JP4904099B2 - パルス状信号の伝搬時間測定装置及び超音波式流量測定装置 - Google Patents

パルス状信号の伝搬時間測定装置及び超音波式流量測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、パルス状の超音波等のパルス状信号が気体、液体、固体等の媒質中を伝搬するのに要する時間を測定する伝搬時間測定装置、かかるパルス状信号の伝搬時間に基づいて液体や気体の流速等の物理量を測定する物理量測定装置、及びかかる伝搬時間測定装置及び物理量測定装置を超音波式流量測定に適用した超音波式流量測定装置に関する。
パルス状信号を受信してその伝搬時間を測定し、それに基づいて既知の関係式により物理量を評価ないしは測定することが広く知られている。例えば、流体の流速を求める方法の一つである超音波伝搬時間差法では、流れに沿う方向及びその逆方向に超音波を発信し、それら二つの方向での超音波の伝搬時間から既知の関係式に基づいて伝搬経路上での平均流速を求める。また、超音波の発信位置と受信位置の物理的距離Lと音速Cのうち一方が既知で他方が未知である場合、ある音源からパルス状信号を送信し、そのパルス状信号が受信されるまでの伝搬時間Tを計測すれば、L=C×Tの関係式に基づいて未知量を評価できる。
パルス状信号の伝搬時間に基づく物理量の測定では、パルス状信号の伝搬時間の正確な計測が不可欠である。パルス状信号の送信タイミングは通常は測定者により与えられ既知であるので、伝搬時間の正確な計測は受信タイミング、すなわち受信したパルス状信号の時間軸上の受信位置を正確に評価ないしは測定することに帰結する。
一般に、パルス状信号の時間軸上の受信位置の測定に関し、信号振幅に対する閾値を設け、受信信号が閾値を超えた時点、あるいはその前後のゼロクロス点を受信位置とする方法(閾値法)と、ある基準波形との相互相関係数の変化から受信位置を求める方法(相互相関法)が知られている。
しかし、パルス状信号の送信波形が同一であっても、パルス状信号が伝搬する媒質の状態や周囲の環境により受信波形は様々な形状に変化する。従って、閾値法では、ある一定の閾値を超える振幅が発生するタイミングは受信波形内で相対的に変化する可能性があり、それによって伝搬時間評価に誤差が生じる。例えば、受信波形が図7(A),(B)に示すように変化する場合、図7(A)に示す波形と図7(B)に示す波形では一定の閾値THを超える振幅が発生するタイミングは1波分異なる(符号a,a’参照)。これに対し、特許文献1に記載の方法では、2つのほぼ連続するパルス状信号を受信し、1個目の受信波形の最大振幅に基づいて閾値を調整し、2個目の波形がその閾値を超える時点に基づいて伝搬時間を決定している。しかし、かかる閾値調整を行っても時系列的に見て受信波形の波形形状が安定しない限り、閾値を超える時点はやはり受信波形内で相対的に変化するので、正確な伝搬時間評価はなされない。また、相互相関法については、様々に変化する受信波形形状に対応する適切な基準波形を定めることは困難であり、相関係数の最大値等で規定した受信位置も受信波形内で相対的に変化することが容易に推察される。
特開2003−14515号公報
本発明は、高精度でのパルス状信号の伝搬時間の測定を実現することを課題とする。また、本発明は、さらに、本発明は高精度での流量計測を実現することを課題とする。
第1の発明は、発信器(1A,1B)から発信されたパルス状信号が媒質中を伝搬して受信器(1A,1B)に到達するまでの伝搬時間(T,T)を測定するパルス状信号の伝搬時間測定装置であって、前記受信器で受信された波形を記憶する記憶手段(16)と、前記記憶手段に記憶された前記波形から前記パルス状信号の受信波形(32)の時間軸上での概略位置を算出する概略位置算出手段(S3−1)と、前記概略位置算出手段(S3−1)で算出された前記時間軸上の前記概略位置から前記受信波形のピーク(PN−2,PN−1,P,PN+1)を前記時間軸を遡って順次検出し、かつ検出した前記ピークを予め定められたノイズレベル範囲(NLR)と比較し、前記ノイズレベル範囲を最初に下回った前記ピーク(PN+1)とその直前の前記ノイズレベル範囲を上回る前記ピーク(P)との間において前記受信波形がバッグラウンドノイズの平均値であるノイズレベル(NL)と交差する点であるゼロクロス点を前記パルス状信号の前記時間軸上の受信位置(t)と判定する第1の判定手段(S3−3)と、前記発信器から前記パルス状信号が発信された時間軸上の送信位置(t)と前記受信位置とから前記伝搬時間を算出する伝搬時間算出手段(S3−6)とを備えることを特徴とするパルス状信号の伝搬時間測定装置を提供する。
第1の判定手段は、受信器で受信される信号の信号レベルによらずパルス状信号の受信波形の時間軸上の受信位置を高精度で判定できる。従って、伝搬時間算出手段はパルス状信号の送信位置と受信位置からパルス状信号の正確な伝搬時間を算出できる。
より高精度で受信位置を判定するには、前記ノイズレベル範囲(NLR)を最初に下回った前記ピーク(PN+1)の直前の前記ピーク(P)とさらにその直前の前記ピーク(PN−1)との間の時間間隔(δt)が、前記発信器(2A,2B)から発信されるパルス状信号の波長(λ)の1/2から予め定められた範囲外であれば、前記ノイズレベル範囲を最初に下回った前記ピーク(PN+1)の直前の前記ピーク(P)とさらにその直前の前記ピーク(PN−1)との間の前記ゼロクロス点を前記パルス状信号の前記時間軸上の受信位置(t’)と判定する第2の判定手段(S3−4)をさらに備えることが好ましい。
また、より高精度に受信位置を判定するには、前記第1の判定手段(S3−3)及び前記第2の判定手段(S3−4)で判定された前記パルス状信号の前記時間軸上の前記受信位置(t,t’)から前記時間軸上を予め定められた期間(N)だけ遡った範囲内に前記ノイズレベル範囲(NLR)を上回るピーク(P’)があれば、前記第1の判定手段(S3−3)及び前記第2の判定手段(S3−4)にそのピーク位置(P’)から前記時間軸を遡って前記受信位置(t,t’)の判定を再度実行させる再判定手段(S3−5)をさらに備えることが好ましい。
前記ノイズレベル(NL)及び前記ノイズレベル範囲(NLR)は、前記受信波形(32)を含まない程度に前記概略位置よりも以前の前記受信器で検出される信号レベルに基づいて算出することが好ましい。これによって受信ゲインの変動等による信号レベルの変化に対してノイズレベルの変動を自己補償することができ、より構成の伝搬時間の測定が可能となる。
第2の発明は、 水路(1)の両側に配置された一対の超音波プローブ(2A,2B)のうちの一方から発信された超音波のパルス状信号が前記水路を流れる流水中を伝播して他方の超音波プローブに到達するまでの伝搬時間(T,T)に基づいて、前記水路を流れる流水の流量を測定する超音波式流量測定装置であって、前記超音波プローブで受信された波形を記憶する記憶手段(16)と、前記記憶手段に記憶された前記波形から前記パルス状信号の受信波形(32)の時間軸上での概略位置を算出する概略位置算出手段(S3−1)と、前記概略位置算出手段で算出された前記時間軸上の前記概略位置から前記受信波形のピーク(PN−2,PN−1,P,PN+1)を前記時間軸を遡って順次検出し、かつ検出した前記ピークを予め定められたノイズレベル範囲(NLR)と比較し、前記ノイズレベル範囲を最初に下回った前記ピーク(PN+1)とその直前の前記ノイズレベル範囲を上回る前記ピーク(P)との間において前記受信波形がバックグラウンドノイズの平均値であるノイズレベル(NL)と交差する点であるゼロクロス点を前記パルス状信号の前記時間軸上の受信位置(t)と判定する判定手段(S3−3)と、前記パルス状信号が発信された時間軸上の送信位置(t)と、前記判定手段で判定された前記受信位置とから前記伝搬時間を算出する伝搬時間算出手段(S3−6)と、前記伝搬時間算出手段で算出された前記伝搬時間に基づいて流速の測定値(V)を算出する流速算出手段(18)と、前記流速算出手段で算出された前記流速の測定値(V)に基づいて流量(Q)を算出する流量算出手段(21)とを備えることを特徴とする超音波式流量測定装置を提供する。
受信側の超音波プローブで受信される超音波の信号レベルによらず、発信側の超音波プローブから発信された超音波のパルス状信号が水中を電波して受信側の超音波プローブに到達するまでの伝搬時間を正確に測定し、それに基づいて高精度での流量測定が可能である。
第1の発明のパルス状信号の伝搬時間測定装置によれば、受信器で受信される信号の信号レベルによらず、発信器から発信されたパルス状信号が媒質中を伝搬して受信器に到達するまでの伝搬時間を正確に測定できる。また、第2の発明の超音波式流量測定装置によれば、伝搬時間を正確に測定し、それに基づいて高精度での流量測定を行うことができる。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る超音波式流量測定装置を示す。この超音波式流量測定装置は、開水路1の両岸に配置された一対の超音波プローブ2A,2Bと、これらの超音波プローブ2A,2Bによる超音波の発信及び受信の制御と、各種の演算を含む流量測定のための処理を実行する処理装置3とを備える。
超音波プローブ2A,2Bは、超音波の発信及び受信を行うためのピエゾ素子を備えている。超音波プローブ2A,2Bは開水路1中の流水の流れ方向Fに対して直角でない角度θをなすように対向して配置されている。超音波プローブ2Aが上流側に位置し、超音波プローブ2Bが下流側に位置している。また、超音波プローブ2A,2Bは、川底から同一の高さに配置されている。
処理装置3は、周知のオシロスコープ、パーソナルコンピュータ、各種電気・電子回路により構成され、パルス発生部11、タイマ12、増幅器13、A/D変換器14、サンプリング回路15、メモリ16、伝搬時間算出部17、流速計算部18、及び流量算出部21を備える。
パルス発生部11は、ピエゾ素子を駆動するためのパルス電圧を発信側の超音波プローブ2A,2Bに印加し、超音波のパルス状信号を超音波プローブ2A,2Bに発信させる。超音波プローブ2A,2Bからパルス状信号が発信された時間軸上の位置である送信位置tがタイマ12により計時される。超音波プローブ2A,2Bのうちの一方から発信されたパルス状信号は開水路1中の流水を伝搬して超音波プローブ2A,2Bのうちの他方に到達する。図4に示すように、超音波プローブ2A,2Bのうちの一方から発信されるパルス状信号の送信波形31は本実施形態では矩形波形である。超音波プローブ2A,2Bのうちの他方に到達したパルス状信号の受信波形32は流水中を伝搬する間に大きく変化する。
図4を参照すると、前述の送信位置tと発信されたパルス状信号が受信側の超音波プローブ2A,2Bで受信される時間軸上の位置である受信位置tとの時間間隔が2つの超音波プローブ2A,2B間をパルス状信号が伝搬するのに要した伝搬時間T,Tである。伝搬時間T,Tについて、添字「+」は上流側の超音波プローブ2Aから下流側の超音波プローブ2Bへ向かうパルス状信号の伝搬時間(流れ方向Fに沿う方向の伝搬時間)であることを示し、添字「−」は下流側の超音波プローブ2Bから上流側の超音波プローブ2Aへ向かうパルス状信号の伝搬時間(流れ方向Fとは逆方向の伝搬時間)であることを示す。
増幅器13は受信側の超音波プローブ2A,2Bの出力するアナログ信号を増幅し、A/D変換器14は増幅されたアナログ信号をA/D変換する。サンプリング回路15はデジタル化された信号のサンプリングを行い、メモリ16はサンプリング回路15でサンプリングされた受信信号を記憶する。従って、メモリ16には受信側の超音波プローブ2A,2Bで受信された波形が記憶される。伝搬時間算出部17はメモリ16に記憶された波形からパルス状信号の受信波形の受信位置tを判定し、さらに判定した受信位置tと前述の送信位置tとから伝搬時間T,Tを計算する。流速計算部18は伝搬時間計算部17で計算された伝搬時間T,Tから開水路1の流速の測定値Vを計算する。流量計算部21は流速の測定値Vから開水路1の流量Qを計算する。
図2及び図3のフローチャートを参照して本実施形態の超音波式流量測定装置による流量測定について説明する。
流速測定は図2に示す手順で実行される。ステップS2−1,S2−2は伝搬時間Tを得るための処理である。まず、ステップS2−1において、上流側の超音波プローブ2Aから発信された超音波のパルス状信号を下流側の超音波プローブ2Bで受信し、メモリ16に記憶する。次に、ステップS2−2において伝搬時間算出部17が超音波プローブ2Bで受信した波形に基づいて、伝搬時間Tを判定する。ステップS2−3,S2−4は伝搬時間Tを得るための処理である。まず、ステップS2−3において、下流側の超音波プローブ2Bから発信された超音波のパルス状信号を上流側の超音波プローブ2Aで受信し、メモリ16に記憶する。次に、ステップS2−4において伝搬時間算出部17が超音波プローブ2Bで受信した波形に基づいて、伝搬時間Tを判定する。最後に、ステップS2−5において、流速計算部20が下記の式(1)に基づいて伝搬時間T,Tから流速の測定値Vを算出する。
Figure 0004904099
図2のステップS2−2,S2−4の伝搬時間T,Tの判定は、図3に示す手順で実行される。まず、ステップS3−1において、相互相関法や閾値法によりメモリ16に記憶された波形からパルス状信号の受信波形32の時間軸上の概ねの位置(概略位置)を算出する。
次に、ステップS3−2において、ノイズレベルNLを設定する。詳細には、受信波形32の信号を含まないとみなせる程度にステップS3−1で算出した受信波形32の概略位置よりも十分前の一定期間(ノイズ区間)における信号レベル(バッグラウンドノイズ)の平均値をノイズレベルNLとする。また、ノイズレベルNLに対してノイズ区間での信号レベルの標準偏差σのm倍(mは正の実数である。)でノイズレベルNLを増減した範囲、すなわちNL+mσからNL−mσの範囲をノイズレベル範囲NLRとする。なお、ノイズ区間における信号レベルの経時的にあまり変化しないと想定できる場合には、ある一定値をノイズレベルNLとして規定してもよい。
次に、ステップS3−3においてピークサーチにより受信波形32の時間軸上の受信位置tの判定を行う。具体的には、ステップS3−1で算出された時間軸上の概略位置から超音波プローブ2A,2Bで受信された波形(受信波形32)のピークを時間軸を遡って順次検出する。例えば、受信波形32が図5に示すような波形である場合、受信波形32のピークPN−2,PN−1,P,PN+1がこの順で順次検出される。図5において点線の矢印A1はピークサーチの順序を概念的に示している。この受信波形32のピークの検出には、極大点及び極小点等を用いる方法や、ゼロクロス点(受信波形32がノイズレベルNLと交差する点)を用いる方法等がある。また、単に受信波形32のピークを検出するだけでなく、検出したピークをノイズレベル範囲NLRと比較する。図5の例では、ピークPN−2,PN−1,Pはいずれもノイズレベル範囲NLRを上回るが、時間軸上でピークPよりも1つ遡ったピークPN+1はノイズレベル範囲NLRを下回る。換言すれば、時間軸を遡ってピークPN−2,PN−1,P,PN+1・・・を順次検出していくと、ピークPN+1が最初にノイズレベル範囲NLRを下回る。この時間軸を遡ってピークを検出していく過程で最初にノイズレベル範囲NLRを下回ったピークと、その直前のノイズレベル範囲NLRを上回っているピークとの間のゼロクロス点が受信波形32の時間軸上の受信位置tとして判定される。図5の例では、最初にノイズレベル範囲NLRを下回るのはピークPN+1であるので、このピークPN+1とその直前のノイズレベル範囲NLRを上回っているピークPとの間のゼロクロス点が受信波形32の時間軸上の受信位置tであると判定される。時間軸を遡ったピークサーチと、検出したピークとノイズレベル範囲NLRとの比較に基づいて受信位置tを判定することにより、受信される信号の信号レベルによらずパルス状信号の受信波形32の時間軸上の受信位置tを高精度で判定できる。また、前述のようにバックグラウンドノイズレベルに基づいてノイズレベルNL及びノイズレベル範囲NLRを算出しているので、受信ゲインの変動等による信号レベルの変化に対してノイズレベルの変動を自己補償することができ、これの点でも高精度の判定が可能である。なお、ノイズレベルNL及びノイズレベル範囲NRLは、本実施形態のものに限定されない。例えばバックグラウンドノイズレベルの実効値からバックグラウンドノイズレベルを引いた差の自然数倍や、バッグラウンドノイズレベルの平均値の自然数倍をノイズレベル範囲NRLとして設定してもよい。
次に、ステップS3−4において、ステップS3−3で判定した受信位置tの評価を行う。この受信位置tの評価はパルス状信号の送信波形31と受信波形32は同様の波長ないしは周波数を有するので、ピーク間の時間間隔は波長の1/2程度になるはずであることに基づいている。図5の波形の例に詳細に説明すると、ノイズレベル範囲NLRを最初に下回ったピークPN+1の直前のピークPとその直前のピークPN−1との時間間隔δtを送信波形31の周期λ(図4参照)を比較する。具体的には、下記の式(2)が成立する場合、すなわち周期λの1/2倍に対して所定の値Δλ(Δλは1/2λよりも十分小さい)を増減した範囲を規定し、この範囲に時間間隔δtがこの範囲内にある場合には、ステップS3−3で判定した受信位置tは正確であると判断し、受信位置tは変更しない。
Figure 0004904099
一方、式(2)が成立しない場合、すなわち時間間隔δtが1/2λに対してΔλを増減した範囲外にあれば、ステップS3−3で判定した受信位置tは正確でないと判断し、受信位置tを変更する。図5を例に説明すると、ノイズレベル範囲NLRを最初に下待ったピークPN+1の直前のピークPとさらにその直前のピークPN−1との間のゼロクロス点(図5において符号t’で示す。)を受信波形32の時間軸上の受信位置と判定する。ステップS3−4の受信位置tの評価後、ステップS3−5に移行する。かかる受信位置trの評価を行うことにより、より高精度で受信位置tを判定できる。
図6に示すように、超音波の伝搬状況によっては信号の干渉、重ね合わせ等の原因により、受信波形32の一部がノズルレベル範囲NLRを下回る場合がある。このような場合、例えばピークPから時間軸を遡ってピークサーチを行うことによって得られる受信位置tは真の受信位置t’’ではない。そこで、ステップS3−5においてステップS3−3,S3−4で判定された受信位置tから時間軸を遡った前方にノイズレベルNRLを上回るピークがあれば、そのピークからステップS3−3,S3−4の受信位置tの判定を繰り返す。図6を参照して具体的に説明すると、ステップS3−3,S3−4で判定された受信位置tから時間軸上を受信波形32のN波分だけ遡った範囲内(Nは自然数)にノイズレベル範囲NRLを上回る値のピークP’があれば、そのピークP’から時間軸を遡ってピークサーチを行い(ステップS3−3)、ピークサーチで判定された受信位置t’’の評価を行う(ステップS3−4)。かかる再判定を行うことにより、より高精度で受信位置trを判定できる。ステップS3−5において受信位置tから時間軸を遡った前方にノイズレベル範囲NLRを上回るピークがない場合には、ステップS3−6に移行する。
次に、ステップS3−6では、前述のようにタイマ12で経時された送信位置tと、ステップS3−1〜S3−5の処理により判定した受信位置tとから伝搬時間T,Tを算出する。伝搬時間T,Tは送信位置tと受信位置tの差として与えられる。送信位置tは測定者により与えられる送信タイミングに対応するので、正確な値が既知である。また、前述のように受信位置tも高精度で反対されている。従って、正確な伝搬時間T,Tを算出できる。
流速測定部18から流速の測定値Vを取得した流量計算部21は、以下の式(3)に基づいて流量Qを算出する。
Figure 0004904099
式(3)において、Kは補正係数、Aは流れ方向Fと直交する方向での開水路1の平均断面積である。前述のように流速の有効値Vは精度が高く、かつ欠測も最小限に低減されているので、高精度かつリアルタイムで流量Qを計測できる。
流量測定装置を例に本発明を説明したが、本発明は他の用途にも適用できる。例えば、図3のステップS3−1〜S3−6の処理による伝搬時間の測定は、水中での超音波の伝搬時間の測定に限定されず、他の液体、固体、気体中でのパルス状信号の伝搬時間の測定に適用できる。
本発明の実施形態に係る流量測定装置を示す模式図。 流速測定に関する処理を説明するためのフローチャート。 伝搬時間の判定に関する処理を説明するためのフローチャート。 送信波形と受信波形を示す模式的なグラフ。 ピークサーチによる受信位置の検索を説明するための模式的なグラフ。 いったんノイズレベルまで低下した振幅が再度ノイズレベルから上昇する波形の例を示す模式的なグラフ。 (A)及び(B)はそれぞれ受信波形の一例を示す模式的なグラフ。
符号の説明
1 開水路
2A,2B 超音波プローブ
11 パルス発生部
12 タイマ
13 増幅器
14 A/D変換器
15 サンプリング回路
16,19 メモリ
17 伝搬時間算出部
18 流速計算部
21 流量計算部

Claims (5)

  1. 発信器(1A,1B)から発信されたパルス状信号が媒質中を伝搬して受信器(1A,1B)に到達するまでの伝搬時間(T,T)を測定するパルス状信号の伝搬時間測定装置であって、
    前記受信器で受信された波形を記憶する記憶手段(16)と、
    前記記憶手段に記憶された前記波形から前記パルス状信号の受信波形(32)の時間軸上での概略位置を算出する概略位置算出手段(S3−1)と、
    前記概略位置算出手段(S3−1)で算出された前記時間軸上の前記概略位置から前記受信波形のピーク(PN−2,PN−1,P,PN+1)を前記時間軸を遡って順次検出し、かつ検出した前記ピークを予め定められたノイズレベル範囲(NLR)と比較し、前記ノイズレベル範囲を最初に下回った前記ピーク(PN+1)とその直前の前記ノイズレベル範囲を上回る前記ピーク(P)との間において前記受信波形がバッグラウンドノイズの平均値であるノイズレベル(NL)と交差する点であるゼロクロス点を前記パルス状信号の前記時間軸上の受信位置(t)と判定する第1の判定手段(S3−3)と、
    前記発信器から前記パルス状信号が発信された時間軸上の送信位置(t)と前記受信位置とから前記伝搬時間を算出する伝搬時間算出手段(S3−6)と
    を備えることを特徴とするパルス状信号の伝搬時間測定装置。
  2. 前記ノイズレベル範囲(NLR)を最初に下回った前記ピーク(PN+1)の直前の前記ピーク(P)とさらにその直前の前記ピーク(PN−1)との間の時間間隔(δt)が、前記発信器(2A,2B)から発信されるパルス状信号の波長(λ)の1/2から予め定められた範囲外であれば、前記ノイズレベル範囲を最初に下回った前記ピーク(PN+1)の直前の前記ピーク(P)とさらにその直前の前記ピーク(PN−1)との間の前記ゼロクロス点を前記パルス状信号の前記時間軸上の受信位置(t’)と判定する第2の判定手段(S3−4)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のパルス状信号の伝搬時間測定装置。
  3. 前記第1の判定手段(S3−3)及び前記第2の判定手段(S3−4)で判定された前記パルス状信号の前記時間軸上の前記受信位置(t,t’)から前記時間軸上を予め定められた期間(N)だけ遡った範囲内に前記ノイズレベル範囲(NLR)を上回るピーク(P’)があれば、前記第1の判定手段(S3−3)及び前記第2の判定手段(S3−4)にそのピーク位置(P’)から前記時間軸を遡って前記受信位置(t,t’)の判定を再度実行させる再判定手段(S3−5)をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のパルス状信号の伝搬時間測定装置。
  4. 前記ノイズレベル(NL)及び前記ノイズレベル範囲(NLR)は、前記受信波形(32)を含まない程度に前記概略位置よりも以前の前記受信器で検出される信号レベルに基づいて算出していることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパルス状信号の伝搬時間測定装置。
  5. 水路(1)の両側に配置された一対の超音波プローブ(2A,2B)のうちの一方から発信された超音波のパルス状信号が前記水路を流れる流水中を伝播して他方の超音波プローブに到達するまでの伝搬時間(T,T)に基づいて、前記水路を流れる流水の流量を測定する超音波式流量測定装置であって、
    前記超音波プローブで受信された波形を記憶する記憶手段(16)と、
    前記記憶手段に記憶された前記波形から前記パルス状信号の受信波形(32)の時間軸上での概略位置を算出する概略位置算出手段(S3−1)と、
    前記概略位置算出手段で算出された前記時間軸上の前記概略位置から前記受信波形のピーク(PN−2,PN−1,P,PN+1)を前記時間軸を遡って順次検出し、かつ検出した前記ピークを予め定められたノイズレベル範囲(NLR)と比較し、前記ノイズレベル範囲を最初に下回った前記ピーク(PN+1)とその直前の前記ノイズレベル範囲を上回る前記ピーク(P)との間において前記受信波形がバックグラウンドノイズの平均値であるノイズレベル(NL)と交差する点であるゼロクロス点を前記パルス状信号の前記時間軸上の受信位置(t)と判定する判定手段(S3−3)と、
    前記パルス状信号が発信された時間軸上の送信位置(t)と、前記判定手段で判定された前記受信位置とから前記伝搬時間を算出する伝搬時間算出手段(S3−6)と
    前記伝搬時間算出手段で算出された前記伝搬時間に基づいて流速の測定値(V)を算出する流速算出手段(18)と、
    前記流速算出手段で算出された前記流速の測定値(V)に基づいて流量(Q)を算出する流量算出手段(21)と
    を備えることを特徴とする超音波式流量測定装置。
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