JP6912933B2 - 放射線撮像装置、その駆動方法及び放射線撮像システム - Google Patents

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Description

本発明は、放射線撮像装置、その駆動方法及び放射線撮像システムに関する。
解像度の向上や体積の小型化、画像の歪みを押さえることを目的として光電変換素子を用いた等倍光学系の大面積フラットパネル式の放射線撮像装置が普及している。放射線撮像装置に用いられる等倍光学系のフラットパネルセンサの一例として、シリコン半導体ウエハ上にCMOS半導体製造プロセスにより生成された光電変換素子を2次元につなぎ合わせた大面積フラットパネルセンサがある。特許文献1には、画素内に光信号用のサンプルホールド回路とオフセット信号用のサンプルホールド回路とを設け、センサアレイ全体での一括露光(電子シャッタ機能)を実現する放射線撮像装置とその駆動方法とが記載されている。この駆動方法では、蓄積開始時にクランプ回路を基準電圧にリセットし、電荷の蓄積により基準電圧から変化したクランプ回路の電圧を蓄積終了時に光信号としてサンプルホールドする。光信号のサンプルホールドに続き基準電圧をオフセット信号としてサンプルホールドする。その後、XYアドレス方式の走査を用いて、アナログ信号であるサンプルホールドされた光信号とオフセット信号との差分をAD変換し、センサアレイの画像データを得る。光信号とオフセット信号との差分をとることにより、画素アンプでの熱ノイズ、1/fノイズ、温度差、プロセスばらつきによるFPNが除去される。
特開2016−92706号公報
基準電圧に含まれるリップル成分により、蓄積開始時の基準電圧と、蓄積終了時の基準電圧との間に微小な電圧差が発生する。特許文献1に記載される駆動方法では、この電圧差がフレームごとに異なるため、特に一括露光方式において前後のフレーム間にランダムな明暗差としてフリッカーが発生する。本発明は、フリッカーを低減するための技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、複数のフレーム画像を生成する放射線撮像装置であって、各画素が、放射線に応じて発生し蓄積された電荷に基づく画素信号を生成する信号生成部と、前記信号生成部を電荷蓄積前の状態にリセットすることによって前記信号生成部にオフセット信号を生成させるリセット部と、信号を保持可能な保持部と、を有する複数の画素と、前記画素信号及び前記オフセット信号をフレーム期間ごとに生成し前記画素信号及び前記オフセット信号を前記保持部に保持するように各画素を制御する制御部と、あるフレーム期間内に生成された前記オフセット信号と、当該オフセット信号の生成に続いて蓄積された電荷に応じて生成された前記画素信号とを前記保持部から読み出し、当該読み出したオフセット信号及び画素信号の差分をとる読出部と、を備えることを特徴とする放射線撮像装置が提供される。
上記手段により、フリッカーが低減される。
本発明の一部の実施形態の画素の構成を説明する等価回路図である。 本発明の一部の実施形態の画素アレイ及び信号読出部の構成を説明する等価回路図である。 本発明の一部の実施形態の放射線撮像システムの構成を説明する模式図である。 本発明の実施形態1の放射線撮像装置の駆動方法を説明するタイミングチャートである。 本発明の実施形態2の放射線撮像装置の駆動方法を説明するタイミングチャートである。 本発明の実施形態2の放射線撮像装置の駆動方法の変形を説明するタイミングチャートである。 本発明の実施形態3の放射線撮像装置の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について以下に説明する。様々な実施形態を通じて同様の要素には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、各実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。以下の説明する実施形態は、デジタルX線撮像装置などの放射線撮像装置、その駆動方法及び放射線撮像システムに関する。
<実施形態1>
図1は、本発明の一部の実施形態の放射線撮像装置100(図3)における一画素の概略回路を説明する等価回路図である。画素Pは、変換部CPと増幅部APとリセット部RPと保持部SH1〜SH3と出力部OP1〜OP3とを含みうる。以下の例では、これらの構成のそれぞれが回路で構成される。例えば、変換部CPは変換回路によって構成される。
変換部CPは、フォトダイオードPDと、トランジスタM1と、フローティングディフュージョン容量CFD(以下、FD容量CFD)と、感度切り替え用の付加容量CFD’とを有しうる。フォトダイオードPDは光電変換素子の一例であり、波長変換体であるシンチレータに入射した放射線に応じて生じた光を電荷に変換する。すなわち、放射線を光に変換する波長変換体と、光を電荷に変換する光電変換素子とによって、放射線を電荷に変換する変換素子が構成される。これに代えて、変換素子として、放射線を直接電荷に変換する素子が用いられてもよい。放射線に応じた量の電荷がフォトダイオードPDで発生し、発生した電荷量に応じたFD容量CFDの電圧が増幅部APに出力される。また、感度切り替え用の容量CFD’は、放射線に対する画素Pの感度を切り替えるために用いられ、トランジスタM1(スイッチ素子)を介してフォトダイオードPDに接続されている。WIDE信号が活性化されることによってトランジスタM1が導通状態になり、FD容量CFDと容量CFD’との合成容量の電圧が増幅部APに出力される。すなわち、トランジスタM1の導通状態を制御することにより、第1感度の変換部CPで変換された電荷に応じた電圧である第1感度信号と、第1感度とは異なる第2感度の変換部CPで変換された電荷に応じた電圧である第2感度信号と、の何れかが出力されうる。
増幅部APは、制御トランジスタM3と増幅トランジスタM4とクランプ容量CCLと制御トランジスタM6と増幅トランジスタM7と各定電流源とを有する。制御トランジスタM3と増幅トランジスタM4と定電流源(例えばカレントミラー構成のトランジスタ)とは電流経路を形成するように直列に接続されている。制御トランジスタM3のゲートに入力されるイネーブル信号ENが活性化されることによって、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。増幅トランジスタM4から出力された電圧は、クランプ容量CCLを介して増幅トランジスタM7に入力される。制御トランジスタM6と増幅トランジスタM7と定電流源とは電流経路を形成するように直列に接続されている。制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENが活性化されることによって、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。クランプ容量CCLは増幅トランジスタM4と増幅トランジスタM7との間に直列に配置されている。クランプ容量CCLによるクランプ動作については、後に説明するリセット部RPと併せて説明する。
リセット部RPは、リセットトランジスタM2とリセットトランジスタM5とを含む。リセットトランジスタM2は、リセット信号PRESが活性化されるとフォトダイオードPDに所定の電位を供給し、それによってフォトダイオードPDの電荷をリセット(初期化)し、増幅部APに出力される電圧をリセットする。リセットトランジスタM5は、クランプ容量CCLと増幅トランジスタM7との間の接続ノードに所定の電位を供給することにより、増幅トランジスタM7から出力される電圧をリセットする。リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量CCLの入力端子n1に入力される。また、クランプ信号PCLが活性化されることによりリセットトランジスタM5が導通状態になり、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量CCLの出力端子n2に入力される。このようにして、クランプ容量CCLの両端子間で生じた電位差をノイズ成分としてクランプし、その後のフォトダイオードPDでの電荷の発生および蓄積に伴い変化した電圧を信号成分として出力する。これがクランプ容量CCLを用いたクランプ動作であり、クランプ動作により変換部CPで生じるkTCノイズや増幅トランジスタM4のオフセット等のノイズ成分が抑制される。変換部CPと増幅部APとによって、放射線に応じて発生し蓄積された電荷に基づく信号を生成する信号生成部が構成される。この信号を画素信号と呼ぶ。画素信号は、上述の第1感度信号又は第2感度信号に基づく。この信号生成部をリセット部RPが電荷蓄積前の状態にリセットすることによって信号生成部が生成する信号をオフセット信号と呼ぶ。信号生成部のリセットは、上述のように、光電変換素子PDの電位とクランプ容量CCLの出力端子n2の電位とをリセットすることによって行われる。
保持部SH1は、増幅部APから出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM8と保持容量CS1とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS1を用いて転送トランジスタM8の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることにより、画素信号を容量CS1に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP1は、信号増幅トランジスタM10と出力スイッチSW9とを含む。信号増幅トランジスタM10は、保持容量CS1に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタであり、出力スイッチSW9は信号増幅トランジスタM10によって出力された画素信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW9に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW9が導通状態となることにより、後段の定電流源(不図示)と信号増幅トランジスタM10とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP1によって、保持部SH1に保持された画素信号が増幅されて画素Pから出力される。以下では、画素Pから出力された増幅後の画素信号を画素信号S1と呼ぶ。
保持部SH2は、増幅部APから出力されたオフセット信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM11と保持容量CN1とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TN1を用いて転送トランジスタM11の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることにより、オフセット信号を容量CN1に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP2は、信号増幅トランジスタM13と出力スイッチSW12とを含む。信号増幅トランジスタM13は、保持容量CN1に保持されたオフセット信号を増幅して出力するためのトランジスタであり、出力スイッチSW12は信号増幅トランジスタM13によって出力されたオフセット信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW12に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW12が導通状態となることにより、後段の定電流源(不図示)と信号増幅トランジスタM13とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP2によって、保持部SH2に保持されたオフセット信号が増幅されて画素Pから出力される。以下では、画素Pから出力された増幅後のオフセット信号をオフセット信号N1と呼ぶ。
保持部SH3は、増幅部APから出力されたオフセット信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM14と保持容量CN2とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TN2を用いて転送トランジスタM14の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることにより、オフセット信号を容量CN2に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP3は、信号増幅トランジスタM16と出力スイッチSW15とを含む。信号増幅トランジスタM16は、保持容量CN2に保持されたオフセット信号を増幅して出力するためのトランジスタであり、出力スイッチSW15は信号増幅トランジスタM16によって出力されたオフセット信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW15に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW15が導通状態となることにより、後段の定電流源(不図示)と信号増幅トランジスタM16とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP3によって、保持部SH3に保持されたオフセット信号が増幅されて画素Pから出力される。以下では、画素Pから出力された増幅後のオフセット信号をオフセット信号N2と呼ぶ。
容量CS1、容量CN1および容量CN2のサンプルホールド後は、転送トランジスタM8、転送トランジスタM11および転送トランジスタM14がオフとなり、容量CS1、容量CN1および容量CN2は前段の増幅部APから切り離される。このため、保持された画素信号及びオフセット信号は、再度サンプルホールドされるまで非破壊で読み出すことが可能である。
次に図2(A)及び図2(B)を用いて、本実施形態の放射線撮像装置100の画素アレイ120及び信号読出部20を説明する。図1の画素Pが二次元アレイ状に複数配列されて画素アレイ120が構成される。そして、画素アレイ120からの信号は信号読出部20によって読み出される。まず、図2(A)を用いて本実施形態の放射線撮像装置100の画素アレイ120を説明する。図2(A)は、本実施形態の放射線撮像装置100の画素アレイ120の概略構成を説明するための等価回路図である。
画素アレイ120は、複数の画素Pと、各画素Pを駆動するための垂直走査回路403と、各画素Pから信号読出を行うための水平走査回路404と、を備える。垂直走査回路403および水平走査回路404は、例えばシフトレジスタで構成されており、制御部109(図3)からの制御信号に基づいて動作する。垂直走査回路403は、制御線405を介して各画素Pに垂直走査信号VSRを供給し、当該垂直走査信号VSRに基づいて各画素Pを行単位で駆動する。すなわち、垂直走査回路403は行選択部として機能し、信号読出を行うべき画素Pを行単位で選択する。また、水平走査回路404は列選択部として機能し、水平走査信号HSRに基づいて各画素Pを列単位で選択して、各画素Pからの信号を順に出力させる(水平転送)。ここで、行選択部(垂直走査回路403)の動作周波数は、列選択部(水平走査回路404)の動作周波数に比べて大きく、即ち、行選択部(垂直走査回路403)は列選択部(水平走査回路404)に比べて動作が遅い。
また、画素アレイ120は、各画素Pの容量CS1に保持された画素信号を読み出すための端子ES1と、容量CN1に保持されたオフセット信号を読み出すための端子EN1と、容量CN2に保持されたオフセット信号を読み出すための端子EN2と、を有する。また、画素アレイ120はセレクト端子ECSをさらに有し、端子ECSが受ける信号が活性化されることによって、当該画素アレイ120の各画素Pの信号が、端子ES1、EN1及びEN2を介して読み出されうる。具体的には、前述の各画素Pの画素信号S1、オフセット信号N1及びオフセット信号N2は、各端子に対応する列信号線406〜408に供給される。列信号線406〜408は、水平走査回路404からの制御信号に応答して導通状態になるスイッチSWHを介して、アナログ出力線409〜411に接続されている。アナログ出力線409〜411の信号は、端子ECSが受ける信号に応答して導通状態になるスイッチSWCSを介して、端子ES1、EN1及びEN2から出力される。
また、画素アレイ120は、垂直走査回路403および水平走査回路404を制御するための各制御信号を受ける端子HST、CLKH、VSTおよびCLKVをさらに有する。端子HSTは、水平走査回路404に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKHは、水平走査回路404に入力されるクロック信号を受ける。端子VSTは、垂直走査回路403に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKVは、垂直走査回路403に入力されるクロック信号を受ける。これらの各制御信号は、後述する制御部109から入力される。水平走査回路404は入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて水平走査信号HSRを生成して出力し、垂直走査回路403は入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて垂直走査信号VSRを生成して出力する。これにより、画素信号S1、オフセット信号N1及びオフセット信号N2が、各画素からX-Yアドレス方式で順次に読み出される。すなわち、画素アレイ120では、各画素Pは行単位で制御され、各保持部に保持された信号が列単位で出力される(水平転送される)ことによって、信号が読み出される。
次に、図2(B)を用いて本実施形態の放射線撮像装置の信号読出部20を説明する。図2(B)は、本実施形態の放射線撮像装置の信号読出部20の概略構成を説明するための等価回路図である。信号読出部20は、例えば差動増幅器等を含む信号増幅部107とAD変換を行うAD変換部108とを有しうる。
端子ES1からの画素信号S1は信号増幅部107の反転入力端子AMP−に入力される。また、端子EN1からのオフセット信号N1は、制御端子に入力される制御信号TRO1に応答して導通状態になるスイッチM51を介して、信号増幅部107の非反転入力端子AMP+に入力される。また、端子EN2からのオフセット信号N2は、制御端子に入力される制御信号TRO2に応答して導通状態になるスイッチM52を介して、非反転入力端子AMP+に入力される。スイッチM51及びM52は、端子EN1及び端子EN2の一方の信号が非反転入力端子AMP+に入力されるように制御される。スイッチM51及びM52並びに信号増幅部107は、信号ADCLKの周期に追従可能な応答特性を有するように設計される。
信号増幅部107では、端子ES1からの信号と端子EN1からの信号との差分、又は端子ES1からの信号と端子EN2からの信号との差分が増幅され、当該差分はAD変換部108で、端子ADCLKを介して入力されるクロック信号に基づいてAD変換される。このような構成により、画素アレイ120の画像データ(デジタルデータ)が得られ、端子ADOUTを介して後述する制御部109に出力される。
以上のような画素アレイ120及び信号読出部20を用いて、本実施形態の放射線撮像装置100及び放射線撮像システムSYSが構成される。次に、図3を用いて本実施形態の放射線撮像装置100及び放射線撮像システムSYSを説明する。図3は、本実施形態の放射線撮像装置100及び放射線撮像システムSYSの概略構成を説明するための模式図である。
放射線撮像システムSYSは、放射線撮像装置100と、放射線を発生する放射線発生装置104と、曝射制御部103と、画像処理およびシステム制御を行う信号処理部101と、ディスプレイ等を含む表示部102と、を備える。放射線撮影を行う際には、信号処理部101によって放射線撮像装置100と曝射制御部103とが同期制御されうる。被検者を通過した放射線(X線、α線、β線、γ線等)に基づいて放射線撮像装置100が信号を生成し、この信号に対して信号処理部101等において所定の処理が為された後、当該放射線に基づく画像データが生成される。当該画像データは表示部102に放射線画像として表示される。放射線撮像装置100は、撮像領域10を有する撮像パネル105と、撮像領域10から信号を読み出す信号読出部20と、各ユニットを制御する制御部109とを備える。
撮像パネル105は、複数の画素アレイ120が板状の基台の上にタイリング(2次元配列)されて構成され、このような構成により大型の撮像パネル105が形成されうる。各画素アレイ120には複数の画素Pが配列されており、撮像領域10は、複数の画素アレイ120によって行および複数の列を形成するように配列された複数の画素Pを含む。また、ここでは、複数の画素アレイ120が7列×2行を形成するようにタイリングされた構成が例示されているが、この構成に限られるものではない。
制御部109は、例えば信号処理部101との間で、制御コマンドの通信を行い、同期信号の通信を行い、また、信号処理部101への画像データの出力を行う。また、制御部109は、撮像領域10又は各ユニットを制御し、例えば、各画素アレイ120の基準電圧の設定、各画素の駆動制御や動作モード制御を行う。また、制御部109は、信号読出部20のAD変換部108によりAD変換された各画素アレイ120の画像データ(デジタルデータ)を用いて1つのフレームデータに合成し、信号処理部101に出力する。制御部109は、CPU等のプロセッサと、RAMやROMなどのメモリとで構成されてもよい。制御部109のプロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって、後述する放射線撮像装置100の動作が実行されてもよい。これに代えて、制御部109は、ASIC(特定用途向け集積回路)等の専用回路で構成されてもよい。
制御部109と信号処理部101との間では、各種インターフェースを介して、制御コマンド又は制御信号および画像データの授受が行われる。信号処理部101は、制御用インターフェース110を介して、動作モードや各種パラメータなどの設定情報又は撮影情報を制御部109に出力する。また、制御部109は、制御用インターフェース110を介して、放射線撮像装置100の動作状態などの装置情報を信号処理部101に出力する。また、制御部109は、画像データインタフェース111を介して、放射線撮像装置100で得られた画像データを信号処理部101に出力する。また、制御部109は、READY信号112を用いて、放射線撮像装置100が撮影可能な状態になったことを信号処理部101に通知する。また、信号処理部101は、外部同期信号113を用いて、制御部109からのREADY信号112に応答して制御部109に、放射線の照射開始(曝射)のタイミングを通知する。また、制御部109は、曝射許可信号114がイネーブル状態の間に、曝射制御部103に制御信号を出力して放射線照射を開始させる。
図4は放射線撮像装置100の駆動方法の一例を示すタイムチャートである。この方法は、制御部109が放射線撮像装置100の各コンポーネントの動作を制御することによって実行される。放射線撮像装置100は、複数のフレーム画像で構成される動画撮影、例えば60fps以上の高速動画撮影を行う。図4の駆動方法において、フレームレートが一定であり、蓄積期間がフレーム期間内で最大となり、付加容量CFD’が付加されない撮影モードが設定された場合について説明する。
フレーム期間F1〜F4は、撮影開始後の1番目〜4番目のフレーム期間を示す。フレーム期間とは、複数のフレーム画像を生成するために反復される期間のことである。蓄積期間T1〜T4は、フレーム期間F1〜F4に対応する蓄積期間を示す。蓄積期間とは、放射線に応じて発生する電荷が光電変換素子PDに蓄積される期間のことである。図4において、「SYNC」〜「WIDE」は、各信号のレベルを示す。「CS1」、「CN1」及び「CN2」の行は、容量素子CS1、CN1及びCN2に保持されている信号を示す。「READ」は画素アレイ120から信号読出部20へ信号を読み出す期間を示す。制御部109は、「READ」がハイレベルの間に信号の読出し動作を実行する。「AMP−」は信号増幅部107の反転入力端子AMP−に信号が入力される期間を示し、「AMP+」は信号増幅部107の非反転入力端子AMP+に信号が入力される期間を示し、「READ」は信号増幅部107の出力端子から信号が出力される期間を示す。いずれもハイレベルが信号の入力期間を示す。
時刻t0で撮影モードが設定される。具体的に、画素Pの感度が、感度切り替え用の付加容量CFD’を付加しないFD容量CFDのみの第1感度であるので、制御部109は、制御信号WIDEを非活性化する。制御部109は、時刻t1でSYNC信号におけるパルスの立ち上がりを検出すると、時刻t2からフレーム画像を生成するための駆動を開始する。SYNC信号は外部同期信号、内部同期信号のどちらでも構わないが、本実施形態では外部同期信号SYNCとする。SYNC信号におけるパルスの立ち上がりによって1つのフレーム期間が始まり、次の立ち上がりによってこのフレーム期間が終わり、次のフレーム期間が始まる。例えば、時刻t1にフレーム期間F1が始まり、時刻t11にフレーム期間F1が終わり、次のフレーム期間F2が始まる。SRD1〜SRD4は、フレーム期間F1〜F4に実行されるサンプルホールド・リセット駆動を示す。サンプルホールド・リセット駆動とは、画素信号のサンプルホールド、変換部CPと増幅部APのリセット、オフセット信号のサンプルホールドを行う駆動のことである。
フレーム期間F1におけるサンプルホールド・リセット駆動SRD1について説明する。制御部109は、以下に説明するサンプルホールド・リセット駆動SRD1を撮像パネル105に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、制御部109は、複数の画素のそれぞれが同じタイミングで画素信号及びオフセット信号を生成するように各画素Pを制御する。
制御部109は、時刻t2でイネーブル信号ENを活性化する。これによって、制御トランジスタM3及び制御トランジスタM6が導通状態になる。制御トランジスタM3が導通状態になると、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となり、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。また、制御トランジスタM6が導通状態になると、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となり、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
制御部109は、時刻t2〜t3の期間、制御信号TS1を活性化する。これによって、転送トランジスタM8が非導通状態から導通状態に切り替わり、画素信号が保持容量CS1に転送され保持される(すなわち、画素信号のサンプリングが行われる)。撮影開始後の最初のサンプルホールド・リセット駆動SRD1では、放射線に応じて発生する電荷の蓄積が行われていないため、保持容量CS1にサンプルホールドされた画素信号はフレーム画像の生成に使用されない。
続いて、制御部109は、時刻t4にリセット信号PRESを活性化する。これによって、フォトダイオードPDに所定の電位であるリセット電圧VRESが供給され、フォトダイオードPDの電荷がリセットされる。その結果、増幅部APに出力される電圧がリセットされ、リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量CCLの入力端子n1に入力される。制御部109は、時刻t5にクランプ信号PCLを活性化する。これによって、クランプ容量CCLと増幅トランジスタM7との間の接続ノードに所定の電圧VCLが供給される。その結果、増幅トランジスタM7から出力される電圧がリセットされ、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量CCLの出力端子n2に入力される。
制御部109は、時刻t6〜t8の期間、制御信号TN1を活性化する。これによって、転送トランジスタM11が非導通状態から導通状態に切り替わり、オフセット信号が保持容量CN1に転送され保持される(すなわち、オフセット信号のサンプリングが行われる)。フレーム期間F1内に生成されたオフセット信号をオフセット信号N1_F1と表す。オフセット信号N1_F1は、フレーム期間F3の駆動SRD3で上書きされるまで保持される。サンプルホールド・リセット駆動SRD1において、制御部109は、サンプルホールド制御信号TN2を活性化しない。
制御部109は、時刻t7でリセット信号PRESを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM2が非導通状態になる。制御部109は、時刻t9でクランプ信号PCLを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM5が非導通状態になり、入力端子n1と出力端子n2との間で生じた電位差がクランプ容量CCLの両端子に保たれる。制御部109は、時刻t10で制御トランジスタM3と制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENを非活性化する。これによって、増幅トランジスタM4及び増幅トランジスタM7は非動作状態となり、放射線に応じて変換された電荷が光電変換素子PDに蓄積される蓄積期間T1が始まる。
続いて、フレーム期間F2におけるサンプルホールド・リセット駆動SRD2について説明する。制御部109は、時刻t11でSYNC信号におけるパルスの立ち上がりを検出すると、時刻t12からフレーム画像を生成するための駆動を開始する。制御部109は、以下に説明するサンプルホールド・リセット駆動SRD2を撮像パネル105に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、制御部109は、同じタイミングで各制御信号を各画素Pに供給する。
制御部109は、時刻t12でイネーブル信号ENを活性化する。これによって、フレーム期間F1と同様に、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力され、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
制御部109は、時刻t12〜t13の期間、制御信号TS1を活性化する。これによって、転送トランジスタM8が非導通状態から導通状態に切り替わり、蓄積期間T1中に光電変換素子PDに蓄積された電荷に応じた画素信号が保持容量CS1に転送され保持される(すなわち、画素信号のサンプリングが行われる)。フレーム期間F1内に蓄積が開始された画素信号を画素信号S1_F1と表す。画素信号S1_F1は、オフセット信号N1_F1の生成に続いて蓄積された電荷に応じて生成された画素信号S1である。
続いて、制御部109は、時刻t14にリセット信号PRESを活性化する。これによって、フレーム期間F1と同様に、リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量CCLの入力端子n1に入力される。制御部109は、時刻t15にクランプ信号PCLを活性化する。これによって、フレーム期間F1と同様に、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量CCLの端子n2に入力される。
制御部109は、時刻t16〜t18の期間、制御信号TN2を活性化する。これによって、転送トランジスタM14が非導通状態から導通状態に切り替わり、オフセット信号が保持容量CN2に転送され保持される(すなわち、オフセット信号のサンプリングが行われる)。フレーム期間F2のオフセット信号をオフセット信号N2_F2と表す。オフセット信号N2_F2は、フレーム期間F4の駆動SRD4で上書きされるまで保持される。サンプルホールド・リセット駆動SRD2において、制御部109は、サンプルホールド制御信号TN1を活性化しない。この時点で、保持部SH2にオフセット信号N1_F1に保持されると同時に、保持部SH3にオフセット信号N2_F2が保持されている。
制御部109は、時刻t17でリセット信号PRESを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM2が非導通状態になる。制御部109は、時刻t19でクランプ信号PCLを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM5が非導通状態になり、入力端子n1と出力端子n2との間で生じた電位差がクランプ容量CCLの両端子に保たれる。制御部109は、時刻t20で制御トランジスタM3と制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENを非活性化する。これによって、増幅トランジスタM4及び増幅トランジスタM7は非動作状態となり、放射線に応じて変換された電荷が光電変換素子PDに蓄積される蓄積期間T2が始まる。
後に続くサンプルホールド・リセット駆動SRD3、SRD4もサンプルホールド・リセット駆動SRD1、SRD2と同様に実行される。制御部109は、サンプルホールド制御信号TN1とサンプルホールド制御信号TN2とを一連のサンプルホールド・リセット駆動ごとに交互に活性化する。サンプルホールド・リセット駆動SRD3では、保持容量CS1に画素信号S1_F2が保持され、保持容量CN1にオフセット信号N1_F3が保持される。サンプルホールド・リセット駆動SRD4では、保持容量CS1に画素信号S1_F3が保持され、保持容量CN2にオフセット信号N2_F4が保持される。このように、制御部109は、レーム期間ごとに2つのサンプルホールド回路に交互にオフセット信号を保持するように各画素Pを制御する。
図4の参照を続けて、画素Pから画素信号及びオフセット信号を読み出す動作について説明する。本実施形態で、信号読出部20は、画素信号S1の保持開始から所定時間を経過後に画素信号S1の読出しを開始する。フレーム期間F1の終了後の時刻t13の時点で、保持容量CS1に画素信号S1_F1が保持され、保持容量CN1にオフセット信号N1_F1が保持されている。そこで、制御部109は、時刻t20から所定時間が経過後に(例えば、オフセット信号N2_F2の生成後に)、これらの保持容量に保持された画素信号S1_F1及びオフセット信号N1_F1の読出しを開始する。具体的に、制御部109は、セレクト端子ECS及び制御信号TRO1を活性化するとともに、制御信号TRO2を不活性化する。続いて、制御部109は、垂直走査回路403及び水平走査回路404を制御することによって、画素アレイ120に含まれる複数の画素Pのうちの1つを選択する。これによって、選択された画素Pに保持された画素信号S1_F1が信号増幅部107の反転入力端子AMP−に入力され、選択された画素Pに保持されたオフセット信号N1_F1が信号増幅部107の非反転入力端子AMP+に入力される。このように、信号読出部20は、画素信号S1_F1及びオフセット信号N1_F1を同じタイミングで読み出す。
これらの入力を受けた信号増幅部107は、画素信号S1_F1及びオフセット信号N1_F1の差分をとって得られる信号を出力する。この出力信号は、オフセット信号が補正された画素信号に相当する。この出力信号は、AD変換部108によってデジタルデータに変換され、制御部109に供給される。制御部109は、垂直走査回路403及び水平走査回路404を制御することによって選択画素を順次切り替え、1つのフレーム画像を生成するためのデジタルデータを取得し、フレーム期間F1に対応するフレーム画像を生成する。
続いて、フレーム期間F2の終了後、サンプルホールド・リセット駆動SRD3の終了後、保持容量CS1に画素信号S1_F2が保持され、保持容量CN2にオフセット信号N2_F2が保持されている。そこで、制御部109は、サンプルホールド・リセット駆動SRD3の終了後から所定時間が経過後にこれらの保持容量に保持された画素信号S1_F2及びオフセット信号N2_F2の読出しを開始する。具体的に、制御部109は、セレクト端子ECS及び制御信号TRO2を活性化するとともに、制御信号TRO1を不活性化する。その後、制御部109は、上記と同様にして、画素アレイ120に含まれる複数の画素Pを順次選択する。これによって、制御部109は、フレーム期間F2に対応するフレーム画像を生成する。
上述の実施形態では、オフセット信号と、このオフセット信号の生成に続いて蓄積された電荷に応じて生成された画素信号との差分によってフレーム画像が生成される。そのため、リセット部RPから変換部CP及び増幅部APに供給される電圧VRES、VCLに含まれるリップル成分がこの差分によって打ち消されるので、フレーム画像に含まれるフリッカーが低減される。
<実施形態2>
図5を参照して、実施形態2に係る放射線撮像装置100の駆動方法について説明する。放射線撮像装置100のハードウェア構成は実施形態1と同じであってもよいので重複する説明を省略する。以下では、実施形態1と実施形態2との相違点を中心に説明する。図5の駆動方法において、蓄積期間がフレーム期間内で最大未満となる撮影モードが設定された場合について説明する。
時刻t40で撮影モードが設定される。この処理は実施形態1の時刻t0の処理と同様である。制御部109は、時刻t41でSYNC信号におけるパルスの立ち上がりを検出すると、時刻t42からフレーム画像を生成するための駆動を開始する。RD1〜RD4は、フレーム期間F1〜F4に実行されるリセット駆動を示し、SD1〜SD4は、フレーム期間F1〜F4に実行されるサンプルホールド駆動を示す。リセット駆動とは、変換部CPと増幅部APのリセットと、オフセット信号のサンプルホールドとを行う駆動のことである。サンプルホールド駆動とは、画素信号のサンプルホールドを行う駆動のことである。
フレーム期間F1におけるリセット駆動RD1について説明する。制御部109は、以下に説明するリセット駆動RD1を撮像パネル105に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、制御部109は、複数の画素のそれぞれが同じタイミングでオフセット信号を生成するように各画素Pを制御する。
制御部109は、時刻t42でイネーブル信号ENを活性化する。これによって、制御トランジスタM3及び制御トランジスタM6が導通状態になる。制御トランジスタM3が導通状態になると、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となり、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。また、制御トランジスタM6が導通状態になると、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となり、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
また、制御部109は、時刻t42にリセット信号PRESを活性化する。これによって、フォトダイオードPDに所定の電位であるリセット電圧VRESが供給され、フォトダイオードPDの電荷がリセットされる。その結果、増幅部APに出力される電圧がリセットされ、リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量CCLの入力端子n1に入力される。制御部109は、時刻t43にクランプ信号PCLを活性化する。これによって、クランプ容量CCLと増幅トランジスタM7との間の接続ノードに所定の電圧VCLが供給される。その結果、増幅トランジスタM7から出力される電圧がリセットされ、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量CCLの出力端子n2に入力される。
制御部109は、時刻t44〜t46の期間、制御信号TN1を活性化する。これによって、転送トランジスタM11が非導通状態から導通状態に切り替わり、オフセット信号が保持容量CN1に転送され保持される(すなわち、オフセット信号のサンプリングが行われる)。フレーム期間F1内に生成されたオフセット信号をオフセット信号N1_F1と表す。オフセット信号N1_F1は、フレーム期間F3の駆動RD3で上書きされるまで保持される。リセット駆動RD1において、制御部109は、サンプルホールド制御信号TN2を活性化しない。
制御部109は、時刻t45でリセット信号PRESを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM2が非導通状態になる。制御部109は、時刻t47でクランプ信号PCLを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM5が非導通状態になり、入力端子n1と出力端子n2との間で生じた電位差がクランプ容量CCLの両端子に保たれる。制御部109は、時刻t48で制御トランジスタM3と制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENを非活性化する。これによって、増幅トランジスタM4及び増幅トランジスタM7は非動作状態となり、放射線に応じて変換された電荷が光電変換素子PDに蓄積される蓄積期間T1が始まる。
続いて、フレーム期間F2におけるリセット駆動RD2について説明する。制御部109は、時刻t61でSYNC信号におけるパルスの立ち上がりを検出すると、時刻t62からフレーム画像を生成するための駆動を開始する。制御部109は、以下に説明するリセット駆動RD2を撮像パネル105に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、制御部109は、同じタイミングで各制御信号を各画素Pに供給する。
制御部109は、時刻t62でイネーブル信号ENを活性化する。これによって、フレーム期間F1と同様に、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力され、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
また、制御部109は、時刻t62にリセット信号PRESを活性化する。これによって、フレーム期間F1と同様に、リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量CCLの入力端子n1に入力される。制御部109は、時刻t63にクランプ信号PCLを活性化する。これによって、フレーム期間F1と同様に、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量CCLの端子n2に入力される。
制御部109は、時刻t64〜t66の期間、制御信号TN2を活性化する。これによって、転送トランジスタM14が非導通状態から導通状態に切り替わり、オフセット信号が保持容量CN2に転送され保持される(すなわち、オフセット信号のサンプリングが行われる)。フレーム期間F2のオフセット信号をオフセット信号N2_F2と表す。オフセット信号N2_F2は、フレーム期間F4の駆動RD4で上書きされるまで保持される。リセット駆動RD2において、制御部109は、サンプルホールド制御信号TN1を活性化しない。この時点で、保持部SH2にオフセット信号N1_F1に保持されると同時に、保持部SH3にオフセット信号N2_F2が保持されている。
制御部109は、時刻t65でリセット信号PRESを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM2が非導通状態になる。制御部109は、時刻t67でクランプ信号PCLを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM5が非導通状態になり、入力端子n1と出力端子n2との間で生じた電位差がクランプ容量CCLの両端子に保たれる。制御部109は、時刻t68で制御トランジスタM3と制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENを非活性化する。これによって、増幅トランジスタM4及び増幅トランジスタM7は非動作状態となり、放射線に応じて変換された電荷が光電変換素子PDに蓄積される蓄積期間T2が始まる。
後に続くリセット駆動RD3、RD4もリセット駆動RD1、RD2と同様に実行される。制御部109は、サンプルホールド制御信号TN1とサンプルホールド制御信号TN2とを一連のサンプルホールド・リセット駆動ごとに交互に活性化する。リセット駆動RD3では、保持容量CN1にオフセット信号N1_F3が保持される。リセット駆動RD4では、保持容量CN2にオフセット信号N2_F4が保持される。このように、制御部109は、レーム期間ごとに2つのサンプルホールド回路に交互にオフセット信号を保持するように各画素Pを制御する。
続いて、フレーム期間F1におけるサンプルホールド駆動SD1について説明する。制御部109は、以下に説明するサンプルホールド駆動SD1を撮像パネル105に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、制御部109は、複数の画素のそれぞれが同じタイミングで画素信号を生成するように各画素Pを制御する。
制御部109は、時刻t51でイネーブル信号ENを活性化する。これによって、制御トランジスタM3及び制御トランジスタM6が導通状態になる。制御トランジスタM3が導通状態になると、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となり、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。また、制御トランジスタM6が導通状態になると、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となり、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
制御部109は、時刻t51〜t52の期間、制御信号TS1を活性化する。これによって、転送トランジスタM8が非導通状態から導通状態に切り替わり、画素信号が保持容量CS1に転送され保持される(すなわち、画素信号のサンプリングが行われる)。フレーム期間F1内に蓄積が開始された画素信号を画素信号S1_F1と表す。画素信号S1_F1は、オフセット信号N1_F1の生成に続いて蓄積された電荷に応じて生成された画素信号S1である。制御部109は、時刻t53で制御トランジスタM3と制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENを非活性化する。これによって、増幅トランジスタM4及び増幅トランジスタM7は非動作状態となる。
続いて、フレーム期間F2におけるサンプルホールド駆動SD2について説明する。制御部109は、以下に説明するサンプルホールド駆動SD2を撮像パネル105に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、制御部109は、同じタイミングで各制御信号を各画素Pに供給する。
制御部109は、時刻t71でイネーブル信号ENを活性化する。これによって、フレーム期間F1と同様に、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力され、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
制御部109は、時刻t71〜t72の期間、制御信号TS1を活性化する。これによって、転送トランジスタM8が非導通状態から導通状態に切り替わり、蓄積期間T2中に光電変換素子PDに蓄積された電荷に応じた画素信号が保持容量CS1に転送され保持される(すなわち、画素信号のサンプリングが行われる)。フレーム期間F2内に蓄積が開始された画素信号を画素信号S1_F2と表す。画素信号S1_F2は、オフセット信号N2_F2の生成に続いて蓄積された電荷に応じて生成された画素信号S1である。
後に続くサンプルホールド駆動SD3もサンプルホールド駆動SD1、SD2と同様に実行される。サンプルホールド駆動SD3では、保持容量CS1に画素信号S1_F3が保持される。
続いて、図5の参照を続けて、画素Pから画素信号及びオフセット信号を読み出す動作について説明する。実施形態2の読出し動作は実施形態1の読出し動作と同様であり、信号読出部20は、画素信号S1の保持開始から所定時間を経過後に画素信号S1の読出しを開始する。フレーム期間F1の終了前の時刻t53の時点で、保持容量CS1に画素信号S1_F1が保持され、保持容量CN1にオフセット信号N1_F1が保持されている。そこで、制御部109は、時刻t53から所定時間が経過後に(例えば、オフセット信号N2_F2の生成前に)、これらの保持容量に保持された画素信号S1_F1及びオフセット信号N1_F1の読出しを開始する。その後、信号読出部20は、画素信号S1_F1及びオフセット信号N1_F1の差分をとることによってフレーム画像を生成する。実施形態2では、フレーム期間F1の読出し期間R_F1がフレーム期間F2の開始前に終了する。そのため、制御部109は、フレーム期間ごとに2つのサンプルホールド回路に交互にオフセット信号を保持するように各画素Pを制御のではなく、一方のサンプルホールド回路に連続してオフセット信号を保持するように各画素Pを制御してもよい。この場合に、保持部SH3及び出力部OP3は省略されてもよい。
図6に示すように、蓄積期間T1〜T4の長さや読出し期間の長さによっては、信号読出部20があるフレームから開始した読み出し(例えば、R_F1)が次のフレームまで継続する場合がある。
<実施形態3>
図7を参照して、実施形態3に係る放射線撮像装置100の駆動方法について説明する。放射線撮像装置100のハードウェア構成は実施形態1と同じであってもよいので重複する説明を省略する。以下では、実施形態2と実施形態3との相違点を中心に説明する。図7の駆動方法において、フレームレートが可変であり、蓄積期間がフレーム期間内で最大未満となる撮影モードが設定された場合について説明する。図7の例では、フレームレートが段階的に高くなる。そのため、フレーム期間F1からフレーム期間F4に向かうにつれてその長さが段階的に短くなる。
実施形態3では、リセット駆動RD1〜RD4及びサンプルホールド駆動SD1〜3が実施形態2と同様であり、画素信号及びオフセット信号を読み出すタイミングが実施形態2とは異なる。実施形態2で、信号読出部20は、画素信号S1の保持開始から所定時間を経過後に画素信号S1の読出しを開始した。実施形態3でで、信号読出部20は、次のフレーム期間内のリセット駆動の終了から(すなわち、次のフレーム期間にオフセット信号を生成から)所定時間を経過後に画素信号S1の読出しを開始する。例えば、フレーム期間F1で生成された画素信号S1_F1は、次のフレーム期間F2内のリセット駆動RD2の終了から所定時間を経過後に読み出される。蓄積時間T1〜T4が一定であるので、信号読出部20は、画素信号S1の保持開始からフレーム期間の長さの変化に応じた時間を経過後に画素信号S1の読み出しを開始することになる。
このように、読出し期間READ中にリセット駆動RDが行われないようにすることによって、フレーム画像にノイズやアーチファクトが発生することが抑制される。
10 撮像領域、20 信号読出部、100 放射線撮像装置、105 撮像パネル、107 信号増幅部、108 AD変換部、109 制御部、120 画素アレイ

Claims (11)

  1. 複数のフレーム画像を生成する放射線撮像装置であって、
    各画素が、
    放射線に応じて発生し蓄積された電荷に基づく画素信号を生成する信号生成部と、
    前記信号生成部を電荷蓄積前の状態にリセットすることによって前記信号生成部にオフセット信号を生成させるリセット部と、
    信号を保持可能な保持部と、を有する複数の画素と、
    前記画素信号及び前記オフセット信号をフレーム期間ごとに生成し前記画素信号及び前記オフセット信号を前記保持部に保持するように各画素を制御する制御部と、
    あるフレーム期間内に生成された前記オフセット信号と、当該オフセット信号の生成に続いて蓄積された電荷に応じて生成された前記画素信号とを前記保持部から読み出し、当該読み出したオフセット信号及び画素信号の差分をとる読出部と、
    を備えることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記保持部は、あるフレーム期間内に生成された前記オフセット信号と、次のフレーム期間内に生成された前記オフセット信号とを同時に保持可能であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記読出部は、前記オフセット信号と前記画素信号とを前記保持部から同じタイミングで読み出すことを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記読出部は、あるフレーム期間内に生成された前記オフセット信号を、次のフレーム期間内の前記オフセット信号の生成後に読み出すことを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記保持部は、2つのサンプルホールド回路を含み、
    前記制御部は、フレーム期間ごとに前記2つのサンプルホールド回路に交互に前記オフセット信号を保持するように各画素を制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記読出部は、前記画素信号の保持開始からフレーム期間の長さの変化に応じた時間を経過後に前記画素信号の読み出しを開始することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記読出部は、前記画素信号の保持開始から所定時間を経過後に前記画素信号の読み出しを開始することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記制御部は、前記複数の画素のそれぞれが同じタイミングで前記画素信号及び前記オフセット信号を生成するように各画素を制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記信号生成部は、
    放射線を電荷に変換する変換部と、
    前記変換部によって生成された信号を受けるクランプ容量と、を含み、
    前記リセット部は、前記変換部の電位と前記クランプ容量の出力端子の電位とをリセットすることによって前記信号生成部をリセットすることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置によって得られた信号を処理する信号処理部と
    を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
  11. 複数の画素を備え、複数のフレーム画像を生成する放射線撮像装置の駆動方法であって、
    前記複数の画素のそれぞれは、
    放射線に応じて発生し蓄積された電荷に基づく画素信号を生成する信号生成部と、
    前記信号生成部を電荷蓄積前の状態にリセットすることによって前記信号生成部にオフセット信号を生成させるリセット部と、
    信号を保持可能な保持部と、を有し、
    前記駆動方法は、
    前記画素信号及び前記オフセット信号をフレーム期間ごとに生成し前記画素信号及び前記オフセット信号を前記保持部に保持するように各画素を制御する工程と、
    あるフレーム期間内に生成された前記オフセット信号と、当該オフセット信号の生成に続いて蓄積された電荷に応じて生成された前記画素信号とを前記保持部から読み出し、当該読み出したオフセット信号及び画素信号の差分をとる工程と、
    を有することを特徴とする駆動方法。
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