JP2023115684A - 放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像装置の制御方法、および、画像処理装置 - Google Patents

放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像装置の制御方法、および、画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】時間変動するノイズの補正に有利な技術を提供する。【解決手段】放射線画像を取得するための複数の画素が配された画素領域と、前記画素領域から出力される複数の画像データを処理する信号処理部と、を含む放射線撮像装置であって、前記画素領域は、放射線の照射が遮られた状態の信号を出力する第1領域と、前記放射線画像のそれぞれの画素に対応する第2領域と、を含み、前記複数の画像データは、第1画像データと、前記第1画像データよりも後に出力される複数の第2画像データと、を含み、前記信号処理部は、前記第1画像データのうち前記第1領域の信号値の第1平均値を取得し、前記複数の第2画像データのそれぞれについて、第2画像データのうち前記第1領域の信号値の第2平均値と、前記第1平均値と、の差分に応じて補正用データを取得し、当該第2画像データのうち前記第2領域の信号値を、前記補正用データに従って補正する。【選択図】図5

Description

本発明は、放射線撮像装置、放射線撮像システム、放射線撮像装置の制御方法、および、画像処理装置に関する。
医療画像診断や非破壊検査において、半導体材料によって構成される平面検出器(FPD)を用いた放射線撮像装置が実用化されている。放射線撮像装置において、画素から信号を読み出す伝送経路に配される半導体素子に起因して、1/fノイズや温度ドリフトなどが発生し、ランダムノイズ、縦線ノイズなどが画像に現れうる。特許文献1には、撮像開始指示を受ける前に各画素から読み出されたリセット信号および蓄積信号に基づく補正用画像と、撮像開始指示を受けた後に各画素から読み出されたリセット信号に基づくリセット画像と、を用いて放射線画像を補正することが示されている。補正用画像とリセット画像とを用いた補正によって、時間変動する1/fノイズや温度ドリフトの影響が抑制される。
特開2019-062391号公報
特許文献1に示される動作において、リセット画像の取得と放射線画像の取得とのタイミングが異なるため、時間変動するノイズの補正が不十分な可能性がある。
本発明は、時間変動するノイズの補正に有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る放射線撮像装置は、放射線画像を取得するための複数の画素が配された画素領域と、前記画素領域から出力される複数の画像データを処理する信号処理部と、を含む放射線撮像装置であって、前記画素領域は、放射線の照射が遮られた状態の信号を出力する第1領域と、前記放射線画像のそれぞれの画素に対応する第2領域と、を含み、前記複数の画像データは、第1画像データと、前記第1画像データよりも後に出力される複数の第2画像データと、を含み、前記信号処理部は、前記第1画像データのうち前記第1領域の信号値の第1平均値を取得し、前記複数の第2画像データのそれぞれについて、第2画像データのうち前記第1領域の信号値の第2平均値と、前記第1平均値と、の差分に応じて補正用データを取得し、当該第2画像データのうち前記第2領域の信号値を、前記補正用データに従って補正することを特徴とする。
本発明によれば、時間変動するノイズの補正に有利な技術を提供することができる。
本実施形態の放射線撮像装置の画素の構成例を示す等価回路図。 本実施形態の放射線撮像装置の画素領域および読出回路の構成例を示す等価回路図。 本実施形態の放射線撮像装置の構成例を示す模式図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理部の構成例を示すブロック図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理の流れを示すフロー図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理の効果を示す図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理部の構成例を示すブロック図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理の流れを示すフロー図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理の効果を示す図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理部の構成例を示すブロック図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理の流れを示すフロー図。 本実施形態の放射線撮像装置の信号処理の効果を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
また、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
図1~図12を参照して、本開示の実施形態による放射線撮像システムについて説明する。図1は、本開示の一部の実施形態の放射線撮像装置100(図3に示されている。)における1つの画素Pの概略回路を説明する等価回路図である。画素Pは、変換部CP、増幅部AP、リセット部RP、保持部SH1~SH3、出力部OP1~OP3、を含む。以下の例では、これらの構成のそれぞれが回路で構成される。例えば、変換部CPは、変換回路によって構成される。
変換部CPは、フォトダイオードPD、トランジスタM1、フローティングディフュージョン容量Cfd(以下、FD容量Cfdと示す場合がある。)、感度切替用の追加の容量Cfd’を含む。フォトダイオードPDは、光電変換素子の一例であり、波長変換体であるシンチレータに入射した放射線に応じて生じた光を電荷に変換する。すなわち、放射線を光に変換する波長変換体と、光を電荷に変換する光電変換素子と、によって、放射線を電荷に変換する変換素子が構成される。これに代えて、変換素子として、放射線を直接、電荷に変換する素子が用いられてもよい。放射線に応じた量の電荷がフォトダイオードPDで発生し、発生した電荷量に応じたFD容量Cfdの電圧が増幅部APに出力される。また、感度切替用の容量Cfd’は、放射線に対する画素Pの感度を切り替えるために用いられ、トランジスタM1(スイッチ素子とも呼ばれうる。)を介してフォトダイオードPDに接続されている。感度切替用の制御信号WIDEが活性化されることによってトランジスタM1が導通状態になり、FD容量Cfdと容量Cfd’との合成容量の電圧が増幅部APに出力される。すなわち、トランジスタM1の導通状態を制御することによって、高感度の変換部CPで変換された電荷に応じた電圧である高感度信号と、低感度の変換部CPで変換された電荷に応じた電圧である低感度信号と、の何れかが出力される。
増幅部APは、制御トランジスタM3、増幅トランジスタM4、クランプ容量Ccl、制御トランジスタM6、増幅トランジスタM7、各定電流源を含む。制御トランジスタM3と増幅トランジスタM4と定電流源(例えば、カレントミラー構成のトランジスタ。)とは、電流経路を形成するように直列に接続されている。制御トランジスタM3のゲートに入力されるイネーブル信号ENが活性化されることによって、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。増幅トランジスタM4から出力された電圧は、クランプ容量Cclを介して増幅トランジスタM7に入力される。制御トランジスタM6と増幅トランジスタM7と定電流源とは、電流経路を形成するように直列に接続されている。制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENが活性化されることによって、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が、増幅トランジスタM7から出力される。クランプ容量Cclは、増幅トランジスタM4と増幅トランジスタM7との間に直列に配置されている。クランプ容量Cclによるクランプ動作については、後に説明するリセット部RPと併せて説明する。
リセット部RPは、リセットトランジスタM2とリセットトランジスタM5とを含む。リセットトランジスタM2は、リセット信号PRESが活性化されるとフォトダイオードPDに所定の電位を供給し、それによってフォトダイオードPDの電荷をリセット(初期化)し、増幅部APに出力される電圧をリセットする。リセットトランジスタM5は、クランプ容量Cclと増幅トランジスタM7との間の接続ノードに所定の電位を供給することによって、増幅トランジスタM7から出力される電圧をリセットする。リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧が、クランプ容量Cclの入力端子n1に入力される。また、クランプ信号PCLが活性化されることによってリセットトランジスタM5が導通状態になり、所定の電位であるクランプ電圧VCLが、クランプ容量Cclの出力端子n2に入力される。このようにして、クランプ容量Cclの両端子間で生じた電位差をノイズ成分としてクランプし、その後のフォトダイオードPDでの電荷の発生および蓄積に伴い変化した電圧を信号成分として出力する。これがクランプ容量Cclを用いたクランプ動作であり、クランプ動作によって変換部CPで生じるkTCノイズや増幅トランジスタM4のオフセットなどのノイズ成分が抑制される。
変換部CPと増幅部APとによって、入射する放射線を電荷に変換し、変換部CPに蓄積された電荷に基づく信号を生成する信号生成部が構成される。変換部CPに蓄積された電荷に応じた信号を蓄積信号と呼ぶ。変換部CPに蓄積された電荷は、入射した放射線に応じて発生した電荷と、放射線に起因せずに発生する電荷(いわゆる暗電荷)とを含む。蓄積信号は、上述の高感度信号または低感度信号に基づく。この信号生成部をリセット部RPが電荷を蓄積する前の状態にリセットすることによって信号生成部が生成する信号をリセット信号と呼ぶ。信号生成部のリセットは、上述のように、光電変換素子PDの電位とクランプ容量Cclの出力端子n2の電位とをリセットすることによって行われる。蓄積信号とリセット信号とを総称して画素信号と呼ぶ。変換部CPに電荷が蓄積された後に信号生成部が出力する画素信号が蓄積信号であり、信号生成部がリセット状態において出力する画素信号がリセット信号である。
保持部SH1は、増幅部APから出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM8と保持容量CS1とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS1を用いて転送トランジスタM8の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることによって、画素信号を容量CS1に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP1は、増幅トランジスタM10と出力スイッチSW9とを含む。増幅トランジスタM10は、保持容量CS1に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタである。出力スイッチSW9は増幅トランジスタM10によって出力された画素信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW9に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW9が導通状態となることによって、列信号線406で接続される後段の定電流源CCSpと増幅トランジスタM10とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP1によって、保持部SH1に保持された画素信号が増幅されて画素Pから出力される。以下では、画素Pから出力された増幅後の画素信号を画素信号S1と呼ぶ。また、画素信号が蓄積信号である場合は蓄積信号S1、リセット信号である場合はリセット信号S1と呼ぶ。
保持部SH2は、増幅部APから出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM11と保持容量CS2とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS2を用いて転送トランジスタM11の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることによって、画素信号を容量CS2に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP2は、増幅トランジスタM13と出力スイッチSW12とを含む。増幅トランジスタM13は、保持容量CS2に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタである。出力スイッチSW12は増幅トランジスタM13によって出力された画素信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW12に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW12が導通状態となることによって、列信号線407で接続される後段の定電流源CCSpと増幅トランジスタM13とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP2によって、保持部SH2に保持された画素信号が増幅されて画素Pから出力される。以下では、画素Pから出力された増幅後の画素信号を画素信号S2と呼ぶ。また、画素信号が蓄積信号である場合は蓄積信号S2、リセット信号である場合はリセット信号S2と呼ぶ。
保持部SH3は、増幅部APから出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM14と保持容量CS3とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS3を用いて転送トランジスタM14の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることによって、画素信号を容量CS3に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP3は、増幅トランジスタM16と出力スイッチSW15とを含む。増幅トランジスタM16は、保持容量CS3に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタである。出力スイッチSW15は増幅トランジスタM16によって出力された画素信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW15に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW15が導通状態となることによって、列信号線408で接続される後段の定電流源CCSpと増幅トランジスタM16とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP3によって、保持部SH3に保持された画素信号が増幅されて画素Pから出力される。以下では、画素Pから出力された増幅後の画素信号を画素信号S3と呼ぶ。また、画素信号が蓄積信号である場合は蓄積信号S3、リセット信号である場合はリセット信号S3と呼ぶ。
容量CS1、容量CS2および容量CS3のサンプルホールド後は、転送トランジスタM8、転送トランジスタM11および転送トランジスタM14がオフ(非導通状態)となり、これによって容量CS1、容量CS2および容量CS3が前段の増幅部APから切り離される。このため、保持された画素信号(蓄積信号またはリセット信号)は、再度、サンプルホールドされるまで非破壊で読み出すことが可能である。
次に、図2(A)、2(B)を用いて、本実施形態の放射線撮像装置100の画素領域120および読出回路20について説明する。図1に示される画素Pが、二次元アレイ状に複数配列されて画素領域120が構成される。画素領域120からの信号は、読出回路20によって読み出される。まず、図2(A)を用いて、本実施形態の放射線撮像装置100の画素領域120について説明する。図2(A)は、本実施形態の放射線撮像装置100の画素領域120の概略構成を説明するための等価回路図である。
画素領域120は、行列状に配された放射線画像を取得するための複数の画素Pと、それぞれの画素Pを駆動するための垂直走査回路403と、それぞれの画素Pから信号の読み出しを行うための水平走査回路404と、を含む。垂直走査回路403および水平走査回路404は、例えば、シフトレジスタで構成されており、制御部109(図3に示される。)から入力する制御信号に基づいて動作する。垂直走査回路403は、制御線405を介してそれぞれの画素Pに垂直走査信号VSRを供給し、当該垂直走査信号VSRに基づいてそれぞれの画素Pを行単位で駆動する。すなわち、垂直走査回路403は行選択部として機能し、信号の読み出しを行う画素Pを行ごとに選択する。また、水平走査回路404は列選択部として機能し、水平走査信号HSRに基づいてそれぞれの画素Pを列単位で選択して、それぞれの画素Pからの信号を順に出力させる(水平転送と呼ばれうる)。ここで、行選択部(垂直走査回路403)の動作周波数は、列選択部(水平走査回路404)の動作周波数に比べて低く、すなわち、行選択部(垂直走査回路403)は、列選択部(水平走査回路404)に比べて動作が遅い。
また、画素領域120は、それぞれの画素Pの容量CS1に保持された画素信号を読み出すための端子Es1、容量CS2に保持された画素信号を読み出すための端子Es2、容量CS3に保持された画素信号を読み出すための端子Es3、を備える。また、画素領域120は、セレクト端子Ecsをさらに備え、端子Ecsが受ける信号が活性化されることによって、当該画素領域120のそれぞれの画素Pの画素信号が、端子Es1、Es2およびEs3を介して読み出される。具体的には、前述のそれぞれの画素Pの画素信号S1、画素信号S2および画素信号S3が、各端子に対応する列信号線406~408に供給される。
制御トランジスタSWchと増幅トランジスタAvと定電流源CCSvとは、電流経路を形成するように直列に接続されている。増幅トランジスタAvの出力は、水平走査回路404からの水平走査信号HSRに応答してオン(導通状態)になる転送トランジスタSWahを介して、アナログ信号線409~411に接続されている。制御トランジスタSWchのゲートに入力される水平走査信号HSRが活性化されることによって、列信号線406~408からの電圧をそれぞれに受ける増幅トランジスタAvが動作状態になる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、列信号線406~408からの電圧を増幅した電圧が、水平走査信号HSRに応答して導通状態になる転送トランジスタSWahを介してアナログ信号線409~411に出力される。
増幅トランジスタAoutと定電流源CCSoutとは、電流経路を形成するように直列に接続され、動作状態のソースフォロワ回路が形成されている。これによって、アナログ信号線409~411からの電圧を増幅した電圧が、端子Ecsが受ける信号に応答して導通状態になる転送トランジスタSWcsを介して、端子Es1、Es2およびEs3から出力される。
また、画素領域120は、垂直走査回路403および水平走査回路404を制御するための各制御信号を受ける端子HST、CLKH、VSTおよびCLKVをさらに備える。端子HSTは、水平走査回路404に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKHは、水平走査回路404に入力されるクロック信号を受ける。端子VSTは、垂直走査回路403に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKVは、垂直走査回路403に入力されるクロック信号を受ける。これらの各制御信号は、後述する制御部109から入力される。水平走査回路404は、入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて水平走査信号HSRを生成して出力する。垂直走査回路403は、入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて垂直走査信号VSRを生成して出力する。これによって、画素信号S1、画素信号S2および画素信号S3が、それぞれの画素PからX‐Yアドレス方式で順次、読み出される。すなわち、画素領域120では、画素Pは行ごとに制御され、保持部SH1~SH3に保持された信号が列ごとに出力される(水平転送される)ことによって、信号が読み出される。
次に、図2(B)を用いて本実施形態の放射線撮像装置100の読出回路20について説明する。図2(B)は、本実施形態の放射線撮像装置100の読出回路20の概略構成を説明するための等価回路図である。読出回路20は、例えば、差動増幅器などを含む信号増幅部107とAD変換を行うAD変換部108とを含む。
端子Es3からの画素信号S3は、信号増幅部107の非反転入力端子AMP+に入力される。また、端子Es1からの画素信号S1は、制御端子に入力される制御信号TRO1に応答して導通状態になるスイッチM51を介して、信号増幅部107の反転入力端子AMP-に入力される。また、端子Es2からの画素信号S2は、制御端子に入力される制御信号TRO2に応答して導通状態になるスイッチM52を介して、反転入力端子AMP-に入力される。スイッチM51およびスイッチM52は、端子Es1および端子Es2の一方の信号が反転入力端子AMP-に入力されるように制御される。スイッチM51およびスイッチM52並びに信号増幅部107は、信号ADCLKの周期に追従可能な応答特性を有するように設計される。
信号増幅部107では、端子Es1からの信号と端子Es3からの信号との差分、または、端子Es2からの信号と端子Es3からの信号との差分が増幅される。この差分は、AD変換部108で、端子ADCLKを介して入力されるクロック信号に基づいてデジタルデータにAD変換される。このような構成によって、画素領域120の画像データ(デジタルデータ)が得られ、端子ADOUTを介して後述する制御部109に出力される。
以上のような画素領域120および読出回路20を用いて、本実施形態の放射線撮像装置100および放射線撮像システムSYSが構成される。次に、図3を用いて本実施形態の放射線撮像装置100および放射線撮像システムSYSについて説明する。図3は、本実施形態の放射線撮像装置100および放射線撮像システムSYSの概略構成を説明するための模式図である。
放射線撮像システムSYSは、放射線撮像装置100、放射線を発生する放射線発生装置104、照射制御部103、ディスプレイなどを含む表示部102を備える。放射線画像の撮像(「撮影」と表記する場合がある)を行う際には、信号処理部101によって放射線撮像装置100と照射制御部103とが同期制御される。被検者(被写体)を通過した放射線に基づいて放射線撮像装置100が信号を生成し、この信号に対して信号処理部101などにおいて所定の処理がなされた後に、当該放射線に基づく画像データが生成される。当該画像データは、表示部102に放射線画像として表示される。放射線撮像装置100は、画素領域120から出力される複数の画像データの処理およびシステム制御を行う信号処理部101、撮像領域10を有する撮像パネル105と、撮像領域10から信号を読み出す読出回路20と、各ユニットを制御する制御部109と、を含む。
撮像パネル105は、複数の画素領域120が板状の基台の上にタイリング(2次元配列)されて構成され、このような構成によって大型の撮像パネル105が形成される。それぞれの画素領域120には複数の画素Pが配列されており、撮像領域10は、複数の画素領域120によって複数の行および複数の列を構成するように配された複数の画素Pを含む。また、ここでは、複数の画素領域120が7列×2行を形成するようにタイリングされた構成が例示されているが、この構成に限られるものではない。
制御部109は、例えば、信号処理部101との間で、制御コマンドの通信を行い、同期信号の通信を行い、信号処理部101への画像データの出力を行う。また、制御部109は、撮像領域10または各ユニットを制御し、例えば、各画素領域120の基準電圧の設定、それぞれの画素Pの駆動制御や動作モード制御を行う。また、制御部109は、読出回路20のAD変換部108によってAD変換されたそれぞれの画素領域120の画像データ(デジタルデータ)を用いて1つのフレーム画像データに合成し、信号処理部101に出力する。制御部109は、CPUなどのプロセッサと、RAMやROMなどのメモリと、を含み構成されてもよい。制御部109のプロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって、後述する放射線撮像装置100の動作が実行されてもよい。これに代えて、制御部109は、ASIC(特定用途向け集積回路)などの専用回路で構成されてもよい。信号処理部101も同様に、CPUなどのプロセッサと、RAMやROMなどのメモリと、を含み構成されたコンピュータであってもよいし、ASICなどの専用回路で構成されてもよい。信号処理部101は、後述するように画像データの補正処理を実施するため、画像処理装置と呼ぶこともできる。本実施形態において、信号処理部101は、放射線撮像装置100に含まれるが、例えば、信号処理部101のうち画像データの補正処理を実施するための機能が、画像処理装置として独立していてもよい。信号処理部101には、信号処理部101の処理で用いられるデータを記憶可能な記憶部115が接続されている。記憶部115は、例えば、磁気ディスクや半導体ドライブなどを含み構成されていてもよい。
制御部109と信号処理部101との間では、各種インターフェースを介して、制御コマンドまたは制御信号および画像データの授受が行われる。信号処理部101は、制御用インターフェース110を介して、動作モードや各種パラメータなどの設定情報または撮像情報を制御部109に出力する。また、制御部109は、制御用インターフェース110を介して、放射線撮像装置100の動作状態などの装置情報を信号処理部101に出力する。また、制御部109は、画像データインターフェース111を介して、放射線撮像装置100で得られた画像データを信号処理部101に出力する。また、制御部109は、READY信号112を用いて、放射線撮像装置100が撮像可能な状態になったことを信号処理部101に通知する。また、信号処理部101は、同期信号113を用いて、制御部109からのREADY信号112に応答して制御部109に、放射線の照射開始のタイミングを通知する。また、また、照射許可信号114は撮像パネル105が蓄積中であることを信号処理部101に通知する信号である。信号処理部101は、照射許可信号114がイネーブル状態の間に、照射制御部103に制御信号を出力して放射線照射を開始させる。
本実施形態において、撮像パネル105の外縁部は、放射線から読出回路20や制御部109、信号処理部101などの周辺回路を保護するための放射線の入射を抑制する遮蔽部材によって覆われている。遮蔽部材には、例えば、鉛やタングステンなどが用いられる。このため、画素領域120は、放射線の照射が遮られた状態の信号を出力する領域122と、放射線画像のそれぞれの画素に対応する領域121と、を含むことになる。領域122は、無効画素領域、オプティカルブラック(OB)画素領域などと呼ばれる場合がある。また、領域121は、有効画素領域などと呼ばれる場合がある。領域122は、放射線の入射を抑制する遮蔽部材によって覆われることに限られることはない。例えば、上述のように、放射線を光に変換する波長変換体(シンチレータ)と、光を電荷に変換する光電変換素子(フォトダイオードPD)と、を変換素子として用いる場合、シンチレータと光電変換素子との間に遮光部材が配されていてもよい。遮光部材には、アルミニウムなどの金属や黒色の樹脂などが用いられてもよい。また、例えば、遮光部材として、光電変換素子に電力を供給するための配線パターンなどが用いられてもよい。
図4は、信号処理部101のうち画素領域120から出力される複数の画像データの各画像データ間のオフセットレベル差を補正する上述の画像処理装置として機能する構成の一例を示すブロック図である。図5は、信号処理部101の各画像データ間のオフセットレベルの差を補正する処理の一例を示すフロー図である。
S101において、信号処理部101は、ユーザが入力する撮像モードなどの設定を、放射線撮像装置100の制御部109に制御用インターフェース110を介して制御コマンドとして送信する。制御部109は、制御コマンドに従って撮像モードなどの設定を行う。また、信号処理部101は、信号処理部101内のカウンタ(不図示)を0にリセットする。
次いで、S102で、信号処理部101は、同期信号113を介して同期信号パルスを制御部109へ出力する。同期信号パルスに従って、制御部109は、撮像パネル105、読出回路20を駆動し、画素領域120のそれぞれの画素Pに信号を蓄積、保持させる。
画素Pに蓄積、保持された信号は、S103において、画素領域120の領域122、領域121の順に読出回路20によって読み出される。読出回路20は、読み出した信号をAD変換し、画像データとして信号処理部101に転送する。信号処理部101に画像データが転送されると、S104において、信号処理部101は、領域判定部201を用い、画像データのそれぞれの信号値が、領域121の画素Pから出力されたデータであるか、領域122の画素Pから出力されたデータであるかを判定する。
領域122から出力されたデータである場合、S105に遷移し、領域122の信号値の積算を行い、S106で領域122の最後のデータであるか否かを判定する。領域122の最後のデータであった場合、処理はS107に遷移する。S107において、信号処理部101は、平均値算出部202を用いて、画像データのうち領域122の平均値A(n)を算出する。ここで、「n」は、上述の信号処理部101内のカウンタのカウント値を示す。ユーザの撮像開始指示を受けて画素領域120から出力される複数の画像データのうち最初に出力される画像データの領域122の平均値はA(0)、以降、A(1)、A(2)・・・、となりうる。S106において、領域122の画素Pから出力された最後のデータでない場合、処理はS103に戻り、次の画素Pのデータを読み出す。
画像データのうち領域122から出力されたデータのそれぞれの信号値の平均値A(n)を取得すると、処理はS108に遷移する。S108において、信号処理部101は、平均値A(n)を取得した画像データが、後続の画像データの補正の基準になる第1画像データであるか否かを判定する。ここでは、第1画像データとして、ユーザの撮像開始指示を受けて画素領域120から出力される複数の画像データのうち最初に出力される画像データ(n=0)を用いるとして説明を行う。しかしながら、これに限られることはなく、n=5など、n+1番目に画素領域120から出力される画像データを第1画像データとして用いてもよい。第1画像データは、ユーザが適宜設定してもよいし、撮像モードなどに応じて設定されてもよい。
S108において、平均値A(n)を取得した画像データが第1画像データの領域122の平均値A(0)であった場合、処理はS109に遷移し、信号処理部101の平均値保持部203に平均値A(0)を格納する。平均値A(0)が格納されると、処理はS103に戻り次の画像データが読み出される。
S108において、平均値A(n)を取得した画像データが第1画像データよりも後に出力された第2画像データ(本実施形態において、n≧1)の領域122の平均値A(n)であった場合、処理はS110に遷移する。S110において、信号処理部101は、差分算出部204を用いて、S107で取得した平均値A(n)と、平均値保持部203に保持された平均値A(0)と、の差分を補正用データとして取得し、差分保持部205に格納する。補正用データは、平均値A(0)から平均値A(n)を減じた減算値でありうる。平均値A(0)と平均値A(n)との差分が格納されると、処理はS103に戻り次の画像データが読み出される。
S104において領域121の画素Pから出力されたデータであると判定された場合、処理はS111に遷移する。S111において、画像データが、補正の基準になる第1画像データであるか、第1画像データよりも後に出力された第2画像データであるか否かを判定する。第2画像データである場合、処理はS112に遷移する。S112において、信号処理部101は、第2画像データの領域121のそれぞれの信号値を、差分保持部205に保持された補正用データに従って補正する補正処理を行う。より具体的には、信号処理部101の差分付加部206は、第2画像データの領域121のそれぞれの信号値に補正用データとして差分保持部205に保持された減算値を加算することによって、第2画像データの領域121のデータを補正する。この補正処理によって、第2画像データのオフセットレベル補正が行われる。S111において、画像データが、補正の基準になる第1画像データである場合、オフセットレベル補正は行われない。S113において、領域122の画素Pの補正されたデータの出力が行われる。本実施形態において、補正用データを平均値A(0)から平均値A(n)を減じた減算値としたが、これに限られることはない。差分算出部204は、補正用データとして平均値A(n)から平均値A(1)を減じた減算値を取得し、差分付加部206は、第2画像データの領域121のそれぞれの信号値から減算値を減算してもよい。
次いで、S114において、S113で出力された補正された信号値のデータが、画像データの領域121の最後の画素Pから出力されたデータである否かを判定し、最後の画素Pでない場合、処理はS103に戻り、次の画素のデータを読み出し、最後の画素である場合、処理はS115に遷移する。S115において、信号処理部101内のカウンタのカウント値の更新(n+1)が行われる。カウント値を更新した後、S116において、信号処理部101は、撮像終了か否かを判定する。撮像が終了せずに続行される場合、処理はS102に遷移し、上述の処理を繰り返し、必要な数だけ画像の撮像が行われる。例えば、複数の画像データによって動画像が生成されてもよい。
このように、信号処理部101は、まず、補正の基準になる第1画像データのうち領域122の信号値の平均値A(0)を取得する。次いで、信号処理部101は、第1画像データよりも後に出力される複数の第2画像データのそれぞれについて、第2画像データのうち領域122の信号値の平均値A(n)と、平均値A(0)と、の差分に応じて補正用データを取得し、第2画像データのうち領域121の信号値を、補正用データに従って補正する。この効果について、図6を用いて説明する。
図6は、上述したオフセットレベル補正を実施する前後の、画像データのうち放射線の照射が遮られた状態の信号を出力する領域122の画素Pから出力された信号値の平均値をブロットしたグラフである。画像データのうち領域121の信号値は、被写体によって変化するため、図6には示されていない。横軸は、n=0~63のそれぞれ画像データを示している。図6から、第1画像データ(n=0)の領域122の平均値A(0)を基準にして、各第2画像データ(n≧1)の領域122の平均値との差分をそれぞれの信号値に付加することによって、オフセット補正により除去しきれない1/fノイズや温度ドリフトによる画像間のオフセットレベル差が低減されていることがわかる。つまり、放射線撮像装置100が、上述の構成を有し、かつ、上述の処理を行うことによって、時間変動するノイズに対して、より高精度な補正が実現される。
次いで、図7、8を用いて、上述の放射線撮像装置100の構成および処理の変形例について説明する。図7は、信号処理部101のうち画素領域120から出力される複数の画像データの各画像データ間のオフセットレベル差を補正する画像処理装置として機能する構成の一例を示すブロック図である。図7に示されるブロック図は、図4に示される構成と比較して、差分付加部206が補正値生成付加部207に変更されている。図8は、信号処理部101の各画像データ間のオフセットレベルの差を補正する処理の一例を示すフロー図である。図8に示されるフロー図は、図5に示されるフロー図と比較して、S113の処理が、S117に変更されている。これ以外は、上述の構成および処理と同様であってもよいため、以下、補正値生成付加部207を用いたS117の処理について説明し、他の構成および処理については、適宜、説明を省略する。
S117において、信号処理部101の補正値生成付加部207は、第2画像データの領域121から出力されたデータの信号値を補正するための補正用データとして平均値A(0)から平均値A(n)を減じた減算値に基づいて複数の補正値を生成する。次いで、信号処理部101の補正値生成付加部207は、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値に複数の補正値のうち何れかの補正値を加算することによって、領域121のデータを補正する。このとき、信号処理部101の補正値生成付加部207は、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値に、複数の補正値のうちディザ法を用いて割当てた何れかの補正値を加算してもよい。
例えば、図6に示される第1画像データの平均値A(0)は「5984.2」であり、複数の第2画像データのうちn=1の第2画像データの平均値A(1)は「5979.8」である。信号処理部101の補正値生成付加部207は、まず、平均値A(0)から平均値A(1)を減じた減算値である「4.4」に基づいて複数の補正値、例えば、「4」と「5」とを生成する。ここでは、2つの整数の補正値を生成する場合について説明するが、「4」、「4.5」、「5」など、3つ以上の補正値や小数成分を含む補正値が生成されてもよい。
次いで、信号処理部101の補正値生成付加部207は、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値に「4」または「5」を加算することによって、領域121のデータを補正する。このとき、複数の補正値「4」、「5」のうち領域121のそれぞれの信号値に加算されたそれぞれの補正値の平均値が、減算値「4.4」に等しくなるように、信号処理部101の補正値生成付加部207は、それぞれの信号値に対して補正値「4」または「5」を割り当ててもよい。この場合、信号処理部101の補正値生成付加部207は、ランダムに「4」または「5」を割り当ててもよい。また、上述のように、信号処理部101の補正値生成付加部207は、ディザ法を用いて「4」または「5」を割り当ててもよい。ディザ法として、例えば、誤差拡散法やマトリクスパターンを用いたディザ法が使用されうる。
ここで、上述の減算値がマイナスの値(例えば、「-4.4」)だった場合、補正値は、マイナスの値(例えば、「―4」、「-5」)になる。この場合、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値にマイナスの補正値が加算され、結果的には信号値は減算される。
図9は、図7に示される構成および図8に示される処理を用いたオフセットレベル補正を実施する前後の、画像データのうち領域122の画素Pから出力された信号値の平均値をブロットしたグラフである。補正前の平均値は、上述の図6に示される平均値と同じである。図9には、信号処理部101の補正値生成付加部207が、ディザ法の1つである誤差拡散法を用いて補正を行った各画像データの平均値がプロットされている。放射線の照射が遮られた領域122の画素Pから出力された信号値の平均値のオフセットレベル差が、図6に示される場合よりも、さらに平滑化されている。このように、ディザ法を用いることによって、オフセット補正により除去しきれない1/fノイズや温度ドリフトによる画像間のオフセットレベル差が低減されていることがわかる。つまり、放射線撮像装置100が、図7に示される構成を有し、かつ、図8に示される処理を行うことによって、時間変動するノイズに対して、より高精度な補正が実現される。
次いで、図10、11を用いて、図7、8を用いて説明した放射線撮像装置100の構成および処理の変形例について説明する。図10は、信号処理部101のうち画素領域120から出力される複数の画像データの各画像データ間のオフセットレベル差を補正する画像処理装置として機能する構成の一例を示すブロック図である。図10に示されるブロック図は、図7に示される構成と比較して、補正値生成付加部207が、整数補正値生成付加部208、小数補正値生成付加部209に変更されている。図11は、信号処理部101の各画像データ間のオフセットレベルの差を補正する処理の一例を示すフロー図である。図11に示されるフロー図は、図5に示されるフロー図と比較して、S117の処理が、S118、119に変更されている。これ以外は、上述の構成および処理と同様であってもよいため、以下、整数補正値生成付加部208を用いたS118、小数補正値生成付加部209を用いたS119の処理について説明し、他の構成および処理については、適宜、説明を省略する。
図7、8を用いて説明した構成および処理では、例えば、第1画像データの領域122の平均値A(0)から第2画像データの領域122の平均値A(1)を減じた減算値である「4.4」に基づいて複数の補正値として「4」、「5」を生成した。このとき、小数成分を有する減算値に対して、整数成分と小数成分とを分割して補正することも可能であり、図7、8を用いて説明した構成および処理と同様の効果が得られる。
S118において、信号処理部101の整数補正値生成付加部208は、補正用データとして第1画像データの領域122の平均値から第2画像データの領域122の平均値を減じた減算値のうち整数成分に基づいた第1補正値を生成し、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値に第1補正値を加算する。上述のように減算値が「4.4」である場合、信号処理部101の整数補正値生成付加部208は、第1補正値として「4」を生成し、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値に「4」を加算する。
次いで、S119において、信号処理部101の小数補正値生成付加部209は、補正用データとして第1画像データの領域122の平均値から第2画像データの領域122の平均値を減じた減算値のうち小数成分に基づいた複数の第2補正値を生成する。このとき、減算値がプラスの値の場合は、第2補正値は「0」または「1」であってもよい。同様に、減算値がマイナスの値の場合は、第2補正値は「0」または「-1」であってもよい。つまり、第2補正値は、整数であってもよい。
また、例えば、減算値が「4.4」である場合、信号処理部101の整数補正値生成付加部208は、第1補正値として「5」を生成し、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値に「5」を加算してもよい。この場合、減算値がプラスの値の場合は、第2補正値は「0」または「-1」であってもよい。同様に、減算値がマイナスの値の場合は、第2補正値は「0」または「1」であってもよい。
信号処理部101の小数補正値生成付加部209は、第2画像データのうち領域121のそれぞれの信号値に「0」または「1(-1)」を加算することによって、領域121のデータを補正する。このとき、複数の補正値「0」、「1(-1)」のうち領域121のそれぞれの信号値に加算されたそれぞれの補正値の平均値が、減算値のうち小数成分に等しくなるように、信号処理部101の補正値生成付加部207は、それぞれの信号値に対して補正値「0」または「1(-1)」を割り当ててもよい。この場合、信号処理部101の小数補正値生成付加部209は、ランダムに「0」または「1(-1)」を割り当ててもよい。また、信号処理部101の小数補正値生成付加部209は、上述と同様にディザ法を用いて「0」または「1(-1)」を割り当ててもよい。ディザ法として、例えば、誤差拡散法やマトリクスパターンを用いたディザ法が使用されうる。
図12は、図10に示される構成および図11に示される処理を用いたオフセットレベル補正を実施する前後の、画像データのうち領域122の画素Pから出力された信号値の平均値をブロットしたグラフである。補正前の平均値は、上述の図6、9に示される平均値と同じである。図12には、信号処理部101の小数補正値生成付加部209が、ディザ法の1つである誤差拡散法を用いて補正を行った各画像データの平均値がプロットされている。
上述のように、信号処理部101は、補正用データとして第1画像データの領域122の平均値A(0)から第2画像データの領域122の平均値A(n)(本実施形態において、n≧1)を減じた減算値のうち整数成分に基づいた第1補正値および小数成分に基づいた複数の第2補正値を生成し、第2画像データの領域121のそれぞれの信号値に、第1補正値と、複数の第2補正値のうち何れかの補正値と、を加算する。この場合であっても、オフセット補正により除去しきれない1/fノイズや温度ドリフトによる画像間のオフセットレベル差が低減されていることがわかる。つまり、放射線撮像装置100が、図10に示される構成を有し、かつ、図11に示される処理を行うことによって、時間変動するノイズに対して、より高精度な補正が実現される。上述では、減算値のうち整数成分の補正(S118)を行った後に、小数成分の補正(S119)を行っているが、先に小数成分の補正が行われてもよい。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:放射線撮像装置、101:信号処理部、120:画素領域、121,122:領域、P:画素

Claims (15)

  1. 放射線画像を取得するための複数の画素が配された画素領域と、
    前記画素領域から出力される複数の画像データを処理する信号処理部と、
    を含む放射線撮像装置であって、
    前記画素領域は、放射線の照射が遮られた状態の信号を出力する第1領域と、前記放射線画像のそれぞれの画素に対応する第2領域と、を含み、
    前記複数の画像データは、第1画像データと、前記第1画像データよりも後に出力される複数の第2画像データと、を含み、
    前記信号処理部は、
    前記第1画像データのうち前記第1領域の信号値の第1平均値を取得し、
    前記複数の第2画像データのそれぞれについて、第2画像データのうち前記第1領域の信号値の第2平均値と、前記第1平均値と、の差分に応じて補正用データを取得し、当該第2画像データのうち前記第2領域の信号値を、前記補正用データに従って補正することを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記信号処理部は、前記補正用データとして前記第1平均値から前記第2平均値を減じた減算値を取得し、当該第2画像データのうち前記第2領域のそれぞれの信号値に前記減算値を加算することによって、前記第2領域のデータを補正することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記信号処理部は、前記補正用データとして前記第1平均値から前記第2平均値を減じた減算値に基づいて複数の補正値を生成し、当該第2画像データのうち前記第2領域のそれぞれの信号値に前記複数の補正値のうち何れかの補正値を加算することによって、前記第2領域のデータを補正し、
    前記複数の補正値のうち前記第2領域のそれぞれの信号値に加算されたそれぞれの補正値の平均値が、前記減算値に等しいことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記信号処理部は、前記補正用データとして前記第1平均値から前記第2平均値を減じた減算値に基づいて複数の補正値を生成し、当該第2画像データのうち前記第2領域のそれぞれの信号値に前記複数の補正値のうちディザ法を用いて割当てた何れかの補正値を加算することによって、前記第2領域のデータを補正することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記第2領域のそれぞれの信号値に加算されたそれぞれの補正値の平均値が、前記減算値に等しいことを特徴とする請求項4に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記信号処理部は、前記補正用データとして前記第1平均値から前記第2平均値を減じた減算値のうち整数成分に基づいた第1補正値および小数成分に基づいた整数の複数の第2補正値を生成し、当該第2画像データのうち前記第2領域のそれぞれの信号値に、前記第1補正値と、前記複数の第2補正値のうち何れかの補正値と、を加算することによって、前記第2領域のデータを補正し、
    前記複数の第2補正値のうち前記第2領域のそれぞれの信号値に加算されたそれぞれの第2補正値の平均値が、前記減算値のうち前記小数成分に等しいことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記信号処理部は、前記補正用データとして前記第1平均値から前記第2平均値を減じた減算値のうち整数成分に基づいた第1補正値および小数成分に基づいた整数の複数の第2補正値を生成し、当該第2画像データのうち前記第2領域のそれぞれの信号値に、前記第1補正値と、前記複数の第2補正値のうちディザ法を用いて割当てた何れかの補正値と、を加算することによって、前記第2領域のデータを補正することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記複数の第2補正値のうち前記第2領域のそれぞれの信号値に加算されたそれぞれの第2補正値の平均値が、前記減算値の前記小数成分に等しいことを特徴とする請求項7に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記ディザ法が、誤差拡散法またはマトリクスパターンを用いたディザ法を含むことを特徴とする請求項4、5、7および8の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記第1画像データが、ユーザの撮像開始指示を受けて前記画素領域から出力される前記複数の画像データのうち最初に出力される画像データであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記複数の画像データによって動画像が生成されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記第1領域が、放射線の入射を抑制するための遮蔽部材によって覆われていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
  13. 請求項1乃至12の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置に放射線を照射するための放射線発生装置と、
    を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
  14. 放射線画像を取得するための複数の画素が配された画素領域を備える放射線撮像装置の制御方法であって、
    前記画素領域は、放射線の照射が遮られた状態の信号を出力する第1領域と、前記放射線画像のそれぞれの画素に対応する第2領域と、を含み、
    前記画素領域から出力される複数の画像データは、第1画像データと、前記第1画像データよりも後に出力される複数の第2画像データと、を含み、
    前記第1画像データのうち前記第1領域の信号値の第1平均値を取得する工程と、
    前記複数の第2画像データのそれぞれについて、第2画像データの前記第1領域の信号値の第2平均値と、前記第1平均値と、の差分に応じた補正用データを生成し、当該第2画像データの前記第2領域の信号値を、前記補正用データに従って補正する工程と、
    を含むことを特徴とする処理方法。
  15. 放射線画像を取得するための複数の画素が配された画素領域から出力される複数の画像データを処理する信号処理部を含む画像処理装置であって、
    前記画素領域は、放射線の照射が遮られた状態の信号を出力する第1領域と、前記放射線画像のそれぞれの画素に対応する第2領域と、を含み、
    前記複数の画像データは、第1画像データと、前記第1画像データよりも後に出力される複数の第2画像データと、を含み、
    前記信号処理部は、
    前記第1画像データのうち前記第1領域の信号値の第1平均値を取得し、
    前記複数の第2画像データのそれぞれについて、第2画像データの前記第1領域の信号値の第2平均値と、前記第1平均値と、の差分に応じた補正用データを生成し、当該第2画像データの前記第2領域の信号値を、前記補正用データに従って補正することを特徴とする画像処理装置。
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