JPH11241934A - 超音波流量計 - Google Patents

超音波流量計

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Publication number
JPH11241934A
JPH11241934A JP4534198A JP4534198A JPH11241934A JP H11241934 A JPH11241934 A JP H11241934A JP 4534198 A JP4534198 A JP 4534198A JP 4534198 A JP4534198 A JP 4534198A JP H11241934 A JPH11241934 A JP H11241934A
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JP
Japan
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correlation
interpolation
time
maximum
ultrasonic
Prior art date
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Pending
Application number
JP4534198A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Maru
芳明 丸
Akio Miyamoto
明夫 宮本
Tsutomu Sugita
勉 杉田
Yasuhiro Takahashi
康弘 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Ultrasonic Engineering Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Ultrasonic Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd, Ultrasonic Engineering Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最大相関値となる補間時間を演算しこの誤差を
補正し、また多峰性相関関数のときも最大値検出誤認の
ない高精度の超音波流量計を提供する。 【解決手段】流体11に超音波伝送信号s(t)を供給する手
段3と、この超音波伝送信号s(t)に同期してサンプル選
択時間窓5Aを決定するタイミング手段4と、超音波受信
信号を受信しこのサンプル選択時間窓5Aの間順方向g(t)
および逆方向h(t)の超音波受信信号をディジタル化信号
g(j),h(j) に変換する信号受信手段5と、このディジタ
ル化信号g(j),h(j) 間の相関関数を演算する相関演算手
段6と、この相関データφgh(k),k から相関値が最大と
なる補間時間τm を内挿補間演算する補間手段7と、こ
の補間時間τm から予め定められた補正特性に従って内
挿補間演算の近似演算誤差を補正する補正演算手段8
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の流れによる
超音波の伝搬時間差から、流体の流速あるいは流量(以
下、流量を含めて流速と略称する)を計測する超音波流
量計に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来技術および本発明に用いられ
る超音波流量計のブロック図、図7は従来技術による最
大値補間手段の一例を説明する説明図、図8、9は従来
技術による最大値補間手段の他の例を説明する説明図で
ある。先ず図2に従って一般的な超音波流量計のブロッ
ク構成を説明する。
【0003】図2において、超音波流量計は、流体11が
流れる導管12の外周に 2a,2bで図示例される一対の超音
波送受信器2を設置し、矢印で図示される流体11の流れ
方向の成分をもつ順方向とこの流体11の流れと逆の成分
をもつ逆方向との双方向に超音波を伝搬させ、この伝搬
時間の時間差から流体11の流速が測定される。この伝搬
時間の時間差は、ここでは相関技術を用い、超音波を順
方向に送信した時の超音波受信エネルギ波形(g(t))と逆
方向に送信した時の超音波受信エネルギ波形(h(t))との
相関をとり、相関値が最大となる最大相関遅れ時間 (τ
m)を求め、この相関遅れ時間 (τm)を伝搬時間の時間差
として流体11の流速を測定する。
【0004】これらの超音波送受信信号を信号処理し流
速を測定する超音波流量計の本体側は、送信部3aと、送
信部3aの制御信号で超音波送受信器2a,2b への超音波伝
送信号を切り換える切換えスイッチ3b,3c とからなる信
号送信手段3と、この超音波伝送信号に同期して少なく
とも1つのサンプル選択時間窓を決定するタイミング手
段4と、流体11からの超音波受信エネルギを超音波送受
信器2a,2b で受信し、上述の切換えスイッチ3b,3c を介
して超音波受信信号を受信する受信部5aと、上述のサン
プル選択時間窓の間、順方向(g(t))あるいは逆方向(h
(t))の超音波受信信号を離散間隔(以下、サンプリング
クロックと言う)でディジタル化信号に変換する A/D変
換器51とこの変換されたデータを先入れ先出するメモリ
(FIFO)52と、これらの超音波送受信信号を信号処理する
(CPU,ROM,RAM)からなる情報処理部54と、例えば計測分
野で一般的に用いられる統一信号 4〜20mAや、外部の情
報処理機器とのデータの授受を処理するステータス、コ
マンド及びデータ伝送標準インタフェースRS232Cなどか
らなる入出力インタフェース(INF)53 と、表示とか,キ
ーボードなどからなるマンマシンインタフェース55と、
から構成される。
【0005】かかる構成において、流体11の流速を測定
する時、送信部3aから例えば正弦波形あるいは後述する
擬似乱数(PN)で 180°位相シフトされた正弦波形を有す
る超音波伝送信号が出力される。図示例は流体11の流れ
方向の成分をもつ順方向を示し、以下の説明では括弧付
きで(逆方向)も同時に説明する。送信部3aからの超音
波伝送信号は、切換えスイッチ3b(3c)を介して超音波送
信器2a(2b)を励振し、流体11を通過した超音波受信信号
エネルギを超音波受信器2b(2a)で受信し、切換えスイッ
チ3c(3b)を介して受信部5aで受信される。
【0006】タイミング手段4は、サンプリングクロッ
クと切換えスイッチ3b,3c の切り換え制御信号を有し、
上述の超音波伝送信号に同期して少なくとも1つのサン
プル選択時間窓を決定する。流体11からの超音波受信エ
ネルギを受信部5aで受信した順方向あるいは逆方向の超
音波受信信号は、上記サンプル選択時間窓の間、 A/D変
換器51により上述のサンプリングクロックの間隔で A/D
変換され、ディジタル化信号としてそれぞれ先入れ先出
しメモリ(FIFO)52に書き込まれる。
【0007】次に、情報処理部54の処理プログラムに従
って相関演算手段で順方向と逆方向の超音波受信信号間
の相関が演算される。即ち、先入れ先出しメモリ(FIFO)
52から順方向および逆方向の A/D変換されたディジタル
化信号を呼び出し、(1) 式に示される順方向と逆方向の
超音波受信信号の相関関数φgh(k) を演算する。
【0008】
【数1】
【0009】次に、最大値補間手段で上記の相関演算か
ら得られる相関データから相関値が最大となる補間時間
(τm)を内挿補間演算する。次に、流量演算手段で上記
の補間時間 (τm)を用いて流速あるいは流量の演算が行
われる。(2),(3) 式に流量演算式の一例を示す。
【0010】
【数2】
【0011】
【数3】
【0012】次に、図7〜図9を用いて最大値補間手段
で離散化した相関データから、相関値が最大となる補間
時間 (τm)を内挿補間演算する方法を説明する。図7は
縦軸に順方向と逆方向の超音波受信信号の相関関数φgh
(k) を、横軸に相関遅れ時間kをとり、(1) 式で演算さ
れた相関データをプロットしたものである。図7におい
て、図示例は相関遅れ時間 kが m-2, m-1, m, m+1, m+2
の各時刻に対応して演算された相関値 cm-2, cm-1, cm,
cm+1, cm+2 が黒点で表示される。次に、この相関値が
予め定められた閾値φ0 を越える相関値 cm-1, cm, cm+
1 が検出され、これらの相関値の内、一番大きい相関値
を有する相関データ(cm,m)と, この相関遅れ時間 mと隣
接する前後の相関遅れ時間 m-1,m+1の相関データ(cm-1,
m-1),(cm+1, m+1)と, から相関関数φgh(t) をこの3点
を通る2次方程式で近似し、この2次方程式の微係数が
ゼロとなる点から白丸で図示される相関値が極大となる
点の補間時間τm1を内挿補間演算することができる。
(以下、この2次方程式で近似する方法を2次補間と略
称する。) 次に、図8、図9を用いて特開平1-193617「差相関分析
装置」に開示された他の内挿補間演算方法を説明する。
図8において、開示された差相関分析装置では、流体に
超音波伝送信号を供給する送信信号と流体から受信した
超音波受信信号との間に顕著なピーク相関を得るため、
疑似乱数(PN)で位相変調された正弦波形を超音波伝送信
号として送信している。
【0013】図8の(A) は例えば1Mz の正弦波である。
図8の(B) は疑似乱数(PN)を示し、開示例では11ビット
バーカーコードが用いられ、疑似乱数(PN)コードの 0,
1,0の最初の3ビットが例示されている。図8の(C) は
この疑似乱数(PN)コードの1の箇所で正弦波が 180°位
相シフトされた位相変調波形を示し、この波形が超音波
伝送信号として超音波送信器 (2aまたは2b) に供給され
る。そして流体11から受信した超音波受信信号波形が図
8の(E) に図示され、図8の(F) はこの超音波受信信号
波形をサンプリングクロックでサンプリングし、A/D 変
換してディジタル化信号に変換した波形を示す。相関演
算手段でこれらの順方向と逆方向のディジタル化信号を
先入れ先出しメモリ(FIFO)52から読み出し、(1) 式によ
る演算を実行することにより離散化された相関関数φgh
(k) を得ることができる。
【0014】図9は図7と同様に、順方向と逆方向の超
音波受信信号の相関関数φgh(k) を縦軸に、相関遅れ時
間 kを横軸にとり、(1) 式で演算された相関データをプ
ロットしたものである。図示例は、相関値が予め定めら
れた閾値φ0 を越える相関遅れ時間 mの前後方向の相関
値を調べ,この相関値がゼロとなる前後の相関データ(C
i-1,i-1), (Ci,i), (Cn,n), (Cn+1,n+1)から、相関値が
ゼロとなる補間時間tz(-),tz(+) を比例配分で演算し、
直線で内挿補間することができる。そしてこの両補間時
間tz(-),tz(+) の和の1/2 から、相関値が最大になる補
間時間τm2を演算することができる。(以下、この近似
方法を直線補間と略称する。)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この様に、流体の流れ
の順方向と逆方向に超音波を伝搬させ、相関関数を用い
て伝搬時間の時間差を求め、流体の流速を測定する超音
波流量計は次に述べる課題がある。即ち、 (1) 相関演算手段から得られた相関データから相関値
が最大となる補間時間を内挿補間演算する最大値補間手
段は、直線補間や2次補間で内挿補間演算が行われてい
る。しかし、これらの内挿補間演算では演算誤差が発生
し、真の流速あるいは流量測定に誤差を生じる。
【0016】(2) この内挿補間演算誤差を少なくする
ために高次の補間演算を行うと、相関値が最大となる補
間時間を求めるための処理時間が多くかかる。 (3) また、例えば、疑似乱数で正弦波を 180°位相変
調した波形で超音波送信器2を励振し、顕著なピーク相
関を得る方法を用いても、流体が流れる導管の材質や肉
圧によっては、超音波受信器に直接入射する超音波以外
に,超音波受信器の近傍に入射し導管内を多重反射して
超音波受信器に入射する場合がある。この様な場合、相
関値が脈動し(多峰性)複数の極大値が得られることが
あり、最大値の誤認によっては超音波流量計の測定に多
大な影響をあたえることがある。
【0017】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
のであり、その目的は前記した課題を解決して、相関値
が最大となる補間時間を簡単な内挿補間演算で演算しこ
の演算誤差を補正する手段と、また、多峰性の相関関数
が得られても最大値検出の誤認を防止する手段と、を備
えた測定精度の高い超音波流量計を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、流体が流れる導管の外周に一対
の超音波送受信器を設置し、この流体の流れ方向の成分
をもつ順方向とこの流体の流れと逆の成分をもつ逆方向
との双方向に超音波を伝搬させ、この伝搬時間の時間差
に基づき流体の流速あるいは流量を測定する超音波流量
計において、流速あるいは流量測定時、流体に超音波伝
送信号を供給する信号送信手段と、この超音波伝送信号
に同期して少なくとも1つのサンプル選択時間窓を決定
するタイミング手段と、流体から超音波受信エネルギを
受信し、サンプル選択時間窓の間, 順方向および逆方向
の超音波受信信号エネルギをサンプリングクロックでデ
ィジタル化信号に変換する信号受信手段と、サンプリン
グクロックの整数倍の相関遅れ時間分シフトして、この
順方向と逆方向のディジタル化信号の相関関数を演算す
る相関演算手段と、この相関演算手段から得られる相関
データから相関値が最大となる補間時間を内挿補間演算
する最大値補間手段と、この最大値補間手段から得られ
る補間時間から予め定められた補正特性に従って内挿補
間演算の演算誤差を補正する補正演算手段と、を備える
ものとする。
【0019】上記構成により、流体から受信した順方向
および逆方向の超音波受信エネルギをサンプル選択時間
窓の間,予め定められたサンプリングクロックでディジ
タル化し、相関演算手段でサンプリングクロックの整数
倍の相関遅れ時間間隔毎に相関データを求め、最大値補
間手段で相関値が最大となる補間時間を内挿補間演算
し、補正演算手段で予め定められた補正特性に従って補
正することにより、内挿補間演算の演算誤差を補正し、
真の最大相関値を得る最大相関遅れ時間を誤差少なく求
めることができる。
【0020】また、最大値補間手段は極大値補間手段を
備え、この極大値補間手段は相関演算手段から得られる
相関データから相関値が予め定められた値を越える相関
遅れ時間の前後方向の相関値を調べ,この相関値がゼロ
となる前後の相関データから相関値ゼロの補間時間を内
挿補間演算し,この両補間時間の和の1/2 から相関が極
大になる補間時間を演算するものとする。
【0021】上記構成により、簡単な演算式(例えば、
相関値がゼロとなる前後の相関データから相関値ゼロの
補間時間を比例演算する)により相関値が極大になる補
間時間を演算することができる。また、最大値補間手段
は極大値補間手段を備え、この極大値補間手段は相関演
算手段から得られる相関データから相関値が予め定めら
れた値を越える相関遅れ時間を検出し,この相関遅れ時
間の相関データと隣接する前後の相関遅れ時間の相関デ
ータとから相関値が極大となる補間時間を内挿補間演算
するものとする。
【0022】上記構成により、簡単な演算式(例えば、
予め定められた閾値を越える隣接する3点の相関データ
を通る2次式で近似演算する)ことにより相関が極大に
なる補間時間を演算することができる。これらの内挿補
間演算で求められた極大となる補間時間が単一(単峰
性)のとき、この補間時間は最大となる補間時間であ
り、内挿補間演算方法の差異を含め補正演算手段で予め
定められた補正特性に従って補正することができる。こ
の結果、内挿補間演算の演算誤差を補正し、真の最大相
関値を得る最大相関遅れ時間を誤差少なく求めることが
できる。
【0023】また、最大値補間手段は、相関値が極大と
なる補間時間とそのときの相関値とを演算する極大値補
間手段と最大値検出手段とを備え、この最大値検出手段
は相関遅れ時間に対し相関値が脈動し複数の極大値が得
られるとき、極大値補間手段から得られる各極大相関値
から最大の相関値を有する補間時間を検出するものとす
る。
【0024】上記構成により、相関値が脈動し複数の極
大値が得られるときも、極大値補間手段から得られる各
極大相関値から最大の相関値を有する補間時間を検出す
ることができ、最大の相関値の誤認を防止することがで
きる。この結果、誤認防止を含め、この最大の相関値を
有する補間時間を補正演算手段で予め定められた補正特
性に従って補正することにより内挿補間演算の演算誤差
を補正し、真の最大相関値を得る最大相関遅れ時間を誤
差少なく求めることができ、この補正された補間時間を
用いて流量演算手段で(2) 式あるいは(3) 式の演算式を
用いて、流体の流速あるいは流量を演算することができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明による一実施例の超
音波流量計の構成要件図、図2は超音波流量計のブロッ
ク図、図3は超音波送受信信号とサンプル選択時間窓を
説明する説明図、図4は多峰性の相関関数の特性を説明
する説明図、図5は内挿補間演算方法による補間時間の
誤差特性図、図6は本発明の一実施例による補正演算手
段における補正特性図であり、図7〜図9に対応する同
一部材には同じ符号が付してある。超音波流量計の基本
構成は図2で説明してあるので、この詳細説明は省略
し、一実施例の超音波流量計を図2を併用して図1を簡
潔に述べる。
【0026】図1において、超音波流量計は、流体11が
流れる導管12の外周に 2a,2bで図示される一対の超音波
送受信器2を設置し、矢印で図示される流体11の流れ方
向の成分をもつ順方向とこの流体11の流れと逆の成分を
もつ逆方向との双方向に超音波伝送信号s(t)を伝搬さ
せ、この伝搬時間の時間差から流体11の流速が測定され
る。この伝搬時間の時間差は、本発明では相関技術を用
い、超音波伝送信号s(t)を順方向に送信した時の超音波
受信エネルギ波形g(t)と逆方向に送信した時の超音波受
信エネルギ波形h(t)との相関をとり、相関値が最大とな
る最大相関遅れ時間τm を求め、この相関遅れ時間τm
を伝搬時間の時間差として流体11の流速あるいは流量の
測定を行う。
【0027】これらの超音波送受信信号を信号処理し流
速を測定する超音波流量計は、送信部3aと、送信部3aの
制御信号で超音波送受信器2a,2b への超音波伝送信号s
(t)を切り換える切換えスイッチ3b,3c とからなる信号
送信手段3と、この超音波伝送信号s(t)に同期して少な
くとも1つのサンプル選択時間窓5Aを決定するタイミン
グ手段4と、流体11からの超音波受信エネルギを超音波
送受信器2a,2b で受信し、上述の切換えスイッチ3b,3c
を介して超音波受信信号を受信する受信部5aと、上述の
サンプル選択時間窓5Aの間、順方向g(t)および逆方向h
(t)の超音波受信信号をサンプリングクロックj の離散
間隔でディジタル化信号(順方向g(j)および逆方向h
(j))に変換する A/D変換器51と先入れ先出しメモリ52
からなる信号受信手段5と、(1) 式よりこの順方向と逆
方向のディジタル化信号の一方をサンプリングクロック
のゼロを含めた整数倍の相関遅れ時間(k) 分だけシフト
し, 積の和をとる相関関数φgh(k) を演算する相関演算
手段6と、この相関演算手段6から得られる相関データ
(φgh(k),k)から、相関値が最大となる補間時間 (τm)
を内挿補間演算し, 図示例では極大値補間手段71と最大
値検出手段72とからなる最大値補間手段7と、この最大
値補間手段7から得られる補間時間から予め定められた
補正特性に従って内挿補間演算の演算誤差を補正する補
正演算手段8と、この補正演算手段8で補正された補間
時間から流速あるいは流量を演算する流量演算手段9
と、から構成される。
【0028】かかる構成において、流体11から受信した
順方向および逆方向の超音波受信エネルギg(t), h(t)を
サンプル選択時間窓5Aの間,予め定められたサンプリン
グクロックj でディジタル化し、相関演算手段6でサン
プリングクロックの整数倍の相関遅れ時間(k) 間隔毎に
相関データ (φgh(k),k)を求め、極大値補間手段71で相
関値の極大値となる補間時間τm を直線補間や2次補間
などの簡単な演算式で内挿補間演算できる。極大となる
補間時間τm が単一(単峰性)のとき,この補間時間τ
m が最大となる補間時間であり、また相関値が脈動し複
数の極大値が得られるときは、最大値検出手段72で極大
値補間手段71から得られる各極大相関値cp1,cp2,cp3 か
ら図示例では最大の相関値cp2 を有する補間時間τp2
(=τm )を検出し、補正演算手段8で予め定められた
補正特性に従って補正することにより、内挿補間演算方
法の差異を含め内挿補間演算の近似演算誤差を補正し、
真の最大相関値を得る最大相関遅れ時間τmcを誤差少な
く求めることができる。
【0029】また、この補正された補間時間τmcを用い
て流量演算手段で(2) 式あるいは(3) 式の演算式を用い
て流体の流速あるいは流量を演算することができる。
【0030】
【実施例】次に、図3により超音波送受信信号s(t),g
(t),h(t)とサンプル選択時間窓5Aを図示し、タイミング
手段4と、信号受信手段5との一実施例を説明する。図
3において、一番上段に超音波伝送信号s(t)、次段に順
方向超音波受信信号g(t)、次に逆方向超音波受信信号h
(t)、次にサンプル選択時間窓5A、最後にサンプリング
クロックを図示する。超音波送信信号s(t)は、図示例で
は正弦波形の超音波伝送信号であるが、従来技術で述べ
た擬似乱数(PN)で 180°位相シフトされた正弦波形を有
する超音波伝送信号を用いてもよい。この超音波送信信
号s(t)はサンプリングクロックの予め定めた位置qか
ら、導管の内径にも依存するが、一般的には10数波程度
の正弦波形の超音波伝送信号が送信される。
【0031】次段と次の段に順方向および逆方向の超音
波受信信号g(t)およびh(t)が図示される。流体11が静止
状態では順方向および逆方向の超音波受信信号g(t)、h
(t)は同一時間位置に受信されるが、流体11の流速に応
じて(2) 式で示される関係により、逆方向の超音波受信
信号h(t)は順方向の超音波受信信号g(t)に比べてΔtsだ
け時間が遅れて受信される。
【0032】サンプル選択時間窓5Aは、サンプリングク
ロックの予め定めた位置qから流体11の種類や状態、温
度範囲、導管の内径などによって予め定まる一定時間分
シフトした基準点0からサンプリングクロック数(j) で
例えば1024クロック分のウインド幅を開き、流速の測定
全範囲に亙たって、順方向および逆方向の超音波受信信
号g(t)、h(t)が最適に受信できる範囲に選択される。そ
して、この順方向および逆方向の超音波受信信号g(t)、
h(t)(時間的に連続量)は、ウインド幅内のサンプリン
グクロック(j) 毎に A/D変換器51により A/D変換され、
ディジタル化信号g(j)、h(j)としてそれぞれ先入れ先出
しメモリ(FIFO)52に書き込まれる。
【0033】次に、情報処理部54の処理プログラムに従
って相関演算手段6で順方向と逆方向の超音波受信信号
g(j)、h(j)間の相関が演算される。即ち、先入れ先出し
メモリ(FIFO)52から順方向と逆方向の A/D変換されたデ
ィジタル化信号g(j)、h(j)を呼び出し、(1) 式に示され
る順方向と逆方向の超音波受信信号g(j)、h(j)の相関関
数φgh(k) を演算する。この演算結果の一例が図4に図
示される。
【0034】図4は縦軸に相関関数φgh(k) をとり、横
軸に相関遅れ時間 kをとり、(1) 式で演算された相関デ
ータφgh(k),k を黒丸でプロットしたものである。図4
において、図示例はこの相関値φghが脈動し、多峰性の
場合を示し、複数の相関値の極大値cp1,cp2,cp3 が存在
する。この複数の相関値の極大値cp1,cp2,cp3 に対応す
る相関遅れ時間τp1, τp2, τp3は、極大値補間手段71
により、相関値φghが予め定められた閾値φ0 を越える
相関値φghとそのときの相関遅れ時間より、相関値の極
大値となる補間時間τp1,(τp2, τp3) を直線補間ある
いは2次補間などの演算式で内挿補間演算して、複数の
相関値が極大となる補間時間τp1, τp2, τp3を求め
る。
【0035】次に、最大値検出手段72により、相関値の
極大値cp1,cp2,cp3 から最大値cp2を検出し、この補間
時間τp2を求める。この補間時間τp2は相関値が最大と
なる補間時間τm(=τp2)となる。次に、図5に従い、
上述の直線補間や2次補間などの内挿補間演算による演
算近似誤差を説明する。図5において、縦軸に高次の内
挿補間演算をし、演算近似誤差含まない真の相関時間、
横軸に上述の直線補間や2次補間などの内挿補間演算し
たときの補間時間をとり、各々の時間幅は1サンプリン
グクロックをとる。相関値が極大となる補間時間τp1,
(τp2, τp3) が1サンプリングクロックと丁度一致し
たとき(0,1) あるいは丁度1サンプリングクロックの中
間値(1/2) のところでは内挿補間演算の演算近似誤差は
ゼロとなる。
【0036】補間時間τp1, (τp2,τp3) がサンプリ
ングクロックの 0〜1/2 の範囲では、実線で図示される
内挿補間演算が直線補間のとき補間時間に対して真の相
関時間は大きめになり、点線で図示される内挿補間演算
が2次補間のとき補間時間に対して真の相関時間は小さ
めになる。また、サンプリングクロックの 1/2〜1 の範
囲では、実線で図示される直線補間のとき補間時間に対
して真の相関時間は小さめになり、点線で図示される2
次補間のとき補間時間に対して真の相関時間は大きめに
なる。
【0037】従って、補正演算手段8では、これらの直
線補間や2次補間などの内挿補間演算の近似誤差を打ち
消す方向に補正を加えればよい。図6は内挿補間演算を
2次補間で実施したときの一実施例を示すものである。
図6において、縦軸に補正演算手段8における補正係数
を、内挿補間演算したときの補間時間をとり、ここでは
図5に図示する1サンプリングクロックの中間値(1/2)
を0.00としている。
【0038】この実施例では、内挿補間演算を2次式で
補間を実施し補正演算手段8による補正演算を行わない
とき、黒塗りのダイヤ印で示される最大約 2.3%の誤差
が生じるものが、この補正曲線で補正することにより近
似誤差を打ち消すことができる。また、図6に示したと
おり、内挿補間演算を3次式で補間を実施し補正演算手
段8による補正演算を行わないとき、黒塗りの四角印で
示される最大約0.32%の誤差が生じるものが、この補正
曲線で補正することにより近似誤差を打ち消すことがで
きる。内挿補間演算をさらに高次式で補間を実施したと
きは、最大約0.05%以下の誤差に納まるので、この場合
は事実上補正演算手段8による補正が不要となる。
【0039】上述の様に、補正演算手段8による補正を
実施した真の相関時間を用いて、流量演算手段で(2) 式
の演算式を用いて、流体の流速あるいは流量を演算する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、最大値補間手段8として極大値補間手段71と最大値
検出手段72とを備えることにより、順方向と逆方向の超
音波受信信号の相関関数φgh(k) に多峰性の相関が得ら
れても,最大値検出の誤認を防止することができる。
【0041】また、極大値補間手段71で相関値が最大と
なる補間時間を簡単な内挿補間演算で演算し、この演算
誤差を補正する補正演算手段8を備えることにより、相
関値が最大となる補間時間を高速に近似演算し、かつこ
の演算誤差を補正し、真の相関時間を得ることができ
る。この結果、多峰性の相関関数が得られても最大値検
出の誤認を防止する手段を備える測定精度の高い超音波
流量計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の超音波流量計の構成要
件図
【図2】従来技術および本発明による超音波流量計のブ
ロック図
【図3】超音波送受信信号とサンプル選択時間窓を説明
する説明図
【図4】多峰性の相関関数の特性を説明する説明図
【図5】内挿補間演算方法による補間時間の誤差特性図
【図6】本発明の一実施例による補正演算手段における
補正特性図
【図7】従来技術による最大値補間手段の一例を説明す
る説明図
【図8】従来技術による超音波送受信信号を説明する説
明図
【図9】従来技術による最大値補間手段の他の例を説明
する説明図
【符号の説明】
11 流体 12 導管 2,2a,2b 超音波送受信器 3 信号送信手段 3a 送信部 3b,3c 切換えスイッチ 4 タイミング手段 5 信号受信手段 51 A/D 変換器 52,FIFO 先入れ先出しメモリ 53 入出力インタフェース 54 情報処理部 55 マンマシンインタフェース 5A サンプル選択時間窓 6 相関演算手段 7 最大値補間手段 71 極大値補間手段 72 最大値検出手段 8 補正演算手段 9 流量演算手段 s(t), s(t) 超音波伝送信号 g(t), g(t) 順方向の超音波受信信号 h(t), h(t) 逆方向の超音波受信信号 cpi,cp2,cp3,cm-2,cm-1,cm,cm+1,cm+2,ci,cn 演算さ
れた相関値 τm,τm1, τm2 相関値が最大となる補間時間 k,m-2,m-1,m,m+1,m+2,i-1,i,n,n+1 相関遅れ時間 t(z-),t(z+) 相関値がゼロとなる補間時間 φgh 相関値 φgh(k) 相関関数 φ0 閾値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 勉 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 高橋 康弘 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体が流れる導管の外周に一対の超音波送
    受信器を設置し、この流体の流れ方向の成分をもつ順方
    向と, この流体の流れと逆の成分をもつ逆方向と, の双
    方向に超音波を伝搬させ、この伝搬時間の時間差に基づ
    き流体の流速あるいは流量を測定する超音波流量計にお
    いて、 流速あるいは流量測定時、流体に超音波伝送信号を供給
    する信号送信手段と、 この超音波伝送信号に同期して少なくとも1つのサンプ
    ル選択時間窓を決定するタイミング手段と、 流体から超音波受信エネルギを受信し、前記サンプル選
    択時間窓の間、順方向および逆方向の超音波受信信号エ
    ネルギを離散間隔(サンプリングクロック)でディジタ
    ル化信号に変換する信号受信手段と、 サンプリングクロックの整数倍の相関遅れ時間分シフト
    して、この順方向と逆方向のディジタル化信号の相関関
    数を演算する相関演算手段と、 この相関演算手段から得られる相関データから相関値が
    最大となる補間時間を内挿補間演算する最大値補間手段
    と、 この最大値補間手段から得られる補間時間から予め定め
    られた補正特性に従って内挿補間演算の演算誤差を補正
    する補正演算手段と、 を備える、ことを特徴とする超音波流量計。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の超音波流量計において、 最大値補間手段は極大値補間手段を備え、 この極大値補間手段は、相関演算手段から得られる相関
    データから相関値が予め定められた値を越える相関遅れ
    時間の前後方向の相関値を調べ,この相関値がゼロとな
    る前後の相関データから相関値ゼロの補間時間を内挿補
    間演算し,この両補間時間の和の1/2 から相関が極大に
    なる補間時間を演算する、 ことを特徴とする超音波流量計。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の超音波流量計において、 最大値補間手段は極大値補間手段を備え、 この極大値補間手段は、相関演算手段から得られる相関
    データから相関値が予め定められた値を越える相関遅れ
    時間を検出し,この相関遅れ時間の相関データと隣接す
    る前後の相関遅れ時間の相関データとから相関値が極大
    となる補間時間を内挿補間演算する、 ことを特徴とする超音波流量計。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの項に
    記載の超音波流量計において、 最大値補間手段は、相関値が極大となる補間時間とその
    ときの相関値とを演算する極大値補間手段と,最大値検
    出手段と,を備え、 この最大値検出手段は、相関遅れ時間に対し相関値が脈
    動し複数の極大値が得られるとき、極大値補間手段から
    得られる各極大相関値から最大の相関値を有する補間時
    間を検出する、 ことを特徴とする超音波流量計。
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