JP6914479B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリカが配合されたタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
空気入りタイヤにおいて、ウェットグリップ性能と転がり抵抗(低燃費性)とは背反する性能であるが、近年、この背反する2つの性能の両立についてのニーズが高まっている。
そこで、このニーズに応えるために、トレッドなどの押出成形物に用いられるタイヤ用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」ともいう)の製造に際して、天然ゴム(NR)などのポリマーにシリカをフィラーとして配合することが行われている(例えば、特許文献1、2)。
しかし、シリカは、これらのポリマーとは直接結合しないため、単に、シリカを配合しただけでは、上記したウェットグリップ性能や転がり抵抗が十分に向上されたゴム組成物を提供することができない。
そこで、従来より、混練り工程において、アルコキシル基を含むシランカップリング剤をシリカと共に配合し、シリカとシランカップリング剤とを反応(シラン反応)させることにより、シランカップリング剤を介してシリカとポリマーとを結合させることが行われている。また、ポリマーとして、末端にシリカとの反応性を有する基が導入された末端変性ポリマーを使用することも行われている。
このシリカが配合された組成物の製造に際して、ゴム混練機としては、通常、バンバリーミキサーなど密閉式のゴム混練機が用いられるが、混練り時、シラン反応に十分な熱量を供給して、シラン反応を十分に行わせ、ゴム組成物中にシリカを均一に分散させていないと、上記した各性能を十分に発揮させることができない。
このため、混練り工程を2段階(第1混練り工程および第2混練り工程)に分けて、シリカおよびシランカップリング剤を2回に分けて投入すると共に、それぞれの混練り工程において、混練り時間だけでなく、混練り温度も制御する混練り方法が一般に採用されている。
特許第4806438号公報 特許第5567302号公報
しかしながら、上記したシラン反応においては副生成物として水が発生する。そして、シラン反応は可逆反応であるため、この発生した水が存在した状態のまま混練り作業を行うと、シラン反応の進行が阻害されてシリカの分散不良を招いて、混練り後のゴム組成物において低燃費性能の指標であるtanδなどの特性が低下する恐れがある。
また、発生した水がゴム混練機から除去されないまま混練り作業を行うと、混練りされた混練り物をアンダーバンバリーやロールに排出する際、混練り物の表面に水滴が付着した状態になって、ロールスリップの発生を招いてしまう恐れがある。
そして、このようなロールスリップの発生は、混練り物中にゲルを生成させて、ムーニー粘度を上昇させるため、加工性の悪化を招いて、排出された混練り物のシーティングに際して、シート切れなどを発生してシーティング生地の不良を招く恐れがある。
そこで、例えば、混練り中にバンバリーミキサーなどのラム(フローティングウエイト)を上昇させてシラン反応によって発生した水を水蒸気として脱気させたり、混練り物をタンデムミキサーに移してさらに追加練りして水蒸気を脱気させたりして、シラン反応の十分な促進およびシリカの十分な分散を図ることが提案されているが、これらの方法は効率的な方法とは言えず、また、上記したtanδなどの特性の低下や生地不良の発生を十分に防止できているとは言えなかったため、さらなる工夫が求められている。
そこで、本発明は、シリカが配合されたタイヤ用ゴム組成物の製造に際して、従来に比べて、シラン反応が十分に促進されてシリカが十分に分散されたゴム組成物を効率的に製造することができるタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
ポリマーにシリカおよびシランカップリング剤が配合されたタイヤ用ゴム組成物を、密閉式のゴム混練機を用いて、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を混練り工程において投入して混練りすることにより製造するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
前記ゴム混練機の混練チャンバーの壁面に開閉可能な水蒸気脱気用ダクトを設け、フィラー混入後、分散工程に進んだ後に前記水蒸気脱気用ダクトを開状態にし、集塵機を動作させて、水蒸気の脱気が開始されるように制御することにより、
前記混練り工程において、前記ゴム混練機内へ水蒸気を供給することなく混練りを行うと共に、
前記ゴム混練機の混練チャンバーの壁面に設けられた水蒸気脱気用ダクトを用いて、前記水蒸気脱気用ダクトの吸引力により、前記シリカと前記シランカップリング剤のシラン反応により発生する水を、前記密閉式のゴム混練機内で除去することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、
前記混練り工程が、2段階以上の混練り工程を有しており、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を、各混練り工程に分けて投入して混練りし、
前記2段階以上の混練り工程の内、少なくとも1つの混練り工程において、前記シリカと前記シランカップリング剤のシラン反応により発生する水を、前記密閉式のゴム混練機内で除去することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記混練り工程が、第1混練り工程および第2混練り工程の2段階の混練り工程を有しており、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を、前記第1混練り工程および前記第2混練り工程の2段階に分けて投入して混練りし、
前記第1混練り工程および/または前記第2混練り工程において、前記シリカと前記シランカップリング剤のシラン反応により発生する水を、前記密閉式のゴム混練機内で除去することを特徴とする請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、
前記ポリマーが、少なくとも、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムのいずれかのポリマーを含み、
前記タイヤ用ゴム組成物が、前記ポリマー100質量部に対して、前記シリカを30〜120質量部、前記シランカップリング剤を1〜20質量部含むゴム組成物であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、
前記ポリマー100質量部中に、下記式(1)で表される化合物により変性され、結合スチレン量が21質量%以下の変性スチレンブタジエンゴムが、5〜70質量部含まれていることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
Figure 0006914479
なお、式中において、R、R、Rはアルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表し、R及びRは、水素原子又はアルキル基を表す。また、nは正の整数を表す。
請求項6に記載の発明は、
前記密閉式のゴム混練機が、バンバリーミキサーであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、
前記バンバリーミキサーのチャンバーにフィルター付きの水蒸気脱気用ダクトが設けられており、前記水蒸気脱気用ダクトにより、前記シラン反応により発生する水を除去することを特徴とする請求項6に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
請求項8に記載の発明は、
前記タイヤ用ゴム組成物が、トレッドゴム用のゴム組成物であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
請求項9に記載の発明は、
さらに、前記混練り工程において得られた混練り物に加硫剤と加硫促進剤とを投入して混練りする仕上げ工程が設けられており、
前記仕上げ工程において混練り物の温度が90〜120℃になるまで混練りすることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
本発明によれば、シリカが配合されたタイヤ用ゴム組成物の製造に際して、従来に比べて、シラン反応が十分に促進されてシリカが十分に分散されたゴム組成物を効率的に製造することができるタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るタイヤ用ゴム組成物の製造方法において使用されるバンバリーミキサーの概略図である。
1.本発明の概要
従来は、水分率の低いカーボン配合が主であり水蒸気除去の必要性がなかったこと、ゴムに取り込まれる前のカーボン/フィラーが集塵されることにより、ゴム比重のバラツキが発生するため、水蒸気脱気用のダクトなどの水除去手段をゴム混練機内に設けていなかった。
これに対して、本発明は、ポリマーにシリカおよびシランカップリング剤が配合されたタイヤ用ゴム組成物を、密閉式のゴム混練機を用いて混練りすることにより製造する際、混練り工程において、シリカとシランカップリング剤のシラン反応により発生する水を、ゴム混練機内で除去することを特徴としている。
即ち、ゴム混練機内に水蒸気脱気用のダクト(例えば、フィルター付きの水蒸気脱気用ダクト)を設けることにより、従来の方法のように、混練り中にラム(フローティングウエイト)を上昇させたり、混練り物をタンデムミキサーに移してさらに追加練りしたりしなくても、シラン反応により発生する水の除去を混練りを行いながら行うことができ、シラン反応が十分に促進されてシリカが十分に分散されたゴム組成物を効率的に製造することができる。
そして、本発明者がさらに検討を行ったところ、ポリマーとして、シリカとの反応性に優れた下記式(1)で表される化合物により変性されて、結合スチレン量が21質量%以下の変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR)を適量含んでいるポリマーを用いた場合、よりシラン反応が十分に促進されて、よりシリカが十分に分散されたゴム組成物を製造できることが分かった。
Figure 0006914479
なお、式中において、R、R、Rはアルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表し、R及びRは、水素原子又はアルキル基を表す。また、nは正の整数を表す。
2.本発明の実施の形態
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、以下においては、まず、本実施の形態において使用されるゴム混練機について説明し、その後、このゴム混練機を用いて行う混練り工程について説明する。そして、さらに、本実施の形態において使用されるポリマーと、シリカおよびシランカップリング剤を含む原材料について説明する。
(1)ゴム混練機
図1は、本実施の形態に係るタイヤ用ゴム組成物の製造方法において使用されるバンバリーミキサーの概略図であり、図示していない水蒸気脱気用ダクトを除いては従来より使用されているバンバリーミキサーと基本的に同様な構成となっている。なお、本実施の形態において、ゴム混練機としては密閉式のゴム混練機であれば、上記したバンバリーミキサーに限定されない。
図1に示すように、バンバリーミキサー11は、並列する一対の撹拌ロータ12、12を配した混練チャンバー13を備えており、混練チャンバー13内にポリマーとその他の原材料が投入されて混練りが行われ、混練りが終了した後は、混練り物が混練チャンバー13に設けた開放可能な排出口14から排出され、シート化される点においては従来と同様である。
しかし、本実施の形態においては、混練チャンバー13に、図示していない開閉可能な水蒸気脱気用ダクトが設けられており、混練り中にこの水蒸気脱気用ダクトを適宜開状態にすることにより、混練りしながら、シラン反応で生成した水を水蒸気として混練チャンバー内から脱気して除去することができるようになっている点において従来とは異なっている。なお、この水蒸気脱気用ダクトは、フィラー混入後に集塵機動作する制御を加えることにより、混練機内の混練チャンバーの壁面に設けることができる。
撹拌ロータ12は、回転可能に支持される基軸の周囲に撹拌羽根を、例えば螺旋状に設けた周知構成をなし、混練機本体15に設けた混練チャンバー13内に配設される。なお、各撹拌ロータ12は、混練機本体15に取り付くモータを含む駆動手段(図示せず)を介して、互いに同方向又は逆方向に回転駆動される。
上記混練チャンバー13は、上記一対の撹拌ロータ12、12と同心な2つの円周面を連ねた断面ひょうたん状をなすと共に、そのくびれ部分には、上記原料ゴム、シリカなどを投入する投入口16に通じる縦孔17の下端が接続される。また、縦孔17には、シリンダ等により昇降可能に支持されるラム(フローティングウエイト)18が配される。このラム18を下降させることにより、混練チャンバー13内に投入された原料ゴム、シリカ等を加圧し、撹拌ロータ12による撹拌効率、混練効率を向上させる。
また、混練機本体15には、混練チャンバー13の下部に形成されている排出口14を開閉するドロップドア19が設けられ、その開放により、混練り物が排出口14から塊状で排出、落下される。
(2)混練り工程
次に、上記した構成のゴム混練機(バンバリーミキサー11)を用いたゴム組成物の混練り工程について説明する。なお、以下においては、従来と同様の第1混練り工程と第2混練り工程で混練りを行うとして説明するが、本発明においてはこれに限定されず、1回の混練り工程で混練りしてもよいし、3回以上の段階の混練り工程に分けて混練りしてもよい。
(a)第1混練り工程
最初に、ポリマーの全量と、シリカおよびシランカップリング剤を含む原材料の一部とをバンバリーミキサー11に投入して、撹拌ロータ12の回転数や電力を適宜制御しながら、所定時間混練りする。これにより、混練り物の温度が上昇して、シリカとシランカップリング剤のシラン反応が進んで、シリカの分散が進行する。
なお、ここで、シリカおよびシランカップリング剤を含む原材料の全量を投入せず、一部を投入しているのは、シリカは表面にシラノール基を有しカーボンに比べると凝集しやすい特性を有しているため、全量を一度に供給して混練りした場合、シリカの凝集によってシリカのポリマーへの分散性が低下してしまう恐れがあるからである。
混練りされた第1混練り物は、その後、ドロップドア19の開動作によって開いた排出口14から排出、落下させて、シート化する。
(b)第2混練り工程
次に、シート化された第1混練り物の全量を、原材料の残余と共にバンバリーミキサー11に投入し、同様に、撹拌ロータ12の回転数や電力を適宜制御しながら、所定時間混練りする。これにより、混練り物の温度が上昇して、シリカとシランカップリング剤のシラン反応が進んで、シリカの分散がさらに進行する。
混練りされた第2混練り物は、その後、ドロップドア19の開動作によって開いた排出口14から排出、落下させて、シート化する。
(c)シラン反応により生成した水の除去
次に、本実施の形態における特徴部であるシラン反応により生成した水の除去について説明する。
本実施の形態においては、上記した第1混練り工程と第2混練り工程の、いずれか一方または両方の工程において、シラン反応により発生する水を混練チャンバー13内で除去する。これにより、従来行っていた混練り中にバンバリーミキサーなどのフローティングウエイトを上昇させて水を除去する方法やタンデムミキサーを用いた追加練りにより水を除去する方法に比べて、より効率的に水を除去することができるため、よりシラン反応を促進させて、シリカのより十分な分散を図ることができ、混練り時間の短縮を期待することもできる。
具体的には、例えば、バンバリーミキサー11の混練チャンバー13に図示しないフィルター付きの水蒸気脱気用ダクトを設けて、分散工程に進んだ後に水蒸気脱気用ダクトを開状態にして、水蒸気の脱気が開始されるように制御することにより、混練りを進行させながら、フィルター付きの水蒸気脱気用ダクトからシラン反応により発生する水を効率的に除去することができる。
なお、水蒸気脱気用ダクトの吸引力は、バンバリーミキサー11の混練チャンバー13の大きさや、投入される混練り物の質量、生成する水の量等に応じて適宜設定される。
(d)仕上げ工程
本実施の形態においては、従来と同様に、シート化された第2混練り物の全量を、加硫剤および加硫促進剤と共にバンバリーミキサー11に投入し、同様に、撹拌ロータ12の回転数や電力を適宜制御しながら、所定時間混練りして、ゴム組成物を仕上げる仕上げ工程を設けることが好ましい。このように、本実施の形態においては、全ての混練り工程および仕上げ工程を1台のバンバリーミキサーで行うことができるため、より効率的にゴム組成物を製造することができる。
なお、本実施の形態において製造されるタイヤ用ゴム組成物は、トレッドゴム用、サイドウォールゴム用など各種タイヤ部材用ゴム組成物のいずれであってもよく、本実施の形態に係る方法はいずれのタイヤ部材の製造に適用することができるが、中でも、ウェットグリップ性能と転がり抵抗(低燃費性)の両立が強く求められているトレッドゴム用のゴム組成物の製造に好ましく適用することができる。
(3)ポリマーおよび原材料
次に、本実施の形態において使用されるポリマーについて説明し、さらに、シリカおよびシランカップリング剤を含む原材料について説明する。
(a)ポリマー
本実施の形態において、ポリマーとしては、タイヤ工業において一般的に使用される天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)が、適宜選択されて用いられるが、組み合わせて使用してもよい。
そして、本実施の形態においては、上記したように、SBRとして、下記式(1)で表される化合物により変性され、結合スチレン量が21質量%以下の変性SBRを使用することが好ましい。
Figure 0006914479
なお、式中において、R、R、Rはアルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表し、R及びRは、水素原子又はアルキル基を表す。また、nは正の整数を表す。
上記したように、このような変性SBRはシリカとの反応性が優れているため、この変性SBRをシリカおよびシランカップリング剤と共に混練りした場合、シラン反応がさらに十分に促進され、シリカが十分に分散されたゴム組成物を製造することができる。
上記式(1)に示したR、RおよびRにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
そして、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。
また、シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
また、アセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。具体的に、前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基等が挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基等を挙げることができる。
さらに、R及びRにおけるアルキル基としては、例えば、上記したアルキル基と同様の基を挙げることができる。
また、n(正の整数)としては、1〜5が好ましい。これにより、低発熱性及び高いゴム強度を好適に両立できる。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが0であるとケイ素原子と窒素原子との結合が困難であり、nが6以上であると変性剤としての効果が薄れる。
上記式(1)で表される具体的な化合物としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
そして、上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるSBRの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、SBRと変性剤とを接触させればよく、重合によりSBRを合成し、合成した重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加する方法、SBR溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
このとき、得られた変性SBRにおいて、結合スチレン量が21質量%を超える場合にはポリマー相溶性が低下する恐れがあるため、結合スチレン量としては21質量%以下であることが好ましい。
そして、本実施の形態において、ポリマー100質量部に占める上記変性SBRの量は、5〜70質量部であることが好ましい。5質量部未満の場合には、変性効果によるシリカ分散性の向上効果が少ない傾向がある。一方、70質量部を超える場合にはゴムの強度が不十分となるおそれがある。
(b)原材料
(イ)シリカ
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などを用いることができる。これらの内でも、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカを用いることが好ましい。
シリカの平均一次粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上である。10nm未満では、低発熱性、ゴムの加工性に劣る傾向がある。また、シリカの平均一次粒子径は、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下である。40nmを超えると、破壊強度が低下する傾向がある。なお、シリカの平均一次粒子径は、例えば、シリカを電子顕微鏡で観察し、任意の粒子50個について粒子径を測定し、その平均値より求めることができる。
このとき、シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、80m/g以上であるとより好ましい。50m/g未満では、シリカの補強性が低く、耐久性に懸念がある。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは220m/g以下である。250m/gを超えると、混練り加工が難しくなるおそれがある。なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される。
本実施の形態において、シリカの配合量は、ポリマー100質量部に対して30〜120質量部とする。30質量部未満では、シリカ配合による十分な効果を得ることができず、低燃費性とウェットグリップ性能のバランスが悪化する傾向がある。一方、120質量部を超えた場合には、シリカの分散が困難となり、加工が困難になる恐れがある。
(ロ)シランカップリング剤
本発明で使用できるシランカップリング剤としては、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。なかでも、混練機におけるカップリング処理効率、加工性の点から、Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、Si266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)が好ましい。
本実施の形態において、シランカップリング剤の配合量は、ポリマー100質量部に対して1〜20質量部とすることが好ましい。1質量部未満ではシリカの配合量に対して少なすぎ、シラン反応が十分に進行せず、シランカップリング剤を配合したことによる物性向上(破壊強度の増加や転がり抵抗の低減など)の効果が少ない傾向がある。一方、20質量部を超えた場合にはシリカの配合量に対して多すぎ、過剰のシランカップリング剤が反応することなく残存してしまう恐れがある。
(ハ)カーボンブラック
本実施の形態においては、カーボンブラックを配合してもよい。これにより、ゴムの強度を向上させることができる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
カーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのNSAは30m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましい。NSAが30m/g未満では、十分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは250m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましい。NSAが250m/gを超えると、未加硫時の粘度が非常に高くなり、加工性が悪化したり、燃費が悪化したりする傾向がある。なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217、7項のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、十分な補強性が得られない傾向がある。また、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。60質量部を超えると、発熱が大きくなる傾向がある。
(ニ)その他の原材料
本実施の形態においては、上記したシリカ、シランカップリング剤、カーボンブラックの他に、ゴム組成物の製造に際して一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、アロマオイル等のオイル、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
以下、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明する。
1.概要
以下においては、第1混練り工程、第2混練り工程のいずれか一方で脱気操作を行う方法(実施例1、2)、両方の工程で脱気操作を行う方法(実施例3)、工程中、脱気を一切行わない標準的な方法(比較例1)、混練り途中にラムアップ練りにより脱気する方法(比較例2)、タンデムミキサーによる追加練りにより脱気する方法(比較例3)のそれぞれを用いてキャップトレッドゴム用のゴム組成物を製造し、ロールでシーティングした。
次に、第2混練り工程で得られた各ゴム組成物に加硫剤を加えて混練りして(仕上げ工程)シーティングした後、加硫を行い、下記の各ゴム特性を測定した。
2.ポリマーおよび原材料
ゴム組成物の製造に際しては、以下に示す種類および配合量のポリマーと原材料を用いた。なお、配合量における「PHR」の記載は、ポリマー合計量100質量部に対する配合量(質量部)を示す。
(1)種類
(a)ポリマー
ポリマーとしては、NR、SBR(各種変性剤で末端や主鎖が変性されたSBR)、BRを混合して用いた。具体的には、以下の通りである。
NR :TSR−20
SBR:Y031(旭化成社製、末端変性SBR、スチレン量:26質量%)
BR :BR730(JSR社製、シス含有量:95質量%)
(b)原材料
シリカ :エポニックテグッサ社製「ウルトラシルVN3」
シランカップリング剤:Momentive社製「NXT−Z45」
カーボンブラック :フィリップス社製「N134」
アロマチックオイル :出光興産社製、ダイアナプロセスAH−24
酸化亜鉛 :三井金属鉱業社製「酸化亜鉛」
ステアリン酸 :日油社製ステアリン酸「椿」
老化防止剤 :住友化学社製「アルチゲン6C」
ワックス :大内新興化学社製「サンノックN」
硫黄 :軽井沢硫黄社製の粉末硫黄
加硫促進剤 :大内新興化学社製「ノクセラーCZ」
加硫促進剤 :大内新興化学社製「ノクセラーD」
(2)配合量
(a)ポリマー(合計100PHR)
NR :30PHR
SBR:40PHR
BR :30PHR
(b)原材料
シリカ :90 PHR
シランカップリング剤:7.2PHR
カーボンブラック :10 PHR
オイル :15 PHR
酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス:適量
硫黄+加硫促進剤 :4.5PHR
3.ゴム組成物の製造
(1)比較例1
(a)第1混練り工程
バンバリーミキサーに、ポリマーの全量(100PHR)、シリカ60PHR、シランカップリング剤4.8PHR、カーボン10PHR、オイル15PHRを投入して(充填率70%)、160秒間混練りを行った後、排出温度165℃で第1混練り物を排出して、ロールでシーティングした。
(b)第2混練り工程
バンバリーミキサーに、第1混練り物の全量、シリカ30PHR,シランカップリング剤2.4PHR、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、酸化亜鉛を投入して(充填率70%)、120秒間混練りを行った後、排出温度155℃で第2混練り物を排出して、ロールでシーティングした。
(c)第3混練り工程(仕上げ工程)
バンバリーミキサーに、第2混練り物の全量、硫黄+加硫促進剤4.5PHRを投入して(充填率70%)、120秒間混練りを行った後、排出温度100℃で第3混練り物を排出して、ロールでシーティングした。
(2)比較例2
第1混練り工程および第2混練り工程の混練り途中に、それぞれ30秒間ラムアップして、水蒸気を脱気しながら混練りを行ったこと以外は、比較例1と同様にしてゴム組成物の混練りを行った。
(3)比較例3
第1混練り工程および第2混練り工程のそれぞれにおいて、水蒸気脱気用ダクトが配置されたタンデムミキサーを用いた追加練りを30秒水蒸気を脱気しながら行ったこと以外は、比較例1と同様にしてゴム組成物の混練りを行った。
(4)実施例1
第1混練り工程を、バンバリーミキサーのチャンバーに設けられた水蒸気脱気用ダクトから水蒸気を脱気しながら(チャンバー制御ON)行ったこと以外は比較例1と同様にして混練りを行った。
(5)実施例2
第2混練り工程を、バンバリーミキサーのチャンバーに設けられた水蒸気脱気用ダクトから水蒸気を脱気しながら(チャンバー制御ON)行ったこと以外は比較例1と同様にして混練りを行った。
(6)実施例3
第1混練り工程および第2混練り工程のそれぞれにおいて、バンバリーミキサーのチャンバーに設けられた水蒸気脱気用ダクトから水蒸気を脱気しながら(チャンバー制御ON)行ったこと以外は比較例1と同様にして混練りを行った。
4.評価
評価は以下の項目について行った。
(1)生地不良
第2混練り工程におけるシーティング時、シート切れの発生を観察し、その程度によって「良」、「可」、「不可」の3段階で評価した。
(2)ムーニー粘度およびスコーチタイム
第3混練り工程において得られた第3混練り物について、島津製作所社製のSMV300を用いて、JIS K6301に基づいて、130℃でムーニー粘度(ML1+4)およびスコーチタイム(分)を測定した。
(3)tanδ
第3混練り物を加硫温度165℃、加硫時間20分で加硫してテストサンプルを作製し、アルファーテクノロジー社製のRPA測定機を用いて70℃におけるtanδを測定した。
(4)シランカップリング剤の未反応率
第2混練り工程において得られた第2混練り物を、ガスクロマトグラフィーにより、分析し、未反応のシランカップリング剤の量を求め、未反応率(%)を算出した。
(5)シリカ分散
第2混練り工程において得られた第2混練り物を、ミクロトーム法により分析し、ゴム組成物中におけるシリカ分散(%)を測定した。
(6)総合判定
上記した(a)〜(e)の評価結果に基づいて総合判定を行い、「良」、「可」、「不可」の3段階で評価した。
5.評価結果
各評価の結果を表1に示す。
Figure 0006914479
表1より、第1混練り工程、第2混練り工程のいずれかでチャンバー制御をONにした実施例1、実施例2では、比較例1に比べて生地不良の発生が低減されると共に、ムーニー粘度が低下して十分な混練りが行われていることが分かる。そして、スコーチタイムは比較例1と同程度であるが、tanδが十分に低下しており、転がり抵抗が効果的に低下していることが分かる。また、シランカップリング剤の未反応率が低下していることからシラン反応が十分に行われており、シリカの分散も向上していることが分かる。
さらに、実施例1、実施例2では、比較例1、2と同程度の生地不良、ゴム特性が得られており、混練り中のラムアップや、タンデムミキサーによる追加練りを行わなくても、シラン反応の促進およびシリカの分散を図ることができることが分かる。この結果は、混練り時間を短縮して、より効率的な混練りが可能であることを示している。
そして、第1混練り工程、第2混練り工程の双方でチャンバー制御をONにした実施例3では、生地不良が発生せず、ゴム特性もさらに向上しており、チャンバー制御は、双方の工程でONにすることが好ましいことが分かる。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
11 バンバリーミキサー
12 撹拌ロータ
13 混練チャンバー
14 排出口
15 混練機本体
16 投入口
17 縦孔
18 ラム(フローティングウエイト)
19 ドロップドア

Claims (9)

  1. ポリマーにシリカおよびシランカップリング剤が配合されたタイヤ用ゴム組成物を、密閉式のゴム混練機を用いて、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を混練り工程において投入して混練りすることにより製造するタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
    前記ゴム混練機の混練チャンバーの壁面に開閉可能な水蒸気脱気用ダクトを設け、フィラー混入後、分散工程に進んだ後に前記水蒸気脱気用ダクトを開状態にし、集塵機を動作させて、水蒸気の脱気が開始されるように制御することにより、
    前記混練り工程において、前記ゴム混練機内へ水蒸気を供給することなく混練りを行うと共に、
    前記ゴム混練機の混練チャンバーの壁面に設けられた水蒸気脱気用ダクトを用いて、前記水蒸気脱気用ダクトの吸引力により、前記シリカと前記シランカップリング剤のシラン反応により発生する水を、前記密閉式のゴム混練機内で除去することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記混練り工程が、2段階以上の混練り工程を有しており、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を、各混練り工程に分けて投入して混練りし、
    前記2段階以上の混練り工程の内、少なくとも1つの混練り工程において、前記シリカと前記シランカップリング剤のシラン反応により発生する水を、前記密閉式のゴム混練機内で除去することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記混練り工程が、第1混練り工程および第2混練り工程の2段階の混練り工程を有しており、前記シリカおよび前記シランカップリング剤を、前記第1混練り工程および前記第2混練り工程の2段階に分けて投入して混練りし、
    前記第1混練り工程および/または前記第2混練り工程において、前記シリカと前記シランカップリング剤のシラン反応により発生する水を、前記密閉式のゴム混練機内で除去することを特徴とする請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記ポリマーが、少なくとも、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムのいずれかのポリマーを含み、
    前記タイヤ用ゴム組成物が、前記ポリマー100質量部に対して、前記シリカを30〜120質量部、前記シランカップリング剤を1〜20質量部含むゴム組成物であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記ポリマー100質量部中に、下記式(1)で表される化合物により変性され、結合スチレン量が21質量%以下の変性スチレンブタジエンゴムが、5〜70質量部含まれていることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    [化1]
    Figure 0006914479
    なお、式中において、R、R、Rはアルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表し、R及びRは、水素原子又はアルキル基を表す。また、nは正の整数を表す。
  6. 前記密閉式のゴム混練機が、バンバリーミキサーであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  7. 前記バンバリーミキサーのチャンバーにフィルター付きの水蒸気脱気用ダクトが設けられており、前記水蒸気脱気用ダクトにより、前記シラン反応により発生する水を除去することを特徴とする請求項6に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  8. 前記タイヤ用ゴム組成物が、トレッドゴム用のゴム組成物であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  9. さらに、前記混練り工程において得られた混練り物に加硫剤と加硫促進剤とを投入して混練りする仕上げ工程が設けられており、
    前記仕上げ工程において混練り物の温度が90〜120℃になるまで混練りすることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
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