JP2016216929A - 屋根架構およびその構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屋根架構10は、大梁11と、大梁11の両端部を支持する支柱12と、を有する。大梁11は、略水平に直線状に延びる上弦材20と、上弦材20の両端側に設けられて支柱12に接合される梁側継手部21と、梁側継手部21の間を連結しかつ中央部が下方に膨出する円弧状の下弦材22と、を備える。上弦材20および下弦材22は、I形鋼またはH形鋼を用いて形成される。
【選択図】図2
Description
例えば、屋根架構は、トラス屋根と、このトラス屋根の両端を支持する支柱と、を備える。トラス屋根は、上方に膨出した上弦材と、この上弦材の直下に設けられた下弦材と、これら上弦材と下弦材とを連結する束柱およびブレースと、を備える。
トラス屋根の上弦材は、支柱の上端に接続されており、下弦材は、支柱の上端から梁せい分だけ下がった位置に接続されている。
この場合、特許文献1、2に示されたトラス屋根の構造では、支柱の上端では、上弦材により内側に引っ張られる方向に力が作用するが、支柱の上端から梁せい分だけ下がった位置では、下弦材により外側に押し出される方向に力が加わる。
また、上弦材および下弦材は、I形鋼やH形鋼などの市場品で形成することが好ましく、市場品を活用できれば、大スパンの屋根架構を低コストで構築できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る屋根架構10が適用された建物1の骨組みの側面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、屋根架構10の一部の模式的な斜視図である。
この建物1では、床部3、外周柱4、外周壁5、屋根架構10で囲まれた空間が、大空間6となっている。
支柱12には、柱側継手部16が設けられている。
大梁11は、略水平に直線状に延びる上弦材20と、この上弦材20の両端側に設けられて支柱12の柱側継手部16にボルト接合される梁側継手部21と、梁側継手部21の間を連結しかつ中央部が下方に膨出する円弧状の下弦材22と、下弦材22と上弦材20とを連結する束柱23と、備える。
上弦材20、下弦材22、および束柱23は、I形鋼、H形鋼、あるいは板状の鋼材を溶接して形成された、I形状やH形状の鋼材である。
梁側継手部21は、上弦材接合部30、下弦材接合部31、鉛直補剛材としての第1補剛部32、鉛直補剛材としての第2補剛部33、水平補剛材としての第3補剛部34、上フランジ部35、下フランジ部36、およびウエブ部37を備える。
下弦材接合部31は、下弦材22にボルト接合および溶接接合されるものであり、下弦材22と同一形状で、かつ下弦材22の軸方向に沿って延びている。
具体的には、第1補剛部32は、図6(a)に示すように、上弦材接合部30の上フランジ、下フランジ、およびウエブで囲まれた部分に設けられた一対の板材321と、下弦材接合部31の上フランジ、下フランジ、およびウエブで囲まれた部分に設けられた一対の板材322と、上弦材接合部30と下弦材接合部31との間に設けられて、これら板材321、322と同一平面上に配置された板材323と、を備える。
下フランジ部36は、第2補剛部33に接合されて、下弦材接合部31の下フランジと同一平面上に設けられる板材である。この下フランジ部36は、第2補剛部33を介して、下弦材接合部31の下フランジに繋がっている。
上フランジ部40は、支柱12の柱頭部に取り付けられた板材であり、梁側継手部21の上フランジ部35に接合される。
下フランジ部41は、支柱12の柱頭部に取り付けられた板材であり、梁側継手部21の下フランジ部36に接合される。
ウエブ部42は、支柱12の柱頭部に取り付けられた板材であり、梁側継手部21のウエブ部37に接合される。
基礎2、床部3、外周柱4、および外周壁5は、既に構築してあるものとする。
ステップS1では、図8に示すように、建物1の外側に揚重装置としてのクローラークレーン50をセットして、外周柱4の上に支柱12を建て込む。
ステップS2では、図8および図9に示すように、建物1の内部の床部3の上を区画して組立ヤード51を設けて、この組立てヤードに架台52を構築し、この架台52に屋根架構10の大梁11を先組みする。
ステップS4では、大梁11の梁側継手部21と支柱12の柱側継手部16とを接合する。
ステップS5では、図9に示すように、今回取り付けた大梁11と既に取り付けた大梁11との間に連結梁13を架設し、さらに水平ブレース14および鉛直ブレース15を取り付ける。
ステップS6では、ステップS1〜S5を繰り返して、図9中矢印で示すように、一端側から他端側に向かって一方向に建方を行って、屋根架構10を完成させる。
(1)上弦材20と下弦材22とを梁側継手部21を介して柱材である支柱12に連結させた柱梁架構は、直接、上弦材および下弦材を柱材に連結した柱梁架構に比べて、柱材間に架設される上弦材および下弦材の実質的なスパン長さを短くできる。また、上弦材20の両端側に複数の補剛部32、33材を備えた梁側継手部21を配置することで、屋根架構10に生じる面外方向(図3中白抜き矢印で示す方向)へのはらみ出し変形を低減できる。
また、大梁11の長さを対向する支柱12間の距離よりも短くできるので、建物1の内部に設けた組立ヤード51を利用して、大梁11を先組みできる。
10…屋根架構 11…大梁 12…支柱 13…連結梁 14…水平ブレース
15…鉛直ブレース 16…柱側継手部
20…上弦材 21…梁側継手部 22…下弦材 23…束柱 24…連結部材
30…上弦材接合部 31…下弦材接合部 32…第1補剛部(鉛直補剛材)
33…第2補剛部(鉛直補剛材) 34…第3補剛部(水平補剛材)
35…上フランジ部 36…下フランジ部 37…ウエブ部
40…上フランジ部 41…下フランジ部 42…ウエブ部
50…クローラークレーン(揚重装置) 51…組立ヤード 52…架台
321…板材 322…板材 323…板材
Claims (4)
- 大梁と、当該大梁の両端部を支持する支柱と、を有する屋根架構であって、
前記大梁は、略水平に直線状に延びる上弦材と、当該上弦材の両端側に設けられて前記支柱に接合される梁側継手部と、当該梁側継手部の間を連結しかつ中央部が下方に膨出する円弧状の下弦材と、を備え、
前記上弦材および前記下弦材は、I形状またはH形状の鋼材を用いて形成されることを特徴とする屋根架構。 - 前記梁側継手部には、前記上弦材および前記下弦材の軸方向と交差する方向に延びて、当該梁側継手部の下端から上端に至る板状の鉛直補剛材が複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の屋根架構。
- 前記梁側継手部は、前記上弦材に接合される上弦材接合部と、
前記下弦材に接合される下弦材接合部と、
前記上弦材接合部と前記下弦材接合部との間に設けられて、前記上弦材および前記下弦材の軸方向に延びる板状の水平補剛材と、
前記上弦材接合部の上フランジに繋がる上フランジ部と、
前記下弦材接合部の下フランジに繋がる下フランジ部と、
当該上フランジ部と当該下フランジ部との間に設けられて前記水平補剛材に繋がるウエブ部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の屋根架構。 - 請求項1から3のいずれかに記載の屋根架構の構築方法であって、
前記支柱を建て込む第1工程と、
建物内部の床面上に設けられた組立ヤードにて、前記大梁を先組みする第2工程と、
揚重装置により当該先組みした大梁を揚重して、前記支柱間に配置する第3工程と、
前記大梁の梁側継手部を前記支柱に接合する第4工程と、
前記第1工程から前記第4工程を繰り返して、複数の大梁を互いに略平行に架設する第5工程と、を備えることを特徴とする屋根架構の構築方法。
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