JP4904098B2 - 物理量測定装置及び超音波式流量測定装置 - Google Patents

物理量測定装置及び超音波式流量測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、パルス状の超音波等のパルス状信号が気体、液体、固体等の媒質中を伝搬するのに要する時間を測定する伝搬時間測定装置、かかるパルス状信号の伝搬時間に基づいて液体や気体の流速等の物理量を測定する物理量測定装置、及びかかる伝搬時間測定装置及び物理量測定装置を超音波式流量測定に適用した超音波式流量測定装置に関する。
パルス状信号を受信してその伝搬時間を測定し、それに基づいて既知の関係式により物理量を評価ないしは測定することが広く知られている。例えば、流体の流速を求める方法の一つである超音波伝搬時間差法では、流れに沿う方向及びその逆方向に超音波を発信し、それら二つの方向での超音波の伝搬時間から既知の関係式に基づいて伝搬経路上での平均流速を求める。また、超音波の発信位置と受信位置の物理的距離Lと音速Cのうち一方が既知で他方が未知である場合、ある音源からパルス状信号を送信し、そのパルス状信号が受信されるまでの伝搬時間Tを計測すれば、L=C×Tの関係式に基づいて未知量を評価できる。
パルス状信号の伝搬時間に基づく物理量の測定では、パルス状信号の伝搬時間の正確な計測が不可欠である。パルス状信号の送信タイミングは通常は測定者により与えられ既知であるので、伝搬時間の正確な計測は受信タイミング、すなわち受信したパルス状信号の時間軸上の受信位置を正確に評価ないしは測定することに帰結する。
一般に、パルス状信号の時間軸上の受信位置の測定に関し、信号振幅に対する閾値を設け、受信信号が閾値を超えた時点、あるいはその前後のゼロクロス点を受信位置とする方法(閾値法)と、ある基準波形との相互相関係数の変化から受信位置を求める方法(相互相関法)が知られている。
しかし、パルス状信号の送信波形が同一であっても、パルス状信号が伝搬する媒質の状態や周囲の環境により受信波形は様々な形状に変化する。従って、閾値法では、ある一定の閾値を超える振幅が発生するタイミングは受信波形内で相対的に変化する可能性があり、それによって伝搬時間評価に誤差が生じる。例えば、受信波形が図11(A),(B)に示すように変化する場合、図11(A)に示す波形と図11(B)に示す波形では一定の閾値THを超える振幅が発生するタイミングは1波分異なる(符号a,a’参照)。これに対し、特許文献1に記載の方法では、2つのほぼ連続するパルス状信号を受信し、1個目の受信波形の最大振幅に基づいて閾値を調整し、2個目の波形がその閾値を超える時点に基づいて伝搬時間を決定している。しかし、かかる閾値調整を行っても時系列的に見て受信波形の波形形状が安定しない限り、閾値を超える時点はやはり受信波形内で相対的に変化するので、正確な伝搬時間評価はなされない。また、相互相関法については、様々に変化する受信波形形状に対応する適切な基準波形を定めることは困難であり、相関係数の最大値等で規定した受信位置も受信波形内で相対的に変化することが容易に推察される。
測定されたパルス状信号の伝搬時間にその信号周波数のk波分(kは自然数)のずれがあると、伝搬時間に基づいて測定した物理量もそのk波分のずれに相当する誤差を含むため、物理量の測定値が離散的に変化してしまう。この測定された伝搬時間のk波分のずれに起因する誤差が物理量の測定値に対して無視できない大きさとなると、物理量の測定精度は大幅に低下する。図12を参照すると、ある物理量について、k波分のずれを含まない正しい測定値の群bに対し、1波分のずれを含む測定値の群b’は値が大きく異なる。
k波分のずれが不可避的に混入し得る物理量の測定に関し、特許文献2に記載の方法では、現在の測定値が直前の測定値に対して1波分のずれがある場合は、現在の測定値を誤差として棄却し、直前の測定値を現在の測定値として採用している。しかし、測定される物理量の値が徐々に変化する場合、直前の測定値に対する現在の測定値のずれ幅は1波分から増減するので、特許文献2に記載の方法は必ずしも正確な物理量の評価とはならない。また、特許文献2に記載の方法のようにずれを含む測定値を単に棄却することは欠測につながり、リアルタイムでの物理量の測定に適さない。
特開2003−14515号公報 特開平10−149251号公報
本発明は、パルス状信号の伝搬時間に基づく高精度でリアルタイムの物理量の測定を実現することを課題とする。また、本発明は高精度かつリアルタイムでの流量計測を実現することを課題とする。
第1の発明は、 発信器(2A,2B)から発信されて媒質中を伝搬したパルス状信号が受信器(2A,2B)で受信される時間軸上の受信位置(t)に基づいて物理量を測定する物理量測定装置であって、前記受信位置(t)から前記物理量の測定値(V)を算出する算出手段と、前記測定値(V)が基準値(S)を中心とする第1の範囲(ER)内にあれば、その測定値をそのまま物理量の有効値(V)として採用し、前記測定値が前記基準値に前記パルス状信号の1波長に相当する前記物理量の誤差である波長相当誤差(Δx)の自然数倍(k)を加えた和を中心とする第2の範囲内(ER )であれば、前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を前記有効値として採用し、前記測定値が前記基準値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を中心とする第3の範囲内(ER )であれば、前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用し、かつ前記測定値が前記第1、第2、及び第3の範囲(ER,ER ,ER )のいずれにも属さない場合には前記測定値を棄却する補正手段(S2−5〜2−15)とを備え、前記補正手段は、前記有効値を採用した後、現時点から予め定められた第1の時間(ΔT )を遡った期間内に前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差又は前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用した個数(Mpc)を更新し、この個数に応じて前記基準値を補正することを特徴とする物理量測定装置を提供する。好ましくは、前記補正手段は、更新された前記個数を予め定められた閾値(S )と比較し、前記個数が前記閾値以上であれば、予め定められた第2の時間(ΔT )遡った期間内における前記物理量の測定値の度数分布の最頻値を前記基準値に設定する一方、前記個数が前記閾値未満であれば、現在の基準値を維持する。
パルス状信号の時間軸上の受信位置の測定値には、パルス状信号の波長の自然数倍の誤差が含まれている可能性がある。従って、それに基づいて算出した物理量の測定値にも、パルス状信号の波長の自然数倍に対応する誤差が含まれている可能性がある。第2の発明では、このパルス状信号の波長の自然数倍に対応する物理量の測定値の誤差を補正手段で補正することにより、物理量を高精度で測定できる。また、補正手段が物理量の測定値を棄却するのは、第1、第2、及び第3の範囲のいずれにも属さない場合に限られ、物理量の測定値の棄却は最小限に止められているので、欠測が生じずリアルタイムでの計測を実現できる。なお、物理量には、発信器で発信されたパルス状信号が受信器で受信されるまでの伝搬時間、この伝搬時間に基づいて算出される位置、距離、速度、加速度、流速、流量等が含まれる。
第2の発明は、水路(1)の両側に配置された一対の超音波プローブ(2A,2B)のうちの一方から発信された超音波のパルス状信号が前記水路を流れる流水中を伝播して他方の超音波プローブに到達するまでの伝搬時間(T,T)に基づいて、前記水路を流れる流水の流量を測定する超音波式流量測定装置であって、前記伝搬時間に基づいて流速の測定値(V)を算出する流速算出手段(18)と、前記流速の測定値が基準値(S )を中心とする第1の範囲内(ER)にあればその測定値をそのまま流速の有効値(V)として採用し、前記測定値が前記基準値に前記受信波形の1波長に対応する前記測定値の誤差である波長対応誤差(Δx)の自然数倍(k)を加えた和を中心とする第2の範囲(ER )内であれば、前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を前記有効値として採用し、前記測定値が前記基準値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を中心とする第3の範囲(ER )内であれば、前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用し、かつ前記測定値が前記第1、第2、及び第3の範囲(ER,ER ,ER )のいずれにも属さない場合には、前記流速の前記測定値を棄却する流速補正手段(20)と、前記流速補正手段で補正済みの前記流速の有効値(V)に基づいて流量(Q)を算出する流量算出手段(21)とを備え、前記補正手段は、前記流速の有効値を採用した後、現時点から予め定められた第1の時間(ΔT )を遡った期間内に前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差又は前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用した個数(Mpc)を更新し、この個数に応じて前記基準値を補正することを特徴とする超音波式流量測定装置を提供する。好ましくは、前記補正手段は、更新された前記個数を予め定められた閾値(Se)と比較し、前記個数が前記閾値以上であれば、予め定められた第2の時間(ΔT )遡った期間内における前記流速の測定値の度数分布の最頻値を前記基準値に設定する一方、前記個数が前記閾値未満であれば、現在の基準値を維持する。
伝搬時間に基づいて算出した流速の測定値に含まれるパルス状信号の波長の自然数倍に対応する誤差は速度補正手段により補正される。さらに、速度補正手段による流速の測定値の棄却は最小限に抑制されるので欠測が生じない。従って、高精度かつリアルタイムでの流量測定が可能である。
第1の発明のパルス状信号の物量測定装置によれば、パルス状信号の波長の自然数倍に対応する誤差を補正することにより、パルス状信号が受信器で受信される時間軸上の受信位置の測定値に基づいて物理量を高精度かつリアルタイムで測定できる。また、第2の発明の超音波式流量測定装置によれば、伝搬時間から算出した流速の測定値に含まれるパルス状信号の波長の自然数倍に対応する誤差を測定値の棄却を最小限に抑制しつつ補正できる。従って、高精度かつリアルタイムで流量測定を行うことができる。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る超音波式流量測定装置を示す。この超音波式流量測定装置は、開水路1の両岸に配置された一対の超音波プローブ2A,2Bと、これらの超音波プローブ2A,2Bによる超音波の発信及び受信の制御と、各種の演算を含む流量測定のための処理を実行する処理装置3とを備える。
超音波プローブ2A,2Bは、超音波の発信及び受信を行うためのピエゾ素子を備えている。超音波プローブ2A,2Bは開水路1中の流水の流れ方向Fに対して直角でない角度θをなすように対向して配置されている。超音波プローブ2Aが上流側に位置し、超音波プローブ2Bが下流側に位置している。また、超音波プローブ2A,2Bは、川底から同一の高さに配置されている。
処理装置3は、周知のオシロスコープ、パーソナルコンピュータ、各種電気・電子回路により構成され、パルス発生部11、タイマ12、増幅器13、A/D変換器14、サンプリング回路15、第1メモリ16、伝搬時間算出部17、流速計算部18、第2メモリ19、流速補正部20、及び流量算出部21を備える。
パルス発生部11は、ピエゾ素子を駆動するためのパルス電圧を発信側の超音波プローブ2A,2Bに印加し、超音波のパルス状信号を超音波プローブ2A,2Bに発信させる。超音波プローブ2A,2Bからパルス状信号が発信された時間軸上の位置である送信位置tがタイマ12により計時される。超音波プローブ2A,2Bのうちの一方から発信されたパルス状信号は開水路1中の流水を伝搬して超音波プローブ2A,2Bのうちの他方に到達する。図5に示すように、超音波プローブ2A,2Bのうちの一方から発信されるパルス状信号の送信波形31は本実施形態では矩形波形である。超音波プローブ2A,2Bのうちの他方に到達したパルス状信号の受信波形32は流水中を伝搬する間に大きく変化する。
図5を参照すると、前述の送信位置tと発信されたパルス状信号が受信側の超音波プローブ2A,2Bで受信される時間軸上の位置である受信位置tとの時間間隔が2つの超音波プローブ2A,2B間をパルス状信号が伝搬するのに要した伝搬時間T,Tである。伝搬時間T,Tについて、添字「+」は上流側の超音波プローブ2Aから下流側の超音波プローブ2Bへ向かうパルス状信号の伝搬時間(流れ方向Fに沿う方向の伝搬時間)であることを示し、添字「−」は下流側の超音波プローブ2Bから上流側の超音波プローブ2Aへ向かうパルス状信号の伝搬時間(流れ方向Fとは逆方向の伝搬時間)であることを示す。
増幅器13は受信側の超音波プローブ2A,2Bの出力するアナログ信号を増幅し、A/D変換器14は増幅されたアナログ信号をA/D変換する。サンプリング回路15はデジタル化された信号のサンプリングを行い、第1メモリ16はサンプリング回路15でサンプリングされた受信信号を記憶する。従って、第1メモリ16には受信側の超音波プローブ2A,2Bで受信された波形が記憶される。伝搬時間算出部17は第1メモリ16に記憶された波形からパルス状信号の受信波形の受信位置tを判定し、さらに判定した受信位置tと前述の送信位置tとから伝搬時間T,Tを計算する。流速計算部18は伝搬時間計算部17で計算された伝搬時間T,Tから開水路1の流速の測定値Vmを計算する。メモリ19は流速の測定値Vを記憶する。流速補正部20はメモリ19に記憶された流速の測定値Vを補正し、流速の有効値Veを算出する。流量計算部21は流速の有効値Veから開水路1の流量Qを計算する。
図2から図4のフローチャートを参照して本実施形態の超音波式流量測定装置による流量測定について説明する。
図2のステップS2−1において測定を開始すると、ステップS2−1において所定の時間ΔTの間(例えば10分間)の流速の測定値Vを第2メモリ19に蓄積する。流速測定は図3に示す手順で実行される。ステップS3−1,S3−2は伝搬時間Tを得るための処理である。まず、ステップS3−1において、上流側の超音波プローブ2Aから発信された超音波のパルス状信号を下流側の超音波プローブ2Bで受信し、第1メモリ16に記憶する。次に、ステップS3−2において伝搬時間算出部17が超音波プローブ2Bで受信した波形に基づいて、伝搬時間Tを判定する。ステップS3−3,S3−4は伝搬時間Tを得るための処理である。まず、ステップS3−3において、下流側の超音波プローブ2Bから発信された超音波のパルス状信号を上流側の超音波プローブ2Aで受信し、第1メモリ16に記憶する。次に、ステップS3−4において伝搬時間算出部17が超音波プローブ2Bで受信した波形に基づいて、伝搬時間Tを判定する。最後に、ステップS3−5において、流速計算部20が下記の式(1)に基づいて伝搬時間T,Tから流速の測定値Vを算出する。
Figure 0004904098
図3のステップS3−2,S3−4の伝搬時間T,Tの判定は、図4に示す手順で実行される。まず、ステップS4−1において、相互相関法や閾値法により第1メモリ16に記憶された波形からパルス状信号の受信波形32の時間軸上の概ねの位置(概略位置)を算出する。
次に、ステップS4−2において、ノイズレベルNLを設定する。詳細には、受信波形32の信号を含まないとみなせる程度にステップS4−1で算出した受信波形32の概略位置よりも十分前の一定期間(ノイズ区間)における信号レベル(バッグラウンドノイズ)の平均値をノイズレベルNLとする。また、ノイズレベルNLに対してノイズ区間での信号レベルの標準偏差σのm倍(mは正の実数である。)でノイズレベルNLを増減した範囲、すなわちNL+mσからNL−mσの範囲をノイズレベル範囲NLRとする。なお、ノイズ区間における信号レベルの経時的にあまり変化しないと想定できる場合には、ある一定値をノイズレベルNLとして規定してもよい。
次に、ステップS4−3においてピークサーチにより受信波形32の時間軸上の受信位置tの判定を行う。具体的には、ステップS4−1で算出された時間軸上の概略位置から超音波プローブ2A,2Bで受信された波形(受信波形32)のピークを時間軸を遡って順次検出する。例えば、受信波形32が図6に示すような波形である場合、受信波形32のピークPN−2,PN−1,P,PN+1がこの順で順次検出される。図6において点線の矢印A1はピークサーチの順序を概念的に示している。この受信波形32のピークの検出には、極大点及び極小点等を用いる方法や、ゼロクロス点(受信波形32がノイズレベルNRと交差する点)を用いる方法等がある。また、単に受信波形32のピークを検出するだけでなく、検出したピークをノイズレベル範囲NLRと比較する。図6の例では、ピークPN−2,PN−1,Pはいずれもノイズレベル範囲NLRを上回るが、時間軸上でピークPよりも1つ遡ったピークPN+1はノイズレベル範囲NLRを下回る。換言すれば、時間軸を遡ってピークPN−2,PN−1,P,PN+1・・・を順次検出していくと、ピークPN+1が最初にノイズレベル範囲NLRを下回る。この時間軸を遡ってピークを検出していく過程で最初にノイズレベル範囲NLRを下回ったピークと、その直前のノイズレベル範囲NLRを上回っているピークとの間のゼロクロス点が受信波形32の時間軸上の受信位置tとして判定される。図6の例では、最初にノイズレベル範囲NLRを下回るのはピークPN+1であるので、このピークPN+1とその直前のノイズレベル範囲NLRを上回っているピークPとの間のゼロクロス点が受信波形32の時間軸上の受信位置tであると判定される。時間軸を遡ったピークサーチと、検出したピークとノイズレベル範囲NLRとの比較に基づいて受信位置tを判定することにより、受信される信号の信号レベルによらずパルス状信号の受信波形32の時間軸上の受信位置tを高精度で判定できる。また、前述のようにバックグラウンドノイズレベルに基づいてノイズレベルNL及びノイズレベル範囲NLRを算出しているので、受信ゲインの変動等による信号レベルの変化に対してノイズレベルの変動を自己補償することができ、これの点でも高精度の判定が可能である。なお、ノイズレベルNL及びノイズレベル範囲NRLは、本実施形態のものに限定されない。例えばバックグラウンドノイズレベルの実効値からバックグラウンドノイズレベルを引いた差の自然数倍や、バッグラウンドノイズレベルの平均値の自然数倍をノイズレベル範囲NRLとして設定してもよい。
次に、ステップS4−4において、ステップS3−3で判定した受信位置tの評価を行う。この受信位置tの評価はパルス状信号の送信波形31と受信波形32は同様の波長ないしは周波数を有するので、ピーク間の時間間隔は波長の1/2程度になるはずであることに基づいている。図6の波形の例に詳細に説明すると、ノイズレベル範囲NLRを最初に下回ったピークPN+1の直前のピークPとその直前のピークPN−1との時間間隔δtを送信波形31の周期λ(図5参照)を比較する。具体的には、下記の式(2)が成立する場合、すなわち周期λの1/2倍に対して所定の値Δλ(Δλは1/2λよりも十分小さい)を増減した範囲を規定し、この範囲に時間間隔δtがこの範囲内にある場合には、ステップS4−3で判定した受信位置tは正確であると判断し、受信位置tは変更しない。
Figure 0004904098
一方、式(2)が成立しない場合、すなわち時間間隔δtが1/2λに対してΔλを増減した範囲外にあれば、ステップS4−3で判定した受信位置tは正確でないと判断し、受信位置tを変更する。図6を例に説明すると、ノイズレベル範囲NLRを最初に下待ったピークPN+1の直前のピークPとさらにその直前のピークPN−1との間のゼロクロス点(図6において符号t’で示す。)を受信波形32の時間軸上の受信位置と判定する。ステップS4−4の受信位置tの評価後、ステップS4−5に移行する。かかる受信位置trの評価を行うことにより、より高精度で受信位置tを判定できる。
図7に示すように、超音波の伝搬状況によっては信号の干渉、重ね合わせ等の原因により、受信波形32の一部がノズルレベル範囲NLRを下回る場合がある。このような場合、例えばピークPから時間軸を遡ってピークサーチを行うことによって得られる受信位置tは真の受信位置t’’ではない。そこで、ステップS4−5においてステップS4−3,S4−4で判定された受信位置tから時間軸を遡った前方にノイズレベルNRLを上回るピークがあれば、そのピークからステップS4−3,S4−4の受信位置tの判定を繰り返す。図7を参照して具体的に説明すると、ステップS4−3,S4−4で判定された受信位置tから時間軸上を受信波形32のN波分だけ遡った範囲内(Nは自然数)にノイズレベル範囲NRLを上回る値のピークP’があれば、そのピークP’から時間軸を遡ってピークサーチを行い(ステップS4−3)、ピークサーチで判定された受信位置t’’の評価を行う(ステップS4−4)。かかる再判定を行うことにより、より高精度で受信位置trを判定できる。ステップS4−5において受信位置tから時間軸を遡った前方にノイズレベル範囲NLRを上回るピークがない場合には、ステップS4−6に移行する。
次に、ステップS4−6では、前述のようにタイマ12で経時された送信位置tと、ステップS4−1〜S4−5の処理により判定した受信位置tとから伝搬時間T,Tを算出する。伝搬時間T,Tは送信位置tと受信位置tの差として与えられる。送信位置tは測定者により与えられる送信タイミングに対応するので、正確な値が既知である。また、前述のように受信位置tも高精度で反対されている。従って、正確な伝搬時間T,Tを算出できる。
再度図2を参照すると、ステップS2−2で時間ΔTの間の流速の測定値Vを第2メモリ19に蓄積し、ステップS2−3で後述する基準値Sの初期値を設定した後、ステップS2−4〜S2−15の処理が繰り返される。これらステップS2−4〜S2−15のうち、ステップS2−4では、流速計算部18が図3及び図4を参照して説明した手順で流速測定を実行し、次のないしは新たな測定値Vを得る。そして、流速補正部20がステップS2−5〜ステップS2−15の処理により、新たな測定値Vの補正を実行する。
前述の高精度で受信波形32の受信位置tを判定し、それに基づいて伝搬時間T,Tを算出しても、超音波のパルス状信号の波長のk波分(kは自然数)のずれないしは誤差が伝搬時間T,Tに混入するのを可能性を完全には排除できない。そして、伝搬時間T,Tにk波分の誤差があると、伝搬時間T,Tから算出した流速の測定値Vにもk波分に相当する誤差が含まれることになる。従って、流速の測定値Vは伝搬時間T,Tのk波分に相当するずれを含まない群、伝搬時間T,Tの1波分に相当するずれを含む群、伝搬時間T,Tの2波分に相当するずれを含む群等の離散的な分布を示す可能性がある。ステップS2−5〜ステップS2−12の処理では、測定値Vに含まれるk波分に相当する誤差を補正する。
ステップS2−3では、基準値Sの初期値を設定する。基準値SはステップS2−4で測定される流速の測定値Vがk波分のずれに相当する誤差を含むか否かを判断する際の基準となる値であり、ステップS2−4の流速測定で測定値Vが取り得る最も確からしい値を表している。時間ΔT1の間に蓄積された測定値Vの度数分布を求め、最頻値を基準値Sの初期値に設定する。
ステップS2−5では、流速の測定値Vが基準値Sを中心する以下の式(3)で規定される範囲(有効範囲ER)内にあるか否かを判断する。
Figure 0004904098
式(3)において、εは有効範囲ERの幅を規定する定数である。
ステップS2−5において流速の測定値Vが式(3)で規定される有効範囲ERの範囲内であれば、その測定値Vはk波分のずれに相当する誤差を含まない正確な値であると判断できるので、ステップS2−6においてその測定データVをそのまま流速の有効値Vとする(V=V)。
一方、ステップS2−5において測定値Vが有効範囲ERの範囲内でなければ、ステップS2−7において変数kを初期値である1に設定し、ステップS2−8に移行する。
ステップS2−8では、流速の測定値Vが基準値Sにk波分のずれに相当する誤差を加算した和を中心とする以下の式(4)で規定される範囲(有効範囲ER )内にあるか否かを判断する。
Figure 0004904098
式(4)において、Δxは受信位置tの1波長分のずれに相当する流速の誤差(波長対応誤差)である。また、εは有効範囲ER の幅を規定する定数である。
ステップS2−8において流速の測定値Vが式(4)で規定される有効範囲ER の範囲内であれば、その測定値Vはk波分のずれに相当する誤差が上乗せされた値であると判断できるので、ステップS2−9において測定値Vから波長対応誤差Δxのk倍を減じた差を有効値Vとする(Ve=V−kΔx)。
一方、ステップS2−8において測定値Vが有効範囲ER の範囲内でなければ、ステップS2−10に移行する。
ステップS2−10では、流速の測定値Vが基準値Sからk波分のずれに相当する誤差を減算した差を中心とする以下の式(5)で規定される範囲(有効範囲ER )内にあるか否かを判断する。
Figure 0004904098
前述の式(4)と同様に、式(5)においてΔxは波長相当誤差であり、εは有効範囲ER の幅を規定する定数である。
ステップS2−10において流速の測定値Vが式(5)で規定される有効範囲ER の範囲内であれば、その測定値Vはk波分のずれに相当する誤差が差し引かれた値であると判断できるので、ステップS2−11において測定値Vに波長対応誤差Δxのk倍を加えた和を有効値Vとする(Ve=V+kΔx)。
一方、ステップS2−10において測定値Vが有効範囲ER の範囲内でなければ、ステップS2−13に移行する。ステップS2−13で波数kが予め定められた最大値kmax(2以上の自然数)でなければ、ステップS2−14でkを1だけインクリメントした後、ステップS2−8に戻る。ステップS2−8又はステップS2−10において、測定値Vが有効範囲ER 又は有効範囲ER の範囲内とならない限り、ステップS2−13において波数kが最大値になるまでステップS2−8,S2−10,ステップS2−14の処理が繰り返される。例えば、波数kの最大値のkmaxが4である場合、ステップS2−5〜ステップS2−14の処理により、流速の測定値Vがk波分のずれに相当する誤差を含まない正確な値、1波分のずれに相当する誤差を含む値、2波分のずれに相当するずれ誤差を含む値、3波分のずれに相当する誤差を含む値、及び4波分のずれに相当する誤差を含む値のいずれに属するかが判断される。
ステップS2−13において、波数kが最大値kmax以上であれば、ステップS2−15に移行する。ステップS2−15では、流速の測定値Vはk波分のずれを含まない値でも、k波分のずれに相当する誤差を含む値でもなく採用することができない不適切な測定データとして棄却される。
ステップS2−6,S2−9,S2−11で流速の有効値Vを決定した後、ステップS12−12で新たな基準値Sを設定する。具体的には、現時点から所定の時間ΔT遡った期間内の流速の有効値Vの平均値を新たな基準値Sに設定する。一方、ステップS2−15で流速の測定値Vを棄却した場合には、基準値Sは変更しない。
図8はステップS2−4〜S2−12の処理の模式的な一例を示す。図8には、時間α1〜α8までに測定された8個の流速の測定値Vm1〜Vm8を示している。また、単純化のために波数kの最大値kmaxを2に設定し、各時間α1〜α8について有効範囲ER,ER ,ER ,ER ,ER を模式的に示している。
時間α1の測定値Vm1は、k波分のずれに相当する誤差を含まない有効範囲ER内にある。従って、測定値Vm1がそのまま有効値Ve1として採用する。また、時間α2についての基準値Sを新たに設定する。その結果、時間α2についての有効範囲ER〜ER は、時間α1についての有効範囲ER〜ER とは異なる。
時間α2の測定値Vm2は、有効範囲ER 、すなわち1波分のずれに相当する誤差が上乗せされていると判断できる範囲にある。従って、測定値Vm2から1×Δxを減じた差を有効値Ve2として採用する。また、時間α3についての基準値Sが新たに設定され、有効範囲ER〜ER が変動する。
時間α3の測定値Vm3は、いずれの有効範囲ER〜ER にも含まれない。従って、測定値Vm3は不適切値として棄却する。また、基準値Sの変更は行わないので、時間α4の有効範囲ER〜ER は、時間α3の有効範囲ER〜ER と同一である。
時間α4,α5の測定値Vm4,Vm5は、共に有効範囲ERに含まれる。従って、これらの測定値Vm4,Vm5はそのまま有効値Ve4,Ve5として採用される。また、基準値Sが新たに設定され、有効範囲ER〜ER が変動する。
時間α6の測定値Vm6は、ER 、すなわち2波分のずれに相当する誤差が差し引かれていると判断できる範囲にある。従って、測定値Vm6に2×Δxを加算した和を有効値Ve6として採用する。また、時間α7についての基準値Sが新たに設定され、有効範囲ER〜ER が変動する。
時間α7の測定値Vm7は、いずれの有効範囲ER〜ER にも含まれない。従って、測定値Vm7は不適切値として棄却し、基準値Sの変更は行わない。
時間α8の測定値Vm8は有効範囲ERに含まれる。従って、測定値Vm8はそのまま有効値Ve8として採用する。
以上のように本実施形態の流量測定装置によれば、流速の測定値Vに含まれる受信波形32のk波分のずれに相当する誤差を補正して有効値Vを算出することで、高精度で流速を測定できる。また、流速の測定値Vが棄却されるのは、いずれの有効範囲ER,ER ,ER にも含まれない場合に限られ、測定値Vの棄却は最小限に止められているので、欠損が生じずリアルタイムでの計測が可能である
図9は流速測定の結果の一例を示す。実線αは図2のステップS2−1〜S2−15の処理で得られた流速の有効値Vを示し、点γは図4のステップS4−1〜4−6の処理による受信位置の判定も、図2のステップS2−5〜2−15の処理によるk波分に相当する誤差の補正も実行しなかった場合の流速を示す。この図9から明らかなように、本実施形態の流速測定ではk波分のずれが補正され、かつ欠測も生じていない。
流速補正部20から流速の有効値Vを取得した流量計算部21は、以下の式(6)に基づいて流量Qを算出する。
Figure 0004904098
式(6)において、Kは補正係数、Aは流れ方向Fと直交する方向での開水路1の平均断面積である。前述のように流速の有効値Vは精度が高く、かつ欠測も最小限に低減されているので、高精度かつリアルタイムで流量Qを計測できる。
図10はステップS12−12に代えて実行してもよい処理を示す。この図10の処理では流速の測定値Vに対するk波分に相当する誤差の補正の妥当性を検討し、それに基づいて基準値Sを設定する。まず、ステップS10−1において、現時点から時間ΔTを遡った期間内でk波分のずれに相当する誤差の補正を行った流速の測定値Vの個数Mpcを更新する。次に、ステップS10−2において、誤差の補正を行った測定値Vの個数Mpcが予め定められた閾値Se以上の場合、すなわち誤差の補正の頻度が高すぎて基準値Sが妥当でないと判断される場合には、ステップS10−3に移行する。ステップS10−3では、現時点から時間ΔT遡った期間内の測定値Vの度数分布を求め、最頻値を新たな基準値Sに設定する。次に、ステップS10−4で個数Mpcを0にクリアした後、図2のステップS2−4に戻る。一方、ステップS10−2において個数Mpcが閾値Se未満の場合には、基準値Sを変更することなく、図2のステップS2−4に戻る。
流量測定装置を例に本発明を説明したが、本発明は他の用途にも適用できる。例えば、図4のステップS4−1〜S4−6の処理による伝搬時間の測定は、水中での超音波の伝搬時間の測定に限定されず、他の液体、固体、気体中でのパルス状信号の伝搬時間の測定に適用できる。また、図2のステップS2−5〜S2−15の処理によるk波分のずれに相当する誤差の補正は流速の補正に限定されず、パルス状信号の伝搬時間の測定値、パルス状信号の伝搬時間に基づいて算出される位置、距離、速度、加速度、流量等の測定値の補正に適用できる。
本発明の実施形態に係る流量測定装置を示す模式図。 流量測定装置の実行する処理を説明するためのフローチャート。 流速測定に関する処理を説明するためのフローチャート。 伝搬時間の判定に関する処理を説明するためのフローチャート。 送信波形と受信波形を示す模式的なグラフ。 ピークサーチによる受信位置の検索を説明するための模式的なグラフ。 いったんノイズレベルまで低下した振幅が再度ノイズレベルから上昇する波形の例を示す模式的なグラフ。 流速の測定データの補正を説明するための模式的なグラフである。 本実施形態による流速測定の結果の一例を示す模式的なグラフ。 図2のステップS2−12の代替の処理を示すフローチャート。 (A)及び(B)はそれぞれ受信波形の一例を示す模式的なグラフ。 k波分のずれを含む測定値群とずれを含まない測定値群を示す模式的なグラフ。
符号の説明
1 開水路
2A,2B 超音波プローブ
11 パルス発生部
12 タイマ
13 増幅器
14 A/D変換器
15 サンプリング回路
16,19 メモリ
17 伝搬時間算出部
18 流速計算部
20 流速補正部
21 流量計算部

Claims (4)

  1. 発信器(2A,2B)から発信されて媒質中を伝搬したパルス状信号が受信器(2A,2B)で受信される時間軸上の受信位置(t)に基づいて物理量を測定する物理量測定装置であって、
    前記受信位置(t)から前記物理量の測定値(V)を算出する算出手段と、
    前記測定値(V)が基準値(S)を中心とする第1の範囲(ER)内にあれば、その測定値をそのまま物理量の有効値(V)として採用し、前記測定値が前記基準値に前記パルス状信号の1波長に相当する前記物理量の誤差である波長相当誤差(Δx)の自然数倍(k)を加えた和を中心とする第2の範囲内(ER )であれば、前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を前記有効値として採用し、前記測定値が前記基準値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を中心とする第3の範囲内(ER )であれば、前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用し、かつ前記測定値が前記第1、第2、及び第3の範囲(ER,ER ,ER )のいずれにも属さない場合には前記測定値を棄却する補正手段(S2−5〜2−15)とを備え
    前記補正手段は、前記有効値を採用した後、現時点から予め定められた第1の時間(ΔT )を遡った期間内に前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差又は前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用した個数(Mpc)を更新し、この個数に応じて前記基準値を補正することを特徴とする物理量測定装置。
  2. 前記補正手段は、
    更新された前記個数を予め定められた閾値(S )と比較し、
    前記個数が前記閾値以上であれば、予め定められた第2の時間(ΔT )遡った期間内における前記物理量の測定値の度数分布の最頻値を前記基準値に設定する一方、
    前記個数が前記閾値未満であれば、現在の基準値を維持することを特徴とする請求項1に記載の物理量測定装置。
  3. 水路(1)の両側に配置された一対の超音波プローブ(2A,2B)のうちの一方から発信された超音波のパルス状信号が前記水路を流れる流水中を伝播して他方の超音波プローブに到達するまでの伝搬時間(T,T)に基づいて、前記水路を流れる流水の流量を測定する超音波式流量測定装置であって、
    前記伝搬時間に基づいて流速の測定値(V)を算出する流速算出手段(18)と、
    前記流速の測定値が基準値(S )を中心とする第1の範囲内(ER)にあればその測定値をそのまま流速の有効値(V)として採用し、前記測定値が前記基準値に前記受信波形の1波長に対応する前記測定値の誤差である波長対応誤差(Δx)の自然数倍(k)を加えた和を中心とする第2の範囲(ER )内であれば、前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を前記有効値として採用し、前記測定値が前記基準値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差を中心とする第3の範囲(ER )内であれば、前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用し、かつ前記測定値が前記第1、第2、及び第3の範囲(ER,ER ,ER )のいずれにも属さない場合には、前記流速の前記測定値を棄却する流速補正手段(20)と、
    前記流速補正手段で補正済みの前記流速の有効値(V)に基づいて流量(Q)を算出する流量算出手段(21)と
    を備え
    前記補正手段は、前記流速の有効値を採用した後、現時点から予め定められた第1の時間(ΔT )を遡った期間内に前記測定値から前記波長対応誤差の自然数倍を減じた差又は前記測定値に前記波長対応誤差の自然数倍を加えた和を前記有効値として採用した個数(Mpc)を更新し、この個数に応じて前記基準値を補正することを特徴とする超音波式流量測定装置。
  4. 前記補正手段は、
    更新された前記個数を予め定められた閾値(Se)と比較し、
    前記個数が前記閾値以上であれば、予め定められた第2の時間(ΔT )遡った期間内における前記流速の測定値の度数分布の最頻値を前記基準値に設定する一方、
    前記個数が前記閾値未満であれば、現在の基準値を維持することを特徴とする請求項3に記載の超音波式流量測定装置。
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