JP6907795B2 - 付着防止性積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
平均粒径10nm未満の無機微粒子を溶剤に分散させた分散液を適用して、前記無機微粒子を前記ベースコート層表面に付着させる無機微粒子付着工程と、
前記無機微粒子を含めて、ベースコート層表面に、表面処理剤を適用する表面処理工程と、
を備える付着防止性積層体の製造方法において、
前記溶剤がヘキサンから成り、
前記表面処理剤がシランカップリング剤であり、このシランカップリング剤が、珪素原子に結合した有機基として1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル基を有するシランカップリング剤から成る、
ことを特徴とする付着防止性積層体の製造方法である。
。
ベースコート層形成工程は、基材1上に、平均粒径1〜100μmの粒子(大粒子)2aを含むベースコート層2を形成する工程である。
を混合して混合液とし、この混合液を塗布した後、金属アルコキシドを硬化することによって形成することが望ましい。金属アルコキシドの硬化によって形成された無機バインダー2bは、熱圧によってクラックを生じるから、例えば、この無機バインダー2bで大粒子2aを固定したベースコート層2を前記ヒートシール層上に設けた場合、この付着防止性積層体10を蓋材として容器にヒートシールしたとき、ヒートシールの際の熱圧によって生じたクラックからヒートシール層が浸出してヒートシールすることができる。
無機微粒子付着工程は、平均粒径10nm未満の無機微粒子3を前記ベースコート層2の凹凸表面に付着させる工程である。この工程においては、無機微粒子3を溶剤に分散させて分散液とし、この分散液をベースコート層2の凹凸表面に塗布することで行うことができる。
表面処理工程は、ベースコート層2の凹凸表面とこの凹凸表面に付着した無機微粒子3の両者で構成される表面に、表面処理剤を適用して、表面改質する処理である。主に無機微粒子3の表面を改質するが、ベースコート層2が金属アルコキシドの硬化によって形成された無機バインダー2bを有する場合には、この無機バインダー2bの表面も改質されると推定できる。
することができる。溶剤としては、例えば、ヘキサン、フッ素系溶剤等を使用することができる。また、塗布方法としては、ロールコーティング、グラビアコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、バーコート、刷毛塗り等を使用することができる。そして、塗布後加熱することにより、溶剤の乾燥と同時に表面改質することができる。
(実施例)
基材1としてガラス板を使用した。
この例は、実施例の表面処理剤を別の表面処理剤に変更した例である。表面処理剤としては、ダイキン工業(株)製フッ素系シランカップリング剤(オプツールDSX)を使用した。このシランカップリング剤はフッ素系溶剤に溶解した形式で使用した。濃度は20.0%w/vである。
この例は、無機微粒子3を分散させる溶剤としてメタノールを使用した例である。無機微粒子は実施例と同じAELOJIL 380PEであり、無機微粒子分散液の濃度も、実施例と同じ1.5%w/vである。
この例は、無機微粒子3を分散させる溶剤としてメタノールを使用すると共に、実施例の表面処理剤を別の表面処理剤に変更した例である。
この例は、無機微粒子3を分散させる溶剤としてアセトンを使用した例である。無機微粒子は実施例と同じAELOJIL 380PEであり、無機微粒子分散液の濃度も、実施例と同じ1.5%w/vである。
この例は、無機微粒子3を分散させる溶剤としてアセトンを使用すると共に、実施例の表面処理剤を別の表面処理剤に変更した例である。
この例は、実施例の無機微粒子を別の無機微粒子に変更した例である。無機微粒子としてシリカ微粒子(CABOT社製CAB−O−SIL M−5)を使用した。その平均一次粒径は10〜15nm、比表面積は200m2/gである。この無機微粒子3を分散させる溶剤は実施例と同じヘキサンであり、分散液の濃度も実施例と同じ1.5%w/vである。
この例は、実施例の無機微粒子を別の無機微粒子に変更すると共に、表面処理剤を別の表面処理剤に変更した例である。
この例は、実施例の無機微粒子を別の無機微粒子に変更すると共に、無機微粒子3を分散させる溶剤としてメタノールを使用した例である。
この例は、実施例の無機微粒子を別の無機微粒子に変更すると共に、無機微粒子3を分散させる溶剤としてメタノールを使用した例である。また、この例では、実施例の表面処理剤を別の表面処理剤に変更した。
この例は、実施例の無機微粒子を別の無機微粒子に変更すると共に、無機微粒子3を分
散させる溶剤としてアセトンを使用した例である。
この例は、実施例の無機微粒子を別の無機微粒子に変更すると共に、無機微粒子3を分散させる溶剤としてアセトンを使用した例である。また、この例では、実施例の表面処理剤を別の表面処理剤に変更した。
この例は、比較対照の基準として、ベースコート層2を形成せず、また、無機微粒子3の付着も表面処理も行わないガラス板を、そのまま、付着防止性積層体としたものである。
この例は、ベースコート層2を形成せず、また、無機微粒子3も付着させていないガラス板に表面処理を行って、付着防止性積層体としたものである。
この例も、ベースコート層2を形成せず、また、無機微粒子3も付着させていないガラス板に表面処理を行って、付着防止性積層体としたものである。
この例は、表面処理を行わなかった例である。
この例も、表面処理を行わなかった例である。
これら実施例及び比較例1〜16の付着防止性積層体に対して、水、サラダ油及びハンドソープを、それぞれ、滴下した後、徐々に90度になるまで傾けて、その液滴の様子を観察した。そして、次の基準で付着防止性を評価した。
2:線状に液滴の跡が残る
3:点状に液滴の跡が残る
4:液滴が流れて、跡が残らない
5:液滴がころころ転がる
この結果を表1に示す。
平均一次粒径7nmのシリカ微粒子をヘキサンに分散させてベースコート層表面に適用すると共に、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シランで表面処理を施した実施例では、水に対する付着防止性はもちろん、親油性成分を含む液体(サラダ油)及び界面活性剤成分を含む液体(ハンドソープ)のいずれに対しても優れた付着防止性を示す。これに対し、これら各条件の一つでも満たさない場合には、水に対する付着防止性が優れている場合もあるが、親油性成分を含む液体(サラダ油)及び界面活性剤成分を含む液体(ハンドソープ)に対する付着防止性は乏しい。
第2の実験群は念のために行った確認実験で、炭素数8の非結合基を有するシランカップリング剤(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル基を有するシランカップリング剤)を使用して表面処理を行った場合と、炭素数がこれと異なる非結合基を有するシランカップリング剤を使用して表面処理を行った場合とを比較して、得られた付着防止性積層体の表面におけるフッ素原子の量と付着防止性との関係を確認したものである。このため、この第2の実験群は前記実施例と、これと比較するための比較例17〜19とで構成される。
この例は、表面処理剤として、炭素数3の非結合基を有するシランカップリング剤、すなわち、トリメトキシ(3,3−トリフルオロプロピル)シランを使用した例で、その他は実施例と同様である。
この例は、表面処理剤として、炭素数6の非結合基を有するシランカップリング剤、すなわち、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル)シランを使用した例で、その他は実施例と同様である。
この例は、表面処理剤として、炭素数10の非結合基を有するシランカップリング剤、すなわち、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)シランを
使用した例で、その他は実施例と同様である。
これら実施例及び比較例17〜19の付着防止性積層体について、その表面から深さ100nmまでの範囲において、フッ素原子の量をX線光電子分光分析法(XPS)によって測定した。
この結果から、炭素数8の非結合基を有するシランカップリング剤、すなわち、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シランを表面処理剤として表面処理を施した実施例の付着防止性積層体は、その表面のフッ素原子の量が多く、これに伴って、界面活性剤成分を含むハンドソープに対する付着防止性も高いことが分かる。
2:ベースコート層 2a:大粒子 2b:無機バインダー
3:無機微粒子
4:表面処理
Claims (4)
- 基材上に、平均粒径1〜100μmの粒子(大粒子)を含むベースコート層を形成すると共に、このベースコート層表面に前記粒子に基づく凹凸を形成するベースコート層形成工程と、
平均粒径10nm未満の無機微粒子を溶剤に分散させた分散液を適用して、前記無機微粒子を前記ベースコート層表面に付着させる無機微粒子付着工程と、
前記無機微粒子を含めて、ベースコート層表面に、表面処理剤を適用する表面処理工程と、
を備える付着防止性積層体の製造方法において、
前記溶剤がヘキサンから成り、
前記表面処理剤がシランカップリング剤であり、このシランカップリング剤が、珪素原子に結合した有機基として1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル基を有するシランカップリング剤から成る、
ことを特徴とする付着防止性積層体の製造方法。 - 前記シランカップリング剤がトリクロロ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シランから成ることを特徴とする請求項1に記載の付着防止性積層体の製造方法。
- 前記ベースコート層形成工程が、前記大粒子と金属アルコキシド又はその加水分解物とを混合し、この混合液を塗布し硬化する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の付着防止性積層体の製造方法。
- 前記基材がヒートシール層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の付着防止性積層体の製造方法。
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