JP5490356B2 - インク組成物、インクジェット記録方法、及び印刷物 - Google Patents
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Description
インクジェット方式の一つとして、活性放射線の照射により、硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。この方法によれば、印字後直ちに放射線照射し、インク液滴を硬化させることで鮮鋭な画像を形成することができる。
このような硬化性インク組成物は、発色性に優れた高精細画像を形成するため、高い顔料分散性とその経時的な安定性が求められる。インク組成物に鮮明な色調と高い着色力を付与するためには、顔料を凝集することなく安定分散させることが必須である。特に、インクジェット記録用に用いられるインクでは、吐出されるインク液滴が画像の鮮鋭度に大きな影響を与えるため、吐出液滴も少量となり、且つ、該インクより形成されるインク硬化膜の膜厚及びインクジェットヘッドのノズルよりも微細な粒子を用いることが必須となる。このように、高い着色力を得るために顔料粒子をより微細化した場合、微粒子の分散が困難になり、凝集体が発生しやすくなる。特に、白色インクにおいては媒体に比べて比重が大きい無機顔料が使用されるため凝集や沈降が発生し、吐出安定性が低下するという問題があった。従って、充分な流動性を有し、さらに沈降が抑制されたインク組成物が求められている。
このような安定に顔料が分散されたインク組成物を得るための顔料分散剤について種々の提案がなされている。顔料を安定に分散させる顔料分散剤としては、顔料と相互作用の大きなアンカー部位の設計が重要であり、対象とする顔料に適切なアンカー部位を選択する必要がある。例えば、酸化チタン顔料の表面の酸性や塩基性に対応して酸や塩基をアンカー部位として有する分散剤を使用したインク組成物が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。また、水性媒体に酸化チタンを分散せしめるグラフト共重合体として疎水性の主鎖と親水性の側鎖を利用する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では非水系溶媒では十分な分散安定性と沈降抑制は実現できていなかった。これらの例に使用されている分散剤で調製したインク組成物は該分散剤の機能により、確かに、顔料の分散安定性が従来のものより向上しているものの、非水系での分散安定化効果や沈降抑制効果は不十分であり、更なる安定性改良および沈降抑制にはなお改良の余地があった。さらに、長期間あるいは温度変化を繰り返した際のインクの安定性についても未だ不十分であるという問題があった。
一方、無機顔料の分散安定性を高める手段としてシランカップリング部位を有する高分子化合物を含むインク組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)安定性は改良されているものの、ヒートサイクル性や高温での長期の安定性について改善が望まれていた。
また、本発明は、活性放射線の照射により硬化性が良好であり、鮮明な色調と高い着色力を有するインク組成物を用いて得られた印刷物を提供することを目的とする。
前記課題を解決する手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (a)顔料、(b)シランカップリング基を有する重合体、及び(c)共役酸のpKaが6.0以上である塩基性官能基を有する重合体を含有することを特徴とするインク組成物である。
<2> (b)重合体が構成単位として下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む前記<1>に記載のインク組成物である。
(R1は水素原子及びメチル基のいずれかを表し、Jは−CO−、−COO−、−CONR2−、−OCO−、及びフェニレン基のいずれかを表し、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、及びアラルキル基のいずれかを表す。Lは単結合及び2価の連結基のいずれかを表す。X1、X2、及びX3はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、及び炭素数1〜12のアルキル基のいずれかを表す。)
<3> (b)重合体が一般式(1)で表される繰り返し単位を主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの構成単位として含むグラフト共重合体である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインク組成物である。
<4> (c)重合体の塩基性官能基がアミノ基及び含窒素複素環基のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のインク組成物である。
<5> (a)顔料が酸化チタンであり粒径が10nm〜400nmである前記<1>から<4>のいずれかに記載のインク組成物である。
<6> (a)顔料がSi、Al、及びZrのいずれかの酸化物で被覆されている酸化チタンである前記<1>から<5>のいずれかに記載のインク組成物である。
<7> さらに、(d)重合性化合物を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のインク組成物である。
<8> さらに、(e)重合開始剤を含む前記<7>に記載のインク組成物である。
<9> (d)重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、(e)重合開始剤が光ラジカル発生剤である前記<8>に記載のインク組成物である。
<10> (d)重合性化合物がカチオン重合性化合物であり、(e)重合開始剤が光酸発生剤である前記<8>に記載のインク組成物である。
<11> インクジェット用である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインク組成物である。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に吐出する吐出工程と、前記吐出されたインク組成物を活性放射線の照射により硬化する硬化工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク組成物を硬化させてなることを特徴とする印刷物である。
また、本発明によれば、活性放射線の照射により硬化可能であり、鮮明な色調と高い着色力を有するインク組成物を用いて得られた、高品質な画像が形成される印刷物を提供することができる。
本発明のインク組成物は、(a)顔料、(b)シランカップリング基を有する重合体、及び(c)共役酸のpKaが6.0以上である塩基性官能基を有する重合体を含有し、更に必要に応じて(d)重合性化合物、(e)重合開始剤、及びその他の成分を含むことを特徴とする。
<(b)シランカップリング基を有する重合体>
本発明における(b)特定重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体であることが好ましい。
(R1は水素原子及びメチル基のいずれかを表し、Jは−CO−、−COO−、−CONR2−、−OCO−、及びフェニレン基のいずれかを表し、R2は水素原子、アルキル基、アリール基、及びアラルキル基のいずれかを表す。Lは単結合及び2価の連結基のいずれかを表す。X1、X2、及びX3はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン基、及び炭素数1〜12のアルキル基のいずれかを表す。)
このような末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーは、所定の分子量を有する化合物であることからマクロモノマーとも呼ばれる。
前記ポリマー鎖の部分は、アルキル(メタ)アクリレート、スチレンおよびその誘導体、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びブタジエン、からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマーから形成される単独重合体又は共重合体、あるいはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリカプロラクトンであることが一般的である。
また、一般式(2)中の繰り返し単位は単一でなくてもよく、複数の繰り返し単位からなる共重合体であってもよい。
前記一般式(3)で表される重合性オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられ、これらは市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。
1)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体
2)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマー−PME−4000 日本油脂(株)製)共重合体
3)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/末端アクリロイル化ポリカプロラクトン(プラクセルFA10L ダイセル化学(株)製)共重合体
4)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体
5)前記例示化合物M−3で表されるモノマー(KBM−502 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体
6)前記例示化合物M−1で表されるモノマー(KBM−5103 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体
7)前記例示化合物M−4で表されるモノマー(KBE−503 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体
8)前記例示化合物M−4で表されるモノマー(KBE−503 信越化学工業(株)製)/メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体
9)前記例示化合物M−4で表されるモノマー(KBE−503 信越化学工業(株)製)/メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)/メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)/末端アクリロイル化ポリカプロラクトン(プラクセルFA10L ダイセル化学(株)製)共重合体
10)前記例示化合物M−5で表されるモノマー(KBE−502 信越化学工業(株)製))/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体
11)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)/メチルメタクリレート共重合体
12)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体
13)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体
14)前記例示化合物M−2で表されるモノマー(KBM−503 信越化学工業(株)製)/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(NKエステルM−90G 新中村化学工業(株)製)共重合体
本発明における特徴的な成分である(c)共役酸のpKaが6.0以上の塩基性官能基を有する重合体(以下、適宜(c)塩基性重合体と称する)について説明する。
分散安定化の観点から(c)塩基性重合体は末端にエチレン性不飽和2重結合を有する重合性オリゴマーを共重合単位として含むグラフト共重合体である構造も好ましく用いられる。(c)塩基性重合体に使用される重合性オリゴマーは(b)重合体に好ましく用いられるものを同様に好ましく用いることができる。
1)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体
2)3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体
3)N−ビニルイミダゾール/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体
4)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)共重合体
5)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート(AB−6 東亞合成(株)製)/メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマー−PME−4000 日本油脂(株)製)共重合体
6)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/末端アクリロイル化ポリカプロラクトン(プラクセルFA10L ダイセル化学(株)製)共重合体
7)N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6 東亞合成(株)製)共重合体
8) N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体
本発明の硬化性インク組成物は(d)重合性化合物を含有する。この(d)重合性化合物は、何らかのエネルギー付与により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、所望により添加される(e)重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、光カチオン重合性モノマー、光ラジカル重合性モノマーとして知られる各種公知の重合性のモノマーが好ましい。
重合性化合物は反応速度や、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種または複数を混合して用いることができる。また、重合性化合物は単官能化合物であっても、多官能化合物であってもよい。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドがより好ましい。
上述した多官能ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物がより好ましい。
前記カチオン重合性モノマーとしてのオキセタン化合物のなかでも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1〜2個有する化合物を使用することが好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、等が挙げられる。なお、本明細書において「アクリレート」、「メタクリレート」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヘキシル基(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニルメチル)(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
インク組成中の(d)重合性化合物の含量は、組成物の全固形分に対し50〜95質量%が適当であり、好ましくは60〜92質量%、さらに好ましくは70〜90質量%の範囲である。
本発明のインク組成物は顔料を必須成分として含む。粒径が小さい顔料粒子が、前記(b)特定重合体及び(c)塩基性重合体の少なくともいずれかの機能によりインク組成物中に、均一、且つ、安定に分散されることにより、発色性に優れた鮮鋭な画像を形成することができる。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の種々の顔料、染料を適宜選択して用いることができる。また、着色剤として顔料を含むことから、本発明のインク組成物により得られる画像は耐候性に優れる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。酸化チタンの粒径は、平均粒径が10nm〜400nmであることが好ましく、平均粒径が50nm〜350nmであることがより好ましく、150nm〜300nmであることがより好ましい。150nmよりも粒径が小さくなると隠蔽性や着色性が低下する傾向にあり、また、300nmより大きくなると沈降しやすくなる傾向がある。
本発明で使用される酸化チタンはルチル型、アナタース型,ブルッカイト型いずれの結晶型のものも使用できるが、光触媒性を顔料に持たせる用途に用いる場合を除き、表面処理により光触媒性を低下させることが好ましい。表面処理方法としてはSi,AlまたはZrのいずれかの酸化物で被覆されていることが好ましい。
顔料の分散を行う際には、前記(b)特定重合体を添加することが好ましい。
また、顔料を添加するにあたっては、必要に応じて、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物中における顔料の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。
顔料はインク組成物中、固形分換算で1〜20質量%添加されることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
<(e)重合開始剤>
本発明のインク組成物は、ラジカル重合、若しくは、カチオン重合の重合開始剤を含有することが好ましく、光ラジカル発生剤または光酸発生剤、所謂光重合開始剤を含有することがより好ましい。
本発明における光重合開始剤は、光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
光重合開始剤は、照射される活性光線、例えば、波長が400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどに感度を有するものを適宜選択して使用することができる。
(vii)アジニウム塩化合物としては、例えば、特開昭63−138345号公報、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報ならびに特公昭46−42363号公報記載のN−O結合を有する化合物群が挙げられる。
前記チタノセン化合物としては、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン等が挙げられる。
インク組成物中の(e)重合開始剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜7質量%が特に好ましい。
−増感色素−
本発明おいては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。増感色素としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものが好ましい。
増感色素としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)が挙げられる。
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−または−S−を表す。また、Wは一般式(IX)に示したものと同義である。
式(XI)中、A2は硫黄原子またはNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基またはアリール基を表す。
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子または−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表し、R67及びR64と、R65及びR67とは、それぞれ互いに脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合することができる。
さらに、本発明のインク組成物には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
このような共増感剤としては、アミン類、例えば、M. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号に記載の化合物等が挙げられ、より具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
また、他の共増感剤としては、例えば、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
また、本発明のインク組成物には、液物性調整のためにノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などを添加することもできる。
また、本発明のインク組成物には、この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
次に、本発明に好適に採用され得るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
このようなインク組成物における活性放射線の照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。
前記好ましい射出条件によれば、本発明のインク組成物は加温、降温を繰り返すことになるが、前記(b)特定重合体の機能により、このような温度条件下で保存された場合でも、顔料分散性の低下が抑制され、長期間にわたり優れた発色性が得られ、且つ、顔料の凝集に起因する吐出性の低下も抑制されるという利点をも有する。
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等が挙げられる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
(合成例1)特定重合体1溶液の合成
メチルエチルケトン2.5質量部を窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して65℃まで昇温する。別に調製した、下記のモノマー溶液1をそれぞれ2時間かけて滴下した。滴下が終了して2時間後、V−65(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬(株)製)を0.015質量部添加し、75℃の温度で3時間加熱攪拌を行った。得られたポリマー溶液にファンクリルFA−512A(ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート 日立化成工業(株)製)40質量部とNKエステルAMP−10G(フェノキシエチルアクリレート 新中村化学工業(株)製)40質量部を加え、メチルエチルケトンを35℃以下に保ったまま減圧留去し、固形分濃度20質量%の特定重合体1溶液を得た(分子量67,000、モノマー消費率96%)。
・KBM−503(前記M−2:信越化学工業(株)製) 1.0質量部
・末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート
(数平均分子量6,000、東亜合成化学(株)製AB−6) 19質量部
・n−ドデシルメルカプタン(東京化成工業(株)製) 0.097質量部
・V−65(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬(株)
製) 0.030質量部
・メチルエチルケトン(和光純薬株製) 10質量部
合成例1のモノマー溶液1をモノマー溶液2、3に変更した以外は、合成例1と同様にして特定重合体2溶液(Mw=75,000)、特定重合体3溶液(Mw=80,000、モノマー消費率98%)を得た。
・KBM−503(前記M−2:信越化学工業(株)製) 1.0質量部
・メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルM−230G) 19質量部
・n−ドデシルメルカプタン(東京化成工業(株)製) 0.097質量部
・V−65(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬(株)製)
0.030質量部
・メチルエチルケトン(和光純薬株製) 10質量部
・KBM−503(前記M−2:信越化学工業(株)製) 1.0質量部
・ 末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート
(数平均分子量6,000、東亜合成化学(株)製、AB−6) 18質量部
・メチルメタクリレート(和光純薬(株)製) 1.0質量部
・n−ドデシルメルカプタン(東京化成工業(株)製) 0.097質量部
・V−65 (2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬(株)製) 0.030質量部
・メチルエチルケトン(和光純薬(株)製) 10質量部
合成例1の重合後に加える重合性化合物FA-512A及びAMP-10Gの代わりにカチオン重合性化合物OXT−221(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル 東亞合成(株)製)80質量部を用いた以外は、合成例1と同様にして特定重合体4溶液(Mw=64,000、モノマー消費率97%)を得た。
メチルエチルケトン5質量部を窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して65℃まで昇温する。別に調製した、下記のモノマー溶液4をそれぞれ2時間かけて滴下した。滴下が終了して2時間後、V−65(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬(株)製)を0.020質量部添加し、75℃の温度で3時間加熱攪拌を行った。得られたポリマー溶液からメチルエチルケトンを減圧留去し塩基性重合体1(Mw=52,000、モノマー消費率96%)を得た。
・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(pKa=6.1 東京化成工業(株)製) 5.0質量部
・末端メタクリロイル化ポリブチルアクリレート
(数平均分子量6,000、東亞合成(株)製、AB−6) 45質量部
・n−ドデシルメルカプタン(東京化成工業(株)製) 0.125質量部
・V−65(2,2’−アゾビス[2,4−ジメチルバレロニトリル]、和光純薬(株)製)
0.076質量部
・メチルエチルケトン(和光純薬(株)製) 25質量部
下記に示す(b)特定重合体の(d)重合性化合物(ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ファンクリルFA−512A、日立化成工業(株)製)溶液及び(c)塩基性重合体を(d)重合性化合物(下記3種の混合物)に溶解させ、(a)顔料と共にモーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで6時間分散を行い、活性エネルギー線硬化型インク原液を得た。ついで(e)重合開始剤をインク原液に加え、穏やかに混合させた後、これをメンブランフイルターで加圧濾過し、実施例1の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
・(b)特定重合体(合成例1で得た特定重合体1溶液) 7.5質量部
・(c)塩基性重合体(合成例5で得た塩基性重合体1) 0.4質量部
・(d)重合性化合物(ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ファンクリルFA−512A、日立化成工業(株)製) 40.0質量部
・(d)重合性化合物(フェノキシエチレングリコールアクリレート、AMP−10G、新中村化学工業(株)製) 27.5質量部
・(d)重合性化合物(ε−カプロラクロン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、DPCA−60、日本化薬(株)製)
5.0質量部
・(e)重合開始剤(アシルフォスフィンオキサイド化合物(LucirinTPO−L、BASFジャパン(株)製)) 5.0質量部
実施例1において用いた(c)塩基性重合体1を、0.8質量部用いた以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
実施例1において用いた(b)特定重合体を、それぞれ合成例2〜3で得た特定重合体2〜3溶液に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3、参考例4の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
実施例1において用いた(c)塩基性重合体である塩基性重合体1を、市販の顔料分散剤である「SOLSPERSE 24000GR」(日本リーブリゾール(株)社製)に変更した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
実施例1において用いた(c)塩基性重合体である塩基性重合体1を加えなかった以外はすべて実施例1と同様にして比較例1の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
実施例1において用いた(c)塩基性重合体である塩基性重合体1に代えて、トリエチルアミン0.04質量部を用いた以外はすべて実施例1と同様にして比較例2の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
実施例1において用いた(b)特定重合体を加えず、(c)塩基性重合体である塩基性重合体1を1.5質量部用いた以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
実施例1において用いた(b)特定重合体を加えず、(c)塩基性重合体である塩基性重合体1を、市販の顔料分散剤である「SOLSPERSE 24000GR」(日本リーブリゾール(株)製)を1.5質量部用いた以外はすべて実施例1と同様にして比較例4の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを得た。
実施例1および比較例1、2において(b)特定重合体、(d)重合性化合物および(e)重合開始剤を下記に変更した以外はすべて同様にして参考例6、比較例5、6のインクジェットインクを得た。
(d)重合性化合物:オキセタン化合物 OXT−221(東亞合成(株)製)
40.0質量部
(d)重合性化合物:エポキシ化合物 セロキサイド3000(リモネンジオキシド ダ イセル化学(株)製) 32.5質量部
(e)重合開始剤: トリフェニルスルホニウム塩(UVI−6992、ダウケミカル社 製) 5.0質量部
得られたインクジェットインクを下記の方法に従って評価した。その結果を表1に記す。
各インクジェットインクの40℃における粘度をE型粘度計を用いて測定した。
A:20mPa・s未満
B:20mPa・s以上、100mPa・s未満
C:100mPa・s以上(吐出上問題のあるレベル)
各インクジェットインクを25℃で7日間保存後、および70℃で72時間保存後の分散状態を目視および粘度変化により評価した。
◎:沈殿物の発生、粘度の増加がない
○:沈殿物の発生なし、粘度が若干増加するが吐出性に問題ないレベル
△:沈殿物の発生なはいが、粘度の増加により吐出性が低下し、実用上問題になるレベル
×:沈殿物の発生が認められる
得られたインク組成物をインクジェットプリンター(印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)でアート紙上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ製、SP−7)で1000mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。
硬化皮膜を指で触れて、べたつきの有無を以下の基準で評価した。
A:べたつきがない
B:僅かにべたつきがある
C:著しくべたつく
得られたインク組成物を、25℃から60℃の昇温・降温サイクルを10回繰り返した後、前記インクジェットプリンターで印字を行いノズル欠の有無について観察し、以下の基準で評価を行った。
○:ノズル欠が発生せず高品質の画像が形成された
△:一部でサテライトが発生し、画像欠陥が観察された
×:ノズル欠が発生し、画像欠陥が著しい
一方、(b)特定重合体と(c)塩基性重合体を併用しなかった比較例は、当初の顔料分散性が劣り、特に高温条件下での保存性(安定性(70℃))が劣り、実用上問題となるレベルであった。また、(b)特定重合体に加え低分子量アミン(トリエチルアミン)を加えた系では硬化性の低下が見られた。
また、インクジェット記録方法を適用することで、非吸収性の被記録媒体上にも、高品質の画像をデジタルデータに基づき直接形成しうることから、本発明のインク組成物は大面積の印刷物の作製にも好適に使用される。
Claims (10)
- (a)顔料、(b)シランカップリング基を有する重合体、(c)共役酸のpKaが6.0以上である塩基性官能基を有する重合体、(d)重合性化合物、及び(e)重合開始剤を含有し、
(b)の重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位と、下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかで表される重合性オリゴマーから与えられる単位とからなる共重合体であり、前記重合性オリゴマーから与えられる単位を全繰返し単位の70〜95質量%含む共重合体であることを特徴とするインク組成物。
- (b)重合体の、一般式(1)で表される繰り返し単位が、下記繰り返し単位M−1からM−6のいずれかである請求項1に記載のインク組成物。
- (c)重合体の塩基性官能基がアミノ基及び含窒素複素環基のいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のインク組成物。
- (a)顔料が酸化チタンであり粒径が10nm〜400nmである請求項1から3のいずれかに記載のインク組成物。
- (a)顔料がSi、Al、及びZrのいずれかの酸化物で被覆されている酸化チタンである請求項1から4のいずれかに記載のインク組成物。
- (d)重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、(e)重合開始剤が光ラジカル発生剤である請求項1から5のいずれかに記載のインク組成物。
- (d)重合性化合物がカチオン重合性化合物であり、(e)重合開始剤が光酸発生剤である請求項1から5のいずれかに記載のインク組成物。
- インクジェット用である請求項1から7のいずれかに記載のインク組成物。
- 請求項1から8のいずれかに記載のインク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に吐出する吐出工程と、前記吐出されたインク組成物を活性放射線の照射により硬化する硬化工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1から8のいずれかに記載のインク組成物を硬化させてなることを特徴とする印刷物。
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