JP2003194921A - 受信信号処理装置および距離測定装置 - Google Patents

受信信号処理装置および距離測定装置

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JP2003194921A JP2001390188A JP2001390188A JP2003194921A JP 2003194921 A JP2003194921 A JP 2003194921A JP 2001390188 A JP2001390188 A JP 2001390188A JP 2001390188 A JP2001390188 A JP 2001390188A JP 2003194921 A JP2003194921 A JP 2003194921A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】相関処理における処理時間を短縮してシステム
を簡略化するとともに、信号検出のダイナミックレンジ
を広く取れる受信信号処理装置を提供する。 【解決手段】受信信号のエンベロープを抽出して得られ
るレベル信号bと、受信信号を飽和させて得られるリミ
ット信号cをログアンプ4で生成する。リミット信号c
を波形整形部6で矩形波のデジタル信号dとし、レベル
信号bが一定レベルを超える区間だけゲート7を開い
て、相関処理部8でデジタル信号fを基準信号と比較し
て相関処理を行う。相関処理部8から出力される相関出
力信号hのエンベロープをローパスフィルタ9で抽出
し、エンベロープ信号iのレベルが一定レベルを超える
か否かを信号検出部10で検出して、一定レベルを超え
ておれば受信した信号を正規の受信信号と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水深を測定する測
深機や、トランスポンダを利用した測位システム等に用
いられる受信信号処理装置に関する。
【0002】図22は超音波を利用して水深を測定する
測深機の原理を説明する図である。船底に設けられた送
受波器(図示省略)より(A)の超音波送信信号を水中
に発射してから、水底で反射して帰って来るエコーによ
る(B)の受信信号を受信するまでの時間Tを、(C)
のタイミングパルスを計数することにより求め、この時
間Tと水中の音速Cとに基づいて、次式により水深Dを
算出することができる。 D=C・T/2 また、水中に3箇所設けたトランスポンダに対して船か
ら超音波信号を送信し、各トランスポンダから受信した
応答信号に基づいて、自船と各トランスポンダとの距離
を測定し、その結果から自船の位置を算出する測位シス
テムにおいても、距離測定にあたって上記と同様の原理
を用いて演算を行うことができる。
【0003】ところで、受信信号には、水底で反射して
帰って来る本来のエコー信号や、トランスポンダからの
本来の応答信号以外に、様々なノイズ信号も含まれてい
るため、送受波器が受信した信号の中から水底エコーや
トランスポンダの応答に基づく正規の受信信号を検出す
る処理が必要となる。このために、従来から図18に示
したような回路が用いられている。図18において、2
01は送受波器、202は増幅部、203はフィルタ、
204はログアンプ(対数増幅器)、205はA/D変
換器、206はデジタルコンパレータである。なお、図
18では送受波器201に送信信号を与える送信部は図
示を省略してある。
【0004】図18の回路では、送受波器201が受信
した信号を増幅部202で増幅してフィルタ203を通
した後、ログアンプ204へ入力して受信信号のエンベ
ロープ信号を生成し、A/D変換器205でエンベロー
プ信号のレベルに応じたデジタル値に変換する。そし
て、このデジタル値をデジタルコンパレータ206にお
いて所定の基準値(閾値)と比較して基準値を超えてお
れば、受信した信号を正規の信号と判定するようにして
いる。
【0005】しかしながら、この方式では、ノイズであ
っても信号のレベルが基準値を超えておれば正規の信号
と判定してしまうため、誤検出の生じる割合が高くな
り、信頼性に欠けるという問題がある。そこで、受信信
号に対して相関処理を行い、レベルだけでなく位相も比
較することによって検出精度を向上させる方式が提案さ
れている。図19はこのような相関処理方式による回路
を示している。図19において、301は送受波器、3
02は増幅部、303はフィルタ、304はA/D変換
器、305は相関器である。ここでも、送受波器301
に送信信号を与える送信部は図示を省略してある。
【0006】図19の回路では、送受波器301が受信
した信号を、増幅部302で増幅してフィルタ303を
通した後、A/D変換器304でデジタル信号に変換
し、このデジタル信号に対して相関器305で基準信号
との比較による相関処理を行い、相関出力が最大となる
場合に、受信した信号を正規の信号と判定するようにし
ている。相関器305は、マッチドフィルタ(Matched
Filter)から構成され、内部に保有している基準信号
(チャープ信号等)の波形と一致する(もしくは最も近
似した)波形の信号を検出する機能を有している。な
お、送信部あるいはトランスポンダ(いずれも図示省
略)からは、上記の基準信号と一致した波形の信号が送
信される。
【0007】図20および図21は、相関処理の原理を
示した図である。図20(A)は正規の受信信号に対応
した基準信号、(B)はフィルタ303から出力された
受信信号である。基準信号は、相関器305の内部メモ
リにあらかじめ記憶されており、時間とともに周波数が
高くなるチャープ信号からなる。相関処理においては、
受信信号と基準信号の位相を少しづつずらせながら、各
時点での受信信号のレベルと、基準信号のレベルとの積
和を演算する。図20はある時点での積和演算の様子を
示しており、所定のサンプリング間隔で受信信号のレベ
ル値(A/D変換器304の出力値)と基準信号のレベ
ル値との乗算を行い、その積X1,X2,…Xnをサン
プリング区間にわたって加算する。そして、この加算値
X1+X2+…+Xnの値を相関出力とする。(C)は
この相関出力を示しており、Q1はこの時点での相関出
力値である。
【0008】図21は、一定時間経過後の別の時点にお
ける積和演算の様子を示しており、位相をずらせた結
果、受信信号の波形が基準信号の波形と一致した状態を
示している。この場合も、所定のサンプリング間隔で受
信信号のレベル値と基準信号のレベル値との乗算を行
い、その積Y1,Y2,…Ynをサンプリング区間にわ
たって加算する。そして、この加算値Y1+Y2+…+
Ynの値を相関出力とする。(C)はこの相関出力を示
しており、Q2はこの時点での相関出力値である。
【0009】図21では、受信信号が基準信号と一致し
ているため、積Y1,Y2,…Ynの加算値、すなわち
相関出力値Q2は、先の相関出力値Q1よりも大きくな
って最大値となる(その後は、受信信号と基準信号の位
相が再びずれてゆくため、相関出力値は減少する)。そ
こで、この相関出力の最大値Q2が一定の基準レベルを
越えているか否かを判別し、超えておれば、この受信信
号を正規の受信信号として検出することができる。こう
して、相関処理によれば、積和演算によって信号のレベ
ルの情報だけでなく位相の情報も取り込んで信号の検出
を行うため、レベルが大きくても位相が一致しないノイ
ズは排除され、レベルだけに基づいて信号検出を行う場
合に比べて、信号の検出精度を高めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た相関処理方式では、受信信号をそのまま相関処理して
おり、受信信号および基準信号のレベル値としてアナロ
グ値を用いているため、積和演算を行うにあたって、取
り扱うデータ量が非常に多くなり、演算処理に要する時
間が長くなるともに、システムが複雑化する。このた
め、相関処理にはDSP(Digital Signal Processor)
などを用いねばならず、そのためのソフトウエアの開発
も必要となって、コストが高くつくという問題がある。
また、レベル値をそのまま用いて積和演算を行うことか
ら、信号のレベルがわずかに変化しただけでも、相関出
力には大きな変化となって現れるため、信号検出を行う
ための基準レベルの設定が非常に難しくなり、その結果
として信号検出のダイナミックレンジが狭くなるという
不具合が生じる。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するものであ
って、その目的とするところは、相関処理における処理
時間を短縮してシステムを簡略化するとともに、信号検
出のダイナミックレンジを広く取れる受信信号処理装置
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る受信信号処
理装置は、水中へ発射された超音波に応答して得られる
アナログ受信信号を処理する受信信号処理装置であっ
て、受信信号に基づいて当該信号の位相情報を表す矩形
波のデジタル信号を生成する位相情報生成手段と、受信
信号に基づいて当該信号のレベル情報を表すレベル信号
を生成するレベル情報生成手段と、このレベル情報生成
手段により生成されたレベル情報から一定レベルを超え
る信号区間を検出する検出手段と、この検出手段により
検出された信号区間のデジタル信号に対して、矩形波の
基準信号との比較による相関処理を行う相関処理部とを
備える。そして、この相関処理部から出力される相関出
力信号に基づいて正規の受信信号を検出する。
【0013】本発明では、受信信号に対してそのまま相
関処理を行うのではなく、受信信号から矩形波のデジタ
ル信号を生成し、このデジタル信号に対して矩形波の基
準信号を用いて相関処理を行う。この場合、デジタル信
号はレベル情報を有しないが、位相情報は保持してい
る。一方、基準信号もレベル情報は有しておらず、位相
情報のみを有している。そこで、これらのデジタル信号
と基準信号とにより、位相情報のみに基づく相関処理を
行う。この場合、デジタル信号と基準信号はいずれも
「H」「L」の2値をとるだけであるから、演算処理が
非常に簡単になる。
【0014】しかし、位相情報だけで相関処理を行った
のではレベル情報が反映されず、基準信号とたまたま位
相情報が合致したノイズ信号を正規の信号として誤検出
するおそれがある。そこで、本発明では受信信号のレベ
ル情報を抽出して、受信信号が一定レベルを超える区間
について上記の相関処理を行う。こうすれば、信号レベ
ルの低いノイズについては相関処理が行われないので、
たとえ位相情報が合致していたとしても誤検出が生じる
ことはなく、また、信号レベルの高いノイズについては
相関処理を行うが、基準信号と位相情報が合致しないた
め正規の信号とはみなされず、やはり誤検出が生じるこ
とはない。すなわち、本発明では、信号レベルが高く、
かつ基準信号と位相情報が合致した信号のみを正規の受
信信号として検出することができる。
【0015】本発明では、上記のような位相情報とレベ
ル情報を生成する手段として、ログアンプ(対数増幅
器)を用いることが推奨される。ログアンプは、受信信
号のエンベロープを検出してエンベロープ信号を生成す
る機能と、受信信号を飽和させてリミット信号を生成す
る機能とを備えている。そして、エンベロープ信号は受
信信号のレベル情報を表しており、リミット信号は受信
信号の位相情報を表している。したがって、1つのログ
アンプによって、レベル情報と位相情報を同時に得るこ
とができる。
【0016】本発明では、相関処理によって得られた相
関出力信号を正規化し、この正規化された信号のエンベ
ロープを抽出して、当該エンベロープ信号が所定の基準
レベルを超えているか否かを判定することで、正規の受
信信号を検出することができる。この場合、相関処理に
おいて2値信号により位相情報の比較を行うので、受信
信号のレベルが変化しても、相関出力はほとんど変化し
ない。このため、相関出力信号の正規化が容易となり、
これにともなって基準レベルの設定も容易となるため、
信号検出のダイナミックレンジを広く取ることが可能と
なる。
【0017】本発明に係る受信信号処理装置としては、
上述したような相関処理の前の段階で受信信号のレベル
情報を取り込む構成に代えて、相関処理を行った後に受
信信号のレベル情報を取り込む構成が考えられる。この
場合、上述した位相情報生成手段、レベル情報生成手段
および相関処理部に加えて、相関処理部から出力される
相関出力信号と、レベル情報生成手段で生成されたレベ
ル信号とを加算する加算手段が設けられ、この加算手段
の出力に基づいて正規の受信信号が検出される。
【0018】この場合も、受信信号に対してそのまま相
関処理を行うのではなく、受信信号から生成した矩形波
のデジタル信号と矩形波の基準信号とを用いて、位相情
報のみに基づく相関処理を行う。そして、その結果得ら
れた相関出力信号にレベル信号を加算することによっ
て、受信信号のレベル情報を反映させる。こうすること
で、前記と同様に、信号レベルが高く、かつ基準信号と
位相情報が合致した信号のみを正規の受信信号として検
出することができる。
【0019】また、位相情報とレベル情報を生成する手
段として、前記と同様にログアンプ(対数増幅器)を用
いることが推奨される。この場合、レベル信号として、
エンベロープ信号の移動平均から得られる信号を用いる
ことができる。
【0020】また、信号検出にあたっては、相関出力信
号を正規化してレベル信号と加算した後、加算された信
号のエンベロープを抽出し、当該エンベロープ信号が所
定の基準レベルを超える場合に受信信号を正規の受信信
号と判定する。この場合も、受信信号のレベルが変化し
ても相関出力はほとんど変化しないので、相関出力信号
の正規化や基準レベルの設定が容易となって、信号検出
のダイナミックレンジを広く取ることができる。
【0021】本発明の受信信号処理装置の典型的な適用
例としては、船舶等に搭載されて水底までの距離を測定
する測深機や、測位システムにおける自船とトランスポ
ンダとの距離を測定する測距装置などが挙げられる。こ
れらの距離測定装置は、水中へ超音波を発射する送受波
器と、この送受波器に送信信号を与えるとともに、送受
波器で受信された受信信号を信号処理する送受信部と、
この送受信部で受信された受信信号に基づいて距離の演
算を行う演算処理部とを備えていて、送受信部が本発明
に係る受信信号処理装置を有している。そして、演算処
理部は、受信信号処理装置で相関出力信号に基づき正規
の受信信号が検出されたことに応答して、距離の演算を
行う。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態を
示したブロック図である。図において、1は水中へ超音
波を発射するとともに、超音波に応答して得られる水底
からのエコー信号やトランスポンダからの応答信号を受
信する送受波器である。なお、図1では受信部のみを示
してあり、送信部は図示を省略してある。2〜10は受
信信号処理装置を構成するブロックであって、2は受信
した信号を増幅する増幅部、3は増幅した受信信号から
所定の周波数の信号を取り出すためのフィルタ、4はフ
ィルタ3を通過した受信信号のエンベロープを検出して
レベル信号を生成するとともに、受信信号を飽和させて
リミット信号を生成するログアンプである。
【0023】5はログアンプ4から出力されるレベル信
号から一定レベルを超える信号区間を検出するレベル検
出部、6はログアンプ4から出力されるリミット信号に
対して波形整形を行う波形整形部、7はレベル検出部5
からの出力により開閉されるゲート、8はゲート7を通
過したデジタル信号に対して相関処理を行う相関処理部
である。相関処理部8はマッチドフィルタ(Matched Fi
lter)から構成され、内部に保有している基準信号(チ
ャープ信号等)の波形と一致する(もしくは最も近似し
た)波形の信号を検出する機能を有している。なお、送
信部あるいはトランスポンダ(いずれも図示省略)から
は、上記の基準信号と一致した波形の信号が送信され
る。
【0024】9は相関処理部8から出力される相関出力
信号のエンベロープを取り出すローパスフィルタ、10
はこの取り出されたエンベロープ信号に対して基準レベ
ルとの比較を行い、その結果に基づいて受信信号を検出
する信号検出部である。上記構成において、ログアンプ
4は本発明におけるレベル情報生成手段および位相情報
生成手段に相当し、レベル検出部5は本発明における検
出手段に相当する。
【0025】図2および図3は、図1の装置における各
部の信号波形を示した図である。これらの波形はシミュ
レーションによるものであるが、実際に実験を行った結
果でも、ここに示した波形と殆ど同じ波形が得られるこ
とが確認された。以下、これらの波形図を参照しなが
ら、図1の装置の動作を説明する。送受波器1から水中
へ発射された超音波は、水底で反射し(測深機の場
合)、あるいはトランスポンダで受信されて(測位シス
テムの場合)、水底からのエコー信号やトランスポンダ
からの応答信号が送受波器1で受信される。この受信信
号は増幅部2において増幅され、フィルタ3において所
定周波数の信号が取り出される。図2のaはフィルタ3
から取り出された受信信号を示している。この受信信号
aは、図4の拡大波形aに示すような正弦波信号からな
る。
【0026】受信信号aはログアンプ4に入力される。
ログアンプ4では、受信信号aのエンベロープを検出し
て図2のbのようなレベル信号を生成するとともに、受
信信号aを飽和させてcのようなリミット信号を生成す
る。このリミット信号cは、図4の拡大波形cに示すよ
うに、ほぼ矩形波のデジタル信号となる。レベル信号b
はレベル検出部5に入力され、リミット信号cは波形整
形部6に入力される。
【0027】レベル検出部5においては、一定の基準レ
ベル(閾値)があらかじめ設定されており、入力された
レベル信号bに対して基準レベルを超えている信号区間
Y(図2のb参照)を検出する。そして、この信号区間Y
の期間だけレベル検出部5から「1」の検出信号が出力
され、この検出信号がゲート7に与えられてゲート7が
開く。一方、波形整形部6においては、リミット信号c
に対して波形のなまりをなくすために波形整形を行い、
図2のdに示すデジタル信号を出力する。このデジタル
信号dは、図4の拡大波形dに示すように、受信信号a
と同期した矩形波信号であって、受信信号aの位相情報
を持った信号である。なお、波形整形部6は必須ではな
く、リミット信号cの波形なまりが無視できる程度であ
れば、波形整形部6を省略することもできる。
【0028】ゲート7が開くことにより、上記デジタル
信号dはゲート7を通過して相関処理部8へ入力され
る。図2のfは、ゲート7を通過したデジタル信号を示
しており、dのデジタル信号から区間Yに含まれる信号
のみが取り出されたものとなっている。このように、本
実施形態では、受信信号が一定レベルを超える区間に含
まれるデジタル信号のみが相関処理の対象となる。相関
処理部8においては、上記デジタル信号fに対して、図
2のeに示す基準信号を用いて相関処理を行う。この基
準信号eは、図4の拡大波形eに示すような矩形波のデ
ジタル信号である。
【0029】図5は、相関処理部8における相関処理の
原理を示した図である。図5(A)は相関処理部8の内
部メモリにあらかじめ設定されている基準信号e、
(B)はゲート7を通過したデジタル信号fである。基
準信号eは、エコーによる正規の受信信号に対応した位
相情報を有する基準信号である。相関処理においては、
デジタル信号fと基準信号eの位相を少しづつずらせな
がら、各時点でのデジタル信号fと基準信号eとの一致
度合いを演算する。図5はある時点での演算の様子を示
しており、所定のサンプリング間隔でデジタル信号fの
デジタル値(HまたはL)と、基準信号eのデジタル値
(HまたはL)との比較を行い、デジタル値が一致して
いる場合は「1」を割当て、デジタル値が一致していな
い場合は「0」を割当てる。そして、サンプリング区間
にわたって「1」の数を合計し、この合計値を相関出力
とする。(C)はこの相関出力を示しており、P1はこ
の時点での相関出力値である。
【0030】図6は、一定時間経過後の別の時点におけ
る演算の様子を示しており、デジタル信号fと基準信号
eの位相をずらせた結果、デジタル信号fの波形が基準
信号eの波形と一致した状態を示している。この場合
も、デジタル信号fのデジタル値(HまたはL)と、基
準信号eのデジタル値(HまたはL)との比較を行い、
デジタル値が一致している場合は「1」を割当て、デジ
タル値が一致していない場合は「0」を割当てる。そし
て、サンプリング区間にわたって「1」の数を合計し、
この合計値を相関出力とする。(C)はこの相関出力を
示しており、P2はこの時点での相関出力値である。
【0031】図6では、デジタル信号fが基準信号eと
位相的に一致しているため、デジタル値を比較した結果
はすべて「1」となり、相関出力値P2は、先の相関出
力値P1よりも大きくなって最大値となる。その後は、
デジタル信号fと基準信号eの位相が再びずれてゆくた
め相関出力値は減少し、最終的には図7のような相関出
力信号が得られる。この相関出力信号に対して、一定の
基準レベルLaを設定し、最大値P2が基準レベルLa
を越えるか否かを判別することで、正規の受信信号を検
出することができる。
【0032】図8は、相関処理部8における演算回路の
具体的構成を示した図である。図において、21は入力
バッファを構成するシフトレジスタであって、このシフ
トレジスタ21には、相関処理部8に入力されるデジタ
ル信号fをサンプリングして得られるビット1,0,
1,1,…0,…が順次格納される。図8はある時点で
の格納状態を示しており、シフトレジスタ21には上か
ら順に「1」「0」「1」「1」…「0」が格納されて
いる。22は基準信号eをサンプリングして得られるビ
ットが格納されたレジスタであって、このレジスタ22
には上から順に「1」「1」「0」「1」…「1」が格
納されている。23は各レジスタ21,22に格納され
たビットの一致を検出する一致検出回路であって、レジ
スタ21,22の対応するビットが一致すれば「1」
を、一致しなければ「0」を出力する。24は加算回路
であって、一致検出回路23から出力された「1」の数
の合計値を演算し、その結果を相関出力として出力す
る。
【0033】図9は、一定時間経過後の別の時点におけ
るビット格納状態を示しており、シフトレジスタ21に
は上から順に「1」「1」「0」「1」…「1」が格納
されており、レジスタ22には上から順に「1」「1」
「0」「1」…「1」が格納されている。すなわち、図
9はデジタル信号fと基準信号eとが位相的に一致した
状態を示している。この場合は、一致検出回路23の出
力はすべて「1」となり、加算回路24の出力(相関出
力)は最大となる。
【0034】以上のような原理に従って相関処理を行っ
た結果、図3のgに示すような相関出力信号が得られ、
更にその絶対値化処理を行うことで、相関処理部8から
はhに示すような相関出力信号が出力される。この相関
出力信号hはローパスフィルタ9に入力される。ローパ
スフィルタ9では、相関出力信号hのエンベロープが検
出され、図3のiに示すようなエンベロープ信号が得ら
れる。このエンベロープ信号iは、信号検出部10へ入
力される。信号検出部10では、一定の基準レベル(閾
値)があらかじめ設定されており、エンベロープ信号i
のレベルがこの基準レベルを超えているか否かを判定す
る。そして、エンベロープ信号iのレベルが基準レベル
を超えておれば、このときの受信信号aを正規の受信信
号として検出し、検出信号を図示しない演算処理部へ送
出する。一方、エンベロープ信号iのレベルが基準レベ
ルを超えてなければ、このときの受信信号aは正規の受
信信号ではないと判断し、演算処理部へ検出信号は送出
しない。
【0035】このように、本実施形態では、受信信号か
ら矩形波のデジタル信号を生成し、このデジタル信号と
矩形波の基準信号とを用いて位相情報のみに基づく相関
処理を行っているので、各信号の2値を比較して「1」
の数を合計するだけで簡単に信号の一致度合いを算出す
ることができる。したがって、従来のように受信信号と
基準信号のレベル値を乗算して積和演算を行う必要がな
く、演算処理が非常に簡単になる。また、単に位相情報
だけで相関処理するのではなく、受信信号が一定レベル
を超える場合に相関処理を行っているので、信号レベル
の低いノイズは相関処理より前段階で排除され、信号レ
ベルの高いノイズは基準信号と位相情報が合致しないた
め、相関処理の段階で排除される。この結果、信号レベ
ルが高く、かつ基準信号と位相情報が合致した正規の信
号のみを正確に検出することができ、誤検出のない信頼
性の高い装置が得られる。さらに、2値信号により位相
情報の比較を行うことで、受信信号のレベルが変化して
も相関出力はほとんど変化しないため、相関出力信号の
正規化ないし基準レベルの設定が容易となり、信号検出
のダイナミックレンジを広く取ることができる。
【0036】図10は、図1の装置の動作をフローチャ
ートで表したものである。受信信号aがログアンプ4に
入力されると(ステップS1)、ログアンプ4はレベル
信号bとリミット信号cとを生成してこれらを出力する
(ステップS2)。レベル信号bはレベル検出部5にお
いて基準レベルとの比較が行われ(ステップS3)、基
準レベルを超えておれば(ステップS3:YES)、そ
の区間にわたってレベル検出部5から検出信号として
「1」が出力され(ステップS4)、基準レベルを超え
てなければ(ステップS3:NO)、検出信号として
「0」が出力される(ステップS5)。検出信号「1」
によってゲート7が開き(ステップS6)、リミット信
号cを波形整形した矩形波のデジタル信号fが相関処理
部8へ入力され、前述した要領で相関処理が行われる
(ステップS7)。そして、算出された相関出力値は正
規化されるとともに絶対値化され(ステップS8)、ロ
ーパスフィルタ9によってエンベロープ信号iが抽出さ
れる(ステップS9)。
【0037】その後、信号検出部10においてエンベロ
ープ信号iと基準レベルとの比較が行われ(ステップS
10)、エンベロープ信号iのレベルが基準レベルを超
えておれば(ステップS10:YES)、信号検出部1
0から検出信号として「1」が出力され(ステップS1
1)、基準レベルを超えてなければ(ステップS10:
NO)、検出信号として「0」が出力される(ステップ
S12)。これらの検出結果は、「1」「0」のフラグ
として信号検出部10の内部レジスタにセットされる。
検出結果「1」は受信信号が正規の受信信号であること
を表し、検出結果「0」は受信信号が正規の受信信号で
ないことを表している。
【0038】次に、このフラグを判定して(ステップS
13)、フラグが「1」であれば(ステップS13:Y
ES)、エンベロープ信号iを微分処理し(ステップS
14)、微分値がゼロとなる点、すなわちエンベロープ
信号iの極大点を検出する(ステップS15)。このよ
うにするのは、エンベロープ信号iは図3に示すように
ある程度の幅を有しているので、相関出力が最大となる
点を確実に検出するためである。そして、この極大点が
検出された時点で、受信信号が正規の受信信号であるこ
とが確定するから、信号検出部10は、距離の演算を指
令する信号を後段の演算処理部へ出力する(ステップS
16)。演算処理部ではこの指令を受け、受信信号に基
づいて距離の演算を行う。
【0039】ところで、エンベロープ信号iが出力され
るのは、受信信号aの相関処理が終了してからであり、
図11に示したように、受信信号aの受信時点とエンベ
ロープ信号iの出力時点との間にはτの時間差がある。
このため、送信信号が送信されてからエンベロープ信号
iの極大点が検出される(すなわち距離演算指令が出力
される)までの時間によって距離を計算したのでは、演
算結果に誤差が生じる。そこで、距離の演算にあたって
は、上記の時間差τを補正したうえで演算処理が行われ
る。
【0040】ステップS13においてフラグが「0」で
あれば(ステップS13:NO)、受信信号は正規の受
信信号ではないので、ステップS14〜S16は実行せ
ず、距離演算は行われない。また、ステップS5におい
て検出出力が「0」の場合も、ステップS6〜S16は
実行されず、相関処理や距離演算は行われない。最後
に、処理を継続するか否かを判別して(ステップS1
7)、処理を継続する場合は(ステップS17:YE
S)、ステップS1へ戻って上述した処理を繰り返す。
また、処理を継続しない場合は(ステップS17:N
O)、終了する。
【0041】図12は、本発明の第2実施形態を示した
ブロック図である。図において、図1と同一部分または
対応部分には同一符号を付してある。1は水中へ超音波
を発射するとともに、超音波に応答して得られる水底か
らのエコー信号やトランスポンダからの応答信号受信す
る送受波器である。なお、図12では受信部のみを示し
てあり、送信部は図示を省略してある。2〜11は受信
信号処理装置を構成するブロックであって、2は受信し
た信号を増幅する増幅部、3は増幅した受信信号から所
定の周波数の信号を取り出すためのフィルタ、4はフィ
ルタ3を通過した受信信号のエンベロープを検出してレ
ベル信号を生成するとともに、受信信号を飽和させてリ
ミット信号を生成するログアンプである。
【0042】6はログアンプ4から出力されるリミット
信号に対して波形整形を行う波形整形部、8は波形整形
部6から出力されたデジタル信号に対して相関処理を行
う相関処理部、11はログアンプ4から出力されるレベ
ル信号と、相関処理部8から出力される相関出力信号と
に対して加算処理を行う加算処理部である。ここでも、
相関処理部8はマッチドフィルタから構成される。な
お、送信部あるいはトランスポンダ(いずれも図示省
略)からは、相関処理部8が保有している基準信号と一
致した波形の信号が送信される。
【0043】9は加算処理部11から出力される信号の
エンベロープを取り出すローパスフィルタ、10はこの
取り出されたエンベロープ信号に対して基準レベルとの
比較を行い、その結果に基づいて受信信号を検出する信
号検出部である。上記構成において、ログアンプ4は本
発明におけるレベル情報生成手段および位相情報生成手
段に相当し、加算処理部11は本発明における加算手段
に相当する。
【0044】図14および図15は、図12の装置にお
ける各部の信号波形を示した図である。図14のa〜e
は、図2のa〜eに示したものと同じ信号である。これ
らの波形もシミュレーションによるものであるが、実験
結果では、ここに示した波形と殆ど同じ波形が得られる
ことが確認された。以下、図14および図15の波形図
を参照しながら、図12の装置の動作を説明する。送受
波器1から水中へ発射された超音波は、水底で反射し
(測深機の場合)、あるいはトランスポンダで受信され
て(測位システムの場合)、水底からのエコー信号やト
ランスポンダからの応答信号が送受波器1で受信され
る。この受信信号は増幅部2において増幅され、フィル
タ3において所定周波数の信号が取り出される。図14
のaはフィルタ3から取り出された受信信号を示してい
る。この受信信号aは、図4の拡大波形aに示すような
正弦波信号からなる。
【0045】受信信号aはログアンプ4に入力される。
ログアンプ4では、受信信号aのエンベロープを検出し
て図14のbのようなレベル信号を生成するとともに、
受信信号aを飽和させてcのようなリミット信号を生成
する。このリミット信号cは、図4の拡大波形cに示す
ように、ほぼ矩形波のデジタル信号となる。レベル信号
bは加算処理部11に入力され、リミット信号cは波形
整形部6に入力される。
【0046】波形整形部6においては、リミット信号c
に対して波形のなまりをなくすために波形整形を行い、
図14のdに示すデジタル信号を出力する。このデジタ
ル信号dは、図4の拡大波形dに示すように、受信信号
aと同期した矩形波信号であって、受信信号aの位相情
報を持った信号である。なお、この場合も波形整形部6
は必須ではなく、リミット信号cの波形なまりが無視で
きる程度であれば、波形整形部6を省略することもでき
る。
【0047】上記デジタル信号dは相関処理部8へ入力
される。本実施形態では、受信信号のレベルに関係な
く、デジタル信号dの全区間が相関処理の対象となる。
相関処理部8においては、上記デジタル信号dに対し
て、図14のeに示す基準信号を用いて相関処理を行
う。この基準信号eは、図4の拡大波形eに示すような
矩形波のデジタル信号である。相関処理部8における相
関処理の詳細については、第1実施形態と同じであるの
で(図5〜図9参照)、ここでは説明を省略する。
【0048】相関処理を行った結果、図15のwに示す
ような相関出力信号が得られ、更にその絶対値化処理を
行うことで、相関処理部8からはxに示すような相関出
力信号が出力される。この相関出力信号xは、加算処理
部11に入力される。加算処理部11は、図13に示す
ように、移動平均算出部111と加算器112とを備え
ている。移動平均算出部111にはログアンプ4からの
レベル信号bが入力され、このレベル信号bの移動平均
が算出される。この結果、移動平均算出部111からは
図14のvに示すような移動平均信号が出力される。そ
して、この移動平均信号vと相関処理部8からの相関出
力信号xとを加算器112で加算すると、加算器112
から図15のyに示す加算信号が出力される。
【0049】上記加算信号yは、ローパスフィルタ9に
入力される。ローパスフィルタ9では、加算信号yのエ
ンベロープが検出され、図15のzに示すようなエンベ
ロープ信号が得られる。このエンベロープ信号zは、信
号検出部10へ入力される。信号検出部10では、一定
の基準レベル(閾値)があらかじめ設定されており、エ
ンベロープ信号zのレベルがこの基準レベルを超えてい
るか否かを判定する。そして、エンベロープ信号zのレ
ベルが基準レベルを超えておれば、このときの受信信号
aを正規の受信信号として検出し、検出信号を図示しな
い演算処理部へ送出する。一方、エンベロープ信号zの
レベルが基準レベルを超えてなければ、受信信号aは正
規の受信信号ではないと判断し、演算処理部へ検出信号
は送出しない。
【0050】このように、第2の実施形態においても、
受信信号から矩形波のデジタル信号を生成し、このデジ
タル信号と矩形波の基準信号とを用いて位相情報のみに
基づく相関処理を行っているので、各信号の2値を比較
して「1」の数を合計するだけで簡単に信号の一致度合
いを算出することができる。したがって、従来のように
受信信号と基準信号のレベル値を乗算して積和演算を行
う必要がなく、演算処理が非常に簡単になる。
【0051】また、単に位相情報だけで相関処理するの
ではなく、相関処理を行った後に受信信号のレベルに応
じた信号を加算し、この加算結果に基づいて受信信号を
検出しているので、信号レベルの低いノイズは、たとえ
基準信号と位相情報が合致していても相関処理の後に排
除される。また、信号レベルの高いノイズは基準信号と
位相情報が合致しないため、相関処理の段階で排除され
る。この結果、信号レベルが高く、かつ基準信号と位相
情報が合致した正規の信号のみを正確に検出することが
でき、誤検出のない信頼性の高い装置が得られる。
【0052】さらに、2値信号により位相情報の比較を
行うことで、受信信号のレベルが変化しても相関出力は
ほとんど変化しないため、相関出力信号の正規化ないし
基準レベルの設定が容易となり、信号検出のダイナミッ
クレンジを広く取ることができる。
【0053】図16は、図12の装置の動作をフローチ
ャートで表したものである。受信信号aがログアンプ4
に入力されると(ステップS21)、ログアンプ4はレ
ベル信号bとリミット信号cとを生成してこれらを出力
する(ステップS22)。レベル信号bは加算処理部1
1に入力され、移動平均算出部111(図13)におい
てレベル信号bの移動平均が算出される(ステップS2
3)。一方、リミット信号cを波形整形した矩形波のデ
ジタル信号dが相関処理部8へ入力され、前述した要領
で相関処理が行われる(ステップS24)。そして、算
出された相関出力値は正規化されるとともに絶対値化さ
れ(ステップS25)、加算処理部11において、相関
出力信号xと移動平均信号vとが加算される(ステップ
S26)。次に、ローパスフィルタ9によって、加算信
号yからエンベロープ信号zが抽出される(ステップS
27)。
【0054】その後、信号検出部10においてエンベロ
ープ信号zと基準レベルとの比較が行われ(ステップS
28)、エンベロープ信号zのレベルが基準レベルを超
えておれば(ステップS28:YES)、信号検出部1
0から検出信号として「1」が出力され(ステップS2
9)、基準レベルを超えてなければ(ステップS28:
NO)、検出信号として「0」が出力される(ステップ
S30)。これらの検出結果は、「1」「0」のフラグ
として信号検出部10の内部レジスタにセットされる。
検出結果「1」は受信信号が正規の受信信号であること
を表し、検出結果「0」は受信信号が正規の受信信号で
ないことを表している。
【0055】次に、このフラグを判定して(ステップS
31)、フラグが「1」であれば(ステップS31:Y
ES)、エンベロープ信号zを微分処理し(ステップS
32)、微分値がゼロとなる点、すなわちエンベロープ
信号iの極大点を検出する(ステップS33)。このよ
うにする理由については、第1実施形態においてすでに
述べたとおりである。そして、この極大点が検出された
時点で、受信信号が正規の受信信号であることが確定す
るから、信号検出部10は、距離の演算を指令する信号
を後段の演算処理部へ出力する(ステップS34)。演
算処理部ではこの指令を受け、受信信号に基づいて距離
の演算を行う。この場合、第1実施形態と同様に、図1
1に示した時間差τを補正したうえで演算処理が行われ
る。
【0056】ステップS31においてフラグが「0」で
あれば(ステップS31:NO)、受信信号は正規の受
信信号ではないので、ステップS32〜S34は実行せ
ず、距離演算は行われない。最後に、処理を継続するか
否かを判別して(ステップS35)、処理を継続する場
合は(ステップS35:YES)、ステップS21へ戻
って上述した処理を繰り返す。また、処理を継続しない
場合は(ステップS35:NO)、終了する。
【0057】図17は、本発明に係る距離測定装置のブ
ロック図を表している。1は船底に設けられて水中へ超
音波を発射する送受波器、101は送受波器1に送信信
号を与えるとともに、送受波器1で受信された受信信号
を信号処理する送受信部、102は送受信部101で受
信された受信信号に基づいて距離の演算を行う演算処理
部、103は演算処理部102での演算結果に基づいて
水深等の情報を表示する表示部、104は各種の設定等
を行う操作部である。
【0058】上記距離測定装置は、送受波器1より超音
波を発射してから、水底で反射して帰って来るエコー
や、トランスポンダからの応答信号を受信するまでの時
間を測定して、図22で説明した原理に基づき演算処理
部102で距離の演算を行い、水深値等を表示部103
に表示するものである。送受信部101は図1または図
12で示した受信信号処理装置を備えており、演算処理
部102は、送受信部101の受信信号処理装置から出
力される前述の距離演算指令を受けて、距離の演算を行
う。
【0059】以上述べた各実施形態においては、位相情
報生成手段およびレベル情報生成手段としてログアンプ
4を用いたが、本発明はこれのみに限定されるものでは
なく、受信信号に基づいて位相情報とレベル情報を生成
できる手段であれば、ログアンプ以外の手段を用いても
よい。たとえば、位相情報生成手段としてコンパレータ
を用いて、受信信号から矩形波のデジタル信号を生成
し、また、レベル情報生成手段としてアンプを用いて、
受信信号から信号レベルを生成するような構成にしても
よい。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、相関処理における処理
時間を短縮してシステムを簡略化できるとともに、誤検
出のない信頼性の高い装置を実現することができる。ま
た、相関出力信号の正規化が容易となることから、信号
検出のダイナミックレンジを広く取ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示したブロック図であ
る。
【図2】図1の各部の信号波形を示した図である。
【図3】図1の各部の信号波形を示した図である。
【図4】拡大波形を示した図である。
【図5】本発明における相関処理の原理を示した図であ
る。
【図6】本発明における相関処理の原理を示した図であ
る。
【図7】相関出力信号を示した図である。
【図8】相関処理部における演算回路の具体的構成を示
した図である。
【図9】相関処理部における演算回路の具体的構成を示
した図である。
【図10】第1実施形態の動作を表したフローチャート
である。
【図11】受信信号とエンベロープ信号との間の時間差
を説明する図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示したブロック図で
ある。
【図13】加算処理部における具体的構成を示した図で
ある。
【図14】図12の各部の信号波形を示した図である。
【図15】図12の各部の信号波形を示した図である。
【図16】第2実施形態の動作を表したフローチャート
である。
【図17】本発明に係る距離測定装置のブロック図であ
る。
【図18】従来例を示すブロック図である。
【図19】他の従来例を示すブロック図である。
【図20】従来例における相関処理の原理を示した図で
ある。
【図21】従来例における相関処理の原理を示した図で
ある。
【図22】超音波を利用した距離測定の原理を説明する
図である。
【符号の説明】
1 送受波器 4 ログアンプ 5 レベル検出部 6 波形整形部 7 ゲート 8 相関処理部 9 ローパスフィルタ 10 信号検出部 11 加算処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 光昭 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 (72)発明者 淺田 泰暢 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気株 式会社内 Fターム(参考) 5J083 AA02 AA03 AB08 AC30 AC32 AD04 AE06 AE07 BA01 BE08 BE19 BE32 BE38 BE50 BE53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中へ発射された超音波に応答して得られ
    るアナログ受信信号を処理する受信信号処理装置におい
    て、 前記受信信号に基づいて、当該信号の位相情報を表す矩
    形波のデジタル信号を生成する位相情報生成手段と、 前記受信信号に基づいて、当該信号のレベル情報を表す
    レベル信号を生成するレベル情報生成手段と、 前記レベル情報生成手段により生成されたレベル情報か
    ら、一定レベルを超える信号区間を検出する検出手段
    と、 前記検出手段により検出された信号区間の前記デジタル
    信号に対して、矩形波の基準信号との比較による相関処
    理を行う相関処理部とを備え、 前記相関処理部から出力される相関出力信号に基づいて
    正規の受信信号を検出することを特徴とする受信信号処
    理装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の受信信号処理装置におい
    て、 位相情報生成手段およびレベル情報生成手段は1つのロ
    グアンプから構成され、 前記デジタル信号は、ログアンプで受信信号を飽和させ
    て得られるリミット信号であり、前記レベル信号は、ロ
    グアンプで受信信号のエンベロープを検出して得られる
    エンベロープ信号であることを特徴とする受信信号処理
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の受信信号
    処理装置において、 相関出力信号を正規化するとともに、正規化された信号
    のエンベロープを抽出し、当該エンベロープ信号が所定
    の基準レベルを超える場合に受信信号を正規の受信信号
    と判定することを特徴とする受信信号処理装置。
  4. 【請求項4】水中へ発射された超音波に応答して得られ
    るアナログ受信信号を処理する受信信号処理装置におい
    て、 前記受信信号に基づいて、当該信号の位相情報を表す矩
    形波のデジタル信号を生成する位相情報生成手段と、 前記受信信号に基づいて、当該信号のレベル情報を表す
    レベル信号を生成するレベル情報生成手段と、 前記位相情報生成手段で生成されたデジタル信号に対し
    て、矩形波の基準信号との比較による相関処理を行う相
    関処理部と、 前記相関処理部から出力される相関出力信号と、前記レ
    ベル情報生成手段で生成されたレベル信号とを加算する
    加算手段とを備え、 前記加算手段の出力に基づいて正規の受信信号を検出す
    ることを特徴とする受信信号処理装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の受信信号処理装置におい
    て、 位相情報生成手段およびレベル情報生成手段は1つのロ
    グアンプから構成され、 前記デジタル信号は、ログアンプで受信信号を飽和させ
    て得られるリミット信号であり、前記レベル信号は、ロ
    グアンプで受信信号のエンベロープを検出して得られる
    エンベロープ信号の移動平均から得られる信号であるこ
    とを特徴とする受信信号処理装置。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5に記載の受信信号
    処理装置において、 相関出力信号を正規化して前記レベル信号と加算すると
    ともに、加算された信号のエンベロープを抽出し、当該
    エンベロープ信号が所定の基準レベルを超える場合に受
    信信号を正規の受信信号と判定することを特徴とする受
    信信号処理装置。
  7. 【請求項7】水中へ超音波を発射する送受波器と、この
    送受波器に送信信号を与えるとともに、前記送受波器で
    受信された受信信号を信号処理する送受信部と、この送
    受信部で受信された受信信号に基づいて距離の演算を行
    う演算処理部とを備えた距離測定装置において、 前記送受信部は、請求項1ないし請求項6のいずれかに
    記載の受信信号処理装置を備え、 前記演算処理部は、受信信号処理装置で相関出力信号に
    基づき正規の受信信号が検出されたことに応答して、距
    離の演算を行うことを特徴とする距離測定装置。
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