JP6898022B2 - 計測装置、音波受信装置、プログラム、及び、計測方法 - Google Patents

計測装置、音波受信装置、プログラム、及び、計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、温度計測装置、計測装置、音波受信装置、及び、プログラムに関する。
空気中を伝搬する音波の速度が温度に応じて変化する原理を用いて、音波の伝搬時間から空間の温度を計測することが可能である。
例えば、特許文献1は、超音波を送受信可能な複数のセンサユニットを空間に配置することにより、超音波の伝搬時間から空間の温度を計測する技術を開示している。
特開2014−095600号公報
特許文献1では、超音波に指向性がないため、センサユニットは、所望の超音波成分だけでなく、空間に存在する反射部材(例えば、壁)で反射した超音波の成分を受信してしまう。そのため、超音波を誤検出する可能性がある。
つまり、従来、空間の温度を計測する場合のS/N比が低い。その結果、空間の温度の計測結果の精度が低下する。
本発明の目的は、空間の空気特性(例えば、温度)の計測結果のS/N比を向上させることである。
本発明の一態様は、
対象空間に配置された音波送信装置、及び、前記対象空間に配置された音波受信装置と接続可能な温度計測装置であって、
音波を送信させるように、前記音波送信装置を制御する手段を備え、
前記音波を受信する音波受信装置から、前記音波の波形に関する受信波形データを取得する手段を備え、
前記受信波形データに基づいて、前記対象空間の温度分布を計算する手段を備える、
温度計測装置である。
本発明によれば、空間の空気特性の計測結果のS/N比を向上させることができる。
第1実施形態の計測システムの構成を示すブロック図である。 第1実施形態の計測システムの詳細な構成を示すブロック図である。 第1実施形態の音波送信装置の構成を示す概略図である。 第1実施形態の音波受信装置の構成を示す概略図である。 第1実施形態の概要の説明図である。 第1実施形態の空間データテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態のセンサデータテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態の経路データテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態のメッシュデータテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態のフィルタの説明図である。 第1実施形態のセンサ配置の一例を示す図である。 第1実施形態の温度計測の処理のフローチャートである。 図12の経路温度の計算の詳細なフローチャートである。 図12の処理において表示される画面例を示す図である。 第2実施形態の音波送信装置の構成を示す概略図である。 第2実施形態の経路データテーブルのデータ構造を示す図である。 第2実施形態の送信角の説明図である。 第2実施形態のセンサ配置の一例を示す図である。 第2実施形態の経路温度の計算の詳細なフローチャートである。 変形例1の音波送信装置及び音波受信装置の構成を示す概略図である。 変形例4の音波送信装置及び音波受信装置の構成を示す概略図である。 変化例4の原理の説明図である。 変形例5の概要の説明図である。 変形例5の温度計測の処理のフローチャートである。 変形例6の音波送信装置及び音波受信装置の概略図である。 変形例8のセンサ配置の一例を示す図である。 変形例9の音波送信装置の構成を示す図である。 変形例9の音波受信装置の構成を示す図である。 変形例9の第1例の概要を示す図である。 変形例9のセンサユニットの構成を示す図である。 変形例9の第2例の概要を示す図である。 変形例10のフィルタの説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(1)第1実施形態
第1実施形態を説明する。
(1−1)計測システムの構成
第1実施形態の計測システムの構成について説明する。図1は、第1実施形態の計測システムの構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態の計測システムの詳細な構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、計測システム1は、温度計測装置10と、音波送信装置20と、音波受信装置30と、空調装置40と、温度計50と、を備える。
温度計測装置10は、音波送信装置20、音波受信装置30、空調装置40、及び、温度計50に接続されている。
温度計測装置10、音波送信装置20、音波受信装置30、空調装置40、及び、温度計50は対象空間SPに配置されている。
温度計測装置10は、以下の機能を備える。
・音波送信装置20を制御する機能
・音波受信装置30から受信波形データを取得する機能
・対象空間SPの温度分布を計測する機能
・空調装置40を制御する機能
・温度計50から対象空間SPの温度の測定結果に関する基準温度情報を取得する機能
温度計測装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
音波送信装置20は、温度計測装置10の制御に従い、指向性を有する超音波ビーム(「音波」の一例)を送信するように構成される。また、音波送信装置20は、超音波の送信方向を変更するように構成される。
音波受信装置30は、音波送信装置20から送信された超音波ビームを受信し、且つ、受信した超音波ビームに応じた受信波形データを生成するように構成される。音波受信装置30は、例えば、無指向性マイクロフォン又は指向性マイクロフォンである。
空調装置40は、温度計測装置10の制御に従い、対象空間SPの温度を調整するように構成される。
温度計50は、対象空間SPの温度(以下「基準温度」という)を測定するように構成される。
(1−1−1)温度計測装置の構成
第1実施形態の温度計測装置10の構成について説明する。
図2に示すように、温度計測装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、を備える。
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理(例えば、対象空間SPの温度分布を計測するための情報処理)を実行するアプリケーションのプログラム
・空間の温度に対する音波の速度に関する音波速度特性に関するデータ
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、温度計測装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
入出力インタフェース13は、温度計測装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、温度計測装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。また、入力デバイスは、温度計50を含む。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。また、出力デバイスは、空調装置40を含む。
通信インタフェース14は、外部装置(例えば、サーバ)との間の通信を制御するように構成される。
(1−1−2)音波送信装置の構成
第1実施形態の音波送信装置20の構成を説明する。図3は、第1実施形態の音波送信装置の構成を示す概略図である。
図3Aに示すように、音波送信装置20は、複数の超音波振動子(「振動素子」の一例)21と、制御回路22と、を備える。
図3Bに示すように、制御回路22は、温度計測装置10の制御に従って、複数の超音波振動子21を振動させる。複数の超音波振動子21が振動すると、送信面(XY平面)に対して直交する送信方向(Z軸方向)に向かって、超音波ビームが送信される。
(1−1−3)音波受信装置の構成
第1実施形態の音波受信装置30の構成を説明する。図4は、第1実施形態の音波受信装置の構成を示す概略図である。
図4に示すように、音波受信装置30は、超音波振動子31と、制御回路32と、を備える。
超音波振動子31は、音波送信装置20から送信された超音波ビームを受信すると振動する。
制御回路32は、超音波振動子31の振動に応じた受信波形データを生成するように構成される。
(1−2)実施形態の概要
第1実施形態の概要について説明する。図5は、第1実施形態の概要の説明図である。
図5に示すように、温度計測の対象となる空間(以下「対象空間」という)SPには、温度計測装置10(不図示)と、音波送信装置20a〜20bと、音波受信装置30a〜30bと、が配置されている。温度計測装置10は、音波送信装置20及び音波受信装置30と接続可能である。
温度計測装置10は、音波を送信させるように、音波送信装置20a〜20bを制御する。
温度計測装置10は、音波受信装置30a〜30bから、受信された音波の波形に関する受信波形データを取得する。
温度計測装置10は、受信波形データに基づいて、対象空間SPの温度分布を計算する。
本実施形態によれば、音波の伝搬時間から対象空間SPの温度分布を計算する。これにより、空間の温度の計測結果のS/N比を向上させることができる。
(1−3)データテーブル
第1実施形態のデータテーブルについて説明する。
(1−3−1)空間データテーブル
第1実施形態の空間データテーブルについて説明する。図6は、第1実施形態の空間データテーブルのデータ構造を示す図である。
図6の空間データテーブルには、音波送信装置20及び音波受信装置30が配置された空間(以下「対象空間」という)に関する空間情報が格納される。
空間データテーブルは、「座標」フィールドと、「反射特性」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
「座標」フィールドには、対象空間に存在する反射部材の座標(以下「反射部材座標」という)が格納される。反射部材座標は、対象空間の任意の基準点を原点とする座標系(以下「空間座標系」という)で表される。
「反射特性」フィールドには、反射部材の反射特性に関する反射特性情報が格納される。「反射特性」フィールドは、「反射種別」フィールドと、「反射率」フィールドと、「法線角」フィールドと、を含む。
「反射種別」フィールドには、反射種別に関する情報が格納される。反射種別は、以下の何れかである。
・拡散反射
・鏡面反射
「反射率」フィールドには、反射部材の反射率の値が格納される。
「法線角」フィールドには、反射部材の反射面の法線角度の値が格納される。
(1−3−2)センサデータテーブル
第1実施形態のセンサデータテーブルについて説明する。図7は、第1実施形態のセンサデータテーブルのデータ構造を示す図である。
図7に示すように、センサデータテーブルには、音波送信装置20及び音波受信装置30に関する情報(以下「センサ情報」という)が格納される。
センサデータテーブルは、「センサID」フィールドと、「座標」フィールドと、「センサタイプ」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
「センサID」フィールドには、音波送信装置20又は音波受信装置30を識別するセンサ識別情報が格納される。
「座標」フィールドには、音波送信装置20又は音波受信装置30の位置を示す座標(以下「センサ座標」という)が格納される。センサ座標は、空間座標系で表される。
「センサタイプ」フィールドには、音波送信装置20であることを示すタグ「送信」、又は、音波受信装置30であることを示すタグ「受信」が格納される。
(1―3−3)経路データテーブル
第1実施形態の経路データテーブルについて説明する。図8は、第1実施形態の経路データテーブルのデータ構造を示す図である。
図8に示すように、経路データテーブルには、経路に関する経路情報が格納される。
経路データテーブルは、「経路ID」フィールドと、「送信センサ」フィールドと、「受信センサ」フィールドと、を含む。
「経路ID」フィールドには、経路を識別する経路識別情報が格納される。
「送信センサ」フィールドには、経路を構成する音波送信装置20のセンサ識別情報が格納される。
「受信センサ」フィールドには、経路を構成する音波受信装置30のセンサ識別情報が格納される。
(1−3−4)メッシュデータテーブル
第1実施形態のメッシュデータテーブルについて説明する。図9は、第1実施形態のメッシュデータテーブルのデータ構造を示す図である。図10は、第1実施形態のフィルタの説明図である。
図9に示すように、メッシュデータテーブルには、仮想メッシュに関するメッシュ情報が格納される。
メッシュデータテーブルは、「メッシュID」フィールドと、「座標」フィールドと、「経路ID」フィールドと、「フィルタ」フィールドと、を含む。
「メッシュID」フィールドには、仮想メッシュを識別するメッシュ識別情報が格納される。
「座標」フィールドには、仮想メッシュの位置を示すメッシュ座標が格納される。メッシュ座標は、空間座標系で表される。
「経路ID」フィールドには、経路の経路識別情報が格納される。
図10に示すように、対象空間SPは、複数の仮想メッシュMi(iは引数)に分割される。各仮想メッシュMiは、3次元形状を有する。
例えば、仮想メッシュM1は、複数の経路P101及びP200を含む。経路P101は、音波送信装置20aから音波受信装置30aに至る経路である。経路P200は、音波送信装置20bから音波受信装置30bに至る経路である。
「フィルタ」フィールドには、音波受信装置30によって受信された受信波形データによって再現される超音波ビームの波形から特定波形を抽出するためのフィルタに関するフィルタ情報が格納される。フィルタ情報は、「経路ID」フィールドに格納された経路識別情報に関連付けられる。「フィルタ」フィールドは、「時間フィルタ」フィールドと、「振幅フィルタ」フィールドと、を含む。
「時間フィルタ」フィールドには、時間軸に沿って特定波形を抽出するための時間フィルタに関する情報が格納される。時間フィルタは、例えば、以下の少なくとも1つである(図10)。
・下限時間閾値THtb
・上限時間閾値THtt
・下限時間閾値THtbと上限時間閾値THttとによって規定される時間ウインドウWt
「振幅フィルタ」フィールドには、振幅軸に沿って特定波形を抽出するための振幅フィルタに関する情報が格納される。振幅フィルタは、例えば、以下の少なくとも1つである(図10)。
・下限振幅閾値THab
・上限振幅閾値THat
・下限振幅閾値THabと上限振幅閾値THatとによって規定される振幅ウインドウWa
(1−4)温度計測の処理
第1実施形態の温度計測の処理について説明する。図11は、第1実施形態のセンサ配置の一例を示す図である。図12は、第1実施形態の温度計測の処理のフローチャートである。図13は、図12の経路温度の計算の詳細なフローチャートである。図14は、図12の処理において表示される画面例を示す図である。
図11に示すように、対象空間SPには、複数の音波送信装置20a〜20eと、複数の音波受信装置30a〜30eと、が配置される。
複数の音波送信装置20a〜20eは、それぞれ、複数の音波受信装置30a〜30eに対向している。例えば、音波送信装置20aは、音波受信装置30aに対向している。これは、音波送信装置20a及び音波受信装置30aが、センサペアを形成することを意味している。
図11は、5つのセンサペアが形成される例を示している。
複数の経路を含む仮想メッシュのメッシュ温度の計測が可能である。
図11は、仮想メッシュM1〜M4のメッシュ温度の計測が可能である例を示している。
図12に示すように、温度計測装置10は、対象メッシュの決定(S110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、図5に示すように、対象空間SPを構成する複数の仮想メッシュの中から対象メッシュMt(t=1〜4)のメッシュ識別情報を決定する。
ステップS110の後、温度計測装置10は、所定の経路温度計算モデルに従って、経路温度の計算(S111)を実行する。
図13を参照して、ステップS111の詳細を説明する。
温度計測装置10は、対象経路の決定(S1110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、メッシュデータテーブル(図9)を参照して、ステップS110で決定したメッシュ識別情報に関連付けられた「経路ID」フィールドの情報(つまり、対象メッシュMtを通る経路(以下「対象経路」という)Pi(iは、経路の引数)の経路識別情報)を特定する。
ステップS1110の後、温度計測装置10は、超音波ビームの出力(S1111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、経路データテーブル(図8)を参照して、ステップS1110で特定した経路識別情報に関連付けられた「送信センサ」フィールドの情報(つまり、制御対象となる音波送信装置(以下、「対象音波送信装置」という)20)と、「受信センサ」フィールドの情報(つまり、制御対象となる音波受信装置(以下「対象音波受信装置」という)30)と、を特定する。
プロセッサ12は、対象音波送信装置20に超音波制御信号を送信する。
対象音波送信装置20は、温度計測装置10から送信された超音波制御信号に応じて超音波ビームを送信する。
具体的には、複数の超音波振動子21は、超音波制御信号に応じて同時に振動する。
これにより、対象音波送信装置20から対象音波受信装置30に向かって、送信方向(Z軸方向)に進行する超音波ビームが送信される。
ステップS1111の後、温度計測装置10は、受信波形データの取得(S1112)を実行する。
具体的には、対象音波受信装置30の超音波振動子31は、ステップS1111で対象音波送信装置20から送信された超音波ビームを受信することにより振動する。
制御回路32は、超音波振動子31の振動に応じた受信波形データ(図10)を生成する。
制御回路32は、生成した受信波形データを温度計測装置10に送信する。
温度計測装置10のプロセッサ12は、音波受信装置30から送信された受信波形データを取得する。
ステップS1112の後、温度計測装置10は、フィルタリング(S1113)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、メッシュデータテーブル(図9)を参照して、ステップS110で決定した対象経路Piの経路識別情報に関連付けられた「フィルタ」フィールドを特定する。
例えば、対象メッシュのメッシュ識別情報が「M001」である場合、以下のフィルタ情報が特定される。
・経路識別情報「P001」:時間閾値THt1以上及び振幅閾値THa1以上
・経路識別情報「P002」:時間閾値THt2以上及び振幅ウインドウWa2内
・経路識別情報「P003」:時間ウインドウWt3内及び振幅閾値THa3以上
・経路識別情報「P004」:時間ウインドウWt4内及び振幅ウインドウWa4内
プロセッサ12は、特定したフィルタ情報に基づいて、受信波形データに含まれる成分のうち、対象経路Piに沿って進行した超音波ビームの成分を抽出する。
ステップS1113の後、温度計測装置10は、経路温度の計算(S1114)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、センサデータテーブル(図7)の「座標」フィールドを参照して、センサペア毎に、センサペアを構成する音波送信装置20の座標及び音波受信装置30の座標を特定する。
プロセッサ12は、特定した音波送信装置20の座標及び音波受信装置30の座標の組合せに基づいて、当該音波送信装置20と当該音波受信装置30との間の距離(以下「センサ間距離」という)Dsを計算する。
プロセッサ12は、ステップS1113で抽出された成分のピーク値に対応する時間(以下「伝搬時間」という)tを特定する。伝搬時間tは、音波送信装置20が超音波ビームを送信してから、対象経路Piに沿って進行した超音波ビームが音波受信装置30に到達するまでの所要時間(つまり、対象経路の始点から終点までを超音波ビームが伝搬する時間)を意味する。
プロセッサ12は、超音波の音速C、センサ間距離Dsと、伝搬時間tと、基準温度T0と、を用いて、対象経路Piの経路温度TEMPpathiを計算する。
全ての対象経路PiについてステップS1114が終了していない場合(S1115−NO)、温度計測装置10は、ステップS1110を実行する。
全ての対象経路PiについてステップS1114が終了すると(S1115−YES)、温度計測装置10は、図12のメッシュ温度の計算(S112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS1114(図11)において計算された全ての対象経路Piの経路温度TEMPpathiを用いて、対象メッシュMtのメッシュ温度TEMPmeshtを計算する(式1)。
TEMPmesht = AVE(TEMPpathi)…(式1)
・AVE(x):xの平均値を求める関数
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了していない場合(S113−NO)、温度計測装置10は、ステップS110を実行する。
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了すると(S113−YES)、温度計測装置10は、計測結果の提示(S114)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P10(図14)をディスプレイに表示する。
画面P10は、表示オブジェクトA10を含む。
表示オブジェクトA10には、画像IMG10が表示される。
画像IMG10は、対象空間SPを構成する複数の仮想メッシュのそれぞれについて、ステップS112で計算されたメッシュ温度TEMPmeshtを示している。
第1実施形態によれば、超音波ビームの伝搬時間から対象空間SPの温度分布を計算する。これにより、空間の温度の計測結果のS/N比を向上させることができる。
(2)第2実施形態
第2実施形態を説明する。第2実施形態は、音波送信装置20の超音波ビームの送信方向が可変である例である。
(2−1)音波送信装置の構成
音波送信装置20の構成を説明する。図15は、第2実施形態の音波送信装置の構成を示す概略図である。
図15に示すように、音波送信装置20は、複数の超音波振動子21と、制御回路22と、アクチュエータ23と、を備える。
図15Aに示すように、複数の超音波振動子21は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子21は、振動子アレイTAを形成する。
アクチュエータ23は、送信軸(Z軸)に対する送信面(XY平面)の向きを変更するように構成される。
アクチュエータ23が送信面を送信軸(Z軸)方向に向けると、超音波ビームUSW0が送信される。
アクチュエータ23が送信面を送信軸(Z軸)に対して傾斜させると、超音波ビームUSW1が送信される。
(2−2)経路データテーブル
第2実施形態の経路データテーブルについて説明する。図16は、第2実施形態の経路データテーブルのデータ構造を示す図である。図17は、第2実施形態の送信角の説明図である。
図16に示すように、経路データテーブルは、図8のフィールド(「経路ID」フィールド、「送信センサ」フィールド、及び、「受信センサ」フィールド)に加えて、「送信角度」フィールドを含む。
「送信角度」フィールドには、音波送信装置20の送信軸(Z軸)に対する超音波ビームの送信角の値が格納される。
図17に示すように、経路P1〜P3は、音波送信装置20、音波受信装置30、及び、送信角度θの組合せによって特定される。
(2−3)情報処理
第2実施形態の情報処理について説明する。図18は、第2実施形態のセンサ配置の一例を示す図である。図19は、第2実施形態の経路温度の計算の詳細なフローチャートである。
図18に示すように、対象空間SPには、複数の音波送信装置20a〜20bと、複数の音波受信装置30a〜30bと、が配置される。
複数の音波送信装置20a〜20bは、何れも、複数の音波受信装置30a〜30bに到達する経路に沿った超音波ビームを送信可能である。例えば、音波送信装置20aは、音波受信装置30aに到達する経路P20aに沿った超音波ビームと、音波受信装置30bに到達する経路P21aに沿った超音波ビームと、を送信可能である。
超音波ビームの経路を含む仮想メッシュのメッシュ温度の計測が可能である。
対象空間SPの反射部材(例えば、壁及び天井の少なくとも1つ)で超音波ビームが反射する経路P20b及びP21bを含むので、より多くの仮想メッシュのメッシュ温度の計測が可能である。
図19に示すように、第2実施形態の温度計測装置10は、ステップS1110の後、送信方向の決定(S2110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、経路データテーブル(図8)を参照して、ステップS1110で特定した経路識別情報に関連付けられた「送信センサ」フィールドの情報(つまり、制御対象となる音波送信装置(以下、「対象音波送信装置」という)20)と、「受信センサ」フィールドの情報(つまり、制御対象となる音波受信装置(以下「対象音波受信装置」という)30)と、「送信角度」フィールドの情報(つまり、対象音波送信装置20の送信角の値)と、を特定する。
プロセッサ12は、対象音波送信装置20に超音波制御信号を送信する。超音波制御信号は、送信角の値を含む。
対象音波送信装置20は、温度計測装置10から送信された超音波制御信号に含まれる送信角度の値が示す方向に超音波ビームを送信する。
具体的には、アクチュエータ23は、超音波制御信号に含まれる送信角の値を参照して、送信軸(Z軸)に対する送信面(XY平面)の向きを変更する。
制御回路22は、複数の超音波振動子21を同時に振動させる。
これにより、超音波制御信号に含まれる送信角の値が示す方向に進行する超音波ビームが送信される。
ステップS2110の後、温度計測装置10は、図12と同様に、ステップS1111〜S1116を実行する。
第2実施形態によれば、音波送信装置20の送信角が可変である。これにより、1つの音波送信装置20から送信される超音波ビームの経路が増える。その結果、対象空間SPの温度分布の計測に必要な音波送信装置20の数を低減することができ、且つ、音波送信装置20及び音波受信装置30の配置の自由度を向上させることができる。
(3)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
(3−1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、音波送信装置20及び音波受信装置30に関する変形例である。図20は、変形例1の音波送信装置及び音波受信装置の構成を示す概略図である。
図20に示すように、変形例1の対象空間SPには、センサユニットSUが配置される。
センサユニットSUは、音波送信装置20と、音波受信装置30と、を備える。
音波送信装置20は、複数の超音波振動子21を備える。
複数の超音波振動子21は、一定方向(X方向)に配列される。
音波受信装置30は、複数の超音波振動子31を備える。
複数の超音波振動子31は、一定方向(Y方向)に配列される。
音波送信装置20の超音波振動子21の配列方向と、音波受信装置30の超音波振動子31の配列方向と、は互いに異なる。好ましくは、超音波振動子21の配列方向(X方向)は、超音波振動子31の配列方向(Y方向)と直交する。
音波送信装置20から送信された超音波ビームの音圧分布は、超音波振動子21の配列方向(X方向)に対する直交方向(Y方向)に広がっている。
この超音波ビームは、対象空間SPの反射部材で反射する。
音波受信装置30は、反射部材で反射した超音波ビームを受信する。超音波振動子31の超音波振動子31の超音波に対する感度分布は、超音波振動子31の配列方向(Y方向)に対する直交方向(X方向)に広がっている。
変形例1によれば、Y方向に広がる音圧分布を有する超音波ビームを、X方向に広がる感度分布を有する超音波振動子31の振動に応じた波形データが得られる。つまり、音波受信装置30は、音圧分布と感度分布が交わる点の成分を最も強く取得する。これにより、空間温度の計測の解像度を増加させることができる。
(3−2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、アクチュエータ23を用いずに、送信方向を変更する例である。
変形例2の制御回路22は、超音波制御信号に含まれる送信角の値に応じて、Z軸に対する送信角を実現するために必要な位相差を計算する。
制御回路22は、超音波ビームが計算した位相差が発生するように、複数の超音波振動子21をそれぞれ異なるタイミングで振動させる。各超音波振動子21の振動のタイミングの差は、各超音波振動子21から送信される超音波の位相差を形成する。
これにより、超音波制御信号に含まれる送信角の値が示す方向に進行する超音波ビームが送信される。
変形例2によれば、アクチュエータ23(つまり、送信方向を変えるための機械的機構)を用いることなく、送信方向を変えることができる。
(3−3)変形例3
変形例3について説明する。変形例3は、対象空間SPの温度に応じて、フィルタを補正する例である。
変形例3のプロセッサ12は、ステップS1113において、温度計50から基準温度を取得する。
プロセッサ12は、基準温度に基づいて、特定したフィルタ情報を補正する。
プロセッサ12は、補正したフィルタ情報に基づいて、受信波形データに含まれる成分のうち、対象経路Piに沿って進行した超音波ビームの成分を抽出する。
変形例3によれば、対象空間SPの温度に基づいてフィルタリングを実行する。これにより、受信波形データから、対象経路Piに沿って進行した超音波ビームの成分をより確実に抽出することができる。その結果、メッシュ温度の計算の精度を向上させることができる。
(3−4)変形例4
変形例4について説明する。変形例4は、対象空間SP内の気流が計測結果に与える影響を軽減する例である。図21は、変形例4の音波送信装置及び音波受信装置の構成を示す概略図である。図22は、変化例4の原理の説明図である。
図21に示すように、変形例4の対象空間SPには、少なくとも2つのセンサユニットSUa及びSUbが配置される(図21A)。
センサユニットSUa及びSUbは、それぞれ、音波送信装置20と、音波受信装置30と、を備える(図21B)。
センサユニットSUaの音波送信装置20aから送信された超音波ビームは、センサユニットSUbの音波受信装置30bによって受信される。
音波受信装置30bは、受信した超音波ビームに応じた受信波形データ(「第2受信波形データ」の一例)を生成する。
センサユニットSUbの音波送信装置20bから送信された超音波ビームは、センサユニットSUaの音波受信装置30aによって受信される。
音波受信装置30aは、受信した超音波ビームに応じた受信波形データ(「第1受信波形データ」の一例)を生成する。
図22に示すように、音波送信装置20aから音波受信装置30bに向かう経路(以下「往路」という)を進行する超音波ビームの実速度の絶対値|Vab|については、式2aの関係が成立する。
|Vab| = Dab/tab = C+Vwab …(式2a)
・Dab:センサユニットSUa及びSUbの間のセンサ間距離
・tab:往路の伝搬時間
・Vwab:センサユニットSUa及びSUbの間の風速成分
音波送信装置20bから音波受信装置30aに向かう経路(以下「復路」という)は、往路の逆方向である。したがって、復路を進行する超音波ビームの実速度の絶対値|Vba|については、式2bの関係が成立する。
|Vba| = Dab/tba = C−Vwab …(式2b)
・tba:復路の伝搬時間
温度計測装置10は、式2cを用いて、センサユニットSUa及びSUbの平均速度|Va:b|を計算する。
|Va:b| = (|Vab|+|Vba|)/2 …(式2c)
式2cにより、往路の風速成分Vabと復路の風速成分Vbaが互いに相殺される。したがって、平均速度|Va:b|は、風速成分Vwabを含まない。
温度計測装置10は、記憶装置11に記憶された音波速度特性に関するデータを参照して、平均速度|Va:b|に対応する温度を計算する。
変形例4によれば、1対のセンサユニットSUa及びSUbの間の風速成分を含まない平均速度に対応する温度を計算する。これにより、空間の温度の計測結果のS/N比をさらに向上させることができる。
変形例4では、2つのセンサユニットSUa及びSUbを使用する例を説明したが、本実施形態はこれに限られない。本実施形態は、例えば、音波がほぼ同一の進行経路を通っており、且つ、それらの音波に含まれる風速成分のベクトル和がキャンセルされる条件を満たす限り、3種類以上の音速又はそれに準ずる信号の平均を用いる場合にも適用可能である。
変形例4では、2つのセンサユニットSUa及びSUbを使用する例を説明したが、本実施形態はこれに限られない。変形例4は、1回以上の反射散乱経路を使用する場合にも適用可能である。
(3−5)変形例5
変形例5について説明する。変形例5は、時系列フィルタを用いた温度計測アルゴリズムの例である。
(3−5−1)変形例5の概要
変形例5の概要について説明する。図23は、変形例5の概要の説明図である。
図23に示すように、変形例5のプロセッサ12は、経路温度計算モデルMpt(t)と、時系列フィルタFILと、を実行するように構成される。
経路温度計算モデルMpt(t)は、時刻tの受信波形データRW(t|x,y,z)に応じて、時刻tの経路温度PD(t|x,y,z)を出力するように構成される。
時系列フィルタFILは、経路温度計算モデルMpt(t)の出力(経路温度PD(t|x,y,z))、温度計50によって計測された時刻tの基準温度Tref(t)、及び、時刻t−1の温度分布D(t−1)の組合せに応じて、時刻tの温度分布Dt(t)を出力するように構成される。
時系列フィルタFILは、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・カルマンフィルタ
・拡張カルマンフィルタ
・無香カルマンフィルタ
・パーティクルフィルタ
(3−5−2)温度計測の処理
変形例5の温度計測の処理について説明する。図24は、変形例5の温度計測の処理のフローチャートである。
図24に示すように、変形例5の温度計測装置10は、図12と同様に、ステップS110〜S113を実行する。
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了していない場合(S113−NO)、温度計測装置10は、ステップS110を実行する。
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了すると(S113−YES)、温度計測装置10は、時系列フィルタリング(S310)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、温度計50から時刻tの基準温度Tref(t)を取得する。
プロセッサ12は、ステップS111で得られた時刻tの経路温度Tp(t|x,y,z)と、基準温度Tref(t)と、を時刻t−1の温度分布(t−1)と、を時系列フィルタFILに入力することにより、時刻tの温度分布D(t)を計算する。
温度分布D(t)は、時刻t+1の温度分布D(t+1)の計算において参照される。
変形例5によれば、時系列フィルタリングを実行することにより、空間の温度の計測結果のS/N比を更に向上させることができる。
なお、変形例5の時系列フィルタFILは、更に、時刻t−1の外部環境情報を参照して、時刻tの温度分布D(t)を計算しても良い。時刻t−1の外部環境情報は、例えば、以下の情報を含む。
・空調装置40の熱量に関する情報
・対象空間SPの周辺の外気温に関する情報
・対象空間SPの3次元形状に関する情報
・対象空間SPの断熱性能に関する情報
・対象空間SP内に存在する人の数に関する情報
・対象空間SP内に存在する人の動きに関する情報
・空調装置40の風に関する情報
・対象空間SP内の風に関する情報
(3−6)変形例6
変形例6について説明する。変形例6は、N(Nは2以上の整数)個の音波送信装置20、及び、M(Mは2以上の整数)個の音波受信装置30の組合せの例である。図25は、変形例6の音波送信装置及び音波受信装置の概略図である。
図25に示すように、N個の音波送信装置20(1)〜20(N)が超音波ビームを送信する。
M個の音波受信装置30(1)〜30(M)は、それぞれ、N個の音波送信装置20(1)〜20(N)から送信された超音波ビームを受信し、且つ、当該超音波ビームに対応する受信波形データを生成する。
変形例6の第1例のプロセッサ12は、音波受信装置30(1)〜30(M)によって生成された受信波形データに対して、図13のフィルタリング(S1113)を実行することにより、受信波形データに対応する超音波ビームの経路(つまり、当該超音波ビームの発信源である音波送信装置20(n)(nは、2〜Nの整数)及び音波受信装置30(m)の組合せ)を特定する。
変形例6の第2例のプロセッサ12は、受信波形データを包絡線に変換し、且つ、包絡線の立ち上がりの時刻を特定する。プロセッサ12は、当該時刻によって、受信波形データに対応する超音波ビームの経路(つまり、当該超音波ビームの発信源である音波送信装置20(n)及び音波受信装置30(m)の組合せ)を特定する。
変形例6の第3例の音波送信装置20(n)は、互いに、周波数が異なる超音波ビームを送信する。プロセッサ12は、受信波形データの周波数を参照して、受信波形データに対応する超音波ビームの経路(つまり、当該超音波ビームの発信源である音波送信装置20(n)及び音波受信装置30(m)の組合せ)を特定する。
変形例6によれば、1つの音波受信装置30が複数の音波送信装置20(n)から送信された超音波ビームを受信する。温度計測装置10は、受信波形データをフィルタリングすることにより、超音波ビームを発振した音波送信装置20(n)を特定する。これにより、空間の温度の計測結果のS/N比を向上させることができる。
(3−7)変形例7
変形例7について説明する。変形例7は、温度に加えて、風ベクトルの分布を計測する例である。
変形例7の対象空間SPには、例えば、図5の温度計測装置10(不図示)と、少なくとも2つの音波送信装置20a〜20bと、少なくとも2つの音波受信装置30a〜30bと、が配置されている。
温度計測装置10は、所定の送信周波数Fsを有する超音波ビームを送信するように、音波送信装置20aを制御する。
音波送信装置20aは、温度計測装置10の制御に従い、送信周波数Fsを有する超音波ビームを送信する。
音波受信装置30aは、超音波ビームを受信すると、受信波形データを生成する。音波受信装置30aが受信する超音波ビームには、音波送信装置20aと音波受信装置30aとの間の風に起因するドップラー効果が発生する。したがって、音波受信装置30aが受信する超音波ビームの受信周波数Fraは、送信周波数Fsとは異なる。
温度計測装置10は、音波受信装置30aから受信波形データを取得し、且つ、受信波形データを参照して受信周波数Fraを特定する。
ドップラー効果を考慮すると、送信周波数Fsと受信周波数Fraとの間には、式3.1の関係が成立する。
Fs = (C+Vwa)/C×Fra …(式3.1)
・C:超音波の音速
・Vwa:音波送信装置20aと音波受信装置30aとの間の経路上の理論上の風速
式3.1を展開すると、理論上の風速Vwaは、式3.2のように表すことができる。プロセッサ12は、式3.1を用いて、理論上の風速Vwaを計算する。
Vwa = C×Fs/Fra−C …(式3.2)
プロセッサ12は、式3.3を用いて、音波送信装置20bと音波受信装置30bとの間の経路上の理論上の風速Vwbを計算する。
Vwb = C×Fs/Frb−C …(式3.3)
・Frb:音波受信装置30bが受信した超音波ビームの受信周波数
記憶装置11には、温度と風速の相関関数G(x)が予め格納されている。
プロセッサ12は、ステップS112で得られたメッシュ温度TEMPmesh及び相関関数を用いて、式3.4〜式3.5のように、補正風速Vrwa及びVrwbを計算する。
Vrwa = G(Tmesh)×Vwa …(式3.4)
Vrwb = G(Tmesh)×Vwb …(式3.5)
温度計測装置10は、音波送信装置20a〜音波受信装置30aの進行経路及び音波送信装置20b〜音波受信装置30bの進行経路の成す角度を参照して、式3.4〜式3.5から得られた補正風速Vrwa及びVrwbを合成することにより、風ベクトルを計算する。
変形例7によれば、超音波の進行経路が交差する交差点を含むメッシュの風ベクトルが得られる。したがって、複数の交差点が形成される場合、対象空間SPの風ベクトルの分布(つまり、風速及び風向きの分布)が得られる。
変形例7では、2本の進行経路が交差点を形成する例を示した。この場合、得られる風ベクトルの次元は2次元である。
なお、変形例7は、3本の進行経路が交差点を形成する場合にも適用可能である。この場合、得られる風ベクトルの次元は3次元である。
(3−8)変形例8
変形例8について説明する。変形例8は、超音波を用いて風ベクトルの分布を計測する例である。図26は、変形例8のセンサ配置の一例を示す図である。
図26に示すように、変形例8の対象空間SPには、少なくとも4つのセンサユニットSUa〜SUdが、センサユニットSUa〜SUbの超音波の進行経路と、センサユニットSUc〜SUdの超音波の進行経路とが互いに交わる(好ましくは、直交する)ように配置される。
各センサユニットSUa〜SUdの構成は、変形例4(図21B)と同様である。
変形例8の温度計測装置10は、式4.1を用いて、センサユニットSUa〜SUb間の往路を進行する超音波ビームの速度の絶対値|Vab|から温度因子を除去することにより、センサユニットSUa及びSUbの間の風速成分Vwabを計算する。
Vwab = |Vab|−|Va:b| …(式4.1)
温度計測装置10は、式4.2を用いて、センサユニットSUc〜SUd間の往路を進行する超音波ビームの速度の絶対値|Vcd|から温度因子を除去することにより、センサユニットSUc及びSUdの間の風速成分Vwcdを計算する。
Vwcd = |Vcd|−|Vc:d| …(式4.2)
・|Vc:d|:センサユニットSUc及びSUdの平均速度
温度計測装置10は、センサユニットSUa〜SUbの進行経路及びセンサユニットSUc〜SUdの進行経路の成す角度を参照して、式4.1から得られた風速成分Vwabと、式4.2から得られた風速成分Vwcdと、を合成することにより、風ベクトルを計算する。
変形例8によれば、対象空間SPに配置されたセンサユニットの超音波の進行経路が交差点を含むメッシュの風ベクトルが得られる。したがって、複数の交差点が形成される場合、対象空間SPの温度分布に代えて、風ベクトル(つまり、風速及び風向き)の分布が得られる。
変形例8では、往路を進行する超音波ビームの絶対値|Vab|及び|Vcd|に代えて、復路を進行する超音波ビームの絶対値|Vba|及び|Vdc|を用いて、風ベクトルを推定しても良い。
変形例8では、一対のセンサユニットが交差点を形成する例を示した。この場合、得られる風ベクトルの次元は2次元である。
なお、変形例8は、3つのセンサユニットが交差点を形成する場合にも適用可能である。この場合、得られる風ベクトルの次元は3次元である。
(3−9)変形例9
変形例9を説明する。変形例9は、振動子アレイを用いて温度を計測する例である。
(3−9−1)変形例9の計測システムの構成
変形例9の計測システム1の構成を説明する。
(3−9−1−1)変形例9の音波送信装置の構成
変形例9の音波送信装置20の構成を説明する。図27は、変形例9の音波送信装置の構成を示す図である。
図27に示すように、音波送信装置20は、複数の超音波振動子21と、制御回路22と、を備える。
図27Aに示すように、複数の超音波振動子21は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子21は、振動子アレイTAを形成する。
図27Bに示すように、各超音波振動子21は、Z方向に沿って進行する超音波ビームUSWを送信する。
(3−9−1−2)変形例9の音波受信装置の構成
変形例9の音波受信装置30の構成を説明する。図28は、変形例9の音波受信装置の構成を示す図である。
図28に示すように、音波受信装置30は、複数の超音波振動子31と、制御回路32と、を備える。
図28Aに示すように、複数の超音波振動子31は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子31は、振動子アレイTAを形成する。
図28Bに示すように、各超音波振動子31は、音波送信装置20から送信された超音波ビームUSWを受信すると振動する。
(3−9−2)変形例9の具体例
変形例9の具体例を説明する。
(3−9−2−1)変形例9の第1例
変形例9の第1例を説明する。変形例9の第1例は、一対の音波受信装置30及び音波送信装置20を用いて温度を計測する例である。図29は、変形例9の第1例の概要を示す図である。
以下、対象空間SPには、図29のX+方向に向かう気流AFが存在する。
変形例9の第1例の音波送信装置20の振動子21a〜21cは、それぞれ、Z+方向に向かって超音波ビームUSW0〜USW2を送信する。
超音波ビームUSW0〜USW2は、気流AFの影響により、X+方向にシフトする。
その結果、超音波ビームUSW2は音波受信装置30の外側に向かって進行する。
一方、超音波ビームUSW0〜USW1は、超音波振動子31b〜31cに受信される。
このように、音波送信装置20及び音波受信装置30が、何れも、振動子アレイTAを形成する。これにより、音波送信装置20の振動子アレイTAから放射された超音波ビームUSW0〜USW2は、気流AFの影響を受けたとしても、音波受信装置30の振動子アレイTAに到達し易くなる。これにより、気流AFの影響を受けることなく、本実施形態と同様の効果が得られる。
(3−9−2−2)変形例9の第2例
変形例9の第2例を説明する。変形例9の第2例は、一対のセンサユニットSU(音波受信装置30及び音波送信装置20の組合せ)を用いて温度を計測する例である。図30は、変形例9のセンサユニットの構成を示す図である。図31は、変形例9の第2例の概要を示す図である。
図30Aに示すように、変形例9の第2例のセンサユニットSUは、音波送信装置20と、音波受信装置30と、を備える。
音波送信装置20は、複数の超音波振動子21と、制御回路22と、を備える。
複数の超音波振動子21は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子21は、振動子アレイTAを形成する。
音波受信装置30は、複数の超音波振動子31と、制御回路32と、を備える。
複数の超音波振動子31は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子31は、振動子アレイTAを形成する。
図30Bに示すように、対象空間SPには、一対のセンサユニットSUa及びSUbが配置される。
センサユニットSUaの音波送信装置20は、センサユニットSUbの音波受信装置30に向かって超音波を放射する。
センサユニットSUbの音波送信装置20は、センサユニットSUaの音波受信装置30に向かって超音波を放射する。
以下、対象空間SPには、図31のX+方向に向かう気流AFが存在する。
センサユニットSUaの音波送信装置20の振動子21a〜21cは、それぞれ、Z+方向に向かって超音波ビームUSWa0〜USWa2を送信する。
センサユニットSUbの音波送信装置20の振動子21a〜21cは、それぞれ、Z−方向に向かって超音波ビームUSWb0〜USWb2を送信する。
超音波ビームUSWa0〜USWa2及びUSWb0〜USWb2は、気流AFの影響により、X+方向にシフトする。
その結果、超音波ビームUSWa2は、センサユニットSUbの音波受信装置30の外側に向かって進行する。超音波ビームUSWb2は、センサユニットSUaの音波受信装置30の外側に向かって進行する。
一方、超音波ビームUSWa0〜USWa1は、センサユニットSUbの音波受信装置30の超音波振動子31b〜31cに受信される。超音波ビームUSWb0〜USWb1は、センサユニットSUaの音波受信装置30の超音波振動子31b〜31cに受信される。
このように、音波送信装置20及び音波受信装置30が、何れも、振動子アレイTAを形成する。これにより、音波送信装置20の振動子アレイTAから放射された超音波ビームUSW0〜USW2は、気流AFの影響を受けたとしても、音波受信装置30の振動子アレイTAに到達し易くなる。更に、センサユニットSUa〜SUbの間の空間の温度を、Z−方向に進行する超音波ビーム及びZ+方向に進行する超音波ビームの両方を用いて計測する。これにより、気流AFの影響を受けることなく、本実施形態と同様の効果が得られる。
(3−10)変形例10
変形例10を説明する。変形例10は、1つの音波受信装置30が受信した音波の波形の中から、参照すべき波形を特定する例である。図32は、変形例10のフィルタの説明図である。
(3−10−1)変形例10の第1例
変形例10の第1例を説明する。
変形例1の第1例の音波受信装置30は、経路毎の時間フィルタを有する。時間フィルタは、例えば、以下の少なくとも1つである(図32)。
・下限時間閾値THtb
・上限時間閾値THtt
・下限時間閾値THtbと上限時間閾値THttとによって規定される時間ウインドウWt
下限時間閾値THtb及び上限時間閾値THttは、以下の少なくとも1つによって決まる。
・音波送信装置20と音波受信装置30との間の距離
・音波送信装置20から送信された超音波ビームが音波受信装置30によって受信されるまでの間に超音波ビームが伝搬する距離
ステップS1112(図13)において、制御回路32は、超音波振動子31の振動に応じた受信波形データ(図32)を生成した後、時間フィルタ(例えば、時間ウインドウWt)を受信波形データに適用することにより、受信波形データに含まれる波形WF1〜WF3の中から参照すべき波形WF2を抽出する。
制御回路32は、抽出された波形WF2を含む受信波形データを温度計測装置10に送信する。
(3−10−1)変形例10の第2例
変形例10の第2例を説明する。
変形例10の第2例の温度計測装置10は、第1例と同様の時間フィルタを有する。
ステップS1113(図13)において、プロセッサ12は、時間フィルタ(例えば、時間ウインドウWt)を受信波形データに適用することにより、受信波形データに含まれる波形WF1〜WF3の中から参照すべき波形WF2を抽出する。
(4)その他の変形例
その他の変形例を説明する。
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、温度計測装置10と接続されてもよい。
図4の例では、超音波振動子31を備える音波受信装置30の例を示した。しかし、音波受信装置30は、音波送信装置20と同様に、複数の超音波振動子31を備えても良い。
図5の例では、1個の音波送信装置20が複数の経路に沿った超音波ビームを送信し、且つ、1個の音波受信装置30が複数の経路に沿った超音波ビームを受信する例を示した。しかし、本実施形態はこれに限られない。n(nは2以上の整数)個の音波送信装置20のそれぞれが1本の経路に沿った超音波ビーム(つまり、n個の音波送信装置20がn本の経路に沿った超音波ビーム)を送信し、且つ、n個の音波受信装置30のそれぞれが各経路に沿った超音波ビームを受信しても良い(つまり、n個の音波受信装置30がn本の経路に沿った超音波ビームを受信しても良い)。
上記の実施形態では、メッシュ温度TEMPmeshtの計算に平均値を求める関数を用いる例を示したが、本実施形態のメッシュ温度TEMPmeshtの計算方法はこれに限られるものではない。
音波送信装置20は、自己相関が比較的強い自己相関信号(例えば、M系列信号)を含む超音波ビームを送信しても良い。これにより、空間の温度の計測結果のS/N比を更に向上させることができる。
音波送信装置20が個別に異なる自己相関信号を含む超音波ビームを送信することにより、音波受信装置30が、超音波ビームの発信源となる音波送信装置20を識別しても良い。
また、音波送信装置20毎に異なる発振周波数を有する超音波ビームを送信することにより、音波受信装置30が、超音波ビームの発信源となる音波送信装置20を識別しても良い。
温度計測装置10は、温度分布及び風ベクトル分布以外に、以下の空気特性の分布を計測することも可能である。
・空気中の化学物質(例えば、CO)の濃度の分布
・湿度の分布
・臭気の分布
・有毒ガスの分布
本実施形態では、音波送信装置20及び音波受信装置30を区別して規定したが、本実施形態の範囲は、これに限られない。本実施形態は、1つの超音波振動子が超音波を送信する機能及び超音波を受信する機能を備えても良い。
本実施形態では、ステップS1114(図13)において経路温度TEMPpathiの計算に用いる式、及び、ステップS112(図12)においてメッシュ温度TEMPmeshtの計算に用いる式の少なくとも1つは、外部環境情報(例えば、外気温、外気の湿度、及び、外気圧の少なくとも1つ)をパラメータとして含んでも良い。この場合、外部環境情報に関わらず、空間の空気特性の計測結果のS/N比を向上させることができる。
本実施形態では、音波送信装置20は、指向性を有する超音波ビームを送信する例を示したが、本実施形態は、これに限られない。本実施形態は、音波送信装置20が可聴音ビーム(つまり、超音波ビームとは異なる周波数を有する音波)を送信する場合にも適用可能である。
本実施形態において、温度分布とは、メッシュ温度TEMPmeshに限られない。温度分布は、以下の少なくとも1つも含む。
・経路上の複数点の温度
・経路上の平均温度
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
1 :計測システム
10 :温度計測装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
20 :音波送信装置
21 :超音波振動子
22 :制御回路
23 :アクチュエータ
30 :音波受信装置
31 :超音波振動子
32 :制御回路
40 :空調装置
50 :温度計

Claims (20)

  1. 対象空間に配置された音波送信装置、及び、前記対象空間に配置された音波受信装置と接続可能な計測装置であって、
    前記対象空間に含まれる領域である複数の仮想メッシュのそれぞれについて、各仮想メッシュを通る複数の経路を決定する手段を備え、
    前記複数の経路に沿って進行する音波を送信させるように、前記音波送信装置を制御する手段を備え、
    前記音波を受信する前記音波受信装置から、前記音波の波形に関する受信波形データを取得する手段を備え、
    各経路について、前記受信波形データに基づいて、前記音波の伝搬時間を計算する手段を備え、
    各経路の伝搬時間に基づいて、各仮想メッシュの空気特性を計算する手段を備える、
    計測装置
  2. 対象空間に配置された少なくとも2つのセンサユニットと接続可能な計測装置であって、
    第1センサユニットは、第1音波送信装置、及び、第1音波受信装置を備え、
    第2センサユニットは、第2音波送信装置、及び、第2音波受信装置を備え、
    前記対象空間に含まれる領域である複数の仮想メッシュのそれぞれについて、各仮想メッシュを通る複数の経路を決定する手段を備え、
    前記複数の経路に沿って進行する音波を送信させるように、各音波送信装置を制御する手段を備え、
    前記第1音波受信装置から、前記第2音波送信装置から送信された音波の波形に関する第1受信波形データを取得する手段を備え、
    前記第2音波受信装置から、前記第1音波送信装置から送信された音波の波形に関する第2受信波形データを取得する手段を備え、
    各経路について、前記第1受信波形データ及び前記第2受信波形データに基づいて、前記音波の伝搬時間を計算する手段を備え、
    各仮想メッシュの伝搬時間に基づいて、各仮想メッシュの空気特性を計算する手段を備える、
    計測装置
  3. 対象空間に配置されたN(Nは2以上の整数)個の音波送信装置及びM(Mは2以上の整数)個の音波受信装置と接続可能な計測装置であって、
    前記対象空間に含まれる領域である複数の仮想メッシュのそれぞれについて、各仮想メッシュを通る複数の経路を決定する手段を備え、
    前記複数の経路に沿って進行する音波を送信させるように、各音波送信装置を制御する手段を備え、
    各音波受信装置から、前記音波の波形に関する受信波形データを取得する手段を備え、
    M個の受信波形データに基づいて、前記受信波形データに対応する音波の発信源である音波送信装置及び前記音波受信装置の組合せを特定する手段を備え、
    各経路について、前記特定された組合せ毎の受信波形データに基づいて、前記音波の伝搬時間を計算する手段を備え、
    各経路の伝搬時間に基づいて、各仮想メッシュの空気特性を計算する手段を備える、
    計測装置
  4. 前記空気特性は、温度を含む、
    請求項1〜請求項3の何れかに記載の計測装置。
  5. 前記空気特性は、風ベクトルを含む、
    請求項1〜請求項4の何れかに記載の計測装置。
  6. 前記空気特性は、空気中の化学物質の濃度、湿度、臭気、及び、有毒ガスの少なくとも1つを含む、
    請求項1〜請求項5の何れかに記載の計測装置。
  7. 前記経路を決定する手段は、前記対象空間に存在する反射部材の反射特性に関する情報に基づいて、前記経路を決定する、
    請求項1〜請求項6の何れかに記載の計測装置
  8. 前記反射特性は、前記反射部材の反射種別、反射率、及び、反射面の法線角度の少なくとも1つを含む、
    請求項7に記載の計測装置
  9. 前記制御する手段は、前記音波送信装置の送信面の向きを変更することにより、前記音波の送信角を変更する、
    請求項1〜請求項8の何れかに記載の計測装置
  10. 前記制御する手段は、前記音波の位相差を形成することにより、前記音波の送信角を変更する、
    請求項1〜請求項9の何れかに記載の計測装置。
  11. 前記制御する手段は、前記音波送信装置に含まれる複数の振動素子のそれぞれを異なるタイミングで振動させることにより、前記音波の送信角を変更する、
    請求項10に記載の計測装置
  12. 前記受信波形データに対してフィルタを適用することにより、前記経路に沿って進行する音波の成分を抽出する手段を備え、
    前記計算する手段は、前記抽出された成分に基づいて、前記空気特性を計算する、
    請求項1〜請求項11の何れかに記載の計測装置
  13. 前記対象空間の温度に基づいて前記フィルタを補正する手段を備える、
    請求項12に記載の計測装置
  14. 前記計算する手段は、時系列フィルタを用いて、前記空気特性を計算する、
    請求項1〜請求項13の何れかに記載の計測装置
  15. 前記音波送信装置から送信された音波の送信周波数と、前記音波受信装置により受信された音波の受信周波数と、前記仮想メッシュの温度、を参照して、前記仮想メッシュの風ベクトル計算する手段を備える、
    請求項1〜請求項14のいずれかに記載の計測装置
  16. 複数の受信波形データに時間フィルタを適用することにより、参照すべき波形を抽出する手段を備え、
    前記計算する手段は、前記抽出された波形に基づいて、前記空気特性を計算する、
    請求項1〜請求項15の何れかに記載の計測装置
  17. コンピュータに、請求項1〜請求項16の何れかに記載の各手段を実現させるためのプログラム。
  18. 対象空間に配置された音波送信装置、及び、前記対象空間に配置された音波受信装置を用いた計測方法であって、
    前記対象空間に含まれる領域である複数の仮想メッシュのそれぞれについて、各仮想メッシュを通る複数の経路を決定するステップを備え、
    前記決定された複数の経路に沿って進行する音波を送信させるように、前記音波送信装置を制御するステップを備え、
    前記音波を受信する前記音波受信装置から、前記音波の波形に関する受信波形データを取得するステップを備え、
    各経路について、前記受信波形データに基づいて、前記音波の伝搬時間を計算するステップを備え、
    各経路の伝搬時間に基づいて、各仮想メッシュの空気特性を計算するステップを備える、
    計測方法。
  19. 対象空間に配置された少なくとも2つのセンサユニットを用いた計測方法であって、
    第1センサユニットは、第1音波送信装置、及び、第1音波受信装置を備え、
    第2センサユニットは、第2音波送信装置、及び、第2音波受信装置を備え、
    前記対象空間に含まれる領域である複数の仮想メッシュのそれぞれについて、各仮想メッシュを通る複数の経路を決定するステップを備え、
    前記決定された複数の経路に沿って進行する音波を送信させるように、各音波送信装置を制御するステップを備え、
    前記第1音波受信装置から、前記第2音波送信装置から送信された音波の波形に関する第1受信波形データを取得するステップを備え、
    前記第2音波受信装置から、前記第1音波送信装置から送信された音波の波形に関する第2受信波形データを取得するステップを備え、
    各経路について、前記第1受信波形データ及び前記第2受信波形データに基づいて、前記音波の伝搬時間を計算するステップを備え、
    各仮想メッシュの伝搬時間に基づいて、各仮想メッシュの空気特性を計算するステップを備える、
    計測装置。
  20. 対象空間に配置されたN(Nは2以上の整数)個の音波送信装置及びM(Mは2以上の整数)個の音波受信装置と接続可能な計測方法であって、
    前記対象空間に含まれる領域である複数の仮想メッシュのそれぞれについて、各仮想メッシュを通る複数の経路を決定するステップを備え、
    前記決定された複数の経路に沿って進行する音波を送信させるように、各音波送信装置を制御するステップを備え、
    各音波受信装置から、前記音波の波形に関する受信波形データを取得するステップを備え、
    M個の受信波形データに基づいて、前記受信波形データに対応する音波の発信源である音波送信装置及び前記音波受信装置の組合せを特定するステップを備え、
    各経路について、前記特定された組合せ毎の受信波形データに基づいて、前記音波の伝搬時間を計算するステップを備え、
    各経路の伝搬時間に基づいて、各仮想メッシュの空気特性を計算するステップを備える、
    計測方法。
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