JPH09174746A - 透明導電フィルム - Google Patents

透明導電フィルム

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JPH09174746A
JPH09174746A JP7336662A JP33666295A JPH09174746A JP H09174746 A JPH09174746 A JP H09174746A JP 7336662 A JP7336662 A JP 7336662A JP 33666295 A JP33666295 A JP 33666295A JP H09174746 A JPH09174746 A JP H09174746A
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JP
Japan
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layer
transparent conductive
film
metal oxide
conductive film
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Application number
JP7336662A
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English (en)
Inventor
Satoshi Igarashi
聡 五十嵐
Yuuji Tamura
優次 田村
Hiroyuki Fujishima
博行 藤島
Tatsuichiro Kin
辰一郎 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性特に高湿度側でのガスバリア
性、光学特性、各層の密着性、さらには機械的、熱的、
溶剤的影響に対する耐久性を維持しつつ、導電性面の平
滑性、平面性が良好で、表示パネルに用いたときに表示
品位に優れた透明導電フィルム。 【解決手段】 プラスチックフィルムの両面の最外層に
有機樹脂からなる耐溶剤層を有し、その中間位置に金属
酸化物層からなるガスバリア層を有する積層フィルムの
一方の面に透明導電層を設けた透明導電フィルムにおい
て、該プラスチックフィルムが溶液流延法で製膜され
た、膜厚が70〜200μmのプラスチックフィルムで
あり、該金属酸化物層の外側の面に接して特定の有機珪
素化合物の加水分解により生成された重合体からなる中
間層が積層されており、且つ下層としてウレタン系硬化
樹脂層を有するポリビニルアルコール系樹脂層を該中間
位置に備えたことを特徴とする透明導電フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックフィ
ルムに金属酸化物層、有機樹脂層を積層し、その一方の
最外層に透明導電層を設けた透明導電フィルムに関し、
透明性、光学等方性、空気の主な成分である酸素、窒
素、二酸化炭素等の耐透気性、耐水蒸気透過性、各層の
密着性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性が良好で、
液晶表示装置等の表示パネルの透明電極に用いたとき
に、その表示品位に優れ、さらには機械的、熱的、溶剤
的影響を受けても、その表示品質に劣化を起こさないと
いう信頼性の高い透明導電フィルムに関し、液晶表示装
置に好適なもので、その他の光導電性感光体用電極、面
発熱体、有機エレクトロルミネッセンス用電極などにも
利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は、より軽薄化、よ
り大型化という要求に加え、長期信頼性、形状の自由
度、曲面表示等の高度な要求がなされている。特に、ペ
イジャー(ポケットベル)、携帯電話、電子手帳、ペン
入力機器など、携帯して移動する事のできる機器の利用
が普及するにつれ、従来の厚く、重く、割れ易いガラス
基板に変わって、プラスチックフィルムを基板とする液
晶パネルが検討され、一部で実用化し始めている。
【0003】こうしたプラスチック基板は軽薄化の要望
を満たし、特開昭56−130010号公報等に記載さ
れている。
【0004】さらには、耐透気性及び耐水蒸気透過性
(以後纏めて「ガスバリア性」と総称する)を改善した
プラスチック基板も特開昭61−41122号公報や、
特開昭61ー73924号公報、特開平3−9323号
公報等に記載されている。
【0005】しかしながら、特開昭61−41122号
公報、特開平3−9323号公報等に記載されたガスバ
リア性を付与するためのガスバリア層としてポリビニル
アルコール系樹脂層のみを積層したものでは、50%R
H以下の低湿度での耐透気性には優れているものの、そ
れよりも高い湿度例えば90%RHでの耐水蒸気透過性
に劣るという欠点がある。また、このポリビニルアルコ
ール系樹脂層が透明導電層直下、あるいは最外層に設け
られた場合、水系溶液に容易に侵されるという問題もあ
る。このほか、有機系のガスバリア層材料として、ポリ
アクリロニトリルやポリ塩化ビニリデン等があるが、取
り扱い性、対環境面で問題がある。
【0006】一方、特開昭61−183810号公報等
にはガスバリア層として金属酸化物を設けたプラスチッ
ク基板が記載されている。この場合、湿度に殆ど依存し
ないガスバリア性が得られるが、層を厚くすると機械的
特性すなわち、僅かな屈曲でガスバリア層が割れてしま
う等の問題があるため、良好な機械特性を維持したまま
良好なガスバリア性を付与することが困難であった。ま
た、この様な金属酸化物、特に、生産性が良好で好適に
使用される酸化珪素が最外層にある場合、アルカリ水溶
液で容易に浸食されてしまうという欠点がある。
【0007】この様な問題に対して、特開平6−175
143号公報には耐スクラッチ性を向上させるという観
点で、金属酸化物層の上あるいは下に硬化性樹脂を積層
することが開示されている。しかしながら、高度なガス
バリア性と、各層の密着性、アルカリ水溶液を含めた耐
溶剤性については十分に検討がなされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のプラス
チックフィルムを基板とした透明導電性フィルムを液晶
表示パネルの透明電極に用いると、以下の問題がある。
ガスバリア性が劣る場合には、例え電極となる導電層自
体のガスバリア性が高くても、実際に液晶セルとして使
用する場合には電極はエッチングされ、パターンニング
される。そのため、パターンニングにより電極が除去さ
れた部分から空気、水蒸気が浸透し、液晶部に気泡が発
生し、表示不能点となってディスプレーの表示品位を劣
化させてしまう欠点が生ずる。特に車載用等の過酷な条
件下ではこの欠点が容易に発生し大きな問題となる。す
なわち、過酷な条件下でのガスバリア性が要求される。
【0009】また、基板自体の透明性が低い場合や、複
屈折性がある場合も、表示の着色・コントラストの低下
等、ディスプレーの表示品位をさせることになる。表面
の平滑性、平面性が低い場合、液晶層のギャップが均一
でなくなる上、液晶配向にもムラが生じたり、基板自体
も光学的なムラが発生するために、表示色にムラが生じ
る上、均一な電圧透過率特性を示さなくなる。
【0010】さらには、機械的、熱的、溶剤的影響を受
けた時に、容易にこれら平滑性、平面性、透明性、ガス
バリア性が悪化してしまうのでは、軽薄、形状の自由、
曲面表示という長所を生かした実用性が低下し、既に述
べたようなペイジャー、携帯電話、電子手帳、ペン入力
機器など、携帯し移動し、外的影響が大きく作用する用
途への適応は困難となってしまう。特に機械的影響に対
して、この様な特性を維持するためには、この様な特性
を発現するために必要とされる各材料を薄膜として積層
した場合、各層は良好な密着性も要求される。また、耐
溶剤性は液晶セル作製工程での有機溶剤洗浄や、配向膜
形成時にも必要となる。
【0011】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、ガスバリア性特に高湿度側でのガスバリア性、光学
特性、各層の密着性、さらには機械的、熱的、溶剤的影
響に対する耐久性を維持しつつ、導電性面の平滑性、平
面性が良好で、表示パネルに用いたときに表示品位に優
れた透明導電フィルムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、以下の本
発明により達成される。すなわち、本発明は、プラスチ
ックフィルムの両面の最外層に有機樹脂からなる耐溶剤
層を有し、その中間位置に金属酸化物層からなるガスバ
リア層を有する積層フィルムの一方の面に透明導電層を
設けた透明導電フィルムにおいて、該プラスチックフィ
ルムが溶液流延法で製膜された、膜厚が70〜200μ
mのプラスチックフィルムであり、該金属酸化物層の外
側の面に接して下記一般式(1)で表される有機珪素化
合物の加水分解により生成された重合体からなる中間層
が積層されており、且つ下層としてウレタン系硬化樹脂
層を有するポリビニルアルコール系樹脂層を該中間位置
に備えたことを特徴とする透明導電フィルムである。
【0013】
【化3】
【0014】上式中、R1 は水素原子、フェニル基、炭
素原子数1〜4のアルキル基または下記の一般式(2)
で表される基を、R2 は水素原子又は炭素原子数1〜4
のアルキル基を、R3 およびR4 はそれぞれ独立に炭素
原子数1〜4のアルキル基を、yは1〜12の整数を、
wは0又は1〜2の整数を、zは1〜3の整数をそれぞ
れ表し、w+z=3である。
【0015】
【化4】
【0016】上記の式(2)において、xは1〜12の
整数を、R5 ,R6 はそれぞれ独立に水素原子、または
炭素原子数1〜4のアルキル基である。
【0017】以下、本発明の詳細を、発明がなされた経
過と共に説明する。プラスチックフィルムを連続して製
膜する方法としては、一般的にはダイから溶融した原料
ポリマーをフィルム状にして押し出して冷却して製膜す
る溶融押出法、原料ポリマーを溶媒に溶解して得られる
ポリマー溶液を平面支持体上に流延することにより製膜
する溶液流延法等がある。
【0018】このうち溶液流延法では厚さが70〜20
0μmの広範囲において、リターデーション値が20n
m以下、かつ、遅相軸のばらつきが±15度以下の光学
等方性を有する、最も条件の厳しい液晶パネルに対して
も十分な光学等方性を有するプラスチックフィルムが得
られる。 なお、ここで述べるリターデーション値は公
知の複屈折の屈折率の差Δnと膜厚dの積Δn・dであ
り、可視光線の範囲である波長での測定値であることが
必要であり、一般的にポリマーは屈折率の波長分散特性
を有しているので、代表値として、590nmの測定値
とする。また遅相軸のばらつき角度は同一の波長で測定
するが、リターデーション値および遅相軸の角度は良く
知られている複屈折率測定装置で測定することができ
る。例えば日本分光製の多波長複屈折率測定装置M−1
50等で簡便に測定することができる。
【0019】ところで、このフィルムについて更に詳細
に検討した結果、上述の優れた光学等方性を持つ上に、
その表面性が良く、特にフィルムの製膜時に空気側であ
ったエアー面は平滑性、平面性がその反対側の支持体に
支持された支持対面に較べて格段に優れていることを見
出した。そして、エアー面では、具体的には表面粗さが
Raで1nm以下という平滑性の優れた表面を得ること
ができることが判った。ここで、Raは、位相シフト干
渉法を測定原理に用いているWYCO社製TOPO−3
Dを用い、40倍の倍率でフィルム表面上の辺の長さが
256μmの正方形の面を1μmの間隔で測定したとき
に得られる中心線平均粗さである。
【0020】一方、このフィルムの製膜時に支持体具体
的には製造装置のベルト側の支持体面(以下ベルト面と
も言う)は、フィルムの原料ポリマーを流延するベルト
の表面性を反映したり、フィルムをベルトから剥離する
際に剥離痕などが発生することがあるために、平滑性、
平面性がエアー面に較べて数段劣るが、その表面粗さは
Raで数nm程度で、絶対値としてはかなり良いもので
ある。
【0021】そのため、透明性の高い樹脂を用いて、溶
液流延法で製膜したフィルム、特にそのエアー面に直接
透明導電層を形成することで、その平滑性、平面性を維
持したままの平滑性、平面性に優れた電極表面の、かつ
光学等方性に優れた透明導電フィルムを得ることができ
ることが判った。
【0022】ところで、溶融押出法では押し出し時の樹
脂の流れ方向や、延伸方向に起因する高い光学異方性が
発生し、前述の厚さが70〜200μmでリターデーシ
ョン値が20nm以下、かつ、遅相軸のばらつきが±1
5度以下の光学等方性を有するフィルムを製造すること
は難しい。また、溶融押出法では、フィルム中にダイラ
イン、ゲル化物、フィッシュアイや炭化物が発生しやす
く、広い面積に亘って、平滑性の良好なフィルムを得る
ことが難しい。
【0023】これに対して、溶液流延法によって製膜さ
れたフィルムは、この様な欠点が少なく、前述の優れた
光学特性、表面性のフィルムが得られ、本用途に好まし
く用いることができる利点を有する。この他、溶液流延
法は、前述の通りポリマーを溶媒に溶解してダイからベ
ルト等の平面支持体上に流延して製膜する方法であり、
溶媒に可溶なポリマーであればポリマーをフィルム化す
る事ができる利点もある。
【0024】よって、平滑性、平面性に優れた電極表面
の、かつ光学等方性に優れた透明導電フィルムを得るに
は、溶液流延法によって製膜されたプラスチックフィル
ムを基板に用いる必要があり、本発明の基板のプラスチ
ックフィルムには、この溶液流延法で製膜したプラスチ
ックフィルムを用いる。
【0025】なお、本発明に用いることのできるプラス
チックフィルムの材料としては、上述の通り、溶液流延
可能、すなわち、任意の溶媒に溶解可能なポリマーであ
れば使用可能であるが、光学特性、熱特性の点から、ポ
リアリレートや、ポリカーボネートが好ましい。
【0026】中でも、ポリカーボネートについては、耐
熱性、機械特性の面から、特にビスフェノールAのみか
らなるビスフェノール成分よりなり、分子量30000
以上でガラス転移温度150℃以上のポリカーボネート
が好ましい。また、耐熱性向上のため、共重合成分とし
て、例えば9,9ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンあるいは、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を入れて
も差し支えない。但し、最適な平均分子量、共重合条件
の選択は、耐熱性と機械特性および経済性のバランスで
実施される。ここで、平均分子量とは、数平均分子量の
ことであり、GPC等の公知の測定手段で簡便に決定す
ることができる。
【0027】ところで、プラスチックフィルム単体では
前述のとおり、ガスバリア性、さらには機械的、熱的、
溶剤的影響に対する耐久性に問題があり、これを解決す
るには、従来技術で述べたようにガスバリア層、保護層
等を設ける必要がある。
【0028】ガスバリア層については、種々検討したと
ころ、ポリビニルアルコール系樹脂層と金属酸化物層の
2種のガスバリア層を設けることで低湿度下では勿論、
高湿度下でも非常に良好なガスバリア性を示すことが判
った。すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂層単層の
50%RH以上の高湿度側では十分なガスバリア性を示
さなくなる欠点を、ガスバリア性の湿度依存性が少ない
金属酸化物層で補完する事で、高湿度側でのガスバリア
性を得ることが可能であることが判った。
【0029】ここで言う高湿度でも良好なガスバリア性
とは、具体的には耐透気性は酸素透過度で評価し、MO
CON社製オキシトラン2/20MLを用いて、30
℃,50%RHで測定したときにその透過度が1cc/
(m2 ・日・atm)以下、30℃,90%RHで測定
したときにその透過度が20cc/(m2 ・日・at
m)以下であり、且つ耐水蒸気透過性が、MOCON社
製パーマトランW1Aを用いて透明導電層を設ける面と
反対面を加湿側に配置して40℃,90%RHで測定し
たときに20g/(m2 ・日・atm)以下であること
を示す。
【0030】ガスバリア層の一方の層として用いるポリ
ビニルアルコール系樹脂は、公知の市販のものが適用で
き、具体的にはビニルアルコール成分、ビニルアルコー
ル共重合体成分よりなる群から選ばれた少なくとも1種
を50モル%以上含有する高分子樹脂が好ましい。な
お、このビニルアルコール共重合体としては、ビニルア
ルコール−酢酸ビニル共重合体、ビニルアルコールビニ
ルブチラール共重合体、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、あるいはこれらの架橋体等が挙げられる。
【0031】ガスバリア層の他方の層として用いる金属
酸化物層は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム等が挙げられ、公知のスパッタ法、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、プラズマCVD法等により製
造できる。この中で生産性、光学特性、表面平滑性、機
械特性、膜応力、ガスバリア性等の点から特に膜厚5〜
100nmで、全体の平均組成をSiOX で表したとき
の珪素に対する酸素の原子数の割合Xが1.5〜2の酸
化珪素が好ましい。膜厚が5nm以下では作製した膜の
ピンホールが多くガスバリア性が殆どなくなってしっ
た。また、膜厚が100nmよりも厚いと屈曲時に容易
に膜が割れてしまうということが多発してしまい、作業
性の低下、ガスバリア性の劣化、透明性の低下の原因と
なってしまった。また、酸化珪素を用いる場合、透明性
の観点からXが1.5以上が好ましく、これ以下では例
え5nm程度の膜厚でも透明性が悪く、400nmでの
光透過率の高いものが得られにくく、また、機械特性も
低下してしまう。
【0032】透明性は波長550nmでの光透過率が8
0%以上、かつ、ヘイズ値が1%以下であることが好ま
しい。特に透明導電層を積層する前の光線透過率で黄変
に高感度な波長400nmでも80%以上が好ましい。
すなわち、光透過率が80%よりも低い場合、これを用
いて液晶セルを構成したときに、光利用効率は低下し、
表示が暗くなる上、コントラストも低下してしまう。ま
た、ヘイズ値が1%よりも高い場合には、これを用いて
液晶セルを構成したときに、透過光は散乱されるように
なり、偏光板を透過した偏光の偏光度を低下させてしま
う。これにより、コントラストが低下してしまう。
【0033】ここで、光透過率は公知の可視分光光度計
を用い、平行光線での透過率であり、ヘイズ値は日本電
色製COH−300Aを用いて測定したときの値であ
る。酸化珪素の珪素に対する酸素の割合は、X線光電子
分光法、X線マイクロ分光法、オージェ電子分光法等の
公知の技術により測定できる。
【0034】ガスバリア層として、金属酸化物層とポリ
ビニルアルコール系樹脂層とを積層した場合、その中で
は特に酸化珪素層の直上にポリビニルアルコール系樹脂
層を形成した場合通常の使用条件では密着性も良好であ
り実用性の高い積層構成が可能であった。
【0035】ところで、この様なフィルム基板を用いた
表示装置の中には、車載用や、その他厳しい環境下で使
用されることがあり、より厳しい信頼性が要求される。
【0036】そこで、この様な厳しい環境下での信頼性
の有無を評価した。上述の酸化珪素層/ポリビニルアル
コール系樹脂層構成を60℃,90%RHの条件下に1
00時間放置する湿熱耐久性試験を行ったところ、密着
性が低下し、安定に密着していないことがわかった。
【0037】ここで、密着性はJIS規格K5400に
従って、碁盤目テスト(碁盤目テープ法)を行い、剥が
れの生じていない升目の残存率にて評価し、残存率が1
00%の時に良好な密着性があるとした。湿熱試験後の
密着性評価は25℃,50%RHで24時間放置後碁盤
目テストを行った。
【0038】この密着性の低下に対して、かかる条件下
でもポリビニルアルコール系樹脂層が良好に密着して密
着性が低下しない材料について検討した結果、ウレタン
系硬化樹脂であれば良好な密着性を示すことが判った。
【0039】ここで、ウレタン系硬化樹脂とは、1分子
中に水酸基を2つ以上有するポリオール化合物を多官能
イソシアネート化合物で硬化させたものを言う。ポリオ
ール化合物としては以下のものが例示される。エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール等のポリエーテルポリオ
ール、エポキシ樹脂をアミン変性したエポキシ樹脂変性
ポリオール、ポリマー主鎖にエステル結合を有するポリ
エステルポリオール、主鎖にカーボネート結合を有する
ポリカーボネートジオール、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートを共重合させたアクリルポリオール、末端に
水酸基を有するブタジエンおよびそれらの共重合体であ
るポリブタジエンポリオール、エチレンと酢酸ビニル共
重合体を部分的にケン化したエチレンビニルアルコール
共重合体、フェノキシ系樹脂などがある。
【0040】この中でもフェノキシ系樹脂が湿式コーテ
ィングしやすい、硬化後の表面がべとつかないというう
点で好ましい。ここで、フェノキシ系硬化樹脂とは、フ
ェノキシ樹脂硬化物、フェノキシエーテル樹脂硬化物、
フェノキシエステル樹脂硬化物のことで、下記一般式
(3)で示されるフェノキシ樹脂、フェノキシエーテル
樹脂、フェノキシエステル樹脂を多官能イソシアネート
化合物で硬化させたものを言う。
【0041】
【化5】
【0042】ここでR1 からR6 は、同一または異なる
水素または炭素数1から3のアルキル基、R7 は炭素数
2から5のアルキレン基、Xはエーテル基、エステル
基、mは0から3の整数、nは20から300の整数を
それぞれ意味する。その中でも特にR1 ,R2 はメチル
基、R3 ,R4 ,R5 ,R6 は水素、R7はペンチレン
基のものが、合成が容易でコスト面から好ましい。
【0043】また多官能イソシアネート化合物として
は、1分子中にイソシアネート基を2つ以上含有する化
合物であればよく、以下のものが例示される。2,6−
トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート−トリメチロール
プロパンアダクト体、t−シクロヘキサン−1,4−ジ
イソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシア
ネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、水添ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソ
シアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、
トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、
m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシア
ネート−4−イソシアネートメチルオクタン、ビシクロ
ヘプタントリイソシアネート、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシア
ネートおよびそれらの混合物あるいは多価アルコール付
加体等。
【0044】この中でも特に汎用性、反応性の観点から
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート−トリメ
チロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシ
アネートが好ましい。
【0045】このほか反応促進剤として、公知のトリエ
チレンジアミン等の第三アミン、ジブチル錫ジラウレー
ト等の有機錫化合物を適量添加することで硬化速度を向
上することが可能である。
【0046】更なる問題として、この様なポリビニルア
ルコール系樹脂あるいは金属酸化物を最外層に設けた場
合、既に述べたように、耐溶剤性が不十分であった。そ
のため、少なくとも両面のこれらの層の外側には耐溶剤
性を示す保護層即ち耐溶剤層が必要であり、この点を検
討したところ、この様な耐溶剤性層としては前述のフェ
ノキシ系硬化樹脂層、エポキシ系硬化樹脂層、放射線硬
化樹脂層等の有機樹脂層が有効であった。
【0047】エポキシ系硬化樹脂としては、各種のエポ
キシ系硬化樹脂層が良好な耐溶剤性を示すが、下記一般
式(4)で示されるノボラック型のエポキシ系硬化性樹
脂の硬化物が特に好ましかった。
【0048】
【化6】
【0049】この式(4)で、R1 はHまたはCH3
2 はHまたはグリシジルフェニルエーテル基、nは1
から50の整数を示す。なお、nは一般的に分布を持っ
ており、ある数を特定できないが、平均の数としては大
きい方が好ましく、3以上さらには5以上が好ましい。
【0050】この様なエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤
としては、公知のものが適用される。例えば、アミン系
ポリアミノアミド系、酸及び酸無水物、イミダゾール、
メルカプタン、フェノール樹脂等の硬化剤が用いられ
る。
【0051】中でも、耐溶剤性、光学特性、熱特性など
により酸無水物および脂環族アミン類が好ましく用いら
れ、更に好ましくは酸無水物である。酸無水物として
は、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸などの脂環族酸無水物、無水フタル酸
などの芳香族酸無水物、ドデセニル無水コハク酸などの
脂肪族酸無水物が挙げられるが、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸がより好ましい。脂環族アミンとして、ビス
(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、
ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン
等が挙げられ、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロ
ヘキシル)メタンが好ましい。
【0052】なお、酸無水物を硬化剤として用いたと
き、エポキシと酸無水物の硬化反応を促進する反応促進
剤を添加しても良い。反応促進剤としてベンジメチルア
ミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−1等の公知の第二、第三アミン類
やイミダゾール類の硬化触媒を適量加えるのが好まし
い。
【0053】また、放射線硬化樹脂とは、電子線、紫外
線等の放射線の照射により硬化する樹脂であればよく、
具体的には電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げら
れる。この中でも、特に硬化速度が速いという点と硬化
後さらには耐久性試験後でも透明性を示すという点で、
1分子中にアクリル基を2つ以上有する脂肪族系の多官
能アクリル樹脂を、硬化後の固形分濃度で少なくとも5
0重量%以上有するアクリル系硬化性樹脂を用いるのが
好ましい。この中でも、繰り返し単位が3以上のエーテ
ル縮合体であるオリゴマー、ポリマー主鎖骨格とする多
官能アクリル樹脂が好ましい。更に好ましくはペンタエ
リスリトールのエーテル縮合体で、下記一般式(5)式
で示される環状エーテル部を有するアクリル樹脂であ
る。
【0054】
【化7】
【0055】この様なアクリル系硬化性樹脂を紫外線で
硬化する場合には、公知の反応開始剤を適量添加する。
反応開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノ
ン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}
−2−モルフォリノプロパン、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物、ベ
ンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系
化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等のベン
ゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2,4−ジクロ
ロチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物等が挙げ
られる。また、より硬化性を向上するために、トリエタ
ノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチル等の公知の反応開始助剤を適量
添加することも効果的である。
【0056】この様に幾つかの耐溶剤性材料が挙げられ
るが、生産性に大きく影響を及ぼす硬化速度の速さ、す
なわち良好な耐溶剤層が発現するまでの熱処理時間、放
射線放射時間の短いものとして上述した放射線硬化樹脂
がより好ましい。
【0057】これらの耐溶剤層の耐溶剤性は次のように
評価した。電極をパターンニングする際に必要となる耐
エッチング性は35重量%塩化第二鉄水溶液、35重量
%塩酸、水をそれぞれ重量比1対1対10の割合で混合
した液に、25℃で10分間浸漬し、流水にて十分洗浄
を行った後、乾燥させ、外観を目視にて観察した。パタ
ーンニング後残存した電極上に形成されたレジスト膜を
除去する際に必要とされる耐アルカリ性は、25℃の
3.5重量%水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬
し、流水にて十分洗浄を行った後、乾燥させ、外観を目
視にて観察した。
【0058】また、耐有機溶剤性は溶剤洗浄や配向膜を
積層する際に必要とされる特性であるが、特に配向膜を
積層する際に一般に配向膜用溶剤として利用され、溶解
能力が非常に高いN−メチルピロリドンに対する耐性が
求められる。そこで、ここでは耐有機溶剤性は、50℃
のN−メチルピロリドンに3分間浸漬し、外観の変化を
目視にて観察した。そして、この3種類の耐溶剤性試験
において外観上何等変化がない場合、耐溶剤性が良好と
判断した。
【0059】この様に、溶液流延法により製膜したプラ
スチックフィルム上のいずれかの面に、ポリビニルアル
コール系樹脂層、金属酸化物層を積層し、その両最外層
に耐溶剤性を示す保護層を設けることで、透明導電フィ
ルム用ベースフィルムとして必要な光学特性、平滑性、
平面性、ガスバリア性、耐溶剤性は得られる。特に、前
述したように金属酸化物層のうち、酸化珪素層の直上に
ポリビニルアルコール系樹脂層を形成した場合密着性が
良好で、実用性の高い透明導電フィルムの作製できる。
【0060】しかしながら、この積層構成について信頼
性を更に向上させる目的で詳細に検討したところ、金属
酸化物上の有機樹脂層は、初期的に良好な密着性を示す
ものであっても、耐久試験、特に60℃で90%RHの
条件下で100時間さらに厳しくは250時間の湿熱耐
久性試験後では安定した密着性が得られず、悪い場合に
は自然に剥離して積層膜が浮いてくるものさえあること
が判った。また、ポリビニルアルコール系樹脂層以外の
有機樹脂層を湿式コーティング法を用いて積層するとき
には、コーティング液塗工時に金属酸化物上で極度に弾
いてしまい、均一な積層膜を形成できない場合が多いこ
とが判った。
【0061】この金属酸化物上における有機樹脂層の密
着性について、湿熱耐久性試験後も良好に密着させると
いう観点で鋭意検討した結果、少なくとも金属酸化物層
の直上に下記一般式(1)の化合物を10〜100n
m、より好ましくは20〜50nmの厚さに設け、その
上に目的とする有機樹脂層を直接、あるいは1層以上の
アンカーコート層を介して設けることにより、平滑性、
平面性を維持しつつ良好な密着性が得られることを見出
した。
【0062】
【化8】
【0063】上式(1)において、R1 は水素原子、フ
ェニル基、炭素原子数1〜4のアルキル基または下記の
一般式(2)で表される基を、R2 は水素原子又は炭素
原子数1〜4のアルキル基を、R3 およびR4 はそれぞ
れ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を、yは1〜1
2の整数を、wは0又は1〜2の整数を、zは1〜3の
整数をそれぞれ表し、w+z=3である。
【0064】
【化9】
【0065】上記の式(2)において、xは1〜12の
整数を、R5 ,R6 はそれぞれ独立に水素原子、または
炭素原子数1〜4のアルキル基からである。
【0066】一般式(1)の材料は厚さ10nmよりも
薄い場合、連続した薄膜層が得られにくく、金属酸化物
と有機樹脂層の十分な密着性が得られなかった。また、
100nmよりも厚い場合、光学的に透明性が低下して
しまう上、密着性評価試験の時に一般式(1)の材料自
体の脆性破壊が発生し、密着性向上効果が逆に悪くなっ
てしまった。
【0067】一般にこれらの材料の積層手段としては、
ラミネート法、ディッピング法、湿式コーティング法等
がある。その中でも均一な膜厚の形成面から、湿式コー
ティング法がプラスチックフィルムの平面性、平滑性を
極端に悪化することがなく、最適な積層手段であった。
【0068】ラミネート法では、ラミネート接着剤中に
揮発性溶剤を含めることが困難である上、接着する機能
層自体を例えば本発明のポリビニルアルコール系樹脂層
を良好な機械特性を有するフィルムにしなければならな
いという問題があった。また、ディッピング法では、均
一な膜厚で制御良く広い面積に塗工することが困難であ
った。
【0069】しかしながら、この様な湿式コーティング
法を用いても、これらアンカーコート層、ガスバリア
層、耐溶剤層等を厚く設けると積層フィルムの表面の平
滑性、平面性は低下することが判った。そして、その低
下は積層フィルムの表面粗さRaを層の厚みの増加につ
れて増幅する傾向にあることが判った。
【0070】そこで本発明において、平滑性、表面性が
求められる透明導電層側のプラスチックフィルムと透明
導電層との間に設けるガスバリア層、耐溶剤層等の機能
層の全層厚みを薄くすることが好ましく、具体的には1
0μm以下が好ましい。この構成により、透明導電層表
面の表面粗さは、Raで10nm以下に改善され、均一
な表示特性を示す液晶表示素子に好適な透明導電フィル
ムが得られた。
【0071】以上のよう材料の機能層の組み合わせで前
述の諸特性が良好な透明導電フィルムを得ることができ
るが、屈曲時の金属酸化物層の割れをより低減するため
には各機能層が次のような順序の積層構成の透明導電フ
ィルムが良好であった。
【0072】すなわち、この積層構成は、プラスチック
フィルムを(1)、前記金属酸化物層を(2)、前記金
属酸化物層の直上のアンカーコート層を(3)、前記ポ
リビニルアルコール系樹脂層を(4)、前記ポリビニル
アルコール系樹脂層の下層を(5)、前記透明導電層の
下層の耐溶剤層を(6)、前記透明導電層の反対面の耐
溶剤層を(7)、前記透明導電層を(8)、何らかのア
ンカーコート層が入っていてもよい層間を//で表した
ときに、以下の積層順序のものである。(8)/(6)
//(3)/(2)//(1)/(5)/(4)/
(7)、(8)/(6)/(4)/(5)/(1)//
(2)/(3)//(7)、(8)/(6)/(4)/
(5)//(3)/(2)//(1)/(7)、(8)
/(6)/(1)//(2)/(3)//(5)/
(4)/(7)、(8)/(6)//(3)/(2)/
/(1)//(2)/(3)//(5)/(4)/
(7)、(8)/(6)/(4)/(5)//(3)/
(2)//(1)//(2)/(3)//(7)、
(8)/(6)/(4)/(5)//(3)/(2)/
/(1)//(2)/(3)//(4)/(5)/
(7)の各積層構成であり、これらの様に金属酸化物層
をできるだけ内部の層に設ける構成が好ましい。
【0073】本発明の透明導電フィルムは、上述の通り
プラスチックフィルム上に特定の機能層を積層した積層
フィルムの表面に透明導電層を設けることで得られる。
そして、この様な表面平滑性の高い透明導電層は蒸着
法、スパッタリング法などの公知の手段で設けることが
できる。
【0074】本発明の透明導電層は、公知のもの、例え
ば錫、インジウム、チタン等の金属またはこれらの酸化
物が適用される。そして、これらの透明導電層は、蒸着
法、スパッタリング法などの公知の薄膜形成手段で設け
ることができる。
【0075】上述の透明導電層の中でも、主として非結
晶性のインジウム酸化物からなり、その組成分として錫
を5〜15重量%含有し、かつ、透明導電層の膜厚が2
0〜200nmの範囲の透明導電層が好ましい。すなわ
ち、結晶性の高いインジウム酸化物は、非結晶性のもの
と比較すると、透明性、導電性が高く、透明電極材料と
して好ましいが、屈曲性のフィルム上に結晶性の膜を製
膜し、このフィルムを屈曲したときには割れやすく、信
頼性および、組立時の取り扱い性等において問題があ
る。
【0076】なお、ここでインジウム酸化物の結晶性、
非結晶性を次のように定義する。製膜したインジウム酸
化物の表面を透過型電子顕微鏡で観察したときに、非晶
質面に高々100nm程度の大きさの微結晶が点在する
のが観察される。この観察方法で、単位面積(100μ
2 )当たりの微結晶粒の面積割合が20%以下の場合
を非結晶性と定義する。
【0077】インジウム酸化物は本来透明な電気絶縁体
であるが、微量の不純物を含有する場合や、僅かに酸素
不足の場合には半導体になる。好ましい半導体金属酸化
物としては、不純物として、錫、またはフッ素を含むイ
ンジウム酸化物を挙げることができ、錫を5〜15重量
%含有するインジウム酸化物が、高い透明性を保ちつ
つ、良好な導電性を示す点から好ましい。
【0078】また、その厚さとしては、20〜200n
mの範囲が好ましい。20nmよりも薄いと、電気的に
面積抵抗が高くなり、良好な透明導電フィルムとして活
用しにくくなる。また、200nmよりも厚くなると、
透明導電性フィルムの波長550nmでの光線透過率で
80%以上の値を得難くなる上、屈曲したときに容易に
割れてしまい、取扱が困難となる。
【0079】なお、一般に蒸着法、スパッタリング法等
で製造した膜は、非常に均一な膜厚であり、本発明で用
いている表面粗さ測定手段の検出レベルでは検知されな
い程度の表面粗さを有している。そのため、上記の膜厚
範囲では透明導電フィルムの透明導電層表面粗さは、透
明導電層直下の有機樹脂層表面の表面粗さがほぼそのま
ま発現する。
【0080】このように、本発明によれば、透明性、光
学等方性、ガスバリア性、各層の密着性、特に高度な密
着信頼性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性が良好
で、液晶表示パネル等の表示パネルの透明電極に用いた
ときに、その表示品位に優れ、さらには機械的、熱的、
溶剤的影響を受けても、その表示品質に劣化を起こさな
いという信頼性の高い透明導電フィルムが実現される。
以下本発明の実施例を説明する。
【0081】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕ビスフェノール成分がビスフェノールAの
みからなる平均分子量37000のポリカーボネート樹
脂を用いて溶液流延法により以下のようにポリカーボネ
ートフィルムを製膜した。
【0082】すなわち、該ポリカーボネート樹脂を溶媒
のメチレンクロライドに濃度20重量%に溶解して得ら
れた溶液をダイコーティング法により支持体の厚さ17
5μmのポリエステルフィルム上に流延して、製膜し
た。次いで、乾燥工程で残留溶媒濃度を13重量%にな
るまで蒸発除去した後に、該ポリエステルフィルムから
ポリカーボネートフィルムを剥離した。得られたポリカ
ーボネートフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横
の張力をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08
重量%になるまで乾燥した。こうして得られたフィルム
は、厚みが102μmであった。そしてその表面粗さR
aはエアー面が0.5nm、ベルト面が2.1nmであ
った。
【0083】次いで、このポリカーボネートフィルムの
エアー面上に、金属酸化物層として6.7mPaの真空
中でSiO小片を加熱蒸着し、厚さ50nmの硅素酸化
物(SiOx)膜を形成した。このときXはおよそ1.
7であった。
【0084】次に、ポリカーボネートフィルムのベルト
面に膜厚2μmのアンカーコート層、膜厚5μmのポリ
ビニルアルコール系樹脂層を、さらにこの面の最外層と
して膜厚8μmの耐溶剤層を以下のように設けた。膜厚
は硬化後のものである。
【0085】アンカーコート層は、フェノキシ系硬化樹
脂層とした。具体的にはフェノキシ樹脂の東都化成
(株)製フェノトートYP−50を用い、この20部と
溶媒のメチルエチルケトン50部と2−エトキシエチル
アセテート30部を混合した後、これに硬化剤のイソシ
アネート成分として武田薬品工業(株)製A3を20部
混合した溶液を、ポリカーボネートフィルムのベルト面
上にマイヤーバーを用いてコーティングし、130℃で
5分熱処理してフェノキシ系硬化樹脂層を形成した。
【0086】ガスバリア層のポリビニルアルコール系樹
脂層は、ポリビニルアルコールとし(株)クラレ製のP
VA−117を用い、この10部と水90部を加熱混合
した物をアンカーコート層上にマイヤーバーを用いてコ
ーティングし、130℃で30分熱処理することで形成
した。最外層の耐溶剤層は、フェノキシ系硬化樹脂層と
した。具体的にはフェノキシ樹脂として東都化成(株)
製フェノトートYP−50を40部とメチルエチルケト
ン40部と2−エトキシエチルアセテート20部を混合
したものに、更に硬化剤のイソシアネート化合物として
武田薬品工業(株)製A3(固形分濃度75重量%、メ
チルエチルケトン溶媒で希釈)を40部混合した物をマ
イヤーバーを用いてコーティングし、80℃で5分次い
で130℃で15分熱処理することでフェノキシ系硬化
樹脂層を形成した。
【0087】次に先にエアー面に設けた金属酸化物層の
上に、アンカーコート層を以下のようにして形成した。
すなわち、下記の式(6)で表される化合物の加水分解
により生成した、平均5量体会合物であるシラン化合物
を1.4部にブタノールを48.6部、イソプロパノー
ル50部混合した溶液を、バーコーターでコーティング
し、120℃で1分間乾燥して、シラン化合物のアンカ
ーコート層を形成した。アンカーコート層の乾燥後の膜
厚は50nmであった。
【0088】
【化10】
【0089】この後、さらにこのアンカーコート層上に
この面最外層となる耐溶剤層として硬化後の膜厚8μm
のフェノキシ系硬化樹脂層を設けた。具体的には前述の
ベルト面に設けた最外層の耐溶剤層に用いた同一組成の
溶液を、マイヤーバーを用いてコーティングし、80℃
で5分及び130℃で3時間熱処理することで形成し
た。
【0090】こうして得られた積層フィルムの諸特性を
評価した。光線透過率は、波長550nmで88%、波
長400nmで82%であった。ヘイズは0.4%であ
った。また任意の10点で測定したリターデーション値
は、8±2nm、遅相軸のばらつき角度はMD方向を中
心に±8度であった。表面粗さRaはエアー面が5.7
nm、ベルト面が33nmであった。
【0091】酸素透過度は30℃,50%RHにおいて
0.05cc/(平方メートル・日・atm)、30
℃,90%RHにおいて3cc/(平方メートル・日・
atm)であった。水蒸気透過度は2g/(平方メート
ル・日・atm)であった。また、この積層フィルムを
別々に耐エッチング性、耐アルカリ性、耐有機溶剤性の
耐溶剤性試験を行ったが、その結果何ら変化は観られな
かった。更に、この積層フィルム両面の密着性試験を行
ったが、何らの剥離も観られなかった。
【0092】次いで、この積層フィルムのエアー面側に
透明導電層であるインジウム−錫酸化物層をスパッタリ
ング法により以下のように形成した。スパッタリングタ
ーゲットには、組成が重量比でインジウム:錫=90:
10で、充填密度が90%のインジウム−錫酸化物ター
ゲットを用いた。そして、スパッタ装置に上記の積層フ
ィルムをセットし、1.3mPaの圧力まで排気した
後、Ar:O2 =98.5:1.5の体積混合比の混合
ガスを導入し、雰囲気圧力を0.27Paにした。そし
てフィルム温度を50℃に設定し、投入電力密度1W/
cm2 でDCスパッタリングを行い、インジウム−錫酸
化物からなる透明導電層を形成した。
【0093】その結果得られた透明導電層は、結晶粒の
存在割合が面積比で0%であり、非結晶性であった。ま
た膜厚が130nmであり、表面抵抗値が40Ω/□で
あった。
【0094】この様にして得た透明導電フィルムの波長
550nmでの光線透過率は84%であった。ヘイズ値
は0,7%であった。また、透明導電層表面のRaは
5.7nmであった。この透明導電フィルムについて、
更に60℃,90%RHで250時間の湿熱耐久性試験
を行った結果、外観上の変化もなく、両面について密着
性試験を行っても剥離は観られなかった。透明性、光学
等方性、ガスバリア性、各層の密着性、耐溶剤性、導電
面の平滑性、平面性が良好な透明導電フィルムを得るこ
とが出来た。
【0095】〔実施例2〕実施例1と同一のポリカーボ
ネートフィルムのベルト面上に、金属酸化物層として
6.7mPaの真空中でSiO小片を加熱蒸着し、厚さ
20nmの酸化硅素(SiOx)膜を形成した。このと
きXはおよそ1.6であった。
【0096】次に、この金属酸化物層上に実施例1と同
一のシラン化合物の中間層1を設けた。更に、その上に
実施例1のポリビニルアルコール系樹脂層用のアンカー
コート層と同一組成のフェノキシ系硬化樹脂層からなる
膜厚0.5μmの中間層2を設けた。
【0097】次いで、中間層2の上に最外層の耐溶剤層
として硬化後の膜厚4μmの放射線線硬化樹脂層を以下
のようにして設けた。放射線樹脂としては紫外線樹脂を
用い、具体的には、主剤として、ポリペンタエリスリト
ールのアクリル酸エステル82部と、反応性希釈剤とし
てテトラヒドロフリルアクリレート(共栄社油脂(株)
製THF−A)12部、及び光反応開始剤として1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー
(株)製イルガキュアー184)6部、レベリング剤と
してシリコンオイル(東レ・ダウコーニングシリコン
(株)製SH28PA)0.1部を混合した溶液をマイ
ヤーバーを用いてコーティングし、160W/cmの高
圧水銀灯を用いて約700mJ/cm2 の積算光量にて
紫外線硬化し、放射線硬化樹脂層を形成した。
【0098】さらに、上記の積層面と反対側のエアー面
に、膜厚1μmのアンカーコート層1、膜厚3μmのポ
リビニルアルコール系樹脂層、膜厚1μmのアンカーコ
ート層2、及び膜厚4μmの最外層の耐溶剤層をこの順
序で順次以下のように積層した。アンカーコート層1及
びアンカーコート層2は、いずれも実施例1のポリビニ
ルアルコール系樹脂層用のアンカーコート層と同一のフ
ェノキシ系硬化樹脂層とした。またポリビニルアルコー
ル系樹脂層も実施例1と同一とした。最外層の耐溶剤層
は上述のベルト面に設けた最外層の放射線硬化樹脂と同
一とした。この積層構成は、その製造において各層を積
層するための膜形成時間が非常に短く、生産性が良好で
あった。
【0099】こうして得られた積層フィルムの諸特性を
評価した。光線透過率は波長550nmで89%、波長
400nmで84%であった。ヘイズは0.4%であっ
た。また任意の10点で測定したリターデーション値は
8±2nm、遅相軸のばらつき角度はMD方向を中心に
±8度であった。表面粗さRaはエアー面が8.8n
m、ベルト面が12nmであった。
【0100】酸素透過度は30℃,50%RHで0.0
9cc/(平方メートル・日・atm)、30℃,90
%RHで5cc/(平方メートル・日・atm)であっ
た。水蒸気透過度は5g/(平方メートル・日・at
m)であった。また、この積層フィルムを別々に耐エッ
チング性、耐アルカリ性、耐有機溶剤性の耐溶剤性試験
を行ったが、その結果何ら変化は観られなかった。更
に、この積層フィルム両面の密着性試験を行ったが、剥
離は観られなかった。
【0101】次いで、この積層フィルムのエアー面側に
実施例1と同一のインジウム−錫酸化物層からなる透明
導電層を同様にして作製した。この様にして得た透明導
電フィルムの光線透過率は、波長550nmで85%で
あった。ヘイズ値は0.7%であった。また、透明導電
層表面のRaは8.8nmであった。この透明導電フィ
ルムについて、更に60℃,90%RHで250時間の
湿熱耐久性試験を行った結果、外観上の変化もなく、ま
た両面について密着性試験を行ったが剥離は観られなか
った。透明性、光学等方性、ガスバリア性、各層の密着
性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性が良好な透明導
電フィルムを生産性良く得ることが出来た。
【0102】〔実施例3〕ユニチカ製ポリアリレートU
−100を、メチレンクロライドに25重量%溶解し
た。そしてこの溶液をダイコーティング法により支持体
の厚さ175μmのポリエステルフィルム上に流延し
て、製膜した。次いで、乾燥炉で残留溶媒濃度を15重
量%とし、ポリアリレートフィルムをポリエステルフィ
ルムから剥離した。そして、このポリアリレートフィル
ムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の張力をバランス
させながら、残留溶媒濃度が0.08重量%になるまで
乾燥した。こうして得られたフィルムは、厚みが101
μmであった。そして表面粗さRaはエアー面が0.7
nm、ベルト面が2.6nmであった。
【0103】次いで、このポリアリレートフィルムのベ
ルト面上に、実施例1と同一の条件で金属酸化物を設け
た。そしてその上に実施例1と同一のシラン化合物の中
間層を膜厚25nm設けた。更にその上に膜厚2μmの
アンカーコート層、膜厚5μmのポリビニルアルコール
系樹脂層、さらに膜厚5μmの最外層の耐溶剤層を以下
のように設けた。
【0104】アンカーコート層は、ポリウレタン樹脂硬
化物とし、具体的には主剤のポリオール成分としての武
田薬品工業(株)製A2071を100部、希釈溶媒と
してメチルエチルケトン30部、硬化剤であるイソシア
ネート化合物として実施例1のA3を1部混合した溶液
をマイヤーバーを用いてコーティングし、80℃で5分
次いで130℃で5分熱処理することで形成した。ポリ
ビニルアルコール系樹脂層は、実施例1と同一とした。
最外層の耐溶剤層は、実施例1と同一の組成で同様にし
て作製した。熱処理条件も実施例1と同一とした。
【0105】次にエアー面側に最外層の耐溶剤層として
膜厚7μmのエポキシ系硬化樹脂層を設けた。具体的に
はエポキシ樹脂として日本化薬(株)製ECON−10
4Sを100部に、溶媒のメチルイソブチルケトン15
0部、硬化剤である酸無水物としてメチルヘキサヒドロ
無水フタル酸50部、さらに触媒として1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−1を5部混合した
溶液を、マイヤーバーを用いてコーティングし、135
℃で30分熱処理することで形成した。
【0106】こうして得られた積層フィルムの諸特性を
評価した。光線透過率は波長550nmで88%、波長
400nmで82%であった。ヘイズは0.4%であっ
た。また任意の10点で測定したリターデーション値
は、11±3nm、遅相軸のばらつき角度はMD方向を
中心に±9度であった。表面粗さRaはエアー面が3.
8nm、ベルト面が35nmであった。酸素透過度は3
0℃,50%RHで0.05cc/(平方メートル・日
・atm)、30℃,90%RHで3cc/(平方メー
トル・日・atm)であった。水蒸気透過度は2g/
(平方メートル・日・atm)であった。また、この積
層フィルムを別々に耐エッチング性、耐アルカリ性、耐
有機溶剤性の耐溶剤性試験を行ったが、その結果何ら変
化も観られなかった。更に、この積層フィルム両面の密
着性試験を行ったが剥離は観られなかった。
【0107】次いで、この積層フィルムのエアー面側に
実施例1と同一の透明導電層を設けることにより透明導
電フィルムを作製した。この様にして得た透明導電フィ
ルムの光線透過率は波長550nmで85%であった。
ヘイズ値は0.7%であった。透明導電層表面のRaは
3.8nmであった。また、この透明導電フィルムにつ
いて、60℃,90%RHで100時間の湿熱耐久性試
験を行った結果、外観上の変化もなく、更に両面につい
て密着性試験を行ったが剥離は観られなかった。但し、
250時間の湿熱耐久性後ではシラン化合物層の中間層
とポリウレタン樹脂硬化物層のアンカーコート層との密
着性が若干悪く、およそ80%の密着性であった。
【0108】以上、透明性、光学等方性、ガスバリア
性、各層の密着性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性
が良好な透明導電フィルムを得ることが出来た。
【0109】〔実施例4〕実施例3と同一のポリアリレ
ートフィルムのエアー面上に、金属酸化物層として6.
7mPaの真空中でSiO小片を加熱蒸着し、厚さ15
nmの酸化硅素(SiOx)膜を形成した。このときX
はおよそ1.7であった。また、ベルト面上に膜厚8μ
mの最外層の耐溶剤層を以下のように設けた。耐溶剤層
は実施例1のポリビニルアルコール系樹脂層上に設けた
耐溶剤層のフェノキシ系硬化樹脂層と同一の条件で同じ
ものを形成した。
【0110】次いで、エアー面側のSiOx膜上に実施
例3と同一のシラン化合物層からなる中間層を設けた。
更に、その上に膜厚1μmのアンカーコート層、膜厚2
μmのポリビニルアルコール系樹脂層を、さらに膜厚5
μmの最外層の耐溶剤層を以下のように設けた。アンカ
ーコート層は、実施例2のアンカーコート層1と同一と
した。ポリビニルアルコール系樹脂層は、実施例1と同
一とした。最外層の耐溶剤層は、実施例1のエアー面側
の最外層のフェノキシ系硬化樹脂層と同一組成で同様に
して形成した。
【0111】こうして得られた積層フィルムの諸特性を
評価した。光線透過率は波長550nmで90%、波長
400nmで88%であった。ヘイズは0.4%であっ
た。また任意の10点で測定したリターデーション値
は、11±3nm、遅相軸のばらつき角度はMD方向を
中心に±9度であった。表面粗さRaはエアー面が7.
9nm、ベルト面が9.2nmであった。酸素透過度は
30℃,50%RHで0.14cc/(平方メートル・
日・atm)、30℃,90%RHで7cc/(平方メ
ートル・日・atm)であった。水蒸気透過度は8g/
(平方メートル・日・atm)であった。また、この積
層フィルムを別々に耐エッチング性、耐アルカリ性、耐
有機溶剤性の耐溶剤性試験を行ったが、その結果何ら変
化も観られなかった。更に、この積層フィルム両面の密
着性試験を行ったが剥離は観られなかった。
【0112】次に、この積層フィルムのエアー面側に実
施例1と同一の透明導電層を設けることにより透明導電
フィルムを作製した。この様にして得た透明導電フィル
ムの光線透過率は波長550nmで85%であった。ヘ
イズ値は0.7%で、透明導電層表面のRaは7.9n
mであった。また、この透明導電フィルムについて、6
0℃,90%RHで250時間の湿熱耐久性試験を行っ
たが、外観上の変化もなく、更に両面についての密着性
試験においても剥離は観られなかった。
【0113】透明性、光学等方性、ガスバリア性、各層
の密着性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性が良好な
透明導電フィルムを得ることが出来た。
【0114】〔実施例5〕実施例1と同一のポリカーボ
ネートフィルムの両面に、実施例4と同一の金属酸化物
層を順次設けた。
【0115】次にそのベルト面側の金属酸化物層上に実
施例1と同一のシラン化合物層からなる中間層を膜厚2
5nm設けた。更にその上に膜厚1μmのアンカーコー
ト層1、膜厚5μmのポリビニルアルコール系樹脂層、
さらに膜厚1μmのアンカーコート層2、膜厚4μmの
最外層の耐溶剤層を設けた。これらの各層は、実施例2
のエアー面に設けた構成と、ポリビニルアルコール系樹
脂層の膜厚を変えた以外、同一とした。
【0116】次いで、エアー面の金属酸化物層上には、
実施例1と同一のシラン化合物の中間層を25nm設け
た。更にその上に、実施例2のポリビニルアルコール系
樹脂層の上に設けた層構成と同一の、膜厚1μmのフェ
ノキシ硬化樹脂からなるアンカーコート層、さらに最外
層として膜厚4μmの紫外線硬化樹脂からなる耐溶剤層
を順次設けた。
【0117】この様な積層構成の積層フィルムの製造
は、各層を積層するための時間が非常に短く、生産性が
良好であった。
【0118】こうして得られた積層フィルムの諸特性を
評価した。光線透過率は波長550nmで89%、波長
400nmで87%であった。ヘイズは0.6%であっ
た。また任意の10点で測定したリターデーション値は
8±2nm、遅相軸のばらつき角度はMD方向を中心に
±8度であった。表面粗さRaはエアー面が4.9n
m、ベルト面が48nmであった。 酸素透過度は30
℃,50%RHで0.05cc/(平方メートル・日・
atm)、30℃,90%RHで2cc/(平方メート
ル・日・atm)であった。水蒸気透過度は1g/(平
方メートル・日・atm)であった。また、この積層フ
ィルムを別々に耐エッチング性、耐アルカリ性、耐有機
溶剤性の耐溶剤性試験を行ったが、その結果何ら変化も
観られなかった。さらに、この積層フィルム両面の密着
性試験を行ったが、剥離は観られなかった。
【0119】次に、この積層フィルムのエアー面側に実
施例1と同一の透明導電層を設けることにより透明導電
フィルムを作製した。この様にして得た透明導電フィル
ムの光線透過率は波長550nmで85%であった。ヘ
イズ値は0.9%で、透明導電層表面のRaは4.9n
mであった。また、この透明導電フィルムについて、6
0℃,90%RHで250時間の湿熱耐久性試験を行っ
たが外観上の変化もなく、更に両面について密着性試験
を行ってが剥離は観られなかった。
【0120】透明性、光学等方性、ガスバリア性、各層
の密着性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性が良好な
透明導電フィルムを得ることが出来た。
【0121】〔実施例6〕実施例1と同一のポリカーボ
ネートフィルムの両面に、実施例4と同一の金属酸化物
層を順次設けた。
【0122】次に、ベルト面側の金属酸化物層上に、実
施例1と同一のシラン化合物の中間層を膜厚25nm設
けた。更にその上に、実施例2のポリビニルアルコール
系樹脂層の上に設けた層構成と同一の、膜厚1μmのフ
ェノキシ硬化樹脂からなるアンカーコート層、さらに最
外層として膜厚4μmの紫外線硬化樹脂からなる耐溶剤
層を順次設けた。
【0123】次いで、エアー面の金属酸化物層上には、
実施例1と同一のシラン化合物の中間層を25nm設け
た。更にその上に1μmのアンカーコート層1、3μm
のポリビニルアルコール系樹脂層、さらに1μmのアン
カーコート層2、4μmの最外層の耐溶剤層を設けた。
これらの各層は、実施例2のエアー面に設けた構成と同
一とした。この様な積層構成の積層フィルムの製造は、
各層を積層するための時間が非常に短く、生産性が良好
であった。こうして得られた積層フィルムの諸特性を評
価した。光線透過率は波長550nmで89%、波長4
00nmで87%であった。ヘイズは0.6%であっ
た。また任意の10点で測定したリターデーション値は
8±2nm、遅相軸のばらつき角度はMD方向を中心に
±8度であった。表面粗さRaはエアー面が9.2n
m、ベルト面が13nmであった。 酸素透過度は30
℃,50%RHで0.09cc/(平方メートル・日・
atm)、30℃90%RHで2cc/(平方メートル
・日・atm)であった。水蒸気透過度は1g/(平方
メートル・日・atm)であった。また、この積層フィ
ルムを別々に耐エッチング性、耐アルカリ性、耐有機溶
剤性の耐溶剤性試験を行ったが、その結果何ら変化は観
られなかった。更に、この積層フィルムの両面について
密着性試験に行ったが、剥離は観られなかった。
【0124】次に、この積層フィルムのエアー面側に実
施例1と同一の透明導電層を設けることにより透明導電
フィルムを作製した。
【0125】この様にして得た透明導電フィルムの光線
透過率は波長550nmで85%であった。ヘイズ値は
0.9%で、透明導電層表面のRaは9.2nmであっ
た。また、この透明導電フィルムについて60℃,90
%RHで250時間の湿熱耐久性試験を行ったが外観上
の変化もなく、両面についての密着性試験においても剥
離は観られなかった。透明性、光学等方性、ガスバリア
性、各層の密着性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性
が良好な透明導電フィルムを得ることが出来た。
【0126】〔実施例7〕実施例1と同一のポリカーボ
ネートフィルムの両面に、実施例4と同一の金属酸化物
層を順次設けた。
【0127】次にベルト面側の金属酸化物層上に、実施
例1と同一のシラン化合物の中間層を膜厚25nm設け
た。更にその上に膜厚1μmのアンカーコート層1、膜
厚3μmのポリビニルアルコール系樹脂層、さらに膜厚
1μmのアンカーコート層2、膜厚4μmの最外層の耐
溶剤層を設けた。これらの各層は、実施例2のエアー面
に設けた構成と同一とした。
【0128】次に、エアー面側の金属酸化物層上にもベ
ルト面と同じく、実施例1と同一のシラン化合物の中間
層を膜厚25nm設けた。更にその上に、上記ベルト側
と同じ構成の膜厚1μmのアンカーコート層1、膜厚3
μmのポリビニルアルコール系樹脂層、さらに膜厚1μ
mのアンカーコート層2、膜厚4μmの最外層の耐溶剤
層を順次設けた。この様な積層構成の積層フィルムの製
造は、各層を積層するための時間が非常に短く、生産性
が良好であった。
【0129】こうして得られた積層フィルムの諸特性を
評価した。光線透過率は波長550nmで89%、波長
400nmで87%であった。ヘイズは0.7%であっ
た。また任意の10点で測定したリターデーション値は
8±2nm、遅相軸のばらつき角度はMD方向を中心に
±8度であった。表面粗さRaはエアー面が9.2n
m、ベルト面が18nmであった。 酸素透過度は30
℃,50%RHで0.04cc/(平方メートル・日・
atm)、30℃,90%RHで2cc/(平方メート
ル・日・atm)であった。水蒸気透過度は1g/(平
方メートル・日・atm)であった。また、この積層フ
ィルムを別々に耐エッチング性、耐アルカリ性、耐有機
溶剤性の耐溶剤性試験を行ったが、その結果何ら変化も
観られなかった。更に、この積層フィルムの両面につい
て密着性試験を行ったが、剥離は観られなかった。
【0130】次に、この積層フィルムのエアー面側に実
施例1と同一の透明導電層を設けることにより透明導電
フィルムを作製した。この様にして得た透明導電フィル
ムの光線透過率は波長550nmで85%、波長400
nmで83%であった。ヘイズ値は1.0%で、透明導
電層表面のRaは9.2nmであった。また、この透明
導電フィルムについて、60℃,90%RHで250時
間の湿熱耐久性試験を行ったが外観上の変化もなく、そ
の両面についての密着性試験においても剥離は観られな
かった。透明性、光学等方性、ガスバリア性、各層の密
着性、耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性が良好な透明
導電フィルムを得ることが出来た。
【0131】〔比較例1〕溶融押出法を用いポリカーボ
ネートフィルムを以下のように製膜した。ポリカーボネ
ートとしては分子量25000のポリマーを用いた。作
製条件としては、ポリマー温度が300℃、平均滞留時
間が10分、キャスティングドラム温度が80度で、2
50μmスリットのTダイを用いて製膜した。こうして
得られたフィルムは、厚みが125μmであった。そし
て表面粗さRaは両面とも5.7nmであった。このポ
リカーボネートフィルムを用いて、実施例1と同一の積
層構成の積層フィルムを作製した。この透明導電層を積
層する前の積層フィルムについて、その特性を評価した
ところ、任意の10点で測定したリターデーション値は
37±8nm、遅相軸のばらつき角度はTD方向を中心
に±28度と、光学等方性が低い物であった。また、透
明導電層側の表面粗さRaは15nmと、平滑性の低い
物となってしまった。
【0132】〔比較例2〕実施例4において、透明導電
層をエア面でなくベルト面側に設けた以外は実施例4と
同じ構成の透明導電フィルムを作製した。この透明導電
フィルムの透明導電層の表面粗さRaは11nmと、平
滑性の低い物となってしまった。
【0133】〔比較例3〕実施例5の積層フィルムにお
いて、ベルト面上に積層する層の内、膜厚1μmのアン
カーコート層1と膜厚5μmのポリビニルアルコール系
樹脂層を設けなかったこと以外、実施例5と同一の構成
の積層フィルムを作製した。
【0134】この積層フィルムの酸素透過度は30℃,
50%RHで2cc/(平方メートル・日・atm)、
30℃,90%RHで2cc/(平方メートル・日・a
tm)であり、酸素透過度の湿度依存性はないものの、
低湿度側の50%RHでの酸素バリア性が実施例5に比
べて大きく低下した。
【0135】〔比較例4〕実施例1において、ベルト面
側のアンカーコート層を設けず、ポリカーボネートフィ
ルム面に直接ポリビニルアルコール系樹脂層を設けた以
外は実施例1と同じ構成の積層フィルムを作製した。こ
の積層フィルムのベルト面の密着性試験の結果は0%で
あり、全く密着性が無かった。
【0136】〔比較例5〕実施例1において、ベルト面
側の最外層を設けなかった以外は実施例1と同じ構成の
積層フィルムを作製した。この積層フィルムの耐アルカ
リ性の耐溶剤性試験の結果は、ベルト面のポリビニルア
ルコール系樹脂層表面がべとつくと同時に、試験後に十
分乾燥しても表面が荒れてしまい、ヘーズが24%と、
光学特性の悪い物となってしまった。また、耐エッチン
グ性の試験でも同様の劣化が起こった。
【0137】〔比較例6〕実施例1において、エアー面
側のシラン化合物層を設けず、直接金属酸化物層上に最
外層を設けた以外は実施例1と同じ構成の積層フィルム
を作製した。この積層フィルムのエアー面での密着性試
験の結果は20%であり、密着性が非常に低いものであ
った。
【0138】〔比較例7〕実施例1において、エアー面
側の最外層の厚さを12μmに変えた以外は実施例1と
同じ構成の透明導電フィルムを作製した。この透明導電
フィルムの場合、透明導電層上の表面粗さRaは12n
mとなってしまい、平滑性の悪い物となってしまった。
【0139】〔比較例8〕実施例2において、酸化硅素
(SiOx)膜をそのXが1.4のものとした以外は実
施例2と同じ構成の積層フィルムを作製した。この積層
フィルムの光線透過率は波長550nmで85%、波長
400nmで78%と、透明性の低い物となってしまっ
た。
【0140】〔比較例9〕実施例3において、ベルト面
側のシラン化合物層、アンカーコート層を設けずに金属
酸化物層上に直接ポリビニルアルコール系樹脂層を設け
た以外は実施例3と同じ構成の積層フィルムを作製し
た。この積層フィルムのベルト面での密着性試験の結果
は100%であり、十分実用性があった。しかしなが
ら、より高度な信頼性試験として、湿熱耐久性試験を1
00時間行った後に密着性試験を行ったところ、密着性
は0%であった。
【0141】〔比較例10〕実施例1において、エアー
面側のシラン化合物層を設けず、金属酸化物層上に直接
フェノキシ系硬化樹脂層を設けた以外は実施例1と同じ
構成の積層フィルムを作製した。この積層フィルムのエ
アー面での密着性試験の結果は100%であり、十分実
用性があった。しかしながら、より高度な信頼性試験と
して、湿熱耐久性試験を100時間行った後に密着性試
験を行ったところ、密着性は0%であった。
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、光学等方性、
ガスバリア性、各層の密着性、特に高度な密着信頼性、
耐溶剤性、導電面の平滑性、平面性が良好で、液晶表示
パネル等の表示パネルの透明電極に用いたときに、その
表示品位に優れ、さらには機械的、熱的、溶剤的影響を
受けても、その表示品質に劣化を起こさないという信頼
性の高い透明導電フィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 102 B32B 27/30 102 27/40 27/40 H01B 5/14 H01B 5/14 A (72)発明者 金 辰一郎 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの両面の最外層に
    有機樹脂からなる耐溶剤層を有し、その中間位置に金属
    酸化物層からなるガスバリア層を有する積層フィルムの
    一方の面に透明導電層を設けた透明導電フィルムにおい
    て、該プラスチックフィルムが溶液流延法で製膜され
    た、膜厚が70〜200μmのプラスチックフィルムで
    あり、該金属酸化物層の外側の面に接して下記一般式
    (1)で表される有機珪素化合物の加水分解により生成
    された重合体からなる中間層が積層されており、且つ下
    層としてウレタン系硬化樹脂層を有するポリビニルアル
    コール系樹脂層を該中間位置に備えたことを特徴とする
    透明導電フィルム。 【化1】 (式中、R1 は水素原子、フェニル基、炭素原子数1〜
    4のアルキル基または下記の一般式(2)で表される基
    を、R2 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基
    を、R3 およびR4 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4
    のアルキル基を、yは1〜12の整数を、wは0又は1
    〜2の整数を、zは1〜3の整数をそれぞれ表し、w+
    z=3である。 【化2】 上記の式(2)において、xは1〜12の整数を、
    5 ,R6 はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子
    数1〜4のアルキル基からである。)
  2. 【請求項2】 前記耐溶剤層がフェノキシ系硬化樹脂、
    エポキシ系硬化樹脂或いは放射線硬化樹脂である請求項
    1に記載の透明導電フィルム。
  3. 【請求項3】 前記耐溶剤層が放射線硬化樹脂である請
    求項2に記載の透明導電フィルム。
  4. 【請求項4】 前記積層フィルムの透明導電層が設けら
    れた側に積層された層の全層の合計厚さが10μm以下
    である請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記透明導電層がプラスチックフィルム
    の製造時に空気側であったエア面に設けられている請求
    項1〜4のいずれかに記載の透明導電フィルム。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物層が膜厚5〜100nm
    で、平均組成をSi0X で表した時のXが1.5〜2の
    硅素酸化物層である請求項1〜5のいずれかに記載の透
    明導電フィルム。
  7. 【請求項7】 前記プラスチックフィルムの一方の面に
    前記金属酸化物層が、その他方の面にポリビニルアルコ
    ール系樹脂層が設けられている請求項1〜6のいずれか
    に記載の透明導電フィルム。
  8. 【請求項8】 前記プラスチックフィルムの少なくとも
    一方の面に前記金属酸化物層が設けられ、少なくとも一
    方の金属酸化物層の外側にポリビニルアルコール系樹脂
    層が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の透
    明導電フィルム。
JP7336662A 1995-02-02 1995-12-25 透明導電フィルム Pending JPH09174746A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016020085A (ja) * 2014-06-18 2016-02-04 東洋紡株式会社 ガスバリア性積層フィルム

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JP2016020085A (ja) * 2014-06-18 2016-02-04 東洋紡株式会社 ガスバリア性積層フィルム

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