JP2021101022A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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健夫 中園
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【課題】ウェットスキッド性能(初期)及び操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)を両立できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】水酸化アルミニウム及びシリカを含み、前記シリカは、CTAB比表面積が180m2/g以上、BET比表面積が185m2/g以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤへの要求性能が高くなってきており、トレッド部の耐摩耗性やウェットスキッド性能の向上が要求されている。これらの性能を満足させる方法として、特許文献1には、シリカを配合することにより、ウェットスキッド性能を向上できるタイヤ用ゴム組成物が開示されているが、操縦安定性については、詳細に検討されておらず、未だ改善の余地がある。
また、水酸化アルミニウムをゴム組成物に配合すると、ゴム組成物が低温・低歪の状態で柔らかくなるという性質を利用して、ウェットスキッド性能を向上させる試みが行われている。しかし、長時間走行するとタイヤの温度が上昇し、操縦安定性が悪化するという問題がある。
特開2008−31244号公報
本発明は、前記課題を解決し、ウェットスキッド性能(初期)及び操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)を両立できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、特定値以上のCTAB比表面積及びBET比表面積を有するシリカと、水酸化アルミニウムとを併用することで、ウェットスキッド性能(初期)及び操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)を両立できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、水酸化アルミニウム及びシリカを含み、上記シリカは、CTAB比表面積が180m/g以上、BET比表面積が185m/g以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記シリカは、アグリゲートサイズが30nm以上であることが好ましい。
上記水酸化アルミニウムの平均粒子径が10μm以下であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、トレッドに使用されることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
上記空気入りタイヤは、競技用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、水酸化アルミニウムと、特定値以上のCTAB比表面積及びBET比表面積を有するシリカとを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、ウェットスキッド性能(初期)及び操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)を両立できる空気入りタイヤを提供できる。これは、水酸化アルミニウムを配合した場合であっても、特定値以上のCTAB比表面積及びBET比表面積を有するシリカを配合することにより、40℃における複素弾性率(E)及び損失正接(tanδ)が向上し、ゴム組成物の安定性(スタビリティ)が向上したためと推測される。
細孔分布曲線を示す図である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、水酸化アルミニウムと、特定値以上のCTAB比表面積及びBET比表面積を有するシリカとを含む。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムなどが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、剛性感に優れる(ガラス転移温度が高い)という理由から、SBRが好ましい。
SBRとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等が挙げられる。
SBRの結合スチレン量は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、低温で硬すぎて、ウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が悪化するおそれがある。また、SBRの結合スチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。5質量%未満であると、充分な剛性が得られず、充分な操縦安定性が得られないおそれがある。
なお、結合スチレン量は、H−NMR測定により算出される。
また、破壊強度を向上できるという理由から、変性SBRを好適に使用できる。これにより、水酸化アルミニウムを配合したことによる耐摩耗性の悪化を抑制することができる。
変性SBRとしては、乳化重合変性SBR(変性E−SBR)と溶液重合変性SBR(変性S−SBR)が挙げられる。通常、溶液重合の方が分子量をコントロールし易い。一方、乳化重合であると分子量のコントロールは困難であり、tanδは高くなる傾向がある。
変性SBRの結合スチレン量は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、低温で硬すぎて、ウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が悪化するおそれがある。また、変性SBRの結合スチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な剛性が得られず、充分な操縦安定性が得られないおそれがある。
なお、結合スチレン量は、H−NMR測定により算出される。
変性SBRとしては、スズやケイ素などでカップリングされたものが好ましく用いられる。変性SBRのカップリング方法としては、常法に従って、例えば、変性SBRの分子鎖末端のアルカリ金属(Liなど)やアルカリ土類金属(Mgなど)を、ハロゲン化スズやハロゲン化ケイ素などと反応させる方法などが挙げられる。
変性SBRは、スチレン及びブタジエンの共重合体で、第1級アミノ基やアルコキシシリル基を有するものが好ましい。第1級アミノ基は、重合開始末端、重合終了末端、重合体主鎖、側鎖のいずれに結合していてもよいが、重合体末端からエネルギー消失を抑制してヒステリシスロス特性を改良し得る点から、重合開始末端又は重合終了末端に導入されていることが好ましい。
溶液重合の変性SBRのなかでも、特にスチレンブタジエンゴム(SBR)を下記式(1)で表される化合物により変性したもの(変性S−SBR)が好適に用いられる。これにより、ポリマーの分子量をコントロールし易く、tanδを増大させる低分子量成分を少なくすることができ、更にシリカとポリマー鎖の結合を強め、耐摩耗性向上と充分な剛性を得ることができる。
Figure 2021101022
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
上記式(1)で表される化合物において、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。
上記シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
上記アセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基等が挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基等を挙げることができる。R、R及びRとしては、アルコキシ基が望ましい。これにより、優れた低発熱性、破壊強度、耐亀裂成長性、剛性を得ることができる。
及びRのアルキル基としては、例えば、上記アルキル基と同様の基を挙げることができる。
n(整数)としては、1〜5が好ましい。これにより、優れた低発熱性、破壊強度、耐亀裂成長性、剛性を得ることができる。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが0であるとケイ素原子と窒素原子との結合が困難であり、nが6以上であると変性剤としての効果が薄れる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるスチレンブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、スチレンブタジエンゴムと変性剤とを接触させればよく、スチレンブタジエンゴムを重合し、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加する方法、スチレンブタジエンゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
ゴム成分100質量%中のSBR及び変性SBRの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。80質量%未満であると、充分な耐摩耗性、高剛性が得られないおそれがある。
SBR及び変性SBRの合計含有量100質量%中の変性SBRの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。40質量%以上であると、より効果的に耐摩耗性、高剛性が得られる。該含有量の上限は特に限定されない。
本発明では、CTAB比表面積が180m/g以上、BET比表面積が185m/g以上のシリカ(以下、「微粒子シリカ」ともいう)が使用される。このような微粒子シリカを配合することによって、水酸化アルミニウムを配合した場合であっても、ウェットスキッド性能(初期)及び操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)を両立できる。
微粒子シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積は、好ましくは190m/g以上、より好ましくは195m/g以上、更に好ましくは197m/g以上である。CTAB比表面積が180m/g未満であると、充分なウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が得られないおそれがある。
該CTAB比表面積は、好ましくは500m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。CTAB比表面積が500m/gを超えると、分散性が悪化し、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
なお、CTAB比表面積は、ASTM D3765−92に準拠して測定される。
微粒子シリカのBET比表面積は、好ましくは190m/g以上、より好ましくは195m/g以上、更に好ましくは210m/g以上である。BET比表面積が185m/g未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
該BET比表面積は、好ましくは500m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは260m/g以下である。BET比表面積が500m/gを超えると、硬くて、充分なウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が得られないおそれがある。
なお、シリカのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準じて測定される。
微粒子シリカのアグリゲートサイズは、30nm以上、好ましくは35nm以上、より好ましくは40nm以上、更に好ましくは45nm以上、特に好ましくは50nm以上、最も好ましくは55nm以上である。また、該アグリゲートサイズは、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは70nm以下、特に好ましくは65nm以下である。このようなアグリゲートサイズを有することにより、良好な分散性を有しながら、優れた補強性、ウェットスキッド性能(初期)、操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)を与えることができる。
アグリゲートサイズは、凝集体径又は最大頻度ストークス相当径とも呼ばれているものであり、複数の一次粒子が連なって構成されるシリカの凝集体を一つの粒子と見なした場合の粒子径に相当するものである。アグリゲートサイズは、例えば、BI−XDC(Brookhaven Instruments Corporation製)等のディスク遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて測定できる。
具体的には、BI−XDCを用いて以下の方法にて測定できる。
3.2gのシリカ及び40mLの脱イオン水を50mLのトールビーカーに添加し、シリカ懸濁液を含有するビーカーを氷充填晶析装置内に置く。ビーカーを超音波プローブ(1500ワットの1.9cmVIBRACELL超音波プローブ(バイオブロック社製、最大出力の60%で使用))を使用して懸濁液を8分間砕解し、サンプルを調製する。サンプル15mLをディスクに導入し、撹拌するとともに、固定モード、分析時間120分、密度2.1の条件下で測定する。
装置の記録器において、16質量%、50質量%(又は中央値)及び84質量%の通過直径の値、及びモードの値を記録する。(累積粒度曲線の導関数は、分布曲線にモードと呼ばれるその最大の横座標を与える。)
このディスク遠心沈降式粒度分析法を使用して、シリカを水中に超音波砕解によって分散させた後に、Dとして表される粒子(凝集体)の重量平均径(アグリゲートサイズ)を測定できる。分析(120分間の沈降)後に、粒度の重量分布を粒度分布測定装置によって算出する。Dとして表される粒度の重量平均径は、以下の式によって算出される。
Figure 2021101022
(式中、mは、Dのクラスにおける粒子の全質量である。)
微粒子シリカの平均一次粒子径は、好ましくは25nm以下、より好ましくは22nm以下、更に好ましくは17nm以下、特に好ましくは14nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは7nm以上である。このような小さい平均一次粒子径を有しているものの、上記のアグリゲートサイズを有するカーボンブラックのような構造により、シリカの分散性をより改善でき、補強性、耐摩耗性、ウェットスキッド性能(初期)、操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)を更に改善できる。
なお、微粒子シリカの平均一次粒子径は、透過型又は走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
微粒子シリカのD50は、好ましくは7.0μm以下、より好ましくは5.5μm以下、更に好ましくは4.5μm以下である。7.0μmを超えると、充分な剛性が得られないおそれがある。該微粒子シリカのD50は、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは2.5μm以上、更に好ましくは3.0μm以上である。2.0μm未満であると、硬くて、充分なウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が得られないおそれがある。
ここで、D50は、微粒子シリカの中央直径であって粒子の50質量%がその中央直径よりも小さい。
また、微粒子シリカは、粒子径が18μmより大きいものの割合が6質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。これにより、シリカの良好な分散性が得られ、所望の性能が得られる。
なお、微粒子シリカのD50、所定の粒子径を有するシリカの割合は、以下の方法により測定される。
凝集体の凝集を予め超音波砕解されたシリカの懸濁液について、粒度測定(レーザー回折を使用)を実施することによって評価する。この方法では、シリカの砕解性(0.1〜数10ミクロンのシリカの砕解)が測定される。超音波砕解を、19mmの直径のプローブを装備したバイオブロック社製VIBRACELL音波発生器(600W)(最大出力の80%で使用)を使用して行う。粒度測定は、モールバーンマスターサイザー2000粒度分析器でのレーザー回折によって行う。
具体的には、以下の方法により測定される。
1グラムのシリカをピルボックス(高さ6cm及び直径4cm)中で秤量し、脱イオン水を添加して質量を50グラムにし、2%のシリカを含有する水性懸濁液(これは2分間の磁気撹拌によって均質化される)を調製する。次いで、超音波砕解を420秒間実施し、更に、均質化された懸濁液の全てが粒度分析器の容器に導入された後に、粒度測定を行う。
微粒子シリカの細孔容積の細孔分布幅Wは、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.5以上である。また、該細孔分布幅Wは、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.5以下、更に好ましくは4.0以下、特に好ましくは3.5以下である。このようなブロードなポーラスの分布により、シリカの分散性を改善でき、所望の性能が得られる。
なお、シリカの細孔容積の細孔分布幅Wは、以下の方法により測定できる。
微粒子シリカの細孔容積は、水銀ポロシメトリーによって測定される。シリカのサンプルをオーブン中で200℃で2時間予備乾燥させ、次いでオーブンから取り出した後、5分以内に試験容器内に置き、真空にする。細孔直径(AUTOPORE III 9420 粉体工学用ポロシメーター)は、ウォッシュバーンの式によって140°の接触角及び484ダイン/cm(又はN/m)の表面張力γで算出される。
細孔分布幅Wは、細孔直径(nm)及び細孔容量(mL/g)の関数で示される図1のような細孔分布曲線によって求めることができる。即ち、細孔容量のピーク値Ys(mL/g)を与える直径Xs(nm)の値を記録し、次いで、Y=Ys/2の直線をプロットし、この直線が細孔分布曲線と交差する点a及びbを求める。そして、点a及びbの横座標(nm)をそれぞれXa及びXbとしたとき(Xa>Xb)、細孔分布幅Wは、(Xa−Xb)/Xsに相当する。
微粒子シリカの細孔分布曲線中の細孔容量のピーク値Ysを与える直径Xs(nm)は、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、更に好ましくは18nm以上、特に好ましくは20nm以上であり、また、好ましくは60nm以下、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは28nm以下、特に好ましくは25nm以下である。上記範囲内であれば、分散性と補強性に優れた微粒子シリカを得ることができる。
上記微粒子シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上、最も好ましくは30質量部以上である。5質量部未満であると、充分な剛性が得られないおそれがある。該微粒子シリカの配合量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、分散性が悪化し、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物では、上記微粒子シリカ以外のシリカを含んでもよい。この場合、シリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは45質量部以上である。また、該合計含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。下限未満の場合や上限を超える場合は、前述の微粒子シリカの配合量と同様の傾向がある。
本発明のゴム組成物では、更にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を配合することにより、耐摩耗性を向上できる。シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などを挙げることができる。なかでも、加工性が良好である点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上、特に好ましくは5質量部以上、最も好ましくは10質量部以上である。0.5質量部未満では、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは30質量部以下が好ましく、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。30質量部を超えると、分散性が悪化するおそれがある。
本発明では、水酸化アルミニウムが使用される。なお、本発明においては、水酸化アルミニウムには、アルミナ水和物が含まれる。
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。10μmを超えると、ウェットスキッド性能(初期)及び操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)が充分に得られないおそれがある。水酸化アルミニウムの平均粒子径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。0.05μm未満であると、分散性が悪化し、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
本発明において、水酸化アルミニウムの平均粒子径は、透過型又は走査型電子顕微鏡を用いて測定した。なお、平均粒子径は長径を意味し、該長径とは、投影面に対する水酸化アルミニウム粉末の方向を種々変化させながら水酸化アルミニウム粉末を投影面に投影したときの最長の長さである。
水酸化アルミニウムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは20質量部以上である。1質量部未満であると、充分なウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が得られないおそれがある。水酸化アルミニウムの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。60質量部を超えると、分散性が悪化し、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル、ワックス、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができるとともに、耐摩耗性を改善できる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は90m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。90m/g未満では、充分な剛性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は200m/g以下が好ましく、190m/g以下がより好ましい。200m/gを超えると、ウェットスキッド性能(初期)の低下が生じるおそれがある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。5質量部未満では、充分な耐摩耗性、剛性が得られないおそれがある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは70質量部以下、特に好ましくは50質量部以下、最も好ましくは30質量部以下である。100質量部を超えると、ウェットスキッド性能(初期)の低下が生じるおそれがある。
本発明では、老化防止剤として、例えば、アミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤等が使用できる。これら老化防止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐熱性、耐疲労性を効果的に発揮でき、長時間走行した場合の操縦安定性の悪化を効果的に抑制できるという理由から、アミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好適に使用でき、アミン系老化防止剤とキノリン系老化防止剤を併用することがより好ましい。
アミン系老化防止剤としては、例えば、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン誘導体が挙げられる。ジフェニルアミン系誘導体としては、例えば、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。p−フェニレンジアミン系誘導体としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
キノリン系老化防止剤としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどがあげられる。
モノフェノール系老化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、ブチルヒドロキシアニソール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノールなどがあげられる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満であると、破壊特性を向上できないおそれがあるとともに、長時間走行した場合の操縦安定性の悪化を効果的に抑制できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。15質量部を超えると、ブルームが表面に発生するおそれがある。
上記ゴム組成物がアミン系老化防止剤とキノリン系老化防止剤を併用する場合、アミン系老化防止剤とキノリン系老化防止剤の配合比率(アミン系老化防止剤(質量部)/キノリン系老化防止剤(質量部))は、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上である。1未満では、耐疲労性が充分に得られず、長時間走行した場合の操縦安定性の悪化を効果的に抑制できないおそれがある。
上記配合比率は、好ましくは5以下、より好ましくは2.5以下である。5を超えると、耐熱性の効果が充分に発揮されず、長時間走行した場合の操縦安定性の悪化を効果的に抑制できないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に競技用タイヤとして好適に用いられる。本発明における競技用タイヤとは、カートなどの競技に用いられるタイヤである。本発明により得られる空気入りタイヤは、WET路面におけるグリップ性能(ウェットスキッド性能(特に、初期のウェットスキッド性能))および操縦安定性(特に、長時間走行した場合の操縦安定性)が非常に優れており、WET路面走行用の競技用タイヤとしてより好適に用いることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4350(結合スチレン量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
変性SBR:JSR(株)製のHPR355(変性S−SBR、結合スチレン量:21質量%、アルコキシシランでカップリングし末端に導入、式(1)で表される化合物により変性(式(1)中のR=メトキシ基、R=メトキシ基、R=メトキシ基、R=水素原子、R=水素原子、n=3))
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックA(N110)(NSA:142m/g)
シリカ1:日本シリカ工業(株)製のニプシルVN3(CTAB比表面積:170m/g、BET比表面積:191m/g、平均一次粒子径:19nm、アグリゲートサイズ:33nm)
シリカ2:Rhodia社製のZeosil HRS 1200MP(CTAB比表面積:195m/g、BET比表面積:200m/g、平均一次粒子径:15nm、アグリゲートサイズ:40nm、D50:6.5μm、18μmを超える粒子の割合:5.0質量%、細孔分布幅W:0.40、細孔分布曲線中の細孔容量ピーク値を与える直径Xs:18.8nm)
シリカ3:Rhodia社製のZeosil Premium 200MP(CTAB比表面積200m/g、BET比表面積:220m/g、平均一次粒子径10:nm、アグリゲートサイズ:65nm、D50:4.2μm、18μmを超える粒子の割合:1.0質量%、細孔分布幅W:1.57、細孔分布曲線中の細孔容量ピーク値を与える直径Xs:21.9nm)
老化防止剤6C:フレキシス(株)製のサントフレックス13(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD))
老化防止剤224:フレキシス(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−260
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
水酸化アルミニウム:昭和電工社製のハイジライトH−43(平均粒子径:1μm)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜5及び比較例1〜4
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた加硫ゴムシート、試験用カートタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(1)SWELL(架橋密度)
得られた加硫ゴムシートをトルエンで抽出し、抽出前後の体積変化率(SWELL)を測定した。なお、SWELLが小さいほど、架橋のばらつきを抑制でき、好ましいことを示す。
(2)粘弾性試験
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪2%、振動周波数10Hzの条件下で、40℃における加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率Eおよび損失正接tanδを測定した。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪0.5%、振動周波数10Hzの条件下で、0℃における加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率Eおよび損失正接tanδ)を測定した。
なお、40℃における粘弾性試験では、Eが大きいほど、剛性が高く、操縦安定性が良好であることを示す。
また、0℃における粘弾性試験では、Eが小さいほど、初期グリップ性能(初期ウェットスキッド性能)が優れていることを示す。
(3)引張試験
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、前記加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて引張試験を行い、300%伸張時応力(M300)を測定した。そして、比較例1の引張強度指数を100とし、下記計算式により、各配合のM300を指数表示した。なお、引張強度指数が大きいほど、耐アブレージョン摩耗性能に優れることを示す。
(引張強度指数)=(各配合のM300)/(比較例1のM300)×100
(4)実車評価
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコース(WET路面)を8周走行し、比較例1のタイヤの初期ウェットスキッド性能を3点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。なお、初期ウェットスキッド性能は1〜4周目のウェットスキッド性能を示す。
また、5〜8周目の操縦安定性を5点満点でテストドライバーが官能評価した。数値が大きいほど操縦安定性が良好である。
また、8周走行後のタイヤの摩耗外観を5点満点で評価した。数値が大きいほど耐摩耗性能に優れることを示す。
Figure 2021101022
表1より、水酸化アルミニウムと、特定値以上のCTAB比表面積及びBET比表面積を有するシリカとを含む実施例は、初期ウェットスキッド性能及び長時間走行した場合の操縦安定性を両立することができた。一方、両者を併用しなかった比較例では、両性能をバランスよく両立できなかった。
このように、本発明により得られる空気入りタイヤは、WET路面における初期ウェットスキッド性能、及び、長時間走行した場合の操縦安定性に優れているため、サーキット(WET路面)走行時の周回に伴うタイムの低下を効果的に抑制することができる。

Claims (6)

  1. 水酸化アルミニウム、シリカ、アミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤を含み、
    前記シリカは、CTAB比表面積が180m/g以上、BET比表面積が185m/g以上、アグリゲートサイズが30nm以上であり、
    ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴム及び変性スチレンブタジエンゴムの合計含有量が90質量%以上であるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 水酸化アルミニウムの平均粒子径が10μm以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. ゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウムの含有量が20〜50質量部である請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. トレッドに使用される請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
  6. 競技用タイヤである請求項5記載の空気入りタイヤ。
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