 [(1R)-1,2,3,4,テトラヒドロ-1-イソキノリン-1-イル]メタンアミン (N置換(R)-プラジカンジアミン) の製造方法により解決された。
先に示された化学構造に従って、本発明の状況において、“(R)-プラジカンジアミン”という用語は1,2,3,4,テトラヒドロ-1-イソキノリン-1-イル]メタンアミンを表し、また“N置換(R)-プラジカンジアミン”という用語は1,2,3,4,テトラヒドロ-1-イソキノリン-1-イル]メタンアミンの誘導体を表し、これは環外窒素原子の位置に置換基R2を有する。
プラジカンジアミンはまたプラジカンテルの合成のための既知の前駆体である。こうして、プラジカンアミンについて上記されることによれば、鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたN置換(R)-プラジカンジアミンの製造方法はまたラセミ体のプラジカンテルの合成のための良く確立され、高度に最適化された大規模方法の一つで実施し得る簡単かつ有効な操作を提供する。結局、本発明の方法により得られた鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたN置換(R)-プラジカンジアミンは鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された(R)-プラジカンテルを大量に得るのに使用し得る。
本発明によれば、鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたキラル2-アリール-プロピオン酸は少なくとも14個のC原子、好ましくは14〜20個のC原子、更に好ましくは14〜16個のC原子を含む。本発明の目的のために、“アリール”は系のコアー構造を形成する6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する少なくとも一つの芳香族炭化水素系を含む残基を表す。こうして、“アリール”はコアー構造を形成する6個の炭素原子を含む単環式残基、即ち、フェニル部分だけでなく、コアー構造を形成する10個の炭素原子を含む二環式残基、例えば、ナフチル又はアズレニル部分を含む。単環式又は二環式残基は置換されておらず、又は更なる置換基、例えば、特にメチル、メトキシ、F、Cl、CF3 、ベンゾイル等で置換されている。こうして、2-(6-メトキシ-ナフタレン -2-イル)-プロピオン酸又は2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオン酸が少なくとも14個のC原子を含む鏡像体上純粋な、キラル2-アリール-プロピオン酸の特別な例である。(S)-2-(6-メトキシ-ナフタレン-2-イル)-プロピオン酸(これはAPI (活性医薬成分) ナプロキセンである)は(S)-ナプロキセンと称され、一方、その鏡像体(R)-2-(6-メトキシ-ナフタレン-2-イル)-プロピオン酸は(R)-ナプロキセンと称されるであろう。従って、2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオン酸の(S)-鏡像体は(S)-ケトプロフェンと称され、一方、その相当する(R)-鏡像体酸は(R)-ケトプロフェンと称されるであろう。
その沈澱に続いて、ジアステレオマーの塩が分離され、鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された(R)-プラジカンテル前駆体 ((R)-プラジカンアミン又はN置換(R)-プラジカンジアミン) が単離される。こうして、本発明の重要な実施態様は下記の工程:
・ジアステレオマーの塩の分離;
・(R)-プラジカンアミンの単離
を更に含む方法を含む。
更に、別の重要な実施態様は下記の工程:
・ジアステレオマーの塩の分離;
・N置換(R)-プラジカンジアミン(好ましくは(R)-プラジカンアセトアミド)の単離
を更に含む方法を含む。
(R)-プラジカンテル前駆体 ((R)-プラジカンアミン又はN置換(R)-プラジカンジアミン、例えば、特に(R)-プラジカンアセトアミド) のその後の単離のために、有機アンモニウム塩の2成分を分離するための技術水準の操作、例えば、特に有機溶媒の存在下でアルカリ塩基水溶液による塩の処理を伴なう方法が使用し得る。この場合、有機アミンが有機相に抽出され、一方、有機酸がアルカリ塩として水相中に保たれる。その他の実施態様において、(R)-プラジカンアミン又はN置換(R)-プラジカンジアミン、例えば、特に(R)-プラジカンアセトアミドから誘導されたジアステレオマーの塩が鉱酸水溶液で処理され、有機酸が有機溶媒により抽出され、一方、有機アンモニウム鉱酸塩が水溶液中に保たれる。(R)-プラジカンテル前駆体から誘導された有機アミンがアルカリ水溶液による処理及び有機相への有機アミンのその後の抽出により水溶液から単離し得る。(R)-プラジカンアミンが(R)-プラジカンテル前駆体として使用される場合、別の可能性は2相系(水相/有機相)(これはジクロロメタン、トルエン、メチル-THF、THF 等のような溶媒の添加により生成される)を使用して有機アミンをそのアンモニウム塩水溶液から相当するシクロヘキシルカルボキサミドに直接に(先に単離しないで)変換することである。pH値がNaOH、KOH 等のような塩基水溶液によりpH 8より上に調節される。次いで有機試薬 (例えば、有機酸塩化物、好ましくはシクロヘキサンカルボン酸塩化物) が純粋な形態で、又は上記された溶媒のような有機溶媒に溶解されて添加され、その間にpHが塩基水溶液の同時添加により8より上に保たれる。(R)-プラジカンアセトアミドが使用される場合、そのアミド基がHCl 水溶液による処理により容易に開裂されて(R)-プラジカンアミンを得、これがラセミベンズアミドだけでなく、粗ラセミ1,2,3,4,テトラヒドロ-1-イソキノリンメタンアミンの単離についてRupe及びFreyによる文献Helv.Chim.Acta (1939), 22, 673 に記載されている。環外窒素の位置における(R)-1,2,3,4,テトラヒドロ-1-イソキノリンメタンアミンの選択的アシル化がZ.Czarnocki らにより示されていた (Tetrahedron Asymmetry 17 (2006)1415)。
本発明の別の特別な実施態様はラセミプラジカンテル前駆体(プラジカンアミン又はN置換プラジカンジアミン)の分割のためのキラル酸として使用される2-アリール-プロピオン酸が(S)-ナプロキセン [(S)-2-(6-メトキシ-ナフタレン-2-イル)-プロピオン酸]又は(S)-ケトプロフェンである方法を含む。これらのキラル酸の使用が特に有利である。何とならば、両方がAPI のものであり、これらが大量かつ高純度で容易に入手し得るからである。
勿論、上記された分離方法は(R)-ナプロキセンが使用される場合に鏡像を有する。次いで2:1 塩[(R)-ナプロキセン:(S)-プラジカンアミン] が沈澱し、(R)-プラジカンアミンが(R)-プラジカンテルへの更なる加工のために溶液中に保たれる。この特別なミラー方法が勿論、本発明の別の局面である。更なる局面はR-プラジカンアミンによるラセミナプロキセンの分離であり得る。しかしながら、品質及び実現可能性の考慮のために、好ましい実施態様において、[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアミン] 2:1 塩からの(R)-プラジカンアミンが更に(R)-プラジカンテルに加工される。
勿論、上記された分離方法は(R)-ナプロキセン又は(R)-ケトプロフェンが使用される場合にまた鏡像を有する。次いでジアステレオマーの塩 (それぞれ[(R)-ナプロキセン:(S)-プラジカンアセトアミド] 及び[(S)-ケトプロフェン:(R)-プラジカンアセトアミド])が沈澱し、(R)-プラジカンアセトアミドが(R)-プラジカンテルへの更なる加工のために溶液中に保たれる。この特別なミラー方法が本発明の別の局面である。それにもかかわらず、品質及び実現可能性の考慮のために、好ましい実施態様において、相当する [(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアセトアミド] 1:1 塩又は相当する[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアセトアミド] 1:1 塩から誘導された(R)-プラジカンアセトアミドが更に(R)-プラジカンテルに加工される。
塩からの(R)-プラジカンテル前駆体 ((R)-プラジカンアミン又はN置換(R)-プラジカンアセトアミド) のその後の単離は有機溶媒の存在下でのアルカリ塩基水溶液によるジアステレオマーの塩の処理により達成し得る。この場合には、有機アミンが有機相に抽出され、一方、有機酸がアルカリ塩として水相中に保たれる。この操作が(R)-プラジカンテル前駆体 (例えば、(R)-プラジカンアミン) の単離に適用可能であるが、有機相 (ジクロロメタンのような) への(R)-プラジカンテル前駆体 (例えば、(R)-プラジカンアミン) の抽出が長たらしく、しかも収率の損失により伴なわれる。
(S)-ナプロキセンの遊離酸は水に殆ど不溶性である。この性質が(R)-プラジカンテル前駆体 ((R)-プラジカンアミン又は(R)-プラジカンアセトアミド) の単離に使用し得る。従って、非常に重要な実施態様は、ジアステレオマーの塩が[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアミン] 2:1 塩であり、かつ[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアミン] 2:1 塩からの(R)-プラジカンアミンの単離が水中の塩の懸濁及び水溶性酸のその後の添加により達成される方法を含む。このような場合には、水溶性酸が無機酸又は有機スルホン酸もしくはトリフルオロ酢酸或いは以上のいずれかの混合物であることが好ましい。ほぼpH 1で、塩が崩壊し、(R)-プラジカンアミンがアンモニウム塩として溶液中に保たれ、一方、(S)-ナプロキセンの遊離酸が沈澱し、濾別される。遊離(S)-ナプロキセンの非常に低い溶解性のために、この方法は異なる温度、例えば、特に室温で行なわれてもよい。記載された方法は更に精製しないで非常に良好な収率で高純度の(S)-ナプロキセンの循環を可能にする。従って、本発明の方法は(S)-ナプロキセンを循環し、再使用するのに非常に有効な方法を提供する。この概念が(S)-ナプロキセン及び(R)-プラジカンアセトアミドからなる塩に適用可能であり、相当する実施態様が本発明の別の局面である。
・液体/固体分離による[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアミン] 2:1 塩の分離;
・反応混合物の酸性化及び(その後の)液体/固体による[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアミン] 2:1 塩からの(R)-プラジカンアミンの単離
を含む。
また、本発明の別の特別な方法は下記の工程:
・液体/固体分離による[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアセトアミド:] 1:1 塩の分離;
・反応混合物の酸性化及び(その後の)液体/固体分離による[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアセトアミド] 1:1 塩からの(R)-プラジカンアセトアミドの単離
を含む。
本発明の更なる特別な方法は下記の工程:
・液体/固体分離による[(S)-ケトプロフェン:(R)-プラジカンアセトアミド:] 1:1 塩 の分離;
・反応混合物の酸性化及び(その後の)液体/固体分離による[(S)-ケトプロフェン:(R)-プラジカンアセトアミド] 1:1 塩からの(R)-プラジカンアセトアミドの単離
を含む。
結局、本発明の特別な重要な実施態様は
・2-アリール-プロピオン酸が(S)-ナプロキセンであり、沈澱したジアステレオマーの塩が(S)-ナプロキセン及び(R)-プラジカンアミン (R)-(I)を含み;
・ジアステレオマーの塩が[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアミン] であり、これがX:1 の化学量論を有し、この場合、Xが1〜3の実数であり、
更にその方法が下記の工程:
・液体/固体分離によるジアステレオマーの塩[(S)-ナプロキセン:(R)-プラジカンアミン] の分離;
・反応混合物の酸性化及び(その後の)液体/固体分離による(R)-プラジカンアミンの単離
を含む方法を含む。
同様に、本発明の別の特別な重要な実施態様は
・2-アリール-プロピオン酸が(S)-ナプロキセン又は(S)-ケトプロフェンであり、式 (R)-(II)のN置換(R)-プラジカンジアミンが(R)-プラジカンアセトアミドであり;
ジアステレオマーの塩がX:1 の化学量論を有し、この場合、Xが1〜3の実数であり;
更にその方法が下記の工程:
・液体/固体分離によるジアステレオマーの塩の分離;
・反応混合物の酸性化及び(その後の)液体/固体分離による(R)-プラジカンアセトアミド (アンモニウム塩水溶液として) の単離
を含む方法を含む。
こうして、本発明の別の局面は、上記された(R)-プラジカンアミンの製造方法を下記の工程:
・(R)-プラジカンアミンとシクロヘキサンカルボン酸誘導体の反応
と組み合わせる方法を含む。
特別な直接の実施態様において、(S)-ナプロキセンの沈澱後に得られた水性濾液が先の処理操作、例えば、抽出及び/又は(部分的)溶媒蒸発をしないで直接に、又は真空での濃縮後にN-アシル化反応に適用される。これはN-アシル化反応が2相溶媒系中で行なわれる場合に特に有利であり、この場合、一種の溶媒が水である(好ましくはショッテン−バウマン条件下で)。このような場合には、水性濾液が有機溶媒 (例えば、ジクロロメタン) と混合されて2相系を形成することが好ましく、pHが反応性シクロヘキシルカルボン酸誘導体の添加の前に適当な塩基(例えば、NaOHの水溶液)を使用して5.6 以上に調節される。N-アシル化反応の全てのその後の工程は既知の操作に従って行ない得る。
本発明の特別な好ましい実施態様において、N-アシル化に使用される反応性シクロヘキサンカルボン酸誘導体はシクロヘキサンカルボン酸塩化物であるが、その反応はまた混合酸無水物のようなその他の反応性誘導体又は適当なアミド結合形成方法を使用して行なわれ、これらはペプチド結合生成から知られており、また文献に記載されている (例えば、Madeleine M.Joullie 及びKenneth M.Lassen著 ARKIVOC 2010 (viii) 189-250)。
・N置換(R)-プラジカンジアミン (R)-(II) の脱保護;
・a)で得られた未保護(R)-プラジカンジアミンと反応性シクロヘキシルカルボン酸誘導体の反応;
・塩化クロロアセチルによるb)で得られたカルボキサミドの環化
を含む鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された(R)-プラジカンテルの製造方法を含む。
非常に特別な実施態様において、N置換(R)-プラジカンジアミン(R)-(II)の置換基R2がアセチル基である。この特別な場合には、反応順序が以下のとおりである (再度、工程が、例えば、Rupe及びFrey著Hev.Chim.Acta 1939, 22, 673 並びにZ.Carnockyら著Tetrahedron Asymmetry 17 (2006)1415 に記載された操作と同様にして行ない得る) 。
本発明の方法は出発物質が完全に、又は部分的にラセミ化される方法を含む。部分的ラセミ化は副反応を低く保つのに有益であり、このような操作が、例えば、サイクルの操作で依然として有効に使用されてもよく、この場合、ラセミ化/キラル分割順序が一列で数回行なわれる。
式中、
保護基PGはtert-ブチルオキシカルボニル、ベンゾイル又はアセチル、好ましくはtert.-ブチルオキシカルボニルを表す。
こうして、本発明の別の局面は下記の工程:
・式 (I’)
の鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された化合物のラセミ化
を含む方法に関するものであり、
この場合、塩基が使用され、かつ
R1はH、tert.-ブチルオキシカルボニル、ベンゾイル又はアセチル、好ましくはH、又はtert.-ブチルオキシカルボニルを表す。
大いに予期しないことに、本発明者らは鏡像体上純粋な(R)-又は(S)-プラジカンアミンだけでなく(S)-(I)-PGのような鏡像体上純粋なN保護プラジカンアミンが適当な条件下で適当な塩基による処理によりラセミ化することを見い出した。
異なる塩基が式 (I’)の鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたプラジカンテル前駆体のラセミ化に適した塩基性条件を得るのに使用されてもよい。しかしながら、塩基の適切な選択が可能な副反応(これらは出発物質の分解を通常もたらす)に鑑みて重要な因子であることが示された。
本発明の非常に重要な実施態様は、式 (I’)のプラジカンテル前駆体のラセミ化に使用される塩基がターシャリーアルカリアルコキシドである方法を含む。ターシャリーアルカリアルコキシド、例えば、アルカリtert.-ブトキシド又はアルカリtert.-ペントキシドだけでなくそれらの高級同族体が容易に入手し得る通常の試薬であるが、たいていは、それらは低レベルの望ましくない分解反応で非常に良好な収率でラセミ化反応を行なうことを可能にする。本発明の特別な有利な実施態様において、ナトリウム又は好ましくはカリウムtert.-ブトキシドがラセミ化に使用される。この試薬は非常に短い反応時間内で著しく高い収率でラセミ化を行なうことを可能にする。
ラセミ化反応に影響するその他のパラメーターは塩基化学量論及び温度である。本発明の重要な実施態様は、ラセミ化方法に使用される塩基の量が0.05当量〜1.5 当量、好ましくは0.3 当量〜1.0 当量、最も好ましくは0.4 当量〜0.8 当量の範囲である方法を含む。更に、式 (I’)のプラジカンテル前駆体のラセミ化が-50 ℃〜+40 ℃、好ましくは-25 ℃〜+30 ℃の範囲の温度で行なわれることが好ましく、特に、R1がHである場合には、その温度が0℃〜30℃であることが最も好ましい。
この場合、
・R1がH、tert.-ブチルオキシカルボニル、ベンゾイル又はアセチル、好ましくはH、又はtert.-ブチルオキシカルボニルを表し;
・塩基がターシャリーアルカリアルコキシド、好ましくはナトリウム又はカリウム tert.-ブトキシド、更に好ましくはカリウム tert.-ブトキシドであり;
・双極性非プロトン性反応媒体がN-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン及びあらゆる比のこれらの混合物からなる群から選ばれ、反応媒体がテトラヒドロフランであることが好ましく;
・ラセミ化に使用される塩基の量が0.05当量〜1.5 当量、好ましくは0.3 当量〜1.0 当量、最も好ましくは0.4 当量〜0.8 当量の範囲であり;
・ラセミ化が-50 ℃〜+40 ℃、好ましくは-25 ℃〜+30 ℃の範囲の温度、特に、R1がHである実施態様では、最も好ましくは0℃〜30℃で行なわれる。
この特別な実施態様において、ラセミ化に使用される鏡像体が特に(S)-プラジカンアミンであってもよい。先に示されたように、反応混合物がほんのわずかな水を含み、又は水を含まない場合に、副反応が減少されるかもしれない。この特別なラセミ化方法を利用して鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された(S)-プラジカンアミンをそのラセミ体(又はラセミ組成物に近い)(これはその後にキラル分割にかけられる)に変換することによりラセミのプラジカンアミンのキラル分割に基づく鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された(R)-プラジカンテルの調製方法を改良することが好ましい。
本発明の別の局面は(R)-プラジカンアセトアミド誘導体及び(S)-ナプロキセン又は(S)-ケトプロフェンからなる塩及びその溶媒和物に関する。これらの塩はX:1の化学量論により特徴づけられることが好ましく、この場合、Xは1〜3の実数であるが、Xが、例えば、以下に(a) (S)-ナプロキセン塩及びb) (S)-ケトプロフェン塩に示されるように1であることが好ましい。
“溶媒和物”という用語は本発明の化合物と溶媒、好ましくは医薬上許される溶媒の付加形態(これらは化学量論量又は非化学量論量の溶媒を含む)を意味する。幾つかの化合物は結晶性固体状態で一定モル比の溶媒分子を捕捉する傾向を有し、こうして溶媒和物を生成する。溶媒が水である場合、生成される溶媒和物は水和物、例えば、モノ又はマルチ水和物である。溶媒がアルコールである場合、生成される溶媒和物はアルコラート、例えば、メタノラート又はエタノラートである。溶媒がエーテルである場合、生成される溶媒和物はエーテラート、例えば、ジエチルエーテラートである。
本発明は以下の実施例に記載される特別な実施態様への言及により説明されるが、限定されない。スキームに特に示されない限り、変数は先に記載されたのと同じ意味を有する。
本発明の化合物の調製のための出発物質は実施例に記載される方法又は合成有機化学の文献に記載され、また当業者に知られているような、それ自体知られている方法により調製でき、又は商業上得られる。
特に明記されない限り、プラジカンテル前駆体、例えば、rac-プラジカンアミン以外の全ての出発物質は商業上の供給業者から得られ、更に精製しないで使用される。プラジカンテ前駆体 (例えば、プラジカンアミン及びプラジカンジアミン) はプラジカンテルの合成について知られている操作、例えば、特に初期のメルク方法だけでなく、rac-プラジカンテルについてのShin-Poong方法における中間体である。特に明記されない限り、全ての温度が℃で表わされ、全ての反応が室温で行なわれる。
略号
略号:
ee 鏡像体過剰率
rac ラセミ体の
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
J カップリング定数
KOtBu カリウム tert.-ブトキシド
m 多重線
mL ミリリットル
mp 融点
MS 質量分析法
(S)-PZQ (S)-プラジカンテル
(R)-PZQ (R)-プラジカンテル
RT 室温
s 一重線
t 三重線
THF テトラヒドロフラン
母液及び洗浄部分の蒸発後に、70.2%の(S)-プラジカンアミンに関する鏡像体過剰率で残留(S)-ナプロキセン及び(S)-プラジカンアミンを含む黄色の残渣351.1gを単離する。
C40H42O7N2 (662.77 g/モル) 、融点157-159 ℃
1H NMR(CD3OD): 6.14-6.19 (m, 6Harom), 5.87 (dt, J=8, 2Hz, 2Harom), 5.62-5.72 (m, 6Harom), 5.56 (ddd, J=8, 4, 2Hz, 2Harom), 3.31 (dd, J=8 ,4 Hz, 1H), 3.14-3.18 (m, 1H), 2.35 (s, 6H), 2.28 (dd, J=12, 8Hz, 2H), 2.23 (dd, J=8 ,4Hz, 1H), 1.98 (AB, J=18Hz, 2H), 1.77-1.79 (m, 4H), 1.21-1.38 (m, 4H), 0.01 (d, J=8 Hz, 6H).
13C NMR(CD3OD): 177.2 (s, 2CO2H), 167.5 (s, 1C=O), 157.6 (s, 2COMe), 136.2 (s, 2qCarom), 134.5 (s, 1qCarom), 133.7 (s, 2qCarom), 133.6 (s, 1qCarom), 129.0 (s, 2qCarom), 128.8 (s, 1Carom), 128.7 (s, 2Carom), 126.7 (s, 1Carom), 126.6 (s, 2Carom), 126.4 (s, 1Carom), 125.8 (s, 2Carom), 125.4 (s, 2Carom), 124.5 (s, 1Carom), 118.4 (s, 2Carom), 105.2 (s, 2Carom), 55.7 (s, 1CH), 54.3 (s, 2OCH3), 48.3 (s, 1CH2), 48.1 (s, 1CH2), 45.3 (s, 2CH), 38.8 (s, 1CH2), 28.2 (s, 1CH2), 17.6 (s, 2CH3).
C19H24N2O2 (312.42 g/モル) 、融点109-110 ℃
1.1 に従って得られるrac-プラジカンアミン分割の母液及び洗浄液からの明褐色の残渣(351.1g)を脱イオン水1400g 中で撹拌下で懸濁させる。塩酸水溶液 (25質量%) 386.4g (2.65モル) を20℃で滴下して添加する。その混合物のpHが約1に低下し、その間に褐色の固体が溶解している。3時間の撹拌後に、白色の懸濁された固体のみが残され、これを濾過する。フィルターケーキを希HCl 水溶液で洗浄し、乾燥させて (40℃で真空で24時間) (S)-ナプロキセンとして特性決定された白色〜明赤色の固体60.7g (0.264モル) を得る。
この残渣からの40g (0.191モル) のアリコートを35℃で撹拌下でTHF 250gに溶解し、次いで室温に冷却する。不活性雰囲気(酸素及び水分が排除された)下で、THF 140gに溶解されたカリウムtert.-ブトキシド11g (0.098モル) の溶液を温度制御下で滴下して添加する。その反応混合物が直ちに暗紫色になり、完全添加後に23℃で6時間撹拌する。最後にHCl水溶液 (25質量%) 56g (0.383 モル) を添加し、次いでそのpHをNaOH水溶液 (35質量%) の添加により9-10に調節する。水600g及びジクロロメタン700gを添加し、相を分離し、水層をジクロロメタンで充分に抽出する。合わせた有機層を蒸発させて96.8%のHPLC純度及び2%(S) の鏡像体過剰率を有するラセミ化プラジカンアミンのオレンジ色の油性残渣34.9g (0.167モル) を得る (ラセミ化の収率: 理論値の87.4%)。
1.3 に従って得られるラセミ化プラジカンアミン17g (0.084モル) 及びナプロキセン19.35g(0.084モル) をジアステレオマーの塩生成の操作に従ってそれが上記されたように加工する。(R)-プラジカンアミン/ナプロキセン塩 (R/SS) 21.3g (0.0317モル) を99.2%(R) の鏡像体過剰率で白色の固体 (理論値の76%)として得る。
再計算は、上記された反応順序(これは偽(S)-鏡像体の循環を含む)が循環工程を含まない方法と較べて60%までの総合の分割の増大 (理論的に可能な総合の収率は75%である)を可能にすることを示す。
この実施例に記載されたサイクル操作は式 (I’)又は(S)-(I)-PGのその他の化合物がラセミ化方法に使用されるべきである場合に容易に変更し得る。例えば、BOC-保護プラジカンアミン (R1 = tert-ブチルオキシカルボニル) がラセミ化に使用される場合には、ラセミ体の物質をキラル分割の前に脱保護してプラジカンアミン (R1 = H) を得る。加えて、サイクル方法はまた式 (I’)のプラジカンテル前駆体のいずれかの合成に使用されてもよく、この場合には、鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された (R)-プラジカンアミン (R1 = H)の相当する化学変換がキラル分割工程後に行なわれる。
C17H22N2O3 (302.38 g/モル) 、融点118-121 ℃
1H NMR(CDCl3): 7.16-7.28 (m, 4Harom), 4.81-4.88 (m, 2H), 4.63-4.76 (m, 1H), 4.50 (AB, J=18Hz, 1H), 3.87 (AB, J=18Hz, 1H), 2.74-3.03 (m, 4H), 1.51 (s, 9H).
13C NMR(CDCl3): 165.3 (s, 1C=O), 153.8 (s, 1C=O), 135.0 (s, 1qCarom), 132.8 (s, 1qCarom), 129.3 (s, 1Carom), 127.4 (s, 1Carom), 126.8 (s, 1Carom), 125.3 (s, 1Carom), 81.0 (s, 1qC), 55.3 (s, 1CH), 47.8 (s, 1CH2), 46.5 (s, 1CH2), 38.9 (s, 1CH2), 28.8 (s, 1CH2), 28.4 (s, 3CH3).
鏡像体濃縮された(S)-BOC-保護プラジカンアミンを濃縮された(S)-プラジカンアミン(これは、例えば、キラル分割の母液から得られる)から出発して同様に調製し得る。
THF 130ml 中の鏡像体濃縮された(S)-Boc-保護プラジカンアミン16.7g (0.054モル, HPLC純度 97.9%, R/S= 11/89) の溶液にTHF 14ml中のカリウム tert.-ブトキシド1.5g (0.013モル) の溶液を水分及び酸素の排除のもとに徐々に添加する。その暗オレンジ色の混合物を室温で2時間撹拌する。次いでその反応混合物を酢酸1.1g (0.018モル) を含む水100mlに注ぐ。ジクロロメタンの添加、相分離及びジクロロメタンによる抽出後に、合わせた有機層を蒸発させてBOC-保護rac-プラジカンアミン16.2g (0.052モル) を96.7%のHPLC純度及び1.6%(S) の鏡像体過剰率を有する黄色/オレンジ色の固体として得る(理論値の96%)。
最後にBOC-保護rac-プラジカンアミンを通常の条件によりrac-プラジカンアミンへと脱保護し、上記された新しい分割工程に再使用し得る。
4.2: Rac-プラジカンアセトアミド (N-((1,2,3,4-テトラヒドロ-1-イソキノリニル)メチル)-アセトアミド) のキラル分割及び(R)-プラジカンアセトアミド/ナプロキセン塩の単離
別途、この塩をまた、例えば、アセトン又はイソプロパノール/水混合物から単離し得る。
鏡像体過剰率を100%まで増大するためにこの塩をアセトニトリルから再結晶することが可能である。それは以下の工程の数のために鏡像体純粋なR-プラジカンテルの合成にいずれにしても必要とされず、一方、中間体の鏡像体純度は精製工程により改良されるであろう。
C26H29O4N2 (434.53 g/モル) 、融点155-156 ℃
1H NMR(CD3OD) : 6.14-6.17 (m, 3Harom), 5.93 (dd, J=8, 2Hz, 1Harom), 5.70-5.72 (m, 3Harom), 5.63-5.65 (m, 2Harom), 5.56 (m, 1Harom), 2.88 (dd, J=12 Hz, 4Hz, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.23 (dd, J=14, 8Hz, 1H), 2.14-2.18 (m, 1H), 2.01-2.07 (m, 1H), 1.86-1.92 (m, 1H), 1.78-1.82 (m, 2H), 1.60-1.66 (m, 1H), 1.37-1.47 (m, 2H), 0.42 (s, 3H), 0.01 (d, J=8 Hz, 3H).
13C NMR(CD3OD): 181.4 (s, 1CO2H), 173.1 (s, 1C=O), 157.4 (s, 1COMe), 138.1 (s, 1qCarom), 133.5 (s, 1qCarom), 132.9 (s, 1qCarom), 131.2 (s, 1qCarom), 129.0 (s, 1qCarom), 128.9 (s, 1Carom), 128.7 (s, 1Carom), 127.4 (s, 1Carom), 126.5 (s, 1Carom), 126.4 (s, 1Carom), 126.3 (s, 1Carom), 126.2 (s, 1Carom), 125.2 (s, 1Carom), 118.2 (s, 1Carom), 105.2 (s, 1Carom), 55.1 (s, 1CH), 54.3 (s, 1OCH3), 47.5 (s, 1CH), 42.5 (s, 1CH2), 38.7 (s, 1CH2), 26.0 (s, 1CH2), 21.1 (s, 1CH3), 18.1 (s, 1CH3).
続いて(R)-プラジカンテルをカルボキサミド前駆体からまた報告された操作、例えば、
Houben-Weyl, Vol.XI/2, Stuttgart 1958, 518-546;
J.Seubert (Merck Patent GmbH), DE 25 04 250;又は
R.Pohlke, F.Loeblich, J.Seubert, H.Thomas, P.Andrews (Merck Patent GmbH), US 3,993,760.
に従ってクロロ−アセチルクロリドによる環化により調製する。
C28H30O4N2 (458.55 g/モル) 、融点116-118 ℃
1H NMR(CD3OD) : 6.2-6.32 (m, 3Harom), 6.11-6.18 (m, 3Harom), 6.03-6.07 (m, 2Harom), 5.95-5.99 (t, J=8Hz, 1Harom), 5.76-5.82 (m, 3Harom), 5.71-5.74 (m, 1Harom), 3.02 (dd, J=8, 4Hz, 1H), 2.20-2.28 (m, 2H), 2.11-2.17 (m, 1H), 1.98-2.04 (m, 1H), 1.84-1.86 (m, 1H), 1.73-1.79 (m, 1H), 1.47-1.60 (m, 2H), 0.47 (s, 3H), 0.01 (d, J=8 Hz, 3H).
13C NMR(CD3OD): 197.2 (s, 1C=O), 180.0 (s, 1CO2H), 173.2 (s, 1C=O), 143.8 (s, 1qCarom), 37.5 (s, 1qCarom), 137.3 (s, 1qCarom), 132.6 (s, 1qCarom), 132.3 (s, 1Carom), 131.7 (s, 1Carom), 130.6 (s, 1qCarom), 129.6 (s, 2Carom), 128.9 (s, 1Carom), 128.8 (s, 1Carom), 128.0 (s, 2Carom), 127.9 (s, 1Carom), 127.7 (s, 1Carom), 127.6 (s, 1Carom), 126.5 (s, 1Carom), 126.3 (s, 1Carom), 55.1 (s, 1CH), 50.3 (s, 1CH), 42.3 (s, 1CH2), 38.7 (s, 1CH2), 25.7 (s, 1CH2), 21.1 (s, 1CH3), 18.2 (s, 1CH3)
鏡像体過剰率を100%まで増大するためにこの塩をアセトニトリルから再結晶することが可能である。それは以下の工程の数のために鏡像体純粋な(R)-プラジカンテルの合成にいずれにしても必要とされず、一方、中間体の鏡像体純度は精製工程により改良されるであろう。
Claims (18)
- 沈澱したジアステレオマーの塩が(S)−ナプロキセン及び(R)−プラジカンアミン(R)−(I)を含む、
請求項1記載の方法。 - ジアステレオマーの塩が、[(S)−ナプロキセン:(R)−プラジカンアミン]であり、X:1の化学量論を有し、Xが1〜3の実数である、
請求項2記載の方法。 - 下記の工程:
・液体/固体分離による、[(S)−ナプロキセン:(R)−プラジカンアミン]2:1塩の分離;
・反応混合物の酸性化及び液体/固体分離による、[(S)−ナプロキセン:(R)−プラジカンアミン]2:1塩からの(R)−プラジカンアミンの単離
を含む、
請求項3記載の方法。 - 無機酸又は有機スルホン酸もしくはトリフルオロ酢酸を酸性化に使用する、請求項4記載の方法。
- ・沈澱したジアステレオマーの塩が(S)−ナプロキセン及び(R)−プラジカンアミン(R)−(I)を含み;
・ジアステレオマーの塩が、[(S)−ナプロキセン:(R)−プラジカンアミン]であり、X:1の化学量論を有し、Xが1〜3の実数であり、
・更に、下記の工程:
・液体/固体分離によるジアステレオマーの塩[(S)−ナプロキセン:(R)−プラジカンアミン]の分離;
・反応混合物の酸性化及び液体/固体分離による(R)−プラジカンアミンの単離
を含む、
請求項1から5のいずれかに記載の方法。 - 請求項1から6のいずれかに記載の方法、及び、下記の工程:
・(R)−プラジカンアミン(R)−(I)とシクロヘキシルカルボン酸誘導体の反応を含む
鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮された(R)−プラジカンテルの製造方法。 - 使用されるシクロヘキシルカルボン酸誘導体がシクロヘキシルカルボン酸塩化物である、請求項7記載の方法。
- シクロヘキシルカルボン酸塩化物との反応を二相溶媒系の存在下で行ない、この場合、一種の溶媒が水である、請求項8記載の方法。
- 鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたN置換プラジカンジアミンの製造方法であって、 下記の工程:
・鏡像体(S)−(II)又は(R)−(II)の一種と、少なくとも14個のC原子を含む鏡像体上純粋な又は鏡像体濃縮されたキラル2−アリール−プロピオン酸により生成されるジアステレオマー塩の沈澱を介して、N置換プラジカンジアミンの鏡像体(S)−(II)及び(R)−(II)
の混合物をキラル分割する工程、
を含み、
2−アリール−プロピオン酸が、(S)−ナプロキセン又は(S)−ケトプロフェンである、
方法。 - 下記の工程:
・液体/固体分離によるジアステレオマーの塩の分離;
・反応混合物の酸性化及び液体/固体分離によるジアステレオマーの塩からのN置換(R)−プラジカンジアミンの単離
を含む、請求項10記載の方法。 - 請求項10から11のいずれかに記載の方法、及び、下記の工程:
・a)N置換(R)−プラジカンジアミン(R)−(II)の脱保護;
・b)a)で得られた保護されていない(R)−プラジカンジアミンと反応性シクロヘキシルカルボン酸誘導体の反応;
・クロロアセチルクロリドによるb)で得られたカルボキサミドの環化
を含む、
鏡像体純粋な又は鏡像体濃縮された(R)−プラジカンテルの製造方法。 - ・ラセミ化に使用される双極性非プロトン性反応媒体がN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン及びあらゆる比のこれらの混合物からなる群から選ばれ;
・ラセミ化に使用される塩基の量が0.05当量〜1.5当量の範囲であり;
・ラセミ化が−50℃〜+40℃の範囲の温度で行なわれる、
請求項13に記載の方法。 - 請求項1〜9、13及び14のいずれかに記載の方法における請求項15記載のジアステレオマーの塩又はこれらの溶媒和物の使用。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の方法における請求項16記載のジアステレオマーの塩又はこれらの溶媒和物の使用。
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