JP2003194604A - 音波式ガス温度・流量計とガス中音波の伝播時間の検出方法 - Google Patents

音波式ガス温度・流量計とガス中音波の伝播時間の検出方法

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JP2003194604A
JP2003194604A JP2001394331A JP2001394331A JP2003194604A JP 2003194604 A JP2003194604 A JP 2003194604A JP 2001394331 A JP2001394331 A JP 2001394331A JP 2001394331 A JP2001394331 A JP 2001394331A JP 2003194604 A JP2003194604 A JP 2003194604A
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Nobuo Morimoto
信夫 森本
Hitoshi Okimura
仁志 沖村
Yoji Kitayama
洋史 北山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼炉内、ガスダクト内の物性的条件によっ
て伝播過程において生じる送信波形の歪みや外乱ノイズ
の畳重によってもたらされる伝播時間の誤検出状態を、
温度、流量状態への追従性を維持したまま識別する計測
装置と方法を提供すること。 【解決手段】 音波式ガス温度・流量計は、カルマンフ
ィルタにより構成され、現時刻の1サンプリング前まで
の過去の伝播時間検出値から現時刻の伝播時間値を推定
する手段と、カルマンフィルタによる現時刻の伝播時間
推定値と現時刻の伝播時間検出値の差分をしきい値と比
較し伝播時間検出値の正常・異常判定を行う手段を備え
たものである。異常と判定された場合、1サンプリン
グ前の時刻の伝播時間出力値を現時刻の伝播時間出力値
として、又はカルマンフィルタによる現時刻の伝播時
間推定値を現時刻の伝播時間出力値としてそれぞれ、温
度、流速演算に使用することでガス中音波の伝時間を
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音波を用いた気体の温
度、流量を計測する装置に係わり、特に燃焼炉内、大型
火力プラントの燃焼空気ダクト、排ガスダクト等の高
温、大型構造物内の高温ガス、空気の計測に好適な温度
・流量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ボイラ等の大型火力プラント
の燃焼炉内温度管理は一般に熱電対、サクションパイロ
メータの計測値に基づき行われてきたが、石炭焚ボイラ
での吸引孔への灰詰まり、大型火炉(断面15m×30
m)への適用に必要な長大なプローブ長の問題や摂氏千
数百度に至る燃焼炉の高温環境での連続使用の問題があ
り、常時計測することが困難であった。
【0003】また火力プラントなどの大型のガスダクト
内の高温空気、ガス流体の流量計測には、オリフィスに
代表される差圧方式が従来より用いられてきたが、差圧
を発生させるための長大な直線区間の必要性、差圧機構
で生じる圧力損失、排ガス等の汚れた環境下で生じるダ
スト詰まりによる計測性能の低下等の問題がある。
【0004】これらのプローブによる燃焼炉内の温度計
測やオリフィス等を用いる差圧方式による温度計測が従
来から大型ダクト内高温空気・ガス流体の流量計測の主
力であったが、これに対して、ボイラ火炉内あるいは排
ガスダクト内に送出した音波の伝播時間を検出し、温度
の関数あるいは流速の関数として表される気体中音波伝
播時間の計測から前記ダクト内の高温空気・ガス流体の
温度、流量を計測する音波式計測が最近検討されてい
る。この音波式計測の一例として特開2000−206
133号公報記載の音響式ガス流量計の構成を以下に示
す。
【0005】図6に構成を示す音響式ガス流量計は、低
ダンピング特性を有する気体が追従可能な20kHz以
下の可聴域の周波数で鋭敏な自己相関性を有するM系列
PRK(Phase Reverse Keying)波形等の疑似ランダム
信号波形を生成する送信信号生成手段207と、この送
信信号生成手段207により生成した信号をアナログ信
号に変換するD/A変換器205と、このアナログ信号
により駆動され流体中に音波を送信し、気体流体中を伝
播した音波を受信する音響センサA201a、B201
bと、音響センサA201a、B201bで受信した信
号をディジタル変換するAD変換器206と、AD変換
器206により取り込んだ受信信号波形と送信信号発生
手段により生成した送信信号波形の高速同期をとるマッ
チドフィルタ209と、マッチドフィルタ209の出力
から伝播時間を検出する伝播時間検出処理部210を備
え、検出した伝播時間から流速、ガス温度、流量に換算
する構成である。
【0006】図7に従来の音響式ガス流量計の伝播時間
検出処理を示す。送信信号であるM系列PRK波はデー
タ数q+1個のディジタル信号rj(j=0、1、・・
・・・…、q)として生成され、このディジタル信号は
図6のD/A変換器205によりスピーカを駆動可能な
アナログ信号に変換され、音響センサの送信機構を駆動
する。流路中を伝播し、対をなす音響センサで受信され
た受信信号は図6のAD変換器206によりサンプリン
グされ、データ数n+1個のディジタル信号Sk(k=
0、1、・・・・・・・、n)に変換される。ここでn
>qである。送信信号rと受信信号Sはマッチドフィル
タを構成する次の1)式の相関器に入力され、受信信号
の各時刻tにおける送信信号との相関Xtが計算され
る。
【0007】
【数1】 このXtが図6のマッチドフィルタ209の出力であ
る。受信信号中に含まれる送信M系列PRK波形とタイ
ミング(位相)が一致した時刻でマッチドフィルタには
鋭いピーク信号が現れ、受信信号と送信信号が同期した
ことを検知する。図6の伝播時間検出処理部210では
マッチドフィルタ出力Xtのピーク検出を行い、ピーク
時刻を音波の伝播時間として検出する。
【0008】検出した音響センサA201aからB20
1bへの伝播時間をτAB、音響センサB201bから
A201aへの伝播時間をτBAとすると、伝播時間τ
AB、τBAと流速Vf、ガス温度により定まる音速V
sの関係は次式で表される。ここで、Lは音響センサA
201aとB201b間の距離、θは距離Lが流体の流
れ方向となす伝播角である。
【0009】
【数2】
【0010】2a)、2b)式から伝播時間検出値τA
B、τBAより流速Vf、音速Vsは次のように表され
る。
【数3】
【0011】ガス温度T[℃]は音速の温度依存性より
次のように表される。
【数4】 ここでαはガス組成により定まる定数である。
【0012】気体温度計測の場合は上記4)式により計
測が完了するが、流量計測の場合は、上記3)、4)式
のように計測された気体流体の温度、流速から次式より
気体流体の流量Q[Nm3/h]に換算する。ここでS
は対象ダクトの断面積である。
【0013】
【数5】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】音波式流量計の送信波
形として用いる疑似ランダム信号であるM系列PRK波
は鋭敏な自己相関性を有しており、ノイズとの弁別、伝
播時間の高精度な検出に最適な信号である。しかしなが
ら、火炉内やガスダクト内の圧力変動、極端な温度分布
やその変動といった伝播媒体の物性的性状により伝播過
程で送信波形が大きな歪みを受ける状態が生じ得る。こ
の歪みを受けた信号状態において燃焼騒音、ファンや流
体騒音等の騒音ノイズや炉やダクトの構造によって生じ
るエコー等が畳重すると誤った伝播時間の検出を行い、
正しい温度や流量を計測できない問題が生じる。
【0015】この問題に対する対策として、従来では評
価温度域つまり検出する伝播時間範囲を前回計測値ある
いは基準値をもとに特定範囲に限定し、この限定範囲を
逸脱した検出値を誤検出として除外し、前回計測値を維
持する等のエラー処理を行っていた。しかしながら燃焼
炉の起動、停止過程、特に急激な温度変化を生じる停止
過程に対して汎用的に追従させることが困難であり、計
測値がホールド状態のまま復帰しない等の状態を呈し、
現象への追従と誤検出の除去を両立させることが困難で
あった。
【0016】また、炉の起動、停止過程などの状態変化
に対応させるために計測値の移動平均値、分散値等の統
計量を用いて伝播時間計測値の誤検出によるシフト状態
を検知することも行われるが、特にごみ焼却炉のような
供給燃料の質、量が常に大きく変動するような対象にお
いて、移動平均の応答遅れにより誤検出判定に用いる統
計量と実際の炉内ガス温度変動との差が大きく生じ、誤
検出による伝播時間シフトと実際の炉内状況による伝播
時間変化を区別することができず、誤った計測結果を出
力するおそれや、正しい計測値でありながらエラーとし
て誤って判定するおそれがあった。
【0017】本発明の課題は、燃焼炉内、ガスダクト内
の物性的条件によって伝播過程において生じる送信波形
の歪みや外乱ノイズの畳重によってもたらされる伝播時
間の誤検出状態を、温度、流量状態への追従性を維持し
たまま識別する計測装置と方法を提供することにより、
伝播時間検出に基づく音波式ガス温度、流量計測の計測
性能と信頼性を向上させることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明になる音波式ガス温度・流量計は、カルマンフ
ィルタにより構成され、現時刻の1サンプリング前まで
の過去の伝播時間検出値から現時刻の伝播時間値を推定
する手段と、カルマンフィルタによる現時刻の伝播時間
推定値と現時刻の伝播時間検出値の差分をしきい値と比
較し伝播時間検出値の正常・異常判定を行う手段を備え
たものである。
【0019】すなわち、本発明の音波式ガス温度・流量
計は、燃焼炉内あるいはダクト内に送出した音波の伝播
時間を検出し、温度の関数あるいは流速の関数として表
されるガス中音波伝播時間検出から温度、流量を計測す
る音波式ガス温度・流量計において、カルマンフィルタ
により構成され現時刻の1サンプリング前までの過去の
伝播時間検出値から現時刻の伝播時間値を推定する手段
と、カルマンフィルタによる現時刻の伝播時間推定値と
現時刻の伝播時間検出値の差分を所定のしきい値と比較
し、伝播時間検出値の正常・異常判定を行う手段を備え
た構成である。
【0020】前記ガス中音波の伝播時間検出値の正常・
異常判定を行う手段が用いる所定のしきい値として、現
時刻の1サンプリング前までの過去のカルマンフィルタ
による伝播時間推定値に対する伝播時間検出値の分散値
を用いることができる。
【0021】また、本発明のカルマンフィルタとして、
伝播時間出力値を入力した定常カルマンフィルタを用い
ることができる。
【0022】本発明の音波式ガス温度・流量計を用い
て、異常と判定された場合、1サンプリング前の時刻
の伝播時間出力値を現時刻の伝播時間出力値として保持
し、温度、流速演算に使用することで伝搬時間を検出す
るか、又はカルマンフィルタによる現時刻の伝播時間
推定値を現時刻の伝播時間出力値として出力し、温度、
流速演算に使用することでガス中音波の伝搬時間を検出
する。
【0023】
【作用】音波式計測におけるガス中音波の伝播時間の検
出は、前記1)式の相関器から構成されるマッチドフィ
ルタにより受信信号と送信信号波形の同期をとることに
より行われる。伝播過程での信号波形の歪みと外乱ノイ
ズの畳重によって生じる誤検出は、送信波形であるM系
列PRK信号の鋭敏な自己相関性が崩れたことにより真
の同期時刻以外の相関のピークが優位に生じ、これを誤
って検出してしまうために生じる。このため誤検出され
た伝播時間は真値に対し離散的に生じるが、温度変動の
大きい、例えばごみ焼却炉内のような対象では実際の現
象に基づく伝播時間の分散が大きく誤検出状態と弁別で
きないことが問題になる。
【0024】カルマンフィルタは計測対象の状態信号が
加法的雑音により乱された結果、観測される観測値(計
測値)から状態信号を推定する手段である。一般に加法
的雑音を除去する場合、移動平均等の平滑化手段が用い
られることが多いが、カルマンフィルタは雑音の低減効
果(平滑化)と状態信号の変化への追従性において平均
化による平滑手段に対し優れた効力を有する。特にごみ
焼却炉のような著しく燃焼状態が変動する環境において
実際の状態の変動に小さな遅れで追従しつつ雑音の影響
を除去することができる。
【0025】カルマンフィルタ理論は信号と加法的雑音
が独立した正規白色雑音であるとの仮定に基づくもので
あり、実際の環境において必ずしも、この仮定が十分に
成立しているとは限らず、カルマンフィルタの推定値を
真値として扱えないが、変動するガス温度等の状態に対
する追従性に優れた平滑値が得られる。この追従性に優
れたカルマンフィルタの推定値と伝播時間計測値の偏差
は、移動平均を用いた場合に比べ、格段に現在の状況を
表す指標になり得る値である。
【0026】現在の計測値の正誤を判定する場合に、現
在時刻の1サンプリング前までの過去の計測値に基づく
カルマンフィルタ推定値に対する計測値の分散値をカル
マンフィルタの優れた追従性と平滑効果から現在の雑音
重畳による計測値の分散状況の指標として用い、カルマ
ンフィルタによる現在時刻の伝播時間推定値と現在時刻
の伝播時間の偏差を前述の分散値と比較することによ
り、対象の温度等の状態が大きく変動する環境におい
て、変動、雑音による伝播時間変化と誤検出による伝播
時間シフトを弁別可能になる。これにより誤った伝播時
間検出値に基づく温度、流速の出力を防止し計測信頼性
を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面と共に
説明する。本発明になる音波式温度・流量計測の伝播時
間検出処理の一実施例を図1に示す。図1に示す検出処
理は、従来方法と同様に図7に示すマッチドフィルタか
ら構成される同定手段よりなる現在時刻の伝播時間検出
手段101、伝播時間出力値、カルマンフィルタ推定値
の過去データの記録・更新、計測開始時の初期化及び分
散値を計算する過去データ記録・演算手段102、カル
マンフィルタにより現在時刻の伝播時間を推定する推定
手段103、カルマンフィルタ推定値と現在時刻の伝播
時間検出値を過去値の分散値と比較し、伝播時間検出値
の正誤判定と該判定に基づき伝播時間を出力するエラー
判定・出力手段104から構成される。
【0028】カルマンフィルタの計測値yは信号xが加
法的雑音wにより乱された結果、観測される値であり、
信号xと雑音wが独立した正規白色雑音であると仮定し
た場合に計測値yより信号xを推定する手段である。
【0029】推定する信号をx1、その変化速度をx2
加速度をx3、計測値をyとし、
【数6】 とおくと、定常カルマンフィルタは次式のように設計さ
れることが知られている。
【0030】
【数7】 ここで、
【数8】 であり、αは計測対象と加法雑音の分散により定める信
頼度係数を示す。上記の定常カルマンフィルタを示す微
分方程式をPade近似により差分方程式に変換すると
次のように表される。
【0031】
【数9】 ここでΔtは時間刻みを示し、現象の時定数に応じた値
になる。上式から、時刻kの計測値y(k)と信号推定
値x(k)から時刻k+1における信号を推定する。
【0032】図1の推定手段103は上式の定常カルマ
ンフィルタにより構成される。このカルマンフィルタに
よる現在時刻の伝播時間推定値x1と現在時刻の伝播時
間検出値τの偏差を判定・出力手段104において、し
きい値と比較して正誤判定を行い、誤検出と判定された
場合は前回値を伝播時間出力値τ’として出力(ホール
ド)し、正常な検出状況の場合、現在の検出値τにより
出力値τ’を更新する。
【0033】ここで用いるしきい値は過去データ記録・
演算手段102において現在時刻の1サンプリング前ま
での過去のカルマンフィルタ推定値に対する伝播時間出
力値τ’の分散値δ2を用いる。係数βは「3」近傍の
値であり正規分布に対する危険率5%のデータ棄却限界
を示す値である。
【0034】図2に音波伝播時間検出に基づくごみ焼却
炉内ガス温度の計測トレンドの一例を示す。焼却炉内で
は燃料(ごみ)性状が一定せず常に燃焼状態が変動する
ためガス温度が激しく変動する。図3はこの時の音波伝
播時間トレンドの一例を示す図であり、数点の誤検出を
含む検出値の一例である。ガス温度自体の変動に基づく
伝播時間変動の分散と誤検出による伝播時間シフトが大
差なく単なる統計量(移動平均、これに対する分散)で
は弁別することができない。図4は図3の伝播時間検出
値に対して行った本発明の伝播時間検出方法によるカル
マンフィルタ推定値x1とこの推定値を用い図1の判定
・出力手段104により正誤を判定し出力した伝播時間
出力値τ’のトレンドを示す。図4に示すようにガス温
度の変動に基づく伝播時間変化へのカルマンフィルタ推
定値の追従性より、正誤判定を行う検出値の時刻に一致
した重畳雑音の分散評価、雑音を除去した平滑値に対す
る現在時刻の伝播時間検出値の偏差評価が可能であり、
雑音の分散値と誤検出による伝播時間シフトを弁別し、
誤った出力を除去することができる。
【0035】図5は移動平均による推定と本発明のカル
マンフィルタによる推定による誤検出判定の比較を示し
た図である。移動平均による推定(平滑化)では、現象
に対する追従性が低下するため、ガス温度変動に基づく
伝播時間の立ち下がり、立上りに推定値(平滑値)が追
従せず、この過渡時の推定値と検出値の偏差が極めて大
きく判定されるため伝播時間の誤検出と間違って判定さ
れ、図5に示すように炉起動後、ガス温度が激しく変動
する状態に至った時点からエラーと判定される率が急激
に増加し、正しい計測値を出力できていない。本発明に
なるカルマンフィルタ推定値に基づく誤検出判定では、
この温度変動に追従し、図3に示すような離散的に発生
する誤検出状態のみを弁別して判定、除去することがで
きる。
【0036】また、図1の構成では誤検出と判定した場
合、前回計測時の伝播時間出力値を現在時刻の伝播時間
出力値として出力する構成としているが、カルマンフィ
ルタ理論の仮定条件である信号と加法的雑音が独立した
正規白色雑音であるとの仮定が実用上成立していると見
なせるような計測対象の場合、誤検出判定時の出力とし
て現在時刻のカルマンフィルタによる伝播時間推定値を
伝播時間出力値として使用することもできる。
【0037】
【発明の効果】音波式温度、流量計測において伝播時間
の誤検出に対し、平滑効果と現象への追従性に優れるカ
ルマンフィルタによって推定される伝播時間推定値と分
散値を用いて伝播時間検出値の正誤判定を行うことによ
り、焼却炉内などの温度変動が著しく環境においても、
伝播時間の真の変動に追従しつつ、誤検出状態を精度よ
く判定することができる。
【0038】これにより、炉内、ダクト内の物性的条件
によって伝播過程において生じる送信波形の歪みや外乱
ノイズの影響を強い計測環境において、伝播時間の誤検
出状態を、温度、流量状態への追従性を維持したまま除
去でき、伝播時間検出に基づく音波式ガス温度、流量計
測の計測性能と信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態になる音波式温度、流量
計測の伝播時間検出処理処理の構成を示した図である。
【図2】 本発明の音波伝播時間検出に基づく焼却炉内
ガス温度計測の一例を示した図である。
【図3】 誤検出を含む伝播時間検出値トレンドの一例
を示した図である。
【図4】 図3の伝播時間検出値トレンドに対し本発明
になる伝播時間検出処理によるカルマンフィルタ推定
値、正誤検出判定後の伝播時間出力値を示した図であ
る。
【図5】 移動平均による平滑化に基づく誤検出判定と
本発明になるカルマンフィルタ推定値による誤検出判定
のエラー率比較を示した図である。
【図6】 従来技術の音波式流量計の構成を示した図で
ある。
【図7】 従来技術の音波式流量計での伝播時間検出処
理を示した図である
【符号の説明】
101 伝播時間検出手段 102 過去データ記
録・演算手段 103 推定手段 104 エラー判定・
出力手段 201a 音響センサA 201b 音響センサ
B 205 D/A変換器 206 AD変換器 207 送信信号生成手段 209 マッチドフィ
ルタ 210 伝播時間検出処理部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月27日(2001.12.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 音波式ガス温度・流量計とガス中音波
の伝時間の検出方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】本発明の音波式ガス温度・流量計を用い
て、異常と判定された場合、1サンプリング前の時刻
の伝播時間出力値を現時刻の伝播時間出力値として保持
し、温度、流速演算に使用することで伝時間を検出す
るか、又はカルマンフィルタによる現時刻の伝播時間
推定値を現時刻の伝播時間出力値として出力し、温度、
流速演算に使用することでガス中音波の伝時間を検出
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 洋史 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 2F035 DA23 2F056 VS03 VS10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼炉内あるいはダクト内に送出した音
    波の伝播時間を検出し、温度の関数あるいは流速の関数
    として表されるガス中音波伝播時間検出から温度、流量
    を計測する音波式ガス温度・流量計において、 カルマンフィルタにより構成され現時刻の1サンプリン
    グ前までの過去の伝播時間検出値から現時刻の伝播時間
    値を推定する手段と、カルマンフィルタによる現時刻の
    伝播時間推定値と現時刻の伝播時間検出値の差分を所定
    のしきい値と比較し、伝播時間検出値の正常・異常判定
    を行う手段を備えたことを特徴とする音波式ガス温度・
    流量計。
  2. 【請求項2】 ガス中音波の伝播時間検出値の正常・異
    常判定を行う手段が用いる前記所定のしきい値として、
    現時刻の1サンプリング前までの過去のカルマンフィル
    タによる伝播時間推定値に対する伝播時間検出値の分散
    値を用いることを特徴とする請求項1記載の音波式ガス
    温度・流量計。
  3. 【請求項3】 カルマンフィルタは伝播時間出力値を入
    力した定常カルマンフィルタであることを特徴とする請
    求項1記載の音波式ガス温度・流量計。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の音波式ガス温度・流量
    計を用いて、異常と判定された場合、1サンプリング前
    の時刻の伝播時間出力値を現時刻の伝播時間出力値とし
    て保持し、温度、流速演算に使用することを特徴とする
    ガス中音波の伝搬時間の検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の音波式ガス温度・流量
    計を用いて、異常と判定された場合、カルマンフィルタ
    による現時刻の伝播時間推定値を現時刻の伝播時間出力
    値として出力し、温度、流速演算に使用することを特徴
    とするガス中音波の伝搬時間の検出方法。
JP2001394331A 2001-12-26 2001-12-26 音波式ガス温度・流量計とガス中音波の伝播時間の検出方法 Pending JP2003194604A (ja)

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