以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、本実施形態の画像形成システムを説明する図である。
本実施形態の画像形成システム100は、例えば、プリントサーバ101と接続される。本実施形態のプリントサーバ101は、画像データを画像形成システム100へ出力する。
本実施形態の画像形成システム100は、画像転送ユニット103、印刷制御ユニット104、プロッタ105、センサボード106、画像処理ユニット107を有する。尚、本実施形態の画像形成システム100は、1つの画像形成装置であっても良い。
本実施形態の画像形成システム100の有する各ユニットは、例えば、LSI(Large-Scale Integrated circuit)やCPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置が実装された基板を有している。
画像転送ユニット103は、プリントサーバ101から受信した画像データに対する各種の画像処理を行う。本実施形態の画像転送ユニット103は、例えば、内部にDRAMやHDD等のメモリを有し、後段から画像データの転送要求を受けて、メモリに保管していた画像データを転送要求元の画像処理ユニット107に転送する。
印刷制御ユニット104は、プロッタ105からのライン周期信号を受けてタイミングで画像データの転送要求を前段の画像処理ユニット107に要求する。
プロッタ105は、ライン周期信号の生成や、プロッタエンジンの制御を行い、記録媒体に画像データが示す画像を形成する。
センサボード106は、プロッタ105に含まれる感光体、現像ローラの状態や、紙等の記録媒体の状態を検知するための様々なセンサが実装されたボードである。尚、以下の説明では、記録媒体を紙として説明するが、画像が形成される記録媒体は、紙に限定されない。
画像処理ユニット107は、プリントサーバ101から転送される画像処理前の画像データを受信すると、画像処理を行って印刷データに変換し、後段の印刷制御ユニット104に出力する。
本実施形態において、プリントサーバ101と画像形成システム100との間で送受信される信号108は、イーサネット(登録商標)等の高速差動信号であり、CMYK各色にデータ転送をライン単位で転送する。
信号109は、画像転送ユニット103及び印刷制御ユニット104と、画像処理ユニット107との間で送受信されるPCIExpressなどの汎用の高速差動信号であり、画像データの転送と画像データの転送要求等が含まれる。
信号110は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)等の高速差動信号であり、フレーム周期信号、ライン周期信号を受けて、印刷制御ユニット104から出力される。
信号111は、LVDSの高速差動信号で、CMYKごとに各レーン存在し、画像処理前にプリントサーバ101から画像形成システム100へ出力されて、画像データを転送する。
次に、図2を参照して、本実施形態の印刷制御ユニット104と、プロッタ105と、センサボード106の機能について、さらに説明する。図2は、印刷制御ユニット、プロッタ、センサボードの機能を説明する図である。
本実施形態では、例えば、印刷制御ユニット104から、プロッタ105及びセンサボード106までの距離が数メートルに及ぶ場合を想定している。この場合、印刷制御ユニット104と、プロッタ105及びセンサボード106とは、長距離通信が可能な低速シリアルインターフェイスを用いて画像データ等の送受信を行っている。
本実施形態の印刷制御ユニット104は、画像出力部201と、CPU202と、紙位置検知部203と、を有する。本実施形態の画像出力部201と、紙位置検知部203とは、例えばLSI等によって実現されても良いし、集積回路が実装された基板等であっても良い。
画像出力部201は、プロッタ105に画像データを送信するためのデバイスである。
CPU202は、印刷制御ユニット104におけるメインCPUであり、印刷制御ユニット104の動作を制御するデバイスである。具体的にはCPU202は、画像出力部201と、紙位置検知部203の動作を制御する。
紙位置検知部203は、センサボード106からセンサの値を取得し、後述する画像形成部206における記録媒体(紙)の位置を検知するためのデバイスである。
本実施形態のプロッタ105は、LD(Laser Diode)制御部204を有する。LD制御部204は、プロッタ105の有するレーザの点灯/消灯を制御するデバイスである。
本実施形態のセンサボード106は、センサ制御部205、SPI(Serial Peripheral Interface)デバイス207〜210を有する。センサ制御部205は、SPIデバイス207〜210を制御するためのデバイスである。
SPIデバイス207〜210は、センサ制御部205とSPIによって接続されるデバイスである。つまり、センサボード106では、SPIデバイス207〜210と、センサ制御部205とは、高速シリアルインターフェイスを用いて通信を行う。このとき、センサ制御部205は、SPIデバイス207〜210のマスタ側のデバイスとなり、SPIデバイス207〜210は、センサ制御部205のスレーブ側のデバイスとなる。SPIデバイス207〜210には、画像形成部206における紙の位置を検知するためのセンサや、ROM(read‐only memory)が含まれる。
次に、図3を参照して、本実施形態の紙位置検知部203の構成について説明する。図3は、紙位置検知部の構成について説明する図である。
本実施形態の紙位置検知部203は、メモリ301、CPU302、アービタ303、シリアル通信アービタ304、位置情報取得部305、レジスタ306、307、インターフェイス制御部308、309、シリアル通信制御部310、バッファ311、312、313を有する。
メモリ301は、CPU302の演算結果等が格納されるRAM(random access memory)であり、プログラムや画像データ一時格納用として使用される。CPU302は、印刷制御ユニット104におけるサブCPUであり、主に画像データの演算や、紙位置検知部203の動作の制御を行う。
アービタ303は、メモリ301、CPU302及びインターフェイス部309間の調停を行う。シリアル通信アービタ304は、センサボード106のセンサ制御部205と、位置情報取得部305と、レジスタ307からの転送要求を調停する。
位置情報取得部305は、センサ制御部205からの位置情報取得要求に対するシリアル通信の制御を行う。
レジスタ306は、CPU302からアクセス可能なレジスタである。レジスタ307は、印刷制御ユニット104のメインCPUであるCPU202からアクセス可能なレジスタである。
インターフェイス制御部308は、CPU202と、紙位置検知部203とのインターフェイスを制御する。インターフェイス制御部309は、アービタ303とレジスタ306とのインターフェイスを制御する。
シリアル通信制御部310は、センサ制御部205とシリアル通信を行うシリアル通信の物理層である。本実施形態のシリアル通信制御部310は、パリティチェック部314、送信エラー判定部315を有する。パリティチェック部314は、センサ制御部205からの受信データのパリティチェックを行う、送信エラー判定部315は、センサ制御部205へ送信する送信データのエラー判定を行う。
本実施形態のシリアル通信制御部310は、センサ制御部205に対するマスタ側のデバイスとなる。
バッファ311は、レジスタ306、307からのデータの読み書きが行われる。バッファ312は、レジスタ306、シリアル通信アービタ304からのデータの読み書きが行われる。バッファ313は、レジスタ307、シリアル通信アービタ304からのデータの読み書きが行われる。
次に、図4を参照して、本実施形態のセンサ制御部205の構成について説明する。図4は、センサ制御部の構成を説明する図である。
本実施形態のセンサ制御部205は、紙位置検知部203のシリアル通信制御部310に対するスレーブ側のデバイスである。
本実施形態のセンサ制御部205は、シリアル通信制御部401、レジスタ402、通信部403、バッファ404、405、通信対象デコーダ406、SPI制御部407、408、409、410を有する。
シリアル通信制御部401は、紙位置検知部203とシリアル通信を行うシリアル通信の物理層である。シリアル通信制御部401は、シリアル通信制御部310に対して、スレーブ側のデバイスとなる。また、シリアル通信制御部401は、パリティチェック部411を有する。パリティチェック部411は、紙位置検知部203からの送信データのパリティチェックを行い、チェック結果を紙位置検知部203に送信する。
レジスタ402は、紙位置検知部203からアクセス可能なレジスタである。通信部403は、シリアル通信の論理層であり、紙位置検知部203からの送信データにおける要求の種類(Read/Write)と、通信対象(センサ制御部205/SPIデバイス207〜210)に応じた制御を行う。
バッファ404は、SPIデバイス207〜210からのリードデータを一時保存する。
バッファ405は、SPIデバイス207〜210に転送する送信データを一時保存する。バッファ405には、送信データにおける要求の種類を示すデータ、通信対象を示すデータ、ADDR、WDATAが保持される。尚、ADDR、WDATAの詳細は後述する。
通信対象デコーダ406は、バッファ405から読み取った、通信対象を示すデータに基づき、通信を行うSPIデバイスをSPIデバイス207〜210から選択する。また、通信対象デコーダ406は、SPIデバイス207〜210の何れかから受信したデータをバッファ404に保存する。
SPI制御部407〜410は、SPIデバイス207〜210とSPI通信を行う物理層である。本実施形態では、SPI制御部407〜410は、SPIデバイス207〜210に対するマスタ側デバイスとなる。
ここで、本実施形態の画像形成システム100において、マスタ側デバイスとスレーブ側デバイスの組合せを再度整理する。
本実施形態の画像形成システム100では、センサ制御部205のSPI制御部407〜410と、センサボード106のSPIデバイス207〜210とは、マスタ側デバイスとスレーブ側デバイスの関係となる。このとき、SPI制御部407〜410と、SPIデバイス207〜210とは、高速シリアルインターフェイスによる通信を行う。
また、画像形成システム100において、紙位置検知部203のシリアル通信制御部310と、センサ制御部205のシリアル通信制御部401とは、マスタ側デバイスとスレーブ側デバイスの関係となる。シリアル通信制御部310とシリアル通信制御部401とは、低速シリアルインターフェイスによる通信を行う。
ここで、図5を参照して、紙位置検知部203とセンサ制御部205との間の通信データプロトコルについて説明する。図5は、紙位置検知部とセンサ制御部との間の通信データプロトコルを説明する図である。図5(A)は、マスタ側デバイスからスレーブ側デバイスへ送信する送信データ信号MDOを示す。図5(B)は、マスタ側デバイスがスレーブ側デバイスから受信する受信データ信号MDIを示す。言い換えれば、受信データ信号MDIは、スレーブ側デバイスが、送信テータ信号MDOに応答して、マスタ側デバイスに送信する信号である。
図5(A)に示す送信データ信号MDOにおける、W/Rビットは、スレーブ側デバイスに対するライト(Write)要求であるか、リード(R)要求であるか否かを示す。
送信データ信号MDOにおける、SELビットは、通信対象を表すビット(通信対象選択ビット)である。本実施形態では、SELビットが、0×0である場合、通信対象はセンサ制御部205であり、SELビットが0×1〜0×7の場合は、通信対象はSPIデバイス207〜210の何れかに相当する。
送信データ信号MDOにおいて、データADDRは、各デバイスが持つアドレス空間にアクセスするためのアドレスである。送信データ信号MDOにおける、blankビットは、ダミーデータであり、「0」である。
送信データ信号MDOにおける、ライトデータWDATAは、W/RビットがWのとき、つまり、スレーブ側デバイスへのライト要求の際に、通信対象のスレーブ側デバイスに書き込まれるライトデータである。ライトデータWDATAは、W/RビットがRのとき、つまり、スレーブ側に対するリード要求の際には、ダミーデータ:00hとされる。
次に、受信データ信号MDIについて説明する。図5(B)に示す受信データ信号MDIにおける、リードデータRDATAは、マスタ側デバイスからのリード要求に応答してスレーブ側デバイスが読み取ったリードデータとなる。データRDATAは、センサ制御部205へのリード要求以外はダミーデータ:00hが送信される。また、リードデータRDATAは、ライト要求時はダミーデータ:00hが送信される。
また、parityビットは、信号毎のデータのパリティ調整を行うためのビットである。parityビットの値は、偶数パリティの場合には、1の個数が偶数になるように調整され、奇数パリティの場合には、1の個数が奇数になるように調整される。
errorビットは、送信パリティエラー判定ビットである。センサ制御部205は、送信データ信号MDOのパリティチェックを行い、エラーと判定された場合には、受信データ信号MDIを紙位置検知部203に送信する際に、errorビットに1をたてる。
以下に、本実施形態のシリアル通信における各信号の例を示す。図6は、本実施形態のシリアル通信における各信号の一例を示す図である。
図6(A)は、マスタ側デバイスから出力されるクロック信号CLKの一例を示す。図6(B)は、マスタ側デバイスから出力されるチップセレクト信号CSの一例を示す。図6(C)は、マスタ側デバイスから出力される送信データ信号MDOの一例を示す。図6(D)は、スレーブ側デバイスが、マスタ側デバイスからの要求に応じて出力する受信データ信号の一例を示す。
図6に示すように、本実施形態のマスタ側デバイスは、クロック信号CLKの立ち下がりエッジで送信データ信号を出力し、スレーブ側デバイスも、クロック信号CLKの立ち下がりエッジで受信データ信号を出力する。また、マスタ側デバイスは、クロック信号CLKの立ち上がりエッジで受信データ信号を取り込み、スレーブ側デバイスは、クロック信号CLKの立ち上がりエッジで送信データ信号を取り込む。
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態のマスタ側デバイスとスレーブ側デバイスの動作について説明する。
図7は、マスタ側デバイスの動作を説明するフローチャートである。図7の例では、マスタ側デバイスとして、紙位置検知部203の動作を示している。
本実施形態の紙位置検知部203は、紙位置検知部203のスレーブであるセンサ制御部205のチップセレクトをアサートさせ(ステップS701)、クロック信号CLKの出力を開始する(ステップS702)。
次に、紙位置検知部203は、シリアル通信制御部310から、送信データ信号MDOのW/Rビットを出力する(ステップS703)。
ステップS703において、W/Rビットがリード(Read)要求であった場合、シリアル通信制御部310は、後述するステップS706へ進む。
ステップS703において、W/Rビットがライト(Write)要求であった場合、シリアル通信制御部310は、ライトデータWDATAをセンサ制御部205へ送信する(ステップS704)。続いて、シリアル通信制御部310は、パリティ・ビットをセンサ制御部205へ送信し(ステップS705)、後述するステップS710へ進む。
ステップS703において、W/Rビットがリード要求であった場合、シリアル通信制御部310は、センサ制御部205からリードデータRDATAを受信する(ステップS706)。続いて、シリアル通信制御部310は、パリティチェック部314により、リードデータRDATAに続いて受信したパリティ・ビットに基づくパリティチェックを行う(ステップS707)。
続いて、シリアル通信制御部310は、パリティチェックの結果、エラーを検出したか否かを判定する(ステップS708)。ステップS708において、エラーを検出しない場合、シリアル通信制御部310は、後述するステップS710へ進む。ステップS708において、エラーを検出した場合、シリアル通信制御部310は、エラーを検出した回数に1回を計上する(ステップS709)。
続いて、シリアル通信制御部310は、送信エラー判定部315により、パリティ・ビットに続いて受信したerrorビットの状態が、エラーであることを示しているか否かを判定する(ステップS710)。具体的には、シリアル通信制御部310は、例えば、errorビットの値が「1」の場合に、エラーであることを示すと判定しても良い。
ステップS710において、エラーを示す状態であった場合、シリアル通信制御部310は、エラーを検出した回数を1回計上し(ステップS711)、ステップS712へ進む。
ステップS710において、エラーを示す状態でない場合、シリアル通信制御部310は、ステップS712へ進む。
次に、シリアル通信制御部310は、エラーを検出した回数が、N回連続したか否かを判定する(ステップS712)。尚、Nは、予め設定された値であって良い。
ステップS712において、N回連続していない場合、シリアル通信制御部310は、センサ制御部205に対して、同じフレームの再送を要求し(ステップS713)、ステップS701へ戻る。
ステップS712において、N回連続した場合、シリアル通信制御部310は、印刷制御ユニット104のCPU202に対して、通信を停止させるための割り込みを通知し、紙位置検知部203とセンサ制御部205のシリアル通信を停止させ(ステップS714)、処理を終了する。
次に、図8を参照して、スレーブ側デバイスの動作を説明する。図8は、スレーブ側デバイスの動作を説明するフローチャートである。図8の例では、スレーブ側デバイスとして、センサ制御部205の動作を示している。
センサ制御部205はセンサ制御部205に対するクロック信号CLKの供給が開始すると(ステップS801)、シリアル通信制御部401により、受信したW/Rビットが、ライト要求であるか否かを判定する(ステップS802)。
ステップS802において、ライト要求でない場合、シリアル通信制御部401は、後述するステップS811へ進む。
ステップS802において、ライト要求である場合、シリアル通信制御部401は、SELビットが00hであるか否かを判定する(ステップS803)。言い換えれば、シリアル通信制御部401は、通信対象として、センサ制御部205が選択されているか否かを判定している。
ステップS803において、SELビットが00hでない場合、つまり、通信対象がセンサ制御部205ではない場合、シリアル通信制御部401は、後述するステップS808へ進む。
ステップS803において、SELビットが00hである場合、つまり、通信対象がセンサ制御部205である場合、シリアル通信制御部401は、紙位置検知部203から受信したライトデータWDATAをレジスタ402へ反映させる(ステップS804)。続いて、シリアル通信制御部401は、パリティチェック部411により、ライトデータWDATAに対してパリティチェックを行う(ステップS805)。
続いて、シリアル通信制御部401は、パリティチェックによってエラーが検出されたか否かを判定する(ステップS806)。ステップS806において、エラーが検出されない場合、errorビットの値を0とし、受信データ信号MDIを出力し、処理を終了する。同時に、errorビットの値は、レジスタ402に保持させる。
ステップS806において、エラーが検出された場合、シリアル通信制御部401は、errorビットの値を1としてレジスタ402に保持させ(ステップS807)、処理を終了する。
ステップS803において、SELビットが00hでない場合、つまり、通信対象がセンサ制御部205ではない場合、シリアル通信制御部401は、受信したライトデータWDATAをバッファ405に保持する(ステップS808)。
続いて、シリアル通信制御部401は、レジスタ402に設けられた転送開始フラグが「1」となったか否かを判定する(ステップS809)。尚、転送開始フラグは、送信データ信号MDOにおいて、通信対象をセンサ制御部205とし、転送開始フラグを「1」とする、ライトデータWDATAを受信した際に、1とされる。
ステップS809において、転送開始フラグが1でない場合、シリアル通信制御部401は、転送開始フラグが1となるまで待機する。
ステップS809において、転送開始フラグが1である場合、シリアル通信制御部401は、ライトデータWDATAを、SELビットによって選択されたSPIデバイスへ
転送し(ステップS810)、ステップS805へ進む。
ステップS802において、W/Rビットがライト要求でない場合、つまり、W/Rビットがリード要求である場合、シリアル通信制御部401は、SELビットが00hであるか否かを判定する(ステップS811)。
ステップS811において、SELビットが00hでない場合、つまり、通信対象がセンサ制御部205ではない場合、シリアル通信制御部401は、後述するステップS814へ進む。
ステップS811において、SELビットが00hである場合、つまり、通信対象がセンサ制御部205である場合、シリアル通信制御部401は、レジスタ402に保持されているリードデータRDATAを紙位置検知部203へ転送する(ステップS812)。
続いて、シリアル通信制御部401は、パリティ・ビットを紙位置検知部203へ送信し(ステップS813)、パリティチェック部411により、リードデータRDATAに対してパリティチェックを行い(ステップS814)、ステップS806へ進む。
ステップS811において、通信対象がセンサ制御部205でない場合、シリアル通信制御部401は、ダミーのリードデータRDATAを紙位置検知部203へ転送する(ステップS815)。続いて、シリアル通信制御部401は、パリティ・ビットを紙位置検知部203へ送信し(ステップS816)、パリティチェック部411により、リードデータRDATAに対してパリティチェックを行う(ステップS817)。
ステップS817からステップS819までの処理は、ステップS805からステップS807までの処理と同様であるから、説明を省略する。
続いて、シリアル通信制御部401は、SELビットで選択されたSPIデバイスから読み出したリードデータをバッファ404へ保持し(ステップS820)、処理を終了する。
次に、図9を参照して、SPIデバイスに対してリード要求が行われた場合の画像形成システム100の動作について説明する。図9は、SPIデバイスに対してリード要求が行われた場合の画像形成システムの動作を説明するフローチャートである。
本実施形態の画像形成システム100では、SPIデバイスに対してリード要求が行われると、バッファ404に、通信対象に選択されたSPIデバイスから読み出したリードデータが保持されている。
ここで、印刷制御ユニット104のCPU202は、紙位置検知部203のレジスタ307に対し、リード要求、通信対象とされたSPIデバイス、通信対象とされたSPIデバイスのアドレスを設定する(ステップS901)。続いて、CPU202は、レジスタ307に対して1ライトし、シリアル通信を開始させる(ステップS902)。
すると、紙位置検知部203は、シリアル通信アービタ304により、センサ制御部205に対して、設定された送信データ信号MDOをシリアル通信にて連続して転送する(ステップS903)。
センサ制御部205は、送信データ信号MDOの転送が終了すると、SPI制御部407〜410のうち、選択されたSPIデバイスと対応するSPI制御部により、SPIデバイスとのSPI通信を開始する(ステップS904)。
続いて、画像形成システム100の紙位置検知部203は、シリアル通信アービタ304により、SPI制御部とSPIデバイスの通信が全て完了し、センサ制御部205から紙位置検知部203に対して完了を通知する割り込みが通知されたか否かを判定する(ステップS905)。
ステップS905において、割り込みが通知されない場合、シリアル通信アービタ304は、割り込みが通知されるまで待機する。
ステップS905において、割り込みが通知されると、シリアル通信アービタ304は、センサ制御部205のバッファ404に保持されたリードデータを読み出すためのシリアル通信を開始する(ステップS906)。言い換えれば、シリアル通信アービタ304は、センサ制御部205からの「リード要求」という割り込み要因によって、シリアル通信を開始する。尚、このとき、シリアル通信アービタ304は、W/Rビットをリード要求とし、通信対象をセンサ制御部205とし、アクセス先のアドレスをセンサ制御部205のアドレス「INT_S」とした送信データ信号MDOをセンサ制御部205へ送信している。
続いて、シリアル通信アービタ304は、割り込み要因が「リード準備OK」となったか否かを判定する(ステップS907)。ステップS907において、割り込み要因が「リード準備OK」となっていない場合、シリアル通信アービタ304は、待機する。
ステップS907において、割り込み要因が「リード準備OK」となった場合、シリアル通信アービタ304は、「リード要求」という割り込み要因をクリアするためのシリアル通信を開始する(ステップS908)。このとき、シリアル通信アービタ304は、W/Rビットをライト要求とし、通信対象をセンサ制御部205とし、アクセス先のアドレスを「INT_S」とし、ライトデータWDATAを「クリア」とした送信データ信号MDOをセンサ制御部205へ送信している。
続いて、シリアル通信アービタ304は、センサ制御部205のレジスタ402に保持されたリードデータを読み出すためのシリアル通信を開始する(ステップS909)。このとき、シリアル通信アービタ304は、W/Rビットをリード要求とし、通信対象をセンサ制御部205とし、アクセス先のアドレスをレジスタ402のアドレスとした送信データ信号MDOをセンサ制御部205へ送信している。
続いて、シリアル通信アービタ304は、シリアル通信が完了すると、印刷制御ユニット104のCPU202に対し、シリアル通信の完了を示す割り込みを通知する(ステップS910)。
CPU202は、この通知を受けて、紙位置検知部203のレジスタ307における割り込み要因をクリアする(ステップS911)。続いて、CPU202は、紙位置検知部203のバッファ313に格納されたリードデータを読み出し(ステップS912)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、マスタ側デバイスである紙位置検知部203が、スレーブ側デバイスであるセンサ制御部205の有する複数のSPI制御部407〜410のそれぞれについて個別に制御する必要がなく、連続してセンサ制御部205にアクセスすることができる。このため、本実施形態では、高速シリアルインターフェイスによる通信を行うSPIデバイス207〜210を有するセンサ制御部205が、SPIデバイス207〜210を制御するために紙位置検知部203へ頻繁にアクセスすることを防止できる。よって、本実施形態によれば、センサ制御部205のマスタ側のユニットである紙位置検知部203のCPU302の処理の負荷を軽減できる。
また、本実施形態では、上位のCPU202が、複数のSPI制御部407〜410を管理する。したがって、本実施形態によれば、画像形成システム100の構成を簡素化できる。
また、本実施形態の紙位置検知部203では、紙位置検知部203とセンサ制御部205の間で送受信されるデータからエラーが検知されたか否かを判定している。したがって、本実施形態によれば、センサ制御部205に正常なデータが送信されているか否かを検出でき、CPU202に送信されるデータの信頼性を向上させることができる。
尚、本実施形態の通信の方法は、画像形成システム100における紙位置検知部203とセンサ制御部205との間の通信に用いられるものとして説明したが、これに限定されない。本実施形態の通信の方法は、低速シリアルインターフェイスを用いて通信が行われるマスタ側デバイスとスレーブ側デバイスと、を有し、スレーブ側デバイスが、高速シリアルインターフェイスを用いて複数のデバイスと通信する場合であれば、画像形成システム100以外であっても適用することができる。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
尚、本実施形態の紙位置検知部203は、特許請求の範囲に記載した第2のデバイスの一例であり、センサ制御部205は、第1のデバイスの一例であり、SPI制御部407〜410は、複数の制御部の一例であり、SPIデバイス207〜210は、センサ群の一例である。また、本実施形態のシリアル通信制御部401は、第1の通信制御部の一例であり、シリアル通信制御部310は、第2の通信制御部の一例である。