JP5646964B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
地球環境を保護するために、自動車の低燃費化が進められている。これに伴い、転がり抵抗の小さな自動車用タイヤが望まれている。
タイヤの転がり抵抗は、走行時におけるゴムの繰り返し変形に伴うエネルギー損失が主な原因である。転がり抵抗を低減するために、例えばその寄与率(およそ34%)の最も高いトレッド部のゴムを2層とし、内側(ベーストレッド)にエネルギー損失の小さいゴムを配し、外側(キャップトレッド)には耐摩耗性に優れるゴムを配した構造等が提案されている。
しかし、転がり抵抗を更に低減しようとして、キャップトレッドに配するゴムのエネルギー損失を小さくすると、グリップ性能(特に、ウェットスキッド性能)や操縦安定性が低下する傾向があり、また、破壊特性が低下し、耐摩耗性や耐チップカット性能が悪化するという傾向がある。
また、シリカと共にシリカ用に変性したポリマーを配合することにより、転がり抵抗を低減する試みもなされているが、該ポリマーを増量すると、加工性が悪化する傾向がある。
特許文献1には、窒素吸着比表面積が異なる2種類のシリカを配合し、低燃費性、耐摩耗性、操縦安定性及びウェットスキッド性能をバランス良く改善したゴム組成物が提案されている。しかし、特許文献1で示されているのはスチレンブタジエンゴム配合系のみであり、その他のゴム成分について充分な検討は行われていなかった。
特開2006−233177号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、操縦安定性、ウェットスキッド性能、耐摩耗性、耐チップカット性能及び加工性がバランス良く改善されたタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らが検討したところ、スチレンブタジエンゴム(SBR)配合系に、平均一次粒子径が異なる2種類のシリカを用いた場合、低燃費性等の改善効果が得られたが、ブタジエンゴム(BR)はシリカとの相溶性が低いため、BR配合系に上記2種類のシリカを用いても、SBR配合系のような改善効果を得ることはできなかった。そこで、本発明者らが更に検討したところ、特定化合物によって変性されたBR(変性BR)配合系に上記2種類のシリカを用いると、低燃費性等が顕著に改善し、SBR配合系よりも優れた性能が得られることを見出した。また、上記2種類のシリカの一方と変性BRとを混練りし、得られたマスターバッチに他方を添加して更に混練りする方法を用いることで、特定の性能をより改善できることを見出した。
すなわち、本発明は、ゴム成分と、第一シリカと、上記第一シリカよりも平均一次粒子径が小さい第二シリカとを含有し、上記ゴム成分が下記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含み、上記第一シリカ及び上記第二シリカの平均一次粒子径の差が2nm以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 0005646964
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
上記ゴム組成物は、上記第一シリカ及び上記第二シリカの一方と上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムとを混練りする工程(I)、及び上記工程(I)で得られたマスターバッチに上記第一シリカ及び上記第二シリカの他方を添加して更に混練りする工程を含む方法で製造されることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物のR及び/又はRがアルキル基を表すことが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対して、上記第一シリカの含有量が5質量部以上、上記第二シリカの含有量が5質量部以上、上記第一シリカ及び上記第二シリカの合計含有量が15〜150質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定化合物により変性されたブタジエンゴムと、平均一次粒子径の異なる2種類のシリカとを配合したゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に使用することにより、低燃費性、操縦安定性、ウェットスキッド性能、耐摩耗性、耐チップカット性能がバランス良く改善され、かつ製造が容易な空気入りタイヤを提供できる。
図1は、細孔分布曲線を示す図である。
本発明のゴム組成物は、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴム(変性BR)と、平均一次粒子径が異なる2種類のシリカ(第一シリカ及び第二シリカ)とを含有する。上記変性BRは、シリカとの相溶性が高いため、シリカが良好に分散し、低燃費性、操縦安定性、ウェットスキッド性能、耐摩耗性、耐チップカット性能をバランス良く改善できる。また、シリカが良好に分散することでゴム組成物の粘度が低下し、良好な加工性が得られる。
上記式(1)で表される化合物において、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。
上記シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
上記アセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基等が挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基等を挙げることができる。
、R及びRとしては、シリカとの相溶性をより改善できるという点から、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
上記式(1)で表される化合物において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。
及びRのアルキル基としては、例えば、上記R、R及びRのアルキル基と同様の基を挙げることができる。
及びRとしては、シリカとの相溶性をより改善できるという点から、アルキル基(好ましくは炭素数2〜4)が好ましく、エチル基がより好ましい。
n(整数)としては、2〜5が好ましい。これにより、シリカとの相溶性をより改善できる。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが1以下であると変性反応が阻害される場合があり、nが6以上であると変性剤としての効果が薄れる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、ブタジエンゴムと変性剤とを接触させればよく、ブタジエンゴムを重合し、該ブタジエンゴム溶液中に変性剤を所定量添加する方法、ブタジエンゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
変性されるブタジエンゴム(BR)としては特に限定されず、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどを使用できる。
変性BRのビニル含量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。ビニル含量が35質量%を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。該ビニル含量の下限は特に限定されないが、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。
なお、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。10質量%未満であると、低燃費性が発揮されない可能性が高い。該変性BRの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。95質量%を超えると、加工性が悪化する可能性が高い。
上記変性BR以外に使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ウェットスキッド性能を悪化させることなく低燃費性を向上できるという点から、上記変性BRとともにNRを用いることが好ましい。また、ウェットスキッド性能及び低燃費性を両立できるという点から、上記変性BRとともにSBRを用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物がNRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。5質量%未満であると、耐チップカット性能、加工性が悪化する可能性が高い。該NRの含有量は、好ましくは55質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。55質量%を超えると、ウェットスキッド性能が悪化する可能性が高い。
本発明のゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。35質量%未満であると、操縦安定性、ウェットスキッド性能が悪化する可能性が高い。該SBRの含有量は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。85質量%を超えると、低燃費性、加工性が悪化する可能性が高い。
第一シリカ(大粒径シリカ)及び第二シリカ(小粒径シリカ)としては、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。なかでも、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカが好ましい。
第一シリカの平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは25nm以上、更に好ましくは30nm以上である。20nm未満では、充分な低燃費性が発揮されない可能性がある。また、第一シリカの平均一次粒子径は、好ましくは60nm以下、より好ましくは55nm以下、更に好ましくは50nm以下である。60nmを超えると、低燃費性は発揮されるが、充分な補強性を確保できない可能性がある。
第二シリカの平均一次粒子径は、好ましくは25nm未満、より好ましくは20nm未満、更に好ましくは15nm未満である。25nm以上では、充分な補強性を確保できない可能性がある。また、第二シリカの平均一次粒子径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは8nm以上、更に好ましくは10nm以上である。5nm未満では、耐久性と補強性をバランス良く確保することが困難となる可能性があり、また、加工性が劣る可能性がある。
第一シリカ及び第二シリカの平均一次粒子径の差は、2nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上である。2nm未満では、ウェットスキッド性能と低燃費性の両立が難しい。なお、該平均一次粒子径の差の上限は特に限定されないが、好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下である。
なお、本発明におけるシリカの平均一次粒子径とは、凝集構造を構成するシリカの最小粒子単位を円として観察し、その最小粒子の絶対最大長を円の直径として測定した値の平均値を意味する。シリカの平均一次粒子径は、例えば(株)日立製作所製の透過型電子顕微鏡H−7100を用いて、一次粒子100個の直径を観察し、その一次粒子100個の直径の平均値を求めることによって得られる。
第一シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。5質量部未満では、低燃費性が悪化する可能性が高い。また、第一シリカの含有量は、好ましくは65質量部以下、より好ましくは55質量部以下、更に好ましくは45質量部以下である。65質量部を超えると、ゴム中での分散性が悪化し、加工性、低燃費性、ウェットスキッド性能が悪化する可能性が高い。
第二シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。5質量部未満では、補強性が悪化する可能性が高い。また、第二シリカの含有量は、好ましくは65質量部以下、より好ましくは55質量部以下、更に好ましくは45質量部以下である。65質量部を超えると、ゴム中での分散性が悪化し、加工性、低燃費性、ウェットスキッド性能が悪化する可能性が高い。
第一シリカ及び第二シリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上である。15質量部未満では、第一シリカ及び第二シリカの添加による補強効果が充分に得られない可能性がある。また、該合計含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、第一シリカ及び第二シリカを均一に分散させることが困難となり、加工性が悪化する可能性がある。
全シリカ100質量%中の第一シリカの含有率は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。20質量%未満では、低燃費性が発揮されにくい傾向がある。また、該含有率は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。80質量%を超えると、ウェットスキッド性能が劣る可能性がある。
第二シリカの含有量は、第一シリカの含有量の0.3倍以上が好ましく、0.6倍以上がより好ましく、0.8倍以上が更に好ましい。0.3倍未満では、ウェットスキッド性能が発揮されにくい傾向がある。また、第二シリカの含有量は、第一シリカの含有量の2倍以下が好ましく、1.5倍以下がより好ましく、1.2倍以下が更に好ましい。2倍を超えると、低燃費性が劣る可能性がある。
第二シリカの好適な例として、CTAB比表面積が180m/g以上、BET比表面積が185m/g以上のシリカ(以下、「微粒子シリカ」ともいう)が挙げられる。このような微粒子シリカをゴム中に良好に分散させることによって、優れた耐摩耗性、ウェットスキッド性能及び低燃費性が得られる。
微粒子シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積は、好ましくは190m/g以上、より好ましくは195m/g以上、更に好ましくは197m/g以上である。CTAB比表面積が180m/g未満であると、耐摩耗性の充分な向上が得られにくくなる傾向がある。該CTAB比表面積は、好ましくは600m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。CTAB比表面積が600m/gを超えると、分散性に劣り、凝集してしまうため、物性が低下する傾向がある。
なお、CTAB比表面積は、ASTM D3765−92に準拠して測定される。
微粒子シリカのBET比表面積は、好ましくは190m/g以上、より好ましくは195m/g以上、更に好ましくは210m/g以上である。BET比表面積が185m/g未満であると、耐摩耗性の充分な向上が得られにくくなる傾向がある。該BET比表面積は、好ましくは600m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは260m/g以下である。BET比表面積が600m/gを超えると、分散性に劣り、凝集してしまうため、物性が低下する傾向がある。
なお、シリカのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準じて測定される。
微粒子シリカのアグリゲートサイズは、好ましくは30nm以上、より好ましくは45nm以上、更に好ましくは60nm以上である。また、該アグリゲートサイズは、好ましくは100nm以下、より好ましくは75nm以下、更に好ましくは65nm以下である。このようなアグリゲートサイズを有することにより、良好な分散性を有しながら、優れた補強性、耐摩耗性を与えることができる。
アグリゲートサイズは、凝集体径又は最大頻度ストークス相当径とも呼ばれているものであり、複数の一次粒子が連なって構成されるシリカの凝集体を一つの粒子と見なした場合の粒子径に相当するものである。アグリゲートサイズは、例えば、BI−XDC(Brookhaven Instruments Corporation製)等のディスク遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて測定できる。
具体的には、BI−XDCを用いて以下の方法にて測定できる。
3.2gのシリカ及び40mLの脱イオン水を50mLのトールビーカーに添加し、シリカ懸濁液を含有するビーカーを氷充填晶析装置内に置く。ビーカーを超音波プローブ(1500ワットの1.9cmVIBRACELL超音波プローブ(バイオブロック社製、最大出力の60%で使用))を使用して懸濁液を8分間砕解し、サンプルを調製する。サンプル15mLをディスクに導入し、撹拌するとともに、固定モード、分析時間120分、密度2.1の条件下で測定する。
装置の記録器において、16質量%、50質量%(又は中央値)及び84質量%の通過直径の値、及びモードの値を記録する。(累積粒度曲線の導関数は、分布曲線にモードと呼ばれるその最大の横座標を与える。)
このディスク遠心沈降式粒度分析法を使用して、シリカを水中に超音波砕解によって分散させた後に、Dとして表される粒子(凝集体)の重量平均径(アグリゲートサイズ)を測定できる。分析(120分間の沈降)後に、粒度の重量分布を粒度分布測定装置によって算出する。Dとして表される粒度の重量平均径は、以下の式によって算出される。
Figure 0005646964
(式中、mは、Dのクラスにおける粒子の全質量である。)
微粒子シリカの平均一次粒子径は、好ましくは25nm以下、より好ましくは22nm以下、更に好ましくは17nm以下、特に好ましくは14nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは7nm以上である。このような小さい平均一次粒子径を有しているものの、上記のアグリゲートサイズを有するカーボンブラックのような構造により、シリカの分散性をより改善でき、補強性、耐摩耗性を更に改善できる。
なお、微粒子シリカの平均一次粒子径は、透過型又は走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
微粒子シリカのD50は、好ましくは7.0μm以下、より好ましくは5.5μm以下、更に好ましくは4.5μm以下である。7.0μmを超えると、シリカの分散性がかえって悪くなっていることを示す。該微粒子シリカのD50は、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは2.5μm以上、更に好ましくは3.0μm以上である。2.0μm未満であると、アグリゲートサイズも小さくなり、微粒子シリカとしては充分な分散性を得にくくなる傾向がある。
ここで、D50は、微粒子シリカの中央直径であって粒子の50質量%がその中央直径よりも小さい。
また、微粒子シリカは、粒子径が18μmより大きいものの割合が6質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。これにより、シリカの良好な分散性が得られ、所望の性能が得られる。
なお、微粒子シリカのD50、所定の粒子径を有するシリカの割合は、以下の方法により測定される。
凝集体の凝集を予め超音波砕解されたシリカの懸濁液について、粒度測定(レーザー回折を使用)を実施することによって評価する。この方法では、シリカの砕解性(0.1〜数10ミクロンのシリカの砕解)が測定される。超音波砕解を、19mmの直径のプローブを装備したバイオブロック社製VIBRACELL音波発生器(600W)(最大出力の80%で使用)を使用して行う。粒度測定は、モールバーンマスターサイザー2000粒度分析器でのレーザー回折によって行う。
具体的には、以下の方法により測定される。
1グラムのシリカをピルボックス(高さ6cm及び直径4cm)中で秤量し、脱イオン水を添加して質量を50グラムにし、2%のシリカを含有する水性懸濁液(これは2分間の磁気撹拌によって均質化される)を調製する。次いで、超音波砕解を420秒間実施し、更に、均質化された懸濁液の全てが粒度分析器の容器に導入された後に、粒度測定を行う。
微粒子シリカの細孔容積の細孔分布幅Wは、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.3以上、最も好ましくは1.5以上である。また、該細孔分布幅Wは、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.0以下である。このようなブロードなポーラスの分布により、シリカの分散性を改善でき、所望の性能が得られる。
なお、シリカの細孔容積の細孔分布幅Wは、以下の方法により測定できる。
微粒子シリカの細孔容積は、水銀ポロシメトリーによって測定される。シリカのサンプルをオーブン中で200℃で2時間予備乾燥させ、次いでオーブンから取り出した後、5分以内に試験容器内に置き、真空にする。細孔直径(AUTOPORE III 9420 粉体工学用ポロシメーター)は、ウォッシュバーンの式によって140°の接触角及び484ダイン/cm(又はN/m)の表面張力γで算出される。
細孔分布幅Wは、細孔直径(nm)及び細孔容量(mL/g)の関数で示される図1のような細孔分布曲線によって求めることができる。即ち、細孔容量のピーク値Ys(mL/g)を与える直径Xs(nm)の値を記録し、次いで、Y=Ys/2の直線をプロットし、この直線が細孔分布曲線と交差する点a及びbを求める。そして、点a及びbの横座標(nm)をそれぞれXa及びXbとしたとき(Xa>Xb)、細孔分布幅Wは、(Xa−Xb)/Xsに相当する。
微粒子シリカの細孔分布曲線中の細孔容量のピーク値Ysを与える直径Xs(nm)は、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、更に好ましくは18nm以上、特に好ましくは20nm以上であり、また、好ましくは60nm以下、より好ましくは35nm以下、更に好ましくは28nm以下、特に好ましくは25nm以下である。上記範囲内であれば、分散性と補強性に優れた微粒子シリカを得ることができる。
第一シリカ及び第二シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、第一シリカ及び第二シリカの合計含有量100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは6質量部以上である。2質量部未満では、破壊強度が低下する可能性がある。また、シランカップリング剤の含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。15質量部を超えると、耐チップカット性能、耐摩耗性が低下する可能性がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、補強性が向上し、本発明の効果が良好に得られる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAF等、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは30m/g以上、より好ましくは50m/g以上、更に好ましくは70m/g以上である。30m/g未満では、充分な補強性が得られない可能性がある。また、カーボンブラックのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下、更に好ましくは150m/g以下である。250m/gを超えると、加工性、低燃費性が悪化する可能性がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。1質量部未満では、充分な補強性が得られない可能性がある。また、カーボンブラックの含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。10質量部を超えると、低燃費性が悪化する可能性がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、アロマオイル等のオイル、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては特に限定されないが、例えば、第一シリカ及び第二シリカの一方と上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴム(変性BR)とを混練りする工程(I)、及び上記工程(I)で得られたマスターバッチに第一シリカ及び第二シリカの他方を添加して更に混練りする工程(II)を含む方法が好ましい。このように、第一シリカ及び第二シリカを別々に変性BRと混練りすることで、先に混練りしたシリカが良好に分散し、所望の性能の改善効果を向上できる。例えば、第一シリカを先に混練りした場合には、低燃費性等の改善効果を向上でき、第二シリカを先に混練りした場合には、ウェットスキッド性能、耐摩耗性等の改善効果を向上できる。また、第一シリカ及び第二シリカを別々に混練りすることで、良好な加工性も得られる。
(工程(I))
工程(I)では、第一シリカ及び第二シリカの一方と、変性BRとを混練りし、マスターバッチを調製する。混練り方法としては特に限定されず、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなど、公知の方法を使用できる。
所望の性能の改善効果を充分に向上できるという点から、工程(I)では、第一シリカ及び第二シリカの一方の全部と、変性BRの全部とを混練りすることが好ましい。また、工程(I)では、シリカ及び変性BR以外の成分を混練りしてもよいが、シリカ及び変性BRのみを混練りすることが好ましい。
工程(I)で第一シリカ及び変性BRを混練りする場合、第一シリカの配合量は、工程(I)で混練りするゴム成分(変性BR及びその他のゴム成分の合計)100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。80質量部を超えると、マスターバッチ中に第一シリカを均一に分散させることが困難となるおそれがある。また、第一シリカの配合量は、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。20質量部未満であると、マスターバッチ中の第一シリカの含有量が少なく、良好な性能が得られないおそれがある。
工程(I)で第二シリカ及び変性BRを混練りする場合、第二シリカの配合量は、工程(I)で混練りするゴム成分(変性BR及びその他のゴム成分の合計)100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。80質量部を超えると、マスターバッチ中に第二シリカを均一に分散させることが困難となるおそれがある。また、第二シリカの配合量は、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。20質量部未満であると、マスターバッチ中の第二シリカの含有量が少なく、良好な性能が得られないおそれがある。
工程(I)における排出温度は特に限定されないが、シリカが良好に分散したマスターバッチを効率良く得られるという点から、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、更に好ましくは135℃以上であり、また、好ましくは148℃以下、より好ましくは144℃以下、更に好ましくは142℃以下である。
工程(I)における混練り時間は特に限定されないが、シリカが良好に分散したマスターバッチを効率良く得られるという点から、好ましくは3分以上、より好ましくは4分以上、更に好ましくは4.5分以上であり、また、好ましくは7分以下、より好ましくは6分以下、更に好ましくは5.5分以下である。
(工程(II))
工程(II)では、第一シリカ及び第二シリカの内、工程(I)で混練りしなかったシリカを上記マスターバッチに添加し、更に混練りすることで混練り物を調製する。混練り方法としては特に限定されず、工程(I)と同様の方法を使用できる。
所望の性能の改善効果を充分に向上できるという点から、工程(II)では、工程(I)で混練りしなかったシリカの全部を上記マスターバッチに添加し、更に混練りすることが好ましい。
工程(II)で第一シリカ及びマスターバッチを混練りする場合、第一シリカの配合量は、工程(II)で混練りするゴム成分(マスターバッチ中のゴム成分及びその他のゴム成分の合計)100質量部に対して、好ましくは65質量部以下、より好ましくは55質量部以下、更に好ましくは45質量部以下である。65質量部を超えると、混練り物中に第一シリカを均一に分散させることが困難となるおそれがある。また、第一シリカの配合量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。5質量部未満であると、混練り物中の第一シリカの含有量が少なく、良好な性能が得られないおそれがある。
工程(II)で第二シリカ及びマスターバッチを混練りする場合、第二シリカの配合量は、工程(II)で混練りするゴム成分(マスターバッチ中のゴム成分及びその他のゴム成分の合計)100質量部に対して、好ましくは65質量部以下、より好ましくは55質量部以下、更に好ましくは45質量部以下である。65質量部を超えると、混練り物中に第二シリカを均一に分散させることが困難となるおそれがある。また、第二シリカの配合量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。5質量部未満であると、混練り物中の第二シリカの含有量が少なく、良好な性能が得られないおそれがある。
工程(II)における排出温度は特に限定されないが、シリカが良好に分散した混練り物を効率良く得られるという点から、好ましくは142℃以上、より好ましくは146℃以上、更に好ましくは148℃以上であり、また、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは155℃以下である。
工程(II)における混練り時間は特に限定されないが、シリカが良好に分散した混練り物を効率良く得られるという点から、好ましくは3分以上、より好ましくは4分以上、更に好ましくは4.5分以上であり、また、好ましくは7分以下、より好ましくは6分以下、更に好ましくは5.5分以下である。
シリカが良好に分散した混練り物が得られるという点から、第一シリカ、第二シリカ及び変性BR以外の成分の内、加硫及び加硫促進剤を除いた成分(シランカップリング剤、カーボンブラックなど)は、工程(II)で混練りすることが好ましい。
その後、工程(II)で得られた混練り物に対して、加硫剤、加硫促進剤などを添加して更に混練りしてから、加硫する方法などにより、本発明のゴム組成物を製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に用いられ、トレッド(特にキャップトレッド)に好適に用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの所望の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の空気入りタイヤを製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、重荷重用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ等に用いられ、乗用車用タイヤに好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS♯3
SBR:旭化成ケミカルズ(株)製のE15(スチレン含量:23質量%)
BR:日本ゼオン(株)製のNipol BR1220
変性BR:住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(ビニル含量:15質量%、R、R及びR=−OCH、R及びR=−CHCH、n=3)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN220(NSA:114m/g)
大粒径シリカ(1)(第一シリカ):エボニックデグッサ社製のウルトラシル360(平均一次粒子径:30m)
小粒径シリカ(1)(第二シリカ):エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3(平均一次粒子径:15m)
大粒径シリカ(2)(第一シリカ):Rhodia社製のZeosil 1115MP(CTAB比表面積:105m/g、BET比表面積:115m/g、平均一次粒子径:25nm、アグリゲートサイズ:92nm、細孔分布幅W:0.63、細孔分布曲線中の細孔容量ピーク値を与える直径Xs:60.3nm)
小粒径シリカ(2)(第二シリカ):Rhodia社製のZeosil Premium 200MP(CTAB比表面積:200m/g、BET比表面積220m/g、平均一次粒子径:10nm、アグリゲートサイズ:65nm、D50:4.2μm、18μmを超える粒子の割合:1.0質量%、細孔分布幅W:1.57、細孔分布曲線中の細孔容量ピーク値を与える直径Xs:21.9nm)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
実施例及び比較例
バンバリーミキサーを用いて、表1の工程1に示す薬品を、140℃の排出温度で5分間混練りし、マスターバッチを得た。次に、バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチと表1の工程2に示す薬品とを、150℃の排出温度で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練り物と表1の工程3に示す薬品とを、80℃の排出温度で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。なお、実施例1、4、7及び10と、比較例1〜7とは、工程1を行わず、工程2及び3のみ行った。
得られた未加硫ゴム組成物を、150℃の条件で35分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃、25kgfの条件で35分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物及び試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。その結果を表1及び2に示す。なお、以下の評価では、表1における基準配合を比較例1、表2における基準配合を比較例6とした。
(tanδ指数)
上記加硫ゴム組成物からなる巾4mm×長さ30mm×厚さ15mmの短冊状試料を作製して、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪み±2%の条件で損失正接tanδを測定した。そして、基準配合のtanδ指数を100とし、下記計算式により各配合のtanδを指数表示した。数値が小さいほど、発熱しにくく、低燃費性に優れることを示す。
(tanδ指数)=(各配合のtanδ)/(基準配合のtanδ)×100
(操縦安定性指数)
上記試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。評価結果は、基準配合を100として指数表示した。数値が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
(ウェットスキッド性能指数)
上記試験用タイヤを試験用車両(国産FF2000cc)の全輪に装着し、湿潤アスファルト路面において、速度100km/hのときにブレーキをかけた地点からの制動距離を求めた。そして、基準配合のウェットスキッド性能指数を100とし、下記計算式により、各配合の制動距離を指数表示した。数値が大きいほど、ウェットスキッド性能に優れることを示す。
(ウェットスキッド性能指数)=(基準配合の制動距難)/(各配合の制動距離)×100
(耐摩耗性指数)
上記試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して摩耗テスト用の所定コースを実車走行し、8000km走行後のタイヤ溝深さを測定し、摩耗量を算出した。そして、基準配合の耐摩耗性指数を100として、下記計算式により各配合の摩耗量を指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(基準配合の摩耗量)/(各配合の摩耗量)×100
(耐チップカット性能)
上記試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して砂利の敷き詰めたコースを走行し、100km走行後のタイヤトレッド表面の外観を目視で観察し、以下の基準で3段階評価した。
○:欠けがほとんど発生していない。
△:欠けが多少発生している。
×:欠けが多数発生している。
(転がり抵抗指数)
転がり抵抗試験機を用い、内圧230kPa、速度80km/h、荷重3.5kNの条件で上記試験用タイヤを走行させたときの転がり抵抗を測定した。そして、基準配合の転がり抵抗指数を100とし、下記計算式により各配合の転がり抵抗を指数表示した。数値が大きいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(基準配合の転がり抵抗)/(各配合の転がり抵抗)×100
(加工性)
加工性の評価結果は生産性の指標として用いることができる。評価は、上記未加硫ゴム組成物の形状及び加工のしやすさを目視で観察し、以下の基準で4段階評価した。
◎:容易に加工でき、加工性が特に良好である。
○:問題なく加工でき、加工性が良好である。
△:生地の状態は劣るが、加工は可能である。
×:生地の状態が悪く、シート加工ができない。
Figure 0005646964
Figure 0005646964
変性BR、大粒径シリカ及び小粒径シリカを併用した実施例は、比較例に比べて、低燃費性、操縦安定性、ウェットスキッド性能、耐摩耗性、耐チップカット性能及び加工性がバランス良く改善された。特に、変性BR及び大粒径シリカを混練りして得られたマスターバッチを用いた実施例2、5、8及び11は、低燃費性の改善効果が大きく、変性BR及び小粒径シリカを混練りして得られたマスターバッチを用いた実施例3、6、9及び12は、ウェットスキッド性能、耐摩耗性の改善効果が大きかった。また、大粒径シリカ及び小粒径シリカを別々に混練りした実施例2、3、5、6、8、9、11及び12は、加工性が特に良好であった。

Claims (7)

  1. ゴム成分と、第一シリカと、前記第一シリカよりも平均一次粒子径が小さい第二シリカとを含有し、
    前記ゴム成分が下記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含み、
    前記第一シリカ及び前記第二シリカの平均一次粒子径の差が2nm以上であるタイヤ用ゴム組成物であって、
    前記第一シリカ及び前記第二シリカの一方と前記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムの全部とを混練りする工程(I)、及び前記工程(I)で得られたマスターバッチに前記第一シリカ及び前記第二シリカの他方を添加して更に混練りする工程(II)を含む方法で製造されるタイヤ用ゴム組成物
    Figure 0005646964
    (式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
  2. 前記式(1)で表される化合物のR及び/又はRがアルキル基を表す請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記第一シリカの含有量が5質量部以上、前記第二シリカの含有量が5質量部以上、前記第一シリカ及び前記第二シリカの合計含有量が15〜150質量部である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 天然ゴム及び/又はスチレンブタジエンゴムと、カーボンブラックとを含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 全シリカ100質量%中の前記第一シリカの含有率が20〜80質量%でかつ、前記第二シリカの含有量が前記第一シリカの含有量の0.3〜2倍である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記第一シリカ及び前記第二シリカの一方と前記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムの全部とを混練りする工程(I)、及び前記工程(I)で得られたマスターバッチに前記第一シリカ及び前記第二シリカの他方を添加して更に混練りする工程(II)を含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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