JP2021165626A - 計測装置、コントローラ、プログラム、および計測方法 - Google Patents

計測装置、コントローラ、プログラム、および計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】人の快適性およびエネルギー効率の少なくとも1つに優れた空調制御を可能とする【解決手段】本開示の一態様によれば、対象空間に設置された音波送信装置と、対象空間に設置された音波受信装置と、対象空間に設置された空調装置とに接続可能、かつ対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置が提供される。計測装置は、音波送信装置によって送信され、対象空間内の経路を伝搬して音波受信装置に到達する音波の伝搬特性に基づいて複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量を算出する手段と、対象領域の物理量に基づくフィードバックデータを生成する手段と、フィードバックデータを空調装置に送出する手段とを備える。【選択図】図6

Description

本開示は、計測装置、コントローラ、プログラム、および計測方法に関する。
特許文献1には、消費エネルギーの低減を図ることが可能とされる空調システムが提案されている。この空調システムの制御装置は、複数の温度センサそれぞれが計測した温度を複数の空調空間それぞれの現在温度として取得して、現在温度と複数の空調空間それぞれの目標温度との差を小さくするように熱源機及び分配装置を制御する。
特開2018-109461号公報
特許文献1によれば、温度センサの位置は、建物において空調空間を囲む壁面であって、例えば床から110cm以上120cm以下の高さとなるように定められる。しかしながら、壁面で計測される温度は、空間内の他の箇所の温度と必ずしも一致しない。従って、壁面で計測される温度のみを用いて空調を制御したとしても、人の体感温度が設定温度と乖離し、快適なユーザ体験を提供することが困難となり得る。また、壁面で計測される温度のみを用いて空調を制御したとしても、空調装置の運転に無駄があり、エネルギーロスが生じ得る。
本開示の目的は、人の快適性およびエネルギー効率の少なくとも1つに優れた空調制御を可能とすることである。
本開示の一態様によれば、対象空間に設置された音波送信装置と、対象空間に設置された音波受信装置と、対象空間に設置された空調装置とに接続可能、かつ対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置が提供される。計測装置は、音波送信装置によって送信され、対象空間内の経路を伝搬して音波受信装置に到達する音波の伝搬特性に基づいて複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量を算出する手段と、対象領域の物理量に基づくフィードバックデータを生成する手段と、フィードバックデータを空調装置に送出する手段とを備える。
本開示によれば、人の快適性およびエネルギー効率の少なくとも1つに優れた空調制御が可能となる。
第1実施形態の空調システムの構成を示すブロック図である。 第1実施形態の空調システムの詳細な構成を示すブロック図である。 第1実施形態の音波送信装置の構成を示す概略図である。 第1実施形態の音波受信装置の構成を示す概略図である。 対象空間のメッシュ構造を示す図である。 第1実施形態の概要の説明図である。 第1実施形態の空間データテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態のセンサデータテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態の経路データテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態のメッシュデータテーブルのデータ構造を示す図である。 第1実施形態のフィルタの説明図である。 第1実施形態の空調制御処理のシーケンス図である。 第1実施形態のセンサ配置の一例を示す図である。 図12の温度計測処理の詳細なフローチャートである。 図14の経路温度の計算の詳細なフローチャートである。 図14の処理において表示される画面例を示す図である。 第2実施形態の空調システムの構成を示すブロック図である。 第2実施形態の概要の説明図である。 第2実施形態の空調制御処理のシーケンス図である。 変形例1の音波送信装置及び音波受信装置の構成を示す概略図である。 変形例1の原理の説明図である。 変形例2の概要の説明図である。 変形例2の温度計測の処理のフローチャートである。 変形例4のセンサ配置の一例を示す図である。 変形例5の音波送信装置の構成を示す図である。 変形例5の音波受信装置の構成を示す図である。 変形例5の第1例の概要を示す図である。 変形例5のセンサユニットの構成を示す図である。 変形例5の第2例の概要を示す図である。 第3実施形態の空調システムの構成を示すブロック図である。 第3実施形態のコントローラな構成を示すブロック図である。 第3実施形態の概要の説明図である。 第3実施形態の空調制御処理のシーケンス図である。 変形例6の概要の説明図である。 変形例7の概要の説明図である。 変形例8の概要の説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(1)第1実施形態
第1実施形態を説明する。
(1−1)空調システムの構成
第1実施形態の空調システムの構成について説明する。図1は、第1実施形態の空調システムの構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態の空調システムの詳細な構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、空調システム1は、計測装置10と、音波送信装置20と、音波受信装置30と、空調装置40と、温度計50と、を備える。
計測装置10は、音波送信装置20、音波受信装置30、空調装置40、及び、温度計50に接続されている。
計測装置10、音波送信装置20、音波受信装置30、空調装置40、及び、温度計50は温度計測の対象となる空間(以下「対象空間」という)SPに配置されている。
計測装置10は、以下の機能を備える。
・音波送信装置20を制御する機能
・音波受信装置30から受信波形データを取得する機能
・対象空間SPの物理量(例えば、温度分布)を計測する機能
・空調装置40を制御する機能
・温度計50から対象空間SPの温度の測定結果に関する基準温度情報を取得する機能
計測装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
音波送信装置20は、計測装置10の制御に従い、指向性を有する音波(例えば、超音波ビーム)を送信するように構成される。また、音波送信装置20は、超音波の送信方向を変更するように構成される。
音波受信装置30は、音波送信装置20から送信された超音波ビームを受信し、且つ、受信した超音波ビームに応じた受信波形データを生成するように構成される。音波受信装置30は、例えば、無指向性マイクロフォン又は指向性マイクロフォンである。
空調装置40は、計測装置10の制御に従い、対象空間SPの温度を調整するように構成される。
温度計50は、対象空間SPの温度(以下「基準温度」という)を測定するように構成される。温度計50は、接触式の温度計であってもよいし、非接触式の温度計(例えば、赤外線放射温度計)であってもよい。
(1−1−1)計測装置の構成
第1実施形態の計測装置10の構成について説明する。
図2に示すように、計測装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、を備える。
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理(例えば、対象空間SPの温度分布を計測するための情報処理、対象空間SPの温度分布に基づいて空調装置40にフィードバックを行うための情報処理)を実行するアプリケーションのプログラム
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
・空間の温度に対する音波の速度に関する音波速度特性に関するデータ
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、計測装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
入出力インタフェース13は、計測装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、計測装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。また、入力デバイスは、温度計50を含む。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。また、出力デバイスは、空調装置40を含む。
通信インタフェース14は、外部装置(例えば、サーバ)との間の通信を制御するように構成される。
(1−1−2)音波送信装置の構成
第1実施形態の音波送信装置20の構成を説明する。図3は、第1実施形態の音波送信装置の構成を示す概略図である。
図3Aに示すように、音波送信装置20は、複数の超音波振動子(「振動素子」の一例)21と、制御回路22と、を備える。
図3Bに示すように、制御回路22は、計測装置10の制御に従って、複数の超音波振動子21を振動させる。複数の超音波振動子21が振動すると、送信面(XY平面)に対して直交する送信方向(Z軸方向)に向かって、超音波ビームが送信される。
(1−1−3)音波受信装置の構成
第1実施形態の音波受信装置30の構成を説明する。図4は、第1実施形態の音波受信装置の構成を示す概略図である。
図4に示すように、音波受信装置30は、超音波振動子31と、制御回路32と、を備える。
超音波振動子31は、音波送信装置20から送信された超音波ビームを受信すると振動する。
制御回路32は、超音波振動子31の振動に応じた受信波形データを生成するように構成される。
(1−2)実施形態の概要
第1実施形態の概要について説明する。図5は、対象空間のメッシュ構造を示す図である。図6は、第1実施形態の概要の説明図である。
図5に示すように、対象空間SPには、計測装置10(不図示)と、音波送信装置20a〜20bと、音波受信装置30a〜30bと、が配置されている。計測装置10は、音波送信装置20及び音波受信装置30と接続可能である。
対象空間SPは、計測装置10によって個別に物理量を計測可能な複数のメッシュ(「仮想区画」の一例)Mi(iは引数)に仮想的に分割される。各メッシュMiは、3次元形状を有する。
例えば、メッシュM1は、複数の経路P200及びP201を含む。経路P200は、音波送信装置20aから音波受信装置30aに至る経路である。経路P201は、音波送信装置20bから音波受信装置30bに至る経路である。
計測装置10は、音波を送信させるように、音波送信装置20a〜20bを制御する。
計測装置10は、音波受信装置30a〜30bから、受信された音波の波形に関する受信波形データを取得する。
計測装置10は、受信波形データに基づいて、対象空間SPの温度分布(例えば、各メッシュの温度)を計算する。
このように、計測装置10は、対象空間SPの仮想区画単位で温度を計測できる。図6に示すように、計測装置10は、対象空間SPを仮想的に分割した複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである領域(例えば、人HU1が存在するメッシュM11および人HU2が存在するメッシュM00)の仮想区画単位の温度に基づいてフィードバックデータを生成し、空調装置40に送出する。空調装置40は、フィードバックデータに基づいて空調動作(例えば、メッシュM11およびメッシュM00の温度に関するフィードバック制御)を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象空間SPに存在する人HU1および人HU2の快適性を向上させることができる。
(1−3)データテーブル
第1実施形態のデータテーブルについて説明する。
(1−3−1)空間データテーブル
第1実施形態の空間データテーブルについて説明する。図7は、第1実施形態の空間データテーブルのデータ構造を示す図である。
図7の空間データテーブルには、音波送信装置20及び音波受信装置30が配置された空間(以下「対象空間」という)に関する空間情報が格納される。
空間データテーブルは、「座標」フィールドと、「反射特性」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
「座標」フィールドには、対象空間に存在する反射部材の座標(以下「反射部材座標」という)が格納される。反射部材座標は、対象空間の任意の基準点を原点とする座標系(以下「空間座標系」という)で表される。
「反射特性」フィールドには、反射部材の反射特性に関する反射特性情報が格納される。「反射特性」フィールドは、「反射種別」フィールドと、「反射率」フィールドと、「法線角」フィールドと、を含む。
「反射種別」フィールドには、反射種別に関する情報が格納される。反射種別は、以下の何れかである。
・拡散反射
・鏡面反射
「反射率」フィールドには、反射部材の反射率の値が格納される。
「法線角」フィールドには、反射部材の反射面の法線角度の値が格納される。
(1−3−2)センサデータテーブル
第1実施形態のセンサデータテーブルについて説明する。図8は、第1実施形態のセンサデータテーブルのデータ構造を示す図である。
図8に示すように、センサデータテーブルには、音波送信装置20及び音波受信装置30に関する情報(以下「センサ情報」という)が格納される。
センサデータテーブルは、「センサID」フィールドと、「座標」フィールドと、「センサタイプ」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
「センサID」フィールドには、音波送信装置20又は音波受信装置30を識別するセンサ識別情報が格納される。
「座標」フィールドには、音波送信装置20又は音波受信装置30の位置を示す座標(以下「センサ座標」という)が格納される。センサ座標は、空間座標系で表される。
「センサタイプ」フィールドには、音波送信装置20であることを示すタグ「送信」、又は、音波受信装置30であることを示すタグ「受信」が格納される。
(1―3−3)経路データテーブル
第1実施形態の経路データテーブルについて説明する。図9は、第1実施形態の経路データテーブルのデータ構造を示す図である。
図9に示すように、経路データテーブルには、経路に関する経路情報が格納される。
経路データテーブルは、「経路ID」フィールドと、「送信センサ」フィールドと、「受信センサ」フィールドと、を含む。
「経路ID」フィールドには、経路を識別する経路識別情報が格納される。
「送信センサ」フィールドには、経路を構成する音波送信装置20のセンサ識別情報が格納される。
「受信センサ」フィールドには、経路を構成する音波受信装置30のセンサ識別情報が格納される。
(1−3−4)メッシュデータテーブル
第1実施形態のメッシュデータテーブルについて説明する。図10は、第1実施形態のメッシュデータテーブルのデータ構造を示す図である。図11は、第1実施形態のフィルタの説明図である。
図10に示すように、メッシュデータテーブルには、メッシュに関するメッシュ情報が格納される。
メッシュデータテーブルは、「メッシュID」フィールドと、「座標」フィールドと、「経路ID」フィールドと、「フィルタ」フィールドと、を含む。
「メッシュID」フィールドには、メッシュを識別するメッシュ識別情報が格納される。
「座標」フィールドには、メッシュの位置を示すメッシュ座標が格納される。メッシュ座標は、空間座標系で表される。
メッシュ座標、または他のパラメータは、BIM(Building Information Modeling)、または他のCAD(Computer-Aided Design)データを参照して定義されてもよい。
「経路ID」フィールドには、経路の経路識別情報が格納される。
「フィルタ」フィールドには、音波受信装置30によって受信された受信波形データによって再現される超音波ビームの波形から特定波形を抽出するためのフィルタに関するフィルタ情報が格納される。フィルタ情報は、「経路ID」フィールドに格納された経路識別情報に関連付けられる。「フィルタ」フィールドは、「時間フィルタ」フィールドと、「振幅フィルタ」フィールドと、を含む。
「時間フィルタ」フィールドには、時間軸に沿って特定波形を抽出するための時間フィルタに関する情報が格納される。時間フィルタは、例えば、以下の少なくとも1つである(図11)。
・下限時間閾値THtb
・上限時間閾値THtt
・下限時間閾値THtbと上限時間閾値THttとによって規定される時間ウインドウWt
「振幅フィルタ」フィールドには、振幅軸に沿って特定波形を抽出するための振幅フィルタに関する情報が格納される。振幅フィルタは、例えば、以下の少なくとも1つである(図11)。
・下限振幅閾値THab
・上限振幅閾値THat
・下限振幅閾値THabと上限振幅閾値THatとによって規定される振幅ウインドウWa
(1−4)空調制御処理
第1実施形態の空調制御処理について説明する。図12は、第1実施形態の空調制御処理のシーケンス図である。図13は、第1実施形態のセンサ配置の一例を示す図である。図14は、図12の温度計測処理の詳細なフローチャートである。図15は、図14の経路温度の計算の詳細なフローチャートである。図16は、図14の処理において表示される画面例を示す図である。
図12に示すように、計測装置10は、温度計測処理(S11)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、対象空間を仮想的に分割した仮想区画(例えば、メッシュ)単位で温度を計測可能である。
図13に示すように、対象空間SPには、複数の音波送信装置20a〜20eと、複数の音波受信装置30a〜30eと、が配置される。
複数の音波送信装置20a〜20eは、それぞれ、複数の音波受信装置30a〜30eに対向している。例えば、音波送信装置20aは、音波受信装置30aに対向している。これは、音波送信装置20a及び音波受信装置30aが、センサペアを形成することを意味している。
図13の例では、5つのセンサペアが形成される。
複数の経路を含むメッシュのメッシュ温度の計測が可能である。
図13の例では、メッシュM1〜M4のメッシュ温度の計測が可能である。
プロセッサ12は、対象空間SPにおいて温度計測の対象となる領域(「対象領域」または「対象メッシュ」)を、対象空間SPに存在する人の位置に基づいて決定してもよい。対象領域は、対象空間SPを仮想的に分割した複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである。プロセッサ12は、以下の少なくとも1つの情報を利用して、対象空間SPに存在する人の位置を特定可能である。
・イメージセンサの出力
・CO2センサの出力
・人感センサの出力
・人の所持する電子機器(例えば、スマートフォン、またはウェアラブルデバイス)によって送信される位置データ
ステップS11の後、計測装置10は、フィードバックデータの生成(S12)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS11において計測したメッシュ温度に基づいて、フィードバックデータを生成する。例えば、プロセッサ12は、空調装置40が対象領域の温度を目標値に近づけるフィードバック制御を行うためのフィードバックデータを生成する。
フィードバックデータは、以下の少なくとも1つを含み得る。
・物理量の1時点または複数時点に亘る計測データ(例えば、メッシュ温度)
・物理量の1時点または複数時点に亘る計測データを加工したデータ(例えば、統計データ)
・空調装置40に対する制御信号(例えば、空調装置40の起動、空調装置40の停止、空調装置40の運転モードの変更、空調装置40の設定温度の変更、空調装置40の設定風量の変更、空調装置40の設定風向の変更、空調装置40の設定湿度の変更、空調装置40に内蔵されるモータの回転数の変更、および空調装置40の加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更のうち少なくとも1つを指示する制御信号)
・空調装置40に対する制御信号の時系列パターン(つまり、複数時点に亘って空調装置40に適用される制御信号のセット)
ステップS12の後、計測装置10は、フィードバックデータの送出(S13)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS12において生成したフィードバックデータを空調装置40へと送出する。
ステップS13の後、空調制御処理が終了するまで、計測装置10は、温度計測処理(S11)、フィードバックデータの生成(S12)、およびフィードバックデータの送出(S13)を繰り返し実行する。
ステップS13の後、空調装置40は、空調動作(S41)を実行する。
ステップS41の後、空調装置40は、計測装置10がフィードバックデータの送出(S13)を実行する度に、空調動作(S41)を実行する。
ステップS41の第1の例では、空調装置40は、フィードバックデータに含まれる制御信号に従って、起動、停止、運転モードの変更、設定温度の変更、設定風量の変更、および設定風向の変更のうち少なくとも1つを行う。
ステップS41の第2の例では、空調装置40は、フィードバックデータに含まれる計測データ、または当該計測データを加工したデータに基づいて、起動、停止、運転モードの変更、設定温度の変更、設定風量の変更、および設定風向の変更のうち少なくとも1つを行うか否かを決定する。空調装置40は、決定に従って動作する。
例えば、空調装置40は、以下の少なくとも1つの空調動作を実行できる。
・対象領域の温度が目標値に近づくように、起動または停止する。
・対象領域の温度が目標値に近づくように、運転モードを暖房モード、冷房モードまたは他のモードのいずれかに変更する。
・対象領域の温度が目標値に近づくように、設定温度を増加または減少させる。
・対象領域の温度が目標値に近づくように、設定風量を増加または減少させる。
・対象領域の温度が目標値に近づくように、設定風向を空調装置40から当該対象領域への方向に近づく方向または当該対象領域から遠ざかる方向に変更する。
対象領域の温度の目標値は、例えば、空調装置40の設定温度、対象空間SPに存在する人による入力、対象空間SPに存在する人のバイタルデータ、当該対象領域に存在する人による入力、および当該対象領域に存在する人のバイタルデータの少なくとも1つに基づいて設定される。
バイタルデータは、例えば、体温、脈拍、および血圧の少なくとも1つの計測値を含み得る。バイタルデータは、人の装着するウェアラブルデバイスまたは他の計測機器から取得され得る。バイタルデータのうち体温は、赤外線カメラによって遠隔から計測することも可能である。また、バイタルデータとして、電波(例えば、WiFi(Wireless Fidelity))により非接触に計測された心拍等を使用してもよい。人による入力は、例えば、制御パネルの操作による入力、ユーザが保有するスマートフォンなどの端末の操作による入力、及びジェスチャーによる入力の少なくとも何れかを含みうる。これらの入力は、制御パネルや端末やモーションセンサから空調装置40へ有線通信又は無線通信により送信されてもよい。また、人による入力の内容は、温度、湿度、風量又は風向などを指定する入力であってもよいし、「暑い」「寒い」「湿度が高い」「風が強い」などの人の感覚を表す入力であってもよい。
以下、温度計測処理(S11)の詳細を説明する。
図14に示すように、計測装置10は、対象メッシュの決定(S110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、図13に示すように、対象空間SPを構成する複数のメッシュの中から対象メッシュMt(t=1〜4)のメッシュ識別情報を決定する。一例として、プロセッサ12は、対象空間SPに存在する人の位置に基づいて対象メッシュMtを決定する。
ステップS110の後、計測装置10は、所定の経路温度計算モデルに従って、経路温度の計算(S111)を実行する。
図15を参照して、ステップS111の詳細を説明する。
計測装置10は、対象経路の決定(S1110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、メッシュデータテーブル(図10)を参照して、ステップS110で決定したメッシュ識別情報に関連付けられた「経路ID」フィールドの情報(つまり、対象メッシュMtを通る経路(以下「対象経路」という)Pi(iは、経路の引数)の経路識別情報)を特定する。
ステップS1110の後、計測装置10は、超音波ビームの出力(S1111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、経路データテーブル(図9)を参照して、ステップS1110で特定した経路識別情報に関連付けられた「送信センサ」フィールドの情報(つまり、制御対象となる音波送信装置(以下、「対象音波送信装置」という)20)と、「受信センサ」フィールドの情報(つまり、制御対象となる音波受信装置(以下「対象音波受信装置」という)30)と、を特定する。
プロセッサ12は、対象音波送信装置20に超音波制御信号を送信する。
対象音波送信装置20は、計測装置10から送信された超音波制御信号に応じて超音波ビームを送信する。
具体的には、複数の超音波振動子21は、超音波制御信号に応じて同時に振動する。
これにより、対象音波送信装置20から対象音波受信装置30に向かって、送信方向(Z軸方向)に進行する超音波ビームが送信される。
ステップS1111の後、計測装置10は、受信波形データの取得(S1112)を実行する。
具体的には、対象音波受信装置30の超音波振動子31は、ステップS1111で対象音波送信装置20から送信された超音波ビームを受信することにより振動する。
制御回路32は、超音波振動子31の振動に応じた受信波形データ(図11)を生成する。
制御回路32は、生成した受信波形データを計測装置10に送信する。
計測装置10のプロセッサ12は、音波受信装置30から送信された受信波形データを取得する。プロセッサ12は、取得した受信波形データに対して、増幅・帯域制限処理などの信号処理をしてもよい
ステップS1112の後、計測装置10は、フィルタリング(S1113)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、メッシュデータテーブル(図10)を参照して、ステップS110で決定した対象経路Piの経路識別情報に関連付けられた「フィルタ」フィールドを特定する。
例えば、対象メッシュのメッシュ識別情報が「M001」である場合、以下のフィルタ情報が特定される。
・経路識別情報「P001」:時間閾値THt1以上及び振幅閾値THa1以上
・経路識別情報「P002」:時間閾値THt2以上及び振幅ウインドウWa2内
・経路識別情報「P003」:時間ウインドウWt3内及び振幅閾値THa3以上
・経路識別情報「P004」:時間ウインドウWt4内及び振幅ウインドウWa4内
プロセッサ12は、特定したフィルタ情報に基づいて、受信波形データに含まれる成分のうち、対象経路Piに沿って進行した超音波ビームの成分を抽出する。
ステップS1113の後、計測装置10は、経路温度の計算(S1114)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、センサデータテーブル(図8)の「座標」フィールドを参照して、センサペア毎に、センサペアを構成する音波送信装置20の座標及び音波受信装置30の座標を特定する。
プロセッサ12は、特定した音波送信装置20の座標及び音波受信装置30の座標の組合せに基づいて、当該音波送信装置20と当該音波受信装置30との間の距離(以下「センサ間距離」という)Dsを計算する。
プロセッサ12は、ステップS1113で抽出された成分のピーク値に対応する時間(以下「伝搬時間」という)tを特定する。伝搬時間tは、音波送信装置20が超音波ビームを送信してから、対象経路Piに沿って進行した超音波ビームが音波受信装置30に到達するまでの所要時間(つまり、対象経路の始点から終点までを超音波ビームが伝搬する時間)を意味する。
プロセッサ12は、超音波の音速C、センサ間距離Dsと、伝搬時間tと、基準温度T0と、を用いて、対象経路Piの経路温度TEMPpathiを計算する。
全ての対象経路PiについてステップS1114が終了していない場合(S1115−NO)、計測装置10は、ステップS1110を実行する。
全ての対象経路PiについてステップS1114が終了すると(S1115−YES)、計測装置10は、図14のメッシュ温度の計算(S112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS1114(図13)において計算された全ての対象経路Piの経路温度TEMPpathiを用いて、対象メッシュMtのメッシュ温度TEMPmeshtを計算する(式1)。
TEMPmesht = AVE(TEMPpathi)…(式1)
・AVE(x):xの平均値を求める関数
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了していない場合(S113−NO)、計測装置10は、ステップS110を実行する。
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了すると(S113−YES)、計測装置10は、計測結果の提示(S114)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P10(図16)をディスプレイに表示する。
画面P10は、表示オブジェクトA10を含む。
表示オブジェクトA10には、画像IMG10が表示される。
画像IMG10は、対象空間SPを構成する複数のメッシュのそれぞれについて、ステップS112で計算されたメッシュ温度TEMPmeshtを示している。
第1実施形態によれば、計測装置は、対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の温度を計測し、計測結果に基づいて、空調装置用のフィードバックデータを生成して送出する。従って、上記空調装置は、フィードバックデータに基づいて、例えば、対象領域の温度に関するフィードバック制御を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象領域に存在する人の快適性を向上させることができる。一例として、人の存在する対象領域または当該対象領域の周辺を向くように空調装置40の風向きを制御することで、局所的な熱制御を実現が可能となるので、消費エネルギー量を抑えながら人に快適さをもたらすことができる。
(2)第2実施形態
第2実施形態を説明する。第2実施形態は、計測装置10に複数の空調装置40が接続される例である。
(2−1)空調システムの構成
第2実施形態の空調システムの構成について説明する。図17は、第2実施形態の空調システムの構成を示すブロック図である。
図17に示すように、空調システム1aは、計測装置10と、音波送信装置20と、音波受信装置30と、空調装置40a、空調装置40bと、温度計50と、を備える。
計測装置10は、音波送信装置20、音波受信装置30、空調装置40a、空調装置40b、及び、温度計50に接続されている。
計測装置10、音波送信装置20、音波受信装置30、空調装置40a、空調装置40b、及び、温度計50は対象空間SPに配置されている。
空調装置40aは、計測装置10の制御に従い、対象空間SPの温度を調整するように構成される。
空調装置40bは、計測装置10の制御に従い、対象空間SPの温度を調整するように構成される。
(2−2)実施形態の概要
第2実施形態の概要について説明する。図18は、第2実施形態の概要の説明図である。
図18に示すように、計測装置10は、対象空間SPの対象領域(例えば、人HU1が存在するメッシュM11および人HU2が存在するメッシュM00)の温度に基づいてフィードバックデータを生成し、空調装置40aおよび空調装置40bに送出する。空調装置40aおよび空調装置40bは、フィードバックデータに基づいて空調動作(例えば、メッシュM11およびメッシュM00の温度に関するフィードバック制御)を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象空間SPに存在する人HU1および人HU2の快適性を向上させることができる。
(2−3)空調制御処理
第2実施形態の空調制御処理について説明する。図19は、第2実施形態の空調制御処理のシーケンス図である。
図19に示すように、計測装置10は、図12と同様に、ステップS11を実行する。
ステップS11の後、計測装置10は、フィードバックデータの生成(S12a)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS11において計測したメッシュ温度に基づいて、空調装置40a用のフィードバックデータと、空調装置40b用のフィードバックデータとを生成する。
空調装置40a用のフィードバックデータは、以下の少なくとも1つを含み得る。
・物理量の1時点または複数時点に亘る計測データ
・物理量の1時点または複数時点に亘る計測データを加工したデータ
・空調装置40aに対する制御信号(例えば、空調装置40aの起動、空調装置40aの停止、空調装置40aの運転モードの変更、空調装置40aの設定温度の変更、空調装置40aの設定風量の変更、空調装置40aの設定風向の変更、空調装置40aの設定湿度の変更、空調装置40aに内蔵されるモータの回転数の変更、および空調装置40aの加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更のうち少なくとも1つを指示する制御信号)
・空調装置40aに対する制御信号の時系列パターン(つまり、複数時点に亘って空調装置40aに適用される制御信号のセット)
空調装置40b用のフィードバックデータは、以下の少なくとも1つを含み得る。
・物理量の1時点または複数時点に亘る計測データ
・物理量の1時点または複数時点に亘る計測データを加工したデータ
・空調装置40bに対する制御信号(例えば、空調装置40bの起動、空調装置40bの停止、空調装置40bの運転モードの変更、空調装置40bの設定温度の変更、空調装置40bの設定風量の変更、空調装置40bの設定風向の変更、空調装置40bの設定湿度の変更、空調装置40bに内蔵されるモータの回転数の変更、および空調装置40bの加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更のうち少なくとも1つを指示する制御信号)
・空調装置40bに対する制御信号の時系列パターン(つまり、複数時点に亘って空調装置40bに適用される制御信号のセット)
空調装置40a用のフィードバックデータの生成に関わる対象領域は、第1のメッシュ群から選択されてよい。空調装置40b用のフィードバックデータの生成に関わる対象領域は、第2のメッシュ群から選択されてよい。
第1のメッシュ群および第2のメッシュ群は、対象空間SPに含まれる各メッシュと空調装置40aおよび空調装置40bとの位置関係に基づいて定められ得る。例えば、空調装置40bよりも空調装置40aに近い位置にあるメッシュは第1のメッシュ群に属すると定められ、空調装置40aよりも空調装置40bに近い位置にあるメッシュは第2のメッシュ群に属すると定められる。
ステップS12aの後、計測装置10は、フィードバックデータの送出(S13)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS12aにおいて生成した空調装置40a用のフィードバックデータを空調装置40aへと送出する。プロセッサ12は、ステップS12aにおいて生成した空調装置40b用のフィードバックデータを空調装置40bへと送出する。
ステップS13の後、空調制御処理が終了するまで、計測装置10は、温度計測処理(S11)、フィードバックデータの生成(S12a)、およびフィードバックデータの送出(S13)を繰り返し実行する。
ステップS13の後、空調装置40aは、空調動作(S41a)を実行する。
ステップS41aの後、空調装置40aは、計測装置10がフィードバックデータの送出(S13)を実行する度に、空調動作(S41a)を実行する。
ステップS13の後、空調装置40bは、空調動作(S41b)を実行する。
ステップS41bの後、空調装置40bは、計測装置10がフィードバックデータの送出(S13)を実行する度に、空調動作(S41b)を実行する。
第2実施形態によれば、計測装置は、対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の温度を計測し、計測結果に基づいて、複数の空調装置用のフィードバックデータを生成して送出する。従って、上記複数の空調装置は、フィードバックデータに基づいて、例えば、対象領域の温度に関するフィードバック制御を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象領域に存在する人の快適性を向上させることができる。一例として、人の存在する仮想区画に応じて起動する空調装置40を制限することで、空調装置40の稼働数の最小化が可能となるので、消費エネルギー量を抑えながら人に快適さをもたらすことができる。
(3)第3実施形態
第3実施形態を説明する。
(3−1)空調システムの構成
第3実施形態の空調システムの構成について説明する。図30は、第3実施形態の空調システムの構成を示すブロック図である。
図30に示すように、空調システム2は、コントローラ210と、1以上の物理量計測装置220と、1以上のセンサ230と、空調装置240aと、空調装置240bとを備える。
コントローラ210は、物理量計測装置220、センサ230、空調装置240a、および空調装置240bに接続されている。
空調装置240aは、第1空間に関連付けられる。第1空間には、少なくとも1つの物理量計測装置220と、少なくとも1つのセンサ230と、空調装置240aとが配置される。
空調装置240bは、第2空間に関連付けられる。第2空間には、少なくとも1つの物理量計測装置220と、少なくとも1つのセンサ230と、空調装置240bとが配置される。
第1空間および第2空間は、完全に同一の空間であってもよいし、部分的に重複する空間であってもよいし、重複しない空間であってもよい。
コントローラ210は、空調装置240a、および空調装置240bを制御する。
物理量計測装置220は、空間の物理量を計測する。具体的には、第1空間に配置された物理量計測装置220は、当該第1空間の物理量(例えば、温度分布、または風向分布)を計測する。第2空間に配置された物理量計測装置220は、当該第1空間の物理量を計測する。
物理量計測装置220は、第1実施形態、第2実施形態、または後述する変形例のいずれかに記載の技法(例えば音波の速度と伝搬時間を用いて温度、湿度、風向、及び風量などを計算する方法)により空間の物理量を計測してもよいし、これらと異なる技法により空間の物理量を計測してもよい。
センサ230は、空間に存在するエンティティの属性(例えば種別、性別、年齢、識別情報など)、数または位置の少なくとも1つを検出する。エンティティは、例えば、人間、人間以外の生物、物体、熱源、またはそれらの組み合わせである。第1空間に配置されたセンサ230は、第1空間に存在するエンティティの属性、数または位置の少なくとも1つを検出する。第2空間に配置されたセンサ230は、第2空間に存在するエンティティの属性、数または位置の少なくとも1つを検出する。
センサ230は、例えば、単眼カメラ、複眼カメラ、無線信号の方向情報を用いて測位を行うAoA(Angle of Arrival)もしくはAoD(Angle of Departure)方式の測位装置、赤外線センサ、CO2センサ、またはこれらの組み合わせである。
空調装置240aは、コントローラ210の制御に従い、空調動作を行うように構成される。空調装置240aが空調動作を行うことにより、第1空間における温度、風量、風向、または湿度の少なくとも1つが調整される。
空調装置240bは、コントローラ210の制御に従い、空調動作を行うように構成される。空調装置240bが空調動作を行うことにより、第2空間における温度、風量、風向、または湿度の少なくとも1つが調整される。
(3−1−1)コントローラの構成
第3実施形態のコントローラの構成について説明する。図31は、第3実施形態のコントローラな構成を示すブロック図である。
図31に示すように、コントローラ210は、記憶装置211と、プロセッサ212と、入出力インタフェース213と、通信インタフェース214と、を備える。
記憶装置211は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置211は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理(例えば、空調装置240aおよび空調装置240bを制御するための情報処理)を実行するアプリケーションのプログラム
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータ及びデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
プロセッサ212は、記憶装置211に記憶されたプログラムを起動してデータを処理することによって、コントローラ210の機能を実現するように構成される。プロセッサ212は、コンピュータの一例である。記憶装置211により記憶されるプログラム及びデータは、ネットワークを介して提供されてもよいし、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して提供されてもよい。なお、コントローラ210の機能の少なくとも一部が、1又は複数の専用のハードウェアにより実現されていてもよい。
入出力インタフェース213は、コントローラ210に接続される入力デバイスから信号(例えば、ユーザの指示、データ信号、センシング信号)を取得し、かつ、コントローラ210に接続される出力デバイスに信号(例えば、制御信号、画像信号)出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。また、入力デバイスは、物理量計測装置220、またはセンサ230の少なくとも1つを含み得る。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。また、出力デバイスは、空調装置240a、または空調装置240bの少なくとも1つを含み得る。
通信インタフェース214は、外部装置(例えば、サーバ)との間の通信を制御するように構成される。
(3−2)実施形態の概要
第3実施形態の概要について説明する。図32は、第3実施形態の概要の説明図である。
図32に示すように、第1空間SP21aには、物理量計測装置220a、センサ230a、および空調装置240aが配置される。第1空間SP21aには、人HU211と、人HU212とが存在する。第1空間SP21aとは異なる第2空間SP21bには、物理量計測装置220b、センサ230b、および空調装置240bが配置される。第2空間SP21bには、人HU213が存在する。空調装置240aは、第1空間SP21aに関連付けられる。空調装置240bは、第2空間SP21bに関連付けられる。
コントローラ210は、センサ230aから第1空間SP21aに存在する人の数(2人)に関する情報を取得し、センサ230bから第2空間SP21bに存在する人の数(1人)に関する情報を取得する。
コントローラ210は、第1空間SP21aに存在する人の数と、第2空間SP21bに存在する人の数とを参照し、空調装置240aに配分する電力量と、空調装置240bに配分する電力量とを決定する。具体的には、コントローラ210は、空間に存在する人の数が多いほど、当該空間に関連付けられる空調装置に配分する電力量を大きくする。つまり、図32の例では、コントローラ210は、空調装置240aに相対的に大きな電力量を配分し、空調装置240bに相対的に小さな電力量を配分する。
このように、コントローラ210は、当該コントローラ210の支配下にある空調装置(つまり、空調装置240aおよび空調装置240b)の使用可能な電力の総量を規制しつつ、各空調装置に適切な空調動作を採らせる。具体的には、コントローラ210は、空間に亘る物理量の分布を参照して空調装置の動作を決定してもよいし、または空間に存在するエンティティの属性、数もしくは位置に応じて空調装置の動作を決定してもよい。故に、空調装置240aおよび空調装置240bのエネルギー効率の悪化を抑制し、かつ第1空間SP21aに存在する人HU211、および人HU212、ならびに第2空間SP21bに存在する人HU213の快適性を向上させることができる。
(3−3)空調制御処理
第3実施形態の空調制御処理について説明する。図33は、第3実施形態の空調制御処理のシーケンス図である。
図33の空調制御処理は、例えば、コントローラ210、空調装置240a、または空調装置240bに対してユーザにより空調動作の開始指示が入力されたこと、または他の開始条件が成立したことに応じて開始する。
図33に示すように、コントローラ210は、エンティティ情報の取得(S211)を実行する。
具体的には、プロセッサ212は、第1空間に存在するエンティティの属性、数、または位置に関する第1エンティティ情報と、第2空間に存在するエンティティの属性、数、または位置に関する第2エンティティ情報とを取得する。
ステップS211の後に、コントローラ210は、物理量情報の取得(S212)を実行する。
具体的には、プロセッサ212は、第1空間に亘る物理量の分布に関する第1物理量情報と、第2空間に亘る物理量の分布に関する第2物理量情報とを取得する。一例として、プロセッサ212は、以下の少なくとも1つの技法により物理量情報を取得できる。
・物理量計測装置220から物理量情報を取得する。
・物理量計測装置220による物理量の計測結果を参照して物理量情報を生成する。
ステップS212の第1例では、プロセッサ212は、第1空間(または第2空間)を仮想的に分割した複数の仮想区画(メッシュ)のうち全ての物理量に関する計測結果を物理量計測装置220から取得する。
ステップS212の第2例では、プロセッサ212は、第1空間(または第2空間)を仮想的に分割した複数の仮想区画のうち一部の仮想区画の物理量に関する計測結果を物理量計測装置220から取得し、当該計測結果を参照してシミュレーションを行うことで当該複数の仮想区画のうち残部の仮想区画の物理量を推定することで、各仮想区画の物理量を表す物理量情報を取得する。
プロセッサ212は、空間において物理量計測装置220が物理量を計測する領域、または物理量のシミュレートを行う領域を、ステップS211において取得したエンティティ情報を参照して決定してもよい。具体的には、プロセッサ212は、第1空間(または第2空間)を仮想的に分割した複数の仮想区画のうちエンティティ(例えば人)の存在する仮想区画の物理量を物理量計測装置に計測させてもよいし、当該仮想区画の物理量をシミュレートしてもよい。
ステップS212の後に、コントローラ210は、フィードバックデータの生成(S213)を実行する。
具体的には、プロセッサ212は、ステップS211において取得した第1エンティティ情報および第2エンティティ情報を参照して、空調装置240aに配分する電力量(以下、「第1電力量」とする)と、空調装置240bに配分する電力量(以下、「第2電力量」とする)とを決定する。一例として、プロセッサ212は、第1空間に存在する人の属性及び数に応じて第1電力量を決定し、第2空間に存在する人の属性及び数に応じて第2電力量を決定する。
さらに、プロセッサ212は、ステップS211において取得した第1エンティティ情報とステップS212において取得した第1空間情報とを参照して、空調装置240a用のフィードバックデータを生成する。一例として、プロセッサ212は、空調装置240aの消費電力を第1電力量以下に抑えつつ第1空間の特定の領域(例えば、エンティティが存在する領域)の物理量を目標値に近づけるフィードバック制御を行うためのフィードバックデータを生成する。同様に、プロセッサ212は、ステップS211において取得した第2エンティティ情報とステップS212において取得した第2空間情報とを参照して、空調装置240b用のフィードバックデータを生成する。一例として、プロセッサ212は、空調装置240bの消費電力を第2電力量以下に抑えつつ第2空間の特定の領域の物理量を目標値に近づけるフィードバック制御を行うためのフィードバックデータを生成する。
空調装置240a用のフィードバックデータは、以下の少なくとも1つを含み得る。
・第1電力量
・第1エンティティ情報
・第1物理量情報
・空調装置240aに対する制御信号(例えば、空調装置240aの起動、空調装置240aの停止、空調装置240aの運転モードの変更、空調装置240aの設定温度の変更、空調装置240aの設定風量の変更、空調装置240aの設定風向の変更、空調装置240aの設定湿度の変更、空調装置240aに内蔵されるモータの回転数の変更、および空調装置240aの加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更のうち少なくとも1つを指示する制御信号)
・空調装置240aに対する制御信号の時系列パターン(つまり、複数時点に亘って空調装置240aに適用される制御信号のセット)
空調装置240b用のフィードバックデータは、以下の少なくとも1つを含み得る。
・第2電力量
・第2エンティティ情報
・第2物理量情報
・空調装置240bに対する制御信号(例えば、空調装置240bの起動、空調装置240bの停止、空調装置240bの運転モードの変更、空調装置240bの設定温度の変更、空調装置240bの設定風量の変更、空調装置240bの設定風向の変更、空調装置240bの設定湿度の変更、空調装置240bに内蔵されるモータの回転数の変更、および空調装置240bの加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更のうち少なくとも1つを指示する制御信号)
・空調装置240bに対する制御信号の時系列パターン(つまり、複数時点に亘って空調装置240bに適用される制御信号のセット)
ステップS213の後、コントローラ210は、フィードバックデータの送出(S214)を実行する。
具体的には、プロセッサ212は、ステップS213において生成した空調装置240a用のフィードバックデータを空調装置240aへと送出する。プロセッサ212は、ステップS213において生成した空調装置240b用のフィードバックデータを空調装置240bへと送出する。
ステップS214の後、空調制御処理が終了するまで、コントローラ210は、エンティティ情報の取得(S211)、物理量情報の取得(S212)、フィードバックデータの生成(S213)、およびフィードバックデータの送出(S214)を繰り返し実行する。
ステップS214の後、空調装置240aは、空調動作(S241a)を実行する。
ステップS241aの後、空調装置240aは、コントローラ210がフィードバックデータの送出(S214)を実行する度に、空調動作(S241a)を実行する。
ステップS241aの第1の例では、空調装置240aは、フィードバックデータに含まれる制御信号に従って、起動、停止、運転モードの変更、設定温度の変更、設定風量の変更、および設定風向の変更のうち少なくとも1つを行う。
ステップS241aの第2の例では、空調装置240aは、フィードバックデータに含まれる第1エンティティ情報、第1物理量情報、第1電力量、またはこれらの組み合わせに基づいて、起動、停止、運転モードの変更、設定温度の変更、設定風量の変更、および設定風向の変更のうち少なくとも1つを行うか否かを決定する。空調装置240aは、決定に従って動作する。
例えば、空調装置240aは、第1電力量を超過しないように消費電力を規制しつつ以下の少なくとも1つの空調動作を実行できる。
・特定の領域(例えば、人の存在する領域)の物理量が目標値に近づくように、起動または停止する。
・特定の領域の物理量が目標値に近づくように、運転モードを暖房モード、冷房モードまたは他のモードのいずれかに変更する。
・特定の領域の物理量が目標値に近づくように、設定温度を増加または減少させる。
・特定の領域の物理量が目標値に近づくように、設定風量を増加または減少させる。
・特定の領域の物理量が目標値に近づくように、設定風向を空調装置240aから当該特定の領域への方向に近づく方向または当該特定の領域から遠ざかる方向に変更する。
特定の領域の物理量の目標値は、空調装置240aの設定温度、第1空間に存在する人による入力、第1空間に存在する人のバイタルデータ、当該特定の領域に存在する人による入力、および当該特定の領域に存在する人のバイタルデータの少なくとも1つに基づいて設定される。
バイタルデータは、例えば、体温、脈拍、および血圧の少なくとも1つの計測値を含み得る。バイタルデータは、人の装着するウェアラブルデバイスまたは他の計測機器から取得され得る。バイタルデータのうち体温は、赤外線カメラによって遠隔から計測することも可能である。また、バイタルデータとして、電波(例えば、WiFi(Wireless Fidelity))により非接触に計測された心拍等を使用してもよい。
ステップS214の後、空調装置240bは、空調動作(S241b)を実行する。空調動作(S241b)の内容は、空調動作(S241a)と同様である。
ステップS241bの後、空調装置240bは、コントローラ210がフィードバックデータの送出(S214)を実行する度に、空調動作(S241b)を実行する。
図33の空調制御処理は、例えば、コントローラ210、空調装置240a、または空調装置240bに対してユーザにより空調動作の終了指示が入力されたこと、または他の終了条件が成立したことに応じて終了する。
以上説明したように、第3実施形態のコントローラは、複数の空調装置の各々に関連付けられる空間に亘る物理量の分布に関する物理量情報と、当該空間に存在するエンティティの数または位置の少なくとも1つに関するエンティティ情報とを参照し、当該複数の空調装置を制御する。これにより、エネルギー効率の悪化を抑制し、または各空間に存在するエンティティ(例えば、人)の快適性を向上させることができる。
一例として、第3実施形態のコントローラは、複数の空調装置の各々に関連付けられる空間に存在するエンティティの数に応じて、各空調装置に配分する電力量を決定してもよい。これにより、複数の空調装置の使用可能な電力の総量を規制しつつ、各空調装置に適切な空調動作を採らせることができる。複数の空調装置が同一の建物内に配置される場合に、当該複数の空調装置の使用可能な電力の総量を規制することで、建物内に多数の人が存在する場合であっても建物全体の空調装置を高いエネルギー効率で制御することができる。
(4)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
(4−1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、対象空間SP内の気流が計測結果に与える影響を軽減する例である。図20は、変形例1の音波送信装置及び音波受信装置の構成を示す概略図である。図21は、変形例1の原理の説明図である。
図20に示すように、変形例1の対象空間SPには、少なくとも2つのセンサユニットSUa及びSUbが配置される(図20A)。
センサユニットSUa及びSUbは、それぞれ、音波送信装置20と、音波受信装置30と、を備える(図20B)。
センサユニットSUaの音波送信装置20aから送信された超音波ビームは、センサユニットSUbの音波受信装置30bによって受信される。
音波受信装置30bは、受信した超音波ビームに応じた受信波形データ(「第2受信波形データ」の一例)を生成する。
センサユニットSUbの音波送信装置20bから送信された超音波ビームは、センサユニットSUaの音波受信装置30aによって受信される。
音波受信装置30aは、受信した超音波ビームに応じた受信波形データ(「第1受信波形データ」の一例)を生成する。
図21に示すように、音波送信装置20aから音波受信装置30bに向かう経路(以下「往路」という)を進行する超音波ビームの実速度の絶対値|Vab|については、式2aの関係が成立する。
|Vab| = Dab/tab = C+Vwab …(式2a)
・Dab:センサユニットSUa及びSUbの間のセンサ間距離
・tab:往路の伝搬時間
・Vwab:センサユニットSUa及びSUbの間の風速成分
音波送信装置20bから音波受信装置30aに向かう経路(以下「復路」という)は、往路の逆方向である。したがって、復路を進行する超音波ビームの実速度の絶対値|Vba|については、式2bの関係が成立する。
|Vba| = Dab/tba = C−Vwab …(式2b)
・tba:復路の伝搬時間
計測装置10は、式2cを用いて、センサユニットSUa及びSUbの平均速度|Va:b|を計算する。
|Va:b| = (|Vab|+|Vba|)/2 …(式2c)
式2cにより、往路の風速成分Vabと復路の風速成分Vbaが互いに相殺される。したがって、平均速度|Va:b|は、風速成分Vwabを含まない。
計測装置10は、記憶装置11に記憶された音波速度特性に関するデータを参照して、平均速度|Va:b|に対応する温度を計算する。
変形例1によれば、1対のセンサユニットSUa及びSUbの間の風速成分を含まない平均速度に対応する温度を計算する。これにより、空間の温度の計測結果のS/N比をさらに向上させることができる。
変形例1では、2つのセンサユニットSUa及びSUbを使用する例を説明したが、本実施形態はこれに限られない。本実施形態は、例えば、音波がほぼ同一の進行経路を通っており、且つ、それらの音波に含まれる風速成分のベクトル和がキャンセルされる条件を満たす限り、3種類以上の音速又はそれに準ずる信号の平均を用いる場合にも適用可能である。
変形例1では、2つのセンサユニットSUa及びSUbを使用する例を説明したが、本実施形態はこれに限られない。変形例1は、1回以上の反射散乱経路を使用する場合にも適用可能である。
(4−2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、時系列フィルタを用いた温度計測アルゴリズムの例である。
(4−2−1)変形例2の概要
変形例2の概要について説明する。図22は、変形例2の概要の説明図である。
図22に示すように、変形例2のプロセッサ12は、経路温度計算モデルMpt(t)と、時系列フィルタFILと、を実行するように構成される。
経路温度計算モデルMpt(t)は、時刻tの受信波形データRW(t|x,y,z)に応じて、時刻tの経路温度PD(t|x,y,z)を出力するように構成される。
時系列フィルタFILは、経路温度計算モデルMpt(t)の出力(経路温度PD(t|x,y,z))、温度計50によって計測された時刻tの基準温度Tref(t)、及び、時刻t−1の温度分布D(t−1)の組合せに応じて、時刻tの温度分布Dt(t)を出力するように構成される。
時系列フィルタFILは、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・カルマンフィルタ
・拡張カルマンフィルタ
・無香カルマンフィルタ
・パーティクルフィルタ
(4−2−2)温度計測の処理
変形例2の温度計測の処理について説明する。図23は、変形例2の温度計測の処理のフローチャートである。
図23に示すように、変形例2の計測装置10は、図14と同様に、ステップS110〜S113を実行する。
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了していない場合(S113−NO)、計測装置10は、ステップS110を実行する。
全ての対象メッシュMtについてステップS112が終了すると(S113−YES)、計測装置10は、時系列フィルタリング(S310)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、温度計50から時刻tの基準温度Tref(t)を取得する。
プロセッサ12は、ステップS111で得られた時刻tの経路温度Tp(t|x,y,z)と、基準温度Tref(t)と、を時刻t−1の温度分布(t−1)と、を時系列フィルタFILに入力することにより、時刻tの温度分布D(t)を計算する。
温度分布D(t)は、時刻t+1の温度分布D(t+1)の計算において参照される。
変形例2によれば、時系列フィルタリングを実行することにより、空間の温度の計測結果のS/N比を更に向上させることができる。
なお、変形例2の時系列フィルタFILは、更に、時刻t−1の外部環境情報を参照して、時刻tの温度分布D(t)を計算しても良い。時刻t−1の外部環境情報は、例えば、以下の情報を含む。
・空調装置40の熱量に関する情報
・対象空間SPの周辺の外気温に関する情報
・対象空間SPの3次元形状に関する情報
・対象空間SPの断熱性能に関する情報
・対象空間SP内に存在する人の数に関する情報
・対象空間SP内に存在する人の動きに関する情報
・空調装置40の風に関する情報
・対象空間SP内の風に関する情報
(4−3)変形例3
変形例3について説明する。変形例3は、温度に加えて、風ベクトルの分布を計測する例である。
変形例3の対象空間SPには、例えば、図5の計測装置10(不図示)と、少なくとも2つの音波送信装置20a〜20bと、少なくとも2つの音波受信装置30a〜30bと、が配置されている。
計測装置10は、所定の送信周波数Fsを有する超音波ビームを送信するように、音波送信装置20aを制御する。
音波送信装置20aは、計測装置10の制御に従い、送信周波数Fsを有する超音波ビームを送信する。
音波受信装置30aは、超音波ビームを受信すると、受信波形データを生成する。音波受信装置30aが受信する超音波ビームには、音波送信装置20aと音波受信装置30aとの間の風に起因するドップラー効果が発生する。したがって、音波受信装置30aが受信する超音波ビームの受信周波数Fraは、送信周波数Fsとは異なる。
計測装置10は、音波受信装置30aから受信波形データを取得し、且つ、受信波形データを参照して受信周波数Fraを特定する。
ドップラー効果を考慮すると、送信周波数Fsと受信周波数Fraとの間には、式3.1の関係が成立する。
Fs = (C+Vwa)/C×Fra …(式3.1)
・C:超音波の音速
・Vwa:音波送信装置20aと音波受信装置30aとの間の経路上の理論上の風速
式3.1を展開すると、理論上の風速Vwaは、式3.2のように表すことができる。プロセッサ12は、式3.1を用いて、理論上の風速Vwaを計算する。
Vwa = C×Fs/Fra−C …(式3.2)
プロセッサ12は、式3.3を用いて、音波送信装置20bと音波受信装置30bとの間の経路上の理論上の風速Vwbを計算する。
Vwb = C×Fs/Frb−C …(式3.3)
・Frb:音波受信装置30bが受信した超音波ビームの受信周波数
記憶装置11には、温度と風速の相関関数G(x)が予め格納されている。
プロセッサ12は、ステップS112で得られたメッシュ温度TEMPmesh及び相関関数を用いて、式3.4〜式3.5のように、補正風速Vrwa及びVrwbを計算する。
Vrwa = G(Tmesh)×Vwa …(式3.4)
Vrwb = G(Tmesh)×Vwb …(式3.5)
計測装置10は、音波送信装置20a〜音波受信装置30aの進行経路及び音波送信装置20b〜音波受信装置30bの進行経路の成す角度を参照して、式3.4〜式3.5から得られた補正風速Vrwa及びVrwbを合成することにより、風ベクトルを計算する。
変形例3によれば、超音波の進行経路が交差する交差点を含むメッシュの風ベクトルが得られる。したがって、複数の交差点が形成される場合、対象空間SPの風ベクトルの分布(つまり、風速及び風向きの分布)が得られる。
変形例3では、2本の進行経路が交差点を形成する例を示した。この場合、得られる風ベクトルの次元は2次元である。
なお、変形例3は、3本の進行経路が交差点を形成する場合にも適用可能である。この場合、得られる風ベクトルの次元は3次元である。
(4−4)変形例4
変形例4について説明する。変形例4は、超音波を用いて風ベクトルの分布を計測する例である。図24は、変形例4のセンサ配置の一例を示す図である。
図24に示すように、変形例4の対象空間SPには、少なくとも4つのセンサユニットSUa〜SUdが、センサユニットSUa〜SUbの超音波の進行経路と、センサユニットSUc〜SUdの超音波の進行経路とが互いに交わる(好ましくは、直交する)ように配置される。
各センサユニットSUa〜SUdの構成は、変形例1(図20B)と同様である。
変形例4の計測装置10は、式4.1を用いて、センサユニットSUa〜SUb間の往路を進行する超音波ビームの速度の絶対値|Vab|から温度因子を除去することにより、センサユニットSUa及びSUbの間の風速成分Vwabを計算する。
Vwab = |Vab|−|Va:b| …(式4.1)
計測装置10は、式4.2を用いて、センサユニットSUc〜SUd間の往路を進行する超音波ビームの速度の絶対値|Vcd|から温度因子を除去することにより、センサユニットSUc及びSUdの間の風速成分Vwcdを計算する。
Vwcd = |Vcd|−|Vc:d| …(式4.2)
・|Vc:d|:センサユニットSUc及びSUdの平均速度
計測装置10は、センサユニットSUa〜SUbの進行経路及びセンサユニットSUc〜SUdの進行経路の成す角度を参照して、式4.1から得られた風速成分Vwabと、式4.2から得られた風速成分Vwcdと、を合成することにより、風ベクトルを計算する。
変形例4によれば、対象空間SPに配置されたセンサユニットの超音波の進行経路が交差点を含むメッシュの風ベクトルが得られる。したがって、複数の交差点が形成される場合、対象空間SPの温度分布に代えて、風ベクトル(つまり、風速及び風向き)の分布が得られる。
変形例4では、往路を進行する超音波ビームの絶対値|Vab|及び|Vcd|に代えて、復路を進行する超音波ビームの絶対値|Vba|及び|Vdc|を用いて、風ベクトルを推定しても良い。
変形例4では、一対のセンサユニットが交差点を形成する例を示した。この場合、得られる風ベクトルの次元は2次元である。
なお、変形例4は、3つのセンサユニットが交差点を形成する場合にも適用可能である。この場合、得られる風ベクトルの次元は3次元である。
(4−5)変形例5
変形例5を説明する。変形例5は、振動子アレイを用いて温度を計測する例である。
(4−5−1)変形例5の空調システムの構成
変形例5の空調システム1の構成を説明する。
(4−5−1−1)変形例5の音波送信装置の構成
変形例5の音波送信装置20の構成を説明する。図25は、変形例5の音波送信装置の構成を示す図である。
図25に示すように、音波送信装置20は、複数の超音波振動子21と、制御回路22と、を備える。
図25Aに示すように、複数の超音波振動子21は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子21は、振動子アレイTAを形成する。
図25Bに示すように、各超音波振動子21は、Z方向に沿って進行する超音波ビームUSWを送信する。
(4−5−1−2)変形例5の音波受信装置の構成
変形例5の音波受信装置30の構成を説明する。図26は、変形例5の音波受信装置の構成を示す図である。
図26に示すように、音波受信装置30は、複数の超音波振動子31と、制御回路32と、を備える。
図26Aに示すように、複数の超音波振動子31は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子31は、振動子アレイTAを形成する。
図26Bに示すように、各超音波振動子31は、音波送信装置20から送信された超音波ビームUSWを受信すると振動する。
(4−5−2)変形例5の具体例
変形例5の具体例を説明する。
(4−5−2−1)変形例5の第1例
変形例5の第1例を説明する。変形例5の第1例は、一対の音波受信装置30及び音波送信装置20を用いて温度を計測する例である。図27は、変形例5の第1例の概要を示す図である。
以下、対象空間SPには、図27のX+方向に向かう気流AFが存在する。
変形例5の第1例の音波送信装置20の振動子21a〜21cは、それぞれ、Z+方向に向かって超音波ビームUSW0〜USW2を送信する。
超音波ビームUSW0〜USW2は、気流AFの影響により、X+方向にシフトする。
その結果、超音波ビームUSW2は音波受信装置30の外側に向かって進行する。
一方、超音波ビームUSW0〜USW1は、超音波振動子31b〜31cに受信される。
このように、音波送信装置20及び音波受信装置30が、何れも、振動子アレイTAを形成する。これにより、音波送信装置20の振動子アレイTAから放射された超音波ビームUSW0〜USW2は、気流AFの影響を受けたとしても、音波受信装置30の振動子アレイTAに到達し易くなる。これにより、気流AFの影響を受けることなく、本実施形態と同様の効果が得られる。
(4−5−2−2)変形例5の第2例
変形例5の第2例を説明する。変形例5の第2例は、一対のセンサユニットSU(音波受信装置30及び音波送信装置20の組合せ)を用いて温度を計測する例である。図28は、変形例5のセンサユニットの構成を示す図である。図29は、変形例5の第2例の概要を示す図である。
図28Aに示すように、変形例5の第2例のセンサユニットSUは、音波送信装置20と、音波受信装置30と、を備える。
音波送信装置20は、複数の超音波振動子21と、制御回路22と、を備える。
複数の超音波振動子21は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子21は、振動子アレイTAを形成する。
音波受信装置30は、複数の超音波振動子31と、制御回路32と、を備える。
複数の超音波振動子31は、送信面(XY平面)上に二次元配列される。つまり、複数の超音波振動子31は、振動子アレイTAを形成する。
図28Bに示すように、対象空間SPには、一対のセンサユニットSUa及びSUbが配置される。
センサユニットSUaの音波送信装置20は、センサユニットSUbの音波受信装置30に向かって超音波を放射する。
センサユニットSUbの音波送信装置20は、センサユニットSUaの音波受信装置30に向かって超音波を放射する。
以下、対象空間SPには、図29のX+方向に向かう気流AFが存在する。
センサユニットSUaの音波送信装置20の振動子21a〜21cは、それぞれ、Z+方向に向かって超音波ビームUSWa0〜USWa2を送信する。
センサユニットSUbの音波送信装置20の振動子21a〜21cは、それぞれ、Z−方向に向かって超音波ビームUSWb0〜USWb2を送信する。
超音波ビームUSWa0〜USWa2及びUSWb0〜USWb2は、気流AFの影響により、X+方向にシフトする。
その結果、超音波ビームUSWa2は、センサユニットSUbの音波受信装置30の外側に向かって進行する。超音波ビームUSWb2は、センサユニットSUaの音波受信装置30の外側に向かって進行する。
一方、超音波ビームUSWa0〜USWa1は、センサユニットSUbの音波受信装置30の超音波振動子31b〜31cに受信される。超音波ビームUSWb0〜USWb1は、センサユニットSUaの音波受信装置30の超音波振動子31b〜31cに受信される。
このように、音波送信装置20及び音波受信装置30が、何れも、振動子アレイTAを形成する。これにより、音波送信装置20の振動子アレイTAから放射された超音波ビームUSW0〜USW2は、気流AFの影響を受けたとしても、音波受信装置30の振動子アレイTAに到達し易くなる。更に、センサユニットSUa〜SUbの間の空間の温度を、Z−方向に進行する超音波ビーム及びZ+方向に進行する超音波ビームの両方を用いて計測する。これにより、気流AFの影響を受けることなく、本実施形態と同様の効果が得られる。
(4−6)変形例6
変形例6について説明する。変形例6は、第3実施形態の空調システムにおいて、複数の空調装置に関連付けられる空間において検出されたエンティティと当該複数の空調装置との間の位置関係に応じて、少なくとも1つの空調装置の風向を制御する例である。
変形例6の概要について説明する。図34は、変形例6の概要の説明図である。
図34に示すように、空間SP22には、物理量計測装置220、センサ230、空調装置240a、および空調装置240bが配置される。空間SP22には、人HU221と、人HU222とが存在する。空調装置240aおよび空調装置240bは、ともに空間SP22に関連付けられる。
コントローラ210は、センサ230から空間SP22に存在する人HU221の位置に関する情報と、空間SP22に存在する人HU222に関する情報とを取得する。
コントローラ210は、空間SP22に存在する各人の位置を参照し、空調装置240aおよび空調装置240bの少なくとも1つの風向を制御する。具体的には、コントローラ210は、空間SP22に存在する各人と各空調装置との間の距離を算出する。コントローラ210は、算出した距離に応じて、空調装置240aおよび空調装置240bの少なくとも1つの風向を制御する。一例として、コントローラ210は、空調装置240aおよび空調装置240bのうち人HU221に近い一方である空調装置240bの風向を当該人HU221の位置に応じて決定する。例えば、コントローラ210は、空調装置240bによって吐出される風を人HU221に向かせる。同様に、コントローラ210は、空調装置240aおよび空調装置240bのうち人HU222に近い一方である空調装置240aの風向を当該人HU222の位置に応じて決定する。例えば、コントローラ210は、空調装置240aによって吐出される風を人HU222に向かせる。
このように、変形例6のコントローラは、当該コントローラの支配下にあり、かつ同一空間に関連付けられる空調装置の風向を、当該空間に存在するエンティティ(例えば人)と当該空調装置との位置関係に応じて制御する。例えば、コントローラ210は、空間内に存在するエンティティに最も近い空調装置を当該エンティティの快適性向上のために動作させることで、電力消費の増加を抑制しつつエンティティの快適性を向上させることができる。
本変形例では、複数の空調装置に関連付けられる空間が完全に同一の空間である例について説明した。しかしながら、複数の空調装置に関連付けられる空間は部分的に重複する空間であってもよく、この場合には空間同士の重複部分について本変形例を適用可能である。
本変形例では、エンティティに最も近い空調装置の風向のみを当該エンティティの位置に応じて制御する例について説明した。しかしながら、エンティティの位置は、当該エンティティに最も近い空調装置以外の空調装置の風向の制御に用いられてもよい。一例として、各空調装置とエンティティとの距離が小さいほど、当該空調装置の風向の制御における当該エンティティの影響度が大きくなるように定められてよい。
また、空調装置240aの風向などの制御パラメータが、エンティティと空調装置240bとの位置関係だけでなく、他の空調装置240bの位置にも基づいて決定されてもよい。例えば、人HU221は空調装置240aからも空調装置240bからも所定距離以内に位置するが、人HU222は空調装置240bから所定距離以上離れている場合が考えられる。この場合に、人HU221の方が人HU222より空調装置240aに近かったとしても、空調装置240aは人HU222に風を向け、空調装置240bは人HU221に風を向けてもよい。これにより、人HU221と人HU222の両方の快適性を向上させることが可能となる。
(4−7)変形例7
変形例7について説明する。変形例7は、第3実施形態の空調システムにおいて、センサによって検出されたエンティティの位置に応じて当該センサの検出範囲を制御する例である。
変形例7の概要について説明する。図35は、変形例7の概要の説明図である。
図35に示すように、空間SP23には、物理量計測装置220、センサ230、空調装置240a、および空調装置240bが配置される。空間SP23には、人HU231が存在する。空調装置240aおよび空調装置240bは、ともに空間SP23に関連付けられる。
センサ230は、検出範囲内に存在する人HU231を検出し、当該人HU231の位置を特定可能なセンシングデータを生成する。センサ230は、生成したセンシングデータをコントローラ210へ送信する。コントローラ210は、センサ230から空間SP23に存在する人HU231の位置に関する情報を取得する。
コントローラ210は、空間SP23に存在する人HU231の位置を参照し、センサ230の検出範囲を制御する。具体的には、コントローラ210は、空間SP22に存在する人HU231の移動(位置LOC1→位置LOC2)に追従するように、センサ230の検出範囲を移動させる(DR1→DR2)。
このように、変形例7のコントローラは、センサがエンティティを検出可能な検出範囲を、検出されたエンティティの位置に応じて制御する。これにより、センサ230の検出範囲が各空調装置に関連付けられる空間に比して小さい場合であっても、コントローラ210は、より正確なエンティティ情報を取得し、空調装置の動作制御に活用することができる。
本変形例では、複数の空調装置に関連付けられる空間が完全に同一の空間である例について説明した。しかしながら、複数の空調装置に関連付けられる空間が、部分的に重複する空間または重複しない空間である場合にも、本変形例は適用可能である。また、物理量計測装置220の計測範囲を、センサ230により検出されたエンティティの位置に応じて制御してもよい。これにより、物理量計測装置220の計測範囲が各空調装置に関連付けられる空間に比して小さい場合であっても、コントローラ210は、エンティティとの関係性が大きい領域の物理量を取得し、空調装置の動作制御に活用することができる。
(4−8)変形例8
変形例8について説明する。変形例8は、第3実施形態の空調システムにおいて、物理量計測装置が空間の物理量を計測するために選択する経路を空調装置の風向に応じて制御する例である。
変形例8の概要について説明する。図36は、変形例8の概要の説明図である。
図36に示すように、空間SP24には、物理量計測装置220、センサ230、空調装置240a、および空調装置240bが配置される。空間SP24には、人HU241が存在する。空調装置240aおよび空調装置240bは、ともに空間SP24に関連付けられる。
物理量計測装置220は、前述の実施形態または変形例において説明した計測装置と同様に、音波の伝搬特性に基づいて空間SP24に亘る物理量を計測する。具体的には、物理量計測装置220は、空間SP24に設置された音波送信装置(図示しない)によって送信され、空間SP24内の経路を伝搬して空間SP24に設置された音波受信装置(図示しない)に到達する音波の伝搬特性に基づいて空間SP24に亘る物理量を計測する。音波送信装置と音波受信装置の少なくとも一方は、空調装置に設置されていてもよい。例えば、音波送信装置が空調装置の送風口の近傍に設置され、音波受信装置が音波送信装置の近傍に設置されていてもよい。また例えば、音波送信装置が空調装置の送風口の近傍に設置され、音波受信装置が同一の部屋内で音波送信装置から所定距離以上離れた位置に設置されていてもよい。
コントローラ210は、空間SP24に関連付けられる空調装置240aおよび空調装置240bの少なくとも1つの風向を参照し、物理量計測装置220の選択する経路を制御する。具体的には、コントローラ210は、空調装置240bの風向を参照し、物理量計測装置220に経路24aおよび経路24bのうち経路24bを選択させる。一例として、コントローラ210は、空間SP24を仮想的に分割した複数の仮想区画のうち、注目する空調装置(例えば空調装置240b)から吐出される風により物理量(例えば温度)が変化する(例えば閾値を超えて変化する)と予想される仮想区画(「被制御区画」と称する)を特定する。コントローラ210は、物理量計測装置220の選択可能な複数の経路のうち、被制御区画を通過する経路を物理量計測装置220に計測させる。複数の経路のうち2以上の経路が被制御区画を通過する場合に、コントローラ210は最も多くの被制御区画を通過する経路を物理量計測装置220に選択させてもよい。
このように、変形例8のコントローラは、空調装置の風向を参照し、物理量計測装置の選択する経路を制御する。これにより、空調装置から吐出される風による影響の大きい仮想区画の物理量を優先的に計測し、空調装置をより適切に動作させることができる。
本変形例では、複数の空調装置に関連付けられる空間が完全に同一の空間である例について説明した。しかしながら、複数の空調装置に関連付けられる空間が、部分的に重複する空間または重複しない空間である場合にも、本変形例は適用可能である。
(5)その他の変形例
その他の変形例を説明する。
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、計測装置10と接続されてもよい。
上記説明では、各種の入力デバイスまたは出力デバイスが入出力インタフェースを介してプロセッサに接続される例を示した。しかしながら、各種の入力デバイスまたは出力デバイスは通信インタフェースを介してプロセッサに接続されてもよい。
図4の例では、超音波振動子31を備える音波受信装置30の例を示した。しかし、音波受信装置30は、音波送信装置20と同様に、複数の超音波振動子31を備えても良い。
音波送信装置20は、アレイ状に配列された複数の超音波振動子21を備えていてもよい。複数の超音波振動子21は、それぞれ個別の駆動制御信号によって制御されてもよいし、グループ単位で同一の駆動制御信号によって制御されてもよいし、全体で同一の駆動制御信号によって制御されてもよい。
音波受信装置30は、アレイ状に配列された複数の超音波振動子31を備えていてもよい。複数の超音波振動子31は、それぞれ個別の駆動制御信号によって制御されてもよいし、グループ単位で同一の駆動制御信号によって制御されてもよいし、全体で同一の駆動制御信号によって制御されてもよい。
図5の例では、1個の音波送信装置20が複数の経路に沿った超音波ビームを送信し、且つ、1個の音波受信装置30が複数の経路に沿った超音波ビームを受信する例を示した。しかし、本実施形態はこれに限られない。n(nは2以上の整数)個の音波送信装置20のそれぞれが1本の経路に沿った超音波ビーム(つまり、n個の音波送信装置20がn本の経路に沿った超音波ビーム)を送信し、且つ、n個の音波受信装置30のそれぞれが各経路に沿った超音波ビームを受信しても良い(つまり、n個の音波受信装置30がn本の経路に沿った超音波ビームを受信しても良い)。
上記の実施形態では、メッシュ温度TEMPmeshtの計算に平均値を求める関数を用いる例を示したが、本実施形態のメッシュ温度TEMPmeshtの計算方法はこれに限られるものではない。
上記の実施形態では、対象領域の物理量(例えば温度)に基づいてフィードバックデータを生成する例を示した。しかしながら、フィードバックデータは、対象領域の物理量に加えて以下の少なくとも1つにさらに基づいて生成されてよい。
・対象空間SPの環境に関する動的なパラメータ(例えば、温度計50によって測定された基準温度、空調装置40の熱量、対象空間SP内に存在する人の数、位置または動きに関する情報)
・対象空間SPの環境に関する静的なパラメータ(例えば、対象空間SPの3次元形状、対象空間SPと外界とを隔てる構造体(例えば、壁、床、および天井)の断熱性能(例えば、素材および厚み))
・対象空間SPの外界の環境に関する動的または静的なパラメータ(例えば、日照条件、外気温)
上記の実施形態では、対象領域の温度に基づいて、フィードバックデータを生成する例を示した。しかしながら、プロセッサ12は、対象領域の温度、風速、風量、風向き、および湿度の少なくとも1つに基づいて、フィードバックデータを生成してもよい。これにより、空調装置は、対象領域の温度、風速、および風向きの少なくとも1つに関するフィードバック制御を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象領域に存在する人の快適性を向上させることができる。プロセッサ12は、例えば、温熱環境評価指数PMV(Predicted Mean Vote, 予測温冷感申告)、およびPPD(Predicted Percentage of Dissatisfied, 予測不快者率(その温熱環境に不満足・不快さを感じる人の割合))、などのその他複合パラメータや、様々なパラメータの評価関数を作成し、その最適化を行うようにフィードバック制御を実施してもよい。
上記の実施形態では、フィードバックデータが(1)物理量の1時点または複数時点に亘る計測データ、または(2)(1)の計測データを加工したデータを含む例を示した。図示されないコントローラが、上記(1)または(2)のデータに基づいて、空調装置40の動作を制御してもよい。具体的には、コントローラは、空調装置40に対する制御信号、または空調装置40に対する制御信号の時系列パターンを生成してもよい。
上記の実施形態では、対象領域の温度を目標値に近づけるフィードバック制御を行うためのフィードバックデータを生成する例を示した。しかしながら、変形例3および変形例4によれば、対象メッシュの風ベクトル(つまり、風速及び風向き)を計測できる。空調装置40は、以下の少なくとも1つの空調動作を実行できる。プロセッサ12は、空調装置が対象領域の温度、風速及び風向きの少なくとも1つを目標値に近づけるフィードバック制御を行うためのフィードバックデータを生成してもよい。
上記の実施形態では、対象領域を、対象空間SPに存在する人の位置に基づいて決定する例を示した。しかしながら、プロセッサ12は、対象領域を、所定の目的物(例えば、サーバ)の位置に基づいて決定してもよい。
音波送信装置20は、自己相関が比較的強い自己相関信号(例えば、M系列信号、Goldコードなど)を含む超音波ビームを送信しても良い。これにより、空間の温度の計測結果のS/N比を更に向上させることができる。
第2実施形態では、計測装置10は、2つの空調装置40aおよび空調装置40bのためにフィードバックデータを生成および送出する。しかしながら、計測装置10は、3以上の空調装置のためにフィードバックデータを生成および送出してもよい。
音波送信装置20が個別に異なる自己相関信号を含む超音波ビームを送信することにより、音波受信装置30が、超音波ビームの発信源となる音波送信装置20を識別しても良い。
また、音波送信装置20毎に異なる発振周波数を有する超音波ビームを送信することにより、音波受信装置30が、超音波ビームの発信源となる音波送信装置20を識別しても良い。
計測装置10は、音波の伝搬特性(例えば、伝搬時間、振幅の変化、位相の変化、および周波数の変化、など)に基づいて、温度分布及び風ベクトル分布以外に、以下の空気特性の分布を計測することも可能である。
・空気中の化学物質(例えば、CO2)の濃度の分布
・湿度の分布
・臭気の分布
・有毒ガスの分布
本実施形態では、音波送信装置20及び音波受信装置30を区別して規定したが、本実施形態の範囲は、これに限られない。本実施形態は、1つの超音波振動子が超音波を送信する機能及び超音波を受信する機能を備えても良い。
本実施形態では、ステップS1114(図15)において経路温度TEMPpathiの計算に用いる式、及び、ステップS112(図14)においてメッシュ温度TEMPmeshtの計算に用いる式の少なくとも1つは、外部環境情報(例えば、外気温、外気の湿度、及び、外気圧の少なくとも1つ)をパラメータとして含んでも良い。この場合、外部環境情報に関わらず、空間の空気特性の計測結果のS/N比を向上させることができる。
本実施形態では、音波送信装置20は、指向性を有する超音波ビームを送信する例を示したが、本実施形態は、これに限られない。本実施形態は、音波送信装置20が可聴音ビーム(つまり、超音波ビームとは異なる周波数を有する音波)を送信する場合にも適用可能である。
本実施形態において、温度分布とは、メッシュ温度TEMPmeshに限られない。温度分布は、以下の少なくとも1つも含む。
・経路上の複数点の温度
・経路上の平均温度
第3実施形態において説明したコントローラは、いずれかの物理量計測装置、または空調装置に組み込まれていてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
(6)付記
実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
(付記1)
対象空間(SP)に設置された音波送信装置(20)と、対象空間に設置された音波受信装置(30)と、対象空間に設置された空調装置(40)とに接続可能、かつ対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置(10)であって、
音波送信装置によって送信され、対象空間内の経路を伝搬して音波受信装置に到達する音波の伝搬特性に基づいて複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量を算出する手段(S11)と、
対象領域の物理量に基づくフィードバックデータを生成する手段(S12)と、
フィードバックデータを空調装置に送出する手段(S13)と
を具備する、計測装置。
(付記1)によれば、空調装置は、フィードバックデータに基づいて空調動作を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記2)
物理量は、対象領域における温度、風速、風量、風向き、および湿度の少なくとも1つを含む、付記1に記載の計測装置。
(付記2)によれば、空調装置は、対象領域における温度、風速、風量、風向き、および湿度の少なくとも1つを考慮した空調動作を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記3)
対象空間に存在する人の位置に基づいて対象領域を決定する手段(S110)を具備する、付記1または付記2に記載の計測装置。
(付記3)によれば、空調装置は、フィードバックデータに基づいて空調動作を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象領域に存在する人の快適性を向上させることができる。
(付記4)
フィードバックデータは、空調装置に対する制御信号を含む、付記1乃至付記3のいずれかに記載の計測装置。
(付記4)によれば、計測装置は、対象領域の物理量に基づいて空調装置の空調動作を制御することで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象領域に存在する人の快適性を向上させることができる。
(付記5)
制御信号は、空調装置の起動、空調装置の停止、空調装置の運転モードの変更、空調装置の設定温度の変更、空調装置の設定風量の変更、空調装置の設定風向の変更、空調装置の設定湿度の変更、空調装置に内蔵されるモータの回転数の変更、および空調装置の加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更のうち少なくとも1つを指示する制御信号を含む、付記4に記載の計測装置。
(付記5)によれば、計測装置が対象領域の物理量に基づいて空調装置の空調動作を制御することで、空調装置は、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記6)
フィードバックデータを生成する手段は、対象領域に存在する人のバイタルデータにさらに基づいてフィードバックデータを生成する、
付記1乃至付記5のいずれかに記載の計測装置。
(付記6)によれば、空調装置は、対象領域の物理量に加えて当該対象領域に存在する人のバイタルを考慮した空調動作を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記7)
フィードバックデータを生成する手段は、空調装置が対象領域の物理量を当該対象領域に設定された目標値に近づけるフィードバック制御を行うためのフィードバックデータを生成する、
付記1乃至付記6のいずれかに記載の計測装置。
(付記7)によれば、空調装置は、フィードバックデータを用いて、対象領域の物理量に関するフィードバック制御を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象領域に存在する人の快適性を向上させることができる。
(付記8)
対象空間(SP)を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置(10)に接続可能なコントローラであって、
計測装置によって対象空間内の経路を伝搬する音波の伝搬特性に基づいて計測された複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量に基づくフィードバックデータを取得する手段と、
フィードバックデータに基づいて、対象空間に設置された空調装置の動作を制御する手段と
を具備する、コントローラ。
(付記8)によれば、フィードバックデータに基づいて空調装置の動作を制御することで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記9)
制御する手段は、フィードバックデータに基づいて、空調装置の起動、空調装置の停止、空調装置の運転モードの変更、空調装置の設定温度の変更、空調装置の設定風量の変更、空調装置の設定風向の変更、空調装置の設定湿度の変更、空調装置に内蔵されるモータの回転数の変更、および空調装置の加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更の少なくとも1つを行うか否かを決定する、付記8に記載のコントローラ。
(付記9)によれば、フィードバックデータに基づいて空調装置の動作を制御することで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記10)
物理量は、対象領域における温度、風速、風量、風向き、および湿度の少なくとも1つを含む、付記8または付記9に記載のコントローラ。
(付記10)によれば、対象領域における温度、風速、風量、風向き、および湿度の少なくとも1つを考慮して空調装置の動作を制御することで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記11)
制御する手段は、対象領域に存在する人のバイタルデータにさらに基づいて、空調装置の動作を制御する、付記8乃至付記10のいずれかに記載のコントローラ。
(付記11)によれば、空調装置は、対象領域の物理量に加えて当該対象領域に存在する人のバイタルを考慮して空調装置の動作を制御することで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記12)
制御する手段は、フィードバックデータに基づいて、空調装置に対して対象領域の物理量を当該対象領域に設定された目標値に近づけるフィードバック制御を行う、
付記8乃至付記11のいずれかに記載のコントローラ。
(付記12)によれば、コントローラがフィードバックデータを用いて、対象領域の物理量に関するフィードバック制御を行うことで、空調装置は、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、対象領域に存在する人の快適性を向上させることができる。
(付記13)
第1空調装置(240a)に関連付けられる第1空間に亘る物理量の分布に関する第1物理量情報と、第1空調装置とは異なる第2空調装置(240b)に関連付けられる第2空間に亘る物理量の分布に関する第2物理量情報とを取得する手段(S212)と、
第1空間に存在するエンティティの属性、数及び位置の少なくとも1つに関する第1エンティティ情報と、第2空間に存在するエンティティの属性、数及び位置の少なくとも1つに関する第2エンティティ情報とを取得する手段(S211)と、
第1物理量情報と、第2物理量情報と、第1エンティティ情報と、第2エンティティ情報とを参照し、第1空調装置および第2空調装置を制御する手段(S213,S214)と
を具備する、コントローラ(210)。
(付記14)
第1空間は、第2空間と異なり、
第1空調装置および第2空調装置を制御する手段は、第1空間に存在するエンティティの数に応じて第1空調装置に配分する第1電力量を決定し、第2空間に存在するエンティティの数に応じて第2空調装置に配分する第2電力量を決定する、
付記13に記載のコントローラ。
(付記15)
第1空調装置および第2空調装置を制御する手段は、第1空間に第1エンティティが存在し、かつ第2空間に第1エンティティが存在する場合に、第1空調装置および第2空調装置のうち第1エンティティに近い一方の風向を第1エンティティの位置に応じて制御する、
付記13または付記14に記載のコントローラ。
(付記16)
第1エンティティ情報および第2エンティティ情報を取得する手段は、センサ(230)によって生成されたセンシングデータを参照して第1エンティティ情報および第2エンティティ情報を取得し、
コントローラは、第1空間に存在するエンティティの位置、および第2空間に存在するエンティティの位置の少なくとも1つを参照し、センサの検出範囲を制御する手段をさらに具備する、
付記13乃至付記15のいずれかに記載のコントローラ。
(付記17)
第1空間に設置された音波送信装置によって送信され、第1空間内の経路を伝搬して第1空間に設置された音波受信装置に到達する音波の伝搬特性に基づいて第1空間に亘る物理量を算出する計測装置(220)を制御する手段をさらに具備し、
計測装置を制御する手段は、第1空調装置の風向に応じて経路を制御する、
付記13乃至付記16のいずれかに記載のコントローラ。
(付記18)
エンティティは、人間である、
付記13乃至付記17のいずれかに記載のコントローラ。
(付記19)
コンピュータに、付記1乃至付記12の何れかに記載の各手段を実現させるためのプログラム。
(付記19)によれば、空調装置は、フィードバックデータに基づいて空調動作を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
(付記20)
対象空間(SP)を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置(10)によって行われる計測方法であって、
対象空間に設置された音波送信装置(20)によって送信され、対象空間内の経路を伝搬して対象空間に設置された音波受信装置(30)に到達する音波の伝搬特性に基づいて複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量を算出すること(S11)と、
対象領域の物理量に基づくフィードバックデータを生成すること(S12)と、
フィードバックデータを対象空間に設置された空調装置に送出すること(S13)と
を具備する、計測方法。
(付記20)によれば、空調装置は、フィードバックデータに基づいて空調動作を行うことで、エネルギー効率の悪化を抑制しつつ、人の快適性を向上させることができる。
1 :空調システム
2 :空調システム
10 :計測装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
20 :音波送信装置
21 :超音波振動子
22 :制御回路
30 :音波受信装置
31 :超音波振動子
32 :制御回路
40 :空調装置
50 :温度計
210 :コントローラ
211 :記憶装置
212 :プロセッサ
213 :入出力インタフェース
214 :通信インタフェース
220 :物理量計測装置
230 :センサ
240a :空調装置
240b :空調装置

Claims (20)

  1. 対象空間に設置された音波送信装置と、前記対象空間に設置された音波受信装置と、前記対象空間に設置された空調装置とに接続可能、かつ前記対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置であって、
    前記音波送信装置によって送信され、前記対象空間内の経路を伝搬して前記音波受信装置に到達する音波の伝搬特性に基づいて前記複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量を算出する手段と、
    前記対象領域の物理量に基づくフィードバックデータを生成する手段と、
    前記フィードバックデータを前記空調装置に送出する手段と
    を具備する、計測装置。
  2. 前記物理量は、前記対象領域における温度、風速、風量、風向き、および湿度の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記対象空間に存在する人の位置に基づいて前記対象領域を決定する手段を具備する、請求項1または請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記フィードバックデータは、前記空調装置に対する制御信号を含む、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の計測装置。
  5. 前記制御信号は、前記空調装置の起動、前記空調装置の停止、前記空調装置の運転モードの変更、前記空調装置の設定温度の変更、前記空調装置の設定風量の変更、前記空調装置の設定風向の変更、前記空調装置の設定湿度の変更、前記空調装置に内蔵されるモータの回転数の変更、および前記空調装置の加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更のうち少なくとも1つを指示する制御信号を含む、請求項4に記載の計測装置。
  6. 前記フィードバックデータを生成する手段は、前記対象領域に存在する人のバイタルデータにさらに基づいて前記フィードバックデータを生成する、
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の計測装置。
  7. 前記フィードバックデータを生成する手段は、前記空調装置が前記対象領域の物理量を当該対象領域に設定された目標値に近づけるフィードバック制御を行うためのフィードバックデータを生成する、
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の計測装置。
  8. 対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置に接続可能なコントローラであって、
    前記計測装置によって前記対象空間内の経路を伝搬する音波の伝搬特性に基づいて計測された前記複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量に基づくフィードバックデータを取得する手段と、
    前記フィードバックデータに基づいて、前記対象空間に設置された空調装置の動作を制御する手段と
    を具備する、コントローラ。
  9. 前記制御する手段は、前記フィードバックデータに基づいて、前記空調装置の起動、前記空調装置の停止、前記空調装置の運転モードの変更、前記空調装置の設定温度の変更、前記空調装置の設定風量の変更、前記空調装置の設定風向の変更、前記空調装置の設定湿度の変更、前記空調装置に内蔵されるモータの回転数の変更、および前記空調装置の加熱冷却を行う交換機の内部温度の変更の少なくとも1つを行うか否かを決定する、請求項8に記載のコントローラ。
  10. 前記物理量は、前記対象領域における温度、風速、風量、風向き、および湿度の少なくとも1つを含む、請求項8または請求項9に記載のコントローラ。
  11. 前記制御する手段は、前記対象領域に存在する人のバイタルデータにさらに基づいて、前記空調装置の動作を制御する、請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のコントローラ。
  12. 前記制御する手段は、前記フィードバックデータに基づいて、前記空調装置に対して前記対象領域の物理量を当該対象領域に設定された目標値に近づけるフィードバック制御を行う、
    請求項8乃至請求項11のいずれかに記載のコントローラ。
  13. 第1空調装置に関連付けられる第1空間に亘る物理量の分布に関する第1物理量情報と、前記第1空調装置とは異なる第2空調装置に関連付けられる第2空間に亘る物理量の分布に関する第2物理量情報とを取得する手段と、
    前記第1空間に存在するエンティティの属性、数及び位置の少なくとも1つに関する第1エンティティ情報と、前記第2空間に存在するエンティティの属性、数及び位置の少なくとも1つに関する第2エンティティ情報とを取得する手段と、
    前記第1物理量情報と、前記第2物理量情報と、前記第1エンティティ情報と、前記第2エンティティ情報とを参照し、前記第1空調装置および前記第2空調装置を制御する手段と
    を具備する、コントローラ。
  14. 前記第1空間は、前記第2空間と異なり、
    前記第1空調装置および前記第2空調装置を制御する手段は、前記第1空間に存在するエンティティの数に応じて前記第1空調装置に配分する第1電力量を決定し、前記第2空間に存在するエンティティの数に応じて前記第2空調装置に配分する第2電力量を決定する、
    請求項13に記載のコントローラ。
  15. 前記第1空調装置および前記第2空調装置を制御する手段は、前記第1空間に第1エンティティが存在し、かつ前記第2空間に前記第1エンティティが存在する場合に、前記第1空調装置および前記第2空調装置のうち前記第1エンティティに近い一方の風向を前記第1エンティティの位置に応じて制御する、
    請求項13または請求項14に記載のコントローラ。
  16. 前記第1エンティティ情報および前記第2エンティティ情報を取得する手段は、センサによって生成されたセンシングデータを参照して前記第1エンティティ情報および前記第2エンティティ情報を取得し、
    前記コントローラは、前記第1空間に存在するエンティティの位置、および前記第2空間に存在するエンティティの位置の少なくとも1つを参照し、前記センサの検出範囲を制御する手段をさらに具備する、
    請求項13乃至請求項15のいずれかに記載のコントローラ。
  17. 前記第1空間に設置された音波送信装置によって送信され、前記第1空間内の経路を伝搬して前記第1空間に設置された音波受信装置に到達する音波の伝搬特性に基づいて前記第1空間に亘る物理量を算出する計測装置を制御する手段をさらに具備し、
    前記計測装置を制御する手段は、前記第1空調装置の風向に応じて前記経路を制御する、
    請求項13乃至請求項16のいずれかに記載のコントローラ。
  18. 前記エンティティは、人間である、
    請求項13乃至請求項17のいずれかに記載のコントローラ。
  19. コンピュータに、請求項1乃至請求項18の何れかに記載の各手段を実現させるためのプログラム。
  20. 対象空間を仮想的に分割した複数の仮想区画の各々の物理量を個別に計測可能な計測装置によって行われる計測方法であって、
    前記対象空間に設置された音波送信装置によって送信され、前記対象空間内の経路を伝搬して前記対象空間に設置された音波受信装置に到達する音波の伝搬特性に基づいて前記複数の仮想区画のうちの少なくとも1つである対象領域の仮想区画単位の物理量を算出することと、
    前記対象領域の物理量に基づくフィードバックデータを生成することと、
    前記フィードバックデータを前記対象空間に設置された空調装置に送出することと
    を具備する、計測方法。
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