JP6911308B2 - CTX−M型基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ遺伝子の検出方法 - Google Patents
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Description
以下の(a)および(b)の特徴を有するCTX−M型ESBL遺伝子検出用プローブ。
(a)配列番号1に記載の塩基配列もしくは配列番号1に記載の塩基配列と相補的な塩基配列のうち連続する塩基数17〜23の塩基配列で構成されるオリゴヌクレオチド、または前記塩基配列と一または数個の塩基の相違を有する塩基配列で構成されるオリゴヌクレオチドである。
(b)前記(a)のオリゴヌクレオチドの少なくともいずれかの末端が蛍光色素によって標識されている。
[2]
さらに(c)の特徴を有する[1]に記載のプローブ。
(c)蛍光色素で標識された核酸の塩基がシトシンである。
[3]
[1]または[2]に記載のプローブであって、該プローブが、配列番号2〜9のいずれかで示された塩基配列、または、前記塩基配列と一つまたは二つの塩基の相違を有する塩基配列を有するプローブ。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載のプローブを用いるCTX−M型ESBL遺伝子の検出方法。
[5]
以下の(p)〜(s)の工程を含む、[4]に記載の検出方法。
(p)[1]〜[3]のいずれかに記載のプローブと、試料中の一本鎖核酸とを接触させて、前記蛍光標識オリゴヌクレオチドと前記一本鎖核酸との複合体をハイブリダイズさせてハイブリッドを形成する工程。
(q)前記ハイブリッドを含む試料の温度を変化させることで、前記ハイブリッドを解離させ、前記ハイブリッドの解離に基づく蛍光シグナルの変動を測定する工程。
(r)前記蛍光シグナルの変動に基づいてハイブリッドの解離温度であるTm値を測定する工程。
(s)前記Tm値に基づいて、前記試料中の一本鎖核酸におけるCTX−M型ESBL遺伝子の存在を検出する工程。
[6]
さらに、以下の(o)の工程を含む、[5]に記載の検出方法。
(o)前記(p)の工程においてハイブリッドを形成する前、または、前記(p)の工程においてハイブリッドを形成すると同時に、核酸を増幅する工程。
[7]
[1]〜[3]のいずれかに記載のプローブを含む、CTX−M型ESBL遺伝子を検出するためのキット。
[8]
以下の(x1)に示す中から選ばれるフォワードプライマーと、以下の(y1)に示す中から選ばれるリバースプライマーとの組合せからなるプライマーセットをさらに含む、[7]に記載のキット。
(x1)配列番号10〜18のいずれかで示される塩基配列、または、前記塩基配列中の混合塩基の箇所を、該混合塩基を構成する特定の塩基に変更した塩基配列を有するフォワードプライマー。
(y1)配列番号19〜24のいずれかで示される塩基配列を有するリバースプライマー。
[9]
以下の(x2)に示す中から選ばれるフォワードプライマーと、以下の(y2)に示す中から選ばれるリバースプライマーとの組合せからなるプライマーセットをさらに含む、[7]に記載のキット。
(x2)配列番号25〜36で示す塩基配列から選択される2〜4本からなるフォワードプライマー
(y2)配列番号37〜48で示す塩基配列から選択される2〜4本からなるリバースプライマー
本発明のCTX−M型ESBL遺伝子検出用プローブは、以下の(a)および(b)の特徴を有する。
(a)配列番号1に記載の塩基配列もしくは配列番号1に記載の塩基配列と相補的な塩基配列のうち連続する塩基数17〜23の塩基配列で構成されるオリゴヌクレオチド、または前記塩基配列と一または数個の塩基の相違を有する塩基配列で構成されるオリゴヌクレオチドである。
(b)前記(a)のオリゴヌクレオチドの少なくともいずれかの末端が蛍光色素によって標識されている。
CTX−M型の亜型名は末尾の数字で識別される。本明細書では表1に示すように、CTX−M型の亜型名はハイフンで亜型を識別するための数字をハイフンで繋いで、例えば「CTX−M−1」のように表記する。また、本明細書では、グループ名を表すときは末尾に「グループ」を付け、例えば「CTX−M−1グループ」のように表記する。
前記プローブが結合する対象は、試料中に存在する微生物由来のCTX−M遺伝子でもよく、当該遺伝子の一部または全部を核酸増幅させて得られた核酸増幅産物でもよい。より好ましくは核酸増幅産物である。
前記プローブの結合対象がCTX−M−1グループに属する亜型由来の遺伝子または核酸増幅産物である場合、亜型の種類は特に限定されないが、CTX−M−1が挙げられる。さらに、CTX−M−1グループに属する別の亜型由来の遺伝子または核酸増幅産物を含んでいても良い。さらに、CTX−M−1グループに属する全ての亜型を含むことが好ましい。
同様に、前記プローブの結合対象がCTX−M−2グループに属する亜型由来の遺伝子または核酸増幅産物である場合、亜型の種類は特に限定されないが、CTX−M−2が挙げられる。さらに、CTX−M−2グループに属する別の亜型由来の遺伝子または核酸増幅産物を含んでいても良い。さらに、CTX−M−2グループに属する全ての亜型を含むことが好ましい。
同様に、前記プローブの結合対象がCTX−M−9グループに属する亜型由来の遺伝子または核酸増幅産物である場合、亜型の種類は特に限定されないが、CTX−M−9が挙げられる。さらに、CTX−M−9グループに属する別の亜型由来の遺伝子または核酸増幅産物を含んでいても良い。さらに、CTX−M−9グループに属する全ての亜型を含むことが好ましい。
前記プローブは、前記群のうち全ての亜型由来の遺伝子または核酸増幅産物に結合するオリゴヌクレオチドであることがさらに好ましい。
この時、前記プローブの塩基配列は、前記群のうち全ての亜型の部分配列と完全に同一または相補的な塩基配列であってもよいし、いずれかの亜型の部分配列と完全に同一または相補的な塩基配列であってもよいし、いずれの亜型の部分配列とも一部が異なる塩基配列であってもよい。
配列番号1は、CTX−M9亜型遺伝子の部分配列である。当該配列はCTX−M1グループに属する亜型の遺伝子塩基配列、CTX−M2グループに属する亜型の遺伝子塩基配列とも塩基配列の差異が少ない領域の塩基配列であり、配列番号1からなる塩基配列の一部または全部の塩基配列を有するプローブは、CTX−M1グループに属する亜型、CTX−M2グループに属する亜型、CTX−M9グループに属する亜型の検出が可能になりうる。
あるいは、本発明のプローブとして、前記の塩基配列と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを使用してもよい。
また、前記「相違」の程度は、CTX−M遺伝子の一部または全部とハイブリダイズして複合体を形成しうるものであれば特に制限されない。
例えば、前記「一または数個の塩基の相違」において「数個」とは、好ましくは10塩基以下であり、より好ましくは5塩基であり、より好ましくは4塩基であり、より好ましくは3塩基であり、より好ましくは2塩基以下(2塩基または1塩基)である。
ここでいうユニバーサル塩基とはアデニン、シトシン、グアニン、チミンの4種類の核酸塩基のいずれとも塩基対を形成しうる能力か、あるいは4種類の核酸塩基のいずれとも塩基対を形成しない能力を有する塩基を指す。前記性質を有する塩基であればユニバーサル塩基として使用できるが、好ましくはデオキシイノシン、5−ニトロインドールである。
ここでいう混合塩基とは、オリゴヌクレオチドを構成する特定の部位の塩基が複数であることを示す。混合塩基はIUPACでアルファベット一文字の表記が定められており、AまたはTはW、AまたはGはR、AまたはCはM、TまたはGはK、TまたはCはY、GまたはCはS、AまたはCまたはTはH、GまたはCまたはTはBは、AまたはGまたはCはV、AまたはGまたはTはD、そしてA、T、G、Cのいずれも採りうる場合はNと表記される。本明細書でもこの表記に従って記載する。
配列番号1は、CTX−M9の部分配列であるから、配列番号1に記載の塩基配列もしくは配列番号1に記載の塩基配列と相補的な塩基配列のうち連続する塩基数17〜23の塩基配列で構成されるオリゴヌクレオチド、または、前記塩基配列と一または数個の塩基の相違を有する塩基配列で構成されるオリゴヌクレオチドの場合は、CTX−M9との結合力が相対的に強く、次いでCTX−M1、最後にCTX−M2の順である。
本発明のCTX−M型ESBL検出において、検出対象は、試料中に含まれるESBLを有する微生物由来のDNA中に存在するCTX−M遺伝子を核酸増幅させて得られた核酸増幅産物であることが好ましい。核酸増幅産物を検出対象とする場合は、本発明に記載のプローブと共に、CTX−M遺伝子の一部を特異的に増幅するためのプライマーセットを使用してもよい。
フォワードプライマーおよびリバースプライマーの本数の上限はそれぞれ7本であることが好ましい。さらに好ましくは6本であり、さらに好ましくは5本であり、さらに好ましくは4本であり、3本であっても良いし、2本であっても良い。また、フォワードプライマーおよびリバースプライマーのどちらかに共通プライマーを用いるなどして、両者の本数が同一でなくても良い。
(x1)配列番号10〜18のいずれかで示される塩基配列を有するフォワードプライマー。
(y1)配列番号19〜24のいずれかで示される塩基配列を有するリバースプライマー。
配列番号10〜18は、CTX−M−1グループ、CTX−M−2グループ、CTX−M−9グループ間で配列相同性が高い領域に結合しうるフォワードプライマーの配列である。
配列番号19〜24は、CTX−M−1グループ、CTX−M−2グループ、CTX−M−9グループ間で配列相同性が高い領域に結合しうるリバースプライマーの配列である。
配列番号25、29および33は、それぞれ、混合塩基を有する配列番号15が取りうる配列の一部である。配列番号26、30および34は、それぞれ、混合塩基を有する配列番号16が取りうる配列の一部である。配列番号27、31および35は、それぞれ、混合塩基を有する配列番号17が取りうる配列の一部である。配列番号28、32および36は、それぞれ、混合塩基を有する配列番号18が取りうる配列の一部である。配列番号37、40および43は、それぞれ、混合塩基を有する配列番号21が取りうる配列の一部である。配列番号38、41および44は、それぞれ、混合塩基を有する配列番号22が取りうる配列の一部である。配列番号39、42および45は、それぞれ、混合塩基を有する配列番号23が取りうる配列の一部である。
本発明のCTX−M型ESBL遺伝子の検出方法は、前記のプローブを用いることを特徴とする。
(p)前記のいずれかに記載のプローブと、試料中の一本鎖核酸とを接触させて、前記蛍光標識オリゴヌクレオチドと前記一本鎖核酸との複合体をハイブリダイズさせてハイブリッドを形成する工程。
(q)前記ハイブリッドを含む試料の温度を変化させることで、前記ハイブリッドを解離させ、前記ハイブリッドの解離に基づく蛍光シグナルの変動を測定する工程。
(r)前記蛍光シグナルの変動に基づいてハイブリッドの解離温度であるTm値を測定する工程。
(s)前記Tm値に基づいて、前記試料中の一本鎖核酸におけるCTX−M型ESBL遺伝子の存在を検出する工程。
(o)前記(p)の工程においてハイブリッドを形成する前、または、前記(p)の工程においてハイブリッドを形成すると同時に、核酸を増幅する工程。
前記実施様態においては、CTX−M遺伝子の一部を核酸増幅するために、1本以上のフォワードプライマーと1本以上のリバースプライマーとから成るプライマーセットを用いても良い。
(n)CTX−M型ESBLの存在を分析するための試料を採取する工程。
を含んでも良い。
また、工程(s)は、
(s’)前記Tm値に基づいて、前記試料中の一本鎖核酸におけるCTX−M型ESBL遺伝子の存在を検出することで、試料中のCTX−M基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ遺伝子の存在を決定する工程。
であっても良い。
本発明における被検核酸は、例えば、一本鎖でもよいし、二本鎖でもよい。二本鎖の場合は、例えば、被検核酸とプローブとをハイブリダイズさせてハイブリッド体を形成するために、加熱により前記二本鎖を一本鎖に解離させる工程を含むことが好ましい。
核酸増幅にPCR法を用いる場合、使用するDNAポリメラーゼは特に制限されないが、α型DNAポリメラーゼを用いることが好ましい。その理由を以下に説明する。
例えば、上記KOD DNA Polymerase以外に100塩基/秒以上のデオキシリボ核酸合成速度を有するDNAポリメラーゼとして、「KOD FX(東洋紡製、商標)」、「KOD −Plus−(東洋紡製、商標)」、「KOD Dash(東洋紡製、商標)」、PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ(タカラバイオ製、商標)なども利用できる。
なかでも、高い正確性とDNA合成活性とをあわせ持つKOD −Plus−が望ましい。
本発明のCTX−M遺伝子検出方法においては、工程(o)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計されたプローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる。
中でも、増幅反応と、後述の検出反応とを連続的に行うことができるため、増幅反応前に添加することが好ましい。このように核酸増幅反応の前に前記プローブを添加する場合は、例えば、後述のように、その3’末端に、蛍光色素を付加したり、リン酸基を付加したりすることが好ましい。
前記方法の(s’)で示される工程において、得られた複合体を検出する方法は特に限定されない。例えば、前記のように融解曲線分析による方法が挙げられる。
二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度は、加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、これによって融解が完了したと判断できる。
工程(o)によって得られた核酸増幅産物の解離、および、解離により得られた一本鎖DNAと前記標識化プローブとのハイブリダイズは、例えば、前記反応液の温度変化によって行うことができる。
CTX−M−1、CTX−M−2およびCTX−M−9の各亜型遺伝子と同じ配列を有する人工合成オリゴヌクレオチドを作製し試料とした。そして、前記各試料の融解曲線分析を、本発明で例示されるプローブを用いて行った。
[実験組成]
以下の試薬を含む溶液を調製した。
100μM プローブ(配列番号3または5 、3´末端BODIPY−FL標識) 0.03μl
100μM 人工合成オリゴヌクレオチド 0.1μl
KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
精製水 3.87μl
[融解曲線分析]
94℃・30秒
39℃・30秒
40℃〜75℃(0.09℃/秒で温度上昇)
配列番号3のプローブを用いた試薬で融解曲線分析を行った結果を図1に、配列番号5のプローブを用いた試薬で融解曲線分析を行った結果を図2に示す。図1および2は、融解曲線分析において検出された蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。本実施例のプローブは、末端が蛍光物質で標識されており、相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと結合して複合体を形成すると該蛍光物質が消光し、プローブがオリゴヌクレオチドから遊離してプローブ単独になると発光する、という特徴を有する消光プローブ(Quencing Probe)である。従って、プローブにCTX−M遺伝子を検出する能力があれば、前記融解曲線分析における39℃で30秒間保温するステップにて、前記人工合成オリゴヌクレオチドと複合体を形成し、しかる後、40℃から75℃まで昇温するステップにおいて、特定の温度で該プローブが該オリゴヌクレオチドから遊離し、発光する。そのため、昇温中に蛍光量の変化が検出され、蛍光変化量は前記グラフにピークとして現れる。
図1および図2において、CTX−M−1(図ではM1と表記)、CTX−M−2(図ではM2と表記)およびCTX−M−9(図ではM9と表記)の各亜型遺伝子と同じ配列を有する人工合成オリゴヌクレオチドのそれぞれを試料として融解曲線分析を行うことで、配列番号3および配列番号5のいずれのプローブを用いた場合も、前記各試料の分析においてグラフ上でピークが得られたことが明らかである。以上から、配列番号3および配列番号5のプローブは、それぞれ、CTX−M−1、CTX−M−2およびCTX−M−9からなる群に属する亜型に由来するCTX−M遺伝子を検出可能であり、かつ一つのプローブでCTX−M−1、CTX−M−2およびCTX−M−9の3種類の各亜型を検出可能であることが示された。
本発明の検出方法、およびプライマーセット、プローブを用いて、CTX−M型ESBL産生能を有する微生物の検出が可能であることを示した。
(1)試料の調製
CTX−M−1型遺伝子を有することが明らかになっている大腸菌、CTX−M−2型遺伝子を有することが明らかになっているProteus mirabilis、CTX−M−9型遺伝子を有することが明らかになっている大腸菌を固形培地で培養し、培養された菌を掻きとって水に懸濁し試料とした。また、陰性試料として水を用いた。
(2)核酸増幅および増幅産物検出
[核酸増幅用試薬]
以下の試薬を含む溶液を調製した。プライマーの組み合わせは表2に掲載した。
100μM フォワードプライマー 各0.35μl
100μM リバースプライマー 各0.05μl
100μM プローブ(配列番号5、3´末端BODIPY−FL標識) 0.03μl
KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
内部コントロール試薬(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 1μl
精製水 1.57μl
試料 1μl
94℃・30秒
(以上1サイクル)
97℃・1秒
50℃・3秒
63℃・5秒
(以上60サイクル)
94℃・30秒
39℃・30秒
40℃〜75℃(0.09℃/秒で温度上昇)
図3〜7は、表2に記載した組み合わせNo.1〜5の各プライマーセットを用いて各試料に対して核酸増幅を行い、核酸増幅後配列番号5のプローブを用いた融解曲線分析において検出された蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。PCRによって増幅された標的核酸のうち、プローブと相補的に結合する核酸は、39℃30秒の工程でプローブと結合する。本実施例で用いているプローブは相補的な核酸と結合している時は標識された蛍光物質が消光するという特徴を有する消光プローブである。その後温度を上昇させる工程において、プローブは標的核酸から遊離し蛍光が発光する。この消光から発光に至る蛍光の変化を示したのが前記図である。
各組み合わせとも水を試料とした場合は蛍光が変化していない。これはプローブが結合すべき標的核酸が反応系中に存在しないことを示している。これに対して、CTX−M−1、CTX−M−2およびCTX−M−9の各試料を含む反応系では蛍光が変化しており、その変化がピークとして検出されている。以上から組み合わせNo.1〜5の各プライマーセットによる増幅後、配列番号5のプローブを用いた融解曲線分析によりいずれもCTX−M−1、CTX−M−2およびCTX−M−9のそれぞれを検出可能であることが示された。
(1)試料の調製
実施例2で用いた試料と同じものを用いた。
100μM フォワードプライマー 各0.35μl
100μM リバースプライマー 各0.05μl
100μM プローブ(配列番号8、3´末端BODIPY−FL標識) 0.03μl
KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
内部コントロール試薬(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 1μl
精製水 1.57μl
試料 1μl
核酸増幅および融解曲線分析の条件は実施例2と同じである。
図8〜11は、表3に記載した組み合わせNo.6〜9の各プライマーセットおよび配列番号8で示されるプローブとの組み合わせを用いて各試料に対して核酸増幅を行い、核酸増幅後の融解曲線分析において検出された蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。PCRによって増幅された標的核酸のうち、プローブと相補的に結合する核酸は、39℃30秒の工程でプローブと結合する。本実施例で用いているプローブは相補的な核酸と結合している時は標識された蛍光物質が消光するという特徴を有する消光プローブである。その後温度を上昇させる工程において、プローブは標的核酸から遊離し蛍光が発光する。この消光から発光に至る蛍光の変化を示したのが前記図である。
各組み合わせとも水を試料とした場合は蛍光が変化していない。これはプローブが結合すべき標的核酸が反応系中に存在しないことを示している。これに対して、CTX−M−1、CTX−M−2、およびCTX−M−9の各試料を含む反応系では蛍光が変化しており、その変化がピークとして検出されている。以上からNo.6〜9のプライマーセットによる増幅後、配列番号8のプローブを用いた融解曲線分析によりいずれもCTX−M−1、CTX−M−2およびCTX−M−9のそれぞれを検出可能であることが示された。
(1)試料の調製
実施例2で用いた試料と同じものを用いた。
100μM フォワードプライマー 各0.125μl
100μM リバースプライマー 各0.02μl
100μM プローブ(配列番号5、3´末端BODIPY−FL標識) 0.03μl
KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μl
内部コントロール試薬(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 1μl
精製水 1.515μl
試料 1μl
核酸増幅および融解曲線分析の条件は実施例2と同じである。
図12〜13は、表4に記載した組み合わせNo.10および11の各プライマーセットおよび配列番号5で示されるプローブとの組み合わせを用いて各試料に対して核酸増幅を行い、核酸増幅後の融解曲線分析において検出された蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。本実施例では縮重プライマーを用いず、代わりに所定の塩基配列を有するプライマーを複数本混合した試薬を用いた。実施例2および3と同様に、CTX−M−1、CTX−M−2、およびCTX−M−9を検出可能であった。以上から表4に記載のプライマー組み合わせを用いてもCTX−M−1、CTX−M−2およびCTX−M−9のそれぞれが検出可能であることが示された。
Claims (8)
- 以下の(a)および(b)の特徴を有するCTX−M型ESBL遺伝子検出用プローブ。
(a)配列番号2〜9のいずれかで示された塩基配列、または、前記塩基配列と一つまたは二つの塩基の相違を有する塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。
(b)前記(a)のオリゴヌクレオチドの少なくともいずれかの末端が蛍光色素によって標識されている。 - さらに(c)の特徴を有する請求項1に記載のプローブ。
(c)蛍光色素で標識された核酸の塩基がシトシンである。 - 請求項1又は2に記載のプローブを用いるCTX−M型ESBL遺伝子の検出方法。
- 以下の(p)〜(s)の工程を含む、請求項3に記載の検出方法。
(p)請求項1又は2に記載のプローブと、試料中の一本鎖核酸とを接触させて、前記蛍光標識オリゴヌクレオチドと前記一本鎖核酸との複合体をハイブリダイズさせてハイブリッドを形成する工程。
(q)前記ハイブリッドを含む試料の温度を変化させることで、前記ハイブリッドを解離させ、前記ハイブリッドの解離に基づく蛍光シグナルの変動を測定する工程。
(r)前記蛍光シグナルの変動に基づいてハイブリッドの解離温度であるTm値を測定する工程。
(s)前記Tm値に基づいて、前記試料中の一本鎖核酸におけるCTX−M型ESBL遺伝子の存在を検出する工程。 - さらに、以下の(o)の工程を含む、請求項4に記載の検出方法。
(o)前記(p)の工程においてハイブリッドを形成する前、または、前記(p)の工程においてハイブリッドを形成すると同時に、試料中の一本鎖核酸を増幅する工程。 - 請求項1又は2に記載のプローブを含む、CTX−M型ESBL遺伝子を検出するためのキット。
- 以下の(x1)に示す中から選ばれるフォワードプライマーと、以下の(y1)に示す中から選ばれるリバースプライマーとの組合せからなるプライマーセットをさらに含む、請求項6に記載のキット。
(x1)配列番号10〜18のいずれかで示される塩基配列、または、前記塩基配列中の混合塩基の箇所を、該混合塩基を構成する特定の塩基に変更した塩基配列を有するフォワードプライマー。
(y1)配列番号19〜24のいずれかで示される塩基配列を有するリバースプライマー。 - 以下の(x2)に示す中から選ばれるフォワードプライマーと、以下の(y2)に示す中から選ばれるリバースプライマーとの組合せからなるプライマーセットをさらに含む、請求項6に記載のキット。
(x2)配列番号25〜36で示す塩基配列から選択される2〜4本からなるフォワードプライマー
(y2)配列番号37〜48で示す塩基配列から選択される2〜4本からなるリバースプライマー
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JP2016180310A Active JP6911308B2 (ja) | 2016-09-15 | 2016-09-15 | CTX−M型基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ遺伝子の検出方法 |
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