JP2016077208A - Kras遺伝子変異の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のフォワードプライマー、リバースプライマー、および、プローブを用いる、Kras遺伝子のコドン12、13における変異の有無を検出するための方法。
【選択図】 なし
Description
KRAS遺伝子の変異は膵膓癌の約90%、大膓癌の約50%、また非小細胞肺癌の約30%で発生しており、その突然変異の85%は、遺伝子上のexon2のコドン12、13で発生している(非特許文献1)。
したがって、KRAS遺伝子変異の有無を明らかにすることは、がん疾患において、より効果的な治療法の選択などに極めて重用である。
以下の工程(1)〜(3)を含む、KRAS遺伝子の変異を検出する方法。
(1)フォワードプライマーが以下の(A)の特徴を有し、リバースプライマーが以下の(B)の特徴を有する1対の核酸プライマーセットを含む反応液によって試料中の被検核酸を増幅する工程
(A)配列番号1で示される塩基配列の62〜70番目の任意の塩基を3´末端とし、該配列の37〜42番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(B)配列番号2で示される塩基配列の51〜61番目を3´末端とし、該配列の26〜36番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(2)工程(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部または全部と複合体を形成しうる1種類の核酸プローブであって、以下の(C)に該当する核酸プローブとをハイブリダイズさせ、複合体を形成せしめる工程
(C)配列番号2で示される塩基配列の167番目または170番目を3´末端とし、該配列の149番目または150番目を5´末端とする塩基配列を有する核酸プローブ。
(3)工程(2)で得られた複合体を検出する工程
[項2]
項1に記載の方法において、さらに工程(3)のあとに以下の工程(4)を行う方法。
(4)工程(3)で測定または検出されるデータを解析することでKRAS遺伝子の変異の有無を判別する工程
[項3]
核酸プライマーセットが、フォワードプライマーが配列番号3〜4のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーであり、リバースプライマーが塩基配列5〜7のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーである、項1または2に記載の方法。
[項4]
核酸プローブが、配列番号8、9または10で示される塩基配列を有する、項1から3のいずれかに記載の方法。
[項5]
核酸プライマーセットが項3に記載の核酸プライマーセットであり、核酸プローブが項4に記載の核酸プローブである、項1または2に記載の方法。
[項6]
前記試料が大腸、直腸等の組織、口腔粘膜擦過物、羊水、尿、パラフィン含埋組織、喀痰、組織切片、便、血液(全血)、血液培養液および胃液からなる群、および、前記の群に列挙されるもののうち任意のものを溶液で希釈したものの中から選択されたものである、項1から5のいずれかに記載の方法。
[項7]
前記核酸プローブの少なくとも一方の末端が蛍光標識されており、かつ、前記核酸プローブの蛍光標識されている核酸の塩基はシトシンである、項1から5のいずれかに記載の方法。
[項8]
1対の核酸プライマーからなる核酸プライマーセットであって、フォワードプライマーが以下の(A)の特徴を有し、リバースプライマーが以下の(B)の特徴を有する、核酸プライマーセット。
(A)配列番号1で示される塩基配列の62〜70番目の任意の塩基を3´末端とし、該配列の37〜42番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(B)配列番号2で示される塩基配列の51〜61番目を3´末端とし、該配列の26〜36番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
[項9]
フォワードプライマーが配列番号3〜4のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーであり、リバースプライマーが塩基配列5〜7のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーである、項8に記載の核酸プライマーセット。
[項10]
Kras遺伝子のコドン12及び13における突然変異を検出するための核酸プローブであって、配列番号2で示される塩基配列の167番目または170番目を3´末端とし、該配列の149番目または150番目を5´末端とする塩基配列を有する核酸プローブ。
[項11]
核酸プローブが、配列番号8、9または10で示される塩基配列を有する、項10に記載の核酸プローブ
[項12]
核酸プライマーセットが項8または項9に記載の核酸プライマーセットであり、前記核酸プローブが項10または項11に記載の核酸プローブである、Kras遺伝子のコドン12及び13における突然変異を検出するためのプライマー・プローブのセット。
[項13]
項1から7のいずれかに記載の方法を実施するための組成物であって、項8または項9に記載の核酸プライマーセットと、項10または項11に記載の核酸プローブとを含む組成物。
[項14]
項1〜6のうちいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、項8または請求項9に記載の核酸プライマーセットと、項10または項11に記載の核酸プローブとを含むキット。
また、配列番号2は配列番号1の相補的配列である。
本発明のKras遺伝子変異の検出方法において、Kras遺伝子の領域を特異的に増幅する核酸プライマーセットは、1対の核酸プライマーからなり、かつ以下の(i)の特徴を有する。
(i)配列番号1と95%以上の同一性を有する塩基配列で示される塩基配列であるオリゴヌクレオチドの一部または全部を核酸増幅することが可能な核酸プライマーセットである。
上記の(i)において、配列番号1との同一性は、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは100%(すなわち配列番号1そのもの)である。
塩基配列の同一性を算出する方法としては、種々の方法が知られている。例えば、市販の又は電気通信回線(インターネット)を通じて利用可能な解析ツールを用いて算出することができる。
本明細書では、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムAdvanced BLAST 2.1において、プログラムにblastnを用い、各種パラメータはデフォルト値に設定して検索を行うことにより、ヌクレオチド配列の相同性の値(%)を算出する。
(A)配列番号1で示される塩基配列の62〜70番目の任意の塩基を3´末端とし、該配列の37〜42番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(B)配列番号2で示される塩基配列の51〜61番目の任意の塩基を3´末端とし、該配列の26〜36番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
また、前記(B)の核酸プライマーの塩基配列は、好ましくは配列番号2で示される塩基配列の51番目、53番目または61番目を3´末端とする塩基配列の核酸プライマーである。
本発明で用いられる核酸プローブは、Kras遺伝子のコドン12及び13における変異の有無を検出するためのものであり、上記核酸プライマーセットによって核酸増幅された核酸増幅産物の一部または全部とハイブリダイズして複合体を形成しうるものであれば特に制限されない。より好ましくは、該核酸増幅産物のみと特異的に複合体を形成し、それ以外の塩基配列を有する核酸とは複合体を形成しない核酸プローブであり、より好ましくは該核酸増幅産物の一部または全部の塩基配列と同一または相補的な塩基配列を有する核酸プローブである。
(ii)配列番号2と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、前記核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
上記の(ii)において、配列番号2との同一性は、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは100%である。
(C)配列番号2で示される塩基配列の167番目または170番目を3´末端とし、該配列の149番目または150番目を5´末端とする塩基配列の核酸プローブ
前記塩基配列の核酸プローブは、配列番号2の共通配列の一部と同じ配列を有しており、配列番号1で示される塩基配列を含む核酸増幅産物とも複合体を形成することができる。
本発明のKras遺伝子変異の有無を判別する方法は、試料中のKras遺伝子のコドン12,13の変異を検出する方法であって、ある特定の工程により試料中の核酸を検出する方法、を含むことを特徴とする。
(1)1対の核酸プライマーセットを含む反応液によって被検核酸を増幅する工程
(2)(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部または全部と複合体を形成しうる核酸プローブとをハイブリダイズさせ、複合体を形成せしめる工程
(3)(2)で得られた複合体を検出する工程
該方法で用いられる核酸プライマーセットおよび核酸プローブとしては前記のものが使用できる。
例えば、上記の方法において、さらに工程(3)のあとに以下の工程(4)を行うことができる。
(4)工程(3)で測定または検出されるデータを解析することでKRAS遺伝子の変異の有無を判別する工程
本発明における被検核酸は、例えば、一本鎖でもよいし、二本鎖でもよい。二本鎖の場合は、例えば、被検核酸とプローブとをハイブリダイズさせてハイブリッド体を形成するために、加熱により前記二本鎖を一本鎖に解離させる工程を含むことが好ましい。
試料の採取方法、DNAやRNA等の核酸の調製方法等は、制限されず、従来公知の方法が採用できる。
核酸増幅にPCR法を用いる場合、使用するDNAポリメラーゼは特に制限されないが、α型DNAポリメラーゼを用いることが好ましい。その理由を以下に説明する。
例えば、上記KOD DNA Polymerase以外に100塩基/秒以上のデオキシリボ核酸合成速度を有するDNAポリメラーゼとして、「KOD FX(東洋紡製、商標)」、「KOD −Plus−(東洋紡製、商標)」、「KOD Dash(東洋紡製、商標)」、PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ(タカラバイオ製、商標)なども利用できる。
なかでも、高い正確性とDNA合成活性とをあわせ持つKOD −Plus−が望ましい。
本発明のKras遺伝子変異検出方法においては、工程(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる。
中でも、増幅反応と、後述の検出反応とを連続的に行うことができるため、増幅反応前に添加することが好ましい。このように核酸増幅反応の前に前記プローブを添加する場合は、例えば、後述のように、その3’末端に、蛍光色素を付加したり、リン酸基を付加したりすることが好ましい。
前記方法の(3)で示される工程において、得られた複合体を検出する方法は特に限定されない。例えば、融解曲線分析による方法が挙げられる。
二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度は、加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、これによって融解が完了したと判断できる。
本発明のKras遺伝子変異を検出するための組成物またはキットは、前記核酸プライマーセットを含み、前記Kras遺伝子の変異検出方法に用いることが出来る。前記組成物またはキットは、さらに前記核酸プローブを含み、そのほかに、核酸増幅反応および/または核酸増幅産物検出反応に必要な試薬を適宜含むことが好ましい。
DNA合成活性
本発明において、DNA合成活性とは鋳型DNAにアニールされたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基にデオキシリボヌクレオシド5’−トリホスフェートのα−ホスフェートを共有結合せしめることにより、デオキシリボ核酸にデオキシリボヌクレオシド5’−モノホスフェートを鋳型依存的に導入する反応を触媒する活性をいう。
A: 40mM Tris−HCl(pH7.5)
16mM 塩化マグネシウム
15mM ジチオスレイトール
100μg/ml BSA
B: 2μg/μl 活性化仔牛胸腺DNA
C: 1.5mM dNTP(250cpm/pmol〔3H〕dTTP)
D: 20% トリクロロ酢酸(2mMピロリン酸ナトリウム)
E: 1μg/μl キャリアーDNA
本発明において、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性とは、DNAの3’末端領域を切除し、5’−モノヌクレオチドを遊離する活性をいう。
その活性測定法は、50μlの反応液(120mM Tris−HCl(pH8.8 at 25℃), 10mM KCl, 6mM 硫酸アンモニウム,1mM MgCl2, 0.1% Triton X−100, 0.001% BSA,5 μg トリチウムラベルされた大腸菌DNA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに分注し、DNAポリメラーゼを加える。75℃で10分間反応させた後、氷冷によって反応を停止し、次にキャリアーとして、0.1%のBSAを50μl加え、さらに10%のトリクロロ酢酸、2%ピロリン酸ナトリウム溶液を100μl加え混合する。氷上で15分放置した後、12,000回転で10分間遠心し沈殿を分離する。上清100μlの放射活性を液体シンチレーションカウンター(パッカード社製)で計測し、酸可溶性画分に遊離したヌクレオチド量を測定する。
(1)試料の調製
以下に示す試料1、試料2および陰性コントロール(NC)を調製した。
試料1:コドン13(配列番号1)の86位のGGCがGCCに変異した変異型plasmidと野生型plasmidを3:7の割合で混合し10mMのTris−HCl(pH7.5)で1000(コピー/μL)となるように調製したplasmid希釈液
試料2:野生型plasmidを 10mMのTris−HCl(pH7.5)で1000(コピー/μL)となるように調製したplasmid希釈液
陰性コントロール(NC):精製水
(2)核酸増幅および融解曲線解析
上記試料および陰性コントロール(1μl)にそれぞれ下記試薬(7μl)を添加し、さらに精製水2μlを添加して10μlとした。これに対して下記の条件により核酸増幅および融解曲線解析を行ってKras遺伝子を検出した。核酸増幅および融解曲線解析には東洋紡製GENECUBE(登録商標)を使用した。
以下の試薬を含む溶液を調製した。
100μM オリゴヌクレオチドプライマー(配列番号3〜4のいずれか1本)0.2μL
10μM オリゴヌクレオチドプライマー(配列番号5、7のいずれか1本)0.4μL
10μM オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号8、3’末端をBODIPY−FL標識)0.4μL
KOD Mix(ジーンキューブ(登録商標)テストベーシック、東洋紡製)3μL
PPD Mix(ジーンキューブ(登録商標)テストベーシック、東洋紡製)3μL
(試料)
試料1、試料2、精製水(NC)のいずれか一つ(1μl)
94℃・2分
(以上1サイクル)
97℃・1秒
60℃・3秒
63℃・5秒
(以上50サイクル)
94℃・30秒
39℃・30秒
39℃〜75℃(0.09℃/秒で温度上昇)
図1は、フォワードプライマーが配列番号3、リバースプライマーが配列番号7、核酸プローブが配列番号8からなる核酸プライマー・プローブの組合せを用いて、核酸増幅を行い、その後の温度上昇にともなう蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図1において、試料1の測定結果は野生型および変異型にそれぞれ由来する2つのシグナルのピークを示している。また、試料2の測定結果は野生型に由来する1つのシグナルのピークを示している。図1より、試料1、試料2のKras遺伝子が検出されており、なおかつ変異の有無が判別できている。
以上から、いずれの組み合わせでもKras遺伝子変異(コドン12及び13における変異)の有無を検出できており、本発明のKras遺伝子検出用オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブはいずれもKras遺伝子変異の有無の検出に有効であることが示された。
(1)試料の調製
実施例1と同じ。
(2)核酸増幅および融解曲線解析
実施例1と同じ。ただし、用いた試薬、試料は下記のとおり。
以下の試薬を含む溶液を調製した。
100μM 核酸プライマー(配列番号11)0.2μl
10μM 核酸プライマー(配列番号12、13のいずれか1本)0.4μl
10μM 核酸プローブ(配列番号8)0.4μl
KOD Mix(ジーンキューブ(登録商標)テストベーシック、東洋紡製)3μl
PPD Mix(ジーンキューブ(登録商標)テストベーシック、東洋紡製)3μl
(試料)
試料1、試料2、精製水(NC)のいずれか一つ(1μl)
図3は、フォワードプライマーが配列番号11、リバースプライマーが配列番号12、核酸プローブが配列番号8からなる核酸プライマー・プローブの組合せを用いて、核酸増幅を行い、その後の温度上昇にともなう蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図3において、試料1の測定結果は野生型および変異型にそれぞれ由来する2つのシグナルのピークを示している。一方、試料2の測定結果は本来検出されるべき位置にシグナルのピークが得られていない。すなわち、図3の結果からは、試料1からは遺伝子を検出できているが、試料2からは野生型Kras遺伝子が検出できていないことが明らかである。
(1)試料の調製
以下に示す試料3〜14、試料15および陰性コントロール(NC)を調製した。
試料3〜14:コドン12(配列番号1)の83位のGGT塩基がAGT,CGT,TGT,GAT,GCTまたはGTT塩基に変異した状態、コドン13(配列番号1)の86位のGGC塩基がAGC,CGC,TGC,GAC,GCCまたはGTC塩基に変異した状態であるそれぞれの変異型plasmidを10mMのTris−HCl(pH7.5)でそれぞれ200(コピー/μL)となるように調製したplasmid希釈液
試料15:野生型plasmidを 10mMのTris−HCl(pH7.5)で200(コピー/μL)となるように調製したplasmid希釈液
陰性コントロール(NC):精製水
(2)核酸増幅および融解曲線解析
実施例1と同じ。ただし、用いた試薬、試料は下記のとおり。
以下の試薬を含む溶液を調製した。
100μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号4)0.2μ L
10μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号6)0.4μL
10μMオリゴヌクレオチドプローブ(配列番号8、3’末端をBODIPY−FL標識)0.4μL
KOD Mix(ジーンキューブ(登録商標)テストベーシック、東洋紡製)3μL
PPD Mix(ジーンキューブ(登録商標)テストベーシック、東洋紡製)3μL
(試料) 試料3〜14、試料15、精製水(NC)のいずれか一つ(1μl)
図5、図6及び図7は、フォワードプライマーが配列番号4、リバースプライマーが配列番号6、核酸プローブが配列番号8からなる核酸プライマー・プローブの組合せを用いて、核酸増幅を行い、その後の温度上昇にともなう蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図5、図6、図7より明らかなように、試料3〜14の変異型Kras遺伝子と試料15の野生型Kras遺伝子の区別が可能であり、Kras遺伝子変異の有無が検出されている。
Claims (14)
- 以下の工程(1)〜(3)を含む、KRAS遺伝子の変異を検出する方法。
(1)フォワードプライマーが以下の(A)の特徴を有し、リバースプライマーが以下の(B)の特徴を有する1対の核酸プライマーセットを含む反応液によって試料中の被検核酸を増幅する工程
(A)配列番号1で示される塩基配列の62〜70番目の任意の塩基を3´末端とし、該配列の37〜42番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(B)配列番号2で示される塩基配列の51〜61番目を3´末端とし、該配列の26〜36番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(2)工程(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部または全部と複合体を形成しうる1種類の核酸プローブであって、以下の(C)に該当する核酸プローブとをハイブリダイズさせ、複合体を形成せしめる工程
(C)配列番号2で示される塩基配列の167番目または170番目を3´末端とし、該配列の149番目または150番目を5´末端とする塩基配列を有する核酸プローブ。
(3)工程(2)で得られた複合体を検出する工程 - 請求項1に記載の方法において、さらに工程(3)のあとに以下の工程(4)を行う方法。
(4)工程(3)で測定または検出されるデータを解析することでKRAS遺伝子の変異の有無を判別する工程 - 核酸プライマーセットが、フォワードプライマーが配列番号3〜4のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーであり、リバースプライマーが塩基配列5〜7のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーである、請求項1または2に記載の方法。
- 核酸プローブが、配列番号8、9または10で示される塩基配列を有する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- 核酸プライマーセットが請求項3に記載の核酸プライマーセットであり、核酸プローブが請求項4に記載の核酸プローブである、請求項1または請求項2に記載の方法。
- 前記試料が大腸、直腸等の組織、口腔粘膜擦過物、羊水、尿、パラフィン含埋組織、喀痰、組織切片、便、血液(全血)、血液培養液および胃液からなる群、および、前記の群に列挙されるもののうち任意のものを溶液で希釈したものの中から選択されたものである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
- 前記核酸プローブの少なくとも一方の末端が蛍光標識されており、かつ、前記核酸プローブの蛍光標識されている核酸の塩基はシトシンである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
- 1対の核酸プライマーからなる核酸プライマーセットであって、フォワードプライマーが以下の(A)の特徴を有し、リバースプライマーが以下の(B)の特徴を有する、核酸プライマーセット。
(A)配列番号1で示される塩基配列の62〜70番目の任意の塩基を3´末端とし、該配列の37〜42番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(B)配列番号2で示される塩基配列の51〜61番目を3´末端とし、該配列の26〜36番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー - フォワードプライマーが配列番号3〜4のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーであり、リバースプライマーが塩基配列5〜7のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーである、請求項8に記載の核酸プライマーセット。
- Kras遺伝子のコドン12及び13における突然変異を検出するための核酸プローブであって、配列番号2で示される塩基配列の167番目または170番目を3´末端とし、該配列の149番目または150番目を5´末端とする塩基配列を有する核酸プローブ。
- 核酸プローブが、配列番号8、9または10で示される塩基配列を有する、請求項10に記載の核酸プローブ
- 核酸プライマーセットが請求項8または請求項9に記載の核酸プライマーセットであり、前記核酸プローブが請求項10または請求項11に記載の核酸プローブである、Kras遺伝子のコドン12及び13における突然変異を検出するためのプライマー・プローブのセット。
- 請求項1から7のいずれかに記載の方法を実施するための組成物であって、請求項8または請求項9に記載の核酸プライマーセットと、請求項10または請求項11に記載の核酸プローブとを含む組成物。
- 請求項1〜6のうちいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、請求項8または項9に記載の核酸プライマーセットと、請求項10または請求項11に記載の核酸プローブとを含むキット。
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