以下に、本発明の実施形態に係る端子付き電線の製造方法、端子付き電線、および端子圧着装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図21を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、端子付き電線の製造方法、端子付き電線、および端子圧着装置に関する。図1は、実施形態に係る圧着端子の圧着前の状態を示す斜視図、図2は、実施形態に係る圧着端子の圧着前の状態を示す側面図、図3は、実施形態に係る圧着端子の圧着後を示す斜視図、図4は、実施形態に係る圧着端子の圧着後を示す側面図、図5は、実施形態に係る圧着端子において、貼付工程が実行される前の状態を示す斜視図、図6は、実施形態に係る圧着端子において止水部材が貼付された状態を示す平面図、図7は、実施形態に係る第一および第二の金型を示す斜視図、図8は、実施形態に係る第二金型の下面図、図9は、実施形態に係る第二金型を下方から見た斜視図、図10は、実施形態に係る第二金型における第一方向に沿った断面図、図11は、実施形態の第二金型の断面図、図12は、実施形態の第二金型の他の断面図、図13は、実施形態の第二金型の更に他の断面図である。
図10には、図8のX−X断面が示され、図11には、図8のXI−XI断面が示され、図12には、図8のXII−XII断面が示され、図13には、図8のXIII−XIII断面が示され、図21には、図19のXXI−XXI断面が示されている。
まず、本実施形態に係る圧着端子1について説明する。図1等に示す圧着端子1は、電線50に対して圧着される端子である。圧着端子1は、電線50と一体になった状態で相手側端子(図示略)に対して電気的に接続される。圧着対象の電線50は、端部の被覆52が取り除かれて芯線51が所定の長さ露出している。芯線51は、複数本の素線の集合体であってもよく、同軸ケーブルのような単線であってもよい。圧着端子1は、電線50の端部に圧着されることで、露出している芯線51に対して電気的に接続される。
圧着端子1は、端子金具10および止水部材20を有する。端子金具10は、圧着端子1の主体部分である。端子金具10は、母材としての導電性の金属板(例えば銅板、銅合金板)から形成される。端子金具10は、母材に対する打ち抜き加工や折り曲げ加工等により、相手側端子や電線50との接続が可能な所定の形状に形成される。端子金具10は、端子接続部11および電線接続部12を有する。端子接続部11は、相手側端子に対して電気的に接続される部分である。電線接続部12は、電線50に対して圧着される部分であり、芯線51に対して電気的に接続される。
端子接続部11と電線接続部12との間には、連結部13が設けられている。言い換えると、端子接続部11と電線接続部12とは連結部13を介して連結されている。連結部13は、端子接続部11の側壁11a,11aと、電線接続部12の側壁であるバレル片部15,16とを繋ぐ側壁13a,13aを有する。一方の側壁13aは、一方の側壁11aと第一バレル片部15とを繋ぎ、他方の側壁13aは、他方の側壁11aと第二バレル片部16とを繋ぐ。側壁13aの高さは、バレル片部15,16や側壁11aの高さよりも低くなっている。より詳しくは、側壁13aの高さは、端子接続部11から電線接続部12へ向かうに従って低くなっている。
端子金具10は、雄端子であっても雌端子であってもよい。端子接続部11は、端子金具10が雄端子である場合、雄型に成型され、端子金具10が雌端子である場合、雌型に成型される。
圧着端子1の説明において、相手側端子との接続方向、すなわち相手側端子との挿入方向を第一方向Lと称する。第一方向Lは、圧着端子1の長手方向である。圧着端子1の幅方向を第二方向Wと称する。圧着端子1において、第一方向Lおよび第二方向Wの何れとも直交する方向を第三方向Hと称する。第三方向Hは、圧着端子1の高さ方向である。電線接続部12は、後述するように、第三方向Hに沿って移動する第二金型113によって電線50に対して圧着される。
成型工程において、圧着端子1は、平板な板状に成型され、この状態から、端子接続部成形工程において、端子接続部11が図1に示すように筒状に形成される。端子接続部成形工程では、端子接続部11に対する折り曲げ加工等がなされる。本実施形態の端子接続部11は、断面形状が矩形の筒形状に形成される。電線接続部12は、電線接続部成形工程において、断面形状がU字状となるように成形される。電線接続部成形工程では、電線接続部12に対する折り曲げ加工等がなされる。また、電線接続部12には、貼付工程において、止水部材20が貼付けられる。貼付工程は、電線接続部成形工程よりも前に実行されても、電線接続部成形工程の後で実行されてもよい。
図1および図6に示すように、電線接続部12は、底部14、第一バレル片部15、および第二バレル片部16を有する。底部14は、U字状に形成された電線接続部12の底壁となる部位である。底部14には、圧着加工の際に電線50の端部が載置される。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、U字状に形成された電線接続部12の側壁となる部位である。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、底部14における第二方向Wの端部につながっている。図1に示すように、第一バレル片部15および第二バレル片部16は、底部14の幅方向の端部から、幅方向と交差する方向に向けて突出している。U字状に形成された電線接続部12では、底部14に電線50の端部が載置されると、第一バレル片部15および第二バレル片部16が第二方向Wの両側から電線50を囲む。
第一バレル片部15および第二バレル片部16は、底部14側の根元から先端15a,16aの端面までの長さが互いに等しくてもよく、一方の長さが他方の長さよりも長くてもよい。本実施形態の圧着端子1では、第一バレル片部15における根元から先端15aまでの長さよりも、第二バレル片部16における根元から先端16aまでの長さが長い。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、例えば、互いに重なり合いながら電線50に対して巻き付けられる。本実施形態では、第一バレル片部15の外側に第二バレル片部16が重なる。
電線50の端部は、電線接続部12のU字の開口部、すなわち先端15a,16aの隙間からU字状の内側の空間に挿入される。電線接続部12は、電線50の端部が挿入されやすいように形成されている。具体的には、電線接続部12は、底部14側から先端15a,16aの端面へ向かうにつれて第一バレル片部15と第二バレル片部16との第二方向Wの間隔が広がっている。
第一バレル片部15および第二バレル片部16は、図2乃至図6に示すように、芯線圧着部12Aと被覆圧着部12Bとの間に連結圧着部12Cが介在している。第一バレル片部15および第二バレル片部16は、それぞれ圧着部12A,12C,12Bがこの順序で第一方向Lに沿って連続している一枚の片部である。
本実施形態では、第一方向Lにおいて、電線接続部12から見た端子接続部11側を「前側」と称し、端子接続部11から見た電線接続部12側を「後側」と称する。
芯線圧着部12Aは、電線50の先端の芯線51に対して圧着される部位である。芯線圧着部12Aは、各バレル片部15,16における最も連結部13寄りの部位である。つまり、芯線圧着部12Aは、電線接続部12における最も前側の部位である。被覆圧着部12Bは、被覆52の端部に対して圧着される部位である。被覆圧着部12Bは、各バレル片部15,16における最も後側に位置する部位である。連結圧着部12Cは、芯線圧着部12Aと被覆圧着部12Bとを繋ぐ部位である。連結圧着部12Cは、電線50における芯線51と被覆52との境界部分に対して圧着される。電線接続部12は、電線50に対して圧着されることで芯線51および被覆52を一体に覆う。電線接続部12が電線50に対して巻き付けられて圧着されることで、図3、4等に示す端子付き電線2が作成される。
図5および図6に示すように、電線接続部12の内壁面、すなわち電線50を覆う側の壁面には、セレーション領域17が設けられている。セレーション領域17は、芯線51を保持する芯線保持領域である。セレーション領域17は、電線接続部12の内壁面において、芯線51に対して巻き付けられる部分を含む領域である。セレーション領域17には、複数の凹部、複数の凸部、または凹部と凸部の組み合わせが配置される。凹部や凸部は、電線接続部12と芯線51との接触面積を増やし、両者の密着強度を高める。本実施形態のセレーション領域17は、矩形の領域であり、第一方向Lの互いに異なる位置に複数の凹部17aが形成されている。
ここで、芯線51と、芯線51に対して圧着された電線接続部12との間に水が浸入してしまうことは好ましくない。例えば、芯線51の金属材料と電線接続部12の金属材料とがイオン化傾向の大きさの異なるものである場合、腐食の可能性がある。一例として、芯線51の材料がアルミニウム、電線接続部12の材料が銅である場合、芯線51が腐食してしまう可能性がある。本実施形態の圧着端子1には止水部材20が設けられている。止水部材20は、電線接続部12と芯線51との間への水の浸入を抑制する。
止水部材20は、例えば、アクリル系粘着剤等の粘着剤を主とするシート状に形成された部材である。本実施形態の止水部材20としては、シート状の不織布に粘着剤を染み込ませて形成された粘着シートであって、両面に粘着効果を有するものが用いられる。
止水部材20は、例えば、図5に示す平板状の電線接続部12の内壁面に対して貼り付けられる。止水部材20は、図6に示すように、所定形状に形成されており、第一止水部21、第二止水部22、および第三止水部23を有する。第一止水部21は、圧着完了後に第一バレル片部15と第二バレル片部16とが重なり合う部分を止水する。つまり、第一止水部21は、互いに重なり合う第一バレル片部15と第二バレル片部16との間に挟み込まれてバレル片部15,16の間に止水領域を形成する。本実施形態の第一止水部21は、第二バレル片部16に配置されており、第一方向Lに沿って延在している。
第二止水部22は、芯線51の先端よりも端子接続部11側を止水する。第二止水部22は、電線接続部12における端子接続部11側の端部に配置されており、第二方向Wに沿って延在している。第二止水部22の少なくとも一部は、芯線51が載置される領域に設けられることが望ましい。第二止水部22は、例えば、重なり合うバレル片部15,16の間に挟み込まれることにより、バレル片部15,16の隙間に止水領域を形成する。第二止水部22は、圧着工程において互いに重なり合うことにより、芯線51の先端よりも端子接続部11側の隙間を塞ぐこともできる。第二止水部22は、電線接続部12と芯線51との間への端子接続部11側からの浸水を抑制する。
第三止水部23は、電線接続部12と被覆52との隙間からの水の浸入を抑制する。第三止水部23は、電線接続部12における端子接続部11側と反対側の端部に配置されており、第二方向Wに沿って延在している。第三止水部23は、被覆52と電線接続部12との間に挟み込まれることにより、被覆52と電線接続部12との間に止水領域を形成する。
以上示した端子金具10は、母材となる一枚の金属板に対するプレス工程を経て、図5に示す平板状の電線接続部12を有する形態に加工される。その後の貼付工程において、その平板状の電線接続部12に止水部材20が貼付される。しかる後、この端子金具10は、電線接続部成形工程においてU字状の電線接続部12が形成される。
圧着工程は、図7に示す第一金型112および第二金型113を有する端子圧着装置100によってなされる。端子圧着装置100は、この技術分野においてアプリケータと称される装置である。
第一金型112と第二金型113とは対をなしている。第一金型112と第二金型113とは上下方向において間隔をあけて配置されている。第一金型112および第二金型113は、図7に示すように圧着端子1および電線50を間に挟み込むことで、圧着端子1を電線50に対して圧着させる。第一金型112は、圧着端子1を下方から支持する金型である。第一金型112は、二つの下型が形成されたものであり、第一の下型としての第一アンビル112Aおよび第二の下型としての第二アンビル112Bを有する。第一アンビル112Aと第二アンビル112Bとは、例えば、一体に成形される。第二金型113は、第一金型112に対して上方に配置されている。第二金型113は、二つの上型が形成されたものであり、第一の上型としての第一クリンパ113Aおよび第二の上型としての第二クリンパ113Bを有する。端子圧着装置100は、第二金型113を第三方向Hに沿って上下動させる駆動装置を有する。
第一アンビル112Aと第一クリンパ113Aとは上下方向において互いに対向している。第一アンビル112Aおよび第一クリンパ113Aは、芯線圧着部12Aを圧着させる。すなわち、第一アンビル112Aおよび第一クリンパ113Aは、その相互間の間隔を狭めていくことにより、U字状の芯線圧着部12Aを電線50の芯線51に対して巻き付け、芯線51に圧着させる。
第二アンビル112Bと第二クリンパ113Bとは上下方向において互いに対向している。第二アンビル112Bおよび第二クリンパ113Bは、被覆圧着部12Bを圧着させる。すなわち、第二アンビル112Bおよび第二クリンパ113Bは、その相互間の間隔を狭めていくことによって、U字状の被覆圧着部12Bを被覆52に対して巻き付け、被覆52に圧着させる。
図7に示すように、第一アンビル112Aおよび第二アンビル112Bには、それぞれの上側の先端に、下方に向けて凹ませた凹状面112A1,112B1が形成されている。それぞれの凹状面112A1,112B1は、U字状の芯線圧着部12AとU字状の被覆圧着部12Bのそれぞれの底部14の形状に合わせて、断面形状が弧状となるように形成されている。端子圧着装置100において、それぞれの凹状面112A1,112B1が圧着位置となる。底部14を下側にして供給されてきた圧着端子1は、芯線圧着部12Aの底部14が第一アンビル112Aの凹状面112A1に載置され、被覆圧着部12Bの底部14が第二アンビル112Bの凹状面112B1に載置される。第一金型112は、凹状面112A1,112B1を上方に露出させた状態で端子圧着装置100の基台によって支持されている。
図7に示すように、第一クリンパ113Aおよび第二クリンパ113Bには、それぞれに、上方に向けて凹ませた凹状部113A1,113B1が形成されている。各凹状部113A1,113B1は、第一アンビル112Aおよび第二アンビル112Bのそれぞれの凹状面112A1,112B1に対して上下方向で対向させて配置されている。第二金型113は、第一及び第二の壁面115,116と、湾曲面117と、を有する。第一壁面115と第二壁面116とは第二方向Wにおいて互いに対向している。第一壁面115および第二壁面116は、下方へ向かうに従って第二方向Wにおける互いの間隔が広がるように湾曲している。
湾曲面117は、第一及び第二の壁面115,116の上端を繋いでいる。湾曲面117は、第三方向Hにおいて第一金型112と対向している面であって、第一金型112から遠ざかる方向に向けて湾曲している。各凹状部113A1,113B1は、第一壁面115、第二壁面116、および湾曲面117を第一バレル片部15および第二バレル片部16に接触させつつ、第一バレル片部15および第二バレル片部16を電線50の端部に巻き付けながら加締めていく。各凹状部113A1,113B1は、このような加締め動作を行えるように形成されている。
図8に示すように、湾曲面117は、芯線側湾曲面117A、被覆側湾曲面117B、および中間湾曲面117Cを有する。芯線側湾曲面117Aは、湾曲面117において最も第一方向Lの前側に位置している。被覆側湾曲面117Bは、湾曲面117において最も第一方向Lの後側に位置している。中間湾曲面117Cは、芯線側湾曲面117Aと被覆側湾曲面117Bとを繋いでいる。
芯線側湾曲面117Aは、第一クリンパ113Aに対応する部分であり、第一バレル片部15および第二バレル片部16を電線50の芯線51に対して巻き付ける。被覆側湾曲面117Bは、第二クリンパ113Bに対応する部分であり、第一バレル片部15および第二バレル片部16を電線50の被覆52に対して巻き付ける。中間湾曲面117Cは、第一バレル片部15および第二バレル片部16を電線50における芯線51と被覆52との境界部分に対して巻き付ける。
図8に示すように、被覆側湾曲面117Bの裾部における幅Wd2は、芯線側湾曲面117Aの裾部における幅Wd1よりも広い。中間湾曲面117Cの裾部における幅Wd3は、前側から後側へ向かうに従って広くなる。なお、湾曲面117における裾部とは、湾曲面117における第一壁面115および第二壁面116との境界部である。
本実施形態の湾曲面117では、芯線側湾曲面117Aにおいて、第一裾部117Dが第二裾部117Eよりも第一方向Lに沿って被覆側湾曲面117Bに向けて延出している。第一裾部117Dは、芯線側湾曲面117Aにおける第一壁面115側の裾部である。つまり、第一裾部117Dは、芯線側湾曲面117Aにおける第一バレル片部15を案内する側の裾部である。第二裾部117Eは、芯線側湾曲面117Aにおける第二壁面116側の裾部である。つまり、第二裾部117Eは、芯線側湾曲面117Aにおける第二バレル片部16を案内する側の裾部である。このように、第一裾部117Dは、第二裾部117Eよりも後側まで延在している。
以下に説明するように、本実施形態の第二金型113では、第一裾部117Dを第二裾部117Eよりも後側に向けて延出させることで、湾曲面117に段差が形成されている。この段差により、バレル片部15,16の巻き込みが向上する。
図8に示すように、第一壁面115側の裾部における中間湾曲面117Cの位置(範囲)R1は、第二壁面116側の裾部における中間湾曲面117Cの位置(範囲)R2に対して後側にずらされている。そして、位置R1と位置R2とのずれに応じて第一の湾曲面117A1と第二の湾曲面117A2との間に段差が形成されている。
図11から図13に示すように、第一の湾曲面117A1は、第一壁面115と連続した湾曲面である。第一壁面115において、第一の湾曲面117A1と繋がる上端部115Uは、実質的に平面である。第一の湾曲面117A1は、上側へ向かうに従って第二壁面116側に向かうように湾曲している。第一の湾曲面117A1は、第一バレル片部15を案内して湾曲させる。
図11から図13に示すように、第二の湾曲面117A2は、第二壁面116と連続した湾曲面である。第二壁面116において、第二の湾曲面117A2と繋がる上端部116Uは、実質的に平面である。第二の湾曲面117A2は、上側へ向かうに従って第一壁面115側に向かうように湾曲している。第二の湾曲面117A2は、第二バレル片部16を案内して湾曲させる。第二の湾曲面117A2は、中心線C1よりも第一壁面115側まで延在している。中心線C1は、凹状部113A1,113B1における第二方向Wの中心線である。中心線C1は、第一壁面115の上端部115Uと第二壁面116の上端部116Uとの中間位置を通る第三方向Hの仮想線である。
図12に示すように、第二の湾曲面117A2は、調節部117A6を有する。調節部117A6は、第二バレル片部16の巻き込みタイミングを調節する部分である。調節部117A6の湾曲度合いは、第二の湾曲面117A2における隣接する部分の湾曲度合いよりも小さい。本実施形態の調節部117A6は、実質的に平面となっている。調節部117A6は、中心線C1の近傍に形成されている。調節部117A6は、中心線C1を中心として第二方向Wの所定の範囲に設けられている。
第一の湾曲面117A1は、第二の湾曲面117A2に対して隆起している。第一の湾曲面117A1は、第二の湾曲面117A2よりも第二壁面116側に向けて隆起している。図12に示すように、第一の湾曲面117A1は、仮想線117A4に対して第二壁面116側に向けて隆起している。仮想線117A4は、中心線C1に関して第二の湾曲面117A2を反転させた場合の壁面位置を示す。つまり、第一の湾曲面117A1は、第二の湾曲面117A2の下端部117A5よりも中心線C1までの距離が短い。第三方向Hの同じ位置において、第一の湾曲面117A1から中心線C1までの第二方向Wの距離Wd4は、第二の湾曲面117A2から中心線C1までの第二方向Wの距離Wd5よりも短い。また、凹状部113A1の奥部へ向かうに従って、距離Wd5に対する距離Wd4の比率が小さくなる。
本実施形態の第二金型113では、第一の湾曲面117A1の形状は、仮想線117A4の形状と対応している。すなわち、第一の湾曲面117A1は、仮想線117A4を下方に移動させた形状となっている。
第一の湾曲面117A1と第二の湾曲面117A2とは傾斜面117A3を介して繋がっている。傾斜面117A3は、第一の湾曲面117A1および第二の湾曲面117A2とそれぞれ滑らかに連続するように湾曲している。傾斜面117A3において、第一の湾曲面117A1との接続部の形状は、第二壁面116側に向かう凸状の湾曲形状である。また、傾斜面117A3において、第二の湾曲面117A2との接続部の形状は、第二壁面116から遠ざかる側に向かう凹状の湾曲形状である。
図11に示すように、第一クリンパ113Aにおける第一方向Lの前側の領域では、第一の湾曲面117A1と第二の湾曲面117A2とに段差は設けられていない。第一方向Lにおける前側の領域では、芯線側湾曲面117Aの形状が中心線C1に関して対称となっている。
また、図13に示すように、第二クリンパ113Bにおいては、第一の湾曲面117B1と第二の湾曲面117B2とに段差は設けられていない。第二クリンパ113Bでは、被覆側湾曲面117Bの形状が中心線C1に関して対称となっている。
(圧着工程)
圧着工程において、図14に示すように、電線接続部12および電線50は、第一金型112の上に載置される。本実施形態では、圧着前の電線接続部12において、第一バレル片部15に屈曲部15bが設けられている。第一バレル片部15は、屈曲部15bにおいて第二バレル片部16側に向けて折れ曲がっている。屈曲部15bにおける折れ角は、圧着工程における第一バレル片部15の巻き込みがスムーズに進行するように定められている。
端子圧着装置100は、矢印Y1で示すように第二金型113を第一金型112へ向けて降下させる。第一壁面115は、第一バレル片部15に接触し、第二壁面116は、第二バレル片部16に接触する。第二金型113は、二つの壁面115,116によって電線接続部12を第二方向Wの両側から支持する。第一壁面115は、例えば、第一バレル片部15の屈曲部15bに接触し、屈曲部15bを第二バレル片部16側に向けて押圧する。第二壁面116は、例えば、第二バレル片部16の先端16aに接触し、先端16aを第一バレル片部15側に向けて押圧する。
第二金型113が更に降下すると、図15に示すように、第二バレル片部16の先端16aが第二壁面116の上端部116Uに接触する。上端部116Uは、第二の湾曲面117A2に向けて第二バレル片部16を案内する。また、第一バレル片部15の屈曲部15bは、第一壁面115の上端部115Uに接触する。上端部115Uは、第一バレル片部15を第一の湾曲面117A1に向けて案内する。
第二金型113が更に降下すると、図16に示すように、第二バレル片部16の先端16aが第二の湾曲面117A2に接触する。第二の湾曲面117A2は、第二バレル片部16を案内して湾曲させる。より詳しくは、第二の湾曲面117A2は、先端16aを第一バレル片部15側に向けるように第二バレル片部16を湾曲させる。第二バレル片部16は、第二の湾曲面117A2によって案内されながら、第一バレル片部15側とは反対側に向かう凸状の湾曲形状に変形する。第二バレル片部16は、第二の湾曲面117A2によって案内されることで、徐々に第一壁面115側に向けて倒れ込んでゆく。
図16には、第一バレル片部15が第一の湾曲面117A1に接触する前の状態が示されている。第一バレル片部15は、上端部115Uによって案内されており、第二壁面116側へ向けての倒れ込みを開始していない。このように、本実施形態に係る圧着工程では、第二バレル片部16の倒れ込みが第一バレル片部15の倒れ込みよりも先に開始する。
第二金型113が更に降下すると、図17に示すように、第二バレル片部16の先端16aが調節部117A6に接触する。調節部117A6は、先端16aを第二方向Wに沿ってスライドさせる。先端16aが調節部117A6に接触している間は、第二バレル片部16において湾曲の進行が停止し、または湾曲の進行が遅くなる。図17には、第一バレル片部15の屈曲部15bが第一の湾曲面117A1の下端に到達した状態が示されている。
第二金型113が更に降下すると、図18に示すように、第一バレル片部15が第二壁面116側への倒れ込みを開始する。第一の湾曲面117A1は、第一バレル片部15を案内し、第一バレル片部15を第二壁面116側へ向けて倒れ込ませる。本実施形態の第一の湾曲面117A1は、第二の湾曲面117A2に対して隆起している。従って、第一の湾曲面117A1は、第一バレル片部15を第二バレル片部16の下側に入り込ませることができる。言い換えると、第一の湾曲面117A1は、第一バレル片部15を第二バレル片部16よりも芯線51側、すなわち内側に入り込ませる。従って、本実施形態の圧着工程では、第一バレル片部15と第二バレル片部16との衝突が抑制される。
比較例として、第一の湾曲面117A1が第二の湾曲面117A2に対して隆起していない第二金型113によって圧着工程を行う場合を想定する。この場合、第一バレル片部15の先端15aと第二バレル片部16の先端16aとが衝突してしまいやすくなる。この衝突により、バレル片部15,16の座屈や、メッキ剥がれを生じてしまうことがある。これに対して、本実施形態の端子付き電線の製造方法によれば、第一バレル片部15と第二バレル片部16との衝突によるバレル片部15,16の座屈やメッキ剥がれが抑制される。
また、第一バレル片部15と第二バレル片部16との衝突が生じにくいため、バレル片部15,16の巻き込みが向上する。第一バレル片部15が第二バレル片部16よりも芯線51側にスムーズに入り込むため、芯線51に対する第一バレル片部15の巻き付けが良好に行われる。また、第一バレル片部15の外側への第二バレル片部16の巻き付けが良好に行われる。その結果、電線接続部12と芯線51との間の電気的性能の向上や、保持力の向上が可能となる。
圧着工程において、電線50に対する芯線圧着部12Aの巻き付けは、連結圧着部12Cおよび被覆圧着部12Bの巻き付けよりも先行する。言い換えると、第一バレル片部15と第二バレル片部16とが重なり合い始めるタイミングは、芯線圧着部12Aにおいて最も早い。本実施形態の端子付き電線の製造方法では、芯線圧着部12Aにおけるバレル片部15,16の衝突が効果的に抑制される。従って、電線50に対するバレル片部15,16の巻き付けがスムーズに開始される。その結果、電線50に対する他の圧着部12C,12Bの巻き付けもスムーズに進行する。よって、本実施形態に係る端子付き電線の製造方法は、電線50に対するバレル片部15,16の巻き付け性を向上させることができる。
図19は、本実施形態に係る端子付き電線の製造方法によって製造された端子付き電線の平面図、図20は、本実施形態に係る端子付き電線の製造方法によって製造された端子付き電線の斜視図、図21は、本実施形態に係る端子付き電線の製造方法によって製造された端子付き電線の断面図である。
端子付き電線2は、電線50および圧着端子1を有する。圧着端子1は、第一バレル片部15および第二バレル片部16を有する電線接続部12を含む。第一バレル片部15は、電線50の芯線51および被覆52に対して巻き付けられて芯線51および被覆52を一体に覆う第一の導体加締片である。第二バレル片部16は、第一バレル片部15の外側に巻き付けられた第二の導体加締片である。
電線接続部12は、芯線51に対して圧着された芯線圧着部12Aと、被覆52に対して圧着された被覆圧着部12Bと、芯線圧着部12Aと被覆圧着部12Bとを繋ぐ連結圧着部12Cと、を有する。電線接続部12には、第二金型113の形状が転写されている。第二方向Wにおける芯線圧着部12Aの幅は、被覆圧着部12Bの幅よりも小さい。芯線圧着部12Aの幅は、第二金型113の芯線側湾曲面117Aの裾部における幅Wd1(図8参照)と対応している。被覆圧着部12Bの幅は、第二金型113の被覆側湾曲面117Bの裾部における幅Wd2(図8参照)と対応している。図19から分かるように、連結圧着部12Cの幅は、第一方向Lに沿って芯線圧着部12A側から被覆圧着部12B側へ向かうに従って大きくなる。連結圧着部12Cの幅は、第二金型113の中間湾曲面117Cの裾部における幅Wd3(図8参照)に対応している。
図19から図21に示すように、第一バレル片部15の芯線圧着部12Aにおいて、外部空間に露出した外側面15cは、電線50の軸方向に沿って延在する凹部12dを有する。凹部12dは、芯線圧着部12Aの後部から連結圧着部12Cにわたって延在している。凹部12dは、第二金型113における第一の湾曲面117A1と第二の湾曲面117A2との間の段差に応じて形成されたものである。第一の湾曲面117A1が第二の湾曲面117A2に対して隆起していることに対応して、周囲の部分に対して凹んだ凹部12dが形成される。
図19に示すように、第一バレル片部15における芯線圧着部12Aと連結圧着部12Cとの境界は、第二バレル片部16における芯線圧着部12Aと連結圧着部12Cとの境界よりも後側に位置している。言い換えると、芯線圧着部12Aにおいて、第一バレル片部15側の裾部12eが第二バレル片部16側の裾部12fよりも電線50の軸方向に沿って被覆圧着部12B側に向けて延出している。これに対応して、第一バレル片部15の連結圧着部12Cは、第二バレル片部16の連結圧着部12Cと比較して、全体的に後側に位置している。連結圧着部12Cの形状は、第二金型113の中間湾曲面117Cの形状に対応している。
凹部12dを生じさせる第二金型113では、第一バレル片部15を案内する第一の湾曲面117A1が、第二バレル片部16を案内する第二の湾曲面117A2よりも隆起している。凹部12dを形成する形状を有する第二金型113によって製造された端子付き電線2は、圧着時において巻き込みがスムーズになされており、安定した電気性能等を有する。
以上説明したように、本実施形態の端子付き電線の製造方法は、圧着工程を含む。圧着工程は、芯線51の先端部が被覆52から露出している電線50に対して、芯線51および被覆52を一体に覆うように圧着端子1の電線接続部12が有するバレル片部15,16を電線50に対して巻き付けて圧着させる工程である。
圧着工程において、第一金型112が電線接続部12および電線50を支持し、第一金型112に対して相対移動する第二金型113が第一バレル片部15を芯線51および被覆52に対して巻き付け、かつ第二バレル片部16を第一バレル片部15の外側に巻き付ける。第二金型113は、第一金型112と対向する面であって、第一バレル片部15および第二バレル片部16を案内する凹状の湾曲面117を有する。湾曲面117は、芯線51に対応する芯線側湾曲面117A、被覆52に対応する被覆側湾曲面117B、および芯線側湾曲面117Aと被覆側湾曲面117Bとを繋ぐ中間湾曲面117Cを有する。
芯線側湾曲面117Aにおいて、第一バレル片部15を案内する側の裾部(第一裾部117D)が第二バレル片部16を案内する側の裾部(第二裾部117E)よりも電線50の軸方向に沿って被覆側湾曲面117Bに向けて延出している。裾部117Dが裾部117Eよりも後側に向けて延出していることにより、第一の湾曲面117A1が第二の湾曲面117A2に対して隆起している。
第一の湾曲面117A1が第二の湾曲面117A2に対して隆起している第二金型113によって圧着工程が実行されることで、第一バレル片部15と第二バレル片部16との衝突が抑制される。よって、本実施形態に係る端子付き電線の製造方法は、電線50に対するバレル片部15,16の巻き付け性を向上させることができる。
また、本実施形態では、芯線側湾曲面117Aにおける中間湾曲面117C側の端部において第一の湾曲面117A1が第二の湾曲面117A2に対して隆起している。従って、圧着端子1における芯線圧着部12Aと連結圧着部12Cとの境界部分におけるバレル片部15,16の衝突が効果的に抑制される。
本実施形態では、中間湾曲面117Cにおいても第一の湾曲面117A1が第二の湾曲面117A2に対して隆起している。よって、バレル片部15,16の衝突がより確実に抑制される。
本実施形態に係る端子付き電線2は、電線50と、圧着端子1とを有する。圧着端子1は、芯線51および被覆52に対して巻き付けられて芯線51および被覆52を一体に覆う第一バレル片部15と、第一バレル片部15の外側に巻き付けられた第二バレル片部16とを有する電線接続部12を含む。電線接続部12は、芯線51に対して圧着された芯線圧着部12Aと、被覆52に対して圧着された被覆圧着部12Bと、芯線圧着部12Aと被覆圧着部12Bとを繋ぐ連結圧着部12Cと、を有する。
第一バレル片部15の芯線圧着部12Aにおいて、外部空間に露出した外側面15cは、電線50の軸方向に沿って延在する凹部12dを有する。芯線圧着部12Aにおいて、第一バレル片部15側の裾部12eが、第二バレル片部16側の裾部12fよりも電線50の軸方向に沿って被覆圧着部12B側に向けて延出している。このような形状の電線接続部12は、本実施形態の端子付き電線の製造方法によって製造されたものであり、電線50に対するバレル片部15,16の巻き付けが向上している。
本実施形態に係る端子圧着装置100は、第一金型112と、第二金型113と、を有する。第一金型112は、圧着端子1の電線接続部12を支持する金型である。第二金型113は、電線接続部12および電線50を第一金型112との間に挟み込んで、電線50の芯線51および被覆52を一体に覆うように電線接続部12が有する第一バレル片部15および第二バレル片部16を電線50に巻き付けて圧着させる金型である。
第二金型113は、第一金型112と対向する面であって、第一バレル片部15および第二バレル片部16を案内する凹状の湾曲面117を有する。湾曲面117は、芯線51に対応する芯線側湾曲面117A、被覆52に対応する被覆側湾曲面117B、および芯線側湾曲面117Aと被覆側湾曲面117Bとを繋ぐ中間湾曲面117Cを有する。
芯線側湾曲面117Aにおいて、第一バレル片部15を案内する側の裾部117Dが第二バレル片部16を案内する側の裾部117Eよりも電線50の軸方向に沿って被覆側湾曲面117Bに向けて延出している。裾部117Dが裾部117Eよりも後側に向けて延出していることにより、第一の湾曲面117A1が第二の湾曲面117A2に対して隆起している。本実施形態に係る端子圧着装置100は、電線50に対するバレル片部15,16の巻き付け性を向上させることができる。
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。上記実施形態では、第二金型113において中間湾曲面117Cの位置を第一壁面115側と第二壁面116側とでずらすことにより、第一の湾曲面117A1と第二の湾曲面117A2との段差が形成されていた。上記実施形態において、段差は、芯線側湾曲面117Aにおける後側の部分に設けられていた。これに加えて、本変形例では、芯線側湾曲面117Aの前端まで延在する隆起部が設けられている。図22は、実施形態の第1変形例に係る第二金型の正面図、図23は、実施形態の第1変形例に係る圧着工程を示す正面図、図24は、実施形態の第1変形例に係る圧着工程を示す他の正面図、図25は、実施形態の第1変形例に係る圧着工程を示す更に他の正面図、図26は、実施形態の第1変形例に係る圧着工程を示す更に他の正面図である。
図22に示すように、第二金型113の芯線側湾曲面117Aは、隆起部117Fを有する。隆起部117Fは、第一方向Lに沿って延在している。隆起部117Fは、上記実施形態における第一の湾曲面117A1と第二の湾曲面117A2との段差と連続しており、芯線側湾曲面117Aの前端まで延在している。
隆起部117Fは、芯線側湾曲面117Aにおける第二方向Wの中心よりも第一壁面115側に配置されている。隆起部117Fは、芯線側湾曲面117Aにおける第一壁面115側の端部に配置されている。隆起部117Fは、第一の湾曲面117A1および傾斜面117A3を有する。第一の湾曲面117A1は、隆起部117Fにおける第一壁面115側の部分の面である。第一の湾曲面117A1は、第一バレル片部15を案内して湾曲させる。傾斜面117A3は、隆起部117Fにおける第二壁面116側の面である。
芯線側湾曲面117Aにおいて、隆起部117Fよりも第二壁面116側の面は第二の湾曲面117A2である。第二の湾曲面117A2は、第二バレル片部16を案内して湾曲させる。傾斜面117A3は、第二の湾曲面117A2と連続している。
本変形例の第二金型113は、上記実施形態の第二金型113と同様に、第一バレル片部15および第二バレル片部16の巻き付けを向上させることができる。図23から図26を参照して、第1変形例に係る第二金型113を用いた圧着工程について説明する。
圧着工程において、図23に示すように、電線接続部12および電線50は、第一金型112の上に載置される。端子圧着装置100は、第二金型113を第一金型112へ向けて降下させる。第一壁面115は、第一バレル片部15と摺動しながら第一バレル片部15を第一の湾曲面117A1へと導く。第二壁面116は、第二バレル片部16と摺動しながら第二バレル片部16を第二の湾曲面117A2へと導く。図23には、第二バレル片部16が第二の湾曲面117A2に沿って湾曲した状態が示されている。第一バレル片部15は、第一壁面115と摺動している。
第二金型113が更に降下すると、図24に示すように、第一バレル片部15が第一の湾曲面117A1と接触して第一の湾曲面117A1に沿って湾曲し始める。第二バレル片部16は、第二の湾曲面117A2に沿って湾曲しながら、第一壁面115側へ向けて倒れ込んでゆく。
第二金型113が更に降下すると、図25に示すように、第一バレル片部15の先端15aが第二バレル片部16よりも芯線51側に入り込む。隆起部117Fの形状は、第一バレル片部15の先端15aと第二バレル片部16の先端16aとの衝突を抑制できるように定められている。
第二金型113が更に降下すると、図26に示すように、第一バレル片部15および第二バレル片部16の巻き付けが完了する。第一バレル片部15は、芯線51に対して巻き付けられ、芯線51に対して圧着される。第二バレル片部16は、第一バレル片部15の外側に巻き付けられて第一バレル片部15に対して圧着される。
本変形例の傾斜面117A3は、第二バレル片部16の先端16aと接触しない位置に設けられている。傾斜面117A3は、圧着完了時の第二バレル片部16の先端16aの位置よりも第一壁面115側に形成されている。従って、本変形例の第二金型113は、第二バレル片部16の巻き付けを更に向上させることができる。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。