JP6911889B2 - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透明性を有し、水蒸気や酸素などに対するガスバリア性に優れ、菓子・生活用品・電子部品・医薬品等、高い防湿性を必要とされる用途として好適なガスバリア性積層フィルムに関する。
従来、ガスバリア性フィルムとしてプラスチックフィルムの表面にアルミニウムなどの金属薄膜、酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの無機酸化物の薄膜を積層させたフィルムが知られていた。なかでも、酸化ケイ素や酸化アルミニウム、これらの混合物などの無機酸化物の薄膜を積層させたフィルムは、透明であり内容物の確認が可能であることから食品・生活用品・電子部品・医薬品等の包装用用途で広く用いられている。(例えば、特許文献1参照)
これらの無機薄膜は薄膜形成の工程でピンホールやクラック等が発生し易く、さらに加工工程において無機薄膜層がひび割れてクラックが発生し、期待通りの十分なガスバリア性は得られていない。
また、プラスチックフィルムの表面に樹脂組成物をコートすることによるガスバリア性フィルムも多く提案されている。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと示す)やエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと示す)はそれ自体高い酸素バリア性を持ちガスバリアコート剤として実用化され、既知の技術として広く知られている(例えば、特許文献2参照)がガスバリア性は得られていない。
そこで、蒸着フィルムのバリア性不足をガスバリア樹脂で補う目的で上記のようなビニルアルコール系樹脂、特にPVAのようなバリア樹脂を無機薄膜層上に組合せて積層されたが、十分な水蒸気バリア性が発現しなかった。これはPVAのガスバリア性が湿度に依存し、高湿度下ではガスバリア性が著しく低下するためであると考えられた。
そこでさらに、無機薄膜層の上にPVAよりもガスバリア性の湿度依存性のより小さなEVOHをコートしたガスバリア性フィルムも提案されている(例えば、特許文献3、4参照)が、年々ユーザーのバリア性に対する品質要求、特に防湿性の性能向上が求められているため、現状の性能では十分満足できない状況である。
特許2929609号公報 特開平7−80986号公報 特開2005−349769号公報 特開2008−297527号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、従来の蒸着フィルムでは得られなかった高度な防湿性を必要とする菓子・生活用品・電子部品・医薬品等の包装用途に用いることができるガスバリア性積層フィルムおよびガスバリア性包装袋を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
基材フィルムの少なくとも一方の表面に無機薄膜層、ガスバリア性樹脂組成物層を積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、該ガスバリア性樹脂組成物層がポリビニルアルコール又はブテンジオール・ビニルアルコール共重合体を含み、該無機薄膜層を積層した基材フィルムの水蒸気透過度が40℃、90%RHにおいて、0.9g/m・d以下であり、且つ該ガスバリア性樹脂組成物層は40℃、35%RH時と40℃、90%RH時の水蒸気バリア性の比が15〜100倍となる湿度依存性の高いものからなることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
また、この場合において、前記ガスバリア性樹脂層に添加される添加剤が水素結合性基用架橋剤を少なくとも1種類以上含むことが好適である。
さらにまた、この場合において、前記無機薄膜層が酸化ケイ素および酸化アルムニウムを含む多元系無機酸化物を少なくとも1種類以上含有することが好適である。
さらにまた、この場合において、前記のいずれかのガスバリア性積層フィルムを袋の外側から基材フィルム層、無機薄膜層、ガスバリア性樹脂組成物層の順になるように配置されたガスバリア性包装袋。
本発明により、従来のものよりも水蒸気、酸素などに対するガスバリア性、特に高湿度下での防湿性を持ったガスバリア性積層フィルムが得られる。
本願発明は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に無機薄膜層、ガスバリア性樹脂組成物層を積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、該無機薄膜層を積層したプラスチックフィルムの水蒸気透過度が40℃、90%RH時、0.9g/m・d以下であり、且つ該ガスバリア性樹脂組成物は40℃、35%RH時と40℃、90%RH時の水蒸気バリア性の比が15〜100倍となる湿度依存性の高いものからなることを特徴とするガスバリア性積層フィルムであるが、以下に各構成要素について詳述する。
1.基材フィルム
本発明で用いる基材フィルムは、有機高分子からなり、溶融押出し後、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムである。有機高分子としては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12などで代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどで代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどで代表されるポリオレフィンの他、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸などを挙げることができる。
また本発明における基材フィルムは、積層型フィルムであってもよい。積層型フィルムとする場合の各層の種類、積層数、積層方法等は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
また基材フィルムには他の有機重合体を少量共重合したり、ブレンドしたりしてもよい。基材フィルムの製造方法については、共押出し法、キャスト法など、既存の方法を使用することができる。
これらの中でも、好ましいポリアミドの具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ‐ε‐アミノへプタン酸(ナイロン7)、ポリ‐ε‐アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2・6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4・6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6・6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6・12)、ポリオクタメチレンドデカミド(ナイロン6・12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8・6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10・6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10・10)、ポリドデカメチレンドデカミド(ナイロン12・12)、メタキシレンジアミン‐6ナイロン(MXD6)などを挙げることができ、これらを主成分とする共重合体であってもよく、その例としては、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体などを挙げることができる。これらのポリアミドには、フィルムの柔軟性改質成分として、芳香族スルホンアミド類、p‐ヒドロキシ安息香酸、エステル類などの可塑剤や低弾性率のエラストマー成分やラクタム類を配合することも有効である。
また、好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレートなどが用いられるが、これらを主成分とする共重合体であっても良く、ポリエステル共重合体を用いる場合、そのジカルボン酸成分の主成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸又は2,6‐ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸及びピロメリット酸などの多官能カルボン酸の他にアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが用いられる。
また、グリコール成分の主成分としてはエチレングリコール又は1,4‐ブタンジオールが用いられるが、他にジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、p‐キシリレングリコールなどの芳香族グリコール、1,4‐シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコールなども用いることができる。
ポリエステル中の好ましい共重合成分の比率は2%以下である。共重合成分が20%を超えるときはフィルム強度、透明性、耐熱性などが劣る場合がある。
さらに上記の有機高分子には、公知の添加物,例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、などを添加されてもよく、基材フィルムとしての透明度は特に限定するものではないが、透 明性を有する包装材料積層体として使用する場合には、50%以上の透過率をもつものが望ましい。
本発明における基材フィルムは、本発明の目的を損なわないかぎりにおいて、薄膜層を積層するに先行して、前記基材フィルムをコロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、表面粗面化処理等の表面処理を施しても良く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されても良い。本発明におけるプラスチックフィルムは、その厚さとして1〜500μmの範囲が望ましく、さらに好ましくは2〜300μmの範囲で、最も好ましくは3〜100μmである。
2.無機薄膜層
本発明における無機薄膜層を形成する材料としては金属薄膜の場合はマグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、インジウムなど薄膜にできるものなら特に制限はないが、コスト等の点で、より好ましくはアルミニウムである。
本発明における無機薄膜層は上記金属薄膜に加え、無機酸化物薄膜が挙げられる。例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜にできるものなら特に制限はないが、好ましくは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムであり、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜の方がガスバリア性に優れる。その理由としては、多元系無機酸化物薄膜は薄膜中の無機物の比率により膜のフレキシブル性・バリア性を変化させることが可能であり、性能バランスの取れた、良好な薄膜を得ることができるためである。また酸化ケイ素および酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜と接着剤層との間において高い密着力が得られやすく、ヒートシール性樹脂層が剥離しにくいからである。
ここでいう、酸化ケイ素および酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜とは、無機酸化物からそれ自体公知の方法で形成された薄膜であって、無機酸化物とは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜化できる無機酸化物であれば特に制限はないが、好ましい無機酸化物は酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素を含む多元系無機酸化物薄膜、より好ましくは酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる二元系無機酸化物薄膜である。
ここでいう酸化ケイ素とはSi、SiOやSiOなどの各種珪素酸化物の混合物からなり、酸化アルミニウムとは、AlOやAlなどの各種アルミニウム酸化物の混合物からなり、各酸化物内における酸素の結合量はそれぞれの製造条件によって異なってくる。
酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる二元系無機酸化物薄膜の比重を、薄膜の比重と薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(質量%)D=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミニウムの含有量)という関係式であらわすとき、b値が1.2〜2.2であるのが好ましく、さらに好ましくは1.7〜2.1である。
また、二元系無機酸化物薄膜の比重の値が、無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(質量%)との関係を、D=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミニウムの質量%)で示すとき、b値が1.6よりも小さい領域のときには、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の構造が粗となり、また、b値が2.2よりも大きい領域の場合、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜が硬くなる傾向にある。
二元系無機酸化物薄膜中に占める酸化アルミニウムの含有量は、20〜99質量%であるのが好ましく、20〜75重量%であるのがより好ましい。
二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの含有量が20質量%未満になると、ガスバリア性が必ずしも十分ではなくなり、二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウム量が99質量%を超えると、蒸着膜の柔軟性が低下し、ガスバリア性積層体の曲げや寸法変化に比較的弱く、二者併用の効果が低下するといった問題が生じることがある。
本発明において、無機薄膜層の膜厚は、通常1〜50nm、好ましくは5〜30nmである。膜厚が1nm未満では満足のいくガスバリア性が得られ難く、また、50nmを超えて過度に厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上の効果は得られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利となる。
無機薄膜層を形成する典型的な製法を酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の形成により説明すると、蒸着法による薄膜形成法としては真空加熱蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法、あるいはCVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiOとAlの混合物、あるいはSiOとAlの混合物などが用いられる。加熱には、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱などを採用することができ、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気などを導入したり、オゾン添加、イオンアシストなどの手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。さらに、プラスチックフィルムにバイアスを印加したり、プラスチックフィルムを加熱したり冷却するなど、成膜条件も任意に変更することができる。上記蒸着材料、反応ガス、基板バイアス、加熱・冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能である。
フィルムに無機薄膜層を積層したプラスチックフィルムの水蒸気透過度が40℃、90%RH時、0.9g/m・d以下であることが必要であり、40℃、90%RH時水蒸気透過度が0.9g/m・dより大きい場合には、防湿性が十分でない。この理由についてはガスバリア性樹脂組成物層のところで説明する。
3.ガスバリア性樹脂組成物層
本発明におけるガスバリア性樹脂組成物層は、ガスバリア性樹脂としてPVAあるいはBVOHを使用するのが好ましく、さらに添加剤を含有するガスバリア性樹脂組成物からなることが好ましい。
(1)ガスバリア性樹脂
従来、PVAやBVOHはそれ自体高い酸素バリア性を持っていることが知られており、酸素バリア性樹脂としては広く利用されてきたが、高湿度下の水蒸気バリア性は乏しく、防湿性を発現するバリア性樹脂としては不向きとされてきた。
これらはEVOHよりも水蒸気バリア性の湿度依存は高く、高湿度下の水蒸気バリア性は非常に悪い。しかし、低湿度下の水蒸気バリア性はむしろ非常に高いことに逆に着目し、水蒸気バリア性の良い無機薄膜層との組み合わせ、さらに無機薄膜層とは反対の側も低湿度下となるようにガスバリア性樹脂を含む層を配置させることで、意外なことに水蒸気バリア性の湿度依存が低いバリア性樹脂を使用するよりも、非常に高い防湿性を発揮することを見出した。
これは水蒸気バリア性の良い無機薄膜層により多くの水分が止められる為にその次に配置するバリア性樹脂層は低湿度環境になる為であると考えられる。
BVOHにおいてはPVAと同様の湿度依存性が高いという特徴を示し、しかもさらには低温時の溶液安定性がPVAよりも高く、コート剤として用いる際の生産時の安定性は非常に良いという点でより好ましい。
PVAやBVOHがEVOHよりも高湿度時に水蒸気バリア性が良くない理由としては、OH基の量に関係するのだと考えている。OH基の量が多いということはそれだけ水素結合部分が多くできると予想される。また、水素結合部はガスの透過には大きく影響すると考えており、水素結合部が多いほどガスの透過は抑えられる。しかしながら、水素結合部は水が入ると切れてしまう為、多量の水がくる高湿度時にはガスバリア性は低下すると予想される。PVAやBVOHはEVOHに比べてOH基の量が多いため、低湿度時には高いバリア性を発揮するが、高湿度時のバリア性は良くない。
ここで言う湿度依存性が高いとはガスバリア性樹脂組成物層の40℃、35%RH時と40℃、90%RH時の水蒸気バリア性の比が15〜100倍となる湿度依存性の高いことを意味する。
このときのガスバリア性樹脂組成物層の湿度依存性は、以下のようにして測定して得られた値である。
まず、ガスバリア性樹脂組成物を2軸延伸PETフィルム上にバーコートによってドライコート厚みが1μmになるように積層して、ガスバリア樹脂組成物層積層フィルムを作成する。この積層フィルムを水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W3/33MG MOCON社製)にガスバリア性樹脂組成物層の面が測定機の調湿ガスが流れる側になるように設置し、JIS K7126 B法に準じて、温度40℃、湿度35%RHの雰囲気下でWVTRを測定した値(a)と温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下でWVTRを測定した値(b)を求める。なお、この積層フィルムへの調湿はガスバリア性樹脂組成物層側から基材フィルム側へ水蒸気が透過する方向とし、4時間実施した。
得られた結果を用いて以下の式に当てはめてガスバリア樹脂組成物層の湿度依存性の目安とした。
ガスバリア樹脂組成物層の湿度依存性 =(b)/(a)
本発明において用いるガスバリア性樹脂の一例である、ブテンジオール・ビニルアルコール共重合体(BVOH)としては、具体的には日本合成化学工業製のニチゴーGポリマー(けん化度99.5mol%以上、平均重合度300以上、融点185℃以上、MFR3.0g/10min以上)などが好ましい。
PVAとしては、具体的にはクラレ製のポバール(けん化度98.0mol%以上、平均重合度300以上のものが好ましい。
(2)添加剤
本発明では、ガスバリア性樹脂組成物層に添加剤として架橋剤を少なくとも一種を含有させてもよく、ガスバリア性樹脂組成物100質量%に対して、架橋剤が0.3〜20質量%添加されていることが好ましい。より好ましくは0.5〜18質量%であり、さらに好ましくは5〜18質量%である。
架橋剤としては水素結合性用架橋剤が好ましく、少なくとも1種類以上含んでいることが好ましい。
(水素結合用架橋剤)
水素結合性基用架橋剤としては、水溶性ジルコニウム化合物、水溶性チタン化合物などが挙げられる。水溶性ジルコニウム化合物は、具体的に塩酸化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、乳酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、等が例示でき、塗布凝集力の向上による耐水性及びラミネート用ガスバリア性コーティング組成物の安定性の点から、塩酸化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムが好ましく、特に塩酸化ジルコニウムが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性チタン化合物は、チタン化合物の一例はチタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、ジイソプロポキシチタン(トリエタノールアミネート)、ジ−n−ブトキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)等であり、ジルコニウム化合物の一例はモノヒドロキシトリス(ラクテート)ジルコニウムアンモニウム、テトラキス(ラクテート)ジルコニウムアンモニウム、モニヒドロキシトリス(スレート)ジルコニウムアンモニウム等であるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(3)積層方法
ガスバリア性樹脂組成物層を無機薄膜層上に積層させる方法としては、ガスバリア性樹脂組成物の各材料を溶媒に溶解・分散させた塗工液を無機薄膜層を有するフィルムの無機薄膜層上に塗工する方法、ガスバリア性樹脂組成物を溶融して無機薄膜層を有するフィルムの無機薄膜層上に押し出してラミネートする方法、ガスバリア性樹脂組成物のフィルムを別途作成してこれを無機薄膜層を有するフィルムの無機薄膜層上に接着剤等で貼り合わせる方法が挙げられる。中でも、塗工による方法が簡便性、生産性等の面から好ましい。
以下、好ましい積層方法として、ガスバリア性樹脂組成物の各材料を溶媒に溶解・分散させた塗工液を無機薄膜層を有するフィルムの無機薄膜層上に塗工する方法について記載する。
ガスバリア性樹脂組成物の溶媒(溶剤)としては、PVA、BVOHを溶解し得る水性及び非水性のどちらの溶剤でも使用できるが、水もしくは水とイソプロピルアルコールとの混合溶剤を用いることが好ましい。塗工の方式は、グラビアコート、バーコート、ダイコート、スプレーコートなど従来の物が塗液の特性に合わせて採用することができる。
(4)ガスバリア性樹脂組成物層の厚み
ガスバリア性樹脂組成物層の厚み(μm)は好ましくは0.01〜0.70μmであり、より好ましくは0.05〜0.50μmであり、特に好ましくは0.08〜0.50μmである。0.01μm未満であるとガスバリア性が低下し、0.70μmを超えるとコート時に乾燥不足が生じて、作成したロールでブロッキングなどの不具合が生じたり、ガスバリア性樹脂組成物層が脆くなりラミネート強度が低下する恐れがある。
(5)ガスバリア性樹脂組成物層の乾燥条件
ガスバリア性樹脂組成物の塗工液のコート後の乾燥温度は好ましくは100〜200℃であり、より好ましくは130〜200℃であり、さらに好ましくは150〜200℃である。100℃未満であるとコート層の乾燥不足が生じて、作成したロールでブロッキングなどの不具合が生じる。またガスバリア性樹脂組成物層が脆くなりラミネート強度が低下する。
一方、200℃を超えるとフィルムに熱がかかりすぎてしまい基材フィルムが脆くなったり、収縮してしまい加工性が悪くなってしまう。
(6)ガスバリア性積層フィルムの積層順
該ガスバリア性積層フィルムの防湿性を発現する為には、高湿側から基材フィルム層、無機薄膜層、ガスバリア性樹脂組成物層の順に配置することが必要である。湿度依存性の大きいガスバリア性樹脂組成物層よりも高湿側に無機薄膜層を配置することでガスバリア性樹脂組成物層が高湿度下になることによるバリア性の低下を防ぐことができる。
またこのとき、無機薄膜層を積層した基材フィルムの40℃、90%RH時の水蒸気透過度が0.9g/m・d以下である必要がある。
なお、この時のガスバリア性測定方法は以下の通りである。
(7)水蒸気透過度
上記の無機薄膜層を積層した基材フィルムまたは、基材フィルム、無機薄膜層およびガスバリア性樹脂組成物層を積層したガスバリア性積層フィルムを水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W3/33MG MOCON社製)にガスバリア性積層フィルムの基材フィルムの面が測定機の調湿ガスが流れる側になるように設置し、JIS K7126 B法に準じて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。なお、ガスバリア性積層フィルムへの調湿は、フィルム基材側からガスバリア性樹脂組成物層側(又は無機薄膜層側)へ水蒸気が透過する方向とし、4時間実施した。
本発明のガスバリア性積層フィルムは食品包装用途を初め、様々な用途に用いることができ、それに合わせてさらに、ヒートシール層、印刷層、他の樹脂フィルム、これらの層を接着するための接着剤層等、他の素材と積層することが出来る。積層の際には、本発明のガスバリア性積層フィルムの上に直接溶融押し出しラミネートする方法、コーティングによる方法、フィルム同士を直接または接着剤を介してラミネートする方法など、公知の手段を採用することが出来る。
また、高いガスバリア性が求められる場合には、本発明のガスバリア性積層フィルムを2枚以上積層することもできる。また、ガスバリア性樹脂組成物層の上にさらに無機蒸着層を設けたり、さらにその上にガスバリア性樹脂組成物層を設けるなど、交互に積層しても良い。さらには、基材フィルムの両面に無機蒸着層とガスバリア性樹脂組成物層および必要に応じてアンカー層等を設けても良い。
例えば、防湿性を必要とする菓子・生活用品・電子部品・医薬品等の蓋材や包装袋として用いる場合には、ガスバリア性樹脂組成物層の上にポリエチレンやポリプロピレンなどのヒートシール層を設けることが好ましい。また、ガスバリア性樹脂層とヒートシール層の間に他の樹脂フィルムを積層しても良い。他の樹脂フィルムとしては基材フィルムとして挙げたような樹脂フィルムを用いることができる。これらの積層の際には接着剤を介して積層することができる。
特に容器や包装袋の内部に乾燥剤などの水分を吸着する材料を設置するのが好ましい使用形態である。
本発明のガスバリア性積層フィルムは高湿となる外側から順に基材フィルム、無機薄膜層、ガスバリア性樹脂組成物層と配置となるような、内容物を外部の湿気から保護する包装袋に使用するのが特に有効である。
以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方法は以下の通りである。
(1)無機薄膜積層フィルムの酸素透過度
無機薄膜積層フィルムを酸素透過度測定装置(OX−TRAN 2/20 MOCON社製)に無機薄膜積層フィルムの基材フィルムの面が測定機の酸素ガスが流れる側になるように設置し、JIS K7126−2法に準じて、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下で酸素透過度を測定した。なお、無機薄膜積層フィルムへの調湿は、無機薄膜積層側、フィルム基材側いずれも湿度65%RHにして、4時間実施した。
(2)溶液安定性
各溶液を5℃、50%RHの低温環境下へ保管し、溶液の安定性を評価した。なお、評価にはアネスト岩田社製の「岩田粘度カップNK−2」を用いて経時での増粘の程度を簡易的に評価した。
(3)ガスバリア性樹脂組成物層の水蒸気透過度の湿度依存性
ガスバリア性樹脂組成物を2軸延伸PETフィルム上にバーコートによってドライコート厚み約1μmになるように積層してガスバリア樹脂組成物層積層フィルムを作成する。
この積層フィルムを水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W3/33MG MOCON社製)にガスバリア性樹脂組成物層の面が測定機の調湿ガスが流れる側になるように設置し、JIS K7126 B法に準じて、を用い、温度40℃、湿度35%RHの雰囲気下でWVTRを測定した値(a)と温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下でWVTRを測定した値(b)を求める。なお、ガスバリア性積層フィルムへの調湿は、ガスバリア性樹脂組成物層側からフィルム基材側へ水蒸気が透過する方向とし、4時間実施した。
得られた値を用いて以下の式に当てはめてガスバリア樹脂組成物層の湿度依存性の目安とした。 ガスバリア樹脂組成物層の湿度依存性 =(b)/(a)
(4)ガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度
実施例・比較例で得られたガスバリア性積層フィルムを水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W3/33MG MOCON社製)にガスバリア性積層フィルムの基材フィルムの面が測定機の調湿ガスが流れる側になるように設置し、JIS K7126 B法に準じて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。なお、ガスバリア性積層フィルムへの調湿は、フィルム基材層側からガスバリア性樹脂組成物層側に水蒸気が透過する方向とし、4時間実施した。
(5)製袋品での防湿性評価
上記(7)に示すラミネートガスバリア性積層フィルムを用いて三方をシールした約100mm四方の袋を作成した。この袋の中へは吸湿により変色する東洋濾紙社製の「乾燥度試験紙 商品コード08020510」を封入し、45℃、80%RHの環境下へ保管、経時で試験紙の変色程度を観察して袋の防湿性を評価した。
(ガスバリア性樹脂組成物層を形成するための塗工液の調製)
以下に実施例、比較例で使用するガスバリア性樹脂組成物層を形成するための塗工液の調製について説明する。
<ブテンジオール・ビニルアルコール共重合体溶液の調製>
精製水90質量部の溶媒に、ブテンジオール・ビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業社製、商品名:ニチゴーGポリマー(けん化度99.5mol%以上、平均重合度300)、以下、BVOHと略記)10質量部を加え、攪拌しながら80℃に加温し、その後約2時間攪拌させた。その後、常温になるまで冷却し、これにより固形分10%のほぼ透明なブテンジオール・ビニルアルコール共重合体溶液(BVOH溶液)を得た。
<ポリビニルアルコール樹脂溶液の調製>
精製水90質量部に、完全けん化ポリビニルアルコール樹脂(クラレ社製、商品名:クラレポバール PVA105、(けん化度98.0−99.0mol%、平均重合度500)、以下、PVAと略記)10質量部を加え、攪拌しながら80℃に加温し、その後約2時間攪拌させた。その後、常温になるまで冷却し、これにより固形分10%のほぼ透明なポリビニルアルコール溶液(PVA溶液)を得た。
<エチレン−ビニルアルコール系共重合体溶液の調製>
精製水22.496質量部とn−プロピルアルコール(NPA)54.5質量部の混合溶媒に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合成化学社製、商品名:ソアノール V2603、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得られた重合体、(エチレン比率26モル%、酢酸ビニル成分のケン化度約100%)、以下、EVOHと略記)10質量部を加え、更に濃度が30%の過酸化水素水13質量部とFeSOの0.004質量部を添加して攪拌下で80℃に加温し、約2時間反応させた。その後冷却してカタラーゼを3000ppmになるように添加し、残存過酸化水素を除去し、これにより固形分10%のほぼ透明なエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液(EVOH溶液)を得た。
<添加剤>
炭酸ジルコニルアンモニウム(第一稀元素化学社製、商品名 ジルコゾールAC−7、固形分約30%)
チタンラクテート(松本製薬工業社製、商品名 オルガチックス TC−310、固形分約45%)
<実施例1のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液の調製>
BVOH溶液98.50質量部に対して、チタンラクテート(松本製薬工業社製、商品名 オルガチックス TC−310)1.50質量部添加し、充分に攪拌混合して、固形分約10%の実施例1のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
<実施例2のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液の調製>
BVOH溶液98.50質量部に対して、ジルコニウム化合物(第一稀元素化学社製、商品名 ジルコゾールAC−7、固形分約30%)1.50質量部添加し、充分に攪拌混合して、固形分約10%の実施例2のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
<実施例3のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液の調製>
BVOH溶液100質量部作成して、固形分約10%の実施例3のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
<比較例1のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液の調製>
BVOH溶液98.50質量部に対して、チタンラクテート(松本製薬工業社製、商品名 オルガチックス TC−310)1.50質量部添加し、充分に攪拌混合して、固形分約10%の比較例1のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
<比較例2のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液の調製>
PVA溶液97質量部に対して、塩酸化ジルコニウムの0.75質量部と、混合溶剤A2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分10%の比較例2のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
<比較例3のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液の調製>
EVOH溶液97質量部に対して、塩酸化ジルコニウム0.75質量部と、n−プロピルアルコール(NPA)60質量%からなる混合溶剤(以後、混合溶剤Aと記載)2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分約10%の比較例3のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
<比較例4のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液の調製>
EVOH溶液97質量部に対して、塩酸化ジルコニウム0.75質量部と、n−プロピルアルコール(NPA)60質量%からなる混合溶剤(以後、混合溶剤Aと記載)2.25質量部とを添加し混合攪拌を行い、それを255メッシュのフィルターにて濾過し固形分約10%の比較例4のガスバリア性樹脂組成物層形成用塗工液を得た。
(実施例1〜3のガスバリア性積層フィルム)
酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系酸化物無機薄膜層(酸化ケイ素/酸化アルミニウムの比率=40/60)を形成した厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの無機薄膜層上に、実施例1〜3、比較例4のガスバリア性樹脂組成物をグラビアロールコート法によって塗布し、180℃で乾燥させガスバリア性樹脂層を形成し、ガスバリア性積層フィルムを作製した。
なお、ガスバリア性樹脂層の厚みは乾燥後0.25μmであった。
(比較例1〜4のガスバリア性積層フィルム)
酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系酸化物無機薄膜層(酸化ケイ素/酸化アルミニウムの比率=60/40)を形成した厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの無機薄膜層上に、比較例1〜3のガスバリア性樹脂組成物をグラビアロールコート法によって塗布し、180℃で乾燥させガスバリア性樹脂層を形成し、ガスバリア性積層フィルムを作製した。
なお、ガスバリア性樹脂層の厚みは乾燥後0.25μmであった。
上記結果を表1に示す。
Figure 0006911889
上記結果から、比較例1、2、3では無機薄膜積層フィルムの水蒸気透過度が大きいためガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度が大きく、結果として製袋品での防湿性に劣る結果となった。また、比較例4ではガスバリア性樹脂組成物層の水蒸気透過度の湿度依存性が小さいためガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度が大きく、結果として製袋品での防湿性に劣る結果となった。
本発明により、酸素、水蒸気などに対する高いガスバリア性を持ちながら包装袋として必要最低限のラミネート強度を発現する為の層間接着力を持ったガスバリア性積層フィルムが得られる。また、内容物を外部からの湿度から保護する為の防湿包装用途に適した実用性の高いガスバリア性積層フィルムを安定して生産することができる。本発明のガスバリア性フィルムは、外部からの湿気から保護する為の防湿性を必要とする菓子・生活用品・電子部品・医薬品等の包装用途や真空断熱材などの工業用途にも広く用いることができる。

Claims (3)

  1. 基材フィルムの方の表面に無機薄膜層およびガスバリア性樹脂組成物層をこの順に積層してなるガスバリア性積層フィルムであって、該ガスバリア性樹脂組成物層がテンジオール・ビニルアルコール共重合体を含み、該無機薄膜層は酸化ケイ素および酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜で酸化アルミニウムの含有量が60〜99質量%であり、該無機薄膜層を積層した基材フィルムの、基材フィルム側からガスバリア性樹脂組成物層側へ水蒸気が透過する方向として測定した水蒸気透過度が40℃、90%RHにおいて、0.9g/m・d以下であり、且つ該ガスバリア性樹脂組成物層は40℃、35%RH時と40℃、90%RH時の水蒸気バリア性の比が15〜1倍となる湿度依存性の高いものからなることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
  2. 前記ガスバリア性樹脂組成物層に添加される添加剤が水素結合性基用架橋剤を少なくとも1種類以上含む請求項1に記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載のガスバリア性積層フィルムを袋の外側から基材フィルム層、無機薄膜層、ガスバリア性樹脂組成物層の順になるように配置されたガスバリア性包装袋。
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