JP6902348B2 - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP6902348B2
JP6902348B2 JP2016255986A JP2016255986A JP6902348B2 JP 6902348 B2 JP6902348 B2 JP 6902348B2 JP 2016255986 A JP2016255986 A JP 2016255986A JP 2016255986 A JP2016255986 A JP 2016255986A JP 6902348 B2 JP6902348 B2 JP 6902348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
resin composition
resin
acid
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016255986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018104654A (ja
Inventor
良平 服部
良平 服部
勇一 松野
勇一 松野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2016255986A priority Critical patent/JP6902348B2/ja
Publication of JP2018104654A publication Critical patent/JP2018104654A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6902348B2 publication Critical patent/JP6902348B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

本発明は、色相、透明性、耐熱性に優れ、せん断白化抑制効果を兼ね備えた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれかなる成形品に関する。
従来からポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂は機械特性、耐熱性、ガスバリヤ性に優れ、様々な用途に用いられている。また、PEN樹脂はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に比べ静置場での結晶化速度が遅いため、射出成形により容易に透明な成形品が得られる特徴があり、透明射出成形用途にも用いられている。しかしながら、PEN樹脂は、PET樹脂とは異なり射出成形品のゲート部等の急縮小流路部において、せん断により配向結晶化し白化してしまう課題がある。そのため、薄肉や小型の透明射出成形品用途に広く使用するのには至っていない。
特許文献1には、PET樹脂にガラス転移温度が80℃以上の非晶性共重合ポリエステル樹脂とカルボジイミドを含んでなる組成物が例示されている。しかしながら、PET樹脂における透明性評価はなされているが、PEN樹脂とガラス転移温度が80℃以上の非晶性共重合ポリエステル樹脂の混合品に関する記載は無く、その色相やせん断白化抑制効果に関する検討はなされていない。
特許文献2には、特定の構造単位を含むポリエステル樹脂と、それ以外のポリエステル系樹脂とを含有し、植物度が15%以上であることを特徴とする熱収縮フィルムが例示されている。しかしながら、PEN樹脂との混合に関する記載は無く、その色相やせん断白化抑制効果に関する検討もなされていない。
特許文献3には、PET樹脂とPEN樹脂の透明な混合品の製造方法が例示されている。しかし、PET樹脂はPEN樹脂に比べガラス転移温度が約50℃低いためPEN樹脂の特徴である耐熱性が低下する恐れがあり、また、せん断白化抑制効果に関する検討もなされていない。
特開2012−224666号公報 特開2014−214164号公報 特開平11−21435号公報
本発明の目的は、色相、透明性、耐熱性に優れ、かつ、せん断白化抑制効果を有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法、およびそれからなる成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、特定の結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂に特定の構造を有するガラス転移温度が80℃以上の非晶性共重合ポリエステル樹脂を配合することにより、色相、透明性、耐熱性に優れ、かつ、せん断白化抑制効果を有する樹脂組成物が得られることを見出し、上記課題を解決するに至った。
すなわち上記課題は、(A)結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂(A成分)30〜70重量部および(B)ガラス転移温度が80℃以上の非晶性共重合ポリエステル樹脂(B成分)70〜30重量部からなる樹脂組成物であって、A成分がジカルボン酸成分(A−1成分)とジオール成分(A−2成分)とから構成され、ジカルボン酸成分のうち少なくとも50モル%がナフタレンジカルボン酸であり、ジオール成分がエチレングリコールであり、かつB成分がジカルボン酸成分(B−1成分)とジオール成分(B−2成分)とから構成され、ジオール成分が下記一般式(1)で表される化合物由来の構造単位を5〜18モル%、下記一般式(2)で表される化合物由来の構造単位を30〜70モル%含むことを特徴とする樹脂組成物により達成される。
Figure 0006902348
Figure 0006902348
本発明によれば、色相、透明性、耐熱性に優れ、かつ、せん断白化抑制効果を有する樹脂組成物を提供することができ、本発明の樹脂組成物より得られる射出成形品は、電気電子機器外装の薄肉成形部材、メガネのテンプル部やゲーム機のボタン等の小型成形品に好適に使用することができる。
以下、さらに本発明の詳細について説明する。
<A成分について>
本発明のA成分はジカルボン酸成分(A−1成分)とジオール成分(A−2成分)とから構成され、ジカルボン酸成分のうち少なくとも50モル%、好ましくは70モル%、さらに好ましくは90モル%がナフタレンジカルボン酸であり、ジオール成分がエチレングリコールである結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂である。ジカルボン酸成分のうちナフタレンジカルボン酸が50モル%未満では、耐熱性が不足する。
上記のナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸成分の例としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸を例示することができるが、なかでもテレフタル酸が好ましい。これらのジカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
上記の結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂は、従来公知の製造方法によって製造することができる。すなわちジカルボン酸成分とジオール成分とを直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはジカルボン酸ジメチルエステルとジオール成分とを反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度数を増大させるために固相重合を行うことができる。
上記のエステル交換反応、エステル化反応および重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用することが好ましい。エステル交換触媒としてはMg化合物、Mn化合物、Ca化合物、Zn化合物などが使用され、例えばこれらの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アルコラート、および酸化物などが挙げられる。またエステル化反応は触媒を添加せずに、ジカルボン酸およびジオールのみで実施することが可能であるが、後述の重縮合触媒の存在下に実施することもできる。重縮合触媒としては、Ge化合物、Ti化合物、Sb化合物などが使用可能であり、例えば二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、および蓚酸チタンなどが挙げられる。安定剤としてはリン化合物を用いることが好ましい。好ましいリン化合物としては、リン酸およびそのエステル、亜リン酸およびそのエステル並びに次亜リン酸およびそのエステルなどが挙げられる。またエステル化反応時には、ジエチレングリコール副生を抑制するためにトリエチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウム、および炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物を添加することもできる。また得られたポリエステル樹脂には、各種の安定剤および改質剤を配合することができる。
A成分の固有粘度は0.6〜1.0dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.65〜0.95dl/gであり、さらに好ましくは0.65〜0.85dl/gである。A成分の固有粘度が0.6dl/g未満では溶融混練時のせん断発熱量が小さく透明性に劣り、1.0dl/gを超えると射出成形時のゲート白化抑制効果が不十分な場合がある。
<B成分について>
本発明のB成分はジカルボン酸成分(B−1成分)とジオール成分(B−2成分)とから構成され、ジオール成分が下記一般式(1)で表される化合物由来の構造単位を5〜18モル%、好ましくは5〜15モル%、より好ましくは5〜12モル%、下記一般式(2)で表される化合物由来の構造単位を30〜70モル%、好ましくは40〜70モル%、より好ましくは40〜60モル%含むガラス転移温度が80℃以上の非晶性共重合ポリエステル樹脂である。
下記一般式(1)で表される化合物由来の構造単位が5モル%未満であると得られる組成物の耐熱性が低下し、18モル%よりも多くなると得られる組成物の色相が悪化する。下記一般式(2)で表される化合物由来の構造単位が30モル%未満となると得られる組成物の靱性が低下し、70モル%よりも多くなると耐熱性が低下する。
Figure 0006902348
Figure 0006902348
B−1成分のジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸、2、6ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸を例示することができるが、なかでもテレフタル酸が好ましい。これらのジカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
B−2成分の上記式(1)および上記式(2)以外のジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−または−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、p−キシレンジオール、ビスフェノールAなどを例示することが出来るが、なかでもエチレングリコールが好ましい。これらは単独でも、2種以上を混合して使用することができる。
A成分とB成分の重量比率は、A成分とB成分の合計100重量部中、A成分が30〜70重量部、B成分が70〜30重量部であり、好ましくはA成分が35〜65重量部、B成分が65〜35重量部であり、より好ましくはA成分が40〜60重量部、B成分が60〜40重量部である。B成分の含有量が30重量部未満となるとゲート白化抑制効果が十分に発現せず、含有量が70重量部よりも多いと耐熱性が低下し、更に透明性が低下する。
<樹脂組成物について>
本発明の樹脂組成物の示差走査熱量測定において20℃/分の昇温速度で23℃から300℃まで昇温した際に見られる結晶融解エンタルピーは3J/g以下であることが好ましく、より好ましくは2.5J/g以下、さらに好ましくは2J/g以下である。該結晶融解エンタルピーが3J/gを超えると透明性に劣る場合がある。また、本発明のガラス転移温度は単一であることが好ましい。ガラス転移温度が単一でない場合、相溶化していないことを示しており、透明性に劣る場合がある。
本発明の樹脂組成物は、厚さ2mmの板状の成形品を用いて測定されたb値が5以下であることが好ましく、4.5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。b値が5を超えると、成形品の黄色みが強いため意匠性に劣る場合がある。さらに、厚さ2mmの板状の成形品を用いて測定されたHazeは3%以下であることが好ましく、2.5%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましい。Hazeが3%を超えると、成形品の透明性が低いため意匠性に劣る場合がある。
なお、本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨に反しない範囲で、他の熱可塑性樹脂を配合し、必要に応じて酸化防止剤、衝撃改質剤、可塑剤、無機充填剤、非ハロゲン系難燃剤、色材、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑材、分散剤、流動改質剤、離型剤 等の各添加材を含むことが出来る。
<樹脂組成物の製造方法について>
本発明の樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えば各成分、並びに任意に他の成分を予備混合し、その後溶融混練し、ペレット化する方法を挙げることができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などを挙げることができる。予備混合においては場合により押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としては他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱撹拌容器などを挙げることができるが、ベント式二軸押出機が好ましい。他に、各成分、並びに任意に他の成分を予備混合することなく、それぞれ独立に二軸押出機に代表される溶融混練機に供給する方法も取ることもできる。
溶融混練時のダイ出口部にて実測された樹脂温度は、320〜370℃であることが好ましく、320〜360℃であることがより好ましく、320〜350℃であることが更に好ましい。樹脂温度が320℃未満であるとエステル交換反応が促進されないため透明性に劣り、370℃を超えると樹脂が分解し色相が悪化する場合があるため好ましくない。樹脂温度は、A成分の分子量や、押出機の設定温度、スクリュ回転数、樹脂の吐出量等により調整可能である。
<成形品について>
本発明の樹脂組成物は、通常、前記方法で製造されたペレットを射出成形して成形品を得ることにより各種製品を製造することができる。かかる射出成形においては、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、ホットランナー方式の成形法も可能である。かかる成形方法だけでなく、適宜目的に応じて射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などを挙げることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、フィルムなどの形で使用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより中空成形品とすることも可能である。
以下、実施例により本発明を実施する形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、諸物性の評価は以下の方法により実施した。
1.樹脂組成物の評価
(1)ゲート白化抑制効果
組成物ペレットを100℃で6時間乾燥した後に、射出成形機(日精樹脂工業(株)製:NEX50−5E)によりシリンダー温度260℃、金型温度50℃で厚み1mm、幅13mm、長さ125mmの薄肉成形品を成形した。薄肉成形品中のせん断による白化の有無を目視にて判断した。白化が認められなかった場合を「〇」、認められた場合を「×」とした。
(2)透明性
組成物ペレットを100℃で6時間乾燥した後に、射出成形機(三菱重工業(株)製:80MSP−5)によりシリンダー温度260℃、金型温度50℃で厚み2mm、幅50mm、長さ90mm試験片を成形し、Hazeメーター((株)村上色彩技術研究所製:HR−100型)により、JIS K7105−1981に準拠し、Hazeを測定した。Hazeが3%以下を「〇」、3よりも大きく10以下を「△」、10よりも大きいものを「×」とした。
(3)色相
組成物ペレットを100℃で6時間乾燥した後に、射出成形機(三菱重工業(株)製:80MSP−5)によりシリンダー温度260℃、金型温度50℃で厚み2mm、幅50mm、長さ90mm試験片を成形し、カラーアナライザー((有)東京電色製:TC−1800MKII)によりJIS Z8722に準拠し、透過法によりハンター表色系におけるb値を測定した。なお、b値は5以下であることが好ましい。
(4)ガラス転移温度(Tg)
組成物ペレットを使用して、示差走査熱量計(TAインスツルメント・ジャパン(株)製:DSC−2910)により昇温速度20℃/minの条件でガラス転移温度(Tg)を測定した。
(5)耐熱性
組成物ペレットを100℃で6時間乾燥した後に、射出成形機(三菱重工業(株)製:80MSP−5)によりシリンダー温度260℃、金型温度50℃で厚み4mm、幅10mm、長さ80mmの試験片を作製し、ISO75−1、2に準拠し、荷重0.45MPaで荷重たわみ温度を測定した。荷重たわみ温度は85℃以上であることが好ましい。
(6)結晶融解エンタルピー
組成物ペレットを使用して、示差走査熱量計(TAインスツルメント・ジャパン(株)製:DSC−2910)により昇温速度20℃/minの条件で結晶融解エンタルピーを測定した。
なお、本発明の実施例および比較例は、以下の材料を使用した。
<A成分>
下記の製造例に示す方法により、A成分の調製を行った。また、A成分の固有粘度は下記の方法によって求めた。
(1)固有粘度の測定方法
A成分0.6gをフェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)混合溶媒50ml中に加熱溶融した後、室温に冷却し、得られた溶液の粘度はオストワルド式粘度管を用いて35℃の温度条件で測定し、得られた溶液粘度のデータから当該樹脂の固有粘度を求めた。
[製造例1]
ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部およびエチレングリコール60重量部を酢酸コバルト四水和物0.010重量部(10ミリモル%)および酢酸マンガン四水和物0.030重量部(30ミリモル%)の存在下、常法によりエステル交換反応させ、メタノール溜出20分後に三酸化アンチモン0.012重量部(10ミリモル%)を添加し、エステル交換反応終了前に正リン酸0.020重量部(50ミリモル%)を添加し、次いで295℃、高真空下重縮合反応を行い固有粘度0.51dl/gのポリエチレンナフタレート樹脂(A−I)を得た。
[製造例2]
製造例1にて得られたポリエチレンナフタレート樹脂(A−I)を、温度227℃、真空度0.5Torrの条件にて8時間固相重合を行い、固有粘度0.68dl/gのポリエチレンナフタレート樹脂(A−II)を得た。
[製造例3]
製造例1にて得られたポリエチレンナフタレート樹脂(A−I)を、温度227℃、真空度0.5Torrの条件にて24時間固相重合を行い、固有粘度0.83dl/gのポリエチレンナフタレート樹脂(A−III)を得た。
<その他のA成分>
その他のA成分として、以下の樹脂を使用した。
A−IV:テレフタル酸100モル%およびエチレングリコール100モル%より製造されたポリエチレンテレフタレート樹脂、固有粘度0.77dl/g(帝人(株)製 TRN−8550FF)
<B成分:非晶性共重合ポリエステル樹脂>
B−I:カルボン酸並びに下記一般式(1)で表される化合物由来の構造単位8モル%、下記一般式(2)で表される化合物由来の構造単位47モル%およびエチレングリコール由来の構造単位45モル%からなるジオール成分で構成される非晶性共重合ポリエステル樹脂、ガラス転移温度=90℃(SKケミカルズ社製 商品名「ECOZEN YF101」)
B−II:カルボン酸並びに下記一般式(1)で表される化合物由来の構造単位23モル%、下記一般式(2)で表される化合物由来の構造単位51モル%およびエチレングリコール由来の構造単位26モル%からなるジオール成分で構成される非晶性共重合ポリエステル樹脂、ガラス転移温度=105℃(SKケミカルズ社製 商品名「ECOZEN YF301」)
Figure 0006902348
Figure 0006902348
<実施例、比較例>
(組成物の調整)
表1で示した添加量および製造条件にて、A成分とB成分とを第1供給口より別々に供給し、溶融押出してペレット化した。ここで、第一供給口とは根元の供給口のことである。溶融押出は、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所製:TEX30α−31.5BW−2V]を用い実施した。得られたペレットを上記の評価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006902348
<実施例1〜5>
本請求の範囲内にある組成物であるため、ゲート白化抑制効果、耐熱性、透明性、色相に優れる。
<比較例1>
B成分の添加量が少ないため、ゲート白化抑制効果に劣る。
<比較例2>
B成分の添加量が多すぎるため、耐熱性、透明性に劣る。なお、透過法によるb値測定は、透明性が低いため測定ができなかった。
<比較例3>
B成分の上記一般式(1)で表される化合物由来の構造単位の含有量が多すぎるため、色相に劣る。
<比較例4>
ナフタレンジカルボン酸成分が少ないため、耐熱性に劣る。

Claims (5)

  1. (A)結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂(A成分)30〜70重量部および(B)示差走査熱量計(TAインスツルメント・ジャパン(株)製:DSC−2910)により昇温速度20℃/minの条件で測定したガラス転移温度が80℃〜90℃の非晶性共重合ポリエステル樹脂(B成分)70〜30重量部からなる樹脂組成物であって、A成分がジカルボン酸成分(A−1成分)とジオール成分(A−2成分)とから構成され、ジカルボン酸成分のうち少なくとも50モル%がナフタレンジカルボン酸であり、ジオール成分がエチレングリコールであり、かつB成分がジカルボン酸成分(B−1成分)とジオール成分(B−2成分)とから構成され、ジオール成分が下記一般式(1)で表される化合物由来の構造単位を5〜18モル%、下記一般式(2)で表される化合物由来の構造単位を40〜70モル%含むことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 0006902348
    Figure 0006902348
  2. A成分が、固有粘度(IV)が0.6〜1.0dl/gである結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 示差走査熱量測定において20℃/分の昇温速度で23℃から300℃まで昇温した際に見られる結晶融解エンタルピーが3J/g以下であり、かつガラス転移温度が単一であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 厚さ2mmの板状の成形品を用いて測定されたb値が5以下であり、かつHazeが3%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. ニ軸押出機により溶融混練する際のダイ出口部で実測される樹脂温度が320〜370℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
JP2016255986A 2016-12-28 2016-12-28 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品 Active JP6902348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016255986A JP6902348B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016255986A JP6902348B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018104654A JP2018104654A (ja) 2018-07-05
JP6902348B2 true JP6902348B2 (ja) 2021-07-14

Family

ID=62786551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016255986A Active JP6902348B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6902348B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3749551B2 (ja) * 1993-09-20 2006-03-01 帝人株式会社 写真感光材料用ポリエチレンナフタレート組成物
JP2000103948A (ja) * 1998-07-28 2000-04-11 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 熱可塑性樹脂組成物
JP2000094500A (ja) * 1998-09-21 2000-04-04 Teijin Ltd ボトル及びその製造方法
JP2002241597A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Teijin Ltd ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法
JP5545732B2 (ja) * 2010-06-15 2014-07-09 三菱樹脂株式会社 樹脂組成物、及びそれを成形してなるフィルム
WO2013157512A1 (ja) * 2012-04-16 2013-10-24 三菱樹脂株式会社 散乱型偏光子、及びこれを備えてなる液晶表示装置
JP2014214164A (ja) * 2013-04-22 2014-11-17 三菱樹脂株式会社 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成型品、熱収縮性ラベル、および該成型品又は該ラベルを装着した容器
JP6601083B2 (ja) * 2014-09-26 2019-11-06 東レ株式会社 シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018104654A (ja) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI388605B (zh) A thermoplastic resin composition and a molded article
US20100159176A1 (en) Miscible blends of terephthalate polyesters containing 1,4-cyclohexanedimethanol and 2,2,4,4-tetramethylcyclobutane-1,3-diol
TW201602211A (zh) 使用烯烴-順丁烯二酸酐共聚物修飾工程塑膠
EP2607428A1 (en) Resin composition
KR20130044867A (ko) 폴리에스테르/폴리카보네이트 블렌드
JP2011510116A (ja) 押出ブロー成形物品
US20070299212A1 (en) Polymer impact modifier blend concentrate
TWI383020B (zh) A thermoplastic resin composition and a molded article
KR20130055207A (ko) 내충격성 및 내열성이 우수한 폴리유산 수지 및 공중합 폴리에스테르 수지 블렌드 및 이를 이용한 성형제품
EP1431344B1 (en) Polyethylene terephthalate compositions
CN108350254B (zh) 热塑性树脂组合物及其成型品
CN111087780B (zh) 改性聚碳酸酯/脂肪族芳香族共聚酯组合物及制备方法和应用
JP3860189B2 (ja) 非結晶性ポリエステル樹脂の製造方法
JP6902348B2 (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびそれからなる成形品
JP3566250B2 (ja) 押出加工性及び色合いが改善されたコポリエステル
JP6811628B2 (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびその成形品
JP6761284B2 (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびその成形品
JP2006182980A (ja) ポリアリレート樹脂組成物およびそれからなる成形体
JPS6241256B2 (ja)
KR20210039085A (ko) 폴리에스테르 수지 혼합물
KR20140147804A (ko) 난연성 폴리에스테르의 제조 방법 및 난연성 마스터 배치
JP7364838B2 (ja) 無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法
JP5606803B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物からなる固相重合ペレットの製造方法
JP5209170B2 (ja) 射出成形体の変色防止方法
JP2018188547A (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびその成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6902348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150