JP6910679B1 - 巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤、及びエラストマー繊維の製造方法 - Google Patents

巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤、及びエラストマー繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エラストマー繊維の解舒性を好適に向上させるとともに、エラストマー繊維からの飛散を抑制する。【解決手段】ジメチルシリコーン、シリコーンレジン、及び鉱物油の含有割合の合計を100質量%とすると、ジメチルシリコーンを70〜99.9質量%、シリコーンレジンを0.1〜25質量%、及び鉱物油を0〜13質量%の割合で含有し、30℃における動粘度が8〜70mm2/sである。【選択図】なし

Description

本発明は、巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤、及びエラストマー繊維の製造方法に関する。
例えば合成繊維の一種であるエラストマー繊維は、他の合成繊維に比べて繊維間の粘着性が強い。例えばエラストマー繊維を紡糸してパッケージに巻き取った後、該パッケージから引き出して加工工程に供する際に、パッケージから安定して解舒することが難しい場合がある。そのため、パッケージから安定して解舒させるために、エラストマー繊維の紡糸工程において、エラストマー繊維に油剤を付与することがある。
特許文献1には、エラストマー繊維としての弾性繊維の製造方法について、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含む原料組成物を、2000〜10000m/minの紡糸速度で溶融紡糸することが開示されている。
特許文献2には、(a)ポリオルガノシロキサン又は鉱物油、(b)シリコンレジン、及び(c)エーテル変性ポリオルガノシロキサンからなり、30℃における粘度が50センチストーク以下の油剤が付与されたエラストマー繊維としてのポリウレタン弾性繊維が開示されている。
特許文献3には、ベース成分、アミノ変性シリコーン、及びシリコーンレジンを含有する油剤としての弾性繊維用処理剤が開示されている。
特開2018−127746号公報 特開平4−343769号公報 特開2018−131699号公報
近年、エラストマー繊維の紡糸工程において、高速化とともに高倍率延伸が行われるようになってきている。高速での紡糸工程で付与された油剤は、エラストマー繊維に付着せずに飛散しやすい傾向がある。そのため、高速での紡糸工程に用いられる油剤としてのエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤には、エラストマー繊維をパッケージから安定して解舒する解舒性のさらなる性能向上に加えて、エラストマー繊維からの飛散を抑制する性能の向上が求められている。
上記課題を解決するための巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤は、ジメチルシリコーン、シリコーンレジン、鉱物油、及びアミノ基を有する変性シリコーンの含有割合の合計を100質量%とすると、前記ジメチルシリコーンを70〜97質量%、前記シリコーンレジンを0.1〜10質量%、前記鉱物油を0〜10質量%、及び前記変性シリコーンを〜5質量%の割合で含有し、30℃における動粘度が8〜70mm/sであることを要旨とする。
上記巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤は、30℃における動粘度が、8〜40mm/sであることが好ましい。
上記巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤は、前記エラストマー繊維が、ポリウレタン系エラストマー繊維であることが好ましい。
上記課題を解決するためのエラストマー繊維の製造方法は、上記巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤を巻き取り速度が1000m/min以上の紡糸工程でエラストマー繊維に付着させることを要旨とする。
上記エラストマー繊維の製造方法は、前記紡糸工程での巻き取り速度が、1000〜10000m/minであることが好ましい。
本発明の巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤によると、エラストマー繊維の解舒性を好適に向上させることができるとともに、エラストマー繊維からの飛散が抑制される。
パッケージの側面図。
(第1実施形態)
本発明に係る巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤(以下、単に処理剤ともいう。)を具体化した第1実施形態について説明する。
本実施形態の処理剤は、ジメチルシリコーン、シリコーンレジン、鉱物油、及びアミノ基を有する変性シリコーンの含有割合の合計を100質量%とすると、前記ジメチルシリコーンを70〜97質量%、前記シリコーンレジンを0.1〜10質量%、前記鉱物油を0〜10質量%、及び前記変性シリコーンを〜5質量%の割合で含有し、30℃における動粘度が8〜70mm/sである。
処理剤の各成分の含有割合が上記数値範囲であるとともに、動粘度が上記数値範囲であることにより、エラストマー繊維の解舒性を好適に向上させることができる。また、処理剤の飛散をより好適に抑制することができる。また、エラストマー繊維を紡糸してパッケージに巻き取った際の形状をより良好に保持することができる。
なお、上記巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤における「高速」とは、紡糸工程での巻き取り速度が1000m/min以上を意味するものとする。
上記処理剤は、30℃における動粘度が、8〜40mm/sであることが好ましい。処理剤の動粘度が上記数値範囲であることにより、エラストマー繊維に処理剤を付与した際に処理剤をより均一に付着させることができる。動粘度の測定方法については後述する。
上記ジメチルシリコーンとしては、特に制限はないが、25℃における動粘度が5〜1000mm/sであるものが好ましい。
上記ジメチルシリコーンの具体例としては、例えば25℃における動粘度が10mm/sであるジメチルシリコーン、25℃における動粘度が100mm/sであるジメチルシリコーン、25℃における動粘度が1000mm/sであるジメチルシリコーン、25℃における動粘度が6mm/sであるジメチルシリコーン、25℃における動粘度が5mm/sであるジメチルシリコーン等が挙げられる。
上記ジメチルシリコーンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記シリコーンレジンとしては、特に制限はないが、下記の化1で示されるM単位、下記の化2で示されるシロキサン単位、下記の化3で示されるQ単位、及び下記の化4で示されるシロキサン単位から選ばれる2つ以上の構成単位から構成されていることが好ましい。
Figure 0006910679
(化1において、
,R,R:炭素数1〜24の炭化水素基。)
Figure 0006910679
(化2において、
:炭素数1〜24の炭化水素基。
,R:炭素数1〜5のアルキレン基。
:水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数4〜22の1〜4価の脂肪族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基、又は炭素数6〜22の1〜4価の芳香族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基。
f:0〜1の整数。)
Figure 0006910679
Figure 0006910679
(化4において、
,R:炭素数1〜24の炭化水素基。)
上記シリコーンレジンは、上記M単位とQ単位とのモル比率(以下、「MQ比」ともいう。)が、0.5〜1.2であることが好ましい。
上記化1、化2、化4のR、R、R、R、R、Rにおいて、炭素数1〜24の炭化水素基としては、特に制限されず、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。また、直鎖の炭化水素基であってもよいし、分岐鎖を有する炭化水素基であってもよい。
上記炭素数1〜24の炭化水素基としては、例えば、1)メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、へキシル基、イソへキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基、ヘキサデシル基(セチル基)、イソヘキサデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、イソオクタデシイル基、エイコシル基、イソエイコシル基、ドコシル基、イソドコシル基、テトラコシル基、イソテトラコシル基等の炭素数1〜24脂肪族炭化水素基、2)シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、3−ピナニル基等の炭素数3〜24の脂環族炭化水素基、3)フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、アントラセニル基、ピレニル基、ナフトピレニル基、2−ナフタレンドデシル基等の炭素数6〜24の芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記化2のR、Rにおいて、炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へプチレン基等が挙げられる。
上記化2のR−NH(−R−NH)−R−としては、下記の(1)〜(10)を挙げることができる。
(1)fが0であってRが水素原子であるアミノアルキル基。
(2)fが0であってRが炭素数1〜5のアルキル基である置換イミノアルキル基。
(3)fが0であってRがフェニル基であるN−フェニルイミノアルキル基。
(4)fが0であってRが炭素数4〜22の1〜4価の脂肪族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基であるN−置換脂肪族アミドアルキル基。
(5)fが0であってRが炭素数6〜22の1〜4価の芳香族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基であるN−置換芳香族アミドアルキル基。
(6)fが1であってRが水素原子であるアミノアルキルイミノアルキル基。
(7)fが1であってRが炭素数1〜5のアルキル基である置換イミノアルキルイミノアルキル基。
(8)fが1であってRがフェニル基であるN−フェニルイミノアルキルイミノアルキル基。
(9)fが1であってRが炭素数4〜22の1〜4価の脂肪族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基であるN−置換脂肪族アミドアルキルイミノアルキル基。
(10)fが1であってRが炭素数6〜22の1〜4価の芳香族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基であるN−置換芳香族アミドアルキルイミノアルキル基。
上記(1)のアミノアルキル基としては、例えばアミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基等が挙げられる。
上記(2)の置換イミノアルキル基としては、例えばN−エチル−3−イミノプロピル基、N−エチル−2−イミノエチル基等が挙げられる。
上記(3)のN−フェニルイミノアルキル基としては、例えばN−フェニル−3−イミノプロピル基、N−フェニル−2−イミノエチル基等が挙げられる。
上記(4)のN−置換脂肪族アミドアルキル基としては、例えばN−アセトイル−2−イミノエチル基、N−ドデカノイル−2−イミノエチル基、N−オクタデカノイル−2−イミノエチル基、N−オクタデセノイル−2−イミノエチル基、N−アセトイル−3−イミノプロピル基、N−ドデカノイル−3−イミノプロピル基、N−オクタデカノイル−3−イミノプロピル基、N−オクタデセノイル−3−イミノプロピル基、N−アセトイル−4−イミノブチル基、N−ドデカノイル−4−イミノブチル基、N−オクタデカノイル−4−イミノブチル基、N−オクタデセノイル−4−イミノブチル基、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−4−イミノブチル基等が挙げられる。
上記(5)のN−置換芳香族アミドアルキル基としては、例えばN−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基等が挙げられる。
上記(6)のアミノアルキルイミノアルキル基としては、例えばN−(2−アミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−4−イミノブチル基等が挙げられる。
上記(7)の置換イミノアルキルイミノアルキル基としては、例えばN−(N’−エチル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−プロピル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基等が挙げられる。
上記(8)のN−フェニルイミノアルキルイミノアルキル基としては、例えばN−(N’−フェニル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−フェニル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基等が挙げられる。
上記(9)のN−置換脂肪族アミドアルキルイミノアルキル基としては、N−(N’−アセトイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−ドデカノイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−オクタデカノイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−オクタデセノイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−アセトイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−ドデカノイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−オクタデカノイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−オクタデセノイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−アセトイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−(N’−ドデカノイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−(N’−オクタデカノイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−(N’−オクタデセノイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−[N’−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基等が挙げられる。
上記(10)のN−置換芳香族アミドアルキルイミノアルキル基としては、例えばN−[N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N'−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基、N−[N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基、N−[N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基、N−[N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基等が挙げられる。
シリコーンレジンのM単位やQ単位等のシロキサン単位の分析は、特に制限されないが、元素分析、FT−IRスペクトル分析、CP/MASのNMRスペクトル分析等によって行うことができる。例えば、上記分析方法によって原料に用いた各シラン化合物の炭素数を測定することによって、構成シロキサン単位の割合を算出することができる。そして、構成シロキサン単位の割合、シリコーンレジンを構成するシロキサン単位の理論分子量、及び、後述する質量平均分子量の測定値から、分子中のシロキサン単位のモル数を算出して、モル比率を算出することができる。
上記シリコーンレジンの具体例としては、例えば質量平均分子量が12000であり、MQ比が0.8であるメチルシリコーンレジン、質量平均分子量が16000であり、MQ比が0.8であるアミノ変性シリコーンレジン、質量平均分子量が9000であり、MQ比が0.85であるメチルシリコーンレジン、質量平均分子量が16000であり、MQ比が0.91であるアミノ変性シリコーンレジン等が挙げられる。
上記シリコーンレジンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記処理剤に含まれる鉱物油としては、特に制限はないが、例えば芳香族系炭化水素、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。より具体的には、例えばスピンドル油、流動パラフィン等が挙げられる。
また、上記鉱物油は、40℃における動粘度が5〜10mm/sであるものが好ましい。
上記鉱物油の具体例としては、例えば40℃における動粘度が10mm/sである鉱物油、40℃における動粘度が5mm/sである鉱物油、40℃における動粘度が7mm/sである鉱物油等が挙げられる。
上記鉱物油は、市販品を適宜採用することができる。
上記鉱物油は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アミノ基を有する変性シリコーンとしては、特に制限はなく、ジアミン型のアミノ変性シリコーンや、モノアミン型のアミノ変性シリコーンを用いることができる。
アミノ基を有する変性シリコーンの具体例としては、例えば25℃における動粘度が60mm/sであり、当量が4100g/molであるモノアミン型のアミノ変性シリコーン、25℃における動粘度が90mm/sであり、当量が8800g/molであるモノアミン型のアミノ変性シリコーン、25℃における動粘度が450mm/sであり、当量が5700g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン等が挙げられる。
上記アミノ基を有する変性シリコーンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(第2実施形態)
本発明に係るエラストマー繊維を具体化した第2実施形態について説明する。本実施形態のエラストマー繊維は、第1実施形態の処理剤が付着しているエラストマー繊維である。エラストマー繊維に対する第1実施形態の処理剤(溶媒を含まない)の付着量は、特に制限はないが、本発明の効果をより向上させる観点から0.1〜10質量%の割合で付着していることが好ましい。
エラストマー繊維としては、特に制限はないが、例えばポリエステル系エラストマー繊維、ポリアミド系エラストマー繊維、ポリオレフィン系エラストマー繊維、ポリウレタン系エラストマー繊維等が挙げられる。これらの中でもポリウレタン系エラストマー繊維が好ましく、さらにこの中でも溶融紡糸法で紡糸されたポリウレタン系エラストマー繊維が好ましい。かかる場合に本発明の効果の発現をより高くすることができる。
ここで、エラストマー繊維とは、弾力性に富んだ繊維であって、引張り応力を付与すると伸長することができるとともに、引張り応力が解除されると元の長さに戻る繊維を意味するものとする。そのため、エラストマー繊維は、弾性繊維と言い換えることができる。
本実施形態のエラストマー繊維の製造方法は、第1実施形態の処理剤を紡糸工程でエラストマー繊維に給油することにより得られる。処理剤の給油方法としては、希釈することなくニート給油法により、エラストマー繊維の紡糸工程においてエラストマー繊維に付着させる方法が好ましい。付着方法としては、例えばローラー給油法、ガイド給油法、スプレー給油法等の公知の方法が適用できる。
本実施形態に適用されるエラストマー繊維自体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法で製造が可能である。例えば湿式紡糸法、溶融紡糸法、乾式紡糸法等が挙げられる。これらの中でも、溶媒を使用しないことで作業環境への負荷が少ない点、より安価に製造ができる観点から溶融紡糸法が好ましく適用される。
紡糸工程におけるエラストマー繊維の巻き取り速度は、1000/min以上の高速紡糸である。紡糸工程での巻き取り速度は、1000〜10000m/minであることが好ましい。
第1実施形態の処理剤、及び第2実施形態のエラストマー繊維によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ジメチルシリコーン、シリコーンレジン、鉱物油、及びアミノ基を有する変性シリコーンの含有割合の合計を100質量%とすると、前記ジメチルシリコーンを70〜97質量%、前記シリコーンレジンを0.1〜10質量%、前記鉱物油を0〜10質量%、及び前記変性シリコーンを〜5質量%の割合で含有し、30℃における動粘度が8〜70mm/sである。
処理剤の各成分の含有割合が上記数値範囲であるとともに、動粘度が上記数値範囲であることにより、巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程に用いても、エラストマー繊維の解舒性を好適に向上させることができる。また、エラストマー繊維からの処理剤の飛散をより好適に抑制することができる。また、エラストマー繊維を紡糸してパッケージに巻き取った際の形状をより良好に保持することができる。
(2)処理剤は、30℃における動粘度が、8〜40mm/sである。処理剤の動粘度が上記数値範囲であることにより、エラストマー繊維に処理剤を付与した際に処理剤をより均一に付着させることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態、及び、以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
本実施形態の処理剤には、本発明の効果を阻害しない範囲内において、処理剤の品質保持のための安定化剤や制電剤、帯電防止剤、つなぎ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常処理剤に用いられる成分(以下、その他成分ともいう。)をさらに配合してもよい。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。
試験区分1(巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤の調製)
(実施例1、3〜5、8、参考例1〜10、及び比較例1〜10)
以下の方法により、表1に示すシリコーンレジン(B1)を合成した。
B1は、M単位を構成することになる原料として、トリメチルメトキシシラン833.76g(8.0モル)、水800g、メタンスルホン酸2.0g、及びQ単位を構成することになる原料として、テトラエトキシシラン2083.3g(10モル)を反応容器に仕込み、78℃で24時間加温撹拌した。次いで、反応容器に炭酸水素ナトリウム1.78gを加えて中和した後、78℃に保ちながら5時間還流熟成を行った。さらに、キシレン2000gを加え、水、及び反応により副生したメタノールとエタノールを留去して、キシレン溶液に置換後、濾過した。得られた濾液の有効濃度(キシレン溶液中のレジン濃度)を50%に調整した後、その200gを別の反応容器に仕込み、反応溶液からキシレン、水を留去して、シリコーンレジン(B1)を得た。
シリコーンレジン(B1)の分析を行ったところ、このシリコーンレジン(B1)は、1分子中に化1で示されるシロキサン単位(M体)としてトリメチルシロキサンを8.0モル%、化3で示されるシロキサン単位(Q体)を10モル%(合計18モル%)有し、M単位とQ単位のモル比率が0.8のシリコーンレジンであった。
B2〜B4の合成は、B1の合成方法に沿いつつ、各原料の種類、配合、及び反応時間を調整して行った。
表1に示される各成分を使用し、ジメチルシリコーン(A1)、ジメチルシリコーン(A2)、シリコーンレジン(B1)、鉱物油(C1)、及びアミノ変性シリコーン(D1)がそれぞれ、83質部、10質量部、0.1質量部、4.9質量部、及び2質量部となるようにビーカーに加えた。これらをよく撹拌して均一に混合し、実施例1の巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤を調製した。
実施例〜5、8、参考例1〜10、及び比較例1〜9の巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤は、各原料の配合を調整して、実施例1と同様の方法によって調製した。なお、比較例10は、巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤を用いることなく、エラストマー繊維を製造した。
巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤に使用するジメチルシリコーン、シリコーンレジン、鉱物油、アミノ変性シリコーン、及びその他成分の種類と質量部は、表1の「ジメチルシリコーン(A)」欄、「シリコーンレジン(B)」欄、「鉱物油(C)」欄、「アミノ変性シリコーン(D)」欄、「その他成分(E)」欄にそれぞれ示す通りである。
Figure 0006910679
(ジメチルシリコーン(A))
A1:25℃における動粘度が10mm/sであるジメチルシリコーン
A2:25℃における動粘度が100mm/sであるジメチルシリコーン
A3:25℃における動粘度が1000mm/sであるジメチルシリコーン
A4:25℃における動粘度が6mm/sであるジメチルシリコーン
A5:25℃における動粘度が5mm/sであるジメチルシリコーン等が挙げられる。
(シリコーンレジン(B))
B1:質量平均分子量が12000であり、MQ比が0.8であるメチルシリコーンレジン
B2:質量平均分子量が16000であり、MQ比が0.8であるアミノ変性シリコーンレジン
B3:質量平均分子量が9000であり、MQ比が0.85であるメチルシリコーンレジン
B4:質量平均分子量が16000であり、MQ比が0.91であるアミノ変性シリコーンレジン
MQ比の算出方法について説明する。
MQ比は、以下の式で求められる。
MQ比=M単位のモル数/Q単位のモル数
M単位:化1で示される化合物
Q単位:化3で示される化合物
シリコーンレジンの質量平均分子量(以下、「Mw」という。)の測定方法について説明する。
まず、表1のシリコーンレジン0.02gをバイアル瓶に採取した。これにテトラヒドロフランを30mL加えて希釈し、試料溶液を得た。この試料溶液1mLをゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)用濾過フィルターを装着した注射器を用いて異物を除去し、GPC用試料瓶に採取して試料溶液を調製した。
リファレンスカラムとして、TSKgel SuperH−RCを装着した東ソー社製HLC−8320GPCを使用した。
また、測定用カラムとして、TSKguardcolumn SuperH−L、TSKgel SuperH4000、TSKgel Super3000、TSKgel Super2000を装着した東ソー社製HLC−8320GPCを使用した。
Mwは、標準試料として、TSKgel標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、各シリコーンレジンのMwを求めた。
(鉱物油(C))
C1:40℃における動粘度が10mm/sである鉱物油
C2:40℃における動粘度が5mm/sである鉱物油
C3:40℃における動粘度が7mm/sである鉱物油
(アミノ変性シリコーン(D))
D1:25℃における動粘度が60mm/sであり、当量が4100g/molであるモノアミン型のアミノ変性シリコーン
D2:25℃における動粘度が90mm/sであり、当量が8800g/molであるモノアミン型のアミノ変性シリコーン
D3:25℃における動粘度が450mm/sであり、当量が5700g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン
(その他成分(E))
E1:25℃における動粘度が1000mm/sであり、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのモル比(EO:PO)が1:1であるエーテル変性シリコーン
巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤の動粘度は、キャノンフェンスケ粘度計を用いて、30℃の条件下で公知の方法によって測定した。同様に、鉱物油の動粘度は、キャノンフェンスケ粘度計を用いて、40℃の条件下で公知の方法によって測定した。ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、及びその他成分の動粘度は、キャノンフェンスケ粘度計を用いて、25℃の条件下で公知の方法によって測定した。
試験区分2(エラストマー繊維の製造)
試験区分1で調製した処理剤を用いて、エラストマー繊維を製造した。
分子量1000のポリテトラメチレングリコールとジフェニルメタンジイソシアネートとから得られたポリウレタン系エラストマーを溶融紡糸し、ポリウレタン系エラストマー繊維を得た。
巻き取り前の延伸ローラーと巻き取り部との間に位置する給油ガイドから、試験区分1で調製した処理剤をガイドオイリング法でニート給油した。引き続いて、処理剤を付与したポリウレタン系エラストマー繊維を、巻き取り速度500m/min、1000m/min、3000m/minの3種類の条件で、長さ58mmの円筒状紙管に巻き取った。
巻き取りは、巻き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェイスドライブの巻取機を用いて行った。この巻き取りによって、溶融紡糸ポリウレタン系エラストマー繊維のパッケージ500gを得た。処理剤の付着量の調節は、給油ガイドへの送液量を調整することで何れも5質量%となるように行った。
試験区分3(評価)
実施例1、3〜5、8、参考例1〜10、及び比較例1〜10の処理剤について、処理剤を付着させたエラストマー繊維の油剤飛散性、形状保持性、油剤均一付着性、及び解舒性を評価した。各試験の手順について以下に示す。また、試験結果を表1の「油剤飛散性」欄、「形状保持性」欄、「油剤均一付着性」、及び「解舒性」欄にそれぞれ示す。
(油剤飛散性)
試験区分2で、巻き取り速度500m/min、1000m/min、3000m/minの3種類の条件でポリウレタン系エラストマー繊維を製造した際に、巻取機付近の処理剤の飛散量を目視で観察して、以下の基準で評価した。
・油剤飛散性の評価基準
◎:飛散が観察されなかった場合
○:僅かに飛散が観察された場合
×:かなりの飛散が観察された場合
(形状保持性)
150デニールのポリウレタン系エラストマー繊維を紡糸し、ガイド給油法にて処理剤を4.0質量%付着させた。巻き取り速度が500m/min、1000m/min、3000m/minの3種類の条件で巻き取った。
図1に示すように、巻き取りは、長さ57mmの円筒状紙管11に、巻き幅42mmを与えるトラバースガイド(図示省略)を介して、サーフェイスドライブの巻取機(図示省略)を用いて行い、500gのパッケージ10を作製した。得られたパッケージ10について、巻き幅の最大値(Wmax)と最小幅(Wmin)を計測し、双方の差から下記の式でバルジを求めた。下記の基準で評価した。
バルジ=(Wmax−Wmin)/2
・形状保持性の評価基準
◎:バルジが3mm未満である場合
○:バルジが3mm以上、且つ6mm未満である場合
×:バルジが6mm以上である場合
(油剤均一付着性)
摩擦測定メーター(エイコー測器社製、SAMPLEFRICTION UNIT MODEL TB−1)を用いた。2つのフリーローラー間に直径1cmで表面粗度2Sのクロムメッキ梨地ピンを配置した。
試験区分2で、巻き取り速度が500m/min、1000m/min、3000m/minの3種類の条件で製造したパッケージからポリウレタン系エラストマー繊維を引き出し、クロムメッキ梨地ピンに対して接触角度が90度となるようにセットした。
25℃で60%RHの条件下、入側で初期張力(T)5gをかけ、100m/minの速度で走行させたときの出側の2次張力(T)を0.1秒毎に1分間測定した。この時のTの標準偏差を求め、以下の基準で評価した。
・油剤均一付着性の評価基準
◎:標準偏差が1.5未満である場合
○:標準偏差が1.5以上2.0未満である場合
×:標準偏差が2.0以上でる場合
なお、標準偏差が1.5未満である場合は、油剤が均一に付着しており、繊維がクロムメッキ梨地ピンと擦過した際に張力変動が少ない。
標準偏差が1.5以上2.0未満である場合は、油剤がほぼ均一に付着しており、繊維がクロムメッキ梨地ピンと擦過した際に張力変動はあるが操業に問題はない。
標準偏差が2.0以上である場合は、油剤が均一に付着しておらず、繊維がクロムメッキ梨地ピンと擦過した際に張力変動が大きく操業に問題が生じる。
(解舒性)
第1駆動ローラーとこれに常時接する第1遊離ローラーとで送り出し部を形成した。また、第2駆動ローラーとこれに常時接する第2遊離ローラーとで巻き取り部を形成した。送り出し部と巻き取り部の間隔を、水平方向に沿って約20cmとした。
試験区分2で作製したパッケージ(500g巻き)を第1駆動ローラーに装着した。第1駆動ローラーを駆動させてポリウレタン系エラストマー繊維を送り出すとともに、第2駆動ローラーを駆動させてポリウレタン系エラストマー繊維を巻き取った。パッケージの糸巻の厚さが2mmになるまで解舒した。
その際、第1駆動ローラーの送り出し速度を50m/minで固定する一方、第2駆動ローラーの巻き取り速度を50m/minより徐々に上げて、ポリウレタン系エラストマー繊維をパッケージから強制解舒した。この強制解舒において、送り出し部と巻き取り部との間でポリウレタン系エラストマー繊維の踊りがなくなる時点、言い換えれば、糸の挙動が不安定にならず、スムーズにパッケージから送り出されるようになる時点での巻き取り速度V(m/min)を測定した。下記の式から解舒性(%)を求め、以下の基準で評価した。
解舒性(%)=(V−50)×2
・解舒性の評価基準
◎(良好):解舒性が120%未満
○(可):解舒性が120%以上、140%未満
×(不良):解舒性が140%以上
なお、解舒性の評価基準において、解舒性が120%未満であると、糸切れの発生は無く、安定した状態で解舒することが可能になる。解舒性が120%以上、140%未満であると、糸の引き出しに若干の抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、操業に問題はない。解舒性が140%以上であると、糸の引き出し時の抵抗がより大きくなり、糸切れも発生して操業に問題が生じる。
表1の結果から、本発明によれば、巻き取り速度が高速であっても、エラストマー繊維の解舒性を好適に向上させることができるとともに、処理剤の飛散を抑制することができる。また、エラストマー繊維をパッケージに巻き取った際の形状をより良好に保持することができる。また、エラストマー繊維に処理剤を付与した際に処理剤をより均一に付着させることができる。
10…パッケージ、11…円筒状紙管。

Claims (5)

  1. ジメチルシリコーン、シリコーンレジン、鉱物油、及びアミノ基を有する変性シリコーンの含有割合の合計を100質量%とすると、前記ジメチルシリコーンを70〜97質量%、前記シリコーンレジンを0.1〜10質量%、前記鉱物油を0〜10質量%、及び前記変性シリコーンを〜5質量%の割合で含有し、30℃における動粘度が8〜70mm/sであることを特徴とする巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤。
  2. 30℃における動粘度が、8〜40mm/sである請求項1に記載の巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤。
  3. 前記エラストマー繊維が、ポリウレタン系エラストマー繊維である請求項1又は2に記載の巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の巻き取り速度が1000m/min以上のエラストマー繊維高速紡糸工程用処理剤を巻き取り速度が1000m/min以上の紡糸工程でエラストマー繊維に付着させることを特徴とするエラストマー繊維の製造方法。
  5. 前記紡糸工程での巻き取り速度が、1000〜10000m/minである請求項4に記載のエラストマー繊維の製造方法。
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