以下、図を参照しながら、この発明による電話制御装置、電話制御プログラムの実施の形態について説明する。この発明による電話制御装置は、いわゆるビジネスフォンシステム(ボタン電話システム)を構築する場合に用いられるものである。また、この発明においては、詳しくは後述もするように、発信元から着信先に対して、ビジネスフォンシステムを構成する電話端末の使用者自身を特定するための付加情報を送信する。
このため、この発明による電話制御装置に接続される電話回線(外線)は、プッシュ回線、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線、IP(Internet Protocol)電話回線のいずれかである必要がある。以下に説明する実施の形態においては、説明を簡単にするため、電話制御装置には、IP電話回線が接続されているものとして説明する。
また、上述したように、この実施の形態でも用いる付加情報は、電話端末の使用者自身を特定するためのものである。すなわち、付加情報は、電話を掛ける相手先の電話端末を特定する内線番号や電話端末に付与されているその他のサブアドレスといった電話端末自体を直接に特定するものではない。あくまでも、自分が電話を掛けようとしている相手先の電話端末の使用者自身を特定する(人を特定する)ための情報である。
[実施の形態の電話システムの構成例]
図1は、この発明による電話制御装置の一実施の形態が適用された電話制御装置1、5が用いられて形成された電話システムの例を説明するための図である。この実施の形態において通信ネットワーク4は、主にIP網であるが、電話端末などの通信端末からIP網までを接続する種々の通信回線、例えば、携帯電話網やWi−Fi(登録商標)規格の無線LAN等などをも含むものである。
図1に示すように、通信ネットワーク4に対しては、電話制御装置1が接続されている。この電話制御装置1に対しては、LAN(Local Area Network)2を介して電話端末3(1)、3(2)、3(3)、…、3(n)が接続されて1つのビジネスフォンシステム10を構築している。ビジネスフォンシステム10は、例えば会社Aのオフィスに構築されたものである。なお、電話端末3(n)の添え字nは、単独では1以上の整数を意味するが、図1においては、電話端末3(1)〜3(3)が既に存在しているので、添え字nは4以上の整数を意味することになる。
同様に、通信ネットワーク4に対しては、電話制御装置5が接続されている。この電話制御装置5に対しては、LAN6を介して電話端末7(1)、7(2)、…、7(m)が接続されて他の1つのビジネスフォンシステム20を構築している。ビジネスフォンシステム20は、例えば会社Bのオフィスに構築されたものである。なお、電話端末7(m)の添え字mは、単独では1以上の整数を意味するが、図1においては、電話端末7(1)、7(2)が既に存在しているので、添え字mは3以上の整数を意味することになる。また、通信ネットワーク4には、基地局8を介して、スマートフォン(高機能携帯電話端末)9などの接続も可能にされている。
図1に示した電話システムにおいて、ビジネスフォンシステム10の電話端末3(1)〜3(n)は、他のビジネスフォンシステム20の電話端末7(1)〜7(m)やスマートフォン9などと外線通話を行うことがでる。もちろん、ビジネスフォンシステム10の電話端末3(1)〜3(n)は、相互に内線通話を行うこともできる。同様に、ビジネスフォンシステム20の電話端末7(1)〜7(m)は、他のビジネスフォンシステム10の電話端末3(1)〜3(n)やスマートフォン9などと外線通話を行うことがでる。もちろん、ビジネスフォンシステム20の電話端末7(1)〜7(m)は、相互に内線通話を行うこともできる。
そして、会社Bのビジネスフォンシステム20の使用者が例えば電話端末7(1)を用いて、会社Aのビジネスフォンシステム10の使用者「サクサタロウ」に直接に電話を掛ける必要が生じたとする。従来のダイレクト・イン・ダイヤル機能であれば、目的とする使用者「サクサタロウ」が使用する電話端末の内線番号が事前に分かっていないと、直接電話を掛けることはできない。しかし、この実施の形態の電話システムでは、電話を掛ける相手先の内線番号が分からなくても、ダイレクト・イン・ダイヤル機能を利用することができるようにしている。
具体的には、電話を掛ける相手先の使用者が使用する電話端末の内線番号を用いるのではなく、当該使用者自身を特定するための付加情報を発信通知(発信メッセージ)に含めて着信先に送信する。ここで、当該付加情報は、当該使用者の名前に基づいて入力される番号情報や当該使用者と過去に電話による通話を行った日の日付情報などである。すなわち、発信元の会社Bの使用者は、会社Aの電話番号に加えて、電話を掛ける相手先である会社Aの電話端末の使用者「サクサタロウ」に関連する付加情報を電話端末7(1)〜7(m)のいずれかを通じて入力することにより、発信通知を形成して送信する。
着信先である会社Aのビジネスフォンシステム10の電話制御装置1では、会社Bのビジネスフォンシステム20からの着信通知から付加情報を抽出する。そして、電話制御装置1は、抽出した付加情報から電話を受けるべき使用者が使用する電話端末の識別情報、例えば内線番号を特定して、この特定した識別情報(内線番号)の電話端末に当該発信通知について個別着信させるようにする。従って、電話制御装置1では、電話端末の各使用者が使用する電話端末の識別情報と、各使用者自身を特定するための付加情報とを対応付けて管理している。
これにより、会社Bのビジネスフォンシステム20の使用者は、代表電話番号に電話を掛けて取り次ぎを要請することなく、会社Aのビジネスフォンシステム10の電話端末の目的とする使用者に直接電話を掛けることができる。すなわち、会社Bのビジネスフォンシステム20の使用者は、会社Aの目的とする相手先である「サクサタロウ」さんの使用する電話端末の内線番号を知らなかったとする。この場合にも、会社Bのビジネスフォンシステム20の使用者は、ダイレクト・イン・ダイヤル機能を利用して、会社Aの電話端末の使用者である「サクサタロウ」さんに対して直接に電話をかけることができる。
更に、この実施の形態の電話システムにおいては、発信元の使用者が着信先において目的とする機能を実施するように指示する指示情報を、発信通知に付加情報として含めて通知できるようにしている。これにより、例えば、着信先のビジネスフォンシステムにおいて、発信元の使用者の発意によって例えば留守番電話機能を作動させて、目的とする担当者に宛てて録音メッセージを残すようにするなどのこともできるようにしている。
このように、この実施の形態の電話システムにおいては、着信先の目的とする使用者が使用する電話端末の内線番号を知らなくても、ダイレクト・イン・ダイヤル機能を利用することができるようにしている。更に、この実施の形態の電話システムにおいては、発信元の電話端末から着信先のビジネスフォンシステムに対して目的とする機能の実行を指示して、目的とする処理を行うようにすることもできるようにしている。
次に、この実施の形態の電話システムの電話制御装置1、5と、電話端末3(1)〜3(n)、7(1)〜7(m)との構成例等について説明する。以下においては、まず、発信通知(発信メッセージ)に付加情報を付加する電話端末3(1)〜3(n)、7(1)〜7(m)の構成例等について説明し、この後に電話制御装置1、5の構成例等について説明する。
[電話端末3(1)〜3(n)、7(1)〜7(m)の構成例等]
この実施の形態において、電話端末3(1)〜3(n)、7(1)〜7(m)のそれぞれは、同様の構成を有するものである。このため、電話端末3(1)〜3(n)、7(1)〜7(m)を代表して、電話端末3(1)の構成例について説明する。すなわち、電話端末3(2)〜3(n)、7(1)〜7(m)のそれぞれもまた、以下に説明する電話端末3(1)と同様に構成されるものである。
図2は、この実施の形態の電話端末3(1)の構成例を説明するためのブロック図である。制御部310は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどがCPUバスを通じて接続されて形成されたマイクロプロセッサである。制御部310は、電話端末3(1)の各部を制御する。また、制御部310は、パケット化されて送受される制御データや音声データなどの種々のデータの分解処理/生成処理をも行う。
接続端子301Tは、LAN2への接続端を構成する。接続I/F301は、LAN2を通じて電話制御装置1との接続を実現する。すなわち、接続I/F301は、自機宛てに送信されてきた信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換して自機に取り込む処理を行う。また、接続I/F301は、自機から送信する信号を、送信用の信号に変換し、これを送出する処理を行う。この実施の形態の電話端末3(1)は、接続端子301T及び接続I/F301を通じて電話制御装置1に対して有線接続される。
ハンドセット302は、スピーカ(受話器)とマイクロホン(送話器)とを備えたものである。また、電話端末3(1)は、ハンドセット302が電話端末3(1)の筐体の定位置に置かれているときにはオンフック状態となり、電話端末3(1)の筐体の定位置から取り上げるとオフフック状態となるようにさている。このため、電話端末3(1)においては、これらのフック状態を制御部310が把握できる構成が整えられている。
コーデック303は、制御部310においてパケット分解された音声データの供給を受けて、これを圧縮伸長してアナログ音声信号に変換し、オフフック状態のハンドセット302のスピーカに供給する。これにより、相手先からの音声がハンドセット302のスピーカから放音される。また、コーデック303は、オフフック状態のハンドセット302のマイクロホンにより収音されたアナログ音声信号をデジタル信号に変換し、これをデータ圧縮して制御部310に供給する。制御部310は、コーデック303からの音声データをパケット化して、これを接続I/F301及び接続端子301Tを通じて相手先に送信するようにする。
リンガ304は、制御部310の制御の下、着信時において着信音を放音させるものである。操作入力部305と操作入力インターフェース(以下、操作入力I/Fと記載する。)306とは、使用者からの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部310に提供する。操作入力部305には、テンキーや複数のファンクションキーなどが設けられている。ディスプレイコントローラ307とディスプレイ308とは、制御部310の制御の下、種々の情報をディスプレイ308の表示画面に表示する処理を行う。表示される情報には、入力した相手先の電話番号、発信元の電話番号、ガイダンスメッセージ、警告メッセージなど、種々の情報がある。
そして、電話端末3(1)を通じて電話を掛ける場合、操作入力部305のテンキーを通じて相手先の電話番号を入力することにより、制御部310が当該相手先の電話番号を含む発信通知(発信メッセージ)を形成する。この発信通知は、接続I/F301及び接続端子301Tを通じて送信され、相手先に電話を掛けることができる。更に、この実施の形態の電話端末3(1)は、上述したように、目的とする相手先のビジネスフォンシステムの電話端末の使用者自身を特定するための付加情報を発信通知に含めて送信し、当該使用者が使用する電話端末に対して個別着信させるようにすることもできる。
図3は、電話端末3(1)の制御部310において形成されて送信される発信通知の例について説明するための図である。発信通知は、通常は、着信先電話番号と発信元電話番号とを含むものである。そして、この実施の形態の電話端末3(1)では、図3に示すように、着信先電話番号と発信元電話番号とに続き、セパレータで区切るようにして、1以上の付加情報を発信通知に含めることができるようにしている。この実施の形態において、発信通知に含められる付加情報は番号情報である。当該番号情報は、電話を掛けたい相手の名前に応じたもの、電話を掛けたい相手と過去に通話した日の日付情報、利用したい機能を示す情報などである。もちろん、電話端末3(1)は、付加情報を含めない発信通知を形成することもできる。
図4は、この実施の形態の電話端末3(1)の操作入力部305のテンキー部分の構成を示す図である。また、図5は、図4に示したテンキーを用いて入力する付加情報の入力例について説明するための図である。電話端末3(1)の操作入力部305のテンキーは、図4に示すように、0〜9までの数字キーと、*(アスタリスク)キーと、#(シャープ)キーとからなる。そして、0〜9までの数字キーのそれぞれには、50音の各行が割り当てられている。
すなわち、「1」キーには「あ」行が、「2」キーには「か」行が、「3」キーには「さ」行が割り当てられている。また、「4」キーには「た」行が、「5」キーには「な」行が、「6」キーには「は」行が割り当てられている。また、「7」キーには「ま」行が、「8」キーには「や」行が、「9」キーには「ら」行が、「0」キーには「わ」行及び「ん」を割り当てるが、重複文字「い」、「う」、「え」を除くため、「わ」、「を」、「ん」の3文字からなる文字集合が割り当てられる。
これにより、個々の文字が何かは特定できないが、「あ」行の文字であれば「1」、「か」行の文字であれば「2」、「さ」行の文字であれば「3」というように文字列を番号情報として入力することができる。そして、図5(A)に示すように、例えば、電話を掛けたい会社Aの相手(電話端末の使用者)の名前が「サクサタロウ」である場合には、当該名前の文字列の並びは、「さ」行、「か」行、「さ」行、「タ」行、「ら」行、「あ」行の順である。このため、名前「サクサタロウ」は、テンキーを「323491」の順に操作することにより、「323491」という番号情報として入力できる。
また、目的とする相手と過去に通話した日付が特定できており、これを入力した場合には、そのままテンキーで入力すればよい。例えば、「2017年11月30日」と入力したい場合には、テンキーを「20171130」の順に操作することにより、「20171130」という番号情報として入力できる。また、着信先において実行させたい機能を指示することもできる。例えば、「留守番電話機能」を実行させたい場合には、上述した名前の場合と同様に、機能を示す「ルスバン」という文字列に対応して、テンキーを「9360」の順に操作することにより、「9360」という番号情報として入力できる。
そして、名前や機能などの50音の行に対応した番号情報なのか、日付や時刻などの元々数字で表現されるべき情報の番号情報なのかは、例えば、当該付加情報の前に付されるセパレータによって区別することが可能である。例えば、名前や機能などの50音の行に対応した番号情報の前にはセパレータ「*」を付すようにし、日付や時刻などの元々数字で表現されるべき情報の番号情報の前にはセパレータ「#」を付すようにする。このようにすれば、着信側において、付加情報がどのような付加情報であるのかを特定することができる。
このように、電話端末3(1)は、操作入力部305のテンキーを通じて入力された情報に基づいて、制御部310が、図3に示した態様の発信通知(発信メッセージ)を形成し、これを通信ネットワーク4を通じて着信先に送信することができるものである。
[電話制御装置1、5の構成例等]
次に、電話制御装置1、5の構成例について説明する。この実施の形態において、電話制御装置1、5のそれぞれは、同様の構成を有するものである。このため、電話制御装置1、5を代表して、電話制御装置1の構成例について説明する。すなわち、電話制御装置5もまた、以下に説明する電話制御装置1と同様に構成されるものである。
図6は、この実施の形態の電話制御装置1の構成例について説明するためのブロック図である。接続端子101Tは、通信ネットワーク4への接続端を構成する。通信I/F(Interface)101は、通信ネットワーク4を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、通信I/F101は、通信ネットワーク4を介して送信されて来る自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、通信I/F101は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれを通信ネットワーク4に送出して相手先に送信する。
制御部102は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどを備えたマイクロプロセッサであり、電話制御装置1の各部を制御する。記憶装置103は、例えばハードディスクなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、当該記憶媒体へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置103には、種々のアプリケーションプログラムや処理に必要になるデータなどが記録される他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。
アドレス管理DB(Date Base)104は、ハードディスクなどの記録媒体に作成され、自機に収容された電話端末についてのアドレス情報やその他の管理情報を記憶保持する。図7は、この実施の形態の電話制御装置1のアドレス管理DB104の格納データの例を説明するための図である。図7に示すように、アドレス管理DB104には、電話制御装置1に収容するようにされる電話端末ごとに、「内線番号」、「IP(Internet Protocol)アドレス」、「名前」、「対応番号」、「その他」の各情報が記憶保持される。
「内線番号」は、電話制御装置1に収容するようにされる全ての電話端末に割り当てられる内線電話用の番号である。IPアドレスは、IP電話端末や携帯電話端末などのインターネットに接続可能な機器に対して、例えばDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバなどにより付与され、IP電話端末や携帯電話端末のそれぞれを一意に特定できる情報である。この実施の形態において、電話制御装置1に収容される話端末は、IP電話端末である。
「名前」は、「内線番号」や「IPアドレス」によって特定される当該電話端末を主に使用する使用者の名前である。「対応番号」は、使用者の名前に対応する番号であり、図4、図5を用いて説明したように、名前の各音を50音の各行に対応する番号によって表すようにしたものである。「その他」としては、例えば、個別着信の対象/非対象区分、ポート番号、各電話端末のMACアドレス(Media Access Control address)、URL(Uniform Resource Locator)など、必要となる種々の情報を付加することが可能である。
アドレス管理DB104の格納データにより、電話制御装置1は、自機に収容するようにされた各電話端末を把握し、その使用者が誰かについても把握することができる。そして、アドレス管理DB104が、電話制御装置1に収容された電話端末の識別情報と、当該電話端末の使用者自身を特定するための付加情報である名前や対応番号とを対応付ける情報を記憶保持する記憶手段の1つである。
通話履歴DB(Data Base)105は、ハードディスクなどの記録媒体に作成され、自機を通じて着信したり、発信したりして通話回線を接続し通話を行った場合の通話履歴データを記憶保持する。なお、通話履歴データには、他の電話端末からの着信を受け付けて通話を行うようにした場合に形成される着信通話履歴データと、自機から発信して通話を行うようにした場合に形成される発信通話履歴データとがある。
図8は、電話制御装置1の通話履歴DB105に形成される着信通話履歴データファイルの格納データの例を説明するための図である。また、図9は、電話制御装置1の通話履歴DB105に形成される発信通話履歴データファイルの格納データの例を説明するための図である。すなわち、通話履歴DB105には、着信通話履歴データファイルと発信通話履歴データファイルとが形成され、着信通話履歴データファイルでは着信通話履歴データが管理され、発信通話履歴データファイルでは、発信通話履歴データが管理される。換言すれば、着信通話履歴データファイルでは、自機に掛かってきた電話についての履歴を管理し、発信通話履歴データファイルでは、自機から掛けた電話についての履歴を管理する。
図8に示すように、着信通話履歴データは、電話制御装置1に掛かってきた電話についての履歴を管理するものであり、着信日時、発信元電話番号、着信先電話番号、着信先の内線番号、着信先の使用者の名前、通話時間を管理する。このため、電話制御装置1に収容された電話端末3(1)〜3(n)の使用者に電話を掛ける場合に、過去に当該使用者に電話を掛けた日時(電話制御装置1における着信日時)が特定できれば、これを発信通知に含める付加情報として用いることができる。
従って、電話制御装置1においては、発信通知に過去の着信日時を示す情報が含められていた場合、着信通話履歴データに基づいて、自機に収容された着信先となるべき使用者自身の名前を特定できる。また、この例の場合には、着信先の内線番号も記憶しているので、内線番号も特定できる。
また、時刻まで特定できない場合であっても、新たに電話を掛ける使用者が着信日付(電話を掛けた日)を特定できれば、当該着信日付と発信元電話番号を発信通知に付加情報として含めて電話制御装置1に通知することもできる。この場合には、着信先の電話制御装置1において着信先の使用者の名前を特定できるか、少なくとも絞り込むことができる。また、内線番号も記憶しているので、内線番号についても特定できるか、少なくとも絞り込むことができる。
すなわち、着信先の電話制御装置1において、着信通話履歴として管理されている、着信日時、発信元電話番号を、発信通知に含める付加情報として用いるようにすることができる。この場合、通話履歴DB105の着信通話履歴データファイルは、電話制御装置1に収容された電話端末のそれぞれに割り当てられた識別情報(内線番号)と、当該電話端末のそれぞれの使用者自身を特定するための付加情報とを対応付けて記憶する記憶手段に相当する。なお、着信通話履歴に着信先の内線番号がない場合には、特定した着信先の使用者の名前からアドレス管理DB104を参照することにより識別情報としての内線番号が特定できる。
また、着信先が電話の着信が少ない場合には、着信日付だけを用いても着信先の使用者の内線番号を特定できる場合もある。しかし、一般的に会社等においては、1日に複数の電話の着信があるのが通常であるので、時刻まで特定できない場合には、着信日付と発信元電話番号を付加情報として用いることが好ましい。
また、図9に示すように、発信通話履歴データは、電話制御装置1から掛けた電話についての履歴を管理するものであり、発信日時、発信元電話番号、発信元の内線番号、発信元の使用者の名前、着信先電話番号、通話時間を管理する。このため、電話制御装置1に収容された電話端末3(1)〜3(n)の使用者に電話を掛ける場合に、過去に当該使用者から電話がかかってきた日時(電話制御装置1における発信日時)が特定できれば、これを発信通知に含める付加情報として用いることができる。
従って、電話制御装置1においては、発信通知に過去の発信日時を示す情報が含められていた場合、発信通話履歴データに基づいて、自機に収容された着信先となるべき使用者自身の名前を特定できる。また、この例の場合には、着信先の内線番号も記憶しているので、内線番号も特定できる。
また、時刻まで特定できない場合であっても、新たに電話を掛ける使用者が発信日付(電話が掛けれた日)を特定できれば、当該発信日付と着信先電話番号を発信通知に付加情報として含めて電話制御装置1に通知することもできる。この場合には、着信先の電話制御装置1において着信先の使用者の名前を特定できるか、少なくとも絞り込むことができる。また、内線番号も記憶しているので、内線番号についても特定できるか、少なくとも絞り込むことができる。
すなわち、着信先の電話制御装置1において、発信通話履歴として管理されている、発信日時、着信先電話番号を、発信通知に含める付加情報として用いるようにすることができる。この場合、通話履歴DB105の発信通話履歴データファイルは、電話制御装置1に収容された電話端末のそれぞれに割り当てられた識別情報(内線番号)と、当該電話端末のそれぞれの使用者自身を特定するための付加情報とを対応付けて記憶する記憶手段に相当する。なお、発信通話履歴に発信元の内線番号がない場合には、特定した発信元の使用者の名前からアドレス管理DB104を参照することにより識別情報としての内線番号が特定できる。
また、発信元が電話の発信が少ない場合には、発信日付だけを用いても着信先の使用者の内線番号を特定できる場合もある。しかし、一般的に会社等においては、1日に複数の電話を発信する(複数の電話を掛ける)のが通常であるので、時刻まで特定できない場合には、発信日付と着信先電話番号を付加情報として用いることが好ましい。
留守番メッセージフォルダ106は、ハードディスクなどの記録媒体に作成され、留守番電話機能が用いられて録音された録音データをファイル形式で記憶保持する。図10は、この実施の形態の電話制御装置1の留守番メッセージフォルダ106に格納される留守番メッセージファイルの例を説明するための図である。留守番メッセージファイルは、図10に示すように、録音データに対していわゆるヘッダ情報が付加された構成を有する。ヘッダ情報は、ファイル名、録音日時、発信元電話番号、着信先電話番号、着信先の電話端末の内線番号、着信先の電話端末の使用者の名前からなる。
電話制御装置1においては、留守番電話機能を用いることにより、図10に示した態様で、電話端末の目的とする使用者に対して音声メッセージを残すことができるようになっている。従って、目的する使用者に対して電話を掛けたが、当該使用者が不在である場合には、留守番電話機能を利用するようにして、音声メッセージを残すことができるようにされる。
接続端子107Tは、LAN2への接続端を構成する。接続I/F(Interface)107は、電話制御装置1と、LAN2を通じて電話制御装置1に収容される電話端末3(1)〜3(n)との間の通信を可能にする。従って、電話制御装置1から各電話端末3(1)〜3(n)への信号は、接続I/F107において送信用の形式の信号に変換されて、各電話端末3(1)〜3(n)に送信される。また、各電話端末3(1)〜3(n)からの信号は、接続I/F107において自機において処理可能な形式の信号に変換されて取り込まれる。
呼制御部108は、制御部102の制御の下、アドレス管理DB104の管理情報を用い、電話端末3(1)〜3(n)の発信、着信、応答、切断の呼制御を行う。呼制御部108は、図6に示すように、発信制御部1081と、着信制御部1082とを備え、着信制御部1082は、更に、着信先特定部1082Aと着信処理部1082Bとからなる。呼制御部108は、配下の電話端末3(1)〜3(n)から発信(発信要求)を受け付けると、発信制御部1081が機能して、指示された相手先を呼び出すようにし、当該相手先が応答してきたら通話回線を接続して通話を可能にする。
また、呼制御部108は、自機宛ての着信(相手先からの発信通知)を受け付けた場合には、まず、着信制御部1082の着信先特定部1082Aが機能して、受け付けた発信通知に付加情報が存在するかを確認する。受け付けた発信通知に付加情報が存在する場合には、着信先特定部1082Aは、当該発信通知に含まれる付加情報を抽出し、これに基づいてアドレス管理DB104または通知履歴DB105を参照して、着信先となる電話端末の識別情報を特定する。ここでは、着信先となる電話端末の識別情報は例えば内線番号であるものとする。
次に、着信制御部1082の着信処理部1082Bが機能して、着信先特定部1082Aが特定した識別情報(内線番号)で特定される電話端末に着信を通知する。そして、当該電話端末の使用者が応答操作を行ったときには、着信処理部1082Bは、通話回線を接続して通話を可能にする。なお、着信制御部1082の着信処理部1082Bは、発信通知に付加情報が付加されていなかったり、また、着信先特定部1082Aにおいて着信先の電話端末が特定できなったりした場合には、電話端末3(1)〜3(n)に一斉に着信を通知する。そして、電話端末3(1)〜3(n)のいずれかの使用者が応答操作を行ったときには、着信処理部1082Bは、発信元と応答操作がなされた電話端末との間に通話回線を接続して通話を可能にする。
また、呼制御部108の発信制御部1081及び着信処理部1082Bのそれぞれは、電話端末3(1)〜3(n)の表示部への表示制御やLED(Light Emitting Diode)の点灯/消灯制御なども行う。呼制御部108は、外線の発信/着信、内線の発信/着信のいずれをも制御する。更に、呼制御部108は、制御部102と共同し、配下の電話端末3(1)〜(n)のそれぞれの動作状態を管理することもできるようになっている。
留守番電話機能部109は、制御部102の制御の下、留守番電話機能が用いられるようにされた場合に、発信元から送信されて来る音声データをファイル形式で留守番メッセージフォルダに記録する処理を行う。また、電話端末3(1)〜3(n)からの指示に応じて、指示された留守番メッセージファイルの録音データを再生して、指示元の電話端末3(1)〜3(n)を通じて、使用者が聴取できるようにする処理も行う。
このように、電話制御装置1は、複数の電話端末3(1)〜3(n)を収容し、外線の発信/着信、内線の発信/着信を制御し、電話端末3(1)〜3(n)を用いて、外線通話及び内線通話をできるようにするものである。
[付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能の利用例]
以下、図1を用いて説明したこの実施の形態の電話システムにおいて、付加情報を用いて、目的とする相手先に直接電話を掛けるようにする場合の処理について具体的に説明する。以下においては説明を簡単にするため、会社Bのビジネスフォンシステム20の例えば電話端末7(1)を用いて、会社Aのビジネスフォンシステム10の電話端末の特定の使用者「サクサタロウ」に直接電話を掛ける場合を例にして説明する。
<基本的な利用例>
図11は、付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能の基本的な利用例について説明するためのシーケンス図である。会社Bのビジネスフォンシステム20の電話端末7(1)の使用者が、電話端末7(1)のハンドセット302を取り上げオフフック状態にした後、操作入力部305のテンキーを用いて必要情報を入力したとする。この場合の必要情報は、相手先の電話番号と、セパレータ「*」と、相手先の使用者の名前に応じた番号情報(図5(A))である。
電話端末7(1)の制御部310は、図3を用いて説明したように、「着信先電話番号」と「発信元の電話番号」とセパレータ「*」と「相手先の使用者の名前に応じた番号情報」とを含む発信通知を形成し、これを電話制御装置1に送信する(ステップS1)。なお、「発信元の電話番号」は、例えば、電話制御装置5の不揮発性メモリに記憶保持されている者が読み出されて自動的に発信通知に含められるものであり、使用者が入力する情報ではない。
電話制御装置1では、制御部102の制御の下、着信先特定部1082Aが機能して、受信した発信通知から付加情報を抽出し、アドレス管理DB104を参照して、着信先の電話端末の識別情報(例えば、内線番号)を検索する(ステップS2)。この例では、会社Aの名前が「サクサタロウ」であるビジネスフォンシステム10の使用者に電話を掛けたいので、付加情報として名前に応じた番号情報「323491」が発信通知に付加されている。この番号情報「323491」に基づいて、アドレス管理DB104を参照すると、図7に示したように、当該番号情報「323491」に対応する使用者は「サクサタロウ」で、当該使用者が使用する電話端末の識別情報である内線番号は「101」であることが特定できる。
このため、電話制御装置1の着信処理部1082Bは、内線番号「101」に対応する電話端末3(1)に着信があることを通知する(ステップS3)。これにより、電話端末3(1)では、リンガ304を鳴動させて着信があることを使用者に通知する。これに応じて電話端末3(1)の使用者「サクサタロウ」がハンドセット302を取り上げるようにしてオフフック操作を行うと(ステップS4)、これが電話制御装置1に通知され、通話回線が接続されて、通話を行うことができるようにされる(ステップS5)。
この後、通話が終了し、例えば電話端末3(1)の使用者がハンドセットを電話端末3(1)の本体部の元の位置に戻すようにするオフフック操作を行うと(ステップS6)、電話制御装置1の呼制御部108は、接続した通話回線を開放し、通話が終了となる(ステップS7)。このように、目的とする会社Aのビジネスフォンシステム10の電話端末の使用者を、その名前に応じて決まる番号情報によって指定して呼び出すようにすることによって、目的とする使用者に対して直接に電話を掛けることができる。すなわち、内線番号が分からなくても、目的とする使用者が使用する電話端末に個別着信させることができる。
<着信制御部1082で行われる処理の詳細>
図12は、図11のステップS2で実行される処理の詳細を説明するためのフローチャートである。すなわち、図12は、電話制御装置1の着信制御部1082において実行される処理を説明するためのフローチャートである。電話制御装置1においては、自機宛ての発信通知を受信すると、制御部102の制御の下、着信制御部1082が図12に示す処理を実行する。
まず、着信制御部1082の着信先特定部1082Aが機能して、受信した着信通知にセパレータ「*」に続く付加情報が存在するか否かを判別する(ステップS101)。ステップS101の判別処理において、付加情報が存在すると判別したとする。この場合、着信先特定部1082Aは、発信通知から付加情報を抽出し、この付加情報に基づいてアドレス管理DB104を参照して着信対象グループ内に、当該付加情報に一致するデータを有する電話端末が存在するか否かを判別する(ステップS102)。
ここで、着信対象グループ内としたのは、電話番号の異なる複数の電話回線を収容しており、それぞれの電話回線に対して着信先となる電話端末のグループが形成されている場合もあるためである。収容している電話回線が1つの場合には、単に、配下の電話端末で、抽出した付加情報に一致するデータを有する電話端末が存在するか否かを判別することになる。
ステップS102の判別処理において、発信通知から抽出した付加情報に一致するデータを有する電話端末が存在すると判別したとする。この場合、着信先特定部1082Aは、更に、当該付加情報に一致するデータを有する電話端末は複数存在するか否かを判別する(ステップS103)。この場合の付加情報は、着信先の目的とする使用者の名前に応じた番号情報であり、同性同名の使用者が複数存在したり、同性同名ではないが名前に応じた番号情報が同じになる使用者が複数存在したりする場合もあるため、ステップS103の判別処理を行う。
ステップS103の判別処理において、当該付加情報に一致するデータを有する電話端末は複数存在しない、すなわち、当該付加情報に一致するデータを有する電話端末は1台だけであると判別したとする。この場合、着信先特定部1082Aは、当該付加情報に一致するデータを有する電話端末の識別情報(内線番号)を特定し、これを着信処理部1082Bに通知して、当該内線番号により特定される電話端末に個別着信させる(ステップS104)。そして、ステップS104の処理の後においては、この図12に示す処理を終了する。
また、ステップS101の判別処理において、受信した発信通知に付加情報は存在しないと判別した場合には、ステップS105の処理に進む。同様に、ステップS102の判別処理において、発信通知から抽出した付加情報に一致するデータを有する電話端末は存在しないと判別した場合にも、ステップS105の処理に進む。同様に、ステップS103の判別処理において、発信通知から抽出した付加情報に一致するデータを有する電話端末が複数存在すると判別した場合にも、ステップS105の処理に進む。
ステップS105においては、着信処理部1082Bは、グループ着信を行うようにする(ステップS105)。すなわち、電話番号の異なる複数の電話回線を収容しており、それぞれの電話回線に対して着信先となる電話端末のグループが形成されている場合には、着信先の電話番号によって特定される全ての電話端末に対して着信を通知する。また、収容している電話回線が1つの場合には、配下の全ての電話端末に対して着信を通知することになる。ステップS105の処理の後においては、この図12に示す処理を終了する。
このようにして、内線番号を用いることなく、目的とする使用者の名前に応じた番号情報を付加情報として用いて、いわゆるダイレクト・イン・ダイヤル機能を利用し、目的とする使用者が使用する電話端末に対して個別着信をさせることができる。なお、電話制御装置1が、電話番号の異なる複数の電話回線を収容しており、それぞれの電話回線に対して着信先となる電話端末のグループが形成されている場合、どの電話番号に対してどの電話端末が着信先になるかは、アドレス管理DB104において管理できる。各電話端末のデータに対応する電話回線の電話番号を登録しておくようにすればよい。もちろん、電話制御装置に収容される複数の電話回線のそれぞれの電話番号と対応付ける電話端末とを、アドレス管理DB104とは異なるファイル等によって管理することも可能である。
<留守番電話機能の併用>
図11、図12を用いて、付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能の基本的な利用例について説明したが、目的とする相手先が常に応答可能であるとは限らない。例えば、外出するなどして電話に出られない場合もある。このような場合であって、目的とする相手先が留守番電話機能を用いるようにしている場合には、その目的とする相手先に対して音声メッセージを残すことができる。
図13は、付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能に加えて留守番電話機能を利用する場合の処理について説明するためのシーケンス図である。図13のフローチャートにおいて、ステップS1からステップS3までの処理は、図11を用いて説明した付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能の基本的な利用例のステップS1からステップS3までの処理と同様の処理である。
すなわち、発信元の電話端末7(1)からは目的とする相手先の名前「サクサタロウ」に応じた番号情報「323491」を付加情報として含む発信通知が送信される(ステップS1)。これを受信した電話制御装置1では着信制御部1082が機能して着信先となる電話端末の識別情報(内線番号「101」)を検索して特定し(ステップS2)、この特定した内線番号「101」の電話端末に着信を通知する(ステップS3)。
この場合に、着信の通知先である電話端末3(1)の使用者は、外出して電話に出られなくなるため、留守番電話機能をオンに設定するようにしていたとする。当該留守番電話機能のオン/オフ設定は、例えば、アドレス管理DB104において管理するようにできる。そして、電話制御装置1は、一定時間、着信を通知した電話端末3(1)の使用者による応答(オフフック)操作を待つが(ステップS11)、応答がなかったとする。この場合には、制御部102は、発信元の電話端末7(1)との間に電話回線を接続し、留守番電話機能部109を制御して不在通知を発信元の電話端末7(1)に通知する(ステップS12)。
ステップS12における不在通知は、例えば、「サクサタロウはただいま席を外しております。ピーという音の後に音声メッセージを録音できます。」といったガイダンスメッセージを含むものである。このため、発信元の電話端末7(1)の使用者は、ハンドセット302を通じて音声メッセージを収音して送信する(ステップS13)。電話制御装置1の留守番電話機能部109は、図10を用い説明した留守番メッセージファイルを形成して、これを留守番メッセージフォルダ106に登録するようにする(ステップS14)。これにより、留守番メッセージフォルダ106内に、電話端末3(1)の使用者宛ての留守番メッセージファイルが形成される。
この後、一定時間経過するか、発信元の電話端末7(1)の使用者がオフフック操作を行うと、電話端末7(1)と電話制御装置1との間に接続されていた通話回線が解放され(ステップS15)、留守番電話機能は終了する。そして、留守番メッセージフォルダ106に形成された内線番号「101」の電話端末3(1)の使用者宛ての音声データは、例えば、電話端末3(1)を通じた使用者からの要求に応じて、再生するようにされ、電話端末3(1)を通じて使用者が聴取することができるようにされる。
このように、付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能を利用して、目的とする相手先に電話を掛けて、その相手先が応答しない場合もある。このような場合であっても、その相手先が留守番電話機能を用いるようにしている場合には、その相手先に対して留守番メッセージを残すことができる。
<相手先の候補が複数存在する場合の処理>
図14は、付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能の利用時に、接続対象の候補が複数検索できた場合の処理について説明するためのシーケンス図である。この例においても、発信元の電話端末7(1)からは目的とする相手先の名前「サクサタロウ」に応じた番号情報「323491」を付加情報として含む発信通知が送信される(ステップS21)。このステップS21の処理は図11、図13に示したステップS1の処理と同様の処理である。
当該発信通知を受信した電話制御装置1では、付加情報「323491」に基づいて、着信制御部1082がアドレス管理DB104を参照して着信先となる電話端末の識別情報(内線番号)を検索する(ステップS22)。このステップS22の検索処理において、付加情報「323491」に対応する着信先の候補が複数発見されたとする。つまり、付加情報「323491」に対応する着信先の候補が1件以外であったとする。具体的には、図14の右上端に示すように、名前が「サクサタロウ」である使用者が使用する内線番号が「101」の電話端末3(1)と、名前が「サクサトラオ」である使用者が使用する内線番号が「105」の電話端末3(5)の2件が発見されたとする。
「サクサタロウ」も「サクサトラオ」も50音の行の並びが同じであるため、名前に応じた番号情報はいずれの場合も「323491」になるため、着信先が特定できない状態になる。この場合には、図12を用いて説明したように、一斉着信をさせてもよいが、2、3名程度の候補であれば、発信元の使用者により着信先を選択させ、個別着信させてもよい。この場合には、電話制御装置1の着信先特定部1082Aが機能して、対象選択要求を形成し、これを発信元の電話端末7(1)に送信する(ステップS23)。
ステップS23の対象選択要求は、「対象者が2名おります。「サクサタロウ」を呼び出す場合は「1」を、「サクサトラオ」を呼び出す場合は「2」を押して下さい。」といった案内音声メッセージを含むものである。発信元の電話端末7(1)の使用者は、当該対象選択要求に応じて、「1」キーまたは「2」キーを押下操作する(ステップS24)。この例の場合、図14に示したように、発信元の電話端末7(1)の使用者が電話を掛けたい相手は名前が「サクサタロウ」である使用者なので、「1」キーが操作される。そして、電話端末7(1)の制御部310は、数字「1」をデータとして含む対象選択応答を形成し、これを電話制御装置1に送信する(ステップS25)。
電話制御装置1の着信先特定部1082Aは、電話端末7(1)からの選択対象応答に基づいて、着信先を特定する(ステップS26)。このステップS25においては、名前が「サクサタロウ」である使用者が選択されたので、内線番号が「101」の電話端末3(1)が目的とする着信先であると特定する。そして、着信先特定部1082Aが特定した内線番号「101」を着信処理部1082Bに通知して、着信処理部1082Bが内線番号「101」の電話端末3(1)に着信を通知する(ステップS27)。
この後は、図11のステップS4以降と同様の処理が行われる。すなわち、着信先の電話端末3(1)においてオフフック操作がなされると(ステップS4)、電話制御装置1の着信処理部1082Bは、通話回線を接続して通話を可能にする(ステップS5)。そして、例えば、電話端末3(1)において、オンフック操作がされると(ステップS6)、電話制御装置1の呼制御部108は、接続した通話回線を開放し、通話が終了となる(ステップS7)。
このように、着信先の候補が複数存在する場合でも、そのどれかを発信元の電話端末の使用者に選択させることによって、発信元の電話端末の使用者が目的とする相手先の電話端末に個別着信させることができる。
<発信元から着信先の電話制御装置の留守番電話機能を利用する場合の処理>
図15は、付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能により目的とする相手先に対して個別着信するのではなく、目的とする相手先に対して録音メッセージを残すようにする場合の処理について説明するためのシーケンス図である。この例においては、発信元の電話端末7(1)からは2つの異なる付加情報をセパレータ「*」で区切って付加した発信通知が送信される(ステップS31)。ステップS31で用いられる付加情報の1つは、目的とする相手先の名前「サクサタロウ」に応じた番号情報「323491」である。もう1つの付加情報は、留守番電話機能を利用することを指示する「ルスバン」に応じた番号情報「9360」(図5(C))である。
当該発信通知を受信した電話制御装置1では、着信先特定部1082Aが機能して、最初のセパレータ「*」の後に続く付加情報「323491」に基づいて、目的とする着信先となる電話端末の内線番号を検索する(ステップS32)。このステップS32の検索処理において、図14を用いて説明した処理の場合と同様に、着信先の候補(対象)が複数(1件以外)見つかったとする。
この場合、電話制御装置1の着信先特定部1082Aと発信元の電話端末7(1)の制御部とが機能して、図14を用いて説明した処理のステップS23〜ステップS26と同様の処理を行う。すなわち、電話制御装置1の着信先特定部1082Aは、着信先の候補(着信先となる対象)が複数見つかったため、目的とする着信先を選択することを電話端末7(1)の使用者に求める(ステップS23)。これに応じて、電話端末7(1)の使用者が、電話端末7(1)を通じて選択入力を行い(ステップS24)、選択した着信先を対象選択応答として電話制御装置1に通知する(ステップS25)。電話制御装置1では、電話端末7(1)からの対象選択応答に基づいて、着信先を特定する(ステップS26)。
そして、この例の場合において電話制御装置1は、特定した着信先の電話端末に対して個別着信させることはない。最初の付加情報に続き、2つ目のセパレータ「*」に続いて、留守番録音機能を用いることを指示する2つ目の付加情報「9360」が付加されているためである。この場合、電話制御装置1の制御部102は、通話回線を接続した上で、留守番電話機能部109を機能させ、目的とする相手先に対する音声メッセージを録音するので、音声メッセージを送信することを指示するメッセージ録音案内を電話端末7(1)に送信する(ステップS33)。これに応じて、電話端末7(1)の使用者は、ハンドセット302のマイクロホンに向かって音声メッセージを話すようにし、録音して残すべき音声メッセージを電話制御装置1に対して送信する(ステップS34)。
電話制御装置1では、電話端末7(1)からの音声メッセージを、図10を用いて説明したファイル形式で留守番メッセージフォルダ106に記録する(ステップS35)。すなわち、ステップS35では、電話端末7(1)の使用者が目的としている名前が「サクサタロウ」であるビジネスフォンシステム10の使用者に宛てた音声メッセージを電話制御装置1の留守番メッセージフォルダ106に残すことができる。
この後、電話端末7(1)の使用者がオンフック操作を行うことにより、あるいは、録音開始から所定時間経過することにより、通話回線を開放し(ステップS36)、この図15の示す一連の処理を終了する。このように、この例の場合には、発信元の電話端末7(1)の使用者は、目的とする相手先を指定すると共に、その相手先に対して留守番メッセージを残すように指示して、電話制御装置1に目的とする相手先に対する音声メッセージを残すようにすることができる。
なお、図15の処理においては、着信先の候補が2件検索できた場合の例を説明したが、着信先が1件しか検索できなかった時には、図15において点線で囲んで示したステップS23〜ステップS26までの処理は行われない。すなわち、ステップS32で検索された相手先に対して音声メッセージを残すことができる。
<発信元から着信先の電話制御装置の留守番電話機能を利用する場合の他の処理>
図16は、付加情報を用いたダイレクト・イン・ダイヤル機能により目的とする相手先に対して個別着信させ、当該相手先が不在であった場合に、メッセージを残すようにする場合の処理について説明するためのシーケンス図である。図16において、ステップS21〜ステップS27までの処理は、図14を用いて説明したステップS21〜ステップS27までの処理と同様に行われる処理である。
すなわち、名前が「サクサタロウ」である使用者の使用する電話端末に個別着信させるようにして電話をかけたが(ステップS21)、着信先の候補が複数(この例では2件)検索されたために(ステップS22)、電話制御装置1から着信先の選択を求められた(ステップS23)。そこで、電話端末7(1)の使用者は、電話端末7(1)を通じて、名前が「サクサタロウ」である使用者を選択し(ステップS24)、これを電話制御装置1に通知した(ステップS25)。電話制御装置1においては、電話端末7(1)からの情報に基づき、着信先は名前が「サクサタロウ」である使用者の使用する識別情報である内線番号が「101」の電話端末3(1)であると特定し(ステップS26)、電話端末3(1)に着信を通知するようにした(ステップS27)。
そして、この例の場合には、電話端末3(1)の使用者が不在であり、オフフック操作(応答操作)がされなかったとする。一定期間呼び出したにもかかわらず、電話制御装置1の制御部102が応答はないと判別すると(ステップS41)、制御部102は、不在通知を発信元の電話端末7(1)に行う(ステップS42)。ここで、着信先の電話端末3(1)の使用者が留守番電話機能を使用するように設定していなかったとする。この場合には、制御部102は、留守番電話機能を使用してメッセージを残すには、追加のコマンド「9360」を入力して送信することを指示するメッセージを不在通知に含めて送信する。
発信元の電話端末7(1)の使用者が、留守番メッセージを残すようにしたい場合、当該使用者は、電話端末7(1)を通じて追加のコマンド「9360」を入力して(ステップS43)、電話制御装置1に送信する(ステップS44)。電話制御装置1の制御部102は、追加のコマンド「9360」が送信されて来ると、発信元の使用者は留守番電話機能を利用することを指示してきていると認識できる。そこで、電話制御装置1の制御部102は、留守番電話機能部109を制御し、図15のステップS33〜ステップS36の処理と同様の処理を実行し、目的とする着信先である名前が「サクサタロウ」である電話端末3(1)の使用者に対して音声メッセージを残すことができる。
なお、図16の処理においても、着信先の候補が2件検索できた場合の例を説明したが、着信先が1件した検索できなかった時には、図16において点線で囲んで示したステップS23〜ステップS26までの処理は行われない。すなわち、ステップS32で検索された相手先に対して音声メッセージを残すことができる。
<通話履歴の利用>
また、過去に電話による通話をしたことがあるが、その相手の名前を忘れてしまった場合には、通話履歴に基づいて、目的とする相手に対して直接電話を掛けることができる。この場合には、目的とする相手と過去に電話をした日付を付加情報として発信通知に含める。具体的には、発信元の使用者は、自分の使用する電話端末に対して、着信先電話番号を入力し、セパレータ「*」を入力し、目的とする相手と通話した日付を入力する。これにより、着信先電話番号、発信元電話番号、セパレータ「*」、「通話日付」からなる発信通知が形成され、着信先に送信するようにされる。
着信先の例えば電話制御装置1では、発信通知に含まれる付加情報としての通話日付と発信元電話番号を抽出し、これらに基づき通話履歴DB105の着信通話履歴データファイルを参照して該当データを検索する。つまり、発信通知から抽出した通話日付に一致する着信日付を有し、発信通知から抽出した発信元電話番号に一致する発信元電話番号を有する着信通話履歴データを着信通話履歴データファイルから抽出する。ここで抽出された着信通話履歴データの着信先の内線番号が個別着信先の電話端末の内線番号である。
また、着信通話履歴データに該当データが存在しなかったとする。この場合には、発信通知から抽出した通話日付に一致する発信日付を有し、発信通知から抽出した発信元電話番号に一致する着信先電話番号を有する発信通話履歴データを発信通話履歴データから抽出する。ここで抽出された発信通話履歴データの発信元の内線番号が個別着信先の電話端末の内線番号である。
このようにして、付加情報として通話日付を用いて、目的とする相手先の電話端末に個別着信をさせることができる。より具体的に、ビジネスフォンシステム20の電話端末7(1)の使用者が、過去に通話したビジネスフォンシステム10の電話端末3(1)の使用者に電話を掛けたいが、当該使用者の名前を忘れてしまったとする。しかし、相手先の代表電話番号は分かっており、通話をした日付は記憶していたとする。
この場合、電話端末7(1)の使用者は、電話端末7(1)を通じて、着信先電話番号「050−1234−5678」、セパレータ「*」、通話日付「20171120」と入力して電話を掛ける。当該発信通知には、図3を用いて説明したように、発信元電話番号も自動で含められる。この発信通知は、着信先電話番号「050−1234−5678」で特定されるビジネスフォンシステム10の電話制御装置1で受信され、付加情報である通話日時「20171120」と発信元電話番号「050−XXXX−XXXX」が抽出される。
そして、電話制御装置1の着信先特定部1082Aによって、図8に示した通話履歴DB105の着信通話履歴データファイルが参照され、該当データが存在するので、着信先は識別情報として内線番号が「101」の電話端末3(1)であると特定できる。これにより、着信処理部1082Bは、着信先特定部1082Aで特定された内線番号が「101」の電話端末3(1)に対して個別着信させることができる。
なお、ここでは、まず、着信通話履歴データファイルを参照し、見つからなかった場合には、発信通話履歴データファイルを参照するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、セパレータ「*」の数によって、参照先が着信通話履歴データファイルか発信通話履歴データファイルかを指示することもできる。例えば、電話端末7(1)は自分が当該目的とする相手先に電話を掛けた日付を覚えている場合には、1このセパレータ「*」の後に「通話日付」を入力する。また、電話端末7(1)は自分が当該目的とする相手先から電話を受けた日付を覚えている場合には、2このセパレータ「**」の後に「通話日付」を入力する。
このようにすれば、着信側の電話制御装置1においては、セパレータが、1個「*」のときには着信通話履歴データファイルを参照して対応データを検索する。また、セパレータが2個「**」のときには、発信通話履歴データファイルを参照して対応データを検索する。というようにすれば、迅速に発信元の使用者が目的とする着信先の電話端末を特定することができる。
[実施の形態の効果]
以上説明したように、この実施の形態の電話システムにおいては、内線番号を知らなくても、電話を掛ける相手先の名前が分かっている場合には、当該名前に応じた付加情報を送信して、目的とする相手に対して直接に電話を掛けることができる。通常、電話を掛ける相手先については、事前に面識がある場合が多く、名刺交換をしていたりする場合が多いため、電話を掛ける相手先の名前が分かっている場合が多いためである。また、着信先の候補が複数検索できた場合には、どの候補を着信先にするのかの選択もできる。また、発信元から着信先電話システムの機能、例えば留守番電話機能を利用するように指示して、音声メッセージをのこすようにすることもできる。
[変形例等]
なお、上述した実施の形態では、ビジネスフォンシステム20の電話端末7(1)からビジネスフォンシステム10の目的とする使用者の電話端末に電話を掛ける場合を例にして説明したが、これに限るものではない。ビジネスフォンシステム20の電話端末7(2)〜7(m)からビジネスフォンシステム10の電話端末3(1)〜3(n)に電話を掛ける場合にも同様にして電話を掛けることができる。もちろん、ビジネスフォンシステム10の電話端末3(1)〜3(n)からビジネスフォンシステム20の電話端末7(1)〜7(m)に電話を掛ける場合にも同様にして電話を掛けることができる。すなわち、上述した実施の形態の電話制御装置1、5と同様の機能を備えた電話制御装置が用いられて構成されているビジネスフォンシステムに対しては同様にして電話を掛けることができる。
また、上述した実施の形態では、電話を掛ける相手先の使用する電話端末を特定することが可能な識別情報として内線番号を用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、IPアドレスを当該識別情報として用いるようにしてもよい。また、アドレス管理DB104において、URL、MACアドレス、各電話端末システムの電話端末ごとに設定されるコードなどが管理されていれば、これを識別情報として用いることができる。要は、電話を掛ける相手先の使用する電話端末を特定することが可能な情報であれば、これを識別情報として用いることができる。
また、上述した実施の形態では、セパレータとして主に「*」を用いるようにしたが、「#」を用いるようにしてもよい。また、これらセパレータ「*」、「#」の数を変えて、意味を持たせるようにすることもできる。例えば、上述もしたが、セパレータが1つ「*」の後に続く付加情報は、相手先の名前に応じた番号情報であるが、セパレータが2つ「**」の後に続く付加情報は、機能に応じた番号情報であるといった使い分けが可能である。
また、「*」と「#」とを組み合わせて意味を持たせたセパレータとして用いるようにすることも可能である。例えば、「#*」と「*#」とでは、後に続く付加情報を変えることができる。もちろん、この場合でも、「*」と「#」の数を変えることにより、更に多くの意味をあらわすようにすることもできる。また、電話番号としては発生する可能性の少ない「999」といった特定の数字列をセパレータとして用いるようにすることもできる。
また、セパレータで区切って、複数の使用者の名前に応じた番号情報を発信通知に含めるようにすることもできる。このようにした場合には、例えば、1番目の名前に応じた番号情報よって特定された内線番号の電話端末に着信させても応答がなかったときに、2番目の名前に応じた番号情報よって特定された内線番号の電話端末に着信させるようにすることができる。
また、付加情報として名前に応じた番号情報が付加されていたとする。この場合、着信側の電話制御装置の着信先特定部1082Aでは、まず、この付加情報により、アドレス管理DB104を参照して、相手先の使用する電話端末の識別情報を特定するようにする。この場合に、複数の相手先が見つかった場合には、着信先特定部1082Aでは、発信通知に含まれる発信元電話番号を用いて、通話履歴DB105の着信履歴情報や発信履歴情報を参照して、相手先を特定し、特定した相手先から相手先の使用する電話端末の識別情報を特定するようにしてもよい。
つまり、通話履歴DB105には、図7、図8を用いて説明したように、電話を受けたり電話を掛けたりした人の名前と、着信先電話番号や発信元電話番号を備えている。このため、発信通知に含まれる発信元電話番号に基づいて通話履歴を参照すれば、当該発信元に電話を掛けたり、当該発信元から電話を受けたりした電話端末の使用者の名前を特定できる。この名前に基づいて、アドレス管理DB104を参照すれば、発信元の使用者が電話を掛けたい相手先の使用する電話端末の識別情報を特定できる。
また、上述した実施の形態の通話履歴情報には、電話を掛けたり電話を受けたりした電話端末の内線番号も管理しているので、アドレス管理DB104を介在させることなく、通話履歴DB105の履歴情報から発信元の使用者が電話を掛けたい相手先の使用する電話端末の識別情報を特定できる。このように、発信通知に含まれる付加情報と発信元電話番号とをキー情報として用いて、アドレス管理DB104と通話履歴DB105とを必要に応じて使うようにする。これにより、発信元の使用者に対して、着信先の選択入力を要求しなくても、電話を掛けたい相手先を絞り込み、その相手先の使用する電話端末を特定することができる。
また、通話履歴DB105は、電話を受けたり電話を掛けたりした人の名前も記憶しているので、付加情報をも考慮して通話履歴DB105の履歴情報を参照してもよい。すなわち、付加情報である番号情報に対応する名前を有し、かつ着信先電話番号や発信元電話番号が、発信通知に含まれる発信元電話番号に一致する情報を見つけるようにしてもよい。
また、例えば、付加情報として最初のセパレータの後に1番目の付加情報として名前に応じた番号情報を付加し、2番目のセパレータの後に2番目の付加情報として通信日付(着信日付または発信日付)を入力する。そして、まず、1番目の付加情報により、相手先の使用する電話端末の識別情報を特定する。しかし、この1番目の付加情報により、相手先の使用する電話端末が特定できない場合には、2番目の付加情報を用いて相手先が使用する電話端末の識別情報を特定する。
このようにすれば、例え電話を掛けようとしている相手先の名前を正確に覚えていなかったとしても、電話がかかってきたり、電話を掛けたりして通話をした日を覚えていれば、目的とする相手先に直接に電話を掛けるようにすることができる。このように、2種類の付加情報を用いた相手先の特定は、電話制御装置1の呼制御部108の着信制御部1082が機能して行うことができる。
また、図7を用いて説明したアドレス管理DB104に、上述した実施の形態で説明した、使用者の名前に応じた番号情報よって特定された識別情報の電話端末に着信させる機能のオン/オフフラグを設けるようにしてもよい。この場合、例え使用者の名前に応じた番号情報よって着信先となるべき電話端末の内線番号が特定されても、当該内線番号の電話端末についての当該フラグがオフになっていれば、その電話端末に対しては個別着信をさせないようにすることができる。この場合には、グループ着信や全体着信がされることになる。当該フラグの利用は、忙しいときなど、直接に電話がかかってくることを避けたい場合に使用することができる。
また、上述した実施の形態では、目的とする着信先を特定するための情報として、着信先の使用者の名前に応じた番号情報を用いたり、過去に電話による通話を行っている場合には、通話日付を用いるようにしたりしたが、これに限るものではない。目的とする着信先を特定することができる情報であれば、種々の情報を用いることができる。例えば、文字入力ができる電話端末やパーソナルコンピュータを用いて電話を掛けることが可能な場合には、番号情報ではなく、「サクサタロウ」といった例えば片仮名の文字情報を付加情報として利用することも可能である。
また、例えば、「*」→「エイギョウブ(11216)」→「**」→「タナカ(452)」などのように、まず目的とする使用者の所属部署を示す情報を第1の付加情報とし、次に、使用者の名前を示す情報を第2の付加情報とするといったことも可能である。この場合には、図7に示したアドレス管理DB104に部署を示す情報も持つようにすればよい。
このように、目的とする相手の名前、通話履歴、所属など、目的とする相手先(着信先)を特定することができる情報であれば、発信通知(発信メッセージ)に付加する付加情報として用いることができる。そして、電話制御装置においては、当該付加情報と内線番号などの識別情報とを対応付けて管理し、付加情報から内線番号を特定できるようにしておけばよい。
その他、上述した留守番電話機能のように、発信元からの指示により利用可能な機能についても、電話制御装置において管理するようにしておけば、発信元から着信先の電話制御装置が提供する機能を利用することができる。例えば、発信元から目的とする使用者の名前に応じた番号情報を付加情報として発信通知に含めて電話を掛け、その使用者の使用する電話端末に着信させたが外出中で不在だった場合に、「テンソウ(4031)」と転送機能を指示することにより、その使用者の携帯電話に当該電話を転送させるようにすることもできる。この場合には、アドレス管理DB104において、各電話端末に対応して転送先の携帯電話端末などの電話番号を管理するようにしておけばよい。
また、アドレス管理DB104、通話履歴DB105、留守番メッセージフォルダ106は、電話制御装置1以外の場所、例えばいわゆるクラウド上、すなわち、インターネットに接続された他のサーバ上に存在していてもよい。
また、図6には示さなかったが、電話制御装置1、5は、自機が備える時計回路を通じて、あるいは、通信ネットワーク上の時刻提供サーバを通じて、着信日時や発信日時を正確に管理することができるものである。
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項における電話制御装置の記憶手段の機能は、実施の形態の電話制御装置1のアドレス管理DB104、通話履歴DB105が実現している。また、請求項における電話制御装置の受信手段の機能は、実施の形態の電話制御装置1の接続端子101T及び通信I/F101、制御部102が協働して実現している。また、請求項における電話制御装置の特定手段、着信処理手段の機能は、実施の形態の電話制御装置1の着信先特定部1082A、着信処理部1082Bが実現している。
また、図12のフローチャートを用いて説明した処理を実行するプログラムが、この発明による電話制御プログラムの一実施の形態が適用されたものである。また、図13〜図16のシーケンス図を用いて説明した処理を実行するプログラムもまた、この発明による電話制御プログラムの一実施の形態が適用されたものである。
また、電話制御装置1の呼制御部108や留守番電話機能部109は、制御部102において実行されるプログラムにより、制御部102の機能として実現することも、もちろん可能である。