JP6915230B2 - 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置、成形加工品、並びに分散性評価装置。 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置、成形加工品、並びに分散性評価装置。 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、及び活性エネルギー線硬化型インク、並びに、それらを収容した容器、それらを用いた2次元又は3次元の像の形成方法と形成装置、当該像を加工してなる成形加工品、及び分散性評価装置に関する。
活性エネルギー線硬化型インクは、ソルベント系インクと比較して、臭気が少なく、速乾性であるため、インクを吸収しない記録媒体に好適に記録することができる。
前記活性エネルギー線硬化型インクは、水銀ランプやメタルハライドランプなどの光源の種類に応じて、吸収波長の異なる数種類の重合開始剤を用いて、前記活性エネルギー線硬化型インク中のモノマーを結合させて硬化させる。
近年では、省電力化の点から、消費電力の少ない波長365nm又は波長385nmにピーク発光波長を有する紫外線発光ダイオードが用いられる場合も多くなっている。しかしながら、前記活性エネルギー線硬化型インクに含まれる顔料も紫外線を吸収するため、顔料の中でも特に白色顔料を用いた場合に優れた硬化性を得ることが困難であるという問題がある。
また、前記活性エネルギー線硬化型インク中に凝集体(粗大粒子)が多く存在した場合、保管中にインクが経時により増粘したり、流動性を失って使用できなくなるという問題や、保管中に粗大粒子が沈殿して分離するという安定性に関する問題もある。
そこで、紫外線領域での吸光度が低い顔料を用いたインク、及び紫外線領域での吸光度が低い樹脂被覆カーボンブラックを用いた水系ブラックインクが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、光重合開始剤、増感剤、及び蛍光増白剤の吸光度を最適化した紫外線硬化型インクジェットインク組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、吸光度比〔(波長500nmの光に対する吸光度)/(波長360nmの光に対する吸光度)〕が0.8以上であるマゼンタ染料を用いたインク組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、無機粒子の分散体中の粗大粒子をパーティクルカウンターで係数する粗大粒子の測定方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
本発明は、隠蔽性が高く、硬化性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、顔料、及び重合性化合物を含有し、最大吸収波長が、波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲にあり、前記最大吸収波長における吸光度と、波長365nmにおける吸光度との比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)が、1.20以上である。
本発明によると、隠蔽性が高く、硬化性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例(2次元立体像の製造装置)を示す概略図である。 図2は、インクジェット吐出手段を備えた像の形成装置の一例(3次元立体像の製造装置)を示す概略図である。 図3は、像の形成装置の他の一例(3次元立体像の製造装置)を示す概略図である。 図4は、水銀ランプの紫外線スペクトルの一例である。 図5は、メタルハライドランプの紫外線スペクトルの一例である。 図6は、UV−LEDの紫外線スペクトルの一例である。 図7は、実施例1及び15における活性エネルギー線硬化型組成物の吸光度を示すグラフである。 図8は、本発明の分散性評価装置の一例を示す概略図である。 図9は、溶液容器の構成を示す断面の一例を示す概略図である。 図10は、図8の分散性評価装置の要部を示す要部概略図である。 図11は、実施例14の後方散乱法を用いた最大体積粒径の測定結果を示す図である。 図12は、実施例15の後方散乱法を用いた最大体積粒径の測定結果を示す図である。 図13は、実施例16の後方散乱法を用いた最大体積粒径の測定結果を示す図である。 図14は、実施例14の活性エネルギー線硬化型組成物の後方散乱像の測定結果の一例を示す図である。
(活性エネルギー線硬化型組成物)
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、顔料、及び重合性化合物を含有し、更に必要に応じて、分散剤、重合開始剤、重合促進剤、その他の成分を含有してなる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、従来の紫外線領域での吸光度が低い顔料を用いたインク、及びマゼンタ染料を用いたインク組成物では、硬化性は改善されていないという問題があるという知見に基づくものである。また、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、従来の水系ブラックインクでは、水系インクを対象としており非水系インクには対応できておらず、さらに、前記紫外線硬化型インクジェットインク組成物は、色相と硬化性の点では改善がみられたものの、印字濃度が不十分であるという問題があるという知見に基づくものである。さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、粗大粒子をパーティクルカウンターで計数する場合は、パーティクルカウンターには測定濃度範囲があり、インクの処方によっては規定の粒子濃度に正確に希釈する必要が生じ、製品インク状態で粗大粒子の存在を評価できないという問題があるという知見に基づくものである。
可視光線の波長範囲としては、波長約400nm以上波長750nm以下であるため、波長400nm以上波長750nm以下の波長範囲において、前記活性エネルギー線硬化型組成物の最大吸収波長における吸光度を高くすることで、活性エネルギー線硬化型組成物の高い隠蔽性を得ることができる。
しかし、前記波長約400nm以上波長750nm以下の波長範囲に前記顔料の最大吸収波長(λmax)を有すると、紫外線発光ダイオード(以下、「UV−LED」と称することがある)の波長ピークである波長365nmにおける吸光度も高くなり、硬化のための活性エネルギーのうち、前記顔料に吸収される量が大きくなる傾向にあり、硬化性が低下する場合がある。
そこで、本発明では、最大吸収波長が、波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲にあり、波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲での最大吸収波長における吸光度と、波長365nmにおける吸光度との比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)を所定の範囲とすることで、波長365nmにおける吸光度を相対的に小さくし、顔料自体による活性エネルギーの吸収阻害を低減できるため、低強度の紫外光照射であっても、隠蔽性が高く、硬化性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物が得られることを見出した。
前記活性エネルギー線硬化型組成物の最大吸収波長(λmax)としては、波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲にあり、波長440nm以上波長470nm以下にあることが好ましい。前記最大吸収波長(λmax)が、波長430nm以上波長520nm以下にあると、隠蔽性を向上できる。
また、前記活性エネルギー線硬化型組成物における後方散乱法による最大体積粒径が、950nm以下であると、経時による保存安定性に優れることを見出した。
前記活性エネルギー線硬化型組成物を用いて、透明基材上に、照度が1W/cmであり、かつ照射量が500mJ/cmの活性エネルギー線を照射して硬化させた、平均厚みが10μmの硬化物の黒色に対する隠蔽率としては、81%以上が好ましく、84%以上がより好ましく、90%以上100%以下が特に好ましい。
前記平均厚みとしては、例えば、接触型(指針型)乃至渦電流式の膜厚計、例えば、電子マイクロメーター(アンリツ株式会社製)を用いて測定し、10点の膜厚の平均値より求めることができる。
また、前記隠蔽率としては、透明基材の得られた像(硬化物)を形成した側とは反対側にブラックペーパー(商品名:エキストラブラック、株式会社竹尾製、濃度:1.65)を置き、反射分光濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite社製)を用いて、黒色に対する像(硬化物)の濃度を測定し、下記式(1)に基づいて算出することができる。
式(1)
隠蔽率(%)=[1−(像(硬化物)の濃度/ブラックペーパーの濃度(1.65))]×100
前記活性エネルギー線硬化型組成物の前記顔料濃度が0.006質量%(60ppm)であるときの最大吸収波長(λmax)における吸光度としては、1.4以上であり、1.5以上が好ましい。前記吸光度が、1.4以上であると、隠蔽性を向上できる。なお、最大吸収波長(λmax)の高低によって、高い隠蔽性が出せるポテンシャルを保持しているかどうかを判断できる。
最大吸収波長における吸光度と、波長365nmにおける吸光度との比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)としては、1.20以上であり、1.25以上が好ましい。前記比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)が、1.20以上であると、UV−LEDランプを用いて硬化させる場合でも、UV−LEDランプの発光ピークである波長365nmにおける顔料によるUV−LEDランプの活性エネルギーの吸収を抑制でき、硬化性を向上できる。
前記活性エネルギー線硬化型組成物の最大吸収波長(λmax)の波長範囲、及び前記最大吸収波長における吸光度、並びに波長365nmにおける吸光度としては、前記活性エネルギー線硬化型組成物中の顔料濃度が0.006質量%であるときの測定値を用いること
ができる。
前記最大吸収波長(λmax)、及び前記吸光度、並びに前記波長365nmにおける吸光度としては、示差熱熱重量同時測定装置(装置名:TG/DTA7200、セイコーインスルツメンツ社製)を用いて、活性エネルギー線硬化型組成物中の顔料濃度を測定して、正確に顔料を0.006質量%に希釈したものを、分光光度計(装置名:U−3900H、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定することにより求めることができる。
前記示差熱熱重量同時測定装置(装置名:TG/DTA7200、セイコーインスツル社製)を用いた顔料の希釈濃度の測定方法としては、JIS K 0129に準拠して測定することができるが、例えば、以下の方法でも測定できる。
サンプルホルダーに基準物質(Al)と活性エネルギー線硬化型組成物をセットして、25℃から500℃まで窒素雰囲気中にて昇温速度10℃/分間で昇温した後、雰囲気を酸素に切り換えて、酸素雰囲気中にて昇温速度10℃/分間で700℃まで昇温する。
初めに、活性エネルギー線硬化型組成物中の水分、次いで300℃付近からは樹脂分の熱分解により熱重量測定(TG)において重量減少が確認できる。
500℃までに活性エネルギー線硬化型組成物中に含有される顔料分以外の成分(水分、界面活性剤、分散剤、開始剤、禁止剤等)の熱重量測定(TG)において重量減少が確認できる。
500℃から600℃にかけては、顔料が分解し、示差熱測定(DTA)において、大きなピークが現れ、熱重量測定(TG)において重量減少が確認できる。
前記500℃から600℃における熱重量測定(TG)での重量減少量を用いて、活性エネルギー線硬化型組成物に含有されている顔料分を定量することができる。
上記方法で求めた活性エネルギー線硬化型組成物中の顔料濃度から顔料濃度が0.006質量%になるように希釈して吸光度の測定に供することができる。
前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径としては、230nm以上300nm以下が好ましく、240nm以上280nm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が、230nm以上であると、比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)を1.20以上としやすくなり、隠蔽性、及び印字濃度を向上でき、300nm以下であると、隠蔽率を84%以上としやすく、インクジェットシステムを用いて記録する場合やヘッド詰まりを抑制し、吐出安定性を向上できる。なお、前記体積平均粒径としては、活性エネルギー線硬化型組成物をフェノキシエチルアクリレートで100倍程度に希釈して、粒度分布計(装置名:UPA150、日機装株式会社製)を用いて、活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径を測定することにより求めることができる。なお、前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径としては、活性エネルギー線硬化型組成物そのものを測定に供して得られた体積平均粒径を意味し、活性エネルギー線硬化型組成物中の粒子状の物体(具体的には、顔料を含む顔料分散体)の粒径に相当する。
体積粒径が170nm以下である前記活性エネルギー線硬化型組成物の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、10体積%以下が好ましい。前記含有量が、10体積%以下であると、比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)を1.20以上としやすくなる。
体積粒径が380nm以上である前記活性エネルギー線硬化型組成物の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、10体積%以下が好ましい。前記含有量が、10体積%以下であると、顔料濃度が0.006質量%であるときの最大吸収波長の吸光度を1.4以上としやすくなる。
前記活性エネルギー線硬化型組成物としては、波長360nm以上波長400nm以下の波長範囲に発光ピークを有する発光ダイオード光に感応性を有することが好ましい。なお、前記「発光ダイオード光に感応性を有する」とは、発光ダイオード光の照射により、重合開始剤の存在下又は不存在下で重合硬化する性質を有することを意味する。
後方散乱法を用いて、波長633nmのレーザー光を照射したときの前記活性エネルギー線硬化型組成物の最大体積粒径としては、950nm以下が好ましく、900nm以下がより好ましく、700nm以下が特に好ましい。前記後方散乱法による最大体積粒径が、950nm以下であると、経時による活性エネルギー線硬化型組成物の増粘を抑制し、活性エネルギー線硬化型組成物品質の低下やノズルからの吐出不良、印字画像の低下などを防止できる。前記後方散乱法による最大体積粒径は、活性エネルギー線硬化型組成物を希釈無しの状態で、共焦点レーザー蛍光顕微鏡(装置名:TCS SP8、ライカマイクロシステムズ株式会社製)を用いて、波長633nmにおける活性エネルギー線硬化型組成物の後方散乱像(256階調、3D像)を測定することができる。次いで、得られた後方散乱3D像から、二値化し、オブジェクトラベリングを行い、その後、画像計測を行うことで、3D散乱像中の粗大粒子の粒子径分布を算出することで求めることができる。
<顔料>
前記顔料としては、活性エネルギー線硬化型組成物中に分散させた時に、最大吸収波長(λmax)が波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲にあり、比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)が1.20以上であることを満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記顔料の個数平均一次粒径としては、220nm以上260nm以下が好ましく、230nm以上250nm以下がより好ましい。前記個数平均一次粒径が、220nm以上260nm以下であると、隠蔽率を84%以上としやすく、比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)を1.20以上としやすくなり、また、分散性を向上できる。なお、前記個数平均一次粒径としては、走査型電子顕微鏡(装置名:SU3500、株式会社日立ハイテクノロジオーズ製)を用いて、1万倍視野での一次粒子200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔にある定方向径を測定して、その累積分布の平均値から求めることができる。
前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径(Dv)と、前記顔料の個数平均一次粒径(Dn)との粒径比(Dv/Dn)としては、1以上1.2以下が好ましく、1以上1.1以下がより好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料などが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイなどが挙げられる。これらの中でも、隠蔽性の点から、酸化チタンが好ましい。
前記酸化チタンの結晶構造としては、例えば、アナターゼ型構造、ルチル型構造などが挙げられる。これらの中でも、光触媒活性が低い点から、ルチル型構造が好ましい。
前記顔料としては、表面処理されていることが好ましく、顔料の表面を親水性にできる表面処理がより好ましい。顔料の表面を親水性にすることにより、顔料の分散性を向上でき、硬化性を向上できる。
前記表面処理に用いられる処理剤としては、Al、SiO、ZrOなどが挙げられる。これらの中でも、分散性の点から、Alが好ましい。また、SiO、ZrOは、分散性の向上の他に、酸化チタンの光触媒活性を防止する効果があり、得られる硬化膜の耐光性を向上できる。
前記表面処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料誘導体処理、樹脂修飾、酸化処理、プラズマ処理など公知の方法が挙げられる。
前記酸化チタンとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、商品名:TCR−52(個数平均一次粒径:230nm、表面処理:Al)、商品名:S3618(個数平均一次粒径:230nm、表面処理:Al)(以上、堺化学工業株式会社製)、商品名:JR403(個数平均一次粒径:250nm、テイカ株式会社製、表面処理:Al、SiO)、商品名:JR(個数平均一次粒径:270nm、テイカ株式会社製、表面処理:なし)、商品名:JR301(個数平均一次粒径:300nm、テイカ株式会社製、表面処理:Al)、商品名:R45M(個数平均一次粒径:290nm、堺化学株式会社製、表面処理:Al、SiO)などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記酸化チタンとしては、例えば、特開2012−214534号公報、及び特開2014−185235号公報に記載されているものを好適に使用することができる。
しかし、前記特開2012−214534号公報、及び前記特開2014−185235号公報に記載の酸化チタンを用いても、他の材料との組合せ、処方量、工法の違いなどで、本発明における吸光度にならず、本発明における吸光度は、これらの材料、処方量、工法を調整し、最適化して初めて得られるものである。
前記酸化チタンは、本発明の吸光度を維持できる範囲内において、2種類以上の酸化チタンを混合して用いることができる。
前記顔料としては、活性エネルギー線硬化型組成物中に前記顔料を含む顔料分散体として存在することが好ましい。
前記顔料の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、10質量%以上20質量%以下が好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、隠蔽性を向上でき、20質量%以下であると、粘度の上昇を抑制して、吐出性を向上できる。
<重合性化合物>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性不飽和モノマー化合物、重合性オリゴマーなどが挙げられる。
<<重合性不飽和モノマー化合物>>
前記重合性不飽和モノマー化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一官能の重合性不飽和モノマー化合物、二官能の重合性不飽和モノマー化合物、三官能の重合性不飽和モノマー化合物、四官能以上の重合性不飽和モノマー化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記一官能の重合性不飽和モノマー化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェニルグリコールモノアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記二官能の重合性不飽和モノマー化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記三官能の重合性不飽和モノマー化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記四官能以上の重合性不飽和モノマー化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記重合性不飽和モノマー化合物は、それぞれ1種単独で用いても、2種以上を併用してもよく、また、異種の重合性不飽和モノマー化合物を2種以上併用してもよい。
前記重合性不飽和モノマー化合物としては、一官能の重合性不飽和モノマー化合物よりも多官能の重合性不飽和モノマー化合物の方が硬化速度を速めることができるが、組成物の粘度が高くなる場合や、体積収縮が大きくなる場合がある。そのため、できるだけ低粘度にできる重合性不飽和モノマー化合物を使用することが好ましい。
前記重合性不飽和モノマー化合物を用いて硬化させた像の体積収縮率としては、15体積%以下が好ましく、8体積%以下がより好ましい。
前記重合性不飽和モノマー化合物における皮膚刺激性(P.I.I.)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0以下が好ましい。前記皮膚刺激性が、1.0以下であると、皮膚への刺激を少なくでき、安全性を向上できる。
前記重合性不飽和モノマー化合物の色相としては、ガードナーグレイスケールが2以下が好ましく、無色透明がより好ましい。ガードナーグレイスケールが2以下であると、画像部の色彩が変わることを防止できる。なお、前記ガードナーグレイスケールとしては、JIS−0071−2 化学製品の色試験方法−ガードナー色数試験方法に準じて測定することができる。
前記重合性不飽和モノマー化合物の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、55質量%以上85質量%以下が好ましく、65質量%以上75質量%以下がより好ましい。
<<重合性オリゴマー>>
前記重合性オリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を1個以上有することが好ましい。なお、オリゴマーとは、モノマー構造単位の繰り返し数が2以上20以下の重合体を意味する。
前記重合性オリゴマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリスチレン換算で、1,000以上30,000以下が好ましく、5,000以上20,000以下がより好ましい。前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリルオリゴマー(例えば、芳香族ウレタンアクリルオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリルオリゴマー等)、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、その他の特殊オリゴマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、不飽和炭素−炭素結合が2個以上5個以下のオリゴマーが好ましく、不飽和炭素−炭素結合が2個のオリゴマーがより好ましい。不飽和炭素−炭素結合の数が、2個以上5個以下であると、良好な硬化性を得ることができる。
前記重合性オリゴマーとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、日本合成化学工業株式会社製のUV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3010B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B、UV−6640B、UV−8630B、UV−7000B、UV−7610B、UV−1700B、UV−7630B、UV−6300B、UV−6640B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UT−5449、UT−5454;サートマー社製のCN902、CN902J75、CN929、CN940、CN944、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN964、CN965、CN965A80、CN966、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN968、CN969、CN970、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN971J75、CN972、CN973、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977、CN977C70、CN978、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN984、CN985、CN985B88、CN986、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9013、CN9018、CN9019、CN9024、CN9025、CN9026、CN9028、CN9029、CN9030、CN9060、CN9165、CN9167、CN9178、CN9290、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893;ダイセル・サイテック株式会社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、市販品ではなく、合成により得た合成品を使用することもでき、合成品及び市販品を併用することもできる。
前記重合性オリゴマーにおける皮膚刺激性(P.I.I.)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0以下が好ましい。前記皮膚刺激性が、1.0以下であると、皮膚への刺激を少なくでき、安全性を向上できる。
前記重合性オリゴマーの色相としては、ガードナーグレイスケールが2以下が好ましく、無色透明がより好ましい。ガードナーグレイスケールが2以下であると、画像部の色彩が変わることを防止できる。なお、前記ガードナーグレイスケールとしては、JIS−0071−2 化学製品の色試験方法−ガードナー色数試験方法に準じて測定することができる。
前記重合性オリゴマーの含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、10質量%以下が好ましく、9質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、10質量%以下であると、得られる硬化物の硬度を高くできる。
<分散剤>
前記分散剤は、顔料を分散するために含有されることが好ましい。
前記分散剤の酸価としては、5mgKOH/g以上が好ましく、15mgKOH/g以上がより好ましい。
前記分散剤のアミン価としては、15mgKOH/g以上が好ましく、25mgKOH/g以上がより好ましい。
前記分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。
前記高分子分散剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル系ポリマー及びコポリマーが好ましく、顔料への吸着性の点から、5mgKOH/g以上の酸価であり、かつ15mgKOH/g以上のアミン価であるアクリルブロック共重合体がより好ましい。
前記高分子分散剤としては、市販品を使用してもよく、前記市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ株式会社製のアジスパーシリーズ、日本ルーブルリゾール株式会社(アベシア社、ノベオン社)のソルスパーズシリーズ(商品名:ソルスパース 32000(酸価:15.5mgKOH/g、アミン価:31.2mgKOH/g)、商品名:ソルスパース39000(酸価:33mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)等)、ビックケミージャパン株式会社製のDISPERBYKシリーズ((商品名:DISPERBYK−168、酸価:0mgKOH/g、アミン価:11mgKOH/g)、(商品名:DISPERBYK−167、酸価:0mgKOH/g、アミン価:13mgKOH/g)等)、BYKJETシリーズ、楠本化成株式会社製のディスパロンシリーズなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記アクリルブロック共重合体としては、市販品を使用してもよく、前記市販品としては、例えば、商品名:BYKJET−9151(ビックケミージャパン株式会社製、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g)が好ましい。
前記分散剤の含有量としては、顔料全量に対して、5質量%以上12.5質量%以下が好ましく、6質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、5質量%以上であると、顔料を十分被覆できるため、凝集を防止して、分散性を向上でき、顔料濃度が0.006質量%であるときの最大吸収波長(λmax)における吸光度を1.4以上としやすくなり、12.5質量%以下であると、過剰な分散剤がモノマー中に溶け出して粘度を上昇させることを抑制でき、吐出性を向上できる。
<重合開始剤>
前記重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、前記重合開始剤の含有量としては、十分な硬化速度を得るために、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、5質量%以上20質量%以下が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV−LEDランプなど硬化のための露光ランプの波長特性に合わせて選択することが好ましく、薄膜時に酸素阻害を受けにくい点から、チオ化合物が好ましく、チオキサントン化合物(チオキサントン系重合開始剤)がより好ましい。
前記重合開始剤としては、市販品を使用することもでき、前記市販品としては、例えば、BASF社製のイルガキュア819、イルガキュア369、イルガキュア907、DarocurITX、ルシリンTPO、Stauffer Chemical社製のVicure 10、30などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記チオキサントン系重合開始剤としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、Speedcure DETX(2,4−ジエチルチオキサントン)、Speedcure ITX(2−イソプロピルチオキサントン)(以上、Lambson社製);KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。
また、前記重合開始剤としては、(i)活性エネルギー線の吸収効率が高い、(ii)前記重合性不飽和モノマー化合物への溶解性が高い、(iii)臭気、黄変、及び毒性が低い、(iv)暗反応を起こさない、などの特性を有するものが好ましい。
また、重合開始剤に加え、重合促進剤を併用することもできる。
前記重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル等のアミン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記重合性不飽和モノマー化合物と、前記重合開始剤との混合物に活性エネルギー線(紫外線)を照射すると、前記重合開始剤は、下記(I)式、(II)式に示したようにラジカルを発生させる。前記ラジカルが、前記重合性不飽和モノマー化合物又は前記重合性オリゴマーの重合性二重結合への付加反応を起こす。前記付加反応によりさらにラジカルが生成し、他の前記重合性不飽和モノマー化合物又は前記重合性オリゴマーの重合性二重結合への付加反応を繰り返すことにより、下記(III)式のように重合反応が進行する。
Figure 0006915230
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前記(I)式の水素引抜き型のベンゾフェノン系重合開始剤を用いる場合には、重合開始剤だけでは反応が遅くなることがあるため、アミン系の増感剤を併用することにより反応性を高めることが好ましい。重合促進剤であるアミン化合物を含有させることにより、水素引抜き作用により重合開始剤に水素を供給する効果、及び空気中の酸素による反応阻害を防止する効果がある。なお、前記(I)式〜(III)式中、Rはアルキル基を表し、Aはアクリルモノマー主骨格を表し、nは整数を表す。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、その他の色材、有機溶剤、重合禁止剤、スリップ剤(界面活性剤)、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<<その他の色材>>
前記その他の色材としては、本発明における活性エネルギー線硬化型組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀などの光沢色などを付与する種々のその他の顔料や染料を用いることができ、その含有量は、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記その他の顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄などを使用することができる。
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
前記染料としては、特に限定されないが、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、塩基性染料などが使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<<重合禁止剤>>
前記重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシ−1−ナフトール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、p−ベンゾキノン、ジ−t−ブチルジフェニルアミン、9,10−ジ−n−ブトキシシアントラセン、4,4’−〔1,10−ジオキソ−1,10−デカンジイルビス(オキシ)〕ビス〔2,2,6,6−テトラメチル〕−1−ピペリジニルオキシ、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどが挙げられる。
前記重合禁止剤の含有量としては、重合開始剤全量に対して、0.005質量%以上3質量%以下が好ましい。前記含有量が、0.005質量%以上であると、保存安定性を向上でき、高温環境下で粘度の上昇を抑制でき、3質量%以下であると、硬化性を向上できる。
<<界面活性剤>>
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記界面活性剤の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、0.1質量%以上であると、ぬれ性を向上でき、3質量%以下であると、硬化性を向上できる。前記含有量が、より好ましい範囲内であると、ぬれ性、及びレベリング性を向上できる。
<<有機溶剤>>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶剤を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶剤を含まない(例えば、VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)ことにより、硬化膜中に揮発性の有機溶剤の残留が無くなり、印刷現場の安全性が得られ、環境汚染防止を図ることが可能となる。なお、前記「有機溶剤」とは、一般的に揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれているものを意味し、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどが挙げられ、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶剤を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、その含有量が、0.1質量%未満であることが好ましい。
[活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法]
前記活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法としては、顔料、必要に応じて、分散剤及び重合性不飽和モノマーをボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどのメディアを用いた分散機に投入し、分散、混練して顔料分散液を調製し、これに、さらに重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合することにより得ることができる。また、ディスパー、ホモジナイザー等のメディアレス分散装置を用いてもよい。
これらの材料、含有量、分散方法などの違いによって、吸光度の特性は異なってくるため、本発明の所定の吸光度を有する活性エネルギー線硬化型組成物を得るためには、適正な材料を選択し、含有量を最適化し、分散方法やインク調整方法を最適条件にして作製する必要がある。
<活性エネルギー線>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。
前記活性エネルギー線の光源としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV−LEDランプなどが挙げられる。
前記水銀ランプとしては、石英ガラス製の発光管の中に高純度の水銀(Hg)と少量の希ガスが封入されたもので、波長365nmを主波長とし、波長254nm、波長303nm、波長313nmの紫外線を効率よく放射し、短波長紫外線の出力が高いのが特徴である。
前記メタルハライドランプとしては、発光管の中に水銀に加えて金属をハロゲン化物の形で封入したもので、波長200nmから波長450nmまで広範囲にわたり活性エネルギー線スペクトルを放射し、水銀ランプに比べ、波長300nm以上波長450nm以下の長波長紫外線の出力が高いのが特徴である。
前記UV−LEDランプとしては、長寿命、及び低消費電力のLED方式により、環境負荷を低減でき、オゾン発生がなく装置もコンパクトにできる特徴があり、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化する際に用いるランプとして好ましい。
図4に、水銀ランプの紫外線スペクトルの一例を示し、図5に、メタルハライドランプの紫外線スペクトルの一例を示し、図6に、UV−LEDの紫外線スペクトルの一例を示す。
(用途)
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などに応用することが可能である。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
前記立体造形用材料としては、例えば、立体造形法の1つである粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして、また、図2に示したように、活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行うマテリアルジェット法(光造形法)や図3に示したように、活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う光造形法などにおける立体物構成材料として活用することができる。
このような活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものを使用することができる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が記録媒体等の基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、プラスチック、金属、セラミック、ガラス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。また、本発明における硬化物の延伸性は、180℃における延伸性として、(引張り試験後の長さ−引張り試験前の長さ)/(引張り試験前の長さ)の比で表した時、50%以上であることが好ましく、さらには100%以上であることがより好ましい。
(活性エネルギー線硬化型インク)
本発明の活性エネルギー線硬化型インク(以下、「インク」と称することがある)は、本発明の前記活性エネルギー線硬化型組成物からなり、インクジェット用であることが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化型インクの25℃における静的表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下が好ましく、28mN/m以上35mN/m以下がより好ましい。
前記静的表面張力は、静的表面張力計(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z型)を使用し、25℃で測定した。前記静的表面張力は、例えば、リコープリンティングシステムズ株式会社製GEN4など、市販のインクジェット吐出ヘッドの仕様を想定したものである。
(組成物収容容器)
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味するものであり、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
(像の形成方法、及び像の形成装置)
本発明における像の形成方法は、少なくとも、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明における像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像の形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式の、いずれのインクジェット記録装置も適用可能である。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明で用いられる別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像の形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。
より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
(2次元又は3次元の像)
本発明の2次元又は3次元の像は、基材上に、本発明の前記活性エネルギー線硬化型組成物及び本発明の前記活性エネルギー線硬化型インクのいずれかを付与し、硬化させてなる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクにより記録される2次元又は3次元の像としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する記録面に記録されたものや、金属やセラミックスなどの種々の材料からなる記録面に記録されたものも含む。
前記2次元の像としては、例えば、文字、記号、図形又はこれらの組み合わせ、ベタ画像などが挙げられる。
前記3次元の像としては、例えば、立体造形物などが挙げられる。
前記立体造形物の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm以上が好ましい。
前記2次元又は3次元の像は、本発明の前記活性エネルギー線硬化型組成物及び本発明の前記活性エネルギー線硬化型インクのいずれかを用いているので、非浸透性基材に形成した2次元又は3次元の像が、水に浸漬した後でも密着性が良好に維持できるという優れた耐水性を有するものである。
前記2次元又は3次元の像としては、発光ダイオード光を用いて硬化されることが好ましい。
(構造体)
本発明の構造体としては、基材と、前記基材上に本発明の2次元又は3次元の像と、を有する。
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(成形加工品)
本発明の成形加工品としては、本発明の2次元又は3次元の像、及び本発明の構造体のいずれかを延伸加工してなる。
(分散性評価方法及び分散性評価装置)
前記分散性評価方法は、レイリー散乱のメカニズムと屈折率マッチング技術を用いた後方散乱像取得技法を利用してなる。
また、本発明の分散性評価装置としては、レーザーを光源とした共焦点光学系と3次元走査系とを有する倒立型顕微鏡を利用してなる。
本発明の分散性評価装置は、測定対象としての本発明の活性エネルギー線硬化型組成物における後方散乱光を検出して後方散乱法を用いた前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積粒径を測定し、前記体積粒径における最大体積粒径が950nm以下であるときに分散性が良好であると評価する。
本発明の分散性評価装置の構成について説明する。図8は、本発明の分散性評価装置の一例を示す概略図である。図9は、溶液容器の構成を示す断面の一例を示す概略図である。図10は、図8の分散性評価装置の要部を示す要部概略図である。
本発明の分散性評価装置は、図8に示すように、後方散乱法を用いて、対象となる活性エネルギー線硬化型組成物40に、活性エネルギー線硬化型組成物の最大体積粒径の1/2となる波長を有するレーザー光源47からレーザー光を照射したときに観測される、粗大粒子後方散乱像を含むレイリー光を検出部44に導くことが可能な構成となっている。
すなわち、前記分散性評価装置は、活性エネルギー線硬化型組成物40を入る溶液容器が載置される載置台52、レーザー光源47、共焦点顕微光学系、フィルター光学素子45、分光手段と光検出手段とからなる検出部44、画像処理部46などを備えている。レーザー光源47の出射口側には、レーザー光源47より照射されたレーザー光束を集光する集光レンズ48と、この集光レンズ48による焦点上に配置される第1のピンホール49とが設けられている。共焦点顕微光学系は、分離光学素子であるビームスプリッター41、油浸対物レンズ42、焦点面と共役な関係にある第2のピンホール43を有する。
上記測定対象となる活性エネルギー線硬化型組成物40は、一般的にガラスボトムディッシュと呼ばれる溶液容器に収容される。前記溶液容器は、図9に示すように、例えば、直径35mmのディッシュ部51の底部に例えば直径14mmのホール部(カバーガラス50)を有するものであり、活性エネルギー線硬化型組成物40をディッシュ部51に収容できる。図中のカバーガラス50の平均厚みは160μm以上190μm以下であり、カバーガラス補正された油浸対物レンズ42で収差が補正することができる。
測定に必要な活性エネルギー線硬化型組成物40の容量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記溶液容器の容器全満量の容量とする必要はなく、20mL以上500mL以下が好ましく、60mL以上150mL以下がより好ましい。活性エネルギー線硬化型組成物40が20μmL以上であると、溶液容器の底部(カバーガラス50上)に充分な溶液の深さが得ることができる。また、活性エネルギー線硬化型組成物40が500mL以下であると、ランバート・ベール則に従い光が透過しやすくなり、深い位置における粗大粒子散乱光を取得することができる。
図10に示すように、載置台52には、走査機構として、載置台52を平面方向となるX−Y軸方向へ走査移動させる駆動部が付帯されており、溶液容器のX−Y軸方向への移動が可能である。さらに、油浸対物レンズ42を把持する対物レンズホルダーには、走査機構として、深さ方向となるZ軸方向へ走査移動させる駆動部が付帯されている。
X−Y走査系でX−Y断面情報を取得しながらZ方向への移動は、油浸対物レンズ42の対物レンズホルダー側に付与されるZ軸方向駆動部を駆動することで行う。そして、Z軸方向に対物レンズホルダーを移動させながら油浸対物レンズ42で粗大粒子散乱光を含むレイリー光を集光することで粗大粒子の三次元的な分布マップを作り出す。
載置台52のX−Y軸方向及び対物レンズホルダーのZ軸方向駆動部としては、一般にはピエゾ素子或いはステッピングモータ移動機構を用いた走査機構が用いられる。X−Y軸方向駆動部としては、精度と測定時間の点から、ガルバノスキャナー等の光学的な走査機構を用いることが好ましい。
以上の状態で、前記分散性評価装置は、レーザー光源47から照射されるレーザー光の焦点位置を溶液容器の深さ(Z)方向を含むX−Y方向に走査することによって、粗大粒子を含む活性エネルギー線硬化型組成物40から明瞭なレイリー光プロファイルが得られる。なお、深さ(Z)方向の空間分解能は、後述するように、油浸対物レンズ42の開口数(NA)に大きく依存する。
前記レーザー光源47から出射されるレーザー光は、検出対象となる活性エネルギー線硬化型組成物40中の微粒子及び粗大粒子に強い吸収が無く、レイリー散乱のメカニズムにより活性エネルギー線硬化型組成物40中の粗大粒子によって好適に散乱させられる波長、すなわち、後方散乱法を用いた、活性エネルギー線硬化型組成物中の最大体積粒径の1/2となる波長が選択される。また、レーザー光は、数枚のNDフィルター(不図示)の組合せを用いて一般には減光された状態である。
レイリー散乱という後方散乱の(装置の受光側に散乱光が戻ってくる)メカニズムが起こる好適な条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、レイリー散乱を満たす粒径パラメータA=πD/λ(D:粒径、λ:波長)が、0.4未満である。
後方散乱を満たすレーザー光源47の波長条件は、粒径に対する倍数で表すことができる。前記粒径パラメータAが0.4未満であることを満たしていない場合、好適な信号取得ができないが、粒形が完全球体でない場合はこの限りではない。
一般的には、後方散乱光が多いレイリー散乱のメカニズムを考えた場合、散乱を起こす粒子の10倍以上の波長のレーザー光源が好適となるが、活性エネルギー線硬化型組成物の場合、活性エネルギー線硬化型組成物の粗大粒径の最大体積粒径の1/2となる波長を用いることにより、好適に後方散乱像を取得できることができる。
前記活性エネルギー線硬化型組成物の経時による粗大粒子の最大体積粒径としては、走査型電子顕微鏡(装置名:SU3500、株式会社日立ハイテクノロジオーズ製)を用いた1万倍視野での観察の結果から、1,300nmであることが好ましく、粗大粒子の最大体積粒径の1/2となる波長としてHe−Neガスレーザーの633nmが好ましい。
前記波長が、633nmであるときに、後方散乱法を用いた測定対象である前記活性エネルギー線硬化型組成物の最大体積粒径が950nm以下、好ましくは950nm以下、より好ましくは700nm以下であるときに前記活性エネルギー線硬化型組成物の分散性が良好であると評価することができる。
レイリー散乱(後方散乱含む)の最も効率的な発生メカニズムは、直線偏光の電場を有した光が粒子(分子)と相互作用を起こす際、直線偏光の電場とそれを打ち消す様な丁度位相が180度ずれた電場を有する(振動数は同じ)光を球面上に放出して、それが入射光や他の粒子の球面波と干渉して散乱光の波として現れる。直線偏光でない一般の光を用いた場合(例えば自然光)もレイリー散乱は発生するが、その散乱効率は直線偏光を用いた場合よりも低下する。この場合、理論的に対象となる粗大粒子は誘電体であることが好ましく、本発明において対象とする粗大粒子、例えば、酸化チタンは誘電体として好適に用いることができる。
本発明においては、レーザー光源47に消光比の高いガスレーザーを用いることによって、このメカニズムが特に有効である。但し、粗大粒子径の大小、波長の長短、偏光特性に拘らず、粗大粒子と重合性不飽和モノマー化合物との屈折率差が小さければ光学的には透明となり散乱は起こらない。
上記共焦点顕微光学系は、上述したように、ビームスプリッター41、油浸対物レンズ42、ピンホール43と屈折率マッチングさせる(焦点を合わせる)ためのイマージョンオイル(不図示)とを備える。
前記ビームスプリッター41は、誘電体多層膜により光束を二つに分離するミラーである。このビームスプリッター41は、レーザー光源47より発せられたレーザー光の発信波長域を反射して、載置台上の活性エネルギー線硬化型組成物40にレーザー光を照射し、活性エネルギー線硬化型組成物40からの微弱な粗大粒子散乱光を含むレイリー光を透過する特性を有する。
前記油浸対物レンズ42は、集光レンズ48に次ぐ第2の集光レンズである。すなわち、油浸対物レンズ42は、レーザー光の焦点を油浸対物レンズ42の焦点と一致させ、レーザー光が活性エネルギー線硬化型組成物40内の一点になるように照射される。なお、油浸対物レンズ42の後焦点に第2のピンホール43を置き、焦点以外の粗大粒子散乱光を効率よくカットする。
高い光学系スループットと小さな集光ビームスポットを両立させるため、油浸対物レンズ42への照射レーザー径は、油浸対物レンズ42の入射径と等しい直径に設定される。
また、顕微光学系における空間分解能は、油浸対物レンズ42の開口数(NA)とコンフォーカルピンホール径に大きく依存している。本発明では高空間分解能を達成するために、NA1.3以上の油浸対物レンズ42を用いることが好ましい。また、油浸対物レンズ42と溶液容器のカバーガラス50と間は、屈折率マッチング技術を満たすためエマルジョンオイル(不図示)が充填されており、油浸対物レンズ42及びエマルジョンオイルの構成となっている。
図8に示すような倒立型顕微鏡(上下逆に記載)を用いる分散性評価装置では、レーザー照射と検出を同一の油浸対物レンズ42で行うことになる。焦点以外の活性エネルギー線硬化型組成物40中の深さ方向からの粗大粒子散乱光は、第2のピンホール43の位置で焦点を結ばないため、効率良く妨害光がカットされる。図8に示すように、非焦点からの反射光(散乱光)の行路を示す破線部分のほとんどの反射光が第2のピンホール43により遮蔽される。但し、活性エネルギー線硬化型インク中では収差の影響でビーム径が拡がるため、これらを油浸対物レンズ42やエマルジョンオイルを用いて拡がりを押さえることが測定上必要となる。
油浸対物レンズ42及びエマルジョンオイルの構成は、一般にはレンズ程度の屈折率を持つオイルを油浸対物レンズ42と溶液容器との間に満たして、空気とレンズとの屈折の影響及び溶液容器カバーガラスと対象となる活性エネルギー線硬化型組成物との屈折の影響を排除する工夫がなされている(屈折率マッチング技術)。
また、本実施形態では、NA(開口数)が1.3以上となる油浸対物レンズ4とエマルジョンオイルの組合せとなっている。油浸対物レンズ4のNAが1.3以上であると、深さ方向解析時の空間分解能を確保でき、特に活性エネルギー線硬化型組成物(溶液)中の顔料粒径が0.5μm以下の場合においても、明瞭な評価を行うことができる。
NAは油浸対物レンズの性能を決める重要な値であり、焦点深度(空間分解能)、及び明るさに関係する値となる。NAが大きくなるほど、空間分解能を向上することができる。NA(=Numerical Aperture)とも呼び、以下の式で表されるものである。ただし、通常、市販の対物レンズであれば、単体のNAが記載されている。
NA=n×sinθ
(ただし、前記式中、nは活性エネルギー線硬化型組成物40或いは溶液容器カバーガラス50と対物レンズ42の間の媒質(ここではエマルジョンオイル)の屈折率を表し、θは光軸と油浸対物レンズとの最も外側に入る光線とがなす角を表す。)
なお、エマルジョンオイルの屈折率に関しては、約1.618を用いることができる。
上記検出部44は、分光手段と光検出手段とから構成される。このうち、分光手段としては、プリズムや回折格子により微粒子及び粗大粒子散乱光を分光する分光器が挙げられる。主な機能は、活性エネルギー線硬化型組成物40や微粒子及び粗大粒子からの微弱な蛍光やラマン光などの成分を波長成分で取り除くことができる。分光器に入る直前光路上に焦点面と共役な点(エリア)がある場合には、その部分のX−Y平面内に2つの直行するスリット(クロススリット)を置く。これにより、スリットの組に共焦点光学系でいう共焦点ピンホール(第2のピンホール43)の役割を担わせることが可能であり、X−Y−Z軸方向の空間分解能が生じる。
また、上記光検出手段としては、シングルチャネル検出器(たとえば、フォトマル若しくはAPD:Avalanche Photodiode)などが挙げられる。活性エネルギー線硬化型組成物40中に分散された粗大粒子の分散性を評価するための粗大粒子の後方散乱光は非常に微弱である。このため、レーザー波長域を含む検出波長域を有して量子効率の高い光電面を有するフォトマル若しくはAPDの様な高感度検出器を用いることが特に好適である。これにより、活性エネルギー線硬化型インク中の微弱な粗大粒子の後方散乱光を検出することが可能となり、活性エネルギー線硬化型組成物40の深部にある粗大粒子の分散性を評価することも可能となる。第2のピンホール43を透過した微粒子及び粗大粒子散乱光は、検出部44に構成された分光器に入射し分散された後、この光検出手段で検出されるようになる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
また、吸光度、活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径、及び体積粒径、並びに顔料の個数平均一次粒径、後方散乱法による最大体積粒径は、次のようにして求めた。
<吸光度>
前記吸光度としては、得られた活性エネルギー線硬化型組成物をフェノキシエチルアクリレートで1,200倍に正確に希釈(顔料濃度:0.006質量%)して分光光度計(装置名:U−3900H、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。
<活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径>
前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径としては、得られた活性エネルギー線硬化型組成物をフェノキシエチルアクリレートで100倍程度に希釈して、粒度分布計(装置名:UPA150、日機装株式会社製)を用いて、活性エネルギー線硬化型組成物の体積粒径、及び体積平均粒径を測定した。得られた体積粒径から、体積粒径が170nm以下の活性エネルギー線硬化型組成物の含有量、及び体積粒径が380nm以上の活性エネルギー線硬化型組成物の含有量を算出した。
<顔料の個数平均一次粒径>
前記顔料の個数平均一次粒径としては、得られた活性エネルギー線硬化型組成物を走査型電子顕微鏡(装置名:SU3500、株式会社日立ハイテクノロジオーズ製)を用いて、1万倍視野での一次粒子200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔にある定方向径を測定して、その累積分布の平均値から求めた。
<後方散乱法による最大体積粒径>
前記活性エネルギー線硬化型組成物の後方散乱法による最大体積粒径は、活性エネルギー線硬化型組成物の希釈無しの状態において、共焦点レーザー蛍光顕微鏡(装置名:TCS SP8、ライカマイクロシステムズ社製)を用いて、波長633nmのレーザー光を照射したときの活性エネルギー線硬化型組成物の後方散乱像(256階調、3D像)を測定した。得られた後方散乱3D像から、二値化し、オブジェクトラベリングを行い、次いで、画像計測を行い、3D散乱像中の粗大粒子の粒子径分布を算出して求めた。実施例14の最大体積粒径の測定結果を図11に、実施例15の最大体積粒径の測定結果を図12に、実施例16の最大体積粒径の測定結果を図13に示す。また、図14に、実施例14の後方散乱像(256階調、3D像)の測定結果を示す。
(顔料分散体の作製)
<顔料分散体Aの作製>
酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)110質量部、アミン基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、商品名:BYKJET−9151、ビックケミージャパン株式会社製、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g)10質量部、及びフェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)100質量部を、直径2mmジルコニアビーズを充填(充填率:45体積%)した500mLボールミルに入れて70回転/分間で、分散温度が25℃で48時間分散させた。その後、直径0.1mmジルコニアビーズを充填(充填率:80体積%)した1Lサンドミルに入れて周速が8m/秒間で、分散温度が25℃で3時間分散させて顔料分散体Aを作製した。
<顔料分散体Bの作製>
酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)110質量部、アミン基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、商品名:BYKJET−9151、ビックケミージャパン株式会社製、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g)10質量部、及びフェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)100質量部を、ホモジナイザーを用いて5,000回転で、分散温度が35℃で20分間分散後、直径0.3mmジルコニアビーズを充填(充填率:90体積%)した1Lサンドミルに入れて周速が10m/秒間で、分散温度が30℃で1時間分散させて顔料分散体Bを作製した。
<顔料分散体Cの作製>
酸化チタンB(商品名:S3618、堺化学株式会社製、表面処理:Al)110質量部、ポリエチレンイミンを主骨格とする脂肪酸アミンの櫛型樹脂分散剤(分散剤、商品名:ソルスパース39000、日本ルーブルリゾール社製、酸価:33mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)15質量部、及びアクリロイルモルホリン(興人株式会社製)105質量部を、直径2mmジルコニアビーズを充填(充填率:43体積%)した500mLボールミルに入れて分散温度が25℃で70回転/分間で、150時間させて顔料分散体Cを作製した。
<顔料分散体Dの作製>
酸化チタンC(商品名:JR403、テイカ株式会社製、表面処理:Al、SiO)110質量部、アミン基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、商品名:BYKJET−9151、ビックケミージャパン株式会社製、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g)7質量部、及び2−ビニロキシエトキシエチルアクリレート(株式会社日本触媒製)103質量部を、直径2mmジルコニアビーズを充填(充填率:45体積%)した500mLボールミルに入れて分散温度が25℃で70回転/分間で180時間させて顔料分散体Dを作製した。
<顔料分散体Eの作製>
酸化チタンB(商品名:S3618、堺化学株式会社製、表面処理:Al)110質量部、ポリエチレンイミンを主骨格とする脂肪酸アミンの櫛型樹脂分散剤(分散剤、商品名:ソルスパース39000、日本ルーブルリゾール社製、酸価:33mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)12質量部、及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)108質量部を、ホモジナイザーを用いて分散温度が35℃で、8,000回転で15分間分散後、直径0.3mmジルコニアビーズを充填(充填率:80体積%)したサンドミルに入れて分散温度が30℃で周速が8m/秒間で1時間分散させて顔料分散体Eを作製した。
<顔料分散体Fの作製>
前記顔料分散体Aの作製において、酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)を酸化チタンD(商品名:JR、テイカ株式会社製、表面処理:なし)に変更した以外は、顔料分散体Aの作製と同様にして、顔料分散体Fを作製した。
<顔料分散体Gの作製>
前記顔料分散体Bの作製において、酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)を酸化チタンE(商品名:JR301、テイカ株式会社製、表面処理:Al)に変更した以外は、顔料分散体Bの作製と同様にして、顔料分散体Gを作製した。
<顔料分散体Hの作製>
前記顔料分散体Cの作製において、酸化チタンB(商品名:S3618、堺化学株式会社製、表面処理:Al)を酸化チタンF(商品名:JR405、テイカ株式会社製、表面処理:Al)に変更した以外は、顔料分散体Cの作製と同様にして、顔料分散体Hを作製した。
<顔料分散体Iの作製>
前記顔料分散体Dの作製において、アミン基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、商品名:BYKJET−9151、ビックケミージャパン株式会社製、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g)をジカルボン酸エステル含有アクリルブロック共重合体(分散剤、商品名:DISPERBYK−168、ビックケミージャパン株式会社、酸価:0mgKOH/g、アミン価:11mgKOH/g)に変更した以外は、顔料分散体Dの作製と同様にして、顔料分散体Iを作製した。
<顔料分散体Jの作製>
前記顔料分散体Bの作製において、酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)を酸化チタンG(商品名:JR600、テイカ株式会社製、表面処理:Al)に変更した以外は、顔料分散体Bの作製と同様にして、顔料分散体Jを作製した。
<顔料分散体Kの作製>
前記顔料分散体Bの作製において、酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)を酸化チタンH(商品名:R45M、堺化学株式会社製、表面処理:Al、SiO)に変更した以外は、顔料分散体Bの作製と同様にして、顔料分散体Kを作製した。
<顔料分散体Lの作製>
前記顔料分散体Bの作製において、ホモジナイザーを用いて5,000回転で分散温度が35℃で20分間分散、及び直径0.3mmジルコニアビーズを充填したサンドミルを用いた分散を、ホモジナイザーを用いた分散を行なわず、直径1.0mmジルコニアビーズを充填(充填率:80体積%)したダイノーミルを用いた分散に変更した以外は、顔料分散体Bの作製と同様にして、顔料分散体Lを作製した。
<顔料分散体Mの作製>
前記顔料分散体Bの作製において、酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)を酸化チタンI(商品名:R21、堺化学株式会社製、表面処理:Al、SiO)に変更した以外は、顔料分散体Bの作製と同様にして、顔料分散体Mを作製した。
<顔料分散体Nの作製>
−酸化チタンJの作製−
酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)の表面に、オルガノシロキサンを表面処理して疎水性を高めた酸化チタンJを作製した。
−顔料分散体Nの作製−
前記顔料分散体Bの作製において、酸化チタンA(商品名:TCR−52、堺化学株式会社製、表面処理:Al)を、酸化チタンJに変更した以外は、顔料分散体Bの作製と同様にして、顔料分散体Nを作製した。
<顔料分散体Oの作製>
前記顔料分散体Bの作製において、アミン基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、商品名:BYKJET−9151、ビックケミージャパン株式会社製、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g)を、酢酸ブチル含有アクリルブロック共重合体(商品名:DISPERBYK−167、ビックケミージャパン株式会社製、酸価:0mgKOH/g、アミン価:13mgKOH/g)に変更した以外は、顔料分散体Bの作製と同様にして、顔料分散体Oを作製した。
得られた顔料分散体A〜Oの組成を表1〜表3に示した。
Figure 0006915230
Figure 0006915230
Figure 0006915230
(実施例1)
顔料分散体A30質量部、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)45質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)5質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)5質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASF社製)6質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:LUCIRIN TPO、BASF社製)5質量部、2,4−ジエチルチオキサントン1(商品名:Speedcure DETX、Lambson社製)3.5質量部、p−メトキシフェノール(日本化薬株式会社製)0.2質量部、及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK3510、ビックケミージャパン株式会社製)0.3質量部を混合し、活性エネルギー線硬化型組成物1を得た。
(実施例2)
顔料分散体A30質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)35質量部、アクリロイルモルホリン(興人株式会社製)35質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名:EBECRYL8402、ダイセルサイテック株式会社製)6質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE369、BASF社製)3.5質量部、p−メトキシフェノール(日本化薬株式会社製)0.2質量部、及びアクリル官能基含有変性ポリジメチルシロキサン1(商品名:BYK−3576、ビックケミージャパン株式会社製)0.3質量部を混合し、活性エネルギー線硬化型組成物2を得た。
(実施例3)
実施例1において、顔料分散体Aを顔料分散体Fに変更した以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物3を得た。
(実施例4)
顔料分散体B30質量部、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)40質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)15質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)7質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASF社製)5質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:LUCIRIN TPO、BASF社製)3質量部、2,4−ジエチルチオキサントン1(商品名:Speedcure DETX、Lambson社製)3.5質量部、p−メトキシフェノール(日本化薬株式会社製)0.2質量部、及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK3510、ビックケミージャパン株式会社製)0.3質量部を混合し、活性エネルギー線硬化型組成物4を得た。
(実施例5)
顔料分散体B30質量部、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)20質量部、2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)25質量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(日本化薬株式会社製)20質量部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(大阪有機化学工業株式会社製)4.5質量部、p−メトキシフェノール(日本化薬株式会社製)0.2質量部、及び架橋性官能基含有変性ポリエーテル0.3質量部を混合し、活性エネルギー線硬化型組成物5を得た。
(実施例6)
実施例4において、顔料分散体Bを顔料分散体Gに変更した以外は、実施例4と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物6を得た。
(実施例7)
実施例4において、顔料分散体Bを顔料分散体Mに変更した以外は、実施例4と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物7を得た。
(実施例8)
実施例4において、顔料分散体Bを顔料分散体Lに変更した以外は、実施例4と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物8を得た。
(実施例9)
実施例4において、顔料分散体Bを顔料分散体Oに変更した以外は、実施例4と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物9を得た。
(実施例10)
顔料分散体C30質量部、アクリロイルモルホリン(興人株式会社製)35質量部、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)20質量部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社製)15質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASF社製)5質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:LUCIRIN TPO、BASF社製)5質量部、2−イソプロピルチオキサントン(商品名:SpeedcureITX、Lambson社製)4.5質量部、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(日本化薬株式会社製)0.2質量部、及びアクリル官能基含有変性ポリジメチルシロキサン2(商品名:BYK−3575、ビックケミージャパン株式会社製)0.3質量部を混合し、活性エネルギー線硬化型組成物10を得た。
(実施例11)
顔料分散体E30質量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)5質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)5質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)45質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASF社製)6質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:LUCIRIN TPO、BASF社製)5質量部、2,4−ジエチルチオキサントン1(商品名:Speedcure DETX、Lambson社製)3.5質量部、p−メトキシフェノール(日本化薬株式会社製)0.2質量部、及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK−3510、ビックケミージャパン株式会社製)0.3質量部を混合し、活性エネルギー線硬化型組成物11を得た。
(実施例12)
顔料分散体D30質量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(日立化成株式会社製)57質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASF社製)8質量部、2,4−ジエチルチオキサントン2(商品名:KAYACURE DETX−S、日本化薬株式会社製)4.5質量部、p−メトキシフェノール(日本化薬株式会社製)0.2質量部及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK3510、ビックケミージャパン株式会社製)0.3質量部を混合し、活性エネルギー線硬化型組成物12を得た。
(実施例13)
実施例12において、顔料分散体Dを顔料分散体Iに変更した以外は、実施例12と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物13を得た。
(実施例14)
実施例1において、サンドミルにより3時間分散させた顔料分散体Aを、サンドミルにより6時間分散させた顔料分散体Aに変更した以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物14を得た。
(実施例15)
実施例1において、サンドミルにより3時間分散させた顔料分散体Aを、サンドミルにより8時間分散させた顔料分散体Aに変更した以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物15を得た。
(実施例16)
実施例1において、サンドミルにより3時間分散させた顔料分散体Aを、サンドミルにより9時間分散させた顔料分散体Aに変更した以外は、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物16を得た。
(比較例1)
実施例4において、顔料分散体Bを顔料分散体Jに変更した以外は、実施例4と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物17を得た。
(比較例2)
実施例4において、顔料分散体Bを顔料分散体Kに変更した以外は、実施例4と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物18を得た。
(比較例3)
実施例4において、顔料分散体Bを顔料分散体Nに変更した以外は、実施例4と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物19を得た。
(比較例4)
実施例10において、顔料分散体Cを顔料分散体Hに変更した以外は、実施例10と同様にして、活性エネルギー線硬化型組成物20を得た。
得られた実施例1〜16、及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物1〜20の組成を表4〜表6に、その特性及び吸光度を表7に示した。また、図7に、実施例1及び3における活性エネルギー線硬化型組成物の吸光度を示すグラフを示した。
Figure 0006915230
Figure 0006915230
Figure 0006915230
Figure 0006915230
得られた実施例1〜16、及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物1〜20について、以下のようにして、「隠蔽性」、「硬化性」、及び「密着性」、「保存安定性」を評価した。評価結果を表8に示した。
<隠蔽性>
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、記録媒体(商品名:コスモシャインA4300コートPETフィルム、東洋紡株式会社製、平均厚み:100μm、色:透明)に、プリンタ(装置名:SG7100、株式会社リコー製)を改造した評価用プリンタを用いて、10cm×10cmのベタ画像を得た。得られたベタ画像を、インクジェットプリンタ用UV−LED装置(装置名:UV−LEDモジュール(シングルパス水冷、ウシオ電機株式会社製))を用いて、照度が1W/cm、照射量が500mJ/cmになるように硬化処理を行い、平均厚みが10μmである10cm×10cmの像(硬化物)を得た。
なお、照射量の測定は、紫外線強度計(装置名:UM−10)、受光部(装置名:UM−400)(以上、コニカミノルタ株式会社製)を使用した。また、前記平均厚みの測定方法としては、電子マイクロメーター(アンリツ株式会社製)を用いて厚み測定し、10点の厚みの平均値より求めた。また、前記評価用プリンタは、装置名:SG7100(株式会社リコー製)の搬送、駆動部を用い、ヘッド部を加熱吐出でき高粘度インクに対応できるMH2620ヘッド(株式会社リコー製)に変更したものである。
前記記録媒体の得られた像(硬化物)を形成した側とは反対側にブラックペーパー(商品名:エキストラブラック、株式会社竹尾製、濃度:1.65)を置き、反射分光濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite社製)を用いて、黒色に対する像(硬化物)の濃度を測定し、下記式(1)に基づいて隠蔽率を算出して「隠蔽性」を評価した。隠蔽率が高いほど隠蔽性が良好である。
式(1)
隠蔽率(%)=[1−(像(硬化物)の濃度/ブラックペーパーの濃度(1.65))]×100
<硬化性>
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を用いて、前記隠蔽性の評価と同様にして、平均厚みが10μmである10cm×10cmの像(硬化物)を得た。得られた像(硬化物)を、クロックメーター(装置名:NO416、株式会社安田精機製作所製)に取り付けた白綿布によって、50g/cm2の荷重で10往復摩擦させた。その後、反射分光濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite社製)を用いて、前記往復摩擦前後の白綿布の濃度を測定して、前記往復摩擦後の濃度から前記往復摩擦前の濃度を差し引いた値を算出して、下記の評価基準に基づいて、「硬化性」を評価した。
−評価基準−
◎:0.001以下
○:0.001超0.005以下
△:0.005超0.009以下
×:0.009超
<密着性>
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を用いて、前記隠蔽性の評価と同様にして、平均厚みが10μmである10cm×10cmの像(硬化物)を得た。得られた像(硬化物
)のベタ部をJIS K5400に準じて1mm間隔で100マスの基盤目状にカッターナイフで切り込み、セロハン粘着テープ(商品名:スコッチメンディングテープ(18mm)、スリーエムジャパン株式会社製)で引き剥がし、ルーペ(商品名:PEAK No.1961(×10)、東海産業株式会社製)で見ながら剥がれなかったマスを数えて、下記評価基準に基づいて、「密着性」を評価した。
−評価基準−
◎:剥がれなかったマスが、100マス中100マス
○:剥がれなかったマスが、100マス中80マス以上99マス以下
△:剥がれなかったマスが、100マス中40マス以上79マス以下
×:剥がれなかったマスが、100マス中39マス以下
<保存安定性>
13.5mL容器(商品名:褐色スクリュー管No.4、アズワン株式会社製)に、得られた活性エネルギー線硬化型組成物(活性エネルギー線硬化型インク)5mL入れ、70℃で2週間保管後、粘度計(装置名:TVE25、東機産業株式会社製)を用いて、前記活性エネルギー線硬化型組成物の粘度を25℃で測定し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の粘度変化率を算出し、下記評価基準に基づいて、「保存安定性」を評価した。なお、保存安定性がよいと、活性エネルギー線硬化型組成物の分散性もよいことを表す。
−評価基準−
◎:粘度変化率が±2%以下
○:粘度変化率が±2%超±5%以下
△:粘度変化率が±5%超±10%以下
×:粘度変化率が±10%超
Figure 0006915230
表8の結果から明らかなように、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(活性エネルギー線硬化型インク)は隠蔽性、硬化性、及び密着性、保存安定性を向上できることが分かる。
実施例11は、体積粒径が170nm以上である顔料分散体の含有量が10体積%以上であるため、内部硬化性が若干低下し、密着性がやや低下することが分かる。
実施例5は、体積粒径が380nm以上である顔料分散体の含有量が10%体積以上であるため、隠蔽性がやや低下することが分かる。
比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物(活性エネルギー線硬化型インク)は、隠蔽性が劣る(比較例2)か、隠蔽性が良好であるが硬化性や密着性が不十分である(比較例1、3、及び4)ことが分かる。
実施例15は、活性エネルギー線硬化型組成物(活性エネルギー線硬化型インク)の後方散乱像の最大体積粒径が900nmであるため、経時での保存安定性がやや低下することが分かる。
実施例16の活性エネルギー線硬化型組成物(活性エネルギー線硬化型インク)は後方散乱像の最大体積粒径が1,000nmであるため、経時により増粘が発現してしまい保存安定性が不十分であることが分かる。
以上の結果から、同一材料を用いても本発明の吸光度を得られる場合と得られない場合があり、材料、処方、作成方法が最適化されて初めて本発明の吸光度特性を保持したインクを得ることができることが分かる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 顔料、及び重合性化合物を含有し、
最大吸収波長が、波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲にあり、
前記最大吸収波長における吸光度と、波長365nmにおける吸光度との比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)が、1.20以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物である。
<2> 前記活性エネルギー線硬化型組成物を用いて、透明基材上に、照度が1W/cmであり、かつ照射量が500mJ/cmの活性エネルギー線を照射して硬化させた、平均厚みが10μmの硬化物の黒色に対する隠蔽率が、84%以上である前記<1>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<3> 体積平均粒径が、230nm以上300nm以下であり、
体積粒径が170nm以下の含有量が、10体積%以下であり、
体積粒径が380nm以上の含有量が、10体積%以下である前記<1>から<2>の
いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<4>前記体積平均粒径(Dv)と、前記顔料の個数平均一次粒径(Dn)との粒径比(Dv/Dn)が、1以上1.2以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<5> 後方散乱法を用いて、波長633nmのレーザー光を照射したときの最大体積粒径が、950nm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<6> 前記顔料が、無機顔料であり、
前記顔料の個数平均一次粒径が、220nm以上260nm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<7> 前記無機顔料が、酸化チタンである前記<6>に記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<8> アクリルブロック共重合体を含有し、
前記アクリルブロック共重合体が、5mgKOH/g以上の酸価を有し、かつ15mgKOH/g以上のアミン価を有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<9> 立体造形用材料である前記<1>から<8>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<10> 波長360nm以上波長400nm以下の波長範囲に発光ピークを有する発光ダイオード光に感応性を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクである。
<12> インクジェット用である前記<11>に記載の活性エネルギー線硬化型インクである。
<13> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を容器中に収容してなることを特徴とする組成物収容容器である。
<14> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を収容してなる収容部と、
前記活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を少なくとも備えることを特徴とする2次元又は3次元の像の形成装置である。
<15> 前記活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット記録方式により吐出させる吐出手段をさらに備える前記<14>に記載の2次元又は3次元の像の形成装置である。
<16> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を含むことを特徴とする2次元又は3次元の像の形成方法である。
<17> 前記活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット記録方式により吐出させる吐出工程をさらに含む前記<16>に記載の2次元又は3次元の像の形成方法である。
<18> 前記活性エネルギー線が、発光ダイオード光である前記<16>から<17>のいずれかに記載の2次元又は3次元の像の形成方法である。
<19> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に、活性エネルギー線を照射して硬化させてなることを特徴とする2次元又は3次元の像である。
<20> 基材と、前記基材上に前記<19>に記載の2次元又は3次元の像と、を有することを特徴とする構造体である。
<21> 前記<19>に記載の2次元又は3次元の像、及び前記<20>に記載の構造体のいずれかを延伸加工してなることを特徴とする成形加工品である。
<22> 後方散乱法による体積粒径を測定し、分散性を評価する分散性評価装置であって、
波長633nmのレーザー光を照射するレーザー光源と、
前記活性エネルギー線硬化型組成物からの後方散乱光を含むレイリー光を受光する分離光学素子、油浸対物レンズ、焦点面と共役な関係にあるピンホール、並びに前記油浸対物レンズと前記ピンホールとの焦点を合わせるためのイマージョンオイルを備える共焦点顕微光学系と、
前記レーザー光を活性エネルギー線硬化型組成物に対して深さ方向及び平面方向に相対的に走査可能な走査機構と、を備え、
測定対象としての前記<1>から<10>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物における後方散乱光を検出して後方散乱法を用いた体積粒径を測定し、前記体積粒径における最大体積粒径が950nm以下であるときに分散性が良好であると評価することを特徴とする分散性評価装置である。
前記<1>から<10>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物、前記<11>から<12>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク、前記<13>に記載の組成物収容容器、前記<14>から<15>のいずれかに記載の2次元又は3次元の像の形成装置、前記<16>から<18>のいずれかに記載の2次元又は3次元の像の形成方法、前記<19>に記載の2次元又は3次元の像、前記<20>に記載の構造体、前記<21>に記載の成形加工品、及び前記<22>に記載の分散性評価装置によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2009−57546号公報 特開2012−207117号公報 特開2012−031254号公報 特開平3−258867号公報 特開2000−00458号公報
39 像の形成装置

Claims (16)

  1. 酸化チタン、分散剤、及び重合性化合物を含有し、
    前記酸化チタンの個数平均一次粒径が、220nm以上260nm以下であり、
    最大吸収波長が、波長430nm以上波長520nm以下の波長範囲にあり、
    前記最大吸収波長における吸光度と、波長365nmにおける吸光度との比率(最大吸収波長における吸光度/波長365nmにおける吸光度)が、1.20以上であり、
    後方散乱法を用いて、波長633nmのレーザー光を照射したときの最大体積粒径が、950nm以下であり、
    前記分散剤の含有量が、前記顔料全量に対して、10質量%以下であり、
    前記分散剤が、5mgKOH/g以上15mgKOH/g以下の酸価を有し、かつ15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下のアミン価を有するアクリルブロック共重合体であり、
    立体造形用材料であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記活性エネルギー線硬化型組成物を用いて、透明基材上に、照度が1W/cmであり、かつ照射量が500mJ/cmの活性エネルギー線を照射して硬化させた、平均厚みが10μmの硬化物の黒色に対する隠蔽率が、84%以上であり、立体造形用材料である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径が、230nm以上300nm以下であり、
    前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積粒径が170nm以下の含有量が、10体積%以下であり、
    前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積粒径が380nm以上の含有量が、10体積%以下であり、立体造形用材料である請求項1から2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. 前記活性エネルギー線硬化型組成物の体積平均粒径(Dv)と、前記酸化チタンの個数平均一次粒径(Dn)との粒径比(Dv/Dn)が、1以上1.2以下であり、立体造形用材料である請求項1から3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. 波長360nm以上波長400nm以下の波長範囲に発光ピークを有する発光ダイオード光に感応性を有し、立体造形用材料である請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
  7. インクジェット用である請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を容器中に収容してなることを特徴とする組成物収容容器。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を収容してなる収容部と、
    前記活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射するための照射手段と、を備えることを特徴とする3次元の像の形成装置。
  10. 前記活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット記録方式により吐出させる吐出手段をさらに備える請求項9に記載の3次元の像の形成装置。
  11. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を含むことを特徴とする3次元の像の形成方法。
  12. 前記活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット記録方式により吐出させる吐出工程をさらに含む請求項11に記載の3次元の像の形成方法。
  13. 前記活性エネルギー線が、発光ダイオード光である請求項11から12のいずれかに記載の3次元の像の形成方法。
  14. 請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に、活性エネルギー線を照射して硬化させてなることを特徴とする3次元の像。
  15. 基材と、前記基材上に請求項14に記載の3次元の像と、を有することを特徴とする構造体。
  16. 請求項14に記載の3次元の像、及び請求項15に記載の構造体のいずれかを延伸加工してなることを特徴とする成形加工品。
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