JP2017116458A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管内部が満水状態か非満水状態かを高い確度で判定する。【解決手段】超音波センサ3は、配管1内を流れる流体2に対して斜め方向に超音波信号を送信する。超音波センサ4は、超音波信号の反射信号を受信する。判定部9は、受信部7から出力された超音波受信信号と2つの閾値TH1,TH2(TH2>TH1)とを比較することにより、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する。【選択図】 図3

Description

本発明は、超音波流量計に係り、特に配管内部が満水状態か非満水状態かを判定することが可能な超音波流量計に関するものである。
超音波を用いた流量計測においては、配管内部が流体で満たされている状態を前提としている。その前提の上で、流体の流速を計測し、配管の断面積から流体の体積を算出するようにしている。配管内部が流体で満たされないと、正しい流速の計測ができず、配管の断面積に基づく流体の体積の算出が不正確になるので、計測に誤差を生ずる。特に、金銭取引に使用される超音波流量計は、比較的長期間にわたり使用されるため、異常が発覚した際には、計測誤差が長期間積算された結果として、大きな額の金銭問題に発展するケースも想定される。そのため、計測に異常が生じた場合には、早期の検出が必要不可欠である。
超音波を用いた流量計測においては、配管内部が流体で満たされている場合、測定に用いられる超音波は流体中を伝搬し送信側の超音波センサから受信側の超音波センサへ伝わる。一方で配管内部が流体で満たされていない場合には、配管内部に空気が含まれているので、超音波は空気と流体を伝搬して超音波センサ間を伝わる。
一般に、水等の流体と空気では超音波の減衰率が異なり、水中の方が減衰率が低く、より大きな信号として伝わる。逆に空気中では減衰が大きく、信号が小さくなる。このことから、配管内部が流体で満たされているか否かを判定するために、従来の技術では超音波信号の振幅を観測する方法が用いられていた(特許文献1参照)。
特開2015−184173号公報
特許文献1に開示された技術では、超音波信号の振幅を1つの閾値と比較することで、配管内への空気の混入による振幅減少を検出することが基本となっている。しかしながら、超音波信号の振幅の減少の要因は配管内への空気の混入だけではないので、配管内部が流体で満たされているか否かを断定できないという問題点があった。つまり、超音波信号の振幅は、流体温度の変化よる超音波センサの温度特性や、継続稼働による超音波センサの経年劣化によっても変動する。このため、特許文献1に開示された技術では、誤った判定をしてしまう可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、配管内部が満水状態か非満水状態かを従来よりも高い確度で判定することができる超音波流量計を提供することを目的とする。
本発明の超音波流量計は、測定対象の流体が流れる配管と、前記流体を介して対向する側の前記配管の内壁に向けて超音波信号を送信する超音波信号送信手段と、前記超音波信号の反射信号を受信する超音波信号受信手段と、この超音波信号受信手段で得られた超音波受信信号と2つの閾値TH1,TH2(TH2>TH1)とを比較することにより、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計の1構成例において、前記判定手段は、前記超音波受信信号のレベルが前記閾値TH1を超えたことによる判定信号と前記閾値TH2を超えたことによる判定信号とが共に得られた場合、配管内部が満水状態と判定し、前記超音波受信信号のレベルが前記閾値TH1を超えたことによる判定信号が時間軸上の離れた位置に複数得られ、かつ前記超音波受信信号のレベルが前記閾値TH2を超えたことによる判定信号が得られなかった場合、配管内部が非満水状態と判定することを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計は、測定対象の流体が流れる配管と、前記流体を介して対向する側の前記配管の内壁に向けて超音波信号を送信する超音波信号送信手段と、前記超音波信号の反射信号を受信する超音波信号受信手段と、配管内部が満水状態で取得された超音波受信信号を基準信号として予め記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された基準信号と前記超音波信号受信手段で得られた超音波受信信号との相互相関関数を求める相関演算手段と、この相関演算手段で得られた相互相関関数に基づいて、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計の1構成例において、前記判定手段は、時間軸上の所定の範囲内のみ前記相互相関関数のピークが得られた場合、配管内部が満水状態と判定し、前記所定の範囲内において前記相互相関関数のピークが得られ、かつ前記所定の範囲外においても前記相互相関関数のピークが得られた場合、配管内部が非満水状態と判定することを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計は、測定対象の流体が流れる配管と、前記流体を介して対向する側の前記配管の内壁に向けて超音波信号を送信する超音波信号送信手段と、前記超音波信号の反射信号を受信する超音波信号受信手段と、この超音波信号受信手段で得られた超音波受信信号の自己相関関数を求める相関演算手段と、この相関演算手段で得られた自己相関関数に基づいて、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の超音波流量計の1構成例において、前記判定手段は、時間軸上の所定の範囲内のみ前記自己相関関数のピークが得られた場合、配管内部が満水状態と判定し、前記所定の範囲内において前記自己相関関数のピークが得られ、かつ前記所定の範囲外においても前記自己相関関数のピークが得られた場合、配管内部が非満水状態と判定することを特徴とするものである。
本発明によれば、超音波受信信号と2つの閾値TH1,TH2とを比較することにより、配管内部が満水状態か非満水状態かを従来よりも高い確度で判定することができる。
また、本発明では、配管内部が満水状態で取得された超音波受信信号を基準信号として記憶しておき、基準信号と超音波受信信号との相互相関関数を求め、この相互相関関数に基づいた判定を行うことにより、更に確度の高い判定を実現することができる。
また、本発明では、超音波受信信号の自己相関関数を求め、この自己相関関数に基づいた判定を行うことにより、更に確度の高い判定を実現することができる。
本発明の原理を説明する図である。 本発明の参考例における超音波受信信号と判定信号の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図、および配管の縦断面図である。 本発明の第1の実施の形態における超音波受信信号と判定信号の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における基準信号と超音波受信信号と判定信号の例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態における超音波受信信号と判定信号の例を示す図である。
[発明の原理]
図1(A)〜図1(F)は本発明の原理を説明する図であり、図1(A)は超音波式の超音波流量計の満水状態の配管の横断面図、図1(B)は図1(A)の配管の縦断面図、図1(C)は満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図1(D)は非満水状態の配管の横断面図、図1(E)は図1(D)の配管の縦断面図、図1(F)は非満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図である。なお、図1(C)、図1(F)の縦軸は信号強度である。周波数や波形の形状、流路の機械的構造などにより受信信号は変化するため、ここでは代表的な波形の例を示す。
本発明は、超音波式の超音波流量計において、配管内部が非満水の状態で生じる空気と水等の流体との界面における超音波の反射を検出し、超音波流量計が異常状態にあるか否かを判定することを特徴とする。
図1(A)、図1(B)に示すように配管1の内部が流体2で満たされた満水状態では、送信側の超音波センサ3から送出され受信側の超音波センサ4で受信された超音波受信信号の振幅が大きく、流体中を伝搬して超音波センサ4に到達した信号Aのみが現れる。
一方、図1(D)、図1(E)に示すように配管1の内部が流体2で満たされておらず、空気5が含まれる非満水の状態においては、超音波信号は空気5と流体2との界面において一部の信号が反射するため、送信側の超音波センサ3から受信側の超音波センサ4への経路として、経路aだけでなく、経路bが発生する。
本来の経路aを通過する超音波受信信号S1は減衰し、また非満水により生じた界面で反射する経路bにより超音波受信信号S2が観測できる。また、経路長や媒質の差から2つの信号S1,S2には時間差が生じる。
本発明では、以上の満水状態と非満水状態の2つの状態における波形の変化を利用することにより、超音波流量計の異常を検出することが可能となる。
[参考例]
最初に、本発明の第1の実施の形態の基となる参考例について説明する。ここでは、超音波受信信号を1つの閾値と比較する例について説明する。図2(A)〜図2(D)は本参考例における超音波受信信号と判定信号の例を示す図であり、図2(A)は満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図2(B)は満水状態における判定信号の例を示す図、図2(C)は非満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図2(D)は非満水状態における判定信号の例を示す図である。図2(A)〜図2(D)の縦軸は信号強度である。
本参考例では、非満水状態において、配管内部の水等の流体と空気との界面での反射による超音波受信信号S2を検出できるレベルに閾値TH1を設定する。受信側の超音波センサで受信した超音波受信信号のレベルが閾値TH1を超える場合には、ハイ(high)レベルの判定信号を出力し、超音波受信信号のレベルが閾値TH1未満の場合には、判定信号をロー(low)レベルとする。
満水状態における超音波受信信号には、界面での反射で生ずる超音波受信信号S2が含まれない(図2(A))。このため、判定信号としては、上記の経路aを伝搬してくる超音波受信信号S1に対応する判定信号J1のみが現れる(図2(B))。
一方、非満水状態における超音波受信信号には、超音波受信信号S1の他に、超音波受信信号S2が含まれる(図2(C))。このため、判定信号としては、判定信号J1の他に、上記の経路bを伝搬してくる超音波受信信号S2に対応する判定信号J2が現れる。
したがって、予め満水状態で得られた既知の判定信号と、現在の判定信号とを比較することで、配管内部が満水状態か否かを判定することが可能である。また、満水状態の判定信号を取得していないときは、現在の判定信号に複数の信号があるか否かで判定が可能である。
[第1の実施の形態]
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。参考例のように、1つの閾値TH1を用いる場合、流体中の気泡や微小粒子からの反射信号を受信したときに判定信号J2と同様の信号が現れてしまうことがあり、また超音波センサの経年劣化によって信号振幅が低下したときに超音波受信信号S2のレベルが閾値TH1未満となり、超音波受信信号S2を検出できないことが有り得る。したがって、配管内部が満水状態か非満水状態かを断定できないという問題点があった。そこで、本実施の形態では、閾値を2つ設ける。
図3(A)は本実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図、図3(B)は配管の縦断面図である。超音波流量計は、測定対象の流体2(水等の液体)が流れる配管1と、配管1に取り付けられた送信側の超音波センサ3と、配管1に取り付けられた受信側の超音波センサ4と、送信部6と、受信部7と、流量測定部8と、判定部9と、出力部10とを備えている。超音波センサ3と送信部6とは超音波信号送信手段を構成し、超音波センサ4と受信部7とは超音波信号受信手段を構成している。
本実施の形態では、1対の超音波センサ3,4を、配管1の円形断面の円周上の位置が同じで、かつ流体2の流れる方向の位置が異なる箇所に配置する構成とするため、超音波の送受信の伝播経路は図3(A)に示すように配管1の内壁で反射させたV字型の伝播路となる。
送信部6は、送信側の超音波センサ3に対して駆動用の送信パルスを供給する。例えば配管1の上流に配置された超音波センサ3は、送信部6からの送信パルスに応じて、配管1内を流れる流体2に対して斜め方向に超音波信号を送信する。
例えば配管1の下流に配置された超音波センサ4は、超音波信号の反射信号を受信する。受信部7は、超音波センサ4で得られた超音波受信信号に対して増幅等の処理を行う。
流量測定部8は、受信部7から出力された超音波受信信号を基に、流体2の流速および流量を算出する。流速および流量の算出方法としては、ゼロクロス法(例えば特許第5346870号公報参照)、相関法(例えば特開2013−88322号公報参照)があるが、周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
次に、判定部9は、受信部7から出力された超音波受信信号を基に、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する。
上記のとおり、本実施の形態では、判定のための閾値を2つ用いる。具体的には、非満水状態における配管内部の流体2と空気との界面での反射による超音波受信信号S2を検出できるレベルに閾値TH1を設定し、超音波受信信号S2および非満水状態における配管1の内壁での反射による超音波受信信号S1を検出できない大きさのレベルで、かつ満水状態における超音波受信信号S1を検出できるレベルに閾値TH2を設定する(TH2>TH1)。
図4(A)〜図4(F)は本実施の形態における超音波受信信号と判定信号の例を示す図であり、図4(A)は満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図4(B)は満水状態における閾値TH2による判定信号の例を示す図、図4(C)は満水状態における閾値TH1による判定信号の例を示す図、図4(D)は非満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図4(E)は非満水状態における閾値TH2による判定信号の例を示す図、図4(F)は非満水状態における閾値TH1による判定信号の例を示す図である。図4(A)〜図4(F)の縦軸は信号強度である。
判定部9は、受信部7から出力された超音波受信信号のレベルが閾値TH1を超える場合には、ハイ(high)レベルの判定信号J1を出力し、超音波受信信号のレベルが閾値TH1未満の場合には、判定信号J1をロー(low)レベルとする。同様に、判定部9は、超音波受信信号のレベルが閾値TH2を超える場合には、ハイレベルの判定信号J3を出力し、超音波受信信号のレベルが閾値TH2未満の場合には、判定信号J3をローレベルとする。
満水状態における超音波受信信号には、配管内部の流体2と空気との界面での反射で生ずる超音波受信信号S2が含まれず、超音波受信信号S1のみが含まれる(図4(A))。このため、超音波受信信号S1と閾値TH1との比較による判定信号J1と、超音波受信信号S1と閾値TH2との比較による判定信号J3とが得られる(図4(B)、図4(C))。ただし、得られた2つの判定信号J1,J3は、同一の伝播経路を通った信号を検出したものなので、時間軸上の同一の位置に現れる。
一方、非満水状態における超音波受信信号には、超音波受信信号S1の他に、超音波受信信号S2が含まれる(図4(D))。このため、閾値TH1との比較による判定信号としては、判定信号J1の他に、超音波受信信号S2と閾値TH1との比較による判定信号J2が現れる(図4(F))。
ただし、非満水状態の場合、配管内部の空気を通ることで超音波が減衰するので、超音波受信信号S1の振幅が低下する。閾値TH2は、満水状態における超音波受信信号S1のレベルを考慮して予め設定されているので、非満水状態における超音波受信信号S1のレベルは閾値TH2を下回る。したがって、非満水状態の場合、閾値TH2との比較による判定信号J3は現れない。
判定部9は、超音波受信信号S1のレベルが閾値TH1を超えたことによる判定信号J1と閾値TH2を超えたことによる判定信号J3とが共に得られた場合、配管内部が満水状態と判定する。満水状態において超音波センサ3が超音波信号を送信してから超音波センサ4に到達するまでの伝搬時間は既知である。すなわち、超音波信号の送信(駆動用の送信パルスの出力)から判定信号J1,J3が現れるまでの経過時間T1は既知である。判定部9は、超音波信号の送信から経過時間T1後の時刻を中心とする所定の時間範囲E1内において、閾値TH1,TH2による信号が共に得られた場合、判定信号J1と判定信号J3が共に得られたと判断する。
また、判定部9は、超音波受信信号S1のレベルが閾値TH1を超えたことによる判定信号J1と超音波受信信号S2のレベルが閾値TH1を超えたことによる判定信号J2とが共に得られ、かつ超音波受信信号S1またはS2のレベルが閾値TH2を超えたことによる判定信号が得られなかった場合、配管内部が非満水状態と判定する。
上記のとおり経過時間T1は既知なので、判定部9は、超音波信号の送信から経過時間T1後の時刻を中心とする所定の時間範囲E1内において閾値TH1による信号が得られ、かつ超音波信号の送信から経過時間T1後の時刻よりも一定時間T2だけ前の時刻を中心とする所定の時間範囲E2内において閾値TH1による信号が得られた場合、判定信号J1と判定信号J2が共に得られたと判断する(例えばT2>E1/2、T2>E2/2)。
出力部10は、流量測定部8の算出結果と、判定部9の判定結果とを出力する。流速や流量の算出結果の出力方法としては、例えば出力部10による表示などがあり、また算出結果の情報を外部に送信するようにしてもよい。同様に、判定結果の出力方法としては、出力部10による表示や非満水状態を知らせるランプの点滅などがあり、判定結果の情報を外部に送信するようにしてもよい。
本実施の形態では、閾値TH1の他に閾値TH2を設けているため、満水状態の検出には判定信号J1とJ3を確認すればよく、流体中の気泡や微小粒子からの反射信号を受信したときに判定信号J2と同様の信号が現れたとしても、この信号と無関係に、満水状態を検出できる。
また、上記のとおり、超音波センサの経年劣化によって信号振幅が低下したときに超音波受信信号S2のレベルが閾値TH1未満となり、超音波受信信号S2を検出できないことが有り得る。判定部9は、超音波信号の送信から経過時間T1後の時刻を中心とする所定の時間範囲E1内において閾値TH1による判定信号J1のみが得られ、判定信号J2,J3が得られなかった場合、超音波センサが劣化した可能性があると判定する。
こうして、本実施の形態では、特許文献1に開示された技術や参考例よりも確度の高い判定を実現することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。参考例および第1の実施の形態では、本来検出すべきでないノイズに対しても閾値判定を行い、判定信号を発生させることが考えられる。本実施の形態は、参考例および第1の実施の形態に対して、より検出確度を高めるための方法を示すものである。
図5は本実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図であり、図3(A)と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の超音波流量計は、配管1と、超音波センサ3,4と、送信部6と、受信部7と、流量測定部8と、判定部9aと、出力部10と、記憶部11と、相関演算部12とを備えている。
超音波センサ3,4と送信部6と受信部7と流量測定部8の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
記憶部11は、配管内部が満水状態で取得された超音波受信信号を基準信号として予め記憶している。
本実施の形態では、閾値による判定信号は生成せず、相関関数を判定信号とすることで非満水状態を検出する。配管1の内壁での反射による超音波受信信号S1と、配管内部の流体2と空気との界面での反射による超音波受信信号S2とは、同一の発信波形により得られる信号であるため、振幅こそ異なるがその信号形状はよく似ている。判定に相関関数を用いることで、超音波信号と相関の低い外乱ノイズでは検出を行わず、非満水状態で生じる信号に対しては検出が可能になる。
本実施の形態は、相互相関関数を用いるものであり、満水状態における超音波受信信号S1を予め取得し、これを基準信号S0として記憶部11に格納しておく。
図6(A)、図6(D)は基準信号S0の波形の例を示す図、図6(B)は満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図6(C)は満水状態における判定信号(相互相関関数)の例を示す図、図6(E)は非満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図6(F)は非満水状態における判定信号(相互相関関数)の例を示す図である。図6(A)〜図6(F)の縦軸は信号強度である。
満水状態であれば、基準信号S0と超音波受信信号S1との相互相関関数のピークP1は一箇所に現れる(図6(C))。
一方、非満水状態の場合、基準信号S0と超音波受信信号S1,S2との相互相関関数を求めると、基準信号S0と超音波受信信号S1との相互相関関数のピークP1の他に、基準信号S0と超音波受信信号S2との相互相関関数のピークP2,P3が現れる(図6(F))。これにより非満水状態を検出することが可能である。
相関演算部12は、記憶部11に記憶された基準信号S0と受信部7から出力された超音波受信信号との相互相関関数を求める。
超音波信号の送信(駆動用の送信パルスの出力)からピークP1が現れるまでの経過時間T3は予め確かめておくことができる。判定部9aは、超音波信号の送信から経過時間T3後の時刻を中心とする所定の時間範囲E3内において相互相関関数のピークP1が得られ、かつE3の範囲外で相互相関関数のピークが得られなかった場合、配管内部が満水状態と判定する。
また、判定部9aは、超音波信号の送信から経過時間T3後の時刻を中心とする所定の時間範囲E3内において相互相関関数のピークP1が得られ、かつE3の範囲外においても相互相関関数のピークP2,P3のうち少なくとも一方が得られた場合、配管内部が非満水状態と判定する。
なお、相関ピークの検出にあたっては、相互相関関数のレベルを所定の閾値と比較することにより、閾値を超えるレベルのピークを検出するようにすればよい。
第1の実施の形態と同様に、出力部10は、流量測定部8の算出結果と、判定部9aの判定結果とを出力する。
こうして、本実施の形態では、参考例および第1の実施の形態よりも確度の高い判定を実現することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態に示した基準信号S0を用いない場合について説明する。図7は本実施の形態に係る超音波流量計の構成を示すブロック図であり、図3(A)、図5と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の超音波流量計は、配管1と、超音波センサ3,4と、送信部6と、受信部7と、流量測定部8と、判定部9bと、出力部10と、相関演算部12bとを備えている。
超音波センサ3,4と送信部6と受信部7と流量測定部8の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。
図8(A)は満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図8(B)は満水状態における判定信号(自己相関関数)の例を示す図、図8(C)は非満水状態における超音波受信信号の波形の例を示す図、図8(D)は非満水状態における判定信号(自己相関関数)の例を示す図である。図8(A)〜図8(D)の縦軸は信号強度である。
本実施の形態では、1回の測定で得られる超音波受信信号に対して、その自己相関関数を求めることで、第2の実施の形態と同様の検出が可能である。
満水状態であれば、超音波受信信号S1の自己相関関数のピークP4は一箇所に現れる(図8(B))。
一方、非満水状態の場合、超音波受信信号S1,S2の自己相関関数を求めると、超音波受信信号S1の自己相関関数のピークP4の他に、超音波受信信号S2の自己相関関数のピークP5,P6が現れる(図8(D))。これにより非満水状態を検出することが可能である。
本実施の形態の相関演算部12bは、受信部7から出力された超音波受信信号の自己相関関数を求める。
超音波信号の送信(駆動用の送信パルスの出力)からピークP4が現れるまでの経過時間T4は予め確かめておくことができる。判定部9bは、超音波信号の送信から経過時間T4後の時刻を中心とする所定の時間範囲E4内において自己相関関数のピークP4が得られ、かつE4の範囲外で自己相関関数のピークが得られなかった場合、配管内部が満水状態と判定する。
また、判定部9bは、超音波信号の送信から経過時間T4後の時刻を中心とする所定の時間範囲E4内において自己相関関数のピークP4が得られ、かつE4の範囲外においても自己相関関数のピークP5,P6のうち少なくとも一方が得られた場合、配管内部が非満水状態と判定する。
第2の実施の形態と同様に、相関ピークの検出にあたっては、自己相関関数のレベルを所定の閾値と比較することにより、閾値を超えるレベルのピークを検出するようにすればよい。
第1の実施の形態と同様に、出力部10は、流量測定部8の算出結果と、判定部9bの判定結果とを出力する。
こうして、本実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
第1の実施の形態で説明した超音波流量計のうち少なくとも流量測定部8と判定部9とは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1の実施の形態で説明した処理を実行する。
同様に、第2の実施の形態で説明した超音波流量計のうち少なくとも流量測定部8と判定部9aと記憶部11と相関演算部12とは、コンピュータによって実現することができる。このコンピュータのCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
同様に、第3の実施の形態で説明した超音波流量計のうち少なくとも流量測定部8と判定部9bと相関演算部12bとは、コンピュータによって実現することができる。このコンピュータのCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、超音波流量計に適用することができる。
1…配管、2…流体、3,4…超音波センサ、5…空気、6…送信部、7…受信部、8…流量測定部、9,9a,9b…判定部、10…出力部、11…記憶部、12,12b…相関演算部。

Claims (6)

  1. 測定対象の流体が流れる配管と、
    前記流体を介して対向する側の前記配管の内壁に向けて超音波信号を送信する超音波信号送信手段と、
    前記超音波信号の反射信号を受信する超音波信号受信手段と、
    この超音波信号受信手段で得られた超音波受信信号と2つの閾値TH1,TH2(TH2>TH1)とを比較することにより、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする超音波流量計。
  2. 請求項1記載の超音波流量計において、
    前記判定手段は、前記超音波受信信号のレベルが前記閾値TH1を超えたことによる判定信号と前記閾値TH2を超えたことによる判定信号とが共に得られた場合、配管内部が満水状態と判定し、前記超音波受信信号のレベルが前記閾値TH1を超えたことによる判定信号が時間軸上の離れた位置に複数得られ、かつ前記超音波受信信号のレベルが前記閾値TH2を超えたことによる判定信号が得られなかった場合、配管内部が非満水状態と判定することを特徴とする超音波流量計。
  3. 測定対象の流体が流れる配管と、
    前記流体を介して対向する側の前記配管の内壁に向けて超音波信号を送信する超音波信号送信手段と、
    前記超音波信号の反射信号を受信する超音波信号受信手段と、
    配管内部が満水状態で取得された超音波受信信号を基準信号として予め記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された基準信号と前記超音波信号受信手段で得られた超音波受信信号との相互相関関数を求める相関演算手段と、
    この相関演算手段で得られた相互相関関数に基づいて、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする超音波流量計。
  4. 請求項3記載の超音波流量計において、
    前記判定手段は、時間軸上の所定の範囲内のみ前記相互相関関数のピークが得られた場合、配管内部が満水状態と判定し、前記所定の範囲内において前記相互相関関数のピークが得られ、かつ前記所定の範囲外においても前記相互相関関数のピークが得られた場合、配管内部が非満水状態と判定することを特徴とする超音波流量計。
  5. 測定対象の流体が流れる配管と、
    前記流体を介して対向する側の前記配管の内壁に向けて超音波信号を送信する超音波信号送信手段と、
    前記超音波信号の反射信号を受信する超音波信号受信手段と、
    この超音波信号受信手段で得られた超音波受信信号の自己相関関数を求める相関演算手段と、
    この相関演算手段で得られた自己相関関数に基づいて、配管内部が満水状態か非満水状態かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする超音波流量計。
  6. 請求項5記載の超音波流量計において、
    前記判定手段は、時間軸上の所定の範囲内のみ前記自己相関関数のピークが得られた場合、配管内部が満水状態と判定し、前記所定の範囲内において前記自己相関関数のピークが得られ、かつ前記所定の範囲外においても前記自己相関関数のピークが得られた場合、配管内部が非満水状態と判定することを特徴とする超音波流量計。
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