JP6913471B2 - 既存建物の床高さ変更方法 - Google Patents

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本発明は、複数の梁を組み付けた既存梁構造体にて既存床構造体が支持されている既存建物の床高さ変更方法に関する。
既存建物を別の用途で使用する場合等には、その用途等に応じて床の高さを変更するのが好ましい場合がある。特許文献1には、複数の梁を組み付けた既存梁構造体にて既存床構造体が支持されている既存建物において、既存梁構造体及びそれに支持された既存床構造体を一体的に既存建物から切断分離し、油圧式等のジャッキを用いて高さ方向で移動させた上で、既存建物に再固定する既存建物の床高さ変更方法が提案されている。
この既存建物の床高さ変更方法は、既存梁構造体及び既存床構造体をそのまま再利用することができ、既存梁構造体及び既存床構造体の解体作業や新設梁構造体及び新設床構造体の構築作業を簡略化して、工期の短縮と工費の削減を図ることができる。
特開2015−063793号公報
上記従来の床高さ変更方法では、既存床構造体を支持した状態のままの既存梁構造体を油圧ジャッキにて適切に支持しながら既存建物から切断分離する作業、既存床構造体を支持した状態のままの既存梁構造体をジャッキにて適切に支持しながら高さ方向で移動させる作業、既存床構造体を支持した状態のままの既存梁構造体を既存建物に適切に再固定する作業が必要となる。しかしながら、既存床構造体を支持した状態のままの既存梁構造体の重量はそれなりに大きいので、各作業中にジャッキにて支持すべき総重量が大きくなり、各作業の難易度が非常に高くなる。よって、既存建物の床の高さの変更を正確且つ安全に実施するのが難しい不都合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、少なくとも既存梁構造体を再利用して工期の短縮と工費の削減を図ることができるとともに、作業中にジャッキにて支持すべき総重量を低減して各作業の難易度を低下させることができ、床の高さの変更を正確且つ安全に実施することができる既存建物の床高さ変更方法を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、複数の梁を組み付けた既存梁構造体にて既存床構造体が支持されている既存建物の床高さ変更方法であって、
既存建物の床高さ変更エリアにおいて前記既存梁構造体に支持された前記既存床構造体の全部又は中央部を撤去する床構造体撤去工程と、
前記床構造体撤去工程の実行後、前記既存床構造体の全部又は中央部を撤去した前記既存梁構造体を既存建物から切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで前記既存梁構造体を既存建物に再固定する梁構造体移動工程と、
前記梁構造体移動工程の実行後、前記既存床構造体の撤去部分に新設床構造体を構築して前記既存梁構造体に支持させる床構造体新設工程と、を備える点にある。
本構成によれば、床構造体撤去工程において、既存梁構造体に支持された既存床構造体の少なくとも一部を撤去して既存梁構造体の重量を低減した上で、後続の梁構造体移動工程において、重量を低減した既存梁構造体を既存建物から切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで再固定する。その後、床構造体新設工程において、既存床構造体の撤去部分に新設床構造体を構築して既存梁構造体に支持させる。
そのため、少なくとも既存梁構造体を再利用して工期の短縮と工費の削減を図ることができる。しかも、床構造体撤去工程にて既存梁構造体の重量を低減することで、梁構造体移動工程の各作業中にジャッキにて支持すべき総重量を低減することができる。よって、梁構造体移動工程の各作業の難易度を低下させることができ、床の高さの変更を正確且つ安全に実施することができる。
本発明の第2特徴構成は、複数の梁を組み付けた既存梁構造体にて既存床構造体が支持されている既存建物の床高さ変更方法であって、
既存建物の床高さ変更エリアにおいて前記既存梁構造体に支持された前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去する床構造体撤去工程と、
前記床構造体撤去工程の実行後、前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去した前記既存梁構造体を既存建物から切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで前記既存梁構造体を既存建物に再固定する梁構造体移動工程と、
前記梁構造体移動工程の実行後、前記既存床構造体の撤去部分に新設床構造体を構築して前記既存梁構造体に支持させる床構造体新設工程と、を備え、
前記床構造体撤去工程において、前記床高さ変更エリアの中央側の既存柱にて接続された複数階分の前記既存梁構造体に支持された前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去し、
前記梁構造体移動工程において、支持対象の前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去した複数階分の前記既存梁構造体を、前記既存柱にて接続された状態のままで、前記既存柱ごと、既存建物から纏めて切り離して高さ方向で移動させる点にある。
本構成によれば、床構造体撤去工程において、既存梁構造体に支持された既存床構造体の少なくとも一部を撤去して既存梁構造体の重量を低減した上で、後続の梁構造体移動工程において、重量を低減した既存梁構造体を既存建物から切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで再固定する。その後、床構造体新設工程において、既存床構造体の撤去部分に新設床構造体を構築して既存梁構造体に支持させる。
そのため、少なくとも既存梁構造体を再利用して工期の短縮と工費の削減を図ることができる。しかも、床構造体撤去工程にて既存梁構造体の重量を低減することで、梁構造体移動工程の各作業中にジャッキにて支持すべき総重量を低減することができる。よって、
梁構造体移動工程の各作業の難易度を低下させることができ、床の高さの変更を正確且つ安全に実施することができる。
更に、本構成によれば、梁構造体移動工程において、複数階分の既存梁構造体の高さ方向での移動を纏めて一括で行うので、複数階分の床の高さの変更を短工期で実現することができる。
しかも、床構造体撤去工程において、複数階分の既存梁構造体に支持された複数階分の既存床構造体の少なくとも一部を撤去するので、既存床構造体の撤去範囲の選択の幅が広く、梁構造体移動工程の各作業中にジャッキにて支持すべき総重量を、複数階分の既存梁構造体を纏めて一括で移動させるのに適した重量に調整することができる。よって、複数階分の床の高さ変更を正確且つ安全に実施することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記床構造体新設工程において、前記新設床構造体を、前記既存床構造体よりも軽量の床構造体とする点にある。
本構成によれば、新設床構造体が既存床構造体よりも軽量であるので、再固定後の既存梁構造体への荷重が小さくなり、既存梁構造体の再固定構造の簡素化を図ることが可能となる。さらに、高さ変更後の既存建物全体の固定荷重(重量)を小さくすることができ、既存建物の耐震性を向上させることができる。
床高さ変更前の既存建物を示す図 既存建物の床高さ変更方法の第1実施形態を示す図 既存建物の床高さ変更方法の第1実施形態を示す図 既存建物の床高さ変更方法の第1実施形態を示す図 既存建物の床高さ変更方法の第2実施形態を示す図 既存建物の床高さ変更方法の第2実施形態を示す図 既存建物の床高さ変更方法の第2実施形態を示す図
本発明に係る既存建物の床高さ変更方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は床高さ変更前の既存建物Tの一部を示している。同図1に示すように、既存建物Tは、複数本の既存柱10どうしの間に架設された既存梁構造体20にて既存床構造体30が支持された構造となっている。
既存柱10は、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鋼管にコンクリートを充填した充填鋼管コンクリート造(CFT造)、それらの複合構造等の各種の構造を適宜に採用することができ、本実施形態では、例えば、CFT造にて構成されている。
既存梁構造体20は、複数の梁を組み付けて構成されている。既存梁構造体20は、S造やRC造、SRC造、それらの複合構造等の各種の構造を適宜に採用することができる。本実施形態では、既存梁構造体20は、複数の既存柱10の外周面に対して両端部が接合された鉄骨製の既存梁20Aを含み、図示は省略するが、図1中の奥行き方向で間隔を空けて並行する他の既存梁20Aや複数の既存梁20Aどうしの間に亘らせた鉄骨製の既存の小梁等を組み付けて構成されている。
既存床構造体30は、既存梁構造体20にて下方から支持されている。既存床構造体30は、金属や鉄筋コンクリートなどの各種の材料にて構成することができ、本実施形態では、例えば、鉄筋コンクリートにて構成されている。
そして、本発明に係る床高さ変更方法は、既存建物Tの床高さ変更エリアPにおいて、図2〜図4に示すように、後述する「床構造体撤去工程」、「梁構造体移動工程」、「床構造体新設工程」を順番に実行することで、図4に示すように、既存建物Tの床の高さを既存の高さH1から新たな高さH2に変更する。この高さ変更方法は、例えば、既存建物Tの全体又はその一部の用途等を変更する場合等に、変更後の用途等に応じて床の高さを変更するのに好適に用いることができる。以下、床高さ変更方法の第1実施形態の各工程について説明を加える。
なお、図2は、床構造撤去工程において既存床構造体30を撤去した状態を示し、図3は、床構造体撤去工程の実行後、梁構造体移動工程において既存梁構造体20を既存建物Tから切り離して高さ方向で移動させた状態を示している。図4は、梁構造体移動工程の実行後、床構造体新設工程において既存床構造体30の撤去部分に新設床構造体40を構築して既存梁構造体20に支持させた状態を示している。
(床構造体撤去工程)
この床構造体撤去工程では、図2に示すように、既存建物Tの床高さ変更エリアPにおいて、既存梁構造体20に支持された既存床構造体30の少なくとも一部を撤去する。
このように床高さ変更エリアPの既存床構造体30の少なくとも一部を撤去することで、撤去部分の重量分だけ既存梁構造体20を軽量化することができる。
図示の例では、既存建物Tの床高さ変更エリアPにおいて、移動対象の既存梁構造体20に支持された既存床構造体30の全てを撤去した場合を示しているが、既存床構造体30の撤去範囲は、後続の梁構造体移動工程にて使用する油圧式のジャッキ52の設置状況(個数や最大揚力等)、作業員の配置状況、後続の工程の作業性等に基づいて適宜に設定することができる。
(梁構造体移動工程)
床構造体撤去工程に続く梁構造体移動工程では、図2、図3に示すように、既存床構造体30の少なくとも一部を撤去した既存梁構造体20を、既存建物Tから切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで既存建物Tに再固定する。
具体的には、まず、図2に示すように、床高さ変更エリアPにおける既存梁構造体20の外周側の下方に仮設支柱51及びそれを支持する油圧式のジャッキ52を設置し、下階側の床等を反力支点として、ジャッキ52の揚力を仮設支柱51を通じて既存梁構造体20に作用させる状態で、既存梁構造体20を下方から支持する。そして、その支持状態で、既存梁構造体20の外周部と既存柱10との接合部分を切断し、既存柱10から既存梁構造体20を切り離す。
次に、図3に示すように、ジャッキ52を伸縮操作して既存梁構造体20を高さ方向で移動させる。図示の例では、ジャッキ52を縮めて既存梁構造体20を高さ方向で下方に移動させる場合を例に挙げている。
そして、図4に示すように、高さ変更後の既存梁構造体20の外周部をボルトや溶接等の適宜の接合手段Aにて既存柱10の外周面に接合し、既存梁構造体20を既存建物Tに再固定する。
(床構造体新設工程)
梁構造体移動工程に続く床構造体新設工程では、図4に示すように、再固定後の既存梁構造体20上の既存床構造体30の撤去部分に、新設床構造体40を構築して既存梁構造体20に支持させる。新設床構造体40は、金属や鉄筋コンクリートなどの各種の材料にて構成することができ、例えば、既存床構造体30よりも軽量の床構造体とすることができる。本実施形態では、既存床構造体30が鉄筋コンクリート製の床構造体であるのに対して、新設床構造体40を、鉄筋コンクリート製の床構造体よりも軽量の金属製の床構造体(所謂、鋼製床)として構成する。
このようにして、既存建物Tの床の高さを既存の高さH1から新たな高さH2に変更する。この床高さ変更方法によれば、既存梁構造体20を再利用して工期の短縮と工費の削減を図りながら、しかも、床構造体撤去工程での既存梁構造体20の軽量化により、梁構造体移動工程の各作業中にジャッキ52にて支持すべき総重量を低減し、各作業の難易度を低下させる形態で、既存建物Tの床の高さの変更を正確且つ安全に実施することができる。
〔第2実施形態〕
前述の第1実施形態では、既存建物Tにおける一つの階の床の高さを変更する場合を例に示したが、既存建物Tにおける既存柱10にて接続された複数階分の床の高さを変更することもできる。
この第2実施形態では、図5〜図7に示すように、既存建物Tにおける図中の左右中央側の既存柱10Aで接続された複数階分(本例では二階分)の床の高さを変更する。以下、床高さ変更方法の第2実施形態の各工程について説明を加える。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同符号を記す等により、その説明は省略する。また、便宜上、同図中において、中央側の既存柱10Aから外周側の既存柱10Bに亘る一対の既存梁構造体20を一つの既存梁構造体21とし、それに支持された一対の既存床構造体30及び一対の新設床構造体40を一つの既存床構造体31及び一つの新設床構造体41として説明する。
また、図5は、床構造撤去工程において既存床構造体31を撤去した状態を示し、図6は、床構造体撤去工程の実行後、梁構造体移動工程において既存梁構造体21を既存建物Tから切り離して高さ方向で移動させた状態を示している。図7は、梁構造体移動工程の実行後、床構造体新設工程において既存床構造体31の撤去部分に新設床構造体41を構築して既存梁構造体21に支持させた状態を示している。
(床構造体撤去工程)
この床構造体撤去工程では、図5に示すように、既存建物Tの床高さ変更エリアPにおいて、既存柱10Aにて接続された複数階分の既存梁構造体21に支持された複数階分の既存床構造体31の少なくとも一部を撤去する。本実施形態では、例えば、下階側の既存梁構造体21Aに支持された既存床構造体31Aは撤去せず、上階側の既存梁構造体21Bに支持された既存床構造体31Bを撤去する。
このようにすることで、既存柱10Aにて接続された複数階分の既存梁構造体21を軽量化し、その重量を、後続の梁構造体移動工程において複数階分の既存梁構造体21を纏めて一括で移動させるのに適した重量に調整することができる。
また、複数階分の既存梁構造体21の重心を下方に移動させて梁構造体移動工程で既存建物Tから切り離した状態での安定性を高めることや、既存建物Tから切り離した状態において、撤去せずに残した下階側の既存床構造体31Bを反力支点にして上階側の既存梁構造体21Bの適所を効率的に支持することが可能となる。
なお、場合によっては、これとは逆に、上階側の既存梁構造体21Bに支持された既存床構造体31Bは撤去せず、下階側の既存梁構造体21Aに支持された既存床構造体31Aを撤去したり、上階側及び下階側の既存梁構造体21A,21Bに支持された上階側及び下階側の既存床構造体31A,31Bをともに撤去してもよい。
(梁構造体移動工程)
床構造体撤去工程に続く梁構造体移動工程では、図6に示すように、既存床構造体31の少なくとも一部を撤去した複数階分の既存梁構造体21を、既存柱10Aで接続したままで既存建物Tから切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで複数階分の既存梁構造体21を既存建物Tに再固定する。
具体的には、まず、図5に示すように、床高さ変更エリアPにおける下階側の既存梁構造体21Aの外周側の下方、及び、床高さ変更エリアPにおける下階側の既存梁構造体21Aの中央側の下方(具体的には中央側の既存柱10Aの両脇の下方)に、仮設支柱51及びそれを支持するジャッキ52を設置する。また、床高さ変更エリアPの上階側の既存梁構造体21Bの外周側と、撤去せずに残した下階側の既存床構造体31Bとの間にも仮設支柱53を設置する。
そして、下階側の既存梁構造体21Aよりも下階側の床等を反力支点とし、ジャッキ52の揚力を仮設支柱51を通じて下階側の既存梁構造体21Aに作用させる状態で、複数階分の既存梁構造体21を下方から支持する。
その後、その支持状態で、複数階分の既存梁構造体21の外周部の既存柱10Bとの接合部分を切断するとともに、中央側の既存柱10Aにおける下階側の既存梁構造体21Aよりも下方の部位10a及び上階側の既存梁構造体21Bよりも上方の部位10bを切断除去し、複数階分の既存梁構造体21を、中央側の既存柱10Aにて接続されたまま、既存建物Tから切り離す。なお、上階側の既存梁構造体21Bの外周部は、仮設支柱53により下方から支持されているので、既存柱10Bから切り離された場合でも下方に撓むことはない。
次に、図6に示すように、ジャッキ52を伸縮操作して、複数階分の既存梁構造体21を、中央側の既存柱10Aに接続されたまま、まとめて一括で高さ方向で移動させる。図示の例では、ジャッキ52を縮めて複数階分の既存梁構造体21を高さ方向で下方に移動させる場合を例に挙げている。
そして、図7に示すように、高さ変更後の複数階分の既存梁構造体21の外周部を、ボルトや溶接等の適宜の接合手段Aにて外周側の既存柱10Bの外周面に接合するととともに、中央側の既存柱10Aにおける下階側の既存梁構造体21Aよりも下方の切断部位を適宜の接合手段(図示省略)にて接合し、複数階分の既存梁構造体21を既存建物Tに再固定する。
なお、中央側の既存柱10Aにおける上階側の既存梁構造体21Aよりも上方の切断部位は、当該階よりも上階側の支持状態や当該階の使用形態等の実情に応じて、再固定を行うか否かを適宜に選択すればよい。
(床構造体新設工程)
梁構造体移動工程に続く床構造体新設工程では、図7に示すように、複数階分の既存床構造体31の撤去部分に、新設床構造体41を構築して既存梁構造体21に支持させる。このようにして、既存建物Tにおける図中の中央側の既存柱10Aで接続された複数階分(本例では二階分)の床の高さを変更する。この床高さ変更方法によれば、既存建物Tの複数階分の既存梁構造体21の高さ方向での移動を纏めて一括で行うので、既存建物Tの複数階分の床の高さの変更を短工期で実現することができる。
〔別実施形態〕
(1)前述の第1実施形態では、床構造体撤去工程において、移動対象の既存梁構造体20に支持された既存床構造体30の全てを撤去する場合を例に示したが、例えば、移動対象の既存梁構造体20に支持された既存床構造体30の中央部のみを撤去し、既存床構造体30の外周部は撤去せずに残すようにしてもよい。
このようにすれば、撤去せずに残した既存床構造体30の外周部を、後続の梁構造体移動工程における既存建物Tから既存床構造体30を切り離す作業や、移動後の高さで既存床構造体30を既存建物Tに再固定する作業の作業床として利用し、これらの作業を効率的且つ安全に実施することができる。
また、これとは逆に、移動対象の既存梁構造体20に支持された既存床構造体30の外周部のみを撤去し、既存床構造体30の中央部は撤去せずに残すようにしてもよい。
(2)同様に、前述の第2実施形態では、床構造体撤去工程において、上階側の既存梁構造体21Bに支持された既存床構造体31Bの全てを撤去する場合を例に示したが、例えば、上階側の既存梁構造体21Bに支持された既存床構造体31Bの中央部のみを撤去し、既存床構造体30の外周部は撤去せずに残すようにしてもよい。
また、これとは逆に、上階側の既存梁構造体21Bに支持された既存床構造体31Bの外周部のみを撤去し、既存床構造体30の中央部は撤去せずに残すようにしてもよい。
(3)前述の各実施形態では、新設床構造体40を、既存床構造体30よりも軽量の床構造体とする場合を例に示したが、既存床構造体30よりも剛性や強度の高い床構造体としてもよい。
(4)本発明に係る高さ変更方法は、既存建物Tの全体又はその一部の用途を変更する場合に限らず、床の高さ変更を要する各種の場面で好適に用いることができる。
10 既存柱
20,21 既存梁構造体
30,31 既存床構造体
40,41 新設床構造体
T 既存建物

Claims (3)

  1. 複数の梁を組み付けた既存梁構造体にて既存床構造体が支持されている既存建物の床高さ変更方法であって、
    既存建物の床高さ変更エリアにおいて前記既存梁構造体に支持された前記既存床構造体の全部又は中央部を撤去する床構造体撤去工程と、
    前記床構造体撤去工程の実行後、前記既存床構造体の全部又は中央部を撤去した前記既存梁構造体を既存建物から切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで前記既存梁構造体を既存建物に再固定する梁構造体移動工程と、
    前記梁構造体移動工程の実行後、前記既存床構造体の撤去部分に新設床構造体を構築して前記既存梁構造体に支持させる床構造体新設工程と、を備える既存建物の床高さ変更方法。
  2. 複数の梁を組み付けた既存梁構造体にて既存床構造体が支持されている既存建物の床高さ変更方法であって、
    既存建物の床高さ変更エリアにおいて前記既存梁構造体に支持された前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去する床構造体撤去工程と、
    前記床構造体撤去工程の実行後、前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去した前記既存梁構造体を既存建物から切り離して高さ方向で移動させ、移動後の高さで前記既存梁構造体を既存建物に再固定する梁構造体移動工程と、
    前記梁構造体移動工程の実行後、前記既存床構造体の撤去部分に新設床構造体を構築して前記既存梁構造体に支持させる床構造体新設工程と、を備え、
    前記床構造体撤去工程において、前記床高さ変更エリアの中央側の既存柱にて接続された複数階分の前記既存梁構造体に支持された前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去し、
    前記梁構造体移動工程において、支持対象の前記既存床構造体の少なくとも一部を撤去した複数階分の前記既存梁構造体を、前記既存柱にて接続された状態のままで、前記既存柱ごと、既存建物から纏めて切り離して高さ方向で移動させる既存建物の床高さ変更方法。
  3. 前記床構造体新設工程において、前記新設床構造体を、前記既存床構造体よりも軽量の床構造体とする請求項1又は2記載の既存建物の床高さ変更方法。
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