JP6912042B2 - 熱伝導式センサ - Google Patents
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Description
(全体構成)
図1に示す熱伝導式センサ1は、センサ本体2として、順に積層された底面基板10、センサ素子保持基板11、流路形成基板12、上面基板13を備える。熱伝導式センサ1は、センサ本体2の一端に気体入口4と、前記一端に対向した他端に気体出口5と、気体入口4から前記センサ本体2内部を通って気体出口5へ繋ぐ気体流路6とを備えるフローセルである。これらの基板は、セラミック基板、ガラスエポキシ基板、又はポリイミドシート基板であってよく、好ましくはセラミック基板である。測定対象は空気、排ガス等の気体であるが、霧状の液体、煙霧状の微小固体が含まれていてもよい。該気体は、気体入口4から入って、気体流路6を通って、気体出口5から出る。
底面基板10及び上面基板13の加工は、例えばセラミック基板のグリーンシート上にPt、Pt−Pd合金、Ag−Pd合金等の白金系又は銀パラジウム系発熱体ペーストを所定のパターンに印刷し、基板とヒータを同時焼成して行うことができる。
次に、上記熱伝導式センサ1の作用及び効果について説明する。熱伝導式センサ1は、例えば500℃に加熱された白金製熱伝導式センサ素子から雰囲気への熱伝導が雰囲気の湿度に応じて変化することを利用して気体中の絶対湿度、即ち空気の単位体積当たりの水蒸気の質量(g/m3)を測定するのに適する。気体中の湿度が高くなると熱伝導式センサ素子から気体への熱伝導性が高くなるので、第1及び第2熱伝導式センサ素子16、17に流す電流が一定の場合には、第1及び第2熱伝導式センサ素子16、17の温度が下がって出力電圧が低くなる。一方、気体中の湿度が低くなると熱伝導式センサ素子から気体への熱伝導性が低くなるので、第1及び第2熱伝導式センサ素子16、17に流す電流が一定の場合には、第1及び第2熱伝導式センサ素子16、17の温度が高くなり、出力電圧が高くなる。
上記実施形態の場合、センサ本体2が順に積層された底面基板10、センサ素子保持基板11、流路形成基板12、上面基板13を備える場合について説明したが、本発明はこれに限らない。センサ本体2は壁面で囲まれた気体流路を備える任意の形態であってよい。例えばセラミック製、金属製の筒状体、箱状体、又はこれらと基板との複合体であってよい。例えば筒状体である場合、該筒状体の一の端面の略中央部に気体入口4と、該端面に対向する他の端面に気体出口5と、該筒状体内部に第1熱伝導式センサ素子16、第2熱伝導式センサ素子17、及び第1発熱手段18を気体流路6に略直交して保持するための保持手段と、該内部下部に第2発熱手段19と、該内部上部に第3発熱手段20とを備えることとしてもよい。
第2実施形態のセンサ素子保持基板について説明する。図8に示すセンサ素子保持基板としてのMEMS(Micro Electro Mechanical System:微小電気機械システム)チップ保持基板50は、MEMSチップ51を備える。
(1)表面に熱酸化膜を有するSOI基板上の、第1熱伝導式センサ素子61、第2熱伝導式センサ素子62、及び、第1発熱手段63の各形成部位にレジストパターンを形成した後、ウェット又はドライエッチングにより各形成部位と第1溝部60の一部を形成する。さらに、レジストパターンを剥離した後、エッチングにより垂直面に露出するシリコン表面を保護するために、再度熱酸化膜を形成する。
(2)第1熱伝導式センサ素子61、第2熱伝導式センサ素子62、及び、第1発熱手段63を、例えばPt、Ni、及びCuからなる群より選ばれる金属のスパッタ膜により形成する。又は、第1熱伝導式センサ素子61及び第2熱伝導式センサ素子62を、半導体拡散抵抗体で構成したブリッジヒータ上にPN接合ダイオードからなる温度センサを搭載することによって形成し、第1発熱手段63として半導体拡散抵抗体ヒータを形成する。
(3)定法に従いスルーホール及び電極パッドを形成する。
(4)埋め込み酸化膜層をウェットエッチングした後、アルカリ性エッチング液を用いてシリコン支持層に対して異方性エッチングを行い、第1溝部60の残りの部分を形成する。
第3実施形態に係るセンサ素子保持基板について説明する。図10に示すセンサ素子保持基板としてのMEMSチップ保持基板70は、MEMSチップ71を保持すると共に、裏側に第1ブリッジヒータ保持基板72が積層される。
2 センサ本体
4 気体入口
5 気体出口
6 気体流路
10 底面基板
11 センサ素子保持基板
12 流路形成基板
13 上面基板
16 第1熱伝導式センサ素子
17 第2熱伝導式センサ素子
18 第1発熱手段
19 第2発熱手段
20 第3発熱手段
29 第1溝部
30 第1開口部
33 第2溝部
34 第2開口部
42 熱均一化基板
44 ブリッジヒータ
51、71 MEMSチップ(微小電気機械システムチップ)
61 第1熱伝導式センサ素子
62 第2熱伝導式センサ素子
63 第1発熱手段
77、77 ブリッジヒータ
Claims (12)
- フローセル型の熱伝導式センサであって、
順に積層された底面基板、センサ素子保持基板、流路形成基板、及び上面基板を有するセンサ本体と、
前記センサ本体の一端に気体入口と、
前記一端に対向した他端に気体出口と、
前記センサ素子保持基板の前記流路形成基板側の面に設けられ、前記センサ素子保持基板の気体入口側端部と気体出口側端部とを結ぶ第1溝部と、前記流路形成基板の前記センサ素子保持基板側の面の、前記第1溝部に対応する箇所に設けられた第2溝部と、により形成され、前記気体入口から前記センサ本体内部を通って前記気体出口へ繋ぐ気体流路と、
前記第1溝部の前記気体入口側に架橋支持又は片持ち支持された第1熱伝導式センサ素子と、
前記第1溝部の前記気体出口側に架橋支持又は片持ち支持された第2熱伝導式センサ素子と、
前記第1熱伝導式センサ素子と前記第2熱伝導式センサ素子との間に架橋支持又は片持ち支持され、前記気体流路及び前記気体流路内の気体を直接加熱する第1発熱手段と、
前記底面基板の前記センサ素子保持基板側の面を覆うように設けられた第2発熱手段と、
前記上面基板の前記センサ素子保持基板側の面を覆うように設けられた第3発熱手段と、
を備えることを特徴とする熱伝導式センサ。 - 前記第2発熱手段が前記底面基板と一体化されており、前記第3発熱手段が前記上面基板と一体化されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導式センサ。
- 前記センサ素子保持基板と前記底面基板の間、及び前記流路形成基板と前記上面基板の間の少なくとも一方に、熱均一化基板を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の熱伝導式センサ。
- 前記センサ素子保持基板の直下、及び前記流路形成基板の直上の少なくとも一方に、ブリッジヒータを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の熱伝導式センサ。
- 前記第1発熱手段がニクロム又はカンタルからなり、前記第2発熱手段、前記第3発熱手段が、白金系又は銀パラジウム系発熱体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の熱伝導式センサ。
- 前記第1熱伝導式センサ素子及び前記第2熱伝導式センサ素子が、Pt、Ni、及びCuからなる群より選ばれる金属の細線からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の熱伝導式センサ。
- 前記センサ素子保持基板は、微小電気機械システムチップを保持しており、
前記微小電気機械システムチップは、前記第1溝部と、前記第1熱伝導式センサ素子と、前記第2熱伝導式センサ素子と、前記第1発熱手段とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の熱伝導式センサ。 - 前記第2発熱手段が前記底面基板と一体化されており、前記第3発熱手段が前記上面基板と一体化されていることを特徴とする請求項7記載の熱伝導式センサ。
- 前記センサ素子保持基板と前記底面基板の間、及び前記流路形成基板と前記上面基板の間の少なくとも一方に、熱均一化基板を備えることを特徴とする請求項7又は8記載の熱伝導式センサ。
- 前記センサ素子保持基板の直下であって、前記微小電気機械システムチップを挟んで気体入口側と気体出口側とにブリッジヒータを備えることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項記載の熱伝導式センサ。
- 前記第1熱伝導式センサ素子及び前記第2熱伝導式センサ素子及び前記第1発熱手段が、Pt、Ni、及びCuからなる群より選ばれる金属のスパッタ膜からなることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項記載の熱伝導式センサ。
- 前記第1熱伝導式センサ素子及び前記第2熱伝導式センサ素子が、半導体拡散抵抗体で構成されたブリッジヒータ上にPN接合ダイオードを搭載した熱伝導式センサ素子からなり、前記第1発熱手段が半導体拡散抵抗体で構成されたブリッジヒータからなることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項記載の熱伝導式センサ。
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