JP3876370B2 - 音響式流速計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体の流速を計測する流速計測装置に係り、特に、音波の伝播時間により気体の流速を計測する音響式流速計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電所のボイラのバーナ用燃焼空気を供給するためのエアダクト、また、火炉ホッパやバーナ部などから火炉内に供給される再循環排ガス用の排ガスダクトなどの大型ダクト内の気体流体の流速計測には、従来、ピトー管式の流速計が用いられている。ピトー管式の流速計は、エアフォイルをダクトなどの気体の流路に設置することで流速の計測を行うものである。エアフォイルは、全体に流滴型に形成され、ガスの流れに対し上流側は略半球状に形成され、ガスの流れに対し下流側は略円錐状に形成されている。上流側の先端部には、全圧測定用ピトー管が、略半球状の部分と略円錐状の部分の連続部付近には、複数の静圧測定用のピトー管が備えられている。
【0003】
ところが、ピトー管式の流速計を火力発電プラントのダクトなどに用いた場合、ピトー管にダクト内の灰粒子が詰まり計測できなくなる場合がある。また、ピトー管式の流速計は、静圧を得るための整流区間として、流速計の設置位置から下流側に向けてダクトに直線部が必要である。このため、大型のダクトなどでは、直線部を長くとらねばならず、プラントの設計を制限する。さらに、ピトー管式の流速計は、ダクト内に設置されるため、故障時には、プラントの運転を停止して、点検や補修を行わなければならない。
【0004】
このようなピトー管式の流速計の問題点を踏まえ、以下のような特徴を有する流速計測装置が望まれている。
1)ダクト内部などのガスの流速、または流量の分布を測定できる。
2)測定部のダクト長などが制限されず、プラント設計を自由に行うことができる。
3)ボイラやダクト内などの灰粒子などに影響されずに計測を行うことができる。
4)運転を停止せずに、保守・点検などを行うことができる。
【0005】
上記の特徴を有する流速計測装置として、超音波伝播時間差法による流速計測装置が考えられる。超音波時間差法は、気体の流路に臨ませて、異なる位置に送信器と受信器を取り付け、気体の流速が、送信器より送信された音波が受信器に到達するまでの伝播時間に及ぼす影響から、気体の流速を計測するものである。
【0006】
ところで、実際に、超音波時間差法を用いた流速計測装置を火力発電プラントなどに適用する場合、次のような問題がある。まず、使用場所が高温度環境下であるため、通常の超音波トランスデューサでは、構成部材に耐熱性がなく、超音波送信性能を長期的に維持することができない。このため、耐熱性の超音波トランスデューサを用いることになるが、構成部材の特性により、耐熱性の超音波トランスデューサは、急峻な振幅変化への追従性が悪い、すなわち、ダンピング性能が低い。さらに、測定対象である気体では、音波の伝播損失が大きく、特に、超音波の減衰が大きい。加えて、火力発電プラントなどの大型ダクトでは音波の伝播距離が長くなり、音波の減衰はさらに大きくなるため、ベント部、ダンパ部、ダクトなどで流体振動により起こる騒音や、火炉内の燃焼音などの外乱の影響度が増す。これらの問題により、受信信号波形と送信信号波形を正確に弁別することは難しくなり、したがって、正確な音波の伝播時間を検出することは難しい。
【0007】
ところで、高温度環境に対応した、音波による金属流体の流速測定装置が、特開昭59―126958号公報に提案されている。この流速測定装置では、送信信号として、疑似ランダムな性質を有する自己相関性の信号であるM系列(Maximum Linear Code:線形最大周期列)パルス信号列を超音波周波数帯域の周波数に変調して用いることで、受信信号波形からの送信信号波形の弁別性を高めている。さらに、M系列パルスの立ち上がり、及び立ち上がりエッジ部分の振幅を大きくすることにより、耐熱性の超音波トランスデューサの低いダンピング性能を補償して、受信信号波形からの送信信号波形の弁別性を高めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金属流体を計測対象としている特開昭59―126958号公報に提案されている流速計測装置を、そのまま気体流体の流速の計測に適用することは難しい。すなわち、気体流体は、音波、特に超音波の伝播中の減衰が金属流体よりも大きいため、火力発電プラントのダクト内などの高外乱環境下では、受信信号のS/Nが悪くなる。さらに、計測対象である気体流体自体のダンピング性能が低い。このため、単に、自己相関性を有し、トランスデューサのダンピング性能を補償する信号を送信して、その受信信号波形から送信信号波形を復調することだけでは、受信信号波形と送信信号波形を正しく弁別して、正確な伝播時間を検出することは難しい。つまり、気体流体の流速を精度高く計測することができない。
【0009】
本発明の課題は、気体流体の流速の計測精度を向上することができる音響式流速計測装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の音響式流速計測装置は、以下の手段により上記課題を解決する。
【0011】
気体の流路に臨ませて異なる位置に配置する送信器と受信器と、自己相関性を有する疑似ランダム信号を生成し、該疑似ランダム信号に応じて送信器より音波を送信させる送信信号生成手段と、受信器で受信した音波に応じた信号と疑似ランダム信号との相関をとり、受信器で受信した音波に応じた信号と疑似ランダム信号との位相が一致したときに最大値を出力するマッチドフィルタと、送信器と受信器との間の音波の伝播時間を検出して気体の流速を算出する流速計算手段とを備える。マッチドフィルタは、送信信号波形と受信信号波形の各時刻での相関を順次求め、流速計算手段は、マッチドフィルタで処理された信号の出力が最大になった時刻、すなわち、マッチドフィルタで処理された信号波形のピークの時刻を、送信信号の受信器への到達時刻として送信器と受信器との間の音波の伝播時間を検出する。
【0012】
このように、自己相関性を有する弁別性の高い疑似ランダム信号を計測音波とし、マッチドフィルタで処理することにより、送信信号である疑似ランダム信号の成分を、マッチドフィルタ処理後の信号波形において最大値として得ることができる。つまり、受信信号からの送信信号の弁別性が十分に高くなる。このため、高温かつ高外乱環境下での気体の流速の計測においても、正確な音波の伝播時間が得られ、流速の計測精度を向上することができる。
【0013】
さらに、疑似ランダム信号が、周波数20kHz以下のM系列(線形最大周期列)PRK(Phase Reverse Keying)信号であれば、優れた自己相関性を有し、受信信号からの送信信号の弁別性を高くできるので好ましい。
【0014】
また、周波数特性解析手段を備え、送信器から音波を送信していないときに受信器が受信した流路内の騒音を、周波数特性解析手段で解析し、解析された騒音の周波数特性に応じて、送信信号生成手段が、騒音が少ない周波数帯域内の周波数の信号を生成すれば、S/Nが大きくなり、送信信号波形と受信信号波形の弁別性を高くできるので好ましい。
【0015】
ところで、音響式流速計測装置の分解能は、計測音波の伝播時間の分解能、すなわち、受信した計測音波に応じた受信信号のサンプリング周期によって決定される。高温の気体の流速計測においては、計測音波の音速と空気の流速との間の速度差が大きく、空気が流れていない場合の計測音波の伝播時間と、求める空気の流速における計測音波の伝播時間との差がわずかなものである場合、計測音波のサンプリング周期が長いと、伝播時間の差、すなわち気体の流速を精度高く検出できなくなる。また、流速を計測する気体の流路の長さに制約がある場合、受信器と送信器の気体の流れ方向の設置間隔を短くしなければならず、気体の流れの方向と計測音波の伝播経路とのなす角度を大きくしなければならない場合がある。この場合、気体の流れの方向と計測音波の伝播経路とのなす角度が大きくなるにしたがって、計測音波の伝播経路の距離が短くなるため、気体が流れていない場合の計測音波の伝播時間と、求める気体の流速における計測音波の伝播時間との差が小さくなってしまう。こような場合にも計測音波のサンプリング周期が長いと、伝播時間の差を検出できなくなる。このとき、計測音波のサンプリング周期は、受信器で受信した計測音波に応じたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段のサンプリング周期に依存する。
【0016】
そこで、このアナログ/デジタル変換手段により一定時間間隔でサンプリングされたデジタル信号間を所定の周期で補間する補間処理手段を設け、この補間処理手段で補間された受信した音波に応じた信号と疑似ランダム信号との相関をマッチドフィルタでとる構成とする。このようにすれば、アナログ/デジタル変換手段でサンプリングされたデジタル信号間を補間処理手段が補間するので、アナログ/デジタル変換手段のサンプリング周期に依らず、必要とされる計測音波の伝播時間分解能を得ることができる。
【0017】
さらに、高温の気体の流路では、熱膨張によって流路の形状が変わり計測音波の伝播距離や伝播の角度などが変化する。このため、流路中の気体の温度によっては、伝播時間の計測における伝播距離や伝播の角度などの変化が流速計測の結果に影響して精度の高い流速計測が行えなくなる場合がある。
【0018】
そこで、送信器と受信器とを複数設け、送信器と受信器間の音波の伝播方向が気体の流れの方向に対して斜めに横切る第1の伝播経路と、送信器と受信器間の音波の伝播方向が気体の流れの方向に対してほぼ垂直に横切る第2の伝播経路とで音波を伝播させ、流速計算手段は、第1の伝播経路での音波の伝播時間と、第2の伝播経路での音波の伝播時間とに応じて第1の伝播経路の距離と第2の伝播経路の距離との比率を算出し、この比率に基づいて流路の熱膨張による第1の伝播経路の距離と、第1の伝播経路が気体の流れの方向となす角度とを補正し、該補正後の第1の伝播経路の距離と角度と第1の伝播経路での音波の伝播時間とに基づいて気体の流速を算出する構成とする。
【0019】
例えば、流路の補強構造などにより、第1の伝播経路は、熱膨張によって計測音波の伝播距離が変化し易く、第2の伝播経路は、熱膨張によって計測音波の伝播距離が変化し難い場合、流速計算手段は、この音波の伝播距離が変化し易い第1の伝播経路での音波の伝播時間と、熱膨張により計測音波の伝播距離が変化し難い第2の伝播経路での音波の伝播時間とに応じて第1の伝播経路の距離と第2の伝播経路の距離との比率を算出し、この比率に基づいて流路の熱膨張による第1の伝播経路の距離と、第1の伝播経路が気体の流れの方向となす角度とを補正し流速計測のための計測音波の伝播距離や、伝播経路が気体の流れ方向となす角度の気体流路の熱膨張による変化を補正できる。すなわち、気体の流速の計測精度を向上することができる。
【0020】
また、流速計算手段が、音波の伝播速度から温度を算出し、この算出した温度と、算出した気体の流速とに基づいて、気体の質量流量を算出する流量計算手段を備えていれば、質量流量を算出することができるので好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる音響式流速計測装置の基本構成及び実施形態について図を参照して説明する。なお、以下の基本構成及び実施形態は、火力発電所のボイラのバーナー用燃焼空気を供給する高温の空気が流れるダクトに設置した例について説明している。
【0022】
まず、本発明を適用してなる音響式流速計測装置の基本構成を図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる音響式流速計測装置の概略構成図である。図2は、M系列PRK信号波形を示す図である。図3は、M系列符号を示す図である。図4は、疑似ランダム信号の自己相関性を示す図である。図5は、受信信号波形とマッチドフィルタ処理後の信号の波形を示す図である。図6は、外乱信号の周波数とマッチドフィルタ処理後の信号のS/Nの関係を示す図である。なお、図2乃至図5において横軸は時間を表しているが、この時間の単位は、M系列PRK信号波形のキャリア周波数によって変わる。例えば、キャリア周波数をfとすれば、M系列PRK信号波形の周期Ts=1/fとなり、時間の単位は、f=1kHzのときはms、f=10kHzの場合には10−1msとなる。
【0023】
本基本構成の音響式流速計測装置のスピーカなどの送信器1とマイクなどの受信器3は、図1に示すように、火力発電所のボイラのバーナー用燃焼空気を供給するダクト5の対向する面に、空気の流れの方向7に対し、送信器1が上流側に、受信器3が下流側に、空気の流れの方向7と計測音波の伝播経路とのなす角度θが45度になるように取り付けられている。受信器3に対して、受信アンプ9とA/D変換器11が順次接続されている。流速計測制御装置13は、A/D変換器11に対して順次接続されるマッチドフィルタ15、伝播時間検出器17、及び流速演算器19、同じくA/D変換器11から順次接続される周波数特性解析器21及び送信信号生成器23などからなる。送信信号生成器23に対して、D/A変換器25、送信アンプ27、送信器1が順次接続されている。なお、流速計測制御装置13内の各機器は、図示していない刻時機構により同期がとられ、また、時間的制御がおこなわれている。
【0024】
このような構成の音響式流速計測装置の動作と本発明の特徴部について説明する。流速の計測を行っていないとき、すなわち、音波の送信を行っていないときに、流速計測時の外乱、すなわち雑音となるダクト5内の騒音を受信器3で受信し、周波数特性解析器21で、高速フーリエ変換(FFT)により、騒音の周波数特性、すなわち、各周波数毎の外乱信号のレベルを解析する。送信信号生成器23は、周波数特性解析器21の解析結果に応じて、ダクト5内の外乱信号のレベルが低いか、または、ほとんどない周波数帯域内の周波数、例えば、本実施形態では、3kHzの図2のようなM系列(線形最大周期列)PRK(Phase Reverse Keying)信号を生成する。M系列PRK信号は、疑似ランダム信号の一種であり、ディジタル信号である図3のようなM系列符号(1または-1)に正弦波を乗じて、M系列符号の立上がり、及び立下がりに応じてキャリアとなる正弦波の位相を反転させた信号波形、すなわち、図2のような波形を有する。ここで、図3のようなM系列符号をm(t)とすると、M系列PRK信号波形g(t)は、次式のようになる。
【0025】
【数1】
また、M系列PRK信号波形の自己相関係数Ra(τ)は、
【0026】
【数2】
となる。このとき、τは、M系列PRK信号波形g(t)の相関を分析するための波形のシフト時間である。図4に、式(2)による自己相関関数Ra(τ)の一例を示す。このように、疑似ランダム信号であるM系列PRK信号は、相関を求める信号波形同士にわずかでも位相差が有れば相関性はゼロに近く、位相が合致したときのみ高い相関性を示す。すなわち、優れた自己相関性を有している。
【0027】
このようなM系列PRK信号が、D/A変換器25でアナログ変換され、送信アンプ27で増幅されて送信器1より流速の計測音波として送信される。受信器3で受信した音波は、受信アンプ9で増幅され、A/D変換器11でデジタル変換され受信信号となる。なお、A/D変換器11は、所要の流速分解能に応じたサンプリング周期以下の短い周期でデジタル変換を行うことができるものであり、本基本構成では、1MHz、すなわち、1μsのサンプリング周期で変換を行っている。このため、受信信号は、パルス列ではなく、受信音波の波形に応じて忠
実に再現された受信信号波形となる。A/D変換器11から出力された受信信号波形は、マッチドフィルタ15に取り込まれて処理される。マッチドフィルタ15は、受信信号波形f(t)とM系列PRK信号波形、すなわち、送信信号波形g(t)との高速同期を行い、送信信号波形の自己相関性を利用して、次式により、受信信号中に含まれる送信信号を弁別するものである。
【0028】
【数3】
式(3)において、τは、受信信号波形f(t)と送信信号波形g(t)との相関を分析するためのシフト時間である。つまり、受信信号波形f(t)をA/D変換器11のサンプリング周期t秒(ts)刻みで時間をずらしながら、順次送信信号波形g(t)との相関をとって行く。受信信号波形f(t)と送信信号波形g(t)との位相が一致したとき、すなわち、受信信号波形f(t)と送信信号波形g(t)が同期したとき、マッチドフィルタ15の出力であるMf(τ)が最大となり、マッチドフィルタ15処理後の信号波形にピークが現れる。このピークを得たときのτが、送信器1から送信された計測音波の受信器3への到達時刻である。図5に受信器3で受信した音波に対応した受信信号波形31と、マッチドフィルタ15で処理した後の波形33を示す。伝播時間検出器17は、受信器3が受信を始めた時刻0、すなわち、計測音波の送信時刻0と波形33が最大になったピーク35の時刻、すなわち、計測音波の受信器3への到達時刻から、伝播時間37を求める。
【0029】
ここで、空気の平均流速をV、音速をVs、送信器1から受信器3への計測音波の伝播時間をt、また、図1のように、送信器1から受信器3までの距離をL、空気の流れの方向7に対する流速計測計測音波の伝播方向、すなわち、送信器1と受信器3を結んだ線のなす角をθとすると、
【0030】
【数4】
となる。よって、式(4)より、流速Vは、
【0031】
【数5】
となる。流速演算器19は、式(5)により、求められた伝播時間37から空気の流速を算出する。
【0032】
ところで、もし、流速の計測を行う流路内の外乱信号と、送信信号の周波数が近ければ、弁別性の高いM系列PRK信号を送信信号として用いても、図6に示すように、S/Nは低くなる。図6の横軸は、送信信号であるM系列PRK信号の周波数に対する外乱信号の周波数の比を示し、縦軸は、送信信号の伝播時刻におけるマッチドフィルタ処理後の信号レベルと、それ以外の時刻のマッチドフィルタ処理後の信号との比をS/N示している。送信信号に対する外乱信号の振幅比が0.5の場合(39)、送信信号に対する外乱信号の振幅比が1.0の場合(41)、送信信号に対する外乱信号の振幅比が2.0の場合(43)のいずれの場合においても、送信信号の周波数の近辺に外乱信号が存在するとS/Nが低下する。特に外乱信号のレベルが送信信号よりも高い場合には、S/Nが1を下回る場合もあり、正確な伝播時間の検出ができなくなる恐れがある。このため、本基本構成では、ダクト5内の騒音の周波数特性、すなわち、各周波数毎の外乱信号のレベルを解析して、外乱信号のレベルが低いか、または、ほとんどない周波数帯域内の周波数の送信信号を生成するようにしている。
【0033】
このように、送信信号生成器23により生成された優れた自己相関性を有する疑似ランダム信号であるM系列PRK信号を計測音波として用い、かつ、マッチドフィルタ15で処理することにより、高温度かつ高外乱環境下においても、受信信号に含まれる外乱信号と送信信号を明確に弁別することができる。さらに、周波数特性解析器により、外乱の周波数特性を解析し、外乱信号のレベルが低いか、または、ほとんどない周波数帯域内の周波数の送信信号を送信信号生成器が生成するため、高いS/Nが得られ、外乱の影響の大きい場所での使用においても、確実に送信信号を弁別することができる。すなわち、計測音波の送信器1から受信器3への正確な伝播時間37が得られるため、気体の流速の計測精度を向上することができる。
【0034】
また、本基本構成のように火力発電所のダクトなどに送信器1と受信器3を取り付ける場合、送信器1と受信器3が直接流路内の気体に接していると、ダクト内の灰粒子の影響を受ける。このため、送信器1と受信器3には、灰粒子を吹き飛ばして除去するためのエアパージ装置などが設けられている。この場合、流速計測中にエアのパージを行うと、パージ音が外乱要因となる。しかし、本発明を適用してなる音響式流速計測装置では、送信信号の弁別性が高いため、パージ装置が設けられている場合でも、精度高く流速を計測することができる。さらに、送信器1と受信器3に灰粒子の付着や堆積を防ぐための保護カバーなどが設けられている場合、保護カバーなどにより計測音波が減衰する恐れがあるが、本発明を適用すれば、精度高く流速を計測することができる。
【0035】
本基本構成では、ダクト5の対向する面の上流側と下流側に、各々、送信器1と受信器3を設けたが、同一側面の上流側と下流側に、各々、送信器1と受信器3を設け、ダクト5内での計測音波の反射を利用して測定するようにしてもよい。
【0036】
また、本基本構成では、空気の流れの方向7と計測音波の伝播方向のなす角度θが45度になるように送信器1と受信器3を取り付けたが、θは、流速を計測する対象となる気体の性質などの諸条件に応じて適宜変えることもできる。
【0037】
また、本基本構成では、周波数特性解析器21により、外乱の周波数特性に応じて送信信号の周波数を自動的に決めるようにしたが、流速の計測環境に応じて周波数特性解析器21を設けない構成としてもよい。例えば、外乱信号の変化が少ない計測場所では、流速計測を行う場所の外乱信号の周波数特性を予め調べておき、これに応じて決定した周波数を手入力などにより送信信号生成器に設定し、この周波数の信号を常時用いるようにしてもよい。
【0038】
また、本基本構成では、優れた自己相関を有する疑似ランダム信号としてM系列PRK信号を用いたが、本発明は、これに限らず、他の疑似ランダム信号を用いてもよい。
【0039】
また、本基本構成では、3kHzのM系列PRK信号を用いたが、本発明を適用すれば、従来は減衰が大きいために用いることのできなかった3kHzよりも高い超音波周波数帯域の信号を用いても、流速の計測を行うことができる。
【0040】
次に、本発明を適用してなる音響式流速計測装置の実施形態について図7乃至図11を参照して説明する。図7は、本発明を適用してなる音響式流速計測装置の概略構成図である。図8は、流速によって生じる伝播時間の差と被計測流体の温度及び伝播経路のなす角度との関係を示す図である。図9は、受信信号の補間処理後の波形の一部を示す図である。図10は、補間処理による伝播時間検出誤差を示す図である。図11は、補間処理によるS/Nの変化を示す図である。なお、本実施形態では、上述の基本構成と同一のものには同じ符号を付して説明を省略し、基本構成と相違する構成及び特徴部などについて説明する。また、図9では、基本構成の図5に示した受信信号波形31に相当する波形の一部を示したものである。
【0041】
本実施形態が上述の基本構成と相違する点は、2つの異なる伝播経路で音波の伝播時間の計測を行なうこと、流速計測制御装置19がA/D変換器からの受信信号のサンプリング周期間のデータを補間し、さらに質量流量を算出するようにしたことなどである。すなわち、図7に示すように、スピーカとマイクを1つのユニットにした送受信器45と47が、ダクト5の対向する面に、空気の流れの方向に対して送受信器45が上流側に、送受信器47が下流側に、かつ空気の流れの方向7と送受信器45と47間の計測音波の伝播経路とのなす角度θが、常温において60度になるように取り付けられている。また、ダクト5の下流側の送受信器47に対向する位置には、マイクなどの受信器49が取り付けられている。すなわち、空気の流れの方向7と送受信器47と受信器49との間の計測音波の伝播経路とがほぼ垂直に交わるようになっている。本実施形態の流速計測制御装置51は、A/D変換器11とマッチドフィルタ15の間に接続された補間処理部53、流速演算器19の後段に接続された流量演算器55などを備えている。
【0042】
ところで、計測音波のサンプリング周期は、A/D変換器11のサンプリング周期によって制限される。通常のA/D変換器の最小サンプリング周期は、上述の基本構成で説明したように1MHz、すなわち、1μs程度である。この計測音波のサンプリング周期によって計測音波の伝播時間分解能が決まってくる。計測音波の伝播時間は、基本構成において説明した式(2)により、計測音波の音速に作用する空気の流速の影響に基づいて算出されるが、本実施形態のダクト5のような高温の空気が流れる箇所では、例えば、ダクト5内の温度が約400℃の場合、音速は、約520m/sに達するのに対し、空気の流速は最大でも数十m/s程度であるため、温度計測音波の音速と空気の流速との間の速度差が大きい。このため、空気が流れていない場合の計測音波の伝播時間と、求める空気の流速における計測音波の伝播時間との差がわずかなものとなり、計測音波のサンプリング周期が長いと、伝播時間の差、すなわち気体の流速を精度高く検出できなくなる場合がある。
【0043】
さらに、空気の流れの方向7方向へのダクト5の長さに制約がある場合、受信器と送信器などの設置位置の空気の流れの方向7に沿う方向の間隔を短くしなければならない場合がある。すなわち、空気の流れの方向7と計測音波の伝播経路とのなす角度θを大きくしなければならない場合がある。この場合、角度θが大きくなるにしたがって、計測音波の伝播経路の距離Lが短くなるため、空気が流れていないときの計測音波の伝播時間と、求める空気の流速における計測音波の伝播時間との差が小さくなってしまう。こような場合にも計測音波のサンプリング周期が長いと、伝播時間の差を検出できなくなる。
【0044】
例えば、図8に示すように、角度θが45度で空気の温度が400℃の場合には、空気の流速が0.1m/sの場合の計測音波の伝播時間と、空気が流れていない場合の計測音波の伝播時間との差が1μs程度であり、通常のA/D変換器の最小サンプリング周期であれば検出可能である。しかし、同様の温度において、角度θが60度になると、空気の流速が0.1m/sの場合の計測音波の伝播時間と、空気が流れていない場合の計測音波の伝播時間との差は0.5μs程度となり、通常のA/D変換器の最小サンプリング周期では検出することができない。さらに、角度θが75度になると、空気の流速が0.3m/sで、計測音波の伝播時間の差は1μs以下となり、また、同様の角度で空気の温度が1000℃になると、空気の流速が0.6m/sで、計測音波の伝播時間の差は1μs以下となる。このように、空気の流れの方向7と計測音波の伝播経路とのなす角度θを大きくしなければならない場合、さらに、流速の計測を行なう気体などの温度が高い場合などでは、通常のA/D変換器によるサンプリング周期では計測音波の伝播時間の十分な分解能が得られなくなる。
【0045】
このような条件下での流速計測において、安定した計測音波の伝播時間の分解能を得るための余裕を考慮すると、十MHzから数百MHz程度のサンプリング周期を有するA/D変換器が必要になる。このようなサンプリング周期を有するA/D変換器としては、並列比較型、または並列比較型と逐次比較型とを組み合わせたA/D変換器などを用いることが考えられるが、このようなA/D変換器は研究用、試験用計測器としては用いられているが、工業用計器として用いるにはコストが高いので好ましくない。
【0046】
したがって、本実施形態では、A/D変換器11で1μs周期でサンプリングした受信信号を補間処理部53で補間している。すなわち、送信信号生成器23で生成された、図2に示すような、M系列PRK信号がD/A変換器25と送信アンプ27を順次介して送受信器45、47に送られ、ダクト5内に計測音波を送信する。送受信器47より発せられた計測音波は、ダクト5内を伝播し、送受信器45と受信器49で受信される。また、送受信器45より発せられた計測音波は、ダクト5内を伝播し、送受信器47で受信される。送受信器45、47と受信器49で受信された音波は、受信アンプ9とA/D変換器11を順次介して受信信号となり、補間処理部53に入力される。
【0047】
補間処理部53は、図9に示すように、A/D変換器11で1μsのサンプリング周期でサンプリングした受信信号の実サンプリングデータ(図中●で示す)の間を、A/D変換器11のサンプリング周期の1/8の周期で、逐次曲線近似、例えば図9では多項式近似を行なうことにより受信信号のデータを補間(図中○で示す)している。このようにして補間処理部53で補間された受信信号波形54は、上述の基本構成と同様にマッチドフィルタ15に取り込まれて処理され、計測音波の伝播時間が伝播時間検出器17で求められる。
【0048】
ここで、実サンプリング周期0.2μsから1.6μsでサンプリングされた受信信号を補間処理部53で0.1μs周期で補間した受信信号波形の場合と、実サンプリング周期10MHz、つまり0.1μsでサンプリングした受信信号波形の場合の伝播時間検出性能を比較した。その結果、図10に示すように、各サンプリング時間において補間して得られた伝播時間と、実サンプリング周期0.1μsでの伝播時間との差は、ほとんど無い。つまり、A/D変換器11でサンプリング周期1μsでサンプリングした受信信号を補間処理部53で補間した受信信号波形を用いれば、実サンプリング周期0.1μsでサンプリングした受信信号波形とほぼ同等の伝播時間検出性能を得ることができる。さらに、補間して得られた受信信号波形と、実サンプリング周期0.1μsで得られた受信信号波形とのS/N比較でも、図11に示すように、A/D変換器11でサンプリング周期1μsでサンプリングした受信信号を補間処理部53で補間した受信信号波形を用いれば、実サンプリング周期0.1μsでサンプリングした受信信号波形とほぼ同等の伝播時間検出性能を得ることができる。
【0049】
一方、高温のガスが流れる流路、例えば、約400℃の空気が流れるダクト5や、1000℃から1400℃のガスが流れる火炉出口部などでは、熱膨張によって流路の形状が変わり計測音波の伝播距離Lや伝播の角度θなどが変化する。このため、流路中の気体の温度によっては、計測音波の伝播時間の計測における伝播距離Lや伝播の角度θなどの変化の影響を無視できなくなる場合がある。
【0050】
このため、本実施形態では、計測音波の伝播経路と空気の流れの方向7とが角度θで斜めに交わるように送受信器45と47とを取り付けて双方向に送受信ができるようにし、さらに、流速を計測するための送受信器45と47とは別に、受信器49が、ダクト5の送受信器47に対向する位置に、送受信器47と受信器49との間の計測音波の伝播経路と空気の流れの方向7とがほぼ垂直に交わるように取り付けられている。そして、下流側の送受信器47から上流側の送受信器45への計測音波の伝播時間t1、上流側の送受信器45から下流側の送受信器47への計測音波の伝播時間t2、下流側の送受信器47から受信器49への計測音波の伝播時間t3を計測している。このとき、送受信器45と47との間の計測音波の伝播距離をL、送受信器47と受信器49との間の計測音波の伝播距離をD、ダクト5内の温度をTgとすると、伝播時間t1、t2、t3は、次式のようになる。
【0051】
【数6】
【0052】
【数7】
【0053】
【数8】
これらの式(6)、(7)、(8)より、
【0054】
【数9】
【0055】
【数10】
となる。式(9)、(10)より角度θは、
【0056】
【数11】
となり、この式(11)により、計測音波の伝播時間から角度θを算出することができる。
【0057】
また、伝搬距離Lは、次式(12)、
【0058】
【数12】
の関係にあるが、伝播距離Dは、厳密には既知でない。しかし、ダクト5のような一般的なガス流路の構造を考慮すると、断面方向にはアングル材などの様々なサポートが施され、熱膨張などに対して拘束されているのに対して、流路中の気体の流れの方向、すなわち流路の長さ方向は熱膨張などに対して拘束されていない。拘束されていない長さ方向への熱膨張による伸縮に比べ、拘束されている流路の断面方向の伸縮の影響は無視できるレベルである。したがって、伝播距離Dを定数Dcとして、式(11)から算出した伝播角度θとから、次式(13)、
【0059】
【数13】
により、伝播距離Lの熱膨張による影響を補正することができる。
【0060】
すなわち、本実施形態では、送受信器45、47、受信器49での受信音波に対応する補間された各々の受信信号に対するマッチドフィルタ15処理後の信号波形のピークに基づいて、伝播時間検出器17で各々の伝播時間t1、t2、t3が得られる。この伝播時間t1、t2、t3より、流速演算器19が、式(11)と式(13)とにより、熱膨張の影響を補正した角度θと伝播距離Lとが得られる。さらに、この補正された角度θと伝播距離Lを用いて、前述の式(6)、式(7)より、
【0061】
【数14】
【0062】
【数15】
となる。式(14)より、流速Vは、次式(16)、
【0063】
【数16】
から算出される。さらに、式(15)より、音速Vsは、次式(17)、
【0064】
【数17】
となる。一方、音速Vsと温度Tgの関係は、次式(18)、
【0065】
【数18】
であるため、式(17)と式(18)により温度Tgが算出される。なお、式(18)において、αは音速定数であり、空気の場合はα≒20である。流量演算器55では、式(17)と式(18)により得られた温度Tgに基づき、流体密度の補正を行ない質量流量を算出する。
【0066】
このように、本実施形態の音響式流速計測装置では、流量計測制御装置51が補間処理部53を有しているため、A/D変換器11のサンプリング周期に依らず、必要とされる計測音波の伝播時間分解能を得ることができる。すなわち、気体の流速の測定精度を向上することができる。
【0067】
さらに、本実施形態の音響式流速計測装置では、流速計測のための計測音波の伝播距離Lや伝播経路の角度θのダクト5の熱膨張による変化を補正できる。すなわち、気体の流速の測定精度を向上することができる。また、本実施形態では、流速演算器19が温度を算出し、流量演算器55を備えているため、流速Vと温度Tgにより質量流量を算出することができる。なお、本実施形態では、流量演算器55を備えているが、質量流量を算出しない場合には、流量演算器55を備えていなくてもよい。
【0068】
さらに、本実施形態の流量計測制御装置51を上述の基本構成の音響式流速計測装置に設ければ、A/D変換器11のサンプリング周期に依らず、必要とされる計測音波の伝播時間分解能を得ることができる。また、本実施形態の送受信器45、47と受信器49を基本構成の音響式流速計測装置に設ければ、基本構成においても、計測音波の伝播距離Lや伝播経路の角度θのダクト5の熱膨張による変化を補正できる。
【0069】
また、上述の基本構成及び本実施形態では、火力発電所のボイラのバーナ燃焼用空気供給ダクト5に本発明を適用してなる音響式流速計測装置を取り付けたが、これに限らず、本発明は、様々な管路を通流する気体の流速の計測に適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、気体の流速の計測精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用してなる音響式流速計測装置の基本構成の概略構成図である。
【図2】自己相関性を有するM系列PRK信号の波形を示す図である。
【図3】M系列符号を示す図である。
【図4】疑似ランダム信号の自己相関性を示す図である。
【図5】受信信号の波形とマッチドフィルタ処理後の信号の波形を示す図である。
【図6】外乱信号の周波数とマッチドフィルタ処理後の信号のS/Nの関係を示す図である。
【図7】 本発明を適用してなる音響式流速計測装置の実施形態の概略構成図である。
【図8】流れが無い状態に対する各流速毎に生じる伝播時間の差と被計測流体の温度及び伝播経路のなす角度との関係を示す図である。
【図9】サンプリングした受信信号の補間処理後の受信信号波形の一部を示す図である。
【図10】補間処理による伝播時間検出誤差を示す図である。
【図11】補間処理によるS/Nの変化を示す図である。
【符号の説明】
1 送信器
3,49 受信器
5 ダクト
7 流れの方向
9 受信アンプ
11 A/D変換器
13,51 流速計測制御装置
15 マッチドフィルタ
17 伝播時間検出器
19 流速演算器
21 周波数特性解析器
23 送信信号生成器
25 D/A変換器
27 送信アンプ
31 受信信号波形
33 マッチドフィルタ処理後の波形
35 ピーク
37 伝播時間
45,47 送受信器
53 補間処理部
55 流量演算器
L スピーカとマイクの距離
θ 空気の流れの方向と音波の伝播方向のなす角度
Claims (4)
- 気体の流路に臨ませて異なる位置に配置する複数の送信器及び受信器と、自己相関性を有する疑似ランダム信号を生成し、該疑似ランダム信号に応じて前記各送信器より前記気体の流れの方向に対して斜めに横切る第1の伝播経路と、前記気体の流れの方向に対してほぼ垂直に横切る第2の伝播経路とに音波を伝播させる送信信号生成手段と、前記各受信器で受信した音波に応じた信号と前記疑似ランダム信号との相関をとり、前記各受信器で受信した音波に応じた信号と前記疑似ランダム信号との位相が一致したときに最大値を出力するマッチドフィルタと、前記最大値を得た時刻から第1の伝播経路での前記音波の伝播時間と、前記第2の伝播経路での前記音波の伝播時間とを検出して前記気体の流速を算出する流速計算手段と、周波数特性解析手段とを備え、前記周波数特性解析手段は、前記送信器から音波を送信していないときに前記受信器が受信した前記流路内の騒音の周波数特性を解析し、前記送信信号生成手段は、解析された騒音の周波数特性に応じて騒音が少ない周波数帯域内の周波数の信号を用いて前記疑似ランダム信号を生成し、前記流速計測手段は、前記検出結果に応じて前記第1の伝播経路の距離と前記第2の伝播経路の距離との比率を算出し、該比率に基づいて前記流路の熱膨張による前記第1の伝播経路の距離と、前記第1の伝播経路が前記気体の流れの方向となす角度とを補正し、該補正後の前記第1の伝播経路の距離と前記角度と前記第1の伝播経路での前記音波の伝播時間とに基づいて前記気体の流速を算出することを特徴とする音響式流速計測装置。
- 前記疑似ランダム信号が、周波数20kHz以下のM系列PRK信号であることを特徴とする請求項1に記載の音響式流速計測装置。
- 前記受信器で受信した音波に応じた信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、該アナログ/デジタル変換手段により一定時間間隔でサンプリングされた前記デジタル信号間を所定の周期で補間する補間処理手段とを備え、該補間処理手段で補間された前記受信した音波に応じた信号と前記疑似ランダム信号との相関を前記マッチドフィルタでとることを特徴とする請求項1又は2に記載の音響式流速計測装置。
- 前記流速計算手段が、前記音波の伝播速度から温度を算出し、該算出した温度と、前記算出した前記気体の流速とに基づいて、前記気体の質量流量を算出する流量計算手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の音響式流速計測装置。
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