JP6908064B2 - 時計用部品、時計用ムーブメントおよび時計 - Google Patents
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Description
また、近年の時計用部品においては、時計の外部に露出して用いられる部品だけでなく、時計の内部に内蔵される部品にも、装飾性が求められるようになっている。
例えば、特許文献1には、文字板側あるいは裏蓋側からケース内部に配置した時計用部品をケース外部から視認することができるシースルー構造の時計が開示されている。
本発明の時計用部品とは、時計の外部に露出して用いられる時計用外装部品のほか、時計用内装部品、および時計の構成部品を固定するためのねじを含む概念である。
時計用外装部品としては、例えば、時計ケース、時計バンド、文字盤、時計用針、ベゼル、りゅうず、ボタン、カバーガラス、ガラス縁、ダイヤルリング、見切板、およびパッキン等が挙げられる。時計ケースとしては、例えば、胴、裏蓋、並びに、胴および裏蓋が一体化されたワンピースケース等が挙げられる。時計バンドには、バンド中留、バンドの着脱に用いられる部品、およびバングルの着脱に用いられる部品が含まれる。ベゼルとしては、例えば、回転ベゼル等が挙げられる。りゅうずとしては、例えば、ネジロック式りゅうず等が挙げられる。
時計用内装部品としては、例えば、香箱車、番車、がんぎ車、アンクル、てんぷ、およびぜんまい等が挙げられる。
中でも、時計用部品は、装飾性をより発現する観点から、時計用内装部品であることが好ましく、香箱車、番車、がんぎ車、アンクル、およびてんぷからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
すなわち、時計用部品は、装飾性をより発現する観点から、時計の内部の機構を視認できるシースルー構造の時計に搭載されることが好ましい。
本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
第1実施形態では、時計用部品として、がんぎ車を構成するがんぎ歯車部を例に挙げて説明する。そして、がんぎ歯車部を搭載した時計として、機械式時計を例に挙げて説明する。
図1は、第1実施形態に係る機械式時計1を文字板側から見た平面図である。図2は、第1実施形態に係る機械式時計1を裏蓋側から見た平面図である。なお、時計の構成部品を固定するためのねじ90については、一部のみに符号を付している。
機械式時計1は、文字板側および裏蓋側から、ムーブメント40の一部を視認できるシースルー構造になっている。
機械式時計1は、円筒状の外装ケース5を備え、外装ケース5の内周側に、円盤状の文字板3が配置されている。文字板3には、窓48Aが設けられている。機械式時計1は、この窓48Aを通して、ムーブメント40の一部が視認されるように構成されている。
外装ケース5の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラスで塞がれており、裏面側の開口には裏蓋35が取り付けられている。
機械式時計1は、外装ケース5内に収容されたムーブメント40と、時刻情報を表示する時針44A、分針44B、ゼンマイによる持続時間を指示するパワーリザーブ針44C、およびスモールセコンド44Dを備えている。
時針44A、分針44B、パワーリザーブ針44C、およびスモールセコンド44Dは、ムーブメント40の指針軸に取り付けられ、ムーブメント40により駆動される。
外装ケース5の側面には、リューズ7が設けられている。リューズ7が操作されることにより、操作に応じた入力を行うことができる。
図1においては、文字板側から、当該文字板3に設けられた窓48Aを通して、ムーブメント40の一部を構成するがんぎ車101、アンクル28、てん輪27、およびヒゲゼンマイ29などを視認することができる。がんぎ車101は、第1実施形態に係る時計用部品としてのがんぎ歯車部100と、軸部材102とを備えている。
がんぎ歯車部100の構成については後述する。
裏蓋35は、外周部分を形成するリング状の枠材46と、当該枠材46にはめ込まれた透明部材で形成された窓48Bとで構成される。
ムーブメント40は、輪列45、テンプ受け13、手動巻上機構60、および自動巻上機構50などを備える。
自動巻上機構50は、回転錘、ベアリング、偏心車、爪レバー、および伝え車52などを備える。図2では、伝え車52が示されている。
図2においては、裏蓋側から、当該裏蓋35に設けられた窓48Bを通して、ムーブメント40の一部を構成する香箱車21、がんぎ車101、アンクル28、てん輪27、丸穴車61、角穴伝え車62、角穴車63、偏心車、および伝え車52などを視認することができる。
例えば、窓48A、48Bのデザイン、大きさ、配置位置および窓の数などを適宜変更することにより、ムーブメント40の所望の構成部品を視認できるようにしてもよい。
また、文字板3の全体を透明部材で形成し、文字板側からムーブメント40の全体を視認できるようにしてもよいし、 裏蓋35の全体を透明部材で形成し、裏蓋側からムーブメント40の全体を視認できるようにしてもよい。
図3は、第1実施形態に係るがんぎ歯車部100の平面図である。図4は、図3のA−A線に沿った部分断面図である。
第1実施形態のがんぎ歯車部100は、シリコンを主成分とする基材8を有する。基材8は、第1面8Aおよび前記第1面8Aとは反対側の第2面8Bを有する。
基材8の第1面8Aには、第1酸化シリコン層12と、シリコン層14と、第2酸化シリコン層16とがこの順で積層された3層構造の光反射層10が設けられている。
時計用部品を時計に搭載した際に、時計用部品が時計の裏蓋側から視認される場合、基材の第1面とは、時計の裏蓋側に位置する面を意味する。ただし、時計用部品が時計の文字板側からも裏蓋側からも視認される場合、基材の第1面とは、時計の文字板側に位置する面とする。
本実施形態の場合、時計用部品としてのがんぎ歯車部100は、機械式時計1の文字板側からも裏蓋側からも視認されるので、基材8の第1面8Aとは、前記文字板側に位置する面であり、基材8の第2面8Bとは、前記裏蓋側に位置する面である。
本明細書において、基材とは、光反射層が形成されていない状態の時計用部品を意味する。本実施形態の場合、基材8とは、光反射層10が形成されていない状態のがんぎ歯車部を意味する。
本明細書において、「シリコンを主成分とする」とは、基材全体に対する、シリコンの質量の含有量が80質量%以上であることを意味する。当該シリコンの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
以下の説明では、シリコンを主成分とする基材8を、シリコン製の基材8と称することがある。
基材8はシリコンを主成分とする。シリコンの種類は特に限定されず、加工性の観点から適切なものを選択することができる。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコンなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
シリコン製の基材8は、例えばフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により製造できるので、複雑な形状を形成することができる。
光反射層10は、基材8の第1面8Aに、第1酸化シリコン層12と、シリコン層14と、第2酸化シリコン層16とがこの順で積層された3層構造を有する。
光反射層10は、第2酸化シリコン層16のシリコン層14とは反対側の表面、第2酸化シリコン層16とシリコン層14との界面、シリコン層14と第1酸化シリコン層12との界面、および基材8の第1面8Aのうち、少なくともいずれかの面により光の透過や反射を自在に調整できる機能を有する。
図4に示すように、光反射層10の最表層は第2酸化シリコン層16である。これにより、がんぎ歯車部100の保護性が高められる。
光反射層10の平均厚さは、発色する色に応じて調整されるが、生産性の観点から、265nm以上885nm以下であることが好ましい。
第1酸化シリコン層12は、基材8の第1面8Aに設けられる。
第1酸化シリコン層12の平均厚さは、発色する色に応じて調整されるが、通常、100nm以上450nm以下であり、100nm以上400nm以下であることが好ましい。第1酸化シリコン層12の平均厚さが、100nm以上であると、厚さを制御し易くなる。第1酸化シリコン層12の平均厚さが、400nm以下であると、成膜時間を短縮できるので、生産性が向上する。
例えば、がんぎ歯車部100を青色に発色させる場合、第1酸化シリコン層12の平均厚さは、20nm以上100nm以下、もしくは、180以上290nm以下、もしくは、330nm以上であることが好ましく、210nm以上280nm以下であることがより好ましい。なお、上限値は、生産性の観点から、450nm以下であることが好ましい。第1酸化シリコン層12の平均厚さの好適な範囲は、例えば、後述する実施例に記載の光学計算によって算出することができる。
第1酸化シリコン層12は、熱酸化法で形成された熱酸化シリコン層であることが好ましい。熱酸化法で熱酸化シリコン層12を形成すると、均一性が高いシリコン層が得られ易くなる。したがって、がんぎ歯車部100を同色で均一に発色させ易くなる。
シリコン層14は、第1酸化シリコン層12上に設けられる。
シリコン層14の平均厚さは、66nm以上86nm以下であることが好ましい。
シリコン層14の平均厚さが、66nm以上86nm以下であると、色味を制御し易くなる。
例えば、がんぎ歯車部100を青色に発色させる場合、シリコン層14の平均厚さは、観察角度による発色の差を抑制する観点から、70nm以上84nm以下であることがより好ましい。シリコン層14の平均厚さの好ましい範囲は、例えば、後述する実施例に記載の光学計算によって算出することができる。
シリコン層14は、アモルファス層であっても、ポリシリコン層であってもよいが、ポリシリコン層であることが好ましい。
第2酸化シリコン層16は、シリコン層14上に設けられる。
例えば、がんぎ歯車部100を青色に発色させる場合、第2酸化シリコン層16の平均厚さは、100nm以上200nm以下、もしくは、250nm以上360nm以下、もしくは、400nm以上であることが好ましく、観察角度による発色の差を抑制する観点から、130nm以上200nm以下、もしくは、310nm以上360nm以下であることがより好ましい。なお、上限値は、生産性の観点から、500nm以下であることが好ましい。第2酸化シリコン層16の平均厚さの好適な範囲は、例えば、後述する実施例に記載の光学計算によって算出することができる。
第2酸化シリコン層16は、熱酸化法で形成された熱酸化シリコン層であることが好ましい。熱酸化シリコン層は、通常、蒸着法で形成された酸化シリコン層に比べ、機械的特性が優れているので、第2酸化シリコン層16を熱酸化シリコン層とすることで、基材8の保護性がより高められる。特に、他の部品との接触部位を有するがんぎ歯車部100などの歯車においては、接触部位の機械的強度が高められるので望ましい。
第2酸化シリコン層16の平均厚さは、発色する色に応じて調整されるが、第1酸化シリコン層12の平均厚さよりも小さいことが好ましい。
熱酸化法では、例えば、第2酸化シリコン層16の形成に先立って形成されたシリコン層を酸化することで第2酸化シリコン層16を形成する。この場合、シリコン層はアモルファス層やポリシリコン層で形成されているので、第2酸化シリコン層16の厚さを制御することは難しい。通常、層厚の制御は薄いほうが容易なため、第2酸化シリコン層16の層厚は薄いことが好ましい。したがって、第2酸化シリコン層16の平均厚さは、第1酸化シリコン層12の平均厚さよりも小さいことが好ましい。
時計用部品としてのがんぎ歯車部100の一部を切り出し、試験片とする。試験片の断面を、SEM(走査電子顕微鏡)を用いて観察し、測定対象層の厚さを任意の10点で測定し、その平均値を「測定対象層の平均厚さ」とする。
測定対象層は、第1酸化シリコン層12、シリコン層14、および第2酸化シリコン層16のいずれかの層である。
第1実施形態のがんぎ歯車部100は、シリコン製の基材8の第1面8Aに、相対的に低屈折率層である酸化シリコン層と、相対的に高屈折率層であるシリコン層とが交互に3層積層された光反射層10を有するので、基材8の第1面8Aに、酸化シリコン層を1層積層させた場合に比べて、発色性よく加飾することができる。その結果、装飾性に優れたがんぎ歯車部100が実現される。
また、がんぎ歯車部100は、基材8がシリコン製であり、さらに光反射層10の各層がシリコンを含む材料で構成されているので、基材8および第1酸化シリコン層12の間、並びに、光反射層10の各層の間の密着性が良好であると考えられる。その結果、基材8および光反射層10の間に、通常設けられる密着層が不要であり、全体として耐久性が向上した構造となる。
さらにがんぎ歯車部100は、最表層に、酸化シリコン層である第2酸化シリコン層16を配置しているので、基材8の保護性がより高められた構造となる。物理的にも化学的にも安定な第2酸化シリコン層16が基材8の保護材としての機能を兼ねることができると考えられる。
このような基材8および光反射層10の全てがシリコンを含んでおり、かつ発色性よく加飾することのできるがんぎ歯車部100は従来にない構成である。
第1実施形態のがんぎ歯車部100は、光反射層10の各層の平均厚さをそれぞれ調整することにより、所望の色を発色することができる。
所望の色としては特に限定されないが、例えば、青色、緑色、赤色、黄色、ピンク色、青緑色、およびその他の混合色を発色することができる。
第1実施形態のがんぎ歯車部100は、光反射層10に向かって入射角度0°で光を入射させた際の波長400nm以上780nm以下の範囲における最大反射率が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。なお、入射角度0°とは、光反射層の法線方向に対する入射光の角度である。
がんぎ歯車部100の最大反射率は、試験片を用いて、以下の条件で測定することができる。試験片は、測定装置の仕様に応じて、がんぎ歯車部100自体を用いてもよいし、がんぎ歯車部100から測定可能な大きさに切り出したものを用いてもよい。
−測定条件−
・装置:顕微分光測定機(オリンパス社製、USPM―RU―W)
・測定環境 :25℃
・入射角度0°
第1実施形態のがんぎ歯車部100の製造方法は、少なくとも、シリコン製の基材8の第1面8Aに、第1酸化シリコン層12と、シリコン層14と、第2酸化シリコン層16とをこの順で積層した3層構造の光反射層10を形成する工程を有する。
第1実施形態の製造方法によれば、装飾性に優れたがんぎ歯車部100が製造される。
光反射層10を形成する工程は、基材8の第1面8Aに、第1酸化シリコン層12を形成する工程と、第1酸化シリコン層12上にシリコン層14を形成する工程と、シリコン層14上に第2酸化シリコン層16を形成する工程とを有する。
基材8は、例えばフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により製造することができる。また、シリコン製の基材8を用いることで、金属製の基材を用いる場合に比べ、がんぎ歯車部100の軽量化が実現される。また、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により、複雑な形状を形成することができる。
第1酸化シリコン層12の形成方法としては、例えば、熱酸化法、物理気相成長法(PVD法)、化学気相成長法(CVD法)、およびこれらを組み合わせた方法などが挙げられる。
熱酸化法としては、例えば、水を使用したウェット酸化法、および酸素を使用したドライ酸化法が挙げられる。
PVD法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などが挙げられる。CVD法としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法などが挙げられる。
第1酸化シリコン層12の形成方法としては、水を使用した熱酸化法または酸素を使用したドライ酸化法が好ましい。
第1酸化シリコン層12を熱酸化法で形成する場合、生産性の観点から、縦型炉もしくは横型炉の熱酸化炉を用いることが好ましい。
第1酸化シリコン層12の形成条件は、基材8の形状、および目的とする厚さ等に応じて適宜調整することが好ましい。
シリコン層14の形成方法としては、例えば、PVD法、CVD法、およびこれらを組み合わせた方法などが挙げられる。
PVD法およびCVD法としては、第1酸化シリコン層12を形成する工程で例示した方法と同様の方法が挙げられる。
シリコン層14は、低圧CVD法によって形成されることが好ましい。
例えば、低圧CVD法では、成膜温度を500℃以上700℃以下に制御し、低圧下でモノシランガスを流すことにより、少なくとも基材8の第1面8Aにシリコン層14を形成することができる。低圧CVD法によりシリコン層14を形成すると、成膜温度に応じて、シリコン層の層質をアモルファスシリコンからポリシリコンまで制御することができる。
シリコン層14を低圧CVD法で形成する場合、生産性の観点から、縦型炉もしくは横型炉の低圧CVD炉を用いることが好ましい。
シリコン層14の形成条件は、基材8の形状、および目的とする厚さ等に応じて適宜調整することが好ましい。
第2酸化シリコン層16の形成方法としては、第1酸化シリコン層12の形成方法と同様の方法が挙げられ、好ましい方法も同様である。
中でも、第2酸化シリコン層16は、後述する実施例7のように、シリコン層14の一部を熱酸化することによって形成されることが好ましい。これにより、第2酸化シリコン層16の保護材として機能がより発現されると考えられる。
第2酸化シリコン層16の形成条件は、基材8の形状、目的とする厚さ等に応じて適宜調整することが好ましい。
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明については、その説明を省略する。
第2実施形態に係るがんぎ歯車部は、基材の前記第2面に、さらに第1酸化シリコン層と、シリコン層と、第2酸化シリコン層とがこの順で積層された3層構造の光反射層が設けられている点以外は、第1実施形態に係るがんぎ歯車部100と同様である。
図5は、第2実施形態に係るがんぎ歯車部200の部分断面図であり、具体的には、図3に示すがんぎ歯車部100において、光反射層10が基材8の第2面8Bにも設けられていると仮定したときの、A−A線に沿った部分断面図である。
図5に示すように、がんぎ歯車部200は、基材8の第1面8Aおよび第2面8Bに、第1酸化シリコン層12,22と、シリコン層14,24と、第2酸化シリコン層16,26とがこの順で積層された3層構造の光反射層10,20を有している。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。また、以下の効果も奏される。
通常、基材の一方の面に3層の光反射層を形成した場合、積層された層の応力が課題となることが多い。がんぎ歯車部などの歯車においては、基材の厚さが100μmのオーダーであるので、例えば、歯車の一方の面のみに光反射層を形成した場合、光反射層の応力によって、歯車が歪むことがある。
これに対し、第2実施形態のがんぎ歯車部200は、3層構造の光反射層10,20が第1面8Aおよび第2面8Bに設けられているので、光反射層10,20の層応力による基材8の歪みが抑制される。さらに、最表層に設けられた第2酸化シリコン層16,26によって、基材8の第1面8Aおよび第2面8Bの両面の保護性が高められる。その結果、耐久性により優れたがんぎ歯車部200が実現される。
さらに、がんぎ歯車部200を図1、2のようなシースルー構造の機械式時計1に搭載した場合には、がんぎ歯車部200が、文字板側からも裏蓋側からも視認されるので、機械式時計1の装飾性をより向上させることができる。すなわち、第2実施形態のがんぎ歯車部200は、機械式時計1の装飾性を向上させる点で有効である。
第2実施形態のがんぎ歯車部200の製造方法は、第1実施形態の製造方法に加えて、さらに光反射層20を形成する工程を有する点以外は、第1実施形態の製造方法と同様である。光反射層20は、第1実施形態における光反射層10と同様の方法で形成することができる。
第2実施形態のがんぎ歯車部200は、基材8の第1面8Aおよび第2面8Bに、第1酸化シリコン層12,22を同時に形成し、続けてシリコン層14,24を同時に形成し、続けて第2酸化シリコン層16,26を同時に形成することで製造されることが好ましい。
同時に形成する方法としては、例えば、縦型炉もしくは横型炉を用いて、炉内のボートに、基材8の外周だけを載せて、光反射層10,20の各層をそれぞれ同時に形成する方法が挙げられる。
各層を同時に形成することにより、第1酸化シリコン層12,22、シリコン層14,24、および第2酸化シリコン層16,26の平均厚さがそれぞれ同程度となるので、光反射層10,20の層応力による基材8の歪みが抑制されたがんぎ歯車部200が得られる。
ここで、シリコン製の基材8を用いたがんぎ歯車部200は、金属製の基材を用いたがんぎ歯車部に比べて、脆い傾向があるので、通常、基材8の第1面8Aおよび第2面8Bに光反射層10,20を形成するのは、装置搬送や取り扱いの点で難しいとされている。
これに対し、光反射層10,20の形成に、縦型炉もしくは横型炉を用いた場合、基材8を手差しでセットできるので、基材8が脆くとも、基材8の第1面8Aおよび第2面8Bに、それぞれ、第1酸化シリコン層12,22、シリコン層14,24、および第2酸化シリコン層16,26を一回で形成することができる。また、この方法により、工程数を1/2にすることができる。
なお、各層を同時に形成する場合、第1酸化シリコン層12,22および第2酸化シリコン層16,26の少なくとも一方は熱酸化法で形成することが好ましく、シリコン層14,24は低圧CVD法で形成することが好ましい。
第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明については、その説明を省略する。
第3実施形態に係るがんぎ歯車部は、基材の第1面と第2面とが接続する側面に、さらに第1酸化シリコン層と、シリコン層と、第2酸化シリコン層とがこの順で積層された3層構造の光反射層が設けられている点以外は、第2実施形態に係るがんぎ歯車部200と同様である。
図6は、第3実施形態に係るがんぎ歯車部300の部分断面図であり、具体的には、図3に示すがんぎ歯車部100において、光反射層10が基材8の第2面8Bおよび側面8Cにも設けられていると仮定したときの、A−A線に沿った部分断面図である。
図6に示すように、がんぎ歯車部300は、基材8の第1面8A、第2面8Bおよび側面8Cに、第1酸化シリコン層12,22,32と、シリコン層14,24,34と、第2酸化シリコン層16,26,36とがこの順で積層された3層構造の光反射層10,20,30を有している。
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が奏される。また、以下の効果も奏される。
第3実施形態のがんぎ歯車部300は、光反射層10,20,30が、基材8の第1面8A、第2面8Bおよび側面8C設けられているので、すなわち、光反射層10,20,30が基材8の表面全体に設けられているので、基材8の歪みがより抑制され、基材8全体の保護性が高められる。その結果、耐久性にさらに優れたがんぎ歯車部300が実現される。
特に、他の部品との接触部位を有するがんぎ歯車部300などの歯車においては、基材8の側面8Cが光反射層30で覆われることにより、接触部位が保護されるので、歯車の破壊耐性を向上させることができる。
第3実施形態のがんぎ歯車部300の製造方法は、第2実施形態の製造方法に加えて、さらに光反射層30を形成する工程を有する点以外は、第2実施形態の製造方法と同様である。光反射層30は、第1実施形態における光反射層10と同様の方法で形成することができる。
第3実施形態のがんぎ歯車部300は、基材8の第1面8A、第2面8Bおよび側面8Cに、第1酸化シリコン層12,22,32を同時に形成し、続けてシリコン層14,24,34を同時に形成し、続けて第2酸化シリコン層16,26,36を同時に形成することで製造されることが好ましい。
同時に形成する方法としては、第2実施形態と同様の方法で、縦型炉もしくは横型炉を用いて、炉内のボートに、基材8の外周だけを載せて、光反射層10,20,30の各層をそれぞれ同時に形成する方法が挙げられる。
各層を同時に形成することにより、第1酸化シリコン層12,22,32、シリコン層14,24,34、および第2酸化シリコン層16,26,36の平均厚さがそれぞれ同程度となるので、光反射層10,20,30の層応力による基材8の歪みがより抑制されたがんぎ歯車部300が得られる。
なお、各層を同時に形成する場合、第1酸化シリコン層12,22,32および第2酸化シリコン層16,26,36の少なくとも一方は熱酸化法で形成することが好ましく、シリコン層14,24,36は低圧CVD法で形成することが好ましい。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等が可能である。
上述の実施形態では、時計用部品としてがんぎ歯車部100、および当該がんぎ歯車部100を搭載した機械式時計1について説明したがこれに限定されない。
例えば、第1実施形態に係る機械式時計1は、本発明の時計用部品を少なくとも1つ以上備えていればよい。
前述の実施形態に係るがんぎ歯車部100は、装飾性を損なわない範囲において、最表層に、透明性を有する防汚層または帯電防止層を有していてもよい。これにより、がんぎ歯車部100に防汚機能または帯電防止機能が付与される。
また、前述の実施形態に係るがんぎ歯車部100の製造方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。例えば、各工程の間に、洗浄等の中間処理を施してもよい。また、第2酸化シリコン層を形成する工程の後に、防汚層を形成する工程または帯電防止層を形成する工程を有してもよい。基材に対しては、切削、研削、研磨、およびホーニング等の前処理を施してもよい。
本実施形態に係る時計用ムーブメントは、前述の実施形態に係るいずれかの時計用部品を少なくとも1つ備える。本実施形態によれば、装飾性に優れ、デザイン性の高い時計用ムーブメントが実現される。
本実施形態に係る時計は、前述の実施形態に係るいずれかの時計用部品を少なくとも1つ備える。
本実施形態に係る時計によれば、装飾性に優れ、デザイン性の高い時計が実現される。
時計としては、特に限定されず、例えば、クオーツ時計、機械式時計、および電子制御式機械式時計などが挙げられる。中でも、時計用部品の装飾性をより発現する観点から、時計としては、シースルー構造の機械式時計が好ましい。
シリコン基材上に、酸化シリコン層を1層形成した構造について、酸化シリコン層の厚さと階調との関係を光学計算によって求めた。この構造は従来の構造である。光学計算について詳細に説明する。
まず、シリコン基材および第1酸化シリコン層のそれぞれの、波長400nm以上800nm以下に対する屈折率nと消衰係数kを用いて、第1酸化シリコン層の厚さを変化させた時の反射スペクトルを計算によって求めた。
次に、反射率R(λ)と図7に示す等色関数とを、下記式(1A)〜(1C)および下記式(2)を用いて3刺激値XYZに変換し、続いて、下記式(3)および下記式(4A)〜(4C)を用いて、256階調のRGB値に変換した。
このようにして、反射スペクトルをRGB値に変換した。なお、γ補正はせずγ=1とした。
図8に示すように、シリコン基材上に、酸化シリコン層を1層形成した場合、酸化シリコン層の厚さを変更しても、階調は、R、GおよびBのいずれも120程度までしか上がらないことがわかる。これは、酸化シリコン層自体の反射率が低く、発色性が不十分であることを示している。
以下では、シリコン基材を「Si基材」、第1酸化シリコン層を「第1のSiO2層」、シリコン層を「Si層」、第2酸化シリコン層を「第2のSiO2層」と称することがある。
シリコン基材上に、第1酸化シリコン層220nm、シリコン層76nm、および第2酸化シリコン層140nmからなる光反射層を形成したときの積層体を時計用部品1とした。
時計用部品1の構成を概略的に示すと以下の通りである。
Si基材/第1のSiO2層(220nm)/Si層(76nm)/第2のSiO2層(140nm)
具体的には、Si基材、第1のSiO2層、Si層、および第2のSiO2層のそれぞれの、波長400nm以上800nm以下に対する屈折率nと消衰係数kとを用いて、第1のSiO2層、Si層、および第2のSiO2層の厚さをそれぞれ変化させた時の反射スペクトルを計算によって求めた(図9参照)。続いて、前述と同様の方法で、反射スペクトルを256階調のRGB階調に変換した。
図9は、時計用部品1の、波長と反射率との関係を示すグラフである。
図9より、波長400nm以上550nm以下の青色領域では、最大70%の反射率を示し、波長550nm超え750nm程度の波長領域では20%程度に反射率を抑えることができることがわかる。
図10は、時計用部品1の、観察角度と階調との関係を示す。
図10より、Bが200階調付近まで増加していることがわかる。加えて、GおよびRは50階調以下に推移していることがわかる。
また、観察角度の依存性について、Bは、45°超えまで150階調以上を保っていることがわかる。
したがって、時計用部品1によれば、シリコン基材上に酸化シリコン層が1層形成された従来の時計用部品の構成に比べ、発色性の良い青を実現することができる。
さらに時計用部品1によれば、観察角度を変化させても発色性の良い青を実現することができる。
第1酸化シリコン層の厚さを10nm以上500nm以下の範囲で10nmずつ変化させたこと以外、時計用部品1と同様の積層体とした。これら複数の積層体を総称して時計用部品2と称する。
時計用部品2について、時計用部品1と同様の操作を行った。
時計用部品2の構成を概略的に示すと以下の通りである。
Si基材/第1のSiO2層(10nm以上500nm以下)/Si層(76nm)/第2のSiO2層(140nm)
図11A〜図11Dより、階調は、R、GおよびBのいずれも、第1酸化シリコン層の厚さに応じて周期的に変化することがわかる。
例えば、青色を発色させるためには、Bを150階調以上、GおよびRを100階調以下にすることが望ましいので、図11A〜図11Dより、第1酸化シリコン層の厚さは、20nm以上100nm以下、もしくは、180以上290nm以下、もしくは、330nm以上500nm以下が好適であることがわかる。特に220nm近傍では、Bが高い階調を示し、かつGおよびRが低い階調を示す領域があるので、第1酸化シリコン層の厚さは、210nm以上280nm以下がより好適であることがわかる。
シリコン層の厚さを60nm以上94nm以下の範囲で2nmずつ変化させたこと以外、時計用部品1と同様の積層体とした。これら複数の積層体を総称して時計用部品3と称する。
時計用部品3について、時計用部品1と同様の操作を行った。
時計用部品3の構成を概略的に示すと以下の通りである。
Si基材/第1のSiO2層(220nm)/Si層(60nm以上94nm以下)/第2のSiO2層(140nm)
例えば、青色を発色させるためには、Bを150階調以上、GおよびRを100階調以下にすることが望ましいので、図12A〜図12Dより、シリコン層の厚さは66nm以上86nm以下が好適であることがわかる。さらに観察角度45°まで考慮すると、シリコン層の厚さは70nm以上84nm以下がより好適であることがわかる。
第2酸化シリコン層の厚さを80nm以上650nm以下の範囲で10nmずつ変化させたこと以外、時計用部品1と同様の積層体とした。これら複数の積層体を総称して時計用部品4と称する。
時計用部品4について、時計用部品1と同様の操作を行った。
時計用部品4の構成を概略的に示すと以下の通りである。
Si基材/第1のSiO2層(220nm)/Si層(76nm)/第2のSiO2層(80nm以上650nm以下)
図13A〜図13Dより、階調は、R、GおよびBのいずれも、第2酸化シリコン層の厚さに応じて周期的に変化することがわかる。
例えば、青色を発色させるためには、Bを150階調以上、GおよびRを100階調以下にすることが望ましいので、図13A〜図13Dより、第2酸化シリコン層の厚さは、100nm以上200nm以下、もしくは、250nm以上360nm以下、もしくは、400nm以上550nm以下が好適であることがわかる。さらに観察角度45°まで考慮すると、第2酸化シリコン層の厚さは、130nm以上200nm以下、もしくは、310nm以上360nm以下がより好適であることがわかる。
シリコン基材上に、第1酸化シリコン層150nm、シリコン層110nm、および第2酸化シリコン層70nmからなる光反射層を形成したときの積層体を時計用部品5とした。
時計用部品5について、時計用部品1と同様の操作を行った。
時計用部品5の構成を概略的に示すと以下の通りである。
Si基材/第1のSiO2層(150nm)/Si層(110nm)/第2のSiO2層(70nm)
図14より、波長600nm以上800nm以下の赤色領域では、最大70%の反射率を示している。
図15は、時計用部品5の、観察角度と階調との関係を示す。
図15より、Rが250階調付近まで増加しており、BおよびGがおよそ100階調以下に推移していることがわかる。
したがって、時計用部品5によれば、発色性の良い赤を実現することができる。
シリコン基材上に、第1酸化シリコン層330nm、シリコン層76nm、および第2酸化シリコン層140nmからなる光反射層を形成したときの積層体を時計用部品6とした。なお、時計用部品6は、時計用部品2の一例である。
時計用部品6について、時計用部品1と同様の操作を行った。
時計用部品6の構成を概略的に示すと以下の通りである。
Si基材/第1のSiO2層(330nm)/Si層(76nm)/第2のSiO2層(140nm)
図16より、波長400nm以上550nm以下の青色領域および波長400nm以上600nm以下の緑色領域において、最大50%超えの反射率のピークが2つ観察された。
図17は、時計用部品6の、観察角度と階調との関係を示す。
図17より、Bの階調が高く、次いでGの階調が高くなっており、Rの階調が60以下に推移していることがわかる。
したがって、時計用部品6によれば、発色性の良い青緑を実現することができる。
(がんぎ歯車部の基材の製造)
シリコンウエハーを準備し、シリコンウエハーの一方の面に、スピンコート法により、フォトレジストを塗布し、他方の面に、裏面マスク材を配置し、これらのフォトレジストおよび裏面マスク材を硬化した。
次に、フォトレジストに対してフォトリソグラフィー技術により、露光をした後、現像を行うことにより、がんぎ歯車部の基材の平面視外形に対応するフォトレジストパターンを形成した。
次に、フォトレジストパターンをマスクとしてシリコンウエハーにエッチングを施し、張出部、弾性部、およびリム部を有するがんぎ歯車部の基材の外形を形成した。
次に、フォトレジストパターンおよび裏面マスク材を除去し、図3に示すがんぎ歯車部の基材と同様の構成のがんぎ歯車部の基材を製造した。
・第1のSiO2層の形成工程
縦型の熱酸化炉に、がんぎ歯車部の基材を設置し、1050℃まで加熱後、17分間保持した。
このようにして、基材の表面全体、すなわち、基材の第1面、第2面、および側面に、厚さ220nmの第1のSiO2層を形成し、積層体1(基材/第1のSiO2層(220nm))を得た。
縦型の減圧CVD炉に、積層体1(基材/第1のSiO2層(220nm))の外周を石英ボートの爪に設置した。ドライポンプで、炉を減圧すると共に、前記基材を625℃まで加熱した。その後、モノシランガスを19分30秒間流した。
このようにして、第1のSiO2層の表面全体に、厚さ138nmのSi層を形成し、積層体2(基材/第1のSiO2層(220nm)/Si層(138nm))を得た。
縦型の熱酸化炉に、積層体2(基材/第1のSiO2層(220nm)/Si層(138nm))を設置し、950℃まで加熱後、33分間保持した。
このようにして、Si層の表面全体に、厚さ140nmの第2のSiO2層を形成し、図3に示すがんぎ歯車部と同様の構成のがんぎ歯車部を得た。
なお、第2のSiO2層は、積層体2のSi層を熱酸化することによって形成した。
Si層を熱酸化して第2のSiO2層を形成する場合、積層体2のSi層は、およそ44.6%消費される。したがって、積層体2のSi層はおよそ62nm消費され、76nmとなった。
がんぎ歯車部の構成を概略的に示すと以下の通りである。
基材/第1のSiO2層(220nm)/Si層(76nm)/第2のSiO2層(140nm)
第1酸化シリコン層、シリコン層、および第2酸化シリコン層の平均厚さを既述の方法で測定した。
その結果、既述の方法で測定した第1酸化シリコン層、シリコン層、および第2酸化シリコン層の平均厚さと、実施例7で狙って形成した第1酸化シリコン層、シリコン層、および第2酸化シリコン層の厚さとが一致することを確認した。
実施例7で製造されたがんぎ歯車部の発色性について、目視で評価した。
がんぎ歯車部は、観察角度0°、15°、30°および45°のいずれにおいても、発色性の良い青色を呈していた。
したがって、前述のシミュレーション結果は、実際に製造したがんぎ歯車部の評価結果を反映していることが検証された。
実施例7によれば、装飾性に優れたがんぎ歯車部が得られた。
Claims (14)
- 第1面および前記第1面とは反対側の第2面を有し、シリコンを主成分とする基材と、
前記基材の前記第1面に設けられ、第1酸化シリコン層と、シリコン層と、第2酸化シリコン層とがこの順で積層された3層構造の光反射層と、
を有することを特徴とする時計用部品。 - 請求項1に記載の時計用部品において、
前記第2酸化シリコン層の平均厚さは、前記第1酸化シリコン層の平均厚さよりも小さいことを特徴とする時計用部品。 - 請求項1または請求項2に記載の時計用部品において、
前記シリコン層の平均厚さは、66nm以上86nm以下であることを特徴とする時計用部品。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の時計用部品において、
前記第1酸化シリコン層の平均厚さは、100nm以上400nm以下であることを特徴とする時計用部品。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の時計用部品において、
前記基材の前記第2面には、さらに第1酸化シリコン層と、シリコン層と、第2酸化シリコン層とがこの順で積層された3層構造の光反射層が設けられていることを特徴とする時計用部品。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の時計用部品において、
前記第1面と前記第2面とが接続する側面には、さらに第1酸化シリコン層と、シリコン層と、第2酸化シリコン層とがこの順で積層された3層構造の光反射層が設けられていることを特徴とする時計用部品。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の時計用部品において、
前記光反射層に向かって、入射角度0°で光を入射させた際の波長400nm以上780nm以下の範囲における最大反射率が50%以上であることを特徴とする時計用部品。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の時計用部品において、
香箱車、番車、がんぎ車、アンクル、およびてんぷからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする時計用部品。 - 第1面および前記第1面とは反対側の第2面を有し、シリコンを主成分とする基材の少なくとも前記第1面に、第1酸化シリコン層と、シリコン層と、第2酸化シリコン層とをこの順で積層した3層構造の光反射層を形成する工程を有することを特徴とする時計用部品の製造方法。
- 請求項9に記載の時計用部品の製造方法において、
前記第1酸化シリコン層および前記第2酸化シリコン層の少なくとも一方を熱酸化法によって形成することを特徴とする時計用部品の製造方法。 - 請求項9または請求項10に記載の時計用部品の製造方法において、
前記シリコン層を減圧CVD法によって形成することを特徴とする時計用部品の製造方法。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計用部品を備えることを特徴とする時計用ムーブメント。
- 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の時計用部品を備えることを特徴とする時計。
- 請求項13に記載の時計において、
シースルー構造の機械式時計であることを特徴とする時計。
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