JP2022131603A - 撮像装置及び撮像パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明によれば、撮像装置で発生するノイズを低減するのに有利な技術を提供すること。【解決手段】複数の行及び複数の列を形成するように画素が配置された第1画素領域と、基準となる信号を出力する基準画素が配置された第2画素領域と、前記第1画素領域と前記第2画素領域とから信号を読み出す読出部と、が配置される。前記第2画素領域は前記第1画素領域と前記読出部との間に配置される。前記第1画素領域には、被写体を透過した放射線の強度に応じた電荷を発生する有効画素と基準となる信号を出力する基準画素とが配置される。【選択図】図5
Description
本発明は、撮像装置及び撮像パネルに関する。
放射線撮像装置に用いられるフラットパネルセンサの一つとして、シリコンウエハーなどの半導体基板に半導体製造プロセスにより生成された変換素子を生成し、この半導体基板を二次元につなぎ合わせて構成したフラットパネルセンサがある。
上記のようなフラットパネルセンサを構成する、半導体基板、A/D変換器、差動増幅器等の増幅回路といった半導体デバイスは、一般的にショットノイズ、熱ノイズ、および1/fノイズを発生することが知られている。
また、複数の半導体基板をタイリングして構成されたフラットパネルセンサにおいては、半導体基板ごとに設けられた増幅回路及びA/D変換器でA/D変換されたブロックごとのデジタル画像データ上に、1/fノイズが重畳される。このため、フラットパネルセンサの撮像画像に、半導体基板毎のブロック状のアーチファクトが発生することがある。
特許文献1では、フレームごとに増幅回路の入力を基準電源に切り替え、増幅回路のオフセットを測定することにより画素からの信号を補正している。さらに、撮像動作の最初にセンサが形成された半導体基板ごとのオフセット値を測定し、その測定値と目標値の差分とで補正することにより、半導体基板ごとのブロック状のアーチファクトを低減する技術が記載されている。
しかしながら、上記の補正方法では増幅回路で発生する1/fノイズを低減することはできたが、半導体基板上で発生する1/fノイズは十分には低減がされていなかった。また、センサの構造上、列信号出力線ごとの特性が異なることに起因するライン状のアーチファクトが発生することがあった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、撮像装置で発生するノイズを低減するのに有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、複数の行及び複数の列を形成するように画素が配置された第1画素領域と、基準となる信号を出力する基準画素が配置された第2画素領域と、前記第1画素領域と前記第2画素領域とから信号を読み出す読出部と、を備えた撮像装置であって、前記第2画素領域は前記第1画素領域と前記読出部との間に配置され、前記第1画素領域には、被写体を透過した放射線の強度に応じた電荷を発生する有効画素と基準となる信号を出力する基準画素とが配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、撮像装置で発生するノイズを低減するのに有利な技術を提供することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。また、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
(放射線撮像装置)
図1~図4により放射線撮像装置について説明する。図1は、フラットパネル式の放射線撮像装置のシステム全体を模式的に表すブロック図である。100は放射線撮像装置、101はシステム制御装置、102は画像表示装置、103はX線発生装置、104はX線管(放射線管)である。撮像時にはシステム制御装置101により、放射線撮像装置100とX線発生装置103が同期制御される。X線発生装置103の制御に基づきX線管104からX線(放射線)が照射されると、X線は被写体(不図示)を透過して放射線撮像装置100に到達する。
図1~図4により放射線撮像装置について説明する。図1は、フラットパネル式の放射線撮像装置のシステム全体を模式的に表すブロック図である。100は放射線撮像装置、101はシステム制御装置、102は画像表示装置、103はX線発生装置、104はX線管(放射線管)である。撮像時にはシステム制御装置101により、放射線撮像装置100とX線発生装置103が同期制御される。X線発生装置103の制御に基づきX線管104からX線(放射線)が照射されると、X線は被写体(不図示)を透過して放射線撮像装置100に到達する。
被写体を透過した放射線は、放射線撮像装置100の変換部により電荷に変換される。変換部に光電変換素子を使う場合は、不図示のシンチレータにより対象物を透過した放射線は可視光に変換され、変換部により光量に応じた光電変換がなされた後にA/D変換が行われる。そして、X線照射に対応した画像データが放射線撮像装置100からシステム制御装置101に転送され、画像処理が行われた後、画像表示装置102に放射線画像がリアルタイムに表示される。なお、放射線を光に変換するシンチレータを使う例を説明したが、放射線を電荷に変換する変換部には放射線を直接電荷に変換する素子を用いてもよい。
放射線撮像装置100の内部にはフラットパネルセンサ106が配置されている。この例では、フラットパネルセンサ106は、シリコン半導体ウエハから短冊状に切り出した、半導体基板107を、基台120上に20列×2行のマトリクス状にタイリングして撮像パネルが構成されている。基台120は例えば剛性のある平面の板である。半導体基板107には二次元に配置された、変換部を含む画素が形成されている。変換部は、被写体を透過した放射線の強度を検知して、当該強度に対応する電気信号を出力する素子である。
フラットパネルセンサ106の上辺と下辺部には、マトリクス状に並んだ半導体基板107の不図示の外部端子(電極パット)が一列に並んでいる。半導体基板107の電極パットは不図示のフライングリード式プリント配線板で外部の回路と接続される。
短冊状に切り出した半導体基板107は、横20mm、縦150mmの大きさでもよい。半導体基板107が20列×2行のマトリクス状にタイリングされて構成されたフラットパネルセンサ106の大きさは、縦300mm、横400mmであって対角約20インチの長方形にできる。もっとも、半導体基板107の大きさやタイリングされる半導体基板107の個数、フラットパネルセンサ106の大きさはこれに限られない。
図2は、半導体基板107における1つの画素Pの概略回路を説明する等価回路図である。画素Pは、被写体を透過した放射線の強度に応じた電荷を発生する変換部CPと出力回路である増幅部APとリセット部RPと保持部SH1~SH3と出力部OP1~OP3とを含む。以下の例では、これらの構成のそれぞれが回路で構成される。例えば、変換部CPは変換回路によって構成される。なお、放射線の強度に応じた電荷を発生する変換部を有し、画像の生成に供される信号を出力する画素を有効画素と称しうる。
変換部CPは、フォトダイオードPDと、トランジスタM1と、フローティングディフュージョン容量Cfd(以下、FD容量Cfd)と、感度切り替え用の付加容量Cfd1とを有する。フォトダイオードPDは変換部の一例であり、波長変換体であるシンチレータに入射した放射線に応じて生じた光を電荷に変換する。すなわち、放射線を光に変換する波長変換体と、光を電荷に変換する光電変換素子とによって、放射線を電荷に変換する変換素子の例である。これに代えて、変換素子として、放射線を直接電荷に変換する素子が用いられてもよい。
被写体を透過した放射線はシンチレータで光に変換される。この光に応じた量の電荷がフォトダイオードPDで発生し、発生した電荷量に応じたFD容量Cfdの電圧が増幅部APに出力される。また、感度切り替え用の容量Cfd1は、放射線に対する画素Pの感度を切り替えるために用いられ、トランジスタM1(スイッチ素子)を介してフォトダイオードPDに接続されている。WIDE信号が活性化されることによってトランジスタM1が導通状態になり、FD容量Cfdと容量Cfd1との合成容量の電圧が増幅部APに出力される。すなわち、トランジスタM1の導通状態を制御することにより、高感度の変換部CPで変換された電荷に応じた電圧である高感度信号と、低感度の変換部CPで変換された電荷に応じた電圧である低感度信号との何れかが出力されうる。図2では、トランジスタM1と容量Cfd1により高感度、低感度の2つの切り替えを示したが、さらにトランジスタと感度切り替え用の容量を追加し、多段階の感度切り替えができるとなおよい。
増幅部APは、制御トランジスタM3と増幅トランジスタM4とクランプ容量Cclと制御トランジスタM6と増幅トランジスタM7と各定電流源とを有する。制御トランジスタM3と増幅トランジスタM4と定電流源(例えばカレントミラー構成のトランジスタ)とは電流経路を形成するように直列に接続されている。制御トランジスタM3のゲートに入力されるイネーブル信号ENが活性化されることによって、変換部CPからの電圧を受ける増幅トランジスタM4が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、変換部CPからの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM4から出力される。増幅トランジスタM4から出力された電圧は、クランプ容量Cclを介して増幅トランジスタM7に入力される。
制御トランジスタM6と増幅トランジスタM7と定電流源とは電流経路を形成するように直列に接続されている。制御トランジスタM6のゲートに入力されるイネーブル信号ENが活性化されることによって、増幅トランジスタM4からの電圧を受ける増幅トランジスタM7が動作状態となる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、増幅トランジスタM4からの電圧を増幅した電圧が増幅トランジスタM7から出力される。クランプ容量Cclは増幅トランジスタM4と増幅トランジスタM7との間に直列に配置されている。クランプ容量Cclによるクランプ動作については、後に説明するリセット部RPの動作と併せて説明する。
リセット部RPは、リセットトランジスタM2とリセットトランジスタM5とを含む。リセットトランジスタM2は、リセット信号PRESが活性化されるとフォトダイオードPDに所定の電位を供給し、それによってフォトダイオードPDの電荷をリセット(初期化)し、増幅部APに出力される電圧をリセットする。リセットトランジスタM5は、クランプ容量Cclと増幅トランジスタM7との間の接続ノードに所定の電位を供給することにより、増幅トランジスタM7から出力される電圧をリセットする。リセットトランジスタM2によるリセット時の変換部CPからの電圧に応じた電圧がクランプ容量Cclの入力端子n1に入力される。
また、クランプ信号PCLが活性化されることによりリセットトランジスタM5が導通状態になり、所定の電位であるクランプ電圧VCLがクランプ容量Cclの出力端子n2に入力される。このようにして、クランプ容量Cclの両端子間で生じた電位差をノイズ成分としてクランプし、その後のフォトダイオードPDでの電荷の発生および蓄積に伴い変化した電圧を信号成分として出力する。これがクランプ容量Cclを用いたクランプ動作であり、クランプ動作により変換部CPで生じるkTCノイズや増幅トランジスタM4のオフセット等のノイズ成分が抑制される。
変換部CPと増幅部APとによって、放射線を電荷に変換し、変換部CPに蓄積された電荷に基づく信号を生成する信号生成部が構成される。蓄積された電荷に基づく信号を蓄積信号と呼ぶ。放射線が曝射されたときに変換部CPに蓄積された電荷は、放射線に応じて発生した電荷と、放射線によらずに発生した電荷(いわゆる暗電荷)とを含む。
蓄積信号は、上述の高感度信号又は低感度信号に基づいて電圧が変更されうる。また、変換部CPに放射線を曝射しないときに発生したノイズ等が蓄積された電荷に基づく信号を暗電流信号と呼ぶ。信号生成部をリセット部RPが電荷蓄積前の状態にリセットすることによって信号生成部が生成する信号をリセット信号と呼ぶ。信号生成部のリセットは、上述のように、光電変換素子PDの電位とクランプ容量Cclの出力端子n2の電位とをリセットすることによって行われる。
蓄積信号を、リセット信号を含めた総称として画素信号と呼ぶ。変換部CPに電荷が蓄積された後に信号生成部が出力する画素信号は画像生成に供される画像信号を含む。信号生成部がリセット状態である場合に出力する画素信号はリセット信号である。
保持部SH1は、増幅部APから出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM8と保持容量CS1とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS1を用いて転送トランジスタM8の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることにより、画素信号を保持容量CS1に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP1は、信号増幅トランジスタM10と出力スイッチSW9とを含む。
信号増幅トランジスタM10は、保持容量CS1に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタであり、出力スイッチSW9は信号増幅トランジスタM10によって出力された画素信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW9に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW9が導通状態となる。これにより、後述の図4(A)にて示される列信号線406で接続される後段の定電流源CCSpと信号増幅トランジスタM10とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP1によって、保持部SH1に保持された画素信号が増幅されて画素Pから出力される。
以下では、出力部OP1から出力された増幅後の画素信号を画素信号S1と呼ぶ。また、画素信号が画像信号である場合は画像信号S1、暗電流信号である場合は暗電流信号S1、リセット信号である場合はリセット信号S1と呼ぶ。
保持部SH2は、増幅部APから出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM11と保持容量CS2とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS2を用いて転送トランジスタM11の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることにより、画素信号を保持容量CS2に転送して保持するサンプリングを行う。
出力部OP2は、信号増幅トランジスタM13と出力スイッチSW12とを含む。信号増幅トランジスタM13は、保持容量CS2に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタであり、出力スイッチSW12は信号増幅トランジスタM13によって出力された画素信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW12に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW12が導通状態となる。これにより、図4(A)にて示される列信号線407で接続される後段の定電流源CCSpと信号増幅トランジスタM13とでソースフォロワ回路が形成される。これにより、出力部OP2によって、保持部SH2に保持された画素信号が増幅されて画素Pから出力される。
以下では、出力部OP2から出力された増幅後の画素信号を画素信号S2と呼ぶ。また、画素信号が画像信号である場合は画像信号S2、暗電流信号である場合は暗電流信号S2、リセット信号である場合はリセット信号S2と呼ぶ。
保持部SH3は、増幅部APから出力された画素信号を保持可能な部分であり、転送トランジスタM14と保持容量CS3とを含むサンプルホールド回路である。具体的には、サンプルホールド制御信号TS3を用いて転送トランジスタM14の状態(導通状態または非導通状態)を切り替えることにより、画素信号を保持容量CS3に転送して保持するサンプリングを行う。出力部OP3は、信号増幅トランジスタM16と出力スイッチSW15とを含む。
信号増幅トランジスタM16は、保持容量CS3に保持された画素信号を増幅して出力するためのトランジスタであり、出力スイッチSW15は信号増幅トランジスタM16によって出力された画素信号を転送するスイッチである。具体的には、出力スイッチSW15に入力される垂直走査信号VSRによって出力スイッチSW15が導通状態となる。これにより、図4(A)にて示される列信号線408で接続される後段の定電流源CCSpと信号増幅トランジスタM16とでソースフォロワ回路が形成される。こうして出力部OP3から保持部SH3に保持された画素信号が増幅され、画素信号が画素Pから出力される。
以下では、出力部OP3から出力された増幅後の画素信号を画素信号S3と呼ぶ。また、画素信号が画像信号である場合は画像信号S3、暗電流信号である場合は暗電流信号S3、リセット信号である場合はリセット信号S3と呼ぶ。
保持容量CS1、保持容量CS2および保持容量CS3によるサンプルホールド後は、転送トランジスタM8、転送トランジスタM11および転送トランジスタM14がオフとなる。これによって保持容量CS1、保持容量CS2および保持容量CS3は前段の増幅部APから切り離される。このため、保持された画素信号(画像信号、暗電流信号、あるいはリセット信号)は、再度サンプルホールドされるまで非破壊で読み出すことが可能である。したがって放射線を曝射し、その後、一斉に画素信号をサンプルホールドした後で、行毎に画素信号を読み出すことによりグローバルシャッターを実現しうる。
これまで放射線又は光の強度に応じた被写体の画像生成に供される画素信号を発生する有効画素である画素Pについて説明した。次に図3を用いて、アーチファクトを補正するための基準信号を発生する基準画素P´について説明する。図3(A)に示す画素は基準画素の一例である。ここでは放射線又は光の強度に応じた信号を発生しない画素を例に説明する。図3(A)の構成と図2の構成の違いはフォトダイオードPDの接続である。その他の回路は図2と同一の構成とする。図3(A)の回路では、フォトダイオードPDはFD容量Cfdから切り離され、リセット電圧に接続されており、リセット電圧が印加されている。さらに切り離した箇所にはフォトダイオードPDと等価の容量Cfdpdを接続している、このような構成とすることによって、放射線や光の照射に依存しない基準信号となる暗電流信号を出力することができる。このように図3(A)に例示の画素は、有効画素からの信号を補正するための基準信号を発生する基準画素として使用できる。
図3(A)の構成の画素は、放射線又は光に対して無感度となるため、有効画素が配置された第1画素領域に配置されると欠損画素となってしまうので補間などにより欠損についての画像処理が必要になることがある。そこで、図3(B)の構成のようにフォトダイオードPDとFD容量Cfdの間にトランジスタM17を追加し、制御信号ENPDによってトランジスタM17をオン、オフして有感と無感を切り替えることができると有用である。トランジスタM17をオフにすればフォトダイオードPDは出力回路である増幅回路APから切断されるので、無感度の画素として扱うことができる。なお、図3(A)、(B)では、フォトダイオードPDの接続を変更することにより、基準画素とする例を示した。しかし、後述するように基準画素には、放射線や光に対する感度が、被写体の画像生成に使用する信号を出力する有効画素よりも低減されているものであれば使用しうる。
次に図4(A)及び図4(B)により放射線撮像装置100の半導体基板107及び信号読出部20について説明する。半導体基板107には、図2に示す有効画素Pおよび図3に示す基準画素P′が二次元アレイ状に複数配列されている。有効画素P及び基準画素P’の配置については図5により説明する。図1に示す130~139はアナログマルチプレクサであり、撮像部制御部108の制御信号により、タイリングされた複数の半導体基板107のうちから1個の半導体基板の画素出力を選択する。半導体基板107からの信号は信号読出部20によって読み出される。まず、放射線撮像装置100の半導体基板107の概略構成を、等価回路図である図4(A)を用いて説明する。
半導体基板107は、複数の画素Pと、各画素Pを駆動するための垂直走査回路403と、各画素Pから順次信号読み出しを行うための水平走査回路404と、を備える。なお、図4では基準画素P’は省略されている。垂直走査回路403および水平走査回路404は、例えばシフトレジスタで構成されており、システム制御装置101からの制御信号に基づいて動作する。垂直走査回路403は、制御線405を介して各画素Pに垂直走査信号VSRを供給し、当該垂直走査信号VSRに基づいて各画素Pを行単位で駆動する。すなわち、垂直走査回路403は行選択部として機能し、信号読み出しを行うべき画素Pを行単位で選択する。
また、水平走査回路404は列選択部として機能し、水平走査信号HSRに基づいて各画素Pを列単位で選択して、各画素Pからの信号を順に出力させる(水平転送)。ここで、行選択部(垂直走査回路403)の動作周波数は、列選択部(水平走査回路404)の動作周波数に比べて低く、即ち、行選択部(垂直走査回路403)は列選択部(水平走査回路404)に比べて動作が遅い。
また、半導体基板107は、各画素Pの保持容量CS1~CS3に保持された画素信号を読み出すための端子Es1~Es3を有する。端子Es1は保持容量CS1に保持された画素信号を読み出すための端子である。端子Es2は保持容量CS2に保持された画素信号を読み出すための端子である。端子Es3は保持容量CS3に保持された画素信号を読み出すための端子である。また、半導体基板107はセレクト端子Ecsをさらに有し、端子Ecsが活性化されることによって、当該半導体基板107の各画素Pの画素信号が、端子Es1、Es2及びEs3を介して読み出される。
画素Pの画素信号S1、画素信号S2及び画素信号S3は、各端子に対応する列信号線406~408に供給される。列信号線406~408はそれぞれ対応する増幅トランジスタAvの入力に接続される。制御トランジスタSWchと増幅トランジスタAvと定電流源CCSvとは電流経路を形成するように直列に接続されている。増幅トランジスタAvの出力は、水平走査回路404からの水平走査信号HSRに応答して導通状態になる転送トランジスタSWahを介して、アナログ信号線409~411に接続されている。
制御トランジスタSWchのゲートに入力される水平走査信号HSRが活性化されることによって、列信号線406~408からの電圧をそれぞれに受ける増幅トランジスタAvが動作状態になる。このようにしてソースフォロワ回路が形成され、列信号線406~408からの電圧を増幅した電圧が、水平走査信号HSRに応答して導通状態になる転送トランジスタSWahを介してアナログ信号線409~411に出力される。
アナログ信号線409~411はそれぞれ対応する増幅トランジスタAoutの入力に接続される。増幅トランジスタAoutと定電流源CCSoutとは電流経路を形成するように直列に接続され、動作状態のソースフォロワ回路が形成されている。これによりアナログ信号線409~411からの電圧を増幅した電圧が、端子Ecsが受ける信号に応答して導通状態になる転送トランジスタSWcsを介して、端子Es1、Es2及びEs3から出力される。
また、半導体基板107は、垂直走査回路403および水平走査回路404を制御するための各制御信号を受ける端子HST、CLKH、VSTおよびCLKVをさらに有する。端子HSTは、水平走査回路404に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKHは、水平走査回路404に入力されるクロック信号を受ける。端子VSTは、垂直走査回路403に入力されるスタートパルスを受ける。端子CLKVは、垂直走査回路403に入力されるクロック信号を受ける。これらの各制御信号は、システム制御装置101から入力される。
水平走査回路404は入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて水平走査信号HSRを生成して出力し、垂直走査回路403は入力されたスタートパルスとクロック信号とに基づいて垂直走査信号VSRを生成して出力する。これにより、画素信号S1、画素信号S2及び画素信号S3が、各画素からX-Yアドレス方式で順次に読み出される。すなわち、半導体基板107では、各画素Pは行単位で制御され、各保持部に保持された信号が列単位で出力される(水平転送される)ことによって、信号が読み出される。
次に、図4(B)を用いて本実施形態の放射線撮像装置の信号読出回路200を説明する。信号読出部20にはこの信号読出回路200がマルチプレクサ130~139に対応して複数配置されている。図4(B)は、本実施形態の放射線撮像装置のマルチプレクサ130に対して配置された信号読出回路200の概略構成を説明するための等価回路図である。信号読出回路200は、例えば差動増幅器等を含む信号増幅部140とAD変換を行うAD変換部150とを有する。
端子Es3からの画素信号S3は信号増幅部140の非反転入力端子AMP+に入力される。また、端子Es1からの画素信号S1は、制御端子に入力される制御信号TRO1に応答して導通状態になるスイッチM51を介して、信号増幅部140の反転入力端子AMP-に入力される。また、端子Es2からの画素信号S2は、制御端子に入力される制御信号TRO2に応答して導通状態になるスイッチM52を介して、反転入力端子AMP-に入力される。スイッチM51及びM52は、端子Es1及び端子Es2の一方の信号が反転入力端子AMP-に入力されるように制御される。スイッチM51及びM52並びに信号増幅部107は、信号ADCLKの周期に追従可能な応答特性を有するように設計される。
信号増幅部140では、端子Es1からの信号と端子Es3からの信号との差分、又は端子Es2からの信号と端子Es3からの信号との差分が増幅される。この差分はAD変換部150で、端子ADCLKを介して入力されるクロック信号に基づいてAD変換される。このような構成により、半導体基板107の画像データ(デジタルデータ)が得られ、端子ADOUTを介してシステム制御装置101に出力される。
以上のような半導体基板107及び信号読出部20を用いて、放射線撮像装置100及び放射線撮像システムが構成される。
被写体の撮像前に信号増幅部140に基準電圧信号を入力したときの当該増幅器の出力を予め求めておき、その後に曝射して撮像を行う。サンプリングした画素の信号を行単位で読みだすときに、予め求めた出力と、これらの増幅器に基準電圧信号を入力して得た増幅器の出力との差分により撮像画像を補正することができる。このとき1/fノイズは時間経過により変化していくので、画像取得のタイミングと近接したタイミングに測定されたサンプルに基づいて、画像の補正を行うことが求められる。この補正はAD変換器150への入力に補正係数を加算することで行うことができる。
図4(A)で示される回路では、画素信号S1、S2、S3はそれぞれ列方向の定電流源CCSpとのソースフォロアで形成される。ここで、定電流源はそれぞれが特性の異なった1/fノイズの影響を受けうる。画素は列方向に多数配置されているため、配線抵抗により定電流源の近傍から逆の端までは数kΩの抵抗値となる。これらのことから、定電流源の近傍で測定した基準電圧信号による補正では、半導体基板上で発生するノイズに対しての補正が不十分だった。
そこで、以下に基準画素P´によって、列方向のオフセットを算出し、画像補正を行って、ノイズを低減することについて説明する。
(画素の配置)
図5は本実施例の放射線撮像装置100の半導体基板107の概略構成を説明する図である。半導体基板107には画素がm行n列配置されているとして説明する。この例では、画素はそれぞれが図2に示される有効画素P又は図3の基準画素P’の構造を有し、放射線の曝射に対してグローバルシャッター動作で信号が蓄積される。画素からの画素信号は図4に関して説明したように行毎に読み出されるものとする。図5の例では、有効画素Pと基準画素P’とが配置された第1画素領域62と、信号読出部60の近傍にm行~m-2行、1~n列に渡って3行の基準画素P´が配置された第2画素領域61が配置されている。なお、基準画素を3行にわたり配置することは一例にすぎない。第2画素領域61は信号読出部60と第1画素領域62の間に配置されている。信号読出部60は例えば、増幅トランジスタAvや増幅トランジスタAoutなどの読み出しのための回路が配置された部分である。1行からm-3行にわたる第1画素領域62には、有効画素Pと基準画素P’とが配置されている。第1画素領域62では、基準画素P’は複数の列の全部又は一部に最低1個配置されている。
図5は本実施例の放射線撮像装置100の半導体基板107の概略構成を説明する図である。半導体基板107には画素がm行n列配置されているとして説明する。この例では、画素はそれぞれが図2に示される有効画素P又は図3の基準画素P’の構造を有し、放射線の曝射に対してグローバルシャッター動作で信号が蓄積される。画素からの画素信号は図4に関して説明したように行毎に読み出されるものとする。図5の例では、有効画素Pと基準画素P’とが配置された第1画素領域62と、信号読出部60の近傍にm行~m-2行、1~n列に渡って3行の基準画素P´が配置された第2画素領域61が配置されている。なお、基準画素を3行にわたり配置することは一例にすぎない。第2画素領域61は信号読出部60と第1画素領域62の間に配置されている。信号読出部60は例えば、増幅トランジスタAvや増幅トランジスタAoutなどの読み出しのための回路が配置された部分である。1行からm-3行にわたる第1画素領域62には、有効画素Pと基準画素P’とが配置されている。第1画素領域62では、基準画素P’は複数の列の全部又は一部に最低1個配置されている。
このとき、第1画素領域62の基準画素P´は複数の行に分散されて配置されていてもよい。同一の行に配置されていると線欠損になってしまうが、補正処理がしやすい。基準画素P’を複数の列の全部又は一部に1個だけ配置する場合は図5で示す1行目に近い位置に配置すると列方向のオフセットの補正を良好に行うことができる。言い換えると、第1画素領域62に配置される基準画素P’は、第1画素領域62のうちの第2画素領域61から離れた位置に配置されると補正処理するのに都合がよい。つまり複数の画素が列に配置されたうちの信号読出部60に近い位置に第2画素領域61が配置され、信号読出部60から離れた、第1画素領域62内の位置に基準画素P’を配置すると補正処理をする上でよい。なお、図5では基準画素P’を1行~5行の間に配置した例を示しているが、これに限らない。
また、第1画素領域62の基準画素P’は、各列1個ではなく、各列に複数個配置した方が、補正のためのデータが増えるので、より精度よく補正しうる。基準画素P’を列に配置する場合、列に沿って配置された画素の数や列信号線の配線長に応じて配置する位置を決めてもよい。列方向に配置された画素の行数(図5の例では1からm-3行)に応じても基準画素P’を配置する位置は適宜に決めることができる。例としては、基準画素P’を、第1画素領域62の列に配置された画素数の中間の領域や、画素の数が1/3や2/3になる領域にも配置するとよい。また図3(B)により説明した有感と無感が切り替えられる画素を使う場合は、どこに配置しても画像データの欠損にならないので、適宜、列に複数個配置することにより補正の精度を向上しうる。
半導体基板上の配線抵抗によるノイズの量は信号読出部からの距離に概ね比例することがわかっている。そのため、列毎に、第2画素領域61の基準画素P’からの画素信号(基準信号)と第1画素領域62に配置された基準画素P’からの画素信号(基準信号)とから各列の各行の位置に対応する画素を補正するための補正係数を求める。一つの列に第2画素領域61と、第1画素領域62に配置された基準画素P’が有る場合は、それらの基準画素P’の出力の差を求める。この出力の差と、第1画素領域62と第2画素領域61とに配置された基準画素P’の間の距離とに応じた勾配から列の画素の位置に応じて補正係数を算出できる。複数の基準画素P’を第1画素領域62の所定の列に配置した場合は、第1画素領域の各基準画素P’の出力と第2画素領域61の基準画素P’の出力とそれぞれの間の間隔から補正曲線を求めて、列の画素からの画素信号を曲線に応じて補正することができる。補正は折れ線近似を使って行ってもよい。
ここで、動画像の撮像において、撮像毎に補正係数を求め画像補正を行ってから出力していたのでは、1フレーム以上の表示遅れとなりさらに負荷が大きくなってしまう恐れがある。そこで、1/fノイズは比較的長い時間での変化であることに注目し、列方向の補正係数は数フレームに1度の割合で補正係数を更新するようにしてもよい。この場合は予め決めた所定数のフレームを撮像したときに、第1画素領域62と第2画素領域61とに配置された基準画素P’から読み出した値の違いを使って、各撮像したフレームについての補正を行うことができる。補正は所定数のフレーム毎に算出された補正係数を使って、撮像した所定数のフレームに対して行ってもよい。その場合は、所定数のフレームを記憶し、所定数のフレームに対して補正処理を行ってもよい。補正係数は所定数のフレームの撮像の前や撮像の終了後に基準画素P’を読み出して行ってもよいし、所定数のフレームの内のあるフレームの撮像の際に読み出した基準画素P’に基づいて行ってもよい。
また、行単位で読み出しをするときに、第2画素領域に配置された基準画素P’から読み出した値を利用して有効画素の信号を補正することができる。具体的には、撮像を開始する前の、曝射の開始前に第2画素領域の基準信号をサンプリングしておく(ΣDTn)。次に、撮像後に行毎に有効画素から信号を読み出すときに、行毎の読み出しの間の空いている時間に、第2画素領域の基準画素P’から基準信号を読み出してサンプリングしておく(ΣDon)。最初にサンプリングした基準信号と行毎の読み出しの際にサンプリングした基準信号の差に基づいて、行毎に読み出した信号を補正することにより行毎の読み出し時の時間経過に伴うノイズを低減することができる。
この例では基準画素P’には図3に示した無感の画素を列の補正に使ったが、有効画素よりも感度を低減した画素であれば基準画素として使用しうる。その場合は、例えば、被写体を撮像する前に第1画素領域62と第2画素領域61とに配置された基準画素P’から信号を取得し、差分を得ることで、オフセット成分は低減されるので、列に沿った傾斜のノイズ分を取得できる。したがって、無感度の基準画素を使うときと同様に、列に沿って配置された有効画素の画素信号を補正することができる。
(オフセット補正)
具体的な補正について、図6に示すフローチャートを使って動画像の撮影を説明する。動作が開始されるとシステム制御装置101から放射線撮像装置100に対して撮影モードが設定される(S1)。撮影モードにはフレームレートや放射線の蓄積時間、撮影する画像のサイズなどが含まれる。次にシステム制御装置101は放射線撮像装置100を制御して、被写体を撮影する前に有効画素Pと基準画素P’をリセットする。その後、画素から信号を行毎に読み出すときに補正処理の目標値となる基準信号DTnを読み出す(S2)。このとき第2画素領域61の無効画素P’から信号をN個サンプリングする。図5に示す配置例では、m行目の無効画素P’読み出してもよいし、m-2からm行にわたる無効画素P’からDTnを読み出してもよい。N回サンプリングした値を用いることで統計的な値の確度が上がるので、補正の精度を向上しうる。なお、基準信号DTnを読み出すに際して、基準画素P’だけでリセット及びサンプリングしても良く、全ての画素の一部を選択してリセット及びサンプリングしても良い。
具体的な補正について、図6に示すフローチャートを使って動画像の撮影を説明する。動作が開始されるとシステム制御装置101から放射線撮像装置100に対して撮影モードが設定される(S1)。撮影モードにはフレームレートや放射線の蓄積時間、撮影する画像のサイズなどが含まれる。次にシステム制御装置101は放射線撮像装置100を制御して、被写体を撮影する前に有効画素Pと基準画素P’をリセットする。その後、画素から信号を行毎に読み出すときに補正処理の目標値となる基準信号DTnを読み出す(S2)。このとき第2画素領域61の無効画素P’から信号をN個サンプリングする。図5に示す配置例では、m行目の無効画素P’読み出してもよいし、m-2からm行にわたる無効画素P’からDTnを読み出してもよい。N回サンプリングした値を用いることで統計的な値の確度が上がるので、補正の精度を向上しうる。なお、基準信号DTnを読み出すに際して、基準画素P’だけでリセット及びサンプリングしても良く、全ての画素の一部を選択してリセット及びサンプリングしても良い。
次に、システム制御装置101は撮影のための同期信号の検出を行う(S3)。同期信号の周期はフレーム単位での撮影間隔に対応する。同期信号が検出されるとフレーム単位の撮影を開始し、グローバルシャッター動作が実行され、サンプリングされた信号を行毎に読み出す動作が行われる(S3~S11)。以下に具体的に説明する。
システム制御装置101は第1画素領域62と第2画素領域61に配置された画素をリセットする。これにより画素のフォトダイオードPDとフローティングディフュージョンはリセットされる(S4)。リセットに基づく画素信号はリセット信号として、例えば保持容量CS1にサンプルホールドされものとする。また曝射前に読み出された画素信号は暗電流信号として、例えば保持容量CS2にサンプルホールドされるものとする。次にシステム制御装置101はX線発生装置103を制御してX線管から放射線を曝射して撮影を行う。所定の蓄積時間が経過すると、システム制御部101は放射線撮像装置100を制御して、一斉に撮像されて蓄積された画素信号を、例えば保持容量CS3に蓄積するものとする。保持容量CS1、CS2,CS3はそれぞれの信号をサンプルホールドする(S5)。
次に第2画素領域61を選択し、第2画素領域61の基準画素P’から出力値DoをN個求める(S6、S7)。システム制御装置101は放射線撮像装置100を制御して、行単位での画素からの画像信号の所定の読み出し期間と次の行単位の読み出し期間との空き期間を利用してN回にわたりDoを読み出し、ΣDonを求めるようにする。システム制御装置101は読み出された列毎のΣDonを記憶する。ここで空き期間は例えば、行単位の読み出しの周期から、リセットに要する時間、放射線を蓄積する時間、画素信号をサンプリングする処理に要する時間、AD変換に要する期間などの撮像に必要な時間を除いた期間である。
次に、システム制御装置101は先に読み出した各列の第2画素領域61のΣDTnと対応する列のΣDonとの差分をNで割って補正係数を求めることができる。また、ΣDTnとΣDonの差分をNで割った値を補正係数にしてもよい。この補正係数を行単位で読み出した画素信号に対する補正処理をするためにD/A変換器へ出力する(S8)。D/A変換された補正係数を画像信号に演算することにより画像信号を補正しうる。
行単位で有効画素から画素信号を読み出すために、画素の所定の行を選択して(S9)、サンプルホールドされた画素信号を読み出す(S10)。行単位で読み出した画素信号を、S8で求めた補正係数により行毎に補正する。システム制御装置101は最終行まで画素信号を読み出したかを判断し、最終行ではなかったときはS6へ戻り、再び行からの画素信号の読み出しを繰り返す(S11)。行単位での読み出し時には第1画素領域62に配置された基準画素P’の読み出しも行われる。基準画素P’の配置は分かっているので、基準画素P’から読み出された値は後の補正で利用するための基準信号の値としてシステム制御装置101に記憶されてもよい。
最終行まで読み出されると、撮影枚数が設定された枚数になったかどうか判断される(S12)。規定の撮影枚数になった場合は、第1画素領域61と第2画素領域とから基準信号を読み出して列に沿った画素からの信号を補正する。このとき第1画素領域62からの基準信号の読み出しに近いタイミングの行単位の読み出しで得られた第2画素領域61の基準画素P’を補正に使うとよい。補正は、第1画素領域62と第2画素領域61とから読み出された基準信号の値に応じて、列における有効画素の位置の基づいた補正係数を求めて列毎に行われる(S13)。補正処理は、例えば、補正係数を、補正係数に対応する位置の画像信号に対して演算して行う。
上記の列の補正の例では、第1画素領域62から得る基準信号は通常の行単位の読み出し時に得られた画素信号としたが、所定枚数の撮像が終了後に複数回、第1画素領域62の基準画素P’から基準となる信号を読み出してもよい。所定数のフレームの撮像の最初に読み出して記憶した信号であってよい。第1画素領域の所定の同一行に基準画素P’を並べて配置しておくと読み出しと補正係数の算出が簡単になる。また、第1画素領域と第2画素領域からの基準信号の読み出し回数をN回とすると、Nが多いほど統計的な確度が上がるので精度も向上しうる。
補正係数は、システム制御装置101により、N回求めた第1画素領域62の基準信号と第2画素領域61の基準信号との差分をNで割って、列に配置された画素の位置に応じて按分した値や、差分に基づいて列に対する補正曲線を求めて得ることができる。システム制御装置101は得られた補正係数を用いて、撮影された画像に対する補正処理を行う。
システム制御装置101は設定された撮影が終了したかどうか判断し(S15)、終了していないときはS3へ戻り撮影を続ける。
以上のようにして、フレーム毎に変化する半導体基板107のオフセット量の変化であるブロックノイズと、基準電圧の変化によるフリッカノイズは、毎フレーム、第2画素領域61の読み取りを行い、第1画素領域62の行単位の読み取り時に補正をおこなう。縦方向のラインノイズに関してのみ数フレームに1度、補正係数を更新する。補正処理は、FPGAなどのハードウェアに構成することができる。
なお、画像の補正はFPGAに限らない。上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。システム制御装置101上のソフトウェアや、別途接続された不図示の装置で行ってもよい。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
60:信号読出部、61:第2画素領域、62:第1画素領域、107:半導体基板、P:有効画素、P’:基準画素
Claims (13)
- 複数の行及び複数の列を形成するように画素が配置された第1画素領域と、基準となる信号を出力する基準画素が配置された第2画素領域と、前記第1画素領域と前記第2画素領域とから信号を読み出す読出部と、を備えた撮像装置であって、
前記第2画素領域は前記第1画素領域と前記読出部との間に配置され、
前記第1画素領域には、被写体を透過した放射線の強度に応じた電荷を発生する有効画素と基準となる信号を出力する基準画素とが配置されていることを特徴とする撮像装置。 - 前記基準画素は放射線又は光を電荷に変換する変換部と、前記電荷に基づく信号を出力する出力回路とを備え、前記基準となる信号を出力するときは、前記変換部に所定の電位が印加されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記基準画素は放射線又は光を電荷に変換する変換部と、前記電荷に基づく信号を出力する出力回路と、前記変換部と前記出力回路を接続するスイッチと備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記第1画素領域において、少なくとも2つの基準画素が同一行に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第2画素領域には、複数の行及び複数の列を形成するように前記基準画素が配置されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1画素領域に配置された前記基準画素からの信号と、前記第2画素領域に配置された前記基準画素からの信号に基づいて、前記第1画素領域に配置された有効画素からの信号を補正する第1補正処理を行う制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1補正処理は所定の列に配置された前記基準画素からの信号に基づいて、前記所定の列に配置された前記有効画素からの信号を補正することを含む請求項6に記載の撮像装置。
- 前記第1補正処理は所定枚数の撮像毎に行われることを特徴とする請求項6又は7に記載の撮像装置。
- 前記第1補正処理は前記第1画素領域に配置された前記基準画素と前記第2画素領域に配置された前記基準画素との間の間隔に基づいておこなわれることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記制御部は、前記第2画素領域に配置された前記基準画素からの信号に基づいて前記有効画素からの信号を補正する第2補正処理をおこなうことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第2補正処理は前記第1画素領域から行毎に信号を読み出す毎におこなわれることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
- 前記第2補正処理は、行毎の信号の読み出しの間に読み出された前記第2画素領域に配置された前記基準画素からの信号に基づいておこなわれることを特徴とする請求項10又は11に記載の撮像装置。
- 基台と、
請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像装置を前記基台に複数個配置した
ことを特徴とする撮像パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021030624A JP2022131603A (ja) | 2021-02-26 | 2021-02-26 | 撮像装置及び撮像パネル |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022131603A true JP2022131603A (ja) | 2022-09-07 |
Family
ID=83153407
Family Applications (1)
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JP2021030624A Pending JP2022131603A (ja) | 2021-02-26 | 2021-02-26 | 撮像装置及び撮像パネル |
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-
2021
- 2021-02-26 JP JP2021030624A patent/JP2022131603A/ja active Pending
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