JP2017125727A - 超音波流量計 - Google Patents

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【課題】流量精度の健全性を簡単な構成で判定する。【解決手段】超音波流量計は、測定対象の流体2が流れる配管1と、配管1の上流と下流に配置された1対の超音波センサ3,4と、超音波センサ3から送出され超音波センサ4で受信された第1の超音波受信信号の最大値と超音波センサ4から送出され超音波センサ3で受信された第2の超音波受信信号の最大値との差の絶対値を算出する強度差算出部90と、第1の超音波受信信号と第2の超音波受信信号の伝搬時間差と、強度差算出部90が算出した強度差の絶対値との乗算値を算出する乗算値算出部91と、乗算値算出部91が算出した乗算値が所定の許容強度差より大きい場合に、警報を出力する比較部92とを備える。【選択図】 図11

Description

本発明は、超音波流量計に係り、特に流量精度の健全性を判定する技術に関するものである。
超音波を用いて流量を計測する超音波流量計が知られている。超音波流量計における計測方法は大きく分けてゼロクロス法と相関法の2方式に分かれる。図15は超音波流量計の計測原理を説明する断面図である。配管1を流れる流体2の流速をV、配管1に設けられた超音波センサ3と超音波センサ4間の伝搬距離をL、超音波センサ3と超音波センサ4とを結ぶ線分が管軸5と成す角をθ、音速をCとすると、超音波センサ3から超音波センサ4までの順方向(流体2が流れる方向)の超音波の伝搬時間t1、超音波センサ4から超音波センサ3までの逆方向の超音波の伝搬時間t2は次式のように表すことができる。
1=L/(C+Vcosθ) ・・・(1)
2=L/(C−Vcosθ) ・・・(2)
ゼロクロス法では、超音波センサ3と超音波センサ4のそれぞれから超音波信号を送出して伝搬時間t1,t2を計測し、流体2の流速Vと流量Qを以下のように算出する(特許文献1参照)。
V=(t1−t2)L/(2t12) ・・・(3)
Q=SV/k ・・・(4)
式(4)におけるSは配管1の断面積、kは所定の流量補正係数である。伝搬時間t1は、超音波センサ3から超音波信号を送出したときから、超音波センサ4で受信した図16(A)のような超音波受信信号Su→dの最初の受信パルスが立ち上がるまでの時間である。同様に、伝搬時間t2は、超音波センサ4から超音波信号を送出したときから、超音波センサ3で受信した図16(A)のような超音波受信信号Sd→uの最初の受信パルスが立ち上がるまでの時間である。実際には、最初の受信パルスの立ち上がり時間の検出が困難なため、受信波形とx軸(時間軸)との交点であるゼロクロス点から伝搬時間t1,t2を算出している。
一方、相関法では、順方向と逆方向の超音波の伝搬時間差Δtを計測し、流体2の流速Vと流量Qを以下のように算出する(特許文献2参照)。
V≒C2Δt/(2Lcosθ) ・・・(5)
Q=SV/k≒SC2Δt/(2kLcosθ) ・・・(6)
伝搬時間差Δtは、受信波形から直接求める。具体的には、超音波センサ4で受信した図16(B)のような超音波受信信号Su→dと超音波センサ3で受信した図16(B)のような超音波受信信号Sd→uのそれぞれをサンプリングして、超音波受信信号Su→dの波形データと超音波受信信号Sd→uの波形データとの相互相関演算を行い、相関関数から伝搬時間差Δtを求める。
ところで、超音波流量計では、配管に汚物等が付着した場合に超音波受信信号が減衰することや、超音波流量計が動作することによりその動作に由来するノイズが増加することが知られている。意図しないノイズが計測される超音波受信信号に重畳すると、流量誤差が発生する可能性があり、また最悪の場合には計測不可の状態になる可能性もある。そのためノイズを検出することは、正しい計測をする上で非常に重要である。
そこで、計測に悪影響があるノイズを検出できる超音波流量計が提案されている(特許文献3参照)。特許文献3に開示された超音波流量計は、受信波形の特徴値を検出することで受信波形の健全性を判断している。
特許第5346870号公報 特開2013−088322号公報 特許第5649476号公報
しかしながら、特許文献3に開示された超音波流量計では、超音波受信信号を増幅する増幅部の実増幅率と、流体の種類、流体の温度、および流体の圧力の組み合わせにより決定される適正な理論増幅率とを比較して、理論増幅率と実増幅率との差異が所定以上の場合に、ノイズが発生していると判定するが、流体の温度と圧力を取得しなければならないため、超音波流量計の構成が複雑になってしまうという問題点があった。また、流体の種類と流体の温度と流体の圧力の様々な組み合わせについて対応する理論増幅率を登録したデータベースを予め作成しておく必要があり、データベースの作成に手間がかかるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、流量精度の健全性を簡単な構成で判定することができる超音波流量計を提供することを目的とする。
本発明の超音波流量計は、測定対象の流体が流れる配管と、この配管の上流と下流に配置された1対の超音波センサと、上流側の前記超音波センサから送出され下流側の前記超音波センサで受信された第1の超音波受信信号の最大値と下流側の前記超音波センサから送出され上流側の前記超音波センサで受信された第2の超音波受信信号の最大値との差の絶対値、または前記第1の超音波受信信号の最小値と前記第2の超音波受信信号の最小値との差の絶対値を算出する強度差算出手段と、前記第1の超音波受信信号と前記第2の超音波受信信号の伝搬時間差と、前記強度差算出手段が算出した強度差の絶対値との乗算値を算出する乗算値算出手段と、この乗算値算出手段が算出した乗算値が所定の許容強度差より大きい場合に、警報を出力する比較手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計は、測定対象の流体が流れる配管と、この配管の上流と下流に配置された1対の超音波センサと、上流側の前記超音波センサから送出され下流側の前記超音波センサで受信された第1の超音波受信信号の振幅と下流側の前記超音波センサから送出され上流側の前記超音波センサで受信された第2の超音波受信信号の振幅との差の絶対値を算出する振幅差算出手段と、前記第1の超音波受信信号と前記第2の超音波受信信号の伝搬時間差と、前記振幅差算出手段が算出した振幅差の絶対値との乗算値を算出する乗算値算出手段と、この乗算値算出手段が算出した乗算値が所定の許容振幅差より大きい場合に、警報を出力する比較手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計の1構成例において、前記乗算値算出手段は、前記第1の超音波受信信号および前記第2の超音波受信信号の波形データ相互の相関関数から前記伝播時間差を求めることを特徴とするものである。
本発明によれば、強度差算出手段と、乗算値算出手段と、比較手段とを設けることにより、超音波流量計の流量精度の健全性を簡単な構成で判定することができる。
また、本発明では、振幅差算出手段と、乗算値算出手段と、比較手段とを設けることにより、超音波流量計の流量精度の健全性を簡単な構成で判定することができる。
超音波受信信号にノイズが重畳していない状態を説明する断面図である。 ノイズが重畳していない場合の超音波受信信号の波形例を示す図である。 流体の流れがないときに超音波受信信号とノイズとが重畳する様子を説明する図である。 流体の流れがあるときに超音波受信信号とノイズとが重畳する様子を説明する図である。 流量誤差計算のための超音波受信信号とノイズの波形例を示す図である。 ノイズが混入した超音波受信信号の波形を計算した結果を示す図である。 図6の波形の一部を拡大した図である。 図6の波形の一部を拡大した図である。 ノイズの位相と、流量誤差および超音波受信信号の強度差との関係を計算した結果を示す図である。 ノイズの位相と、流量誤差および超音波受信信号の強度差との関係を計算した結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る超音波流量計における流量精度の健全性判定処理を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る超音波流量計における流量精度の健全性判定処理を説明するフローチャートである。 超音波流量計の計測原理を説明する断面図である。 ゼロクロス法の伝搬時間の求め方を説明する図、および相関法の伝搬時間差の求め方を説明する図である。
[発明の原理]
発明者は、超音波流量計で計測される上流→下流、下流→上流の超音波受信信号の強度の差に着目した。これにより、特許文献3に開示された超音波流量計よりも簡単に、計測に悪影響があるノイズについて検出可能になる。
図1(A)、図1(B)は本発明の原理を説明する図であり、超音波受信信号にノイズが重畳していない状態を説明する断面図である。図1(A)は配管1の横断面図、図1(B)は図1(A)の配管1の縦断面図である。
本発明では、1対の超音波センサ3,4を、配管1の円形断面の円周上の位置が同じで、かつ流体2の流れる方向の位置が異なる箇所に配置する構成とするため、超音波の送受信の伝播経路は図1に示すように配管1の内壁で反射させたV字型の伝播路となる。すなわち、上流側の超音波センサ3は、流体2を介して対向する側の配管1の内壁に向けて超音波信号を送信すると同時に、下流側の超音波センサ4は、流体2を介して対向する側の配管1の内壁に向けて超音波信号を送信する。超音波センサ3が超音波信号を送出する方向と配管1の内壁との成す角、および超音波センサ4が超音波信号を送出する方向と配管1の内壁との成す角は、いずれもθである。
超音波センサ3から送出され超音波センサ4で受信する超音波受信信号Su→dと超音波センサ4から送出され超音波センサ3で受信する超音波受信信号Sd→uとは、流体2の流速Vに比例した位相差(時間差)を持って出力される(時間軸との受信波形との交点であるゼロクロス点も時間差を持つ)。
例えば流速Vが0[m/s]の場合、超音波受信信号Su→dと超音波受信信号Sd→uとの時間差は0[ns]で、位相差も0[rad]である(図2(A))。流速Vが0.3[m/s]の場合、時間差は15[ns]で、位相差は0.12[rad]である(図2(B))。流速Vが3[m/s]の場合、時間差は150[ns]で、位相差は1.22[rad]である(図2(C))。流速Vが6[m/s]の場合、時間差は300[ns]で、位相差は2.45[rad]である(図2(D))。
一方、超音波を送受信する際に、正規の経路とは違う場所から意図しない同周波数のノイズ(例えば配管1を伝わるノイズ)が混入することがある。このようなノイズが混入すると、超音波受信信号Su→d,Sd→uとノイズとを重ね合わせた波形が観測される。図3(A)は流体の流れがないときに超音波受信信号Su→d,Sd→uに対して位相0°のノイズNが重畳する様子を説明する図、図3(B)は同じく流体の流れがないときに超音波受信信号Su→d,Sd→uに対して位相180°のノイズNが重畳する様子を説明する図である。
図3(A)、図3(B)の例では、ノイズNの位相は水温等の影響を受けず(いつも同じ場所に出現する)、またノイズNは超音波の周波数(例1.3MHz)と同程度の周波数と仮定している。なお、本発明では、流体の流れがないときの超音波受信信号Su→d,Sd→uの位相を基準(0°)とし、この位相に対してノイズNの位相を規定している。
超音波受信信号Su→d,Sd→uにノイズNが重畳すると、超音波受信信号Su→d,Sd→uの強度が変化するが、上記のとおり流速Vが0[m/s]の状態では超音波受信信号Su→dと超音波受信信号Sd→uの時間差は0[ns]なので、超音波受信信号Su→dの強度と超音波受信信号Sd→uの強度が同様に変化し、強度に差は生じない。すなわち、相関法で算出される伝搬時間差Δtは0であり、ゼロクロス法で算出される伝搬時間t1とt2は等しくなり、流量誤差は生じない。
しかし、流体の流れがあるときには、超音波受信信号Su→dと超音波受信信号Sd→uには図2(A)〜図2(D)に示したようにずれ(時間差)が生じる。図4(A)は流体の流れがあるときに超音波受信信号Su→d,Sd→uに対して位相0°のノイズNが重畳する様子を説明する図、図4(B)は同じく流体の流れがあるときに超音波受信信号Su→d,Sd→uに対して位相180°のノイズNが重畳する様子を説明する図である。上記と同様に、図4(A)、図4(B)の例では、ノイズNの位相は水温等の影響を受けず、ノイズNは超音波の周波数(例1.3MHz)と同程度の周波数と仮定している。
流体の流れがあると、超音波センサ3から超音波センサ4(上流→下流)への超音波受信信号Su→dと超音波センサ4から超音波センサ3(下流→上流)への超音波受信信号Sd→uの到達位置が変化するので、超音波受信信号Su→d,Sd→uに対してノイズNが異なる位相で加算される。このため、超音波受信信号Su→dの振幅Yu→dと超音波受信信号Sd→uの振幅Yd→uが異なる変化を示し、信号強度に差が生じる。すなわち、相関法で算出される伝搬時間差Δtとゼロクロス法で算出される伝搬時間t1,t2に誤差が生じる。
次に、超音波受信信号とノイズの位相差による流量誤差を計算する。ここでは、図5(A)に示すような周波数1.3MHzの超音波受信信号Su→d,Sd→uに、図5(B)に示すような同周波数のノイズN(位相は0°〜359°)を足し合わせると、信号強度差と流量誤差とがどうなるのかについて計算した。具体的には、ノイズNによる超音波受信信号Su→d,Sd→uのゼロクロス点の変化について計算した。なお、図5(B)のN0,N90,N180,N270は超音波受信信号Su→d,Sd→uに対してそれぞれ位相が0°,90°,180°,270°ずれたノイズNの波形を示している。
ノイズNが混入しない場合の超音波受信信号Su→d,Sd→uは、ノイズNが混入しないときの超音波信号の振幅をAS、超音波信号の周波数をf[Hz]、角速度をω[rad/s]、順方向と逆方向の超音波信号の伝搬時間差をΔt[ns]とすると、式(7)、式(8)のように表すことができる。周知のとおり、角速度ωは2πfと等しい。
u→d=ASsinωt ・・・(7)
d→u=ASsin(ωt+Δt) ・・・(8)
また、ノイズNが混入した場合の超音波受信信号Su→d,Sd→uは、ノイズNの振幅をAN、ノイズNの位相差をφ[°]とすると、式(9)、式(10)のように表すことができる。
u→d=ASsinωt+ANsin(ωt+φ) ・・・(9)
d→u=ASsin(ω(t+Δt))+ANsin(ωt+φ) ・・・(10)
図6はノイズNが混入した超音波受信信号Su→d,Sd→uの波形を式(9)、式(10)を基に計算した結果を示す図、図7は図6の60の部分を拡大した図、図8は図6の61の部分を拡大した図である。図7〜図8において、Su→d0,Su→d90,Su→d180,Su→d270はそれぞれ超音波受信信号Su→dに位相0°,90°,180°,270°のノイズNが混入したときの波形を示し、Sd→u0,Sd→u90,Sd→u180,Sd→u270はそれぞれ超音波受信信号Sd→uに位相0°,90°,180°,270°のノイズNが混入したときの波形を示している。
図7〜図8によれば、超音波受信信号Su→d,Sd→uに位相差がついたノイズNが加わると、超音波受信信号Su→d,Sd→uのずれが大きくなり、超音波受信信号Su→d,Sd→uの強度に大きな差が生じることが分かる。上記のとおり、強度差が生じることで誤差が発生する。
図9、図10に、ノイズNの位相と、流量誤差および超音波受信信号Su→d,Sd→uの強度差との関係を計算した結果を示す。ここでは、ノイズNが混入する場合としない場合の流量Qを相関法を用いて計算して流量誤差を求めている。図9は伝搬時間差Δtが80[ns]で、ノイズNが混入しないときの信号強度の最大値が25000、ノイズNの強度の最大値が500の場合の結果を示し、図10は伝搬時間差Δtが40[ns]で、ノイズNが混入しないときの信号強度の最大値が25000、ノイズNの強度の最大値が500の場合の結果を示しており、図中の100は流量誤差、101は強度差を示している。
図9、図10に示した計算結果から、ノイズNの大きさと、超音波受信信号Su→d,Sd→uの強度差V’はほぼ比例関係にあり、また強度差V’と流量誤差もほぼ比例関係にあることが分かる。さらに、伝搬時間差Δtおよび強度差V’と流量誤差Eも次式のような比例関係にある。
E[%]∝Δt×|V’| ・・・(11)
なお、超音波受信信号Su→dの強度の最大値をYMaxu→d、超音波受信信号Sd→uの強度の最大値をYMaxd→uとすれば、これら最大値の差である強度差V’の絶対値は式(12)のようになる。
|V’|=|YMaxu→d−YMaxd→u| ・・・(12)
なお、超音波受信信号Su→dの強度の最小値をYMINu→d、超音波受信信号Sd→uの強度の最小値をYMINd→uとすれば、これら最小値の差である強度差V’の絶対値は式(13)のようになる。
|V’|=|YMINu→d−YMINd→u| ・・・(13)
式(11)によれば、超音波受信信号Su→d,Sd→uの強度差V’を観察することで流量誤差Eが推定できることが分かる。したがって、流量誤差Eがノイズの影響で大きいと疑われるときは、警報を発して超音波流量計の健全性を保つことが可能となる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図11は本発明の第1の実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。本実施の形態の超音波流量計は、測定対象の流体2(水等の液体)が流れる配管1と、配管1に取り付けられた超音波センサ3,4と、送信部6と、受信部7と、流量測定部8と、判定部9と、出力部10とを備えている。判定部9は、強度差算出部90と、乗算値算出部91と、比較部92とから構成される。
超音波センサ3,4の配置と超音波信号の伝搬経路については図1(A)、図1(B)で説明したとおりである。送信部6は、超音波センサ3,4に対して駆動用の送信パルスを供給する。これにより、超音波センサ3,4は、送信部6からの送信パルスに応じて、配管1内を流れる流体2に対して斜め方向に超音波信号を送信する。
超音波センサ4は、超音波センサ3から送出された超音波信号の反射信号を受信し、超音波センサ3は、超音波センサ4から送出された超音波信号の反射信号を受信する。
受信部7は、それぞれ超音波センサ3,4で得られた超音波受信信号Su→d,Sd→uに対して増幅等の処理を行う。
流量測定部8は、受信部7から出力された超音波受信信号Su→d,Sd→uを基に、流体2の流速Vおよび流量Qを算出する。流速Vおよび流量Qの算出方法としては、ゼロクロス法(例えば特許文献1参照)、相関法(例えば特許文献2参照)があるが、周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
図12は本実施の形態の超音波流量計における流量精度の健全性判定処理を説明するフローチャートである。
判定部9の強度差算出部90は、受信部7から出力された超音波受信信号Su→dの最大値YMaxu→dを取得すると共に(図12ステップS1)、受信部7から出力された超音波受信信号Sd→uの最大値YMaxd→uを取得し(図12ステップS2)、強度差V’の絶対値|V’|を式(12)により算出する(図12ステップS3)。
判定部9の乗算値算出部91は、強度差算出部90が算出した強度差V’の絶対値|V’|と伝搬時間差Δtとの乗算値Δt×|V’|を算出する(図12ステップS4)。伝搬時間差Δtは、超音波受信信号Su→dと超音波受信信号Sd→uのそれぞれをサンプリングして、サンプリングした超音波受信信号Su→dの波形データと超音波受信信号Sd→uの波形データとの相互相関演算を行い、相関関数から伝搬時間差Δtを算出すればよい。このような伝搬時間差Δtの求め方は特許文献2に開示されている。
判定部9の比較部92は、乗算値算出部91が算出した乗算値Δt×|V’|と所定の許容強度差Vaとを比較する(図12ステップS5)。比較部92は、乗算値Δt×|V’|が許容強度差Vaより大きい場合、流量精度が健全でないことを示す警報信号を出力する(図12ステップS6)。許容強度差Vaは、S/N(signal-to-noise)比や、流量の許容精度を考慮して予め設定しておけばよい。
出力部10は、流量測定部8の算出結果と、判定部9の判定結果とを出力する。流量測定部8の算出結果の出力方法としては、例えば出力部10による表示などがあり、また算出結果の情報を外部に送信するようにしてもよい。同様に、比較部92の判定結果の出力方法としては、出力部10による表示や、警報を知らせるランプの点滅あるいは音声出力などがあり、判定結果の情報を外部に送信するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態では、超音波流量計の流量精度の健全性を簡単な構成で判定することができる。特許文献3に開示された超音波流量計では、流体の温度と圧力を取得しなければならない。これに対して、本実施の形態では、順方向と逆方向の超音波受信信号の強度差を利用することにより、流体の温度と圧力を取得しなくても、流量精度の健全性を判定することができる。流体の温度と圧力で超音波受信信号の大きさが変わっても、流量誤差に与える影響は、超音波受信信号の大きさとノイズの大きさの比率によって決まる。
また、特許文献3に開示された超音波流量計では、流体の種類と流体の温度と流体の圧力の様々な組み合わせについて対応する理論増幅率を登録したデータベースを予め作成しておく必要があるが、本実施の形態では、許容強度差Vaを予め設定しておくだけでよく、データベースを不要にすることができる。また、本実施の形態では、強度差V’を計測することで、超音波センサ3,4の劣化または気泡等の計測異常を検知することができる。
なお、上記の例では、強度差V’を超音波受信信号の最大値から求めているが、最小値から求めるようにしてもよい。すなわち、強度差算出部90は、受信部7から出力された超音波受信信号Su→dの最小値YMINu→dを取得すると共に、受信部7から出力された超音波受信信号Sd→uの最小値YMINd→uを取得し、強度差V’の絶対値|V’|を式(13)により算出するようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図13は本発明の第2の実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図であり、図11と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の超音波流量計は、配管1と、超音波センサ3,4と、送信部6と、受信部7と、流量測定部8と、判定部9aと、出力部10とを備えている。判定部9aは、比較部92と、振幅差算出部93と、乗算値算出部94とから構成される。
超音波センサ3,4と送信部6と受信部7と流量測定部8の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
図14は本実施の形態の超音波流量計における流量精度の健全性判定処理を説明するフローチャートである。判定部9aの振幅差算出部93は、受信部7から出力された超音波受信信号Su→dの振幅Yu→dを取得すると共に(図14ステップS10)、受信部7から出力された超音波受信信号Sd→uの振幅Yd→uを取得し(図14ステップS11)、振幅差Y’の絶対値|Y’|を算出する(図14ステップS12)。
|Y’|=|Yu→d−Yd→u| ・・・(14)
判定部9aの乗算値算出部94は、振幅差算出部93が算出した振幅差Y’の絶対値|Y’|と伝搬時間差Δtとの乗算値Δt×|Y’|を算出する(図14ステップS13)。伝搬時間差Δtの求め方は上記のとおりである。
判定部9aの比較部92は、乗算値算出部94が算出した乗算値Δt×|Y’|と所定の許容振幅差Yaとを比較する(図14ステップS14)。比較部92は、乗算値Δt×|Y’|が許容振幅差Yaより大きい場合、流量精度が健全でないことを示す警報信号を出力する(図14ステップS15)。許容振幅差Yaは、S/N比や、流量の許容精度を考慮して予め設定しておけばよい。
出力部10は、第1の実施の形態と同様に、流量測定部8の算出結果と、判定部9aの判定結果とを出力する。
こうして、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
第1、第2の実施の形態で説明した超音波流量計のうち少なくとも流量測定部8と判定部9,9aとは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、超音波流量計に適用することができる。
1…配管、2…流体、3,4…超音波センサ、6…送信部、7…受信部、8…流量測定部、9,9a…判定部、10…出力部、90…強度差算出部、91,94…乗算値算出部、92…比較部、93…振幅差算出部。

Claims (3)

  1. 測定対象の流体が流れる配管と、
    この配管の上流と下流に配置された1対の超音波センサと、
    上流側の前記超音波センサから送出され下流側の前記超音波センサで受信された第1の超音波受信信号の最大値と下流側の前記超音波センサから送出され上流側の前記超音波センサで受信された第2の超音波受信信号の最大値との差の絶対値、または前記第1の超音波受信信号の最小値と前記第2の超音波受信信号の最小値との差の絶対値を算出する強度差算出手段と、
    前記第1の超音波受信信号と前記第2の超音波受信信号の伝搬時間差と、前記強度差算出手段が算出した強度差の絶対値との乗算値を算出する乗算値算出手段と、
    この乗算値算出手段が算出した乗算値が所定の許容強度差より大きい場合に、警報を出力する比較手段とを備えることを特徴とする超音波流量計。
  2. 測定対象の流体が流れる配管と、
    この配管の上流と下流に配置された1対の超音波センサと、
    上流側の前記超音波センサから送出され下流側の前記超音波センサで受信された第1の超音波受信信号の振幅と下流側の前記超音波センサから送出され上流側の前記超音波センサで受信された第2の超音波受信信号の振幅との差の絶対値を算出する振幅差算出手段と、
    前記第1の超音波受信信号と前記第2の超音波受信信号の伝搬時間差と、前記振幅差算出手段が算出した振幅差の絶対値との乗算値を算出する乗算値算出手段と、
    この乗算値算出手段が算出した乗算値が所定の許容振幅差より大きい場合に、警報を出力する比較手段とを備えることを特徴とする超音波流量計。
  3. 請求項1または2記載の超音波流量計において、
    前記乗算値算出手段は、前記第1の超音波受信信号および前記第2の超音波受信信号の波形データ相互の相関関数から前記伝播時間差を求めることを特徴とする超音波流量計。
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