JP6343899B2 - 黄色ブドウ球菌の検出方法 - Google Patents
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黄色ブドウ球菌のnuc遺伝子を検出する方法であって、該方法は以下の工程(1)〜(3)からなる方法であり、該方法の(1)の工程で用いられる核酸プライマーセットが(A)および(B)の特徴を有し、核酸プローブが(C)および(D)の特徴を有する方法。
(1)1対の核酸プライマーセットを含む反応液によって被検核酸を増幅する工程
(2)(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部または全部と複合体を形成しうる核酸プローブとをハイブリダイズさせ、複合体を形成せしめる工程
(3)(2)で得られた複合体を検出する工程
(A)配列番号1と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドの一部または全部を増幅できる核酸プライマーセット
(B)配列番号2と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドの一部または全部を増幅できる核酸プライマーセット
(C)配列番号1と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、該核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
(D)配列番号2と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、該核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
[項2]
項1に記載の方法であって、該方法の(1)の工程で用いられる核酸プライマーセットが(A´)および(B´)の特徴を有し、(2)の工程で用いられる核酸プローブが(C´)および(D´)の特徴を有する、方法。
(A´)配列番号1で示される塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち一部または全部を増幅できる核酸プライマーセット
(B´)配列番号2で示される塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち一部または全部を増幅できる核酸プライマーセット
(C´)配列番号1で示される塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、該核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
(D´)配列番号2で示される塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、該核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
[項3]
前記試料が全血、血液培養液、膿、髄液、胸水、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、喀痰、カテーテル洗浄液、組織切片、およびこれらを適当な溶液で希釈したもの、のいずれかから選択される項1または項2に記載の方法。
[項4]
前記核酸プローブの少なくとも一方の末端が蛍光標識されており、かつ、前記核酸プローブの蛍光標識されている核酸の塩基はシトシンである、項1〜3のいずれかに記載の方法。
[項5]
1対の核酸プライマーからなる核酸プライマーセットであって、フォワードプライマーが以下の(E)の特徴を有し、リバースプライマーが以下の(F)の特徴を有する、核酸プライマーセット。
(E)配列番号1で示される塩基配列の83番目または84番目を3´末端とし、該配列の54番目〜65番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(F)配列番号3で示される塩基配列の59番目を3´末端とし、該配列の31〜41番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
[項6]
フォワードプライマーが配列番号6〜8のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーであり、リバースプライマーが塩基配列9〜11のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーである、項5に記載の核酸プライマーセット。
[項7]
nuc遺伝子の一部領域を検出するための核酸プローブであって、配列番号3で示される塩基配列の137番目を3´末端とし、該配列の118番目〜123番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列を有する核酸プローブ。
[項8]
前記核酸プローブが、配列番号12または13で示される塩基配列を有する、項7に記載の核酸プローブ
[項9]
前記核酸プライマーセットが項5または項6に記載の核酸プライマーセットであり、前記核酸プローブが項7または項8に記載の核酸プローブである、項1〜4のいずれかに記載の方法。
[項10]
項1〜4および項9のうちいずれかに記載の方法を実施するための組成物であって、項5または項6のいずれかに記載の核酸プライマーセットと、項7または項8のいずれかに記載の核酸プローブとを含む組成物。
[項11]
項1〜4および項9のうちいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、項5または項6のいずれかに記載の核酸プライマーセットと項7または項8のいずれかに記載の核酸プローブ、または、項10に記載の組成物を含むキット。
また、配列番号3は配列番号1の相補的配列であり、配列番号4は配列番号2の相補的配列である。配列番号5はデータベースに登録されているnuc遺伝子全体の塩基配列である。
本発明の黄色ブドウ球菌の検出方法において、黄色ブドウ球菌に特異的なnuc遺伝子の領域を特異的に増幅する核酸プライマーセットは、1対の核酸プライマーからなり、かつ以下の(A)および(B)の両方の特徴を有する。
(A)配列番号1と95%以上の同一性を有する塩基配列で示される塩基配列であるオリゴヌクレオチドの一部または全部を核酸増幅することが可能な核酸プライマーセットである。
(B)配列番号2と95%以上の同一性を有する塩基配列で示される塩基配列であるオリゴヌクレオチドの一部または全部を核酸増幅することが可能な核酸プライマーセットである。
上記の(A)において、配列番号1との同一性は、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは100%(すなわち配列番号1そのもの)である。同様に、上記の(B)において、配列番号2との同一性は、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは100%(すなわち配列番号2そのもの)である。
本願明細書において、核酸配列の同一性は、GENETYXソフトで比較した値を意味する。
GENETYXソフトは、例えば、GENETYX CORPORATIONから販売されているGENETYX WIN Version 6.1のものを使用できる。
(E)配列番号1で示される塩基配列の83番目または84番目を3´末端とし、該配列の54番目〜65番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
(F)配列番号3で示される塩基配列の59番目を3´末端とし、該配列の31〜41番目の任意の塩基を5´末端とする塩基配列の核酸プライマー
また、前記(F)の核酸プライマーの塩基配列は3´末端が配列番号3で示される塩基配列の59番目の塩基であるならば、5´末端は配列番号3の31番目〜41番目の中の任意の塩基にしてよい。好ましくは5´末端が配列番号3の32〜40番目であり、より好ましくは34〜38番目である。
本発明で用いられる核酸プローブは、上記核酸プライマーセットによって核酸増幅された核酸増幅産物の一部または全部とハイブリダイズして複合体を形成しうるものであれば特に制限されない。より好ましくは、該核酸増幅産物のみと特異的に複合体を形成し、それ以外の塩基配列を有する核酸とは複合体を形成しない核酸プローブであり、より好ましくは該核酸増幅産物の一部または全部の塩基配列と同一または相補的な塩基配列を有する核酸プローブである。
(C)配列番号1と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、前記核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
(D)配列番号2と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、前記核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
上記の(C)において、配列番号1との同一性は、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは100%(すなわち配列番号1そのもの)である。同様に、上記の(D)において、配列番号2との同一性は、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは100%(すなわち配列番号2そのもの)である。
本発明の黄色ブドウ球菌の検出方法
本発明の黄色ブドウ球菌の検出方法は、試料中の黄色ブドウ球菌を検出する方法であって、ある特定の工程により試料中の黄色ブドウ球菌由来の核酸を検出する方法、を含むことを特徴とする。
(1)1対の核酸プライマーセットを含む反応液によって被検核酸を増幅する工程
(2)(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部または全部と複合体を形成しうる核酸プローブとをハイブリダイズさせ、複合体を形成せしめる工程
(3)(2)で得られた複合体を検出する工程
該方法で用いられる核酸プライマーセットおよび核酸プローブとしては前記のものが使用できる。
本発明における被検核酸は、例えば、一本鎖でもよいし、二本鎖でもよい。二本鎖の場合は、例えば、被検核酸とプローブとをハイブリダイズさせてハイブリッド体を形成するために、加熱により前記二本鎖を一本鎖に解離させる工程を含むことが好ましい。
試料の採取方法、DNAやRNA等の核酸の調製方法等は、制限されず、従来公知の方法が採用できる。
例えば、上記KOD DNA Polymerase以外に100塩基/秒以上のデオキシリボ核酸合成速度を有するDNAポリメラーゼとして、「KOD FX(東洋紡製、商標)」、「KOD −Plus−(東洋紡製、商標)」、「KOD Dash(東洋紡製、商標)」、PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ(タカラバイオ製、商標)なども利用できる。
なかでも、高い正確性とDNA合成活性とをあわせ持つKOD −Plus−が望ましい。
本発明において、DNA合成活性とは鋳型DNAにアニールされたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの3’−ヒドロキシル基にデオキシリボヌクレオシド5’−トリホスフェートのα−ホスフェートを共有結合せしめることにより、デオキシリボ核酸にデオキシリボヌクレオシド5’−モノホスフェートを鋳型依存的に導入する反応を触媒する活性をいう。
A: 40mM Tris−HCl(pH7.5)
16mM 塩化マグネシウム
15mM ジチオスレイトール
100μg/ml BSA
B: 2μg/μl 活性化仔牛胸腺DNA
C: 1.5mM dNTP(250cpm/pmol〔3H〕dTTP)
D: 20% トリクロロ酢酸(2mMピロリン酸ナトリウム)
E: 1μg/μl キャリアーDNA
本発明において、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性とは、DNAの3’末端領域を切除し、5’−モノヌクレオチドを遊離する活性をいう。
その活性測定法は、50μlの反応液(120mM Tris−HCl(pH8.8 at 25℃), 10mM KCl, 6mM 硫酸アンモニウム,1mM MgCl2, 0.1% Triton X−100, 0.001% BSA,5 μg トリチウムラベルされた大腸菌DNA)を1.5mlのエッペンドルフチューブに分注し、DNAポリメラーゼを加える。75℃で10分間反応させた後、氷冷によって反応を停止し、次にキャリアーとして、0.1%のBSAを50μl加え、さらに10%のトリクロロ酢酸、2%ピロリン酸ナトリウム溶液を100μl加え混合する。氷上で15分放置した後、12,000回転で10分間遠心し沈殿を分離する。上清100μlの放射活性を液体シンチレーションカウンター(パッカード社製)で計測し、酸可溶性画分に遊離したヌクレオチド量を測定する。
本発明のnuc遺伝子検出方法においては、工程(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部と複合体を形成せしめるように設計された核酸プローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる。
中でも、増幅反応と、後述の検出反応とを連続的に行うことができるため、増幅反応前に添加することが好ましい。このように核酸増幅反応の前に前記プローブを添加する場合は、例えば、後述のように、その3’末端に、蛍光色素を付加したり、リン酸基を付加したりすることが好ましい。
前記方法の(3)で示される工程において、得られた複合体を検出する方法は特に限定されない。例えば、融解曲線分析による方法が挙げられる。
二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度は、加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、これによって融解が完了したと判断できる。
本発明のnuc遺伝子検出キットは、前記核酸プライマーセットを含み、前記nuc遺伝子検出方法に用いることが出来る。該キットは、さらに前記核酸プローブを含み、そのほかに、核酸増幅反応および/または核酸増幅産物検出反応に必要な試薬を適宜含むことが好ましい。
(1)試料の調製
STAPHYLOCOCCUS AUREUS (mecA+) DNA CONTROL(Vircell社製)を10mMのTris−HCl(pH7.5)で10000(コピー/μl)に調製したDNA希釈液、および分離培養された黄色ブドウ球菌のコロニーを10mMのTris−HCl(pH7.5)に懸濁したコロニー液を試料とした。前者を試料1、後者を試料2とした。
(2)核酸増幅およびシークエンス
上記試料にそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりnuc遺伝子をPCRによって核酸増幅した。この核酸増幅産物をPCRで使用した核酸プライマーを用いてシークエンス解析し、塩基配列を解読した。
以下の試薬を含む溶液を調製した。
10μM核酸プライマー(配列番号14)1.0μl
10μM核酸プライマー(配列番号15)1.0μl
10×KOD Plus Buffer Ver.2(東洋紡)2.5μl
25mM MgSO4 1.5μl
2mM dNTP 2.5μl
KOD −Plus− 0.5μl
試料 2μl
精製水 14μl
94℃・2分
(以上1サイクル)
98℃・10秒
60℃・30秒
68℃・20秒
(以上35サイクル)
68℃・1分
(以上1サイクル)
シークエンス解析の結果、試料1からは配列番号1の塩基配列が、試料2からは配列番号2の塩基配列が得られ、両者でnuc遺伝子の塩基配列が大きく異なることが明らかになった。
(1)試料の調製
STAPHYLOCOCCUS AUREUS (mecA+) DNA CONTROL(Vircell社製)を10mMのTris−HCl(pH7.5)で50(コピー/μl)に調製したDNA希釈液、および分離培養された黄色ブドウ球菌のコロニーを10mMのTris−HCl(pH7.5)に懸濁し、それをTris前記緩衝液で10倍希釈したコロニー希釈液を試料とした。前者を試料3、後者を試料4とした。試料3は配列番号1からなる塩基配列を含むnuc遺伝子を有しており、試料4は配列番号2からなる塩基配列を含むnuc遺伝子を有している。また、陰性コントロール(NC)として精製水を試料とした。
(2)核酸増幅および融解曲線解析
上記試料にそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりメチシリン耐性遺伝子を検出した。核酸増幅および融解曲線解析には東洋紡社製GENECUBE(登録商標)を使用した。
以下の試薬を含む溶液を調製した。
100μM核酸プライマー(配列番号6、7、8のいずれか一つ)0.15μl
10μM核酸プライマー(配列番号10)0.3μl
10μM核酸プローブ(配列番号12、3’末端をBODIPY−FL標識)0.3μl
KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製)3μl
PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製)3μl
試料 試料3、試料4、精製水のいずれか一つ(1μl)
精製水2.25μl
94℃・2分
(以上1サイクル)
97℃・1秒
58℃・3秒
63℃・5秒
(以上50サイクル)
94℃・30秒
39℃・30秒
39℃〜75℃(0.09℃/秒で温度上昇)
図1は、フォワードプライマーが配列番号6、リバースプライマーが配列番号10、核酸プローブが配列番号12からなる核酸プライマー・プローブの組合せを用いて、核酸増幅を行い、その後の温度上昇にともなう蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図1より明らかなように、試料3(F6,試料3)と試料4(F6,試料4)の両方からnuc遺伝子が検出されている。また、図2、図3は、フォワードプライマーとしてそれぞれ配列番号7、8の塩基配列からなる核酸プライマーを用い、リバースプライマーと核酸プローブは上記と同じものを用いて、同様の実験を行った結果である。いずれの組み合わせでも,試料3と試料4の両方が検出されていることが明らかである。
以上から、本発明の核酸プライマーは配列番号1および配列番号2のいずれの一部領域も核酸増幅可能であり、本発明の核酸プローブは配列番号1および配列番号2由来の核酸増幅産物の両方を検出できることが示され、また、本発明の方法は、配列番号1を含む塩基配列を有するnuc遺伝子および配列番号2を含む塩基配列を有するnuc遺伝子の両方を検出できる方法であることが示された。
(1)試料の調製
実施例2と同じ。
(2)核酸増幅および融解曲線解析
実施例2と同じ。
以下の試薬を含む溶液を調製した。なお、核酸プライマーの組み合わせについては表3に記載した。
100μM核酸プライマー(配列番号16)0.15μl
10μM核酸プライマー(配列番号17)0.3μl
10μM核酸プローブ(配列番号18、3’末端をBODIPY−FL標識)0.3μl
KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製)3μl
PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製)3μl
試料 試料3、試料4、精製水のいずれか一つ(1μl)
精製水2.25μl
結果
図4は上記試薬組成で核酸増幅を行い、その後の温度上昇にともなう蛍光強度の変化を、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図4から、試料3からはnuc遺伝子を検出できているが(比較 試料3)、試料4はNCと同様の結果が得られており(比較 試料4、比較 NC)、試料4からのnuc遺伝子検出はできていないことが明らかである。
従って、異なる核酸プライマーおよび核酸プローブを用いると、本発明の検出方法と同様の方法を用いても、本発明のように配列番号1を含む塩基配列を有するnuc遺伝子および配列番号2を含む塩基配列を有するnuc遺伝子の両方を検出できる方法には成りえないことが示された。以上から、本発明で規定した特徴を有する核酸プライマーセットおよび核酸プローブを用いて、本発明の検出方法を実施することが重要であることが示された。
Claims (11)
- 試料中の黄色ブドウ球菌のnuc遺伝子を検出する方法であって、該方法は以下の工程(1)〜(3)からなる方法であり、該方法の(1)の工程で用いられる核酸プライマーセットが、以下の(E)の特徴を有するフォワードプライマーと以下の(F)の特徴を有するリバースプライマーとで構成され、該方法の(2)で用いられる核酸プローブが(C)および(D)の特徴を有する方法。
(1)1対の核酸プライマーセットを含む反応液によって被検核酸を増幅する工程
(2)(1)によって得られた核酸増幅産物と、該核酸増幅産物の一部または全部と複合体を形成しうる核酸プローブとをハイブリダイズさせ、複合体を形成せしめる工程
(3)(2)で得られた複合体を検出する工程
(E)配列番号1で示される塩基配列の83番目または84番目を3’末端とし、該配列の54番目〜65番目の任意の塩基を5’末端とする塩基配列の核酸プライマー
(F)配列番号3で示される塩基配列の59番目を3’末端とし、該配列の31〜41番目の任意の塩基を5’末端とする塩基配列の核酸プライマー
(C)配列番号1と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、該核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ
(D)配列番号2と95%以上の同一性を有する塩基配列であるオリゴヌクレオチドのうち、該核酸プライマーセットによって増幅された領域と複合体を形成できる核酸プローブ - 前記核酸プローブが、配列番号3で示される塩基配列の137番目を3’末端とし、該配列の118番目〜123番目の任意の塩基を5’末端とする塩基配列を有する核酸プローブである、請求項1に記載の方法。
- 前記試料が全血、血液培養液、膿、髄液、胸水、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、喀痰、カテーテル洗浄液、組織切片、およびこれらを適当な溶液で希釈したもの、のいずれかから選択される請求項1または請求項2に記載の方法。
- 前記核酸プローブの少なくとも一方の末端が蛍光標識されており、かつ、前記核酸プローブの蛍光標識されている核酸の塩基はシトシンである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 試料中の黄色ブドウ球菌のnuc遺伝子を検出するための1対の核酸プライマーからなる核酸プライマーセットであって、フォワードプライマーが以下の(E)の特徴を有し、リバースプライマーが以下の(F)の特徴を有する、核酸プライマーセット。
(E)配列番号1で示される塩基配列の83番目または84番目を3’末端とし、該配列の54番目〜65番目の任意の塩基を5’末端とする塩基配列の核酸プライマー
(F)配列番号3で示される塩基配列の59番目を3’末端とし、該配列の31〜41番目の任意の塩基を5’末端とする塩基配列の核酸プライマー - フォワードプライマーが配列番号6〜8のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーであり、リバースプライマーが配列番号9〜11のいずれかで示される塩基配列の核酸プライマーである、請求項5に記載の核酸プライマーセット。
- nuc遺伝子の一部領域を検出するための核酸プローブであって、配列番号3で示される塩基配列の137番目を3’末端とし、該配列の118番目〜123番目の任意の塩基を5’末端とする塩基配列を有する核酸プローブ。
- 前記核酸プローブが、配列番号12または13で示される塩基配列を有する、請求項7に記載の核酸プローブ。
- 前記核酸プライマーセットが請求項6に記載の核酸プライマーセットであり、前記核酸プローブが請求項8に記載の核酸プローブである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜4および請求項9のうちいずれかに記載の方法を実施するための組成物であって、請求項5または請求項6のいずれかに記載の核酸プライマーセットと、請求項7または請求項8のいずれかに記載の核酸プローブとを含む組成物。
- 請求項1〜4および請求項9のうちいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、請求項5または請求項6のいずれかに記載の核酸プライマーセットと請求項7または請求項8のいずれかに記載の核酸プローブ、または、請求項10に記載の組成物を含むキット。
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