JP2012121944A - タイヤ用ゴム組成物及び競技用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた競技用タイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分、芳香族ビニル重合体、充填剤及びオイルを含有し、上記ゴム成分がジエン系ゴムを50質量%以上含み、上記芳香族ビニル重合体が、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、上記充填剤が水酸化アルミニウムを含み、上記ゴム成分100質量部に対して、上記芳香族ビニル重合体の含有量が1〜50質量部、上記充填剤の含有量が100〜180質量部、上記オイルの含有量が50〜150質量部であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分、芳香族ビニル重合体、充填剤及びオイルを含有し、上記ゴム成分がジエン系ゴムを50質量%以上含み、上記芳香族ビニル重合体が、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、上記充填剤が水酸化アルミニウムを含み、上記ゴム成分100質量部に対して、上記芳香族ビニル重合体の含有量が1〜50質量部、上記充填剤の含有量が100〜180質量部、上記オイルの含有量が50〜150質量部であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた競技用タイヤに関する。
競技用タイヤに使用されるゴム組成物には、一般的に、ウェットグリップ性能を確保するため、水酸化アルミニウムやオイルが配合されている。しかし、ウェットグリップ性能をより改善しようとして、水酸化アルミニウムやオイルを増量すると、耐摩耗性及び操縦安定性が悪化する傾向がある。したがって、これらの性能をバランス良く改善する方法が望まれている。
特許文献1には、芳香族ビニル重合体を配合し、低燃費性及びウェットグリップ性能を改善したゴム組成物が提案されている。しかし、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善する点について、未だ改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決し、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた競技用タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分、芳香族ビニル重合体、充填剤及びオイルを含有し、上記ゴム成分がジエン系ゴムを50質量%以上含み、上記芳香族ビニル重合体が、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、上記充填剤が水酸化アルミニウムを含み、上記ゴム成分100質量部に対して、上記芳香族ビニル重合体の含有量が1〜50質量部、上記充填剤の含有量が100〜180質量部、上記オイルの含有量が50〜150質量部であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記芳香族ビニル重合体が、α−メチルスチレン若しくはスチレンの単独重合体又はα−メチルスチレンとスチレンとの共重合体であることが好ましい。
上記充填剤がシリカを含有し、上記ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が2〜150質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた競技用タイヤに関する。
本発明によれば、水酸化アルミニウム及びオイルを含む配合系に、特定の芳香族ビニル重合体を更に配合したゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に使用することにより、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性がバランス良く改善された競技用タイヤを提供できる。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムと、特定の芳香族ビニル重合体と、水酸化アルミニウムを含む充填剤と、オイルとをそれぞれ所定量含有する。上述したように、水酸化アルミニウム及びオイルを含む配合系で、水酸化アルミニウムやオイルを増量すると、ウェットグリップ性能が改善される一方で、耐摩耗性及び操縦安定性が悪化する傾向がある。これに対し、本発明では、上記配合系に、特定の芳香族ビニル重合体を更に配合することで、水酸化アルミニウム及びオイルを増量することなく、良好な耐摩耗性及び操縦安定性を維持したまま、ウェットグリップ性能を改善できる。その結果、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性をバランス良く改善できる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、ジエン系ゴムを使用できる。ジエン系ゴムとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量%中のジエン系ゴムの含有量は、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。50質量%未満であると、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性がバランス良く得られないおそれがある。
なお、ジエン系ゴムの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
なお、ジエン系ゴムの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムとして、SBRを使用することが好ましい。これにより、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性がバランス良く得られる。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。15質量%未満の場合、充分なウェットグリップ性能を確保できないおそれがある。また、SBRのスチレン含有量は、好ましくは65質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。65質量%を超えると、硬度が高くなり過ぎて、耐摩耗性及び操縦安定性が悪化する傾向がある。
なお、本明細書において、スチレン含有量は、1H−NMR測定によって算出される。
なお、本明細書において、スチレン含有量は、1H−NMR測定によって算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。70質量%未満では、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性がバランス良く得られないおそれがある。
なお、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
なお、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
本発明のゴム組成物は、特定の芳香族ビニル重合体、即ち、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂を含有する。なお、上記芳香族ビニル重合体は、ゴム成分には含まれない。
上記芳香族ビニル重合体では、芳香族ビニル単量体(単位)として、スチレン、α−メチルスチレンが使用され、それぞれの単量体の単独重合体、両単量体の共重合体のいずれでもよい。上記芳香族ビニル重合体としては、経済的で、加工しやすく、ウェットグリップ性能に優れていることから、α−メチルスチレン若しくはスチレンの単独重合体又はα−メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。
上記芳香族ビニル重合体の軟化点(Softening Point)は、好ましくは100℃以下、より好ましくは92℃以下、更に好ましくは88℃以下であり、また、好ましくは30℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは75℃以上である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K 6220に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K 6220に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記芳香族ビニル重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは400以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは800以上であり、また、好ましくは10000以下、より好ましくは3000以下、更に好ましくは2000以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めたものである。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めたものである。
上記芳香族ビニル重合体の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上である。1質量部未満であると、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれがある。また、上記芳香族ビニル重合体の含有量は、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。50質量部を超えると、耐摩耗性、操縦安定性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、充填剤を含有する。充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、カーボンブラックなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、100質量部以上、好ましくは110質量部以上、より好ましくは120質量部以上、更に好ましくは125質量部以上である。100質量部未満では、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性がバランス良く得られないおそれがある。また、充填剤の含有量は、180質量部以下、好ましくは160質量部以下、より好ましくは140質量部以下である。180質量部を超えると、ゴムが硬くなり過ぎて、操縦安定性などが悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、充填剤として、水酸化アルミニウムを含有する。これにより、低温での硬度が低下し、良好なウェットグリップ性能が得られる。
水酸化アルミニウムとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上である。0.5μm未満では、水酸化アルミニウムの分散が困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。10μmを超えると、水酸化アルミニウムが破壊核となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、本発明において、水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
なお、本発明において、水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
水酸化アルミニウムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。2質量部未満では、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれがある。また、水酸化アルミニウムの含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。80質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、充填剤として、水酸化アルミニウムとともにシリカを併用することが好ましい。これにより、本発明の効果が良好に得られる。
シリカとしては、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。なかでも、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは200m2/g以上、より好ましくは250m2/g以上である。200m2/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、シリカのN2SAは、好ましくは350m2/g以下、より好ましくは300m2/g以下である。350m2/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
本発明のゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは18質量部以上である。10質量部未満では、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。40質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、充填剤として、水酸化アルミニウムとともにカーボンブラックを併用することが好ましい。これにより、本発明の効果が良好に得られる。
カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは80m2/g以上、より好ましくは120m2/g以上である。80m2/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのN2SAは、好ましくは220m2/g以下、より好ましくは180m2/g以下である。220m2/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217のA法によって求められる。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
本発明のゴム組成物は、充填剤として、水酸化アルミニウム、シリカ及びカーボンブラックを併用することが特に好ましく、この場合、本発明の目的が良好に達成できる。
本発明のゴム組成物は、オイルを含有する。これにより、良好なウェットグリップ性能が得られる。
オイルとしては特に限定されず、例えば、プロセスオイル、植物油脂、その混合物などを用いることができる。
プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマオイル)などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油などが挙げられる。なかでも、良好なウェットグリップ性能が得られるという点から、芳香族系プロセスオイルが好適に用いられる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以上、好ましくは80質量部以上、より好ましくは100質量部以上、更に好ましくは110質量部以上である。50質量部未満では、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれがある。また、オイルの含有量は、150質量部以下、好ましくは140質量部以下、より好ましくは130質量部以下である。150質量部を超えると、耐摩耗性及び操縦安定性が悪化する傾向がある。
なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に用いられ、トレッド(特にキャップトレッド)に好適に用いられる。
本発明の競技用タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの所望の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の競技用タイヤを製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成ケミカルズ(株)製のタフデン4850(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分を50質量部含有)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックA(N110、N2SA:142m2/g)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のニプシルVN3(N2SA:270m2/g)
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製のハイジライトH−43(平均一次粒子径:1μm)
芳香族ビニル重合体:Arizona chemical社製のSYLVARES SA85(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Mw:1000)
オイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−260(アロマオイル)
老化防止剤6C:フレキシス(株)製のサントフレックス13
老化防止剤224:大内新興化学工業(株)製のノクラック224
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種
シランカップリング剤:デグッサ(株)製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
SBR:旭化成ケミカルズ(株)製のタフデン4850(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分を50質量部含有)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックA(N110、N2SA:142m2/g)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のニプシルVN3(N2SA:270m2/g)
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製のハイジライトH−43(平均一次粒子径:1μm)
芳香族ビニル重合体:Arizona chemical社製のSYLVARES SA85(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Mw:1000)
オイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−260(アロマオイル)
老化防止剤6C:フレキシス(株)製のサントフレックス13
老化防止剤224:大内新興化学工業(株)製のノクラック224
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種
シランカップリング剤:デグッサ(株)製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
実施例及び比較例
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物及び試験用カートタイヤを用いて以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(粘弾性試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪0.5%、振動周波数10Hzの条件下で、0℃における上記加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率E’及び損失正接tanδ)を測定した。そして、比較例1のE’指数及びtanδ指数を100とし、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。E’指数が大きいほど、操縦安定性に優れることを示し、tanδ指数が大きいほど、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
(E’指数)=(各配合のE’)/(比較例1のE’)×100
(tanδ指数)=(各配合のtanδ)/(比較例1のtanδ)×100
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪0.5%、振動周波数10Hzの条件下で、0℃における上記加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率E’及び損失正接tanδ)を測定した。そして、比較例1のE’指数及びtanδ指数を100とし、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。E’指数が大きいほど、操縦安定性に優れることを示し、tanδ指数が大きいほど、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
(E’指数)=(各配合のE’)/(比較例1のE’)×100
(tanδ指数)=(各配合のtanδ)/(比較例1のtanδ)×100
(引張試験)
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、前記加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて引張試験を行い、300%伸張時応力(M300)を測定した。そして、比較例1のM300指数を100とし、下記計算式により、各配合のM300を指数表示した。M300指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(M300指数)=(各配合のM300)/(比較例1のM300)×100
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、前記加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて引張試験を行い、300%伸張時応力(M300)を測定した。そして、比較例1のM300指数を100とし、下記計算式により、各配合のM300を指数表示した。M300指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(M300指数)=(各配合のM300)/(比較例1のM300)×100
(実車評価)
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコース(ウェット路面)を8周走行し、ドライバーの官能評価により、ウェットグリップ性能及び操縦安定性(剛性)を評価した。また、走行後のタイヤの摩耗状態を目視で観察し、耐摩耗性を評価した。評価結果は、比較例1を3点として、5点満点で表示した。数値が大きいほど、性能が良好であることを示す。
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコース(ウェット路面)を8周走行し、ドライバーの官能評価により、ウェットグリップ性能及び操縦安定性(剛性)を評価した。また、走行後のタイヤの摩耗状態を目視で観察し、耐摩耗性を評価した。評価結果は、比較例1を3点として、5点満点で表示した。数値が大きいほど、性能が良好であることを示す。
表1より、水酸化アルミニウム及びオイルを含む配合系に、特定の芳香族ビニル重合体を配合した実施例は、比較例に比べて、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び操縦安定性がバランス良く改善された。特に、オイルの一部を該芳香属ビニル重合体で置換した実施例2では、各性能の改善効果が高かった。
Claims (4)
- ゴム成分、芳香族ビニル重合体、充填剤及びオイルを含有し、
前記ゴム成分がジエン系ゴムを50質量%以上含み、
前記芳香族ビニル重合体が、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、
前記充填剤が水酸化アルミニウムを含み、
前記ゴム成分100質量部に対して、前記芳香族ビニル重合体の含有量が1〜50質量部、前記充填剤の含有量が100〜180質量部、前記オイルの含有量が50〜150質量部であるタイヤ用ゴム組成物。 - 前記芳香族ビニル重合体が、α−メチルスチレン若しくはスチレンの単独重合体又はα−メチルスチレンとスチレンとの共重合体である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記充填剤がシリカを含有し、
前記ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が2〜150質量部である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いた競技用タイヤ。
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