JP2011017623A - 超音波測定器 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波を用いて被測定流体の流速分布を測定する超音波測定器に関し、特に、反射相関測定方式による相関演算の演算量を減らし、演算時間を短くするとともに、大きな流速まで測定できる超音波測定器を提供する。
【解決手段】超音波信号が被測定流体中の超音波反射体によって反射され、この反射された複数の超音波信号に基づいて被測定流体の流速分布を測定するとともに、超音波発信部から発射された超音波信号が超音波受信部に到達するまでの伝播時間に基づいて平均流速を測定する超音波測定器100において、相互相関値を流速範囲内で演算する相関演算手段220と、平均流速と比較する比較流速を演算する比較流速演算手段230と、比較流速が、平均流速に対して所定範囲内にある場合、被測定流体の流速分布を演算する流速分布演算手段240と、を備えたことを特徴とするもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて被測定流体の流速分布を測定する超音波測定器に関し、特に、反射相関測定方式による相関演算の演算量を減らし、演算時間を短くするとともに、大きな流速まで測定できる超音波測定器に関するものである。
化学プラントなどの流量制御に用いられる測定器として、被測定流体の流速分布および流量を測定する超音波測定器が知られている。超音波測定器には、超音波反射体によって反射された超音波信号に対して相関演算を行い、流速分布および流量を求める反射相関測定方式を用いたものがある(特許文献1参照)。この反射相関測定方式による超音波測定器について、図4の構成図を用いて説明する。
図4において、測定管2には、矢印の方向(左から右)に被測定流体FLD(液体、気体、ガスなど)が流れる。被測定流体FLDの流速分布を測定する超音波測定器1は、超音波トランスジューサ10、切換回路20、切換制御手段30、送信回路40、受信回路50、A/D変換回路60、相関演算手段70、流速分布演算手段80および流量演算手段90を備える。
超音波トランスジューサ10は測定管2の外周に設けられ、超音波を発射するほか受信する機能を備え、その外部端子は切換回路20の一端Cに接続される。切換回路20は、一端Cと、切換制御手段30からの切換制御信号によって一端Cに切換接続される他端S、Rとを備える。
送信回路40は、切換制御手段30からのトリガー制御信号を受けた後、超音波トランスジューサ10から超音波を発射させるトリガーとなる信号を、切換回路20の他端Sに出力する。受信回路50は、超音波トランスジューサ10が受信した超音波信号を切換回路20の他端Rから受け取り、この信号を増幅する。
A/D変換回路60は、増幅された超音波信号を受信回路50から受け取り、デジタル信号に変換する。相関演算手段70は、デジタル信号をA/D変換回路60から受け取り、相関演算を行う。
流速分布演算手段80は、相関演算値を相関演算手段70から受け取り、流速分布を演算する。流量演算手段90は、流速分布を構成する流速を流速分布演算手段80から受け取り、被測定流体FLDの流量を算出して外部機器(図示しない)に出力、必要に応じて表示手段(図示しない)に表示させる。
以下に、反射相関測定方式による流速分布の測定動作について説明する。切換制御手段30は、切換回路20の一端Cと他端Sとを接続するため、切換回路20に切換制御信号を出力する。切換回路20は、切換制御信号によって一端Cと他端Sとを接続する。この後、切換制御手段30は、トリガー制御信号を送信回路40に出力する。
送信回路40は、トリガー制御信号に応じて、超音波トランスジューサ10から超音波を発射させるトリガーとなる信号を、切換回路20の他端Sに出力する。このトリガー信号は、切換回路20の他端S、一端Cを介して超音波トランスジューサ10に入力される。
そして、後述する超音波信号の受信に備えて、切換制御手段30は、切換回路20の一端Cと他端Rとを接続するための切換制御信号を、切換回路20に出力する。切換回路20は、切換制御信号によって一端Cと他端Rとを接続する。
超音波トランスジューサ10は、トリガー信号によって、超音波信号CTを被測定流体FLDに発射する。被測定流体FLDに入射された超音波信号CTは、被測定流体FLD中の気泡、微粒子などの超音波反射体PTによって反射される。
なお、超音波信号CTの経路(一点鎖線)およびこの延長線の経路(点線)を測定線MLとする。
超音波トランスジューサ10は、反射された超音波信号CHを受信し(以下、「反射超音波信号」という)、切換回路20の一端Cに出力する。反射超音波信号は、切換回路20の一端C、他端Rを介して受信回路50に入力される。
受信回路50は反射超音波信号を増幅し、A/D変換回路60は、増幅された反射超音波信号(アナログ信号)を受信回路50から受け取って、デジタル信号に変換する。
以上の超音波信号の発射、受信、A/D変換を少なくとも2回以上連続して行う。ここでは2回行うものとして説明をする。
相関演算手段70による相関演算を、図5を交えて説明する。図5(a)は、反射超音波信号の波形図、図5(b)は、流速に対する相互相関値のグラフを表す。
図5(a)において、1回目の反射超音波信号を参照受信波形、2回目の反射超音波信号を探索受信波形とする。
相関演算手段70は、参照受信波形を基準にして、探索受信波形の時間を所定間隔でずらして(図5(a)では、探索受信波形を左へずらしていく)、参照受信波形のデジタル値と、ずらした探索受信波形のデジタル値との相互相関値を演算する。
複数回時間をずらして相互相関演算を繰り返し行って、最大の相互相関値を算出したときのずらした時間(時間差)を、超音波反射体PTのある位置での流速とする。
そして、相関演算手段70は、流速ゼロから、超音波測定器1が測定可能な流速VPまで相互相関演算を行い、図5(b)に示すように、流速に対する相互相関値を演算する。図5(b)は、超音波反射体PTのある位置での流速と相互相関値との関係を表したグラフである。
図5(b)において、実際に流れている被測定流体FLDの流速は、相互相関値のピーク値P2での流速(以下、「真の流速」という)である。一方、相互相関値のピーク値は、P2以外にP1、P3でも生じている。
真の流速以外で発生するピーク値P1、P3を反射相関測定方式によって生じる多峰性という。多峰性は、参照受信波形と探索受信波形が正弦波状で周期性があるので、1周期の時間をずらした場合、両方の波形がほぼ一致して、相互相関値が大きくなることによって発生する。
ここで、多峰性によって生じるピーク値の流速間隔w(以下、「所定流速」という)は、下記式(1)によって表せる。
なお、Cは音速、θは被測定流体FLDの流れ方向と超音波信号CTとのなす角度、t1は超音波トランスジューサ10から2回連続して発射する2つの超音波信号の時間間隔、fは超音波信号の発振周波数である。
そして、相関演算手段70は、ピーク値P1〜P3のうち最大の相互相関値P2での流速を、超音波反射体PTのある位置での流速と決定する。さらに、相関演算手段70は、同様の相関演算を行い、測定線ML上の他の位置での流速を決定する。
流速分布演算手段80は、相関演算手段70で決定された測定線ML上の各位置での流速を受け取り、測定線ML上の流速分布を演算する。
流量演算手段90は、流速分布を流速分布演算手段80から受け取り、流速分布を構成する流速を平均化した流速に、測定管2内の断面積を乗算して、被測定流体FLDの流量を算出する。
なお、特許文献2には、このような相互相関値を演算する超音波測定器に、多峰性が発生することについて記載されている。
また、流速測定方式には、反射相関測定方式のほかに、伝播時間差による測定方式がある。特許文献3には、反射相関測定方式と伝播時間差測定方式とを切り換えて流速を測定する超音波測定器について記載されている。
特許第3669580号公報 特開2002−243514号公報 特開2005−181268号公報
しかし、相関演算手段70は、流速ゼロから測定可能流速VPまでの広範囲で相互相関演算を行うため、演算量および演算時間が多大になる、という問題がある。
また、流速が大きくなるに伴って、相互相関値は小さくなる。このため、流速が大きい場合、真の流速の相互相関値は小さくなるので、相関演算手段70は正確な流速を決定できず、大きな流速まで測定することが困難である、という問題がある。
本発明は、超音波を用いて被測定流体の流速分布を測定する超音波測定器に関し、特に、反射相関測定方式による相関演算の演算量を減らし、演算時間を短くするとともに、大きな流速まで測定できる超音波測定器を提供することである。
このような目的を達成するために、請求項1の発明は、
測定管を流れる被測定流体に入射された複数の超音波信号が超音波反射体によって反射され、この反射された複数の超音波信号に基づいて前記被測定流体の流速分布を測定するとともに、超音波発信部から前記被測定流体に入射された超音波信号が超音波受信部に到達するまでの伝播時間に基づいて前記被測定流体の平均流速を測定する超音波測定器において、
前記測定管内の少なくとも一つの位置で反射された前記複数の超音波信号の相互相関値を、前記超音波信号の周波数に応じた所定流速に基づく流速範囲内で演算する相関演算手段と、
前記相互相関値が最大となる相関最大流速と前記所定流速に基づくオフセット流速とを用いて、前記伝播時間に基づいて測定された平均流速と比較する比較流速を演算する比較流速演算手段と、
前記比較流速演算手段によって演算された比較流速が、前記平均流速に対して所定範囲内にある場合、前記測定管内の各位置での前記相関最大流速と前記オフセット流速とに基づいて、前記被測定流体の流速分布を演算する流速分布演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記比較流速演算手段は、前記所定流速に所定値を乗算した流速を、前記オフセット流速として用いることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記所定値は整数であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、
前記比較流速演算手段は、前記相関最大流速に前記オフセット流速を加算して前記比較流速を演算し、
前記流速分布演算手段は、前記測定管内の各位置での前記相関最大流速に前記オフセット流速を加算した流速に基づいて前記流速分布を演算する、
ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、
前記相関演算手段は、前記測定管内の中央の位置で反射された前記複数の超音波信号の相互相関値を演算することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、
前記相関演算手段で用いられる流速範囲は、前記所定流速に0.75〜1の間の値を乗算した流速範囲であることを特徴とする。
本発明によれば、超音波を用いて被測定流体の流速分布を測定する超音波測定器において、相関演算手段が、所定流速に基づく流速範囲内で相互相関演算を行うことによって、相関演算の演算量を減らし、演算時間を短くすることができる。
さらに、比較流速演算手段が、相関最大流速とオフセット流速とを用いて比較流速を演算し、比較流速が平均流速に対して所定範囲内にある場合、流速分布演算手段が、測定管内の各位置での相関最大流速とオフセット流速とに基づいて流速分布を演算する。これによって、大きな流速まで測定することができる。
本発明を適用した超音波測定器の構成図の例である。 本発明を適用した超音波測定器の演算処理のフローチャート図の例である。 測定管内の各位置での相関最大流速および流速分布を表したグラフの例である。 背景技術で示した超音波測定器の構成図の例である。 (a)は、反射超音波信号の波形図、(b)は、流速に対する相互相関値のグラフの例である。
本実施例について図1を用いて説明する。図1は、本発明を適用した超音波測定器100の構成図である。
図1において、超音波流量計100は、超音波トランスジューサ10、切換回路20、切換制御手段30、送信回路40、受信回路50、A/D変換回路60、流量演算手段90、所定流速演算手段210、相関演算手段220、相関最大流速演算手段231とオフセット流速演算手段232とを有する比較流速演算手段230、流速分布演算手段240、伝播時間演算手段250、平均流速演算手段260、記憶手段300および超音波トランスジューサ400を備える。
なお、図4と同一の構成要素は同一符号を付しており、その説明は省略する。
超音波トランスジューサ400は、測定管2の外周に、超音波トランスジューサ10に対向する位置に設けられ、超音波を受信するほか発射する機能を備え、その外部端子は切換回路20の一端Tに接続される。
超音波反射体PTが無い場合、超音波トランスジューサ400は、超音波トランスジューサ10から発射され、測定線MLに沿って進む超音波信号を受信する(以下、「透過超音波信号」という)。また、超音波トランスジューサ400から発射された超音波信号は、超音波トランスジューサ10によって受信される。
所定流速演算手段210は、記憶手段300から、音速C、超音波信号の入射角度θ、超音波信号の時間間隔t1および超音波信号の発振周波数fを受け取り、上記式(1)によって所定流速wを演算して、相関演算手段220および比較流速演算手段230へ出力する。
相関演算手段220は、所定流速wと、A/D変換回路60によってデジタル変換された反射超音波信号とを受け取り、相互相関演算を実行する流速範囲R内において相互相関演算を行い、相互相関値を比較流速演算手段230へ出力する。
比較流速演算手段230内の相関最大流速演算手段231は、相互相関値を受け取り、その中で最大の相互相関値での流速Vm(以下、「相関最大流速」という)を演算する。
比較流速演算手段230内のオフセット流速演算手段232は、所定流速wを受け取り、オフセット流速VSを演算する。
そして、比較流速演算手段230は、相関最大流速Vmおよびオフセット流速VSから、平均流速VT(後述)と比較するための比較流速VCを演算して、流速分布演算手段240へ出力する。
また、伝播時間演算手段250は、A/D変換回路60によってデジタル変換された透過超音波信号を受け取った後、超音波トランスジューサ10の発射時から超音波トランスジューサ400の受信時までの超音波信号の伝播時間を演算して、平均流速演算手段260へ出力する。
平均流速演算手段260は、受け取った伝播時間から被測定流体FLDの平均流速VTを演算して、流速分布演算手段240へ出力する。
そして、流速分布演算手段240は、比較流速VCが平均流速VTに対して所定範囲TH内にあれば、測定線MLの他の位置での反射超音波信号から求められた相関最大流速Vmxを、相関最大流速演算手段231から受け取り、各位置での流速分布を演算して、流量演算手段90へ出力する。
流量演算手段90は、流速分布から被測定流体FLDの流量を演算して、外部機器(図示しない)に出力、必要に応じて表示手段(図示しない)に表示させる。
以下に、本実施例における流速分布の測定動作について、図2を用いて説明する。図2は、流速分布の測定演算を表すフローチャート図である。
まず、反射相関測定方式による相関演算を行うため、A/D変換回路60は、上述したような切換回路20の切換動作によって、超音波反射体PTの位置での反射超音波信号を得る。
図2のステップS10において、相関演算手段220は、所定流速wに定数Kを乗算して、相互相関演算を行う流速範囲Rを算出する。説明を簡単にするため、ここではKを1として説明する。
ステップS20において、相関演算手段220は、図5(a)で説明したように、参照受信波形を基準にして、探索受信波形の時間を所定間隔でずらして、参照受信波形のデジタル値と、ずらした探索受信波形のデジタル値との相互相関値を演算する。
この相互相関演算を流速範囲R内で行うことによって、相関演算手段220は、図5(b)に示すように、流速範囲R内の流速に対する相互相関値を演算する。すなわち、相関演算手段220は、流速範囲Rより大きい流速(例えば、測定可能流速VP)まで、相互相関演算を行わない。
図2のステップS30において、相関最大流速演算手段231は、所定値nをゼロにする。
ステップS40において、相関最大流速演算手段231は、相関最大流速Vmを演算する。具体的には、図5(b)において、相関最大流速Vmは、流速範囲R内で最大の相互相関値であるP1での流速となる。
つぎに、透過超音波信号を用いた伝播時間による測定方式によって、被測定流体FLDの平均流速VTを演算する。
図2のステップS50において、切換制御手段30によって、切換回路20の端子SとCが接続されるとともに、端子RとTが接続される。その後、超音波トランスジューサ10(超音波発信部)から発射され、超音波トランスジューサ400(超音波受信部)によって受信された透過超音波信号は、切換回路20の端子のTとRを介して、受信回路50に入力される。
伝播時間演算手段250は、A/D変換回路60によってデジタル変換された透過超音波信号から、超音波トランスジューサ10の発射時から超音波トランスジューサ400の受信時までの超音波信号の伝播時間(第1伝播時間)を演算する。
また、切換制御手段30によって、切換回路20の端子SとTが接続されるとともに、端子RとCが接続される。その後、超音波トランスジューサ400(超音波発信部)から発射され、超音波トランスジューサ10(超音波受信部)によって受信された透過超音波信号は、切換回路20の端子CとRを介して、受信回路50に入力される。
伝播時間演算手段250は、A/D変換回路60によってデジタル変換された透過超音波信号から、超音波トランスジューサ400の発射時から超音波トランスジューサ10の受信時までの超音波信号の伝播時間(第2伝播時間)を演算する。
すなわち、第1伝播時間は、被測定流体FLDの上流側から下流側に向かって超音波信号を進行させた場合の伝播時間、第2伝播時間は、被測定流体FLDの下流側から上流側に向かって超音波信号を進行させた場合の伝播時間である。
そして、平均流速演算手段260は、第1伝播時間と第2伝播時間との伝播時間差および音速Cを用いて、平均流速VTを演算する。なお、伝播時間差測定方式で求められる流速は平均流速であって、測定管内の各位置における流速分布を求めることはできない。
つぎに、ステップS60において、オフセット流速演算手段232は、所定流速wに所定値nを乗算して、オフセット流速VSを演算する。この時点では、所定値nはゼロなので、オフセット流速VSはゼロである(VS=0)。
ステップS70において、比較流速演算手段230は、ステップS40で求めた相関最大流速Vmにオフセット流速VSを加算して、比較流速VCを演算する。この時点では、オフセット流速VSはゼロなので、比較流速VCは相関最大流速Vmに等しい(VC=Vm)。
ステップS80において、流速分布演算手段240は、比較流速VCと、ステップS50で求めた平均流速VTとの差の絶対値が、所定範囲THより小さいか否かを判定する。例えば、所定範囲THとして、超音波測定器100の流速測定精度の値を用いることができる。
ここで、平均流速VTは、真の流速と等しい、またはこれと近い値である。従って、比較流速VCと平均流速VTとの差が、流速測定精度内であれば、比較流速VCも真の流速と等しい、またはこれと近い値である。
上述したように、図5(b)において、真の流速は、相互相関値のピーク値P2での流速(Vm+w)であり、平均流速VTもこの流速にほぼ等しいため、現時点では、比較流速VCと平均流速VTとの差の絶対値は、およそ所定流速w(>流速測定精度)なので、ステップS90へ移行する(ステップS80の「いいえ」)。そして、ステップS90において、所定値nに1を足して、n=1となる。
ステップS60に戻り、再度オフセット流速VSを演算し、オフセット流速VSは所定流速wとなる(VS=w)。
ステップS70において比較流速VCを演算し、比較流速VCは、相関最大流速Vmに所定流速wを加算した値となる(VC=Vm+w)。
ステップS80において、比較流速VCは、平均流速VTと等しい、またはこれと近い値なので、比較流速VCと平均流速VTとの差の絶対値は、流速測定精度内となって、ステップS100へ移行する(ステップS80の「はい」)。
ステップS100において、測定線MLの各位置xでの超音波反射体PTで反射された反射超音波信号から、相関演算手段220および相関最大流速演算手段231によって、相関最大流速Vmxを演算する。
その後、流速分布演算手段240は、ステップS80の条件を満たすオフセット流速VS(=w)に、各位置xでの相関最大流速Vmxを加算して、流速分布Vxを演算する。
ステップS110において、流量演算手段90は、流速分布を構成する流速を平均化した流速に、測定管2内の断面積を乗算して、被測定流体FLDの流量を算出する。
つぎに、ステップS40での相関最大流速演算から、ステップS100での流速分布演算までの流れを、図3を用いて視覚的に説明する。図3は、測定管2内の測定線ML上の位置xにおける相関最大流速および流速分布を表したグラフである。なお、横軸の超音波トランスジューサ10側の管内壁から、超音波トランスジューサ400側の管内壁まで、流速値がプロットされている。
図3において、測定線ML上の中心位置CSに超音波反射体PTがある場合、図2のステップS40において、この位置での相関最大流速Vmが演算される。
上述したように、オフセット流速VS=wであり、比較流速VC=Vm+wである場合、ステップS80において、比較流速VCと平均流速VTとの差の絶対値は、流速測定精度内となる。
これを図3で説明すると、中心位置CSでの相関最大流速Vmに、オフセット流速VS(=所定流速w)を加算した値が、比較流速VCとして、点線の丸印で表されている。
そして、比較流速VCは、平均流速VTに対して所定範囲TH内にあるので、ステップS80の条件を満たす。
つぎに、ステップS100において、測定線ML上の各位置xでの流速分布Vxを演算する。
これを図3で説明すると、測定線ML上の中心位置CSの左右にある中央位置CL、CRでの超音波反射体PTで反射された反射超音波信号から、相関最大流速Vmxが演算される。相関最大流速Vmxにオフセット流速VS(=所定流速w)を加算した値が、流速分布Vxとして、点線の丸印で表されている。
この演算を測定線ML上の各位置で行うことによって、図3に示すように、点線の丸印の集まりからなる流速分布Vxが求められる。
本実施例によれば、相関演算手段220は、流速範囲R内で相互相関演算を行い、流速範囲Rより大きい測定可能流速VPまで相互相関演算を行う必要がないので、相関演算の演算量を減らし、演算時間を短くすることができる。
さらに、比較流速演算手段230は、相関最大流速Vmとオフセット流速VSとを加算して比較流速VCを求め、流速分布演算手段240は、比較流速VCと平均流速VTとの差の絶対値が所定範囲TH内にある場合、測定線ML上の各位置xでの相関最大流速Vmxとオフセット流速VSとを加算して流速分布Vxを求める。これによって、真の流速が大きくなっても(例えば、測定可能流速VPの近くになっても)、オフセット流速VSを加算すれば、流速分布Vxを求めることができ、大きな流速まで測定可能となる。
また、図3で示した測定線ML上の中心位置CSでの反射超音波信号から、オフセット流速VSを求めたが、さらに、測定線ML上の中央位置CLおよびCRでの反射超音波信号から、オフセット流速VSを求めてもよい。
この場合、図2のステップS80の条件を満たすオフセット流速VSとして、測定線ML上の中心位置CSおよび中央位置CL、CRでの反射超音波信号から求められた、3つのオフセット流速VSが得られる。
このため、流速分布演算手段240は、ステップS100において、3つのオフセット流速VSを平均して、このオフセット平均流速に各位置xでの相関最大流速Vmxを加算して、流速分布Vxを求めることができる。
このように、複数の位置での反射超音波信号からオフセット平均流速を求めることによって、例えば、一つの反射超音波信号にノイズが重畳した場合であっても、平均化することで、ノイズを除去し安定したオフセット平均流速が求められるとともに、安定かつ正確な流速分布Vxを求めることができる。
さらに、測定線ML上の中心位置CS、中央位置CR、CLでの流速の方が、管内壁との摩擦がないため、管内壁付近での流速より安定している。従って、測定線ML上の中心位置CS、中央位置CR、CLでの反射超音波信号からオフセット流速VSを求めることによって、安定したオフセット流速VSが求められるとともに、安定かつ正確な流速分布Vxを求めることができる。
また、図5(b)で示したように、流速範囲Rは、ピーク値P1を含む範囲である必要がある。このため、流速範囲Rは、ピーク値P1での流速Vmを含み、かつVmよりあまり大きくない値であることが好ましい。あまり大きいと相互相関演算の演算量が増えてしまうからである。
従って、定数Kの値は、このような流速範囲Rを求めることができる値が好ましく、例えば、0.75〜1の間の値を用いることができる。
また、所定値nは整数に限られず、例えば、0、0.95、1.95のような整数に近い値でも、正確な流速分布Vxを求めることができるが、所定値nは、本実施例で説明したように、整数(0、1、2など)であることが好ましい。
それは以下の理由による。多峰性によって、所定流速wの間隔で相互相関値のピークが現われ、真の流速は、いずれかのピーク値での流速に近い値である。本実施例の説明では、図5(b)に示したように、ピーク値はP1、P2、P3であり、真の流速はP2での流速(=Vm+w)に近い値である。
相関最大流速Vmは、最初に現われるピーク値(P1)での流速となる。所定値nが1(整数)の場合、オフセット流速VSは、wとなる。相関最大流速Vmとオフセット流速VSを加算して得られる比較流速VC(=Vm+w)は、平均流速VTおよび真の流速とほぼ等しくなるので、このオフセット流速VSを用いて求める流速分布Vxも、より正確な値となるからである。
また、相互相関演算を行う流速範囲Rの始点はゼロ流速として説明したが、これに限られず、流速範囲Rが、いずれかのピーク値(P1、P2、P3など)を含むことのできる始点であればよい。なお、流速範囲Rの始点が真の流速より大きければ、所定値nを負の値にして、オフセット流速VSを求めることになる。
なお、流量演算手段90、所定流速演算手段210、相関演算手段220、比較流速演算手段230、相関最大流速演算手段231、オフセット流速演算手段232、流速分布演算手段240、伝播時間演算手段250および平均流速演算手段260は、DSP200(デジタルシグナルプロセッサ)などのプロセッサによって、所定のプログラムに従って実行されるほか、論理回路によって実現してもよい。
なお、本発明は、前述の実施例に限定されることなく、その本質を逸脱しない範囲で、さらに多くの変更および変形を含む。また、前述した各手段の組み合わせ以外の組み合わせを含むことができる。
90 流量演算手段
100 超音波測定器
210 所定流速演算手段
220 相関演算手段
230 比較流速演算手段
231 相関最大流速演算手段
232 オフセット流速演算手段
240 流速分布演算手段
250 伝播時間演算手段
260 平均流速演算手段
300 記憶手段
400 超音波トランスジューサ

Claims (6)

  1. 測定管を流れる被測定流体に入射された複数の超音波信号が超音波反射体によって反射され、この反射された複数の超音波信号に基づいて前記被測定流体の流速分布を測定するとともに、超音波発信部から前記被測定流体に入射された超音波信号が超音波受信部に到達するまでの伝播時間に基づいて前記被測定流体の平均流速を測定する超音波測定器において、
    前記測定管内の少なくとも一つの位置で反射された前記複数の超音波信号の相互相関値を、前記超音波信号の周波数に応じた所定流速に基づく流速範囲内で演算する相関演算手段と、
    前記相互相関値が最大となる相関最大流速と前記所定流速に基づくオフセット流速とを用いて、前記伝播時間に基づいて測定された平均流速と比較する比較流速を演算する比較流速演算手段と、
    前記比較流速演算手段によって演算された比較流速が、前記平均流速に対して所定範囲内にある場合、前記測定管内の各位置での前記相関最大流速と前記オフセット流速とに基づいて、前記被測定流体の流速分布を演算する流速分布演算手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波測定器。
  2. 前記比較流速演算手段は、前記所定流速に所定値を乗算した流速を、前記オフセット流速として用いることを特徴とする請求項1に記載の超音波測定器。
  3. 前記所定値は整数であることを特徴とする請求項2に記載の超音波測定器。
  4. 前記比較流速演算手段は、前記相関最大流速に前記オフセット流速を加算して前記比較流速を演算し、
    前記流速分布演算手段は、前記測定管内の各位置での前記相関最大流速に前記オフセット流速を加算した流速に基づいて前記流速分布を演算する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波測定器。
  5. 前記相関演算手段は、前記測定管内の中央の位置で反射された前記複数の超音波信号の相互相関値を演算することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波測定器。
  6. 前記相関演算手段で用いられる流速範囲は、前記所定流速に0.75〜1の間の値を乗算した流速範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波測定器。
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