JP6901654B2 - 片持ちばり式擁壁の敷設方法 - Google Patents
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Description
(1)安心かつ安全に働ける職場環境の構築と整備、つまり労働災害の防止を図る必要がある。
(2)構造物の費用対効果、つまり安価で耐久性のある構造物を作る為に、片持ちばり式擁壁に関する基準(宅地造成等規制法)、また国土交通省監修「土木構造物設計マニュアル(案)」、「道路土工−擁壁工指針の構造形式の選定、形式分類」により、施工する場所毎に施工方法が標準化されている。従来の施工方法が最善か、また改善、改良の余地が無いのかを考える必要がある(コスト削減)。
(3)利便性と利用者の安全を優先した構造物を作る必要がある。
(4)構造物を作る場合、工事時に起こる騒音、交通規制等により近隣住民、また道路を通行される方に大きな支障が出る。この支障となる工事期間を出来る限り短縮する必要がある。
(5) 宅地造成、道路の付け替え、道路新設、橋梁の取付等の工事に必要な構造物を作る場合には、狭い国土の中で、出来る限り用地を有効利用する為、設計に反映させる必要がある。
(6)設計された片持ちばり式擁壁の構造物を出来る限り、指示図面の寸法に従い正確に作る必要がある。
そのうち、現場打ちと言われる片持ちばり式擁壁は、現地で基礎砕石を敷均し転圧を行い、その基礎上に鉄筋を組み立て、型枠を作り、型枠の中に生コンクリートを流しながら、棒状バイブレータで締め固め、養生を行った後に脱型枠を行い現場打ちの片持ちばり式擁壁が完成する。
ところで、この現場打ち片持ちばり式擁壁には、型枠工、鉄筋工、打設工、特殊作業員等多くの技術者が携わる必要がある。
しかし、今日、技術者の高齢化・後継者不足などの問題があるばかりか、現場打ち施工の場合、工期も長く掛かるため、現場打ち片持ちばり式擁壁を使用することは少なくなり、昨今では、コンクリート二次製品(プレキャストコンクリート)の片持ちばり式擁壁が多く使われるようになってきている。
例えば、その一例を説明すると、まず、鋼製型枠を底版部が上になるよう設置する。そして、鉄筋(突出筋)を配置した後、壁面部から先に平面バイブレータ、棒状バイブレータを使用しながらセメント、骨材、水で練り混ぜた生コンクリートを投入し、最後に底版部を打設する。そして、コテ仕上げ、養生を行い、所定の強度が発現した後、型枠から取り外してコンクリート二次製品の片持ちばり式擁壁が成型される。
また、毎回の型枠の組立による誤差もあり、型枠拘束面は長さ方向±5mm、幅方向±3mm〜±5mm、打ち込み面は高さ方向±5mmの余裕を持たせてある。
また、コテ仕上げした底版部には、ブリージング水が上がって来るため、丁寧にコテ仕上げしたにも関わらず底版部の裏面側は凹凸状に形成されることがある。
片持ちばり式擁壁を設置する前の作業として、床掘りを行い、施工面を掘削し、その後、基礎となる砕石を人力と機械で敷均し、タンパ−等の転圧機械を用いてしっかりと転圧を行うことで基礎砕石面100を敷設する(図2(b)S1−S2、図8(a))
[型枠設置工程][基礎コンクリート打設工程]
転圧が終わると、型枠200を設置し、型枠200で囲まれた領域内に生コンクリ−トを流し込み、バイブレ−タを使い締め固め、基礎コンクリ−ト部300を作る(図2(b)S3−S4、図8(b)(c))。
[表面仕上げ工程]
基礎コンクリート部300の上面部を丁寧かつ正確に仕上げないと、次の工程で片持ちばり式擁壁(コンクリート二次製品)の据付けが困難となる。
従って、熟練したコンクリート仕上げ工と言われる職人により左官仕上げ(表面仕上げ)が行なわれる(図2(b)S5)。
[基礎コンクリート養生工程]
その後、3日程度養生を行い、所定の強度が発現して片持ちばり式擁壁の基礎(基礎コンクリート部300)が完成する(図2(b)S6)。
[モルタル敷均し工程]
基礎コンクリート部300の養生後、所定厚みでモルタル400を敷き均す(図2(b)S7、図8(d))。
[片持ちばり式擁壁の据付工程]
次に、上記工程によって完成した敷モルタル400上に片持ちばり式擁壁500を設置する (図2(b)S8、図8(e))。
[高さ調整工程]
次に、片持ちばり式擁壁500の高さ・角度及び傾きの調整を、モルタルを用いて行う(図2(b)S9)。
[後打ち基礎コンクリート打設工程]
そして据付の確認(図2(b)S10)を行い、高さ、角度及び傾きの調整が整った後に、さらに生コンクリ−トを流し込み、バイブレ−タを使い締め固め、後打ち基礎コンクリ−ト600を作る(図2(b)S11、図8(f))。
[コンクリート養生工程]
その後、後打ち基礎コンクリート600について、さらに3日程度養生を行う(図2(b)S12)。
[型枠撤去工程]
その後、型枠200を撤去する(図2(b)S13、図8(g))。
[埋め戻し・転圧工程]
そしてその後、土砂を埋め戻し、転圧を行い、宅地造成、道路の付け替え、道路新設、橋の付け替え等各工事の基礎となる路盤が完成する(図2(b)S14、図8(h))。
このように、従来の敷設方法によって片持ちばり式擁壁を敷設するには、上述の通り、図2(b)S1〜S14に示す多工程(図8(a)−(h))にわたる作業が必要であった。
しかし、このように工程が多く必要であると、必然的に工期が長引くばかりか掛かるコストも高騰してしまうという課題があった。
また、このような片持ちばり式擁壁は、コンクリ−ト二次製品工場で作られた製品を施工現場にて敷設するのが一般的である。
コンクリ−ト二次製品工場で成形される片持ちばり式擁壁は、セメント、骨材、水で練り混ぜた生コンクリ−トを鋼製型枠に流し込み、養生を行い、脱型枠を行い二次製品になる。
この為、コンクリート二次製品である片持ちばり式擁壁(1個あたり長さ100cm〜200cm程度を考える)に許容誤差として、余裕を持たせてある。
また、毎回の型枠の組立による誤差もあり、型枠拘束面は、長さ方向で±5mm、幅方向で±3mm〜5mm、打ち込み面は深さ方向で±5mmの余裕を持たせてある。
そこで従来は、この段差を無くすため、施工技術者は、永年の経験を基に、モルタルによって微妙な高さ・角度・傾きの調整(図2(b)S9)をしながら、基礎コンクリ−ト上に片持ちばり式擁壁を設置していた。しかし、設置された片持ちばり式擁壁の据付の確認(図2(b)S10)をしたときに、高さ・角度・傾きの調整が整っていなかった場合、吊り上げ機械を利用して片持ちばり式擁壁の上げ下げ動作を行うとともに、モルタルで微妙な高さ・角度・傾きの調整を何度も繰り返し行わなければならず多大な労力と時間を費やすこともあった(図2(b)S9とS10の工程を繰り返し行う場合もあった。)。
この様に、苦労して設置した片持ちばり式擁壁であっても、技術者の経験、力量により、仕上がりに差がでてきてしまう。この場合においても、まだ、微妙な段差ができるのが現状である。
基礎コンクリート部の上面部を丁寧かつ正確に仕上げないと、次の工程で片持ちばり式擁壁(コンクリート二次製品)の据付けが困難となる。
従って、従来は、熟練したコンクリート仕上げ工と言われる職人により左官仕上げが行なわれているのが現状であった。そして、その後、決められたコンクリートの強度が出るまで養生を行わなければならない。
しかし、熟練した高度な技術者を確保する必要があるという課題とともに、仕上げ及び養生工程に多大な時間を要する必要があるという課題をも抱えていた。また、土木工事標準仕様書(案)によれば、硬化に必要な温度および湿潤状態に保ち、有害な作用の影響を受けないように、養生しなければならない、と記載されているため、養生工程においても十分な管理が求められ、管理手間が多大であった。
前記基礎砕石面の上面の所定位置に、高さ調整部材を介して片持ちばり式擁壁を配設するとともに、前記高さ調整部材により前記片持ちばり式擁壁の施工基準面高さを調整し、
前記基礎砕石面と前記片持ちばり式擁壁の底版部の底面との間に所定の空間を形成して前記片持ちばり式擁壁を据付ける片持ちばり式擁壁据付工程と、
前記基礎砕石面と前記片持ちばり式擁壁との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程と、を含み、
前記片持ちばり式擁壁は、底版部の底面が凹凸面に形成されており、
前記高さ調整部材は、逆ネジの第一の雌ネジ部と第二の雌ネジ部を内面に設けたナット部と、前記ナット部の第一の雌ネジ部に螺合して進退可能に配される第一の伸縮部材と、前記ナット部の第二の雌ネジ部に螺合して進退可能に配される第二の伸縮部材と、で構成され、ナット部の左右方向の回転作動によって第一の伸縮部材と第二の伸縮部材とが、同時に同一の進退動作を行うものであって、
前記コンクリート打設工程は、前記空間にて基礎砕石面上に一体成形される基礎コンクリート部と、前記基礎コンクリート部とともに一体成形される後打ち基礎コンクリート部と、を同時に打設され、
前記片持ちばり式擁壁の底版部の底面側には、連結口を開放して前記底版部内に埋設されたインサート部材が備えられており、
前記高さ調整部材は、少なくとも基礎砕石面上に据付ける前には、前記インサート部材に、前記第二の伸縮部材の遊端側を螺合して前記片持ちばり式擁壁の底版部の底面に一体に吊り下げ保持されていることを特徴とする片持ちばり式擁壁の敷設方法としたことである。
なお、本実施形態は、本発明の一実施形態にすぎず、何等これに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施形態にて用いられる片持ちばり式擁壁(コンクリート製品)1は、例えば、図1に示す逆T字形状タイプが想定され、つま先版(図3にて壁面部の左側)2a及びかかと版(図3にて壁面部の右側)2bで構成される平面視で略矩形板状の底版部2と、底版部2の上面略中央位置から一体に立設される正面視で略矩形板状の壁面部(たて壁)3とで構成されている。
図中、符号4は、底版部2内に一部を埋設し、かかと版2bの端面から外方に向けて水平方向に突出して備えた鉄筋(突出筋)である。鉄筋(突出筋)4の配設数量は本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
凹凸面は、積極的に形成しても良いが、本実施形態では、型枠成形後にブリージング水が上がって来ることにより形成される凹凸状態の底面をそのまま凹凸面として利用することとしている。凹凸面の凹凸形態は特に限定解釈されるものではなく、打設されるコンクリートが入り込んで片持ちばり式擁壁1とコンクリートとの接着を強固にすることが可能な凹凸形状であればよい。
本実施形態では、底版部2を構成するつま先版2a側の底面に所定距離をあけて2つ埋設され、そして、かかと版2b側の底面であって、前記つま先版側に埋設されたインサート部材9,9の中央位置の延長線上に1つ埋設され、合計で3つ埋設されている(図1(f)参照)。
基礎砕石面の敷設工程は、従来技術と同じく、施工面を掘削し、砕石を敷均し、転圧して基礎砕石面5を敷設する(図1(a)、図2(a)S1−S2)。
基礎砕石面5の上面所定位置に、高さ調整部材6を介してコンクリート二次製品である片持ちばり式擁壁1を配設する(図1(b)、図2(a)S3)。
そして、高さ調整部材6により片持ちばり式擁壁1の施工基準面高さを調整し、基礎砕石面5と片持ちばり式擁壁1の底版部2の底面との間に所定の空間10を形成して片持ちばり式擁壁1を据付ける(図1(b)、図2(a)S4)。なお、本実施形態によれば、高さ調整部材6により、片持ちばり式擁壁1の高さ、角度、傾きなどを簡易かつ正確に調整可能であるため、据付の確認工程(図2(a)S5)も一度で済むため、従来のように高さ・角度・傾きの調整工程を繰り返し行うなどの煩わしさも解消され、かつ労力軽減及び作業時間の短縮化も図り得る。
また、片持ちばり式用壁の据付工程は、片持ちばり式擁壁1と基礎砕石面5との間の空間10に、まずは所定のジャッキ(図示せず)を配し、該ジャッキによって片持ちばり式擁壁1の施工基準面高さを調整し、その後、高さ調整部材6で、基礎砕石面5の上面に据え置きした片持ちばり式擁壁1の施工基準面高さを調整するとともにその高さ位置を固定し、その後、ジャッキを取り外す工程を採用することも本発明の範囲内である。
次に、型枠7を配設するとともに、基礎砕石面5と片持ちばり式擁壁1との間の空間10に生コンクリートを流し込む(図1(c)(d)、図2(a)S6−S7)。
この生コンクリートの打設工程では、空間10にて基礎砕石面5上に一体成形される基礎コンクリート部8aと、基礎コンクリート部8a上に一体成形される後打ち基礎コンクリート部8bと、を同時に打設する。
すなわち、本実施形態によれば、従来、別工程によって打設していた基礎コンクリート部8aと後打ち基礎コンクリート部8bとが同時に一つの作業で打設し得るため、作業時間の短縮化が図れる。
本実施形態によれば、型成形時において底版部2の底面に上がってくるブリージング水により凹凸状に形成される底面を、コンクリート打設工程(図1(d)、図2(a)S7)において、コンクリートとの接続面として有効に利用可能であるため、底面の左官仕上げの精度も要求されない。
本実施形態では、つま先版2a及びかかと版2bのそれぞれの周壁面上端高さレベルと、立ち上り壁8b1の頂面高さレベルと、が略同一の高さとなるように設定されている(図3参照。)。
立ち上り壁8b1の高さは、つま先版2a及びかかと版2bのそれぞれの周壁面上端高さレベルよりも高く設定されるものであってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。すなわち、つま先版2aの上面およびかかと版2bの上面を覆うように立ち上り壁8b1を形成することも可能で本発明の範囲内である。
なお、つま先版2a側に立ち上がり壁8b1を設けない形態も本発明の範囲内である。
その後、養生を行い、所定の強度が発現した後、型枠を撤去する (図1(d)、図2(a)S8−S9)。
そしてその後、埋め戻しを行い、しっかりと転圧を行い完成する(図1(e)、図2(a)S10)。
すなわち、本実施形態の第一の伸縮部材6bは、一端側がナット部6aの第一の雌ネジ部6a1に螺合されるとともに、他端側は、基礎砕石面5の上面に当接する接地面部6b2が一体に形成されている。接地面部6b2は、本実施形態では所定厚みを有する円板状に形成されている。なお、接地面部6b2は、円板状に限定されない。また、接地面部6b2を有していない形態であっても本発明の範囲内である。
すなわち、本実施形態の第二の伸縮部材6cは、一端側がナット部6aの第二の雌ネジ部6a2に螺合されるとともに、他端側は、片持ちばり式擁壁1の側壁3の底面3bに埋設されているインサート部材9の雌ネジ部9aに螺合される。
高さ調整部材6を、片持ちばり式擁壁1の底版部2の底面に一体に吊り下げ保持させるのは、施工現場に運搬する以前であってもよく、あるいは、施工現場にて一体に吊り下げ保持させるものであってもよく、本発明の範囲内で適宜最適な方法を選択可能である。
すなわち、片持ちばり式擁壁1を基礎砕石面5上に置く際に、誤って落下させてしまったような場合であっても、この高さ調整部材6によって基礎砕石面5との間で空間10を形成することができるため指等を挟んでしまう虞も少なく安全面での向上が図れる。特に、建設業界も高齢化・素人化が進む中、このような安全面に考慮した構成は大変有用である。
この基準となる、水糸を設置する際、高さ調整部材6により、二次製品の片持ちばり式擁壁1と基礎砕石面5との間に隙間が確保出来るため、技術者は目で確認しながら施工計画通りに、角度、傾き、通りの基準となる水糸の設置が簡単、確実に行える。
また、壁高(壁面部の高さ)が高い二次製品の片持ちばり式擁壁の場合、天端(上端)より手元付近まで下がった位置を決めて水糸を張り、その高さを基準とし、片持ちばり式擁壁を設置すれば、高い擁壁の天端を路面に合わせる事が簡単に出来、工期の短縮とコストの削減につながる。
盛土の区間にも登り下りが有り、二次製品の片持ちばり式擁壁を道路面勾配の高さに近い製品が多く使われている。
道路面の勾配にピタリと合う二次製品の片持ちばり式擁壁は少なく、隣接する二次製品の片持ちばり式擁壁の壁高を変えて設置する必要があり、このため、天端(上端)には段差が出来る。
従来、この対策として、片持ちばり式擁壁の壁面部の天端に型枠を造り、生コンクリートで登り下りの道路面勾配に合わせた、天端コンクリートの作成が必要であり、この作成作業は大変面倒かつ手間の掛かるものであった。
本実施形態によれば、高さ調整部材6によって片持ちばり式擁壁1の高さ・角度・傾きを自由に調整可能であるため、道路の勾配に合わせて壁高さを代えて設置しても隣り合う片持ちばり式擁壁の天端側には段差が形成されないため、工期の短縮とコストの縮減が可能となる。
本実施形態の敷設方法によれば、許容誤差の規格値の現在決められている値を拡大しても片持ちばり式擁壁の設置に支障が無いため、不良品として廃棄される片持ちばり式擁壁が無くなり、結果として廃棄物の減少、及び製品コストの軽減にもつながる。
図5では、その一例を示し、第二の伸縮部材6cである全ネジボルトを、図4に示す全ネジボルト形態と比して長尺のものに交換している。
また、第二の伸縮部材6cのみを、長尺の全ネジボルトや短尺の全ネジボルトなどに適宜交換するだけで空間10の広狭に簡単に対応可能であるため、各空間高さに応じた高さ調整部材を揃えることと比しても大変コスト減となる。特に、全ネジボルトであり、かつ第二の伸縮部材6cが正ネジであるため、部品が不足し、又は緊急に必要となった場合、市販品で対応でき、単価も安価である。また管理手間もなく大変使用勝手が良い。
図6乃至図7は本発明の第二実施形態を示す。
本実施形態の敷設方法は、第一実施形態と同様であって、図1の工程概略図と、図2(a)のフロー図を援用し、詳細な説明は省略する。
そして、それぞれの高さ調整部材6の第二の伸縮部材6cの上端の接地面6c2に、片持ちばり式擁壁1の底版部2底面、すなわち、つま先版2aの底面と、かかと版2bの底面が、それぞれ当接するように、片持ちばり式擁壁1を配設する。
すなわち、本実施形態は、図2のS3の工程において、第一実施形態と相違する。
本実施形態では、片持ちばり式擁壁1を載置したときの安定性から第二の伸縮部材6cにも平頭ボルトを採用しているが、第二の伸縮部材6cを、第一実施形態と同じく全ネジボルトで構成するものであってもよい。また、第一の伸縮部材6bを全ネジボルトで構成することも可能である。
2 底版部
3 壁面部(たて壁)
5 基礎砕石面
6 高さ調整部材
6a ナット部
6a1 第一の雌ネジ部
6a2 第二の雌ネジ部
6b 第一の伸縮部材
6c 第二の伸縮部材
8a 基礎コンクリート部
8b 後打ち基礎コンクリート部
9 インサート部材
10 空間
S1,S2 基礎砕石面敷設工程
S3 片持ちばり式擁壁据付工程
S4 高さ調整部材による高さ・角度・傾きの調整
S6 コンクリート打設工程
S7 コンクリート養生工程
Claims (3)
- 施工面を掘削し、砕石を敷均し、転圧して基礎砕石面を敷設する基礎砕石面敷設工程と、
前記基礎砕石面の上面所定位置に、高さ調整部材を介して片持ちばり式擁壁を配設するとともに、前記高さ調整部材により前記片持ちばり式擁壁の施工基準面高さを調整し、前記基礎砕石面と前記片持ちばり式擁壁の底版部の底面との間に所定の空間を形成して前記片持ちばり式擁壁を据付ける片持ちばり式擁壁据付工程と、
前記基礎砕石面と前記片持ちばり式擁壁との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程と、を含み、
前記片持ちばり式擁壁は、底版部の底面が凹凸面に形成されており、
前記高さ調整部材は、逆ネジの第一の雌ネジ部と第二の雌ネジ部を内面に設けたナット部と、前記ナット部の第一の雌ネジ部に螺合して進退可能に配される第一の伸縮部材と、前記ナット部の第二の雌ネジ部に螺合して進退可能に配される第二の伸縮部材と、で構成され、ナット部の左右方向の回転作動によって第一の伸縮部材と第二の伸縮部材とが、同
時に同一の進退動作を行うものであって、
前記コンクリート打設工程は、前記空間にて基礎砕石面上に一体成形される基礎コンクリート部と、前記基礎コンクリート部とともに一体成形される後打ち基礎コンクリート部と、を同時に打設され、
前記片持ちばり式擁壁の底版部の底面側には、連結口を開放して前記底版部内に埋設されたインサート部材が備えられており、
前記高さ調整部材は、少なくとも基礎砕石面上に据付ける前には、前記インサート部材に、前記第二の伸縮部材の遊端側を螺合して前記片持ちばり式擁壁の底版部の底面に一体に吊り下げ保持されていることを特徴とする片持ちばり式擁壁の敷設方法。 - 後打ち基礎コンクリート部は、底版部の周囲を覆う立ち上がり壁を同時に打設することを特徴とする請求項1に記載の片持ちばり式擁壁の敷設方法。
- 前記高さ調整部材は、第二の伸縮部材が長短交換可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の片持ちばり式擁壁の敷設方法。
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