JP2019087892A - 放射線撮像装置、放射線撮像システムおよび放射線撮像装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多方向放射線撮像システムに用いる放射線撮像装置において、画質の向上に有利な技術を提供する。【解決手段】第1、第2の検出部と制御部とを含み、第1、第2の検出部のそれぞれは、変換部と変換部の電荷に応じた信号を保持する第1、第2の保持部と第1、第2の保持部に保持された信号を出力するための出力部と出力部を介さず変換部をリセットするリセット部とをそれぞれ含む複数の画素を備え、制御部は、1フレームの期間において、検出部に対して、リセット部による変換部のリセット、第1の保持部による信号のサンプリング、放射線源による放射線の照射、第2の保持部による信号のサンプリングをこの順で含むサンプルホールド駆動と出力部による第1、第2の保持部にサンプリングされた信号の出力とを行わせ、第1の検出部に放射線が照射される期間と第2の検出部に放射線が照射される期間とが重ならないようにタイミングを制御する。【選択図】図4
Description
本発明は、放射線撮像装置、放射線撮像システムおよび放射線撮像装置の制御方法に関する。
医療画像診断や非破壊検査において、半導体材料によって構成される平面検出器(フラットパネルディテクタ:FPD)を用いた放射線撮像装置が広く使用されている。こうした平面検出器と放射線源との複数の組を用いた多方向放射線撮像システムが知られている。特許文献1には、2組の平面検出器および放射線発生装置を用いるバイプレーン撮影に、放射線から変換された電荷を蓄積する信号蓄積容量および電荷を一時保持するための信号保持用容量を備える画素が配された平面検出器を用いることが示されている。一方の組で放射線の照射によって生成された電荷を信号蓄積容量から信号保持用容量に転送することによって、他方の組での撮像中、変換素子に散乱線が入射し電荷が生成されても、信号保持用容量に転送された信号電荷は散乱線による影響を受けない。また、信号保持用容量を設けることによって、2組の系で交互に放射線を照射し、一方の組の信号電荷の読み出しと、他方の組の撮像と、を同時に行うことが可能となり、高速読出が可能となる。
特許文献1において、信号保持用容量に転送された電荷は散乱線の影響を受けないが、信号蓄積容量には他方の組の放射線の照射に起因する散乱線によって電荷が蓄積される。信号電荷の読み出し後、放射線の照射を行う前にそれぞれの画素はリセットされる。しかしながら、信号蓄積容量と信号保持用容量との間のトランジスタおよび信号保持用容量と列信号線との間のトランジスタを介して、全画素同時に電荷を列信号線に吐き出す特許文献1の回路構成では、リセットが不十分となり、残像が大きくなる可能性がある。
本発明は、多方向放射線撮像システムに用いる放射線撮像装置において、画質の向上に有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る放射線撮像装置は、第1の検出部および第2の検出部と、第1の検出部および第2の検出部を制御するための制御部と、を含む放射線撮像装置であって、第1の検出部および第2の検出部のそれぞれは、複数の画素を備え、複数の画素のそれぞれは、放射線を電荷に変換する変換部と、変換部の電荷に応じた信号を保持する第1の保持部および第2の保持部と、第1の保持部および第2の保持部に保持された信号を列信号線に出力するための出力部と、出力部を介さずに変換部をリセットするためのリセット部と、を含み、制御部は、第1の検出部および第2の検出部が1回の撮像を行う1フレームの期間において、第1の検出部および第2の検出部のそれぞれに対して、リセット部による変換部のリセット、第1の保持部による変換部の電荷に応じた信号のサンプリング、放射線源による放射線の照射、および、第2の保持部による変換部の電荷に応じた信号のサンプリングをこの順で含むサンプルホールド駆動と、出力部による第1の保持部および第2の保持部にサンプリングされた信号の出力と、を行わせ、制御部は、第1の検出部に放射線が照射される期間と、第2の検出部に放射線が照射される期間と、が重ならないように、第1の検出部および第2の検出部で撮像を行うタイミングを制御することを特徴とする。
上記手段によって、多方向放射線撮像システムに用いる放射線撮像装置において、画質の向上に有利な技術を提供する。
以下、本発明に係る放射線撮像装置の具体的な実施形態を、添付図面を参照して説明する。以下の説明及び図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。また、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
図1〜6を参照して、本発明の実施形態による放射線撮像装置の構成および制御方法について説明する。図1は、本発明の放射線撮像装置100の放射線を検出するための検出部150の画素アレイに配される画素Pの構成例を示す等価回路図である。画素Pは、変換部CP、増幅部AP、リセット部RP、保持部SH(SH1〜SH3)、出力部OP(OP1〜OP3)を含む。本実施形態において、これらの画素Pに含まれる構成のそれぞれが、電子回路によって構成される。例えば、変換部CPは変換回路によって構成される。
放射線を電荷に変換する変換部CPは、フォトダイオードPD、トランジスタM1、フローティングディフュージョン(FD)容量Cfd、感度切り替え用の付加容量Cfd’を含む。フォトダイオードPDは、光電変換素子であり、波長変換体であるシンチレータ(不図示)に入射した放射線に応じてシンチレータで生じた光を電荷に変換する。すなわち、放射線を光に変換するシンチレータと、光を電荷に変換するフォトダイオードと、によって、放射線を信号電荷に変換する変換素子が構成される。変換素子は波長変換体と光電変換素子の組み合わせに限られることはなく、例えば、変換素子として、放射線を直接電荷に変換する素子が用いられてもよい。変換部CPに入射した放射線に応じた電荷が、フォトダイオードPDで発生し、発生した電荷量に応じたFD容量Cfdの電圧が、増幅部APに出力される。また、感度切り替え用の付加容量Cfd’は、放射線に対する画素Pの感度を切り替えるために用いられ、スイッチ素子であるトランジスタM1を介してフォトダイオードPDに接続されている。信号WIDEが活性化された場合、トランジスタM1が導通状態になり、フォトダイオードPDで発生した電荷量に応じたFD容量Cfdと付加容量Cfd’との合成容量の電圧が増幅部APに出力される。つまり、トランジスタM1の導通状態を制御することによって、検出部CPは、2種類の感度で放射線を検出することができる。本実施形態では、画素Pの検出部CPは、付加容量Cfd’を1つ設けることによって2種類の感度で放射線の検出を行うが、2つ以上の付加容量Cfd’を設けることによって、さらに複数の種類の感度で放射線の検出を行う構成であってもよい。
変換部CPと保持部SHとの間に配される増幅部APは、制御トランジスタM3、増幅トランジスタM4、クランプ回路を構成するクランプ容量Ccl、制御トランジスタM6、増幅トランジスタM7および複数の定電流源を含む。制御トランジスタM3、増幅トランジスタM4および定電流源(例えば、カレントミラー構成のトランジスタ)は、電流経路を形成するように直列に接続される。制御トランジスタM3のゲートに入力される信号ENが活性化されることによって、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が、増幅トランジスタM4から出力される。増幅トランジスタM4から出力された電圧は、クランプ容量Cclを介して増幅トランジスタM7に入力される。制御トランジスタM6、増幅トランジスタM7および定電流源は、電流経路を形成するように直列に接続される。制御トランジスタM6のゲートに入力される信号ENが活性化されることによって、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が、増幅トランジスタM7から出力される。クランプ容量Cclは、増幅トランジスタM4と増幅トランジスタM7との間に直列に配される。クランプ容量Cclによるクランプ動作については、次に説明するリセット部RPとあわせて説明する。
リセット部RPは、リセットトランジスタM2とリセットトランジスタM5とを含む。リセットトランジスタM2は、信号PRESが活性化されるとフォトダイオードPDに所定の電位を供給する。これによって、フォトダイオードPDの電荷がリセット(初期化)され、増幅部APに出力される電圧がリセットされる。このように、リセット部RPは、出力部OPを介さずに変換部CPを直接、リセットすることによって、特許文献1に示される回路構成と比較して変換部CPをより十分にリセットすることが可能となる。結果として、生成される画像の残像を抑制しうる。リセットトランジスタM5は、クランプ容量Cclと増幅トランジスタM7との間の接続ノードn2に所定の電位を供給する。これによって、増幅トランジスタM7から出力される電圧がリセットされる。リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧が、クランプ容量Cclの入力端子の側のノードn1に入力される。また、クランプ信号PCLが活性化されることによって、リセットトランジスタM5が導通状態になり、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量Cclの出力端子の側のノードn2に入力される。このようにして、クランプ容量Cclの両端子間で生じた電位差をノイズ成分としてクランプし、その後、放射線の照射によるフォトダイオードPDでの電荷の発生および蓄積に伴い変化した電圧を信号成分として出力する。これがクランプ容量Cclを用いたクランプ動作であり、クランプ動作によって変換部CPで生じるkTCノイズや増幅トランジスタM4のオフセットなどのノイズ成分が抑制される。
変換部CPと増幅部APとによって、放射線に応じて発生し蓄積された電荷に基づく信号を生成する信号生成部が構成される。ここで、この信号を蓄積信号と呼ぶ。また、信号生成部をリセット部RPが電荷蓄積前の状態にリセットすることによって信号生成部が生成する信号をリセット信号と呼ぶ。信号生成部のリセットは、上述のように、フォトダイオードPDの電位とクランプ容量Cclの出力端子側のノードn2の電位とをリセットすることによって行われる。ここで、増幅部APから出力される信号を画素信号と呼ぶ。画素信号は、信号生成部で生成される蓄積信号とリセット信号とを含む。
図1に示す画素Pは、変換部CPの電荷に応じた信号を保持する保持部SHとして3つの保持部SH1〜SH3を備える。保持部SH1は、変換部CPから増幅部APを介して出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM8と保持容量CS1とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS1を用いて転送トランジスタM8の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることによって、画素信号を保持容量CS1に転送して保持するサンプリングを行う。
図1に示す画素Pは、保持部SHに保持された信号を列信号線に出力するための出力部OPとして3つの保持部SH1〜SH3のそれぞれに対応する3つの出力部OP1〜OP3を備える。出力部OP1は、信号増幅トランジスタM10と出力スイッチSW9とを含む。信号増幅トランジスタM10は、保持容量CS1に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタである。出力スイッチSW9は、信号増幅トランジスタM10から出力される画素信号を転送するためのスイッチである。具体的には、出力スイッチSW9に入力される垂直走査信号VSRに応じて出力スイッチSW9が導通状態となり、後述する列信号線406を介して接続される後段の定電流源CCSpと信号増幅トランジスタM10とでソースフォロワ回路が形成される。これによって、保持部SH1に保持された画素信号が、出力部OP1で増幅され画素Pから列信号線406に出力される。ここで、画素Pの出力部OP1から出力された増幅後の画素信号を画素信号S1と呼ぶ。また、画素信号が蓄積信号である場合は蓄積信号S1、リセット信号である場合はリセット信号S1と呼ぶ。
保持部SH2は、変換部CPから増幅部APを介して出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM11と保持容量CS2とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS2を用いて転送トランジスタM11の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることによって、画素信号を保持容量CS2に転送して保持するサンプリングを行う。
出力部OP2は、信号増幅トランジスタM13と出力スイッチSW12とを含む。信号増幅トランジスタM13は、保持容量CS2に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタである。出力スイッチSW12は、信号増幅トランジスタM13から出力される画素信号を転送するためのスイッチである。具体的には、出力スイッチSW12に入力される垂直走査信号VSRに応じて出力スイッチSW12が導通状態となり、後述する列信号線407を介して接続される後段の定電流源CCSpと信号増幅トランジスタM13とでソースフォロワ回路が形成される。これによって、保持部SH2に保持された画素信号が、出力部OP2で増幅され画素Pから列信号線407に出力される。ここで、画素Pの出力部OP2から出力された増幅後の画素信号を画素信号S2と呼ぶ。また、画素信号が蓄積信号である場合は蓄積信号S2、リセット信号である場合はリセット信号S2と呼ぶ。
保持部SH3は、変換部CPから増幅部APを介して出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM14と保持容量CS3とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS3を用いて転送トランジスタM14の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることによって、画素信号を保持容量CS3に転送して保持するサンプリングを行う。
出力部OP3は、信号増幅トランジスタM16と出力スイッチSW15とを含む。信号増幅トランジスタM16は、保持容量CS3に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタである。出力スイッチSW15は、信号増幅トランジスタM16から出力される画素信号を転送するためのスイッチである。具体的には、出力スイッチSW15に入力される垂直走査信号VSRに応じて出力スイッチSW15が導通状態となり、後述する列信号線408を介して接続される後段の定電流源CCSpと信号増幅トランジスタM16とでソースフォロワ回路が形成される。これによって、保持部SH3に保持された画素信号が、出力部OP3で増幅され画素Pから列信号線408に出力される。ここで、画素Pの出力部OP3から出力された増幅後の画素信号を画素信号S3と呼ぶ。また、画素信号が蓄積信号である場合は蓄積信号S3、リセット信号である場合はリセット信号S3と呼ぶ。
保持容量CS1、CS2およびCS3のサンプルホールド後は、転送トランジスタM8、M11およびM14がオフとなり、保持容量CS1、CS2およびCS3は前段の増幅部APから切り離される。このため、保持された画素信号(蓄積信号、リセット信号)は、再度サンプルホールドされるまで非破壊で読み出すことが可能である。
本実施形態において、付加容量Cfd’が1つあることに応じて、2種類の蓄積信号およびリセット信号を保持するために、それぞれ3つの保持部SH1〜SH3および出力部OP1〜OP3が配されるが、これに限られることはない。保持部SHおよび出力部OPは、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
次に、図2(a)、2(b)を用いて、本実施形態の放射線撮像装置100の検出部150の画素アレイ120および信号出力部20について説明する。まず、図2(a)を用いて本実施形態の検出部150の画素アレイ120を説明する。図2(a)は、本実施形態の検出部150の画素アレイ120の概略構成を説明するための等価回路図である。上述の図1に示される画素Pが、二次元アレイ状に複数配列されて画素アレイ120が構成される。そして、画素アレイ120からの信号は信号出力部20によって読み出される。
画素アレイ120は、複数の画素P、垂直走査回路403、水平走査回路404を含む。垂直走査回路403および水平走査回路404は、例えばシフトレジスタで構成されており、後述するパネル制御部109からの制御信号に基づいてそれぞれの画素Pから信号を読み出すための読出部として動作する。垂直走査回路403は、制御線405を介して画素Pに垂直走査信号VSRを供給し、垂直走査信号VSRに基づいて画素Pを行単位で駆動する。すなわち、垂直走査回路403は行選択部として機能し、信号読出を行うべき画素Pを行単位で選択する。また、水平走査回路404は列選択部として機能し、水平走査信号HSRに基づいて画素Pを列単位で選択して、画素Pからの信号を順に出力させる(水平転送)。ここで、行選択部(垂直走査回路403)の動作周波数は、列選択部(水平走査回路404)の動作周波数に比べて低く、即ち、行選択部(垂直走査回路403)は列選択部(水平走査回路404)に比べて動作が遅い。
また、画素アレイ120は、それぞれの画素Pの保持容量CS1に保持された画素信号を読み出すための端子Es1、保持容量CS2に保持された画素信号を読み出すための端子Es2、保持容量CS3に保持された画素信号を読み出すための端子Es3を備える。また、画素アレイ120は、セレクト端子Ecsをさらに有し、セレクト端子Ecsが受ける信号が活性化されることによって、画素アレイ120のそれぞれの画素Pの画素信号が、端子Es1、Es2及びEs3を介して読み出される。具体的には、前述の画素Pの画素信号S1、画素信号S2および画素信号S3は、それぞれの端子に対応する列信号線406〜408に供給される。
制御トランジスタSWch、増幅トランジスタAvおよび定電流源CCSvは、電流経路を形成するように直列に接続される。増幅トランジスタAvの出力は、水平走査回路404からの水平走査信号HSRに応答して導通状態になる転送トランジスタSWahを介して、アナログ信号線409〜411に接続されている。制御トランジスタSWchのゲートに入力される水平走査信号HSRが活性化されることによって、列信号線406〜408からの電圧をそれぞれに受ける増幅トランジスタAvが動作状態になる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、列信号線406〜408からの電圧を増幅した電圧が、水平走査信号HSRに応答して導通状態になる転送トランジスタSWahを介してアナログ信号線409〜411に出力される。
増幅トランジスタAoutと定電流源CCSoutとは、電流経路を形成するように直列に接続され、動作状態のソースフォロワ回路が形成される。これによって、アナログ信号線409〜411からの電圧を増幅した電圧が、端子Ecsが受ける信号に応答して導通状態になる転送トランジスタSWchを介して、端子Es1、Es2及びEs3から出力される。
また、画素アレイ120は、垂直走査回路403および水平走査回路404を制御するための各制御信号を受ける端子HST、CLKH、VSTおよびCLKVをさらに有する。端子HSTは、水平走査回路404に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKHは、水平走査回路404に入力されるクロック信号を受ける。端子VSTは、垂直走査回路403に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKVは、垂直走査回路403に入力されるクロック信号を受ける。これらの制御信号は、後述するパネル制御部109から入力される。水平走査回路404は、入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて水平走査信号HSRを生成して出力し、垂直走査回路403は、入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて垂直走査信号VSRを生成して出力する。これによって、画素信号S1、画素信号S2および画素信号S3が、それぞれの画素PからX-Yアドレス方式で順次に読み出される。すなわち、画素アレイ120では、それぞれの画素Pは行単位で制御され、各保持部に保持された信号が列単位で出力される(水平転送される)ことによって、信号が読み出される。
次いで、図2(b)を用いて本実施形態の放射線撮像装置の信号出力部20を説明する。図2(b)は、本実施形態の放射線撮像装置の信号出力部20の概略構成を説明するための等価回路図である。信号出力部20は、例えば、差動増幅器等を含む信号増幅部107とAD変換を行うAD変換部108とを含む。
端子Es3からの画素信号S3は、信号増幅部107の非反転入力端子AMP+に入力される。また、端子Es1からの画素信号S1は、制御端子に入力される制御信号TRO1に応答して導通状態になるスイッチM51を介して、信号増幅部107の反転入力端子AMP−に入力される。また、端子Es2からの画素信号S2は、制御端子に入力される制御信号TRO2に応答して導通状態になるスイッチM52を介して、反転入力端子AMP−に入力される。スイッチM51およびスイッチM52は、端子Es1および端子Es2のうち一方の信号が反転入力端子AMP−に入力されるように制御される。スイッチM51およびスイッチM52、信号増幅部107は、信号ADCLKの周期に追従可能な応答特性を有するように設計されうる。
信号増幅部107では、端子Es1からの信号と端子Es3からの信号との差分、または、端子Es2からの信号と端子Es3からの信号との差分が増幅される。この差分は、AD変換部108で端子ADCLKを介して入力されるクロック信号に基づいてAD変換される。このような構成によって、画素アレイ120の画像用信号(デジタルデータ)が得られ、端子ADOUTを介して後述するパネル制御部109に出力される。
次に、図3(a)、3(b)を用いて本実施形態の放射線撮像システムSYSを説明する。図3(a)は、本実施形態の放射線撮像システムSYSの1つの検出部150と放射線源104との組(セット)の概略構成を説明するための模式図である。
放射線撮像システムSYSは、制御部101および検出部150を含む放射線撮像装置100、検出部150に放射線を照射するための放射線源104、照射制御部103、ディスプレイなどの表示部102と、を含む。放射線撮像装置100の制御部101は、検出部150の制御を行う。また、制御部101は、検出部150から出力される信号に応じた画像処理を行ってもよい。放射線画像の撮像を行う際、制御部101によって検出部150と照射制御部103とが同期制御されうる。被検者300を通過した放射線に基づいて検出部150が信号を生成し、この信号に対して制御部101などにおいて所定の処理が行われ、放射線に基づく画像データが生成される。画像データは表示部102に放射線画像として表示される。検出部150は、撮像領域10を有する撮像パネル105と、撮像領域10からパネル制御部109に信号を出力する信号出力部20と、それぞれの構成要素を制御部101に従って制御するパネル制御部109と、を含む。
撮像パネル105は、それぞれ複数の画素Pが配された複数の画素アレイ120が、板状の基台の上にタイリング(2次元配列)されて構成されうる。このような構成によって、大型の撮像パネル105が形成される。それぞれの画素アレイ120には、上述のように複数の画素Pが配されており、撮像領域10は、複数の画素アレイ120によって複数の行および複数の列を形成するように配列された複数の画素Pを含むと言える。また、本実施形態において、複数の画素アレイ120が7列×2行を形成するようにタイリングされた構成が例示されているが、この構成に限られるものではない。
パネル制御部109は、例えば制御部101との間で、制御コマンドや同期信号の通信を行い、また、制御部101へ画素Pで放射線の照射によって生成された信号の出力を行う。また、パネル制御部109は、撮像領域10やそれぞれの構成要素を制御する。例えば、パネル制御部109は、制御部101から入力される制御コマンドに応じて、画素アレイ120の基準電圧の設定や画素の駆動制御、動作モード制御を行う。また、パネル制御部109は、信号出力部20のAD変換部108によりAD変換された画素アレイ120の信号(デジタルデータ)を用いて1つのフレームデータに合成し、制御部101に出力する。パネル制御部109は、CPUなどのプロセッサと、RAMやROMなどのメモリとで構成されてもよい。パネル制御部109のプロセッサが、メモリに格納されたプログラムを実行することによって、後述する検出部150の動作が実行されてもよい。これに代えて、パネル制御部109は、ASIC(特定用途向け集積回路)などの専用回路で構成されてもよい。
パネル制御部109と制御部101との間では、各種インターフェースを介して、制御コマンド、制御信号および画像用信号の授受が行われる。制御部101は、制御用インターフェース110を介して、動作モードや各種パラメータなどの設定情報や撮影情報をパネル制御部109に出力する。また、パネル制御部109は、制御用インターフェース110を介して、検出部150の動作状態などの装置情報を制御部101に出力する。また、パネル制御部109は、画像用データインターフェース111を介して、検出部150で得られた画像用信号を制御部101に出力する。また、パネル制御部109は、READY信号112を用いて、検出部150が撮影可能な状態になったことを制御部101に通知する。また、制御部101は、同期信号113を用いて、パネル制御部109からのREADY信号112に応答してパネル制御部109に、放射線の照射開始のタイミングを通知する。また、照射許可信号114は、撮像パネル105が電荷を蓄積中であることを制御部101に通知する信号である。制御部101は、照射許可信号114がイネーブル状態の間に、照射制御部103に制御信号を出力して放射線照射を開始させる。
本実施形態において、図3(b)に示すように、2組の検出部150a、150bと放射線源104a、104bとを備える放射線撮像システムSYSを用いて、被検者300に対するバイプレーン撮影を行う。しかしながら、検出部150と放射線源104との組(セット)は2組に限られることはなく、放射線撮像システムSYSが、3組以上の検出部150と放射線源104との組み合わせを有していてもよい。
次に、図4に示すタイミングチャートを用いて、上述の放射線撮像システムSYSの制御方法(駆動方法)について説明する。図4は、図3(b)に示すような、2組の検出部150と放射線源104とを用いて、被検者300に2方向から放射線を曝射するバイプレーン撮影でのタイミングチャートを示す。図4の上側、下側に、2つの検出部150の動作がそれぞれ示される。説明の都合上、先にSYNC信号を受信する図4の上側に示される検出部150を検出部150aとし、後にSYNC信号を受信する図4の下側に示される検出部150を検出部150bとする。
まず、2つの検出部150のうち検出部150aの制御部101による制御について説明する。検出部150の制御は、上述のように、制御部101からの指示に従って、パネル制御部109が、検出部150のそれぞれの構成要素の動作を制御することによって実行される。本実施形態において、検出部150は、複数のフレーム画像で構成される動画撮影を行う。また、図4に示されるフローチャートにおいて、フレームレートが一定であり、リセット動作RD後の期間Tcおよびサンプルホールド動作SD後の期間Tsが画素信号の読出動作Rの期間よりも長い撮影モードが設定された場合について説明する。また、本実施形態における撮影モードは、図4に示されるように、信号WIDEは活性化されず、付加容量Cfd’を用いない撮影モードである。
図4において、フレーム期間F1〜F2は、撮影開始後の1番目〜2番目のフレーム期間を示している。検出部150のそれぞれは、1つのフレームの期間において1回の撮像を行う。フレームの期間とは、複数のフレーム画像を生成するために反復される期間のことである。蓄積期間Tは、フレーム期間F1〜F2に対応する蓄積期間を示す。蓄積期間とは、放射線に応じて発生する電荷が光電変換素子PDに蓄積される期間のことである。蓄積期間Tの間、パネル制御部109は放射線の照射が可能であることを制御部101に照射許可信号114によって通知する。図4において、「SYNC」〜「WIDE」で示される行は、それぞれの信号のレベルを示す。「CS1」、「CS2」、「CS3」で示される行は、容量素子CS1、CS2、CS3にそれぞれ保持されている信号を示す。「Es1」、「Es2」、「Es3」で示される行は、垂直走査回路403および水平走査回路404によって構成される読出部が、画素アレイ120から信号出力部20へ信号を読み出す期間を示す。パネル制御部109は、「Es1」〜「Es3」がハイレベルの間に、読出部に信号の読出し動作を実行させる。「AMP−」で示される行は、信号増幅部107の反転入力端子AMP−に信号が入力される期間を示し、「AMP+」で示される行は、信号増幅部107の非反転入力端子AMP+に信号が入力される期間を示す。また、読出動作Rの期間は、信号増幅部107の出力端子から信号が出力される期間を示す。「AMP−」及び「AMP+」で示される行は、いずれもハイレベルが信号の入力期間を示す。
まず、撮影前にユーザ(医師や技師など)によって、撮影モードが設定される。例えば、制御部101が、ユーザが撮影モードを入力するためのユーザインタフェースを有し、ユーザが制御部101に対して撮影モードの入力を行う。制御部101は、撮影モードの入力に応じて、パネル制御部109に信号を出力しパネル制御部109の制御を行う。本実施形態において、画素Pの感度は感度切り替え用の付加容量Cfd’を付加しないFD容量Cfdのみの感度設定であるので、パネル制御部109は、信号WIDEを非活性化する。パネル制御部109は、信号SYNCにおけるパルスの立ち上がりを検出すると、フレーム期間F1でフレーム画像を生成するための駆動を開始する。信号SYNCは外部同期信号、内部同期信号のどちらであってもよいが、本実施形態において、外部同期信号を信号SYNCとする。例えば、信号SYNCにおけるパルスの立ち上がりによって1つのフレームの期間が始まり、次の立ち上がりによってこのフレームの期間が終わり、次のフレームの期間が始まる。
リセット動作RDは、変換部CPおよび増幅部APのリセットと、変換部CPおよび増幅部APがリセットされたときのリセット信号の電荷に応じた信号のサンプリングとを行う動作のことである。サンプルホールド動作SDとは、放射線の照射によって変換部CPにおいて電荷が生成および蓄積された後、この蓄積された電荷に基づく蓄積信号に応じた信号をサンプリングする動作のことである。ここで、1つのフレームの期間におけるリセット動作RDとサンプルホールド動作SDとをサンプルホールド駆動と呼ぶ。
フレーム期間F1におけるリセット動作RDについて説明する。パネル制御部109は、以下に説明するリセット動作RDを撮像パネル105の画素アレイ120に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、パネル制御部109は、リセット部RPに変換部CPをリセットさせるリセット動作を、それぞれの検出部150に配される複数の画素Pのすべての画素Pにおいて同時に行わせるように制御する。また、パネル制御部109は、保持部SH1〜SH3にリセットされた変換部CPおよび増幅部APの電荷に応じたリセット信号をサンプリングさせる動作を、それぞれの検出部150に配される複数の画素Pのすべての画素Pにおいて同時に行わせるように制御する。
パネル制御部109は、信号SYNCにおけるパルスの立ち上がりを検出すると、フレーム期間F1でフレーム画像を生成するための駆動を開始する。パネル制御部109は、信号ENを活性化する。これによって、制御トランジスタM3および制御トランジスタM6が導通状態になる。制御トランジスタM3が導通状態になると、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となり、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。また、制御トランジスタM6が導通状態になると、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となり、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
また、パネル制御部109は、信号ENを活性化すると同時に信号PRESを活性化する。これによって、リセット部RPからフォトダイオードPDに所定の電位であるリセット電圧VRESが供給され、フォトダイオードPDの電荷がリセットされる。その結果、増幅部APに出力される電圧がリセットされ、リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量Cclの入力端子側のノードn1に入力される。パネル制御部109は、次にクランプ信号PCLを活性化する。これによって、リセット部RPからクランプ容量Cclと増幅トランジスタM7との間のノードn2に所定の電圧VCLが供給される。その結果、増幅トランジスタM7から出力される電圧がリセットされ、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量Cclの出力端子側のノードn2に入力される。
パネル制御部109は、次にクランプ信号PCLを非活性化するまでの間に信号TS1〜TS3を一時的に活性化する。これによって、転送トランジスタM8、M11、M14が一時的に非導通状態から導通状態に切り替わり、リセット信号S1〜S3が保持容量CS1〜CS3に転送され保持される。この動作によって、リセット信号のサンプリングが行われる。
パネル制御部109は、制御信号TS1〜TS3を一時的に活性化している間に信号PRESを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM2が非導通状態になる。パネル制御部109は、制御信号TS1〜TS3を非活性化後にクランプ信号PCLを非活性化する。これによって、リセットトランジスタM5が非導通状態になり、ノードn1とノードn2との間で生じた電位差が、クランプ容量Cclの両端子に保たれ、入射する放射線に応じて変換された電荷がフォトダイオードPDに蓄積される蓄積期間Tが始まる。パネル制御部109は、クランプ信号PCLを非活性化にした後、制御トランジスタM3および制御トランジスタM6のゲートに入力される信号ENを非活性化する。これによって、フレーム期間F1におけるリセット動作RDを終了する。
続いて、フレーム期間F1におけるサンプルホールド動作SDについて説明する。パネル制御部109は、以下に説明するサンプルホールド動作SDを撮像パネル105に含まれるすべての画素Pに対して一括して行う。すなわち、パネル制御部109は、保持部SH1に放射線の照射によって変換部CPで生成された電荷に応じた蓄積信号をサンプリングさせる動作を、それぞれの検出部150に配される複数の画素Pのすべての画素Pにおいて同時に行わせるように制御する。
パネル制御部109は、フレーム期間F1におけるリセット動作RDで信号ENを非活性化してから期間Tcが経過した後、信号ENを活性化する。これによって、制御トランジスタM3および制御トランジスタM6が導通状態になる。制御トランジスタM3が導通状態になると、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となり、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。また、制御トランジスタM6が導通状態になると、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となり、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。
パネル制御部109は、次に信号TS1を一時的に活性化する。これによって、転送トランジスタM8が非導通状態から導通状態に切り替わり、期間Tで蓄積された蓄積信号S1が保持容量CS1に転送され保持される。この動作によって、蓄積信号のサンプリングが行われる。パネル制御部109は、サンプリング完了後に制御トランジスタM3と制御トランジスタM6とのゲートに入力される信号ENを非活性化する。これによって、増幅トランジスタM4および増幅トランジスタM7は非動作状態となる。
本実施形態において、サンプルホールド動作SDではクランプ動作を行わない。換言すると、制御部101に従うパネル制御部109は、リセット動作RDでリセット部RPに増幅部APをリセットさせた後、同じ1フレームの期間において、リセット部RPに増幅部APをリセットさせない。これによって、所定の電位であるクランプ電圧VCLに発生するリップルノイズが、リセット動作RDとサンプルホールド動作SDとで変動した場合でも、信号成分を求める際に用いるクランプ端子の電圧が変わらないため、オフセットが変動することはない。すなわち、動画撮影時に画面全体のオフセットが変動することによって発生するちらつきを抑えることができる。
次いで、フレーム期間F1の期間Tsにおいて、保持部SH1にサンプリングされた蓄積信号S1および保持部SH3にサンプリングされたリセット信号S3を読み出す読出動作Rについて説明する。本実施形態において、フレーム期間F1のサンプルホールド動作SDの終了時点で、保持部SH1の保持容量CS1に蓄積信号S1が、保持部SH2、SH3の保持容量CS2、CS3にリセット信号S2、S3が保持されている。そこで、パネル制御部109は、サンプルホールド動作SD終了から所定時間が経過後に、これらの保持容量に保持された蓄積信号S1およびリセット信号S3の列信号線への出力を出力部OPに開始させる。具体的には、パネル制御部109は、セレクト端子Ecs及び制御信号TRO1を活性化するとともに、制御信号TRO2を非活性化する。続いて、パネル制御部109は、読出部を構成する垂直走査回路403および水平走査回路404を制御することによって、画素アレイ120に含まれる複数の画素Pのうちの1つの画素Pを選択する。これによって、選択された画素Pに保持された蓄積信号S1が信号増幅部107の反転入力端子AMP−に入力され、選択された画素Pに保持されたリセット信号S3が信号増幅部107の非反転入力端子AMP+に入力される。このように、パネル制御部109は、読出部に蓄積信号S1およびリセット信号S3を同じタイミングで読み出させる。
パネル制御部109は、保持された蓄積信号S1およびリセット信号S3を、画素アレイ120内部の2系統の画素信号の信号経路(差動信号経路)を経て読み出させ、信号出力部20の信号増幅部107へ出力させる。画素アレイ120からの出力を受けた信号増幅部107は、蓄積信号S1及びリセット信号S3の差分をとって得られる信号を出力する。この出力信号は、AD変換部108によってデジタルデータに変換され、パネル制御部109に供給される。制御部101は、パネル制御部109を介して垂直走査回路403及び水平走査回路404を制御することによって選択画素を順次切り替え、読出動作Rで画像を生成するためのデジタルデータを取得し、フレーム期間F1に対応する画像用信号を生成する。つまり、制御部101は、1フレームの期間に読み出した保持部SH1および保持部SH3にそれぞれサンプリングされた信号に基づいて、1つの画像用信号を生成する。このように、制御部101は、パネル制御部109を制御することによって、検出部150が1回の撮像を行う1フレームの期間に、検出部150に対してリセット動作RDとサンプルホールド動作SDとを含むサンプルホールド駆動と読出動作Rとを行わせる。
次に、フレーム期間F1の期間Tsにおいて、信号PRESを活性化し、リセット部RPに変換部CPをリセットさせるリセット動作RAについて説明する。パネル制御部109は、フレーム期間F1のサンプルホールド動作SDにおいて信号ENを非活性化した後、信号PRESを活性化する。これによって、フォトダイオードPDに、リセット部RPから所定の電位であるリセット電圧VRESが供給され、フォトダイオードPDの電荷がリセットされる。その結果、増幅部APに出力される電圧がリセットされ、リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量Cclの入力端子側のノードn1に入力される。図4に示すように、制御部101は、パネル制御部109を介してリセット動作RDとサンプルホールド動作SDとを含むサンプルホールド駆動の終了に応じて、リセット部RPにリセット動作RAを開始させてもよい。制御部101は、サンプルホールド駆動の終了から次の1フレームの期間の開始までの期間の少なくとも一部の期間において、パネル制御部109を介してリセット部RPに変換部CPおよび増幅部APをリセットするリセット動作RAを行わせる。
フレーム期間F2のリセット動作RDでは、すでに信号PRESが活性化しているので、そのまま活性化を維持し、制御信号TS1〜TS3を一時的に活性化している間に信号PRESを非活性化する。このように、制御部101は、パネル制御部109を介してリセット部RPにリセット動作RAを開始させた後、リセット部RPに次の1フレームの期間の開始までリセット動作を維持させてもよい。信号PRESの制御以外はフレーム期間F1のリセット動作RDと同様である。フレーム期間F2のサンプルホールド動作SDはフレーム期間F1のリセット動作RDと同様である。また、フレーム期間F3以降のフレーム期間においては、フレーム期間F2と同様のリセット動作RD、サンプルホールド動作SDが順次行われる。
図4の下側に示される検出部150bの駆動は、上述の検出部150aの駆動と比べて信号SYNCが半周期分、後ろにずれている。つまり、制御部101は、検出部150aに放射線が照射される期間と、検出部150bに放射線が照射される期間と、が重ならないように、検出部150aおよび検出部150bで撮像を行うタイミングを制御する。その他の駆動は、パネル制御部109によって検出部150aと同様に制御される。
本実施形態において、検出部150bのフレーム期間F1の蓄積期間Tの間、検出部150aは、信号PRESを活性化するリセット動作RAが実施されている。また、検出部150aのフレーム期間F2の蓄積期間Tにおいて、検出部150bは信号PRESを活性化するリセット動作RAが実施されている。このように、一方の検出部150に対応する放射線源104から放射線が照射される期間にわたって、他方の検出部150のリセット部RPがリセット動作RAを行う。これによって、一方の検出器に放射線を照射する際に発生し得る散乱線による影響を低減することができる。さらに上述のように、リセット部RPは、変換部CPをより確実にリセットすることができる。このため、残像を抑制し、得られる放射線画像の画質が向上しうる。
また、本実施形態において、フレーム期間F1のリセット動作RDで初めて信号PRESを活性化しているが、フレーム期間F1が開始される以前に、信号PRESを活性化し活性化状態を維持しておいてもよい。例えば、ユーザによって撮影モードの入力が開始された時点で、信号PRESを活性化してもよい。これによって、撮像を行う最初のフレーム期間であるフレーム期間F1で得られる画像においても散乱線による影響を低減できる。
制御部101が、検出部150に対してリセット動作RAは、図4に示すようにサンプルホールド駆動の終了から次のフレームの期間の開始まで、連続して行われることに限られるものではない。例えば、図5に示されるように、制御部101は、期間TSにおいて、サンプルホールド駆動の終了から所定の時間が経過した後に、パネル制御部109を介して信号PRESを活性化させ、リセット部RPにリセット動作RAを行わせてもよい。また例えば、図6に示すように、制御部101は、期間Tsの任意のタイミングでパネル制御部109を介して信号PRESの活性化と非活性化とを繰り返させる。つまり、制御部101は、リセット部RPにリセット動作RAを断続的に行わせてもよい。また、図4〜6に示すように、制御部101は、リセット動作RAと、次の1フレームの期間におけるサンプルホールド駆動のうちリセット動作RDにおける変換部CPのリセットと、をリセット部RPに連続して行わせてもよい。また、リセット動作RAと、次の1フレームの期間におけるサンプルホールド駆動のうちリセット動作RDにおける変換部CPのリセットと、の間で信号PRESが非活性化され、リセットが連続的に行われなくてもよい。
また、本実施形態において、蓄積信号S1およびリセット信号S3を、画素アレイ120内部の2系統の画素信号の信号経路(差動信号経路)を経て読み出させ、信号出力部20の信号増幅部107へ出力させる差動で読み出す方法を示した。しかしながら、読出動作Rは、これに限られることなく、出力部OPを介してそれぞれの保持部SH1〜SH3が1つの列信号線に接続され、シングルエンドで読み出してもよい。
以上、本発明に係る実施形態を示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
100:放射線撮像装置、101:制御部、150:検出部、CP:変換部、OP:出力部、P:画素、RP:リセット部、SH:保持部
Claims (15)
- 第1の検出部および第2の検出部と、前記第1の検出部および前記第2の検出部を制御するための制御部と、を含む放射線撮像装置であって、
前記第1の検出部および第2の検出部のそれぞれは、複数の画素を備え、
前記複数の画素のそれぞれは、放射線を電荷に変換する変換部と、前記変換部の電荷に応じた信号を保持する第1の保持部および第2の保持部と、前記第1の保持部および前記第2の保持部に保持された信号を列信号線に出力するための出力部と、前記出力部を介さずに前記変換部をリセットするためのリセット部と、を含み、
前記制御部は、前記第1の検出部および前記第2の検出部が1回の撮像を行う1フレームの期間において、前記第1の検出部および前記第2の検出部のそれぞれに対して、前記リセット部による前記変換部のリセット、前記第1の保持部による前記変換部の電荷に応じた信号のサンプリング、放射線源による放射線の照射、および、前記第2の保持部による前記変換部の電荷に応じた信号のサンプリングをこの順で含むサンプルホールド駆動と、出力部による前記第1の検出部および前記第2の検出部にサンプリングされた信号の出力と、を行わせ、
前記制御部は、前記第1の検出部に放射線が照射される期間と、前記第2の検出部に放射線が照射される期間と、が重ならないように、前記第1の検出部および前記第2の検出部で撮像を行うタイミングを制御することを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記サンプルホールド駆動の終了から次の1フレームの期間の開始までの期間の少なくとも一部の期間において、前記リセット部に前記変換部をリセットするリセット動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
- 前記制御部は、前記サンプルホールド駆動の終了に応じて、前記リセット部に前記リセット動作を開始させることを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
- 前記制御部は、前記サンプルホールド駆動の終了から所定の時間が経過した後に、前記リセット部に前記リセット動作を開始させることを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
- 前記制御部は、前記リセット部に前記リセット動作を開始させた後、前記リセット部に次の1フレームの期間の開始まで前記リセット動作を維持させることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記制御部は、前記リセット部に前記リセット動作を断続的に行わせることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記制御部は、前記リセット動作と、次の1フレームの期間における前記サンプルホールド駆動のうち前記変換部のリセットと、を前記リセット部に連続して行わせることを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記複数の画素のそれぞれは、前記変換部と、前記第1の保持部および前記第2の保持部と、の間にクランプ回路を含む増幅部を含み、
前記制御部は、前記サンプルホールド駆動において、前記第1の保持部による信号のサンプリングの前に、前記リセット部に前記増幅部をリセットさせることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記リセット部に前記増幅部をリセットさせた後、同じ1フレームの期間において、前記リセット部に前記増幅部をリセットさせないことを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。
- 前記制御部は、
前記リセット部に前記変換部をリセットさせる動作を、前記第1の検出部および前記第2の検出部のそれぞれにおいて、それぞれの検出部に配される前記複数の画素のすべての画素において同時に行わせ、
前記第1の保持部に前記変換部の電荷に応じた信号をサンプリングさせる動作を、前記第1の検出部および前記第2の検出部のそれぞれにおいて、それぞれの検出部に配される前記複数の画素のすべての画素において同時に行わせることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記制御部は、前記第2の保持部に前記変換部の電荷に応じた信号をサンプリングさせる動作を、前記第1の検出部および前記第2の検出部のそれぞれにおいて、それぞれの検出部に配される前記複数の画素のすべての画素において同時に行わせることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記制御部は、1フレームの期間に読み出した前記第1の保持部および前記第2の保持部にそれぞれサンプリングされた信号に基づいて、1つの画像用信号を生成することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 請求項1乃至12の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
前記第1の検出部および前記第2の検出部にそれぞれ放射線を照射するための複数の放射線源と、
を含む放射線撮像システム。 - 第1の検出部および第2の検出部を含む放射線撮像装置の制御方法であって、
前記第1の検出部および第2の検出部のそれぞれは、複数の画素を備え、
前記複数の画素のそれぞれは、放射線を電荷に変換する変換部と、前記変換部の電荷に応じた信号を保持する第1の保持部および第2の保持部と、前記第1の保持部および前記第2の保持部に保持された信号を列信号線に出力するための出力部と、前記出力部を介さずに前記変換部をリセットするためのリセット部と、を含み、
前記第1の検出部および前記第2の検出部が1回の撮像を行う1フレームの期間において、前記第1の検出部および前記第2の検出部のそれぞれに対して、前記リセット部による前記変換部のリセット、前記第1の保持部による前記変換部の電荷に応じた信号のサンプリング、放射線源による放射線の照射、および、前記第2の保持部による前記変換部の電荷に応じた信号のサンプリングをこの順で含むサンプルホールド駆動と、出力部による前記第1の検出部および前記第2の検出部にサンプリングされた信号の出力と、を行わせる工程を含み、
前記第1の検出部に放射線が照射される期間と、前記第2の検出部に放射線が照射される期間と、が重ならないように、前記第1の検出部および前記第2の検出部で撮像を行うタイミングを制御することを特徴とする制御方法。 - 請求項14に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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