JP3399924B2 - 護岸法覆構造 - Google Patents
護岸法覆構造Info
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Description
等における護岸用の堤防において、水面側となる法面を
補強するために設けられる護岸法覆構造に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、上記のような護岸法覆構造を施工
するには、まず法面の下端縁及び上端縁に沿ってそれぞ
れ延びるように基礎工及び保護工を構築し、基礎工及び
保護工の間の法面全体を被覆するように均しコンクリー
トを打設する。次いで、均しコンクリート上に鉄筋篭を
配設し、その周囲に型枠を設置した後、型枠内にコンク
リートを打設し、コンクリートの硬化後に各型枠を離型
する。そして、型枠の設置、コンクリートの打設、硬化
後の型枠の離型等の作業を繰り返して護岸法覆構造が施
工される。この護岸法覆構造の施工作業は、殆どすべて
が現地において行われている。その施工作業のなかでも
型枠の組立及び設置をしたり、護岸壁の表面を仕上げた
り等の作業には熟練した作業員を多人数必要とし、さら
にはコンクリートの打設及び養生のために長い工期を必
要とする。このことから、施工作業の容易化及び短期間
化を図るため、以下に示すような護岸法覆構造が提案さ
れている。 【0003】すなわち、図8に示すように、法面31の
下端縁及び上端縁に沿ってそれぞれ延設された基礎工3
2及び保護工33の間の法面31上には均しコンクリー
ト34が打設されている。基礎工32及び保護工33の
間における均しコンクリート34上には、法面31に対
して上下方向に延びるようにコンクリート製の縦枠35
が所定間隔おきの複数箇所に設置されている。各縦枠3
5の間における均しコンクリート34上には、縦枠35
と直交する方向に延びるようにコンクリート製の横枠3
6が3箇所に設置されている。前記基礎工32、保護工
33、縦枠35及び横枠36に囲まれた内側部分の均し
コンクリート34上にはそれぞれコンクリートが打設さ
れて間詰壁37が形成されている。 【0004】前記縦枠35は、法面31の高さに対応し
て法面の上下方向に3本が連結されている。また、法面
31の横方向の中間部分において所定距離おきに一対の
縦枠35が隣接して設置され、互いに連結されている。
前記横枠36は、縦枠35同士の間隔を所定距離に保持
する1本の間隔保持枠36aと、間詰壁37が下方へ滑
り落ちることを防止する2本の滑止枠36bとから構成
されている。前記間隔保持枠36aは四角柱状をなし、
その上面が基礎工32の直上に設置された縦枠35の上
端面と面一となるように配設されている。前記滑止枠3
6bは略四角柱状をなし、その上面の保護工側となる一
側縁に上方に向かうほど法面31側に接近する傾斜面3
6cを有している。また、2本の滑止枠36bのうちの
下方の滑止枠36bは、前記間隔保持枠36aの隣接位
置に配設され、間隔保持枠36aに対し、図示しないボ
ルトで連結されている。 【0005】上記の基礎工32、保護工33、縦枠3
5、横枠36及び間詰壁37等により護岸法覆構造が構
成されている。この護岸法覆構造において、前記縦枠3
5及び横枠36は、予め工場等といった工事現場とは別
箇所で成型されており、工事現場まで搬送された後、重
機を使用して設置される。従って、型枠の組立及び設置
作業を行う必要がなく、熟練した作業員でなくとも施工
作業を容易に行うことができ、さらには設置された縦枠
35及び横枠36の間等に他箇所に打設されたコンクリ
ートの硬化を待つことなく、連続してコンクリートを打
設することができるため、工期の短縮化と経費の低減を
図ることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記護岸法
覆構造によれば、間隔保持枠36a及び滑止枠36bを
重機で設置した後の各枠の移動、接触、連結等といった
作業は工事現場で行わなければならない。これら間隔保
持枠36a及び滑止枠36bはコンクリート製でありそ
の重量が嵩むことから、このような工事現場での煩雑な
作業に多人数を必要とするため、作業効率が良好である
とは言い難く、これ以上の工期の短縮化及び経費の低減
を図りづらいという問題があった。 【0007】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、設置作業が容易であり、工期の大幅な短縮
化及び経費の低減を図ることができる護岸法覆構造を提
供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の護岸法覆構造の発明は、護岸の
法面の下端縁及び上端縁に沿ってそれぞれ基礎工及び保
護工を構築し、基礎工及び保護工の間の法面上に予め成
型されたコンクリート製の複数本の縦枠を法面の上下方
向に延びるように所定間隔おきに設置し、各縦枠の間の
法面上に予め成型されたコンクリート製の複数本の横枠
を法面の横方向に延びるように設置し、前記基礎工、保
護工、縦枠及び横枠に囲まれた内側部分の法面上にそれ
ぞれコンクリートを打設して間詰壁を形成する護岸法覆
構造であって、前記横枠のうちの少なくとも1本が縦枠
間を所定間隔に保持するための間隔保持枠としての機能
と、間詰壁が法面の下方へ滑落することを防止するため
の滑止枠としての機能とを兼ね備える多機能枠として一
体成型されているとともに、前記縦枠は、略四角柱状を
なす通常枠と、この通常枠と比較してその幅がほぼ2倍
となるように成型された略四角柱状をなす倍枠とから構
成され、前記法面の横方向に倍枠を所定距離おきに設置
し、これら倍枠の間において、複数本の通常枠を所定間
隔おきに設置し、かつ縦枠を法面の上下方向に複数本連
結し、これら縦枠の連結部分と対応する箇所に前記多機
能枠を設置し、さらに上下に連結される縦枠同士の間に
は凹凸関係で互いを連結するための連結手段を設けると
ともに、縦枠の側面に半球状の突起又は凹部を設け、こ
れと対応する位置となる横枠の側面には半球状の凹部又
は突起を設け、互いの突起及び凹部の係合関係により縦
枠及び横枠を連結することを特徴とするものである。 【0009】 【0010】 【0011】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、護岸
用の堤防の法面11は、予め平らな斜面として整地され
ている。この法面11の下端縁部には護岸法覆構造の基
礎工13が法面11に対して横方向に延びるように構築
されている。この基礎工13は、予め工場において上面
に開口を有する略四角筒状に成型されたコンクリート製
の複数のベース部13aを図示しない連結部材によって
互いに隣接するように連結し、各ベース部13aの内側
にそれぞれコンクリートを打設することによって形成さ
れている。加えて、基礎工13の法面11側となる一側
面の上部には、上方に向かうほど法面11から離間する
方向に傾斜する支持面13bが形成されている。 【0012】法面11の上端縁部には護岸法覆構造の保
護工14が基礎工13と平行に延びるように構築されて
いる。この保護工14は、予め工場において厚みを有す
る横長四角板状に成型され、下部分が地中に埋設される
ようにして設置されている。そして、基礎工13及び保
護工14の間において、法面11の表面には所定厚さと
なるように均しコンクリート12が打設されている。 【0013】基礎工13及び保護工14の間において、
均しコンクリート12上には護岸法覆構造の縦枠15が
法面11に対して上下方向に延びるように設置されてい
る。図1中で護岸法覆構造の中間部に設置された各縦枠
15は、それぞれ3本の通常枠15aを法面の上下方向
に連結して構成されている。また、図1中で護岸法覆構
造の両側部に設置された縦枠15は、それぞれ3本の倍
枠15bを法面の上下方向に連結して構成されている。
これら通常枠15a及び倍枠15bは、使用箇所によ
り、それぞれ長さ及び端面形状が異なっている。 【0014】護岸法覆構造の下部に設置された通常枠1
5a及び倍枠15bを一例としてその構成を説明する。
図2(a),(b)に示すように、通常枠15aは、四
角柱状に形成されるとともに、その内部には補強用の鉄
筋篭16が埋設されている。図2(c),(d)に示す
ように、倍枠15bは、前記通常枠15aと比較してそ
の幅がほぼ2倍の長さに設定された扁平な四角柱状に形
成されるとともに、通常枠15aと同様にその内部には
補強用の鉄筋篭16が埋設されている。なお、図2
(a),(c)は、通常枠15a及び倍枠15bの部分
破断側面図であり、通常枠15a及び倍枠15bは、図
中で右側が下方に、左側が上方に向かうようにして法面
11上に設置される。 【0015】図2(a),(c)に示すように、通常枠
15a及び倍枠15bの下端面は、前記基礎工13の支
持面13bに当接される当接面17となっている。通常
枠15a及び倍枠15bの上端面には連結手段としての
連結突起18が突設されている。他の通常枠15a及び
倍枠15bの図示しない端面にはこの連結突起18と係
合可能な連結手段としての連結凹部が凹設されており、
連結突起18及び連結凹部の係合関係により通常枠15
a及び倍枠15bがそれぞれ上下方向に連結可能となっ
ている。また、前記当接面17の上部には、角部を面取
りすることにより傾斜面19が形成されている。この傾
斜面19は、通常枠15a及び倍枠15bを設置した状
態で略鉛直方向に延びるようになっている。 【0016】上記の通常枠15a及び倍枠15bは、例
えば工場等といった工事現場とは異なる箇所で、図示し
ない型枠内に鉄筋篭16を配置した後、その型枠内に生
コンクリートを流し込むことによって成型されている。
そして、予め成型された通常枠15a及び倍枠15b
は、工事現場まで搬送された後、クレーン等の重機を使
用して均しコンクリート12上に設置される。 【0017】図1に示すように、設置された通常枠15
a及び倍枠15bは、所定間隔おきに配設されるように
なっている。この際、護岸法覆構造の図示しない始端部
及び終端部には通常枠15aからなる縦枠15が配設さ
れており、倍枠15bからなる縦枠15は、護岸法覆構
造の中間部、すなわち法面11の横方向の中間部分にお
いて所定距離おきに配設されている。この実施形態で
は、倍枠15b同士の距離Aは10mに設定されてい
る。加えて、通常枠15a及び倍枠15bと、通常枠1
5a同士との間隔Bは1.64mに設定され、一対の倍
枠15bの間には4本の通常枠15aが配設されてい
る。 【0018】各縦枠15の間において、均しコンクリー
ト12上には護岸法覆構造の横枠20が法面11に対し
て横方向で縦枠15と直交する方向に延びるように設置
されている。そして、前記基礎工13、保護工14、縦
枠15及び横枠20に囲まれた内側部分の均しコンクリ
ート12上には、それぞれコンクリートが打設されるこ
とによって平面状をなす間詰壁22が形成されている。
また、横枠20は、図1中で護岸法覆構造の下方に設置
された多機能枠20aと、上方に設置された滑止枠20
bとから構成されている。 【0019】図3(a),(b)に示すように、前記多
機能枠20aは、扁平な略四角柱状に形成されるととも
に、その内部には補強用の鉄筋篭16が埋設されてい
る。図3(c),(d)に示すように、滑止枠20b
は、前記多機能枠20aと比較して幅狭な略四角柱状に
形成されるとともに、多機能枠20aと同様にその内部
には補強用の鉄筋篭16が埋設されている。なお、図3
(a),(c)は、多機能枠20a及び滑止枠20bを
側方から見た状態の断面図であり、多機能枠20a及び
滑止枠20bは、図中で右側が下方に、左側が上方に向
かうようにして法面11上に設置される。図3(a),
(c)に示すように、多機能枠20a及び滑止枠20b
の上面には、上方に向かうほど法面11に接近するよう
に傾斜する滑止面21が形成されている。この滑止面2
1は、多機能枠20a及び滑止枠20bを設置した状態
で略水平方向に延びるようになっており、地震、水害等
により間詰壁22が浮き上がり、法面11の下方へ滑落
しようとする際、この滑止面21により間詰壁22が受
け止められるようになっている。 【0020】上記の多機能枠20a及び滑止枠20b
は、例えば工場等といった工事現場とは異なる箇所で、
図示しない型枠内に鉄筋篭16を配置した後、その型枠
内に生コンクリートを流し込むことによって成型されて
いる。そして、予め成型された多機能枠20a及び滑止
枠20bは、工事現場まで搬送された後、クレーン等の
重機を使用して均しコンクリート12上に設置される。 【0021】図1に示すように、前記多機能枠20a
は、護岸法覆構造の下部及び上下方向の中間部に設置さ
れた通常枠15a同士及び倍枠15b同士の連結部分と
対応する位置に配設されている。この際、多機能枠20
aの下半部は、下部に設置された通常枠15aの間又は
通常枠15aと倍枠15bの間に位置し、上半部は、中
間部に設置された通常枠15aの間又は通常枠15aと
倍枠15bの間に位置している。そして、多機能枠20
aの下半部は、縦枠15同士を所定の間隔に保持する間
隔保持枠として機能しており、滑止面21を有する上半
部は、間詰壁22の滑落を防止する滑止枠として機能し
ている。また、多機能枠20aは、通常枠15a及び倍
枠15bと四角枠体を形成しており、地震等による揺
れ、水害による浮き上がり等の場合にもこの四角枠体の
形状を維持することにより、護岸法覆構造の強度を向上
させている。 【0022】次に、前記護岸法覆構造の施工方法につい
て以下に記載する。さて、護岸法覆構造を構成するに
は、まず、堤防の法面11を整地し、平らな斜面とした
後、法面11の下端縁に沿って基礎工13を設置する。
この基礎工13を設置するには、予め工場等で成型され
たベース部13aを、法面11の下端縁部に沿って複数
個配置し、その端部同士をそれぞれ図示しない連結手段
で固定する。その後、各ベース部13aの内側及び各ベ
ース部13aの間に生コンクリートを流し込むことによ
り基礎工13が構築される。そして、図4に示すよう
に、法面11上にコンクリートが打設され、コンクリー
トが硬化することによって均しコンクリート12が構築
される。 【0023】図5に示すように、基礎工13及び均しコ
ンクリート12が構築された後、均しコンクリート12
上に縦枠15が設置され、その後、横枠20が設置され
る。縦枠15を設置するには、まず重機を使用し、護岸
法覆構造の下部となる通常枠15a及び倍枠15bがそ
の当接面17が基礎工13の支持面13bに当接するよ
うに所定間隔おきに配置される。次いで、護岸法覆構造
の中間部となる通常枠15a及び倍枠15bがその連結
凹部を、下部に位置する通常枠15a及び倍枠15bの
連結突起18に係合されるように配置される。この後、
通常枠15a及び倍枠15bは、均しコンクリート12
との間に図示しないくさびが打ち込まれることによって
固定される。 【0024】通常枠15a及び倍枠15bが固定された
後、多機能枠20aがその位置を調整されながら均しコ
ンクリート12上に配置される。続いて、滑止枠20b
が配置され、多機能枠20a及び滑止枠20bは、通常
枠15a及び倍枠15bとの間にそれぞれくさびが打ち
込まれることによって固定される。そして、通常枠15
a、倍枠15b、多機能枠20a及び滑止枠20bと、
均しコンクリート12の間にそれぞれモルタルが充填さ
れ、モルタルの硬化後にくさびを抜き取ることにより、
各枠15a,15b,20a,20bの設置が完了す
る。 【0025】この後、図6に示すように、基礎工13、
通常枠15a、倍枠15b、多機能枠20a及び滑止枠
20bに囲まれた内側部分において、下方から順番にス
ラリー状の生コンクリートが流し込まれる。このコンク
リートが硬化した後、間詰壁22が形成され、通常枠1
5a、倍枠15b、多機能枠20a及び滑止枠20b
は、互いに位置ずれすることが防止される。その後、図
7に示すように、法面11の上端部が整地され、均しコ
ンクリート12が形成され、重機を使用して保護工14
が設置された後、護岸法覆構造の上部となる通常枠15
a及び倍枠15bが設置される。そして、保護工14、
通常枠15a及び倍枠15bに囲まれた内側部分に生コ
ンクリートが流し込まれ、コンクリートの硬化後に間詰
壁22が形成され、図1に示すような護岸法覆構造が施
工される。 【0026】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 上記の護岸法覆構造によれば、多機能枠20aが間
隔保持枠としての機能と、滑止枠としての機能を兼ね備
えていることから、従来例のように間隔保持枠及び滑止
枠を個別に配置し、その後に間隔保持枠及び滑止枠を連
結するといった作業を省略することができる。従って、
工事現場での施工作業において、横枠20の設置作業が
容易なものとなり、少人数で短時間に行うことができる
ため、工期の大幅な短縮化及び経費の低減を図ることが
できる。 【0027】・ 縦枠15を通常枠15a及び倍枠15
bで構成したことにより、従来例のように等幅の縦枠を
所定距離おきに隣接配置して、互いに連結する作業を省
略することができる。従って、工事現場での施工作業に
おいて、縦枠15の設置作業が容易なものとなり、少人
数で短時間に行うことができるため、工期のさらに大幅
な短縮化及び経費の効果的な低減を図ることができる。 【0028】・ 通常枠15a同士及び倍枠15b同士
を上下に連結する部分と対応して多機能枠20aを設置
したことにより、上下に配設された通常枠15a及び倍
枠15bが互いに位置ずれすることを防止することがで
きる。 【0029】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 基礎工13を構築する際、実施形態ではベース部1
3aの内側に生コンクリートのみを流し込んだが、これ
以外に、例えば法面11を整地した際に生じた砂利、
石、建築物の解体時等に生ずるコンクリート塊等の廃材
をベース部13aの内側に投入し、生コンクリートを流
し込んで基礎工13を構築してもよい。 【0030】あるいは、多機能枠20aを上面に開口を
有する略四角筒状又は略四角箱状に成型し、上述した基
礎工13のようにその内側に廃材を投入し、生コンクリ
ートを流し込むように構成してもよい。このように構成
した場合、生コンクリートの使用量を低減し、経費のさ
らなる低減を図ることができるとともに、廃材を再利用
することにより環境問題の解消に貢献することができ
る。さらには、基礎工13及び多機能枠20aの軽量化
を図り、施工作業の簡易化及び短期間化を図ることがで
きる。なお、滑止枠20bも上述した多機能枠20aの
ように略四角筒状又は略四角箱状に成型してもよい。 【0031】・ 通常枠15a、倍枠15b、多機能枠
20a及び滑止枠20bをその強度を保持できる範囲内
であれば、中空状に形成してもよい。このように構成し
た場合、各枠の軽量化を図り、設置作業のさらなる容易
化を図ることができる。 【0032】・ 実施形態では基礎工13及び保護工1
4には予め工場等で成型されたものを使用したが、これ
に限定されず、型枠を組立て、その型枠内にコンクリー
トを流し込むことにより、工事現場で構築してもよい。 【0033】・ 縦枠15の通常枠15a同士及び倍枠
15b同士を上下に連結する連結手段は、連結突起18
及び連結凹部に限定されるものではなく、例えば互いの
接触面の対応する位置に穴を設け、これら穴にボルト、
鉄棒等の連結部材を挿通することにより連結してもよ
い。 【0034】・ 縦枠15と横枠20の間に連結手段を
設け、互いに対する位置ずれを防止してもよい。より具
体的には、縦枠15の側面に半球状の突起又は凹部を設
け、これと対応する位置となる横枠20の側面には半球
状の凹部又は突起を設け、互いの突起及び凹部の係合関
係により互いに対する位置ずれを防止してもよい。ある
いは、上述したような連結手段により互いを連結しても
よい。このように構成した場合、縦枠15及び横枠20
の間で互いに対する位置ずれを防止することができると
ともに、凹部及び突起を半球状とすることにより、縦枠
15を設置した後、横枠20を設置する際に半球部分が
乗り越えやすく、凹部及び突起の係合を容易に行うこと
ができる。 【0035】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記基礎工を予め成型された略四角筒状をなすコン
クリート製の複数のベース部を互いに隣接するように連
結し、各ベース部の内側にコンクリート塊等の廃材を投
入した後、それぞれの内側にコンクリートを打設するこ
とによって構築することを特徴とする請求項1から請求
項3のいずれかに記載の護岸法覆構造。このように構成
した場合、基礎工の構築作業が容易なものとなり、工期
のさらに大幅な短縮化を図ることができ、生コンクリー
トの使用量を低減して経費のさらなる低減を図ることが
できるとともに、廃材を再利用することにより環境問題
の解消に貢献することができる。 【0036】・ 前記縦枠には凹部又は突部を設け、横
枠には縦枠の凹部又は突部と係合可能な突部又は凹部を
設け、互いの凹部及び突部による係合関係により縦枠及
び横枠を連結することを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれかに記載の護岸法覆構造。このように構成し
た場合、縦枠及び横枠の間で互いに対する位置ずれを防
止することができる。 【0037】・ 上下に連結される縦枠同士の間には凹
凸関係で互いを連結するための連結手段を設けたことを
特徴とする請求項3に記載の護岸法覆構造。このように
構成した場合、連結される部材同士が互いに位置ずれす
ることを防止することができる。 【0038】・ 護岸の法面の下端縁に沿ってコンクリ
ートよりなる基礎工を構築し、法面上に予め成型された
コンクリート製の複数本の縦枠を法面の上下方向に延び
るように所定間隔おきに設置し、次いで、前記縦枠の間
の法面上に予め成型されたコンクリート製の複数本の横
枠を法面の横方向に延びるように設置し、前記基礎工、
縦枠及び横枠に囲まれた内側部分の法面上にそれぞれコ
ンクリートを打設して間詰壁を形成した後、護岸の法面
の上端縁に沿ってコンクリートよりなる保護工を構築す
るとともに、前記横枠を、縦枠同士を所定間隔に保持す
る機能及び間詰壁が法面の下方へ滑落することを防止す
る機能を兼ね備える多機能枠と、間詰壁が法面の下方へ
滑落することを防止する滑止枠とから構成し、前記多機
能枠を設置した後、滑止枠を設置することを特徴とする
護岸法覆構造の施工方法。このように構成した場合、設
置作業が容易で、工期の大幅な短縮化及び経費の低減を
図ることができる護岸法覆構造を施工することができ
る。 【0039】 【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明によれ
ば、横枠の設置作業が容易であり、工期の大幅な短縮化
及び経費の低減を図ることができる。また、縦枠の設置
作業が容易であり、工期のさらに大幅な短縮化及び経費
の効果的な低減を図ることができる。その上、上下に連
結された縦枠同士が互いの連結部分で位置ずれすること
を防止することができる。さらに、連結される縦枠同士
が互いに位置ずれすることを防止することができる。加
えて、縦枠及び横枠の間で互いに対する位置ずれを防止
することができるとともに、凹部及び突起を半球状とす
ることにより、縦枠を設置した後、横枠を設置する際に
半球部分が乗り越えやすく、凹部及び突起の係合を容易
に行うことができる。 【0040】 【0041】
図、(b)は通常枠を下方から見た状態を示す断面図、
(c)は倍枠を示す一部を破断した側面図、(d)は倍
枠を下方から見た状態を示す断面図。 【図3】 (a)は多機能枠を側方から見た状態を示す
断面図、(b)は多機能枠の一部を下方から見た状態を
示す断面図、(c)は滑止枠を側方から見た状態を示す
断面図、(d)は滑止枠の一部を下方から見た状態を示
す断面図。 【図4】 基礎工及び均しコンクリートを形成した状態
を示す斜視図。 【図5】 縦枠及び横枠を設置した状態を示す斜視図。 【図6】 間詰壁を形成した状態を示す斜視図。 【図7】 保護工を形成する状態を示す斜視図。 【図8】 従来の護岸法覆構造を示す斜視図。 【符号の説明】 11…法面、13…基礎工、14…保護工、15…縦
枠、15b…倍枠、20…横枠、20a…多機能枠、2
0b…滑止枠、22…間詰壁。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 護岸の法面の下端縁及び上端縁に沿って
それぞれ基礎工及び保護工を構築し、基礎工及び保護工
の間の法面上に予め成型されたコンクリート製の複数本
の縦枠を法面の上下方向に延びるように所定間隔おきに
設置し、各縦枠の間の法面上に予め成型されたコンクリ
ート製の複数本の横枠を法面の横方向に延びるように設
置し、前記基礎工、保護工、縦枠及び横枠に囲まれた内
側部分の法面上にそれぞれコンクリートを打設して間詰
壁を形成する護岸法覆構造であって、 前記横枠のうちの少なくとも1本が縦枠間を所定間隔に
保持するための間隔保持枠としての機能と、間詰壁が法
面の下方へ滑落することを防止するための滑止枠として
の機能とを兼ね備える多機能枠として一体成型されてい
るとともに、前記縦枠は、略四角柱状をなす通常枠と、
この通常枠と比較してその幅がほぼ2倍となるように成
型された略四角柱状をなす倍枠とから構成され、前記法
面の横方向に倍枠を所定距離おきに設置し、これら倍枠
の間において、複数本の通常枠を所定間隔おきに設置
し、かつ縦枠を法面の上下方向に複数本連結し、これら
縦枠の連結部分と対応する箇所に前記多機能枠を設置
し、さらに上下に連結される縦枠同士の間には凹凸関係
で互いを連結するための連結手段を設けるとともに、縦
枠の側面に半球状の突起又は凹部を設け、これと対応す
る位置となる横枠の側面には半球状の凹部又は突起を設
け、互いの突起及び凹部の係合関係により縦枠及び横枠
を連結することを特徴とする護岸法覆構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000374766A JP3399924B2 (ja) | 2000-12-08 | 2000-12-08 | 護岸法覆構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000374766A JP3399924B2 (ja) | 2000-12-08 | 2000-12-08 | 護岸法覆構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002173927A JP2002173927A (ja) | 2002-06-21 |
JP3399924B2 true JP3399924B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
ID=18843894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000374766A Expired - Lifetime JP3399924B2 (ja) | 2000-12-08 | 2000-12-08 | 護岸法覆構造 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3399924B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
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CN105951851A (zh) * | 2016-06-05 | 2016-09-21 | 中交路桥建设有限公司 | 坡脚位置处于河道中的滑坡体处置方法 |
CN112726502B (zh) * | 2020-12-24 | 2022-02-22 | 中国水电基础局有限公司 | 用于控制平原河道水土流失的护坡水土保持结构施工方法 |
-
2000
- 2000-12-08 JP JP2000374766A patent/JP3399924B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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