JP6896517B2 - インクジェット記録装置及び堆積抑制方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録装置及び堆積抑制方法に関する。
特許文献1には、堆積し易いインク(堆積インク)が吐出されたインク吸収体に対して、記録動作の終了後にインクの堆積を抑制するインク(堆積抑制インク)を吐出することで、インク吸収体におけるインクの堆積を抑制する技術が開示されている。
特開2012−51198号公報
インク吸収体(インク受け部)におけるインクの堆積を抑制するために吐出するインク量は、記録ヘッドからのインクの水分蒸発も考慮して設定する必要がある。特に、記録動作においてあまり使用しなかったインクのノズルからは、記録動作中により多くの水分が蒸発する。インク中の水分が蒸発すると、インクの堆積を抑制するための吐出の効果が低下してしまう。すなわち、インク中の水分蒸発が進んだ状態で、記録動作の終了後にインクの堆積を抑制するための吐出を行っても、十分にインクの堆積を抑制することができない場合がある。そこで、インクの水分蒸発分も考慮して、記録動作の終了後に吐出するインク量を予め多めに設定しておくことも考えられるが、インク消費量が増大してしまうという課題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、インク受け部へのインクの堆積を好適に抑制しつつ、インクの堆積を抑制するために使用するインク消費量を低減することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを受けるインク受け部と、前記インク受け部に吐出された場合にインクの堆積が発生する第1のインクのための吐出口と当該インクの堆積を抑制する第2のインクのための吐出口とを有し、記録媒体に画像を記録する記録動作を行う記録ヘッドと、記録命令があったときに、前記記録動作を行う前に前記記録ヘッドに前記インク受け部に対して規定量の第のインクおよび第2のインクを吐出させる第1の吐出制御と、当該記録動作の終了に応じて、前記記録ヘッドに前記第1の吐出制御において吐出された前記インクの堆積を抑制するための前記第2のインクと、前記第1のインクとを、前記インク受け部に対して吐出させる第2の吐出制御とを行う制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記制御手段は、前記記録動作に要した記録時間が所定時間より短い場合には前記第2の吐出制御において第1の量の前記第2インクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が所定量より少ない場合には、前記第2の吐出制御において前記第1の量より多い第2の量の前記第2のインクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が前記所定量以の場合には前記第2の吐出制御において前記第2の量より少ない量の前記第2のインクを吐出させることを特徴とする。
本発明によれば、インク受け部へのインクの堆積を好適に抑制しつつ、インクの堆積を抑制するために使用するインク消費量を低減することが可能な技術を提供することができる。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。 第1実施形態に係る記録部の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る記録部の周辺を示す模式断面図である。 第1実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る回復ユニットの模式図である。 キャップへの吐出制御を説明するためのフローチャートである。 キャップへの吐出発数とインクの堆積の関係を説明する図である。 第1実施形態において記録する画像を説明するための図である。 図8における画像とインクの堆積の関係を説明するための表である。 図8における画像と記録後予備吐量の関係を説明するための表である。 第1実施形態に係る制御を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御を示すフローチャートである。 第3実施形態において縁なし記録動作を行う際の記録媒体とプラテン吸収体の関係を示す模式図である。 第3実施形態において縁なし記録動作を行う際の堆積インクのカウント領域を説明するための模式図である。 第3実施形態における堆積抑制制御を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る制御を説明するためのフローチャートである。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置(記録装置)を示す斜視図である。本実施形態に係る記録装置1は、記録媒体を給送する給送部、記録媒体(シート)を搬送する搬送部、記録媒体に画像を記録する記録部、画像が記録された記録媒体を排出する排出部、記録部の記録性能を回復する回復部などから構成される。
給送部は、複数枚の記録媒体を積載する給送トレイや、給送トレイに積載された記録媒体を1枚ずつ記録装置内部に給送する給送ローラを有する。
搬送部は、給送部から給送された記録媒体を搬送する搬送ローラ400や、搬送ローラと対向する位置に配され搬送ローラと共に記録媒体を挟持するピンチローラ401を有する。
記録部は、インクを吐出する吐出口(ノズル)が設けられた吐出口面(ノズル面)が形成された記録ヘッド101と、記録ヘッド101を着脱自在に搭載するキャリッジ100とを有する。キャリッジ100は、キャリッジモータ110の駆動により、シャーシ111に取り付けられたタイミングベルト112を介してガイドシャフト113に沿ってX方向(キャリッジの移動方向)に往復移動可能に構成されている。記録媒体は、X方向と交差するY方向(記録媒体の搬送方向)に搬送される。記録ヘッド101は、キャリッジ100が往復移動している間に、記録ヘッド101と対向する位置に停止している記録媒体に対してインクを吐出することで画像を記録する。記録ヘッド101と対向する位置には、記録媒体の表面(第1面)と記録ヘッド101の吐出口面との距離を一定に保つように、記録媒体を下方より支持するプラテン300が設けられている。プラテン300には、記録媒体外に吐出されたインクを吸収するプラテン吸収体301が配されている。
排出部は、画像が記録された記録媒体を記録装置外へ排出する排出ローラ402や、排出ローラと対向する位置において記録媒体を押さえる拍車ローラ403を有する。
回復部は、キャリッジ100の移動方向における記録領域外において、記録ヘッド101の吐出口面102を覆うキャップ500を有する。また、回復部は、キャップ500が記録ヘッド101の吐出口面102を覆った状態において、チューブ502を介してキャップ500と接続された吸引ポンプ503を駆動することによって記録ヘッド101からインクを吸引する吸引機構を有する。また、回復部は、記録ヘッドの吐出口面を拭払するワイパ506を有する。回復部の詳細は後述する。
次に本実施形態に係る記録装置の記録部について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る記録部の構成を示す斜視図である。キャリッジ100には、記録ヘッド101が着脱自在に搭載される。さらに、記録ヘッド101に対して9種類のインクタンク(インクカートリッジ)103が着脱自在に装着される。本実施形態に係る記録装置は9種類のインクによって画像を記録するものであり、記録ヘッド101に対して各々独立した9個のインクタンク103が装着される。本実施形態では、これら9種類のインクタンクは、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、ライトシアン、ライトマゼンタ、グレイ、クリアインクの9種類の顔料インクを内部に収容(貯留)している。
次に本実施形態に係る記録装置の搬送動作および記録動作について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る記録部の周辺を図1のX方向から見たときの模式断面図である。給送部から給送されてきた記録媒体Pは、Y方向において記録ヘッド101の上流側に設けられた搬送ローラ400及びチローラ401によって挟持して搬送される。また、記録媒体Pは、Y方向において記録ヘッド101の下流側に設けられた排出ローラ402及びローラ403によっても挟持される。記録媒体Pは、搬送ローラ400及びピンチローラ401と、排出ローラ402及び拍車ローラ403とに挟持されることによって、表面が平坦な状態に保たれたまま搬送される。搬送される記録媒体Pは、下方よりプラテン300により支持されている。
搬送される記録媒体Pは、その搬送が停止している間に、X方向に移動するキャリッジ100に搭載された記録ヘッド101の吐出口からインク滴が吐出されることによって、1バンド分(1改行分)の画像が記録される。1バンド分の画像が記録されると、記録媒体Pは、不図示の搬送モータにより搬送ローラ400が所定量駆動されることによって、Y方向へ所定量搬送される。このキャリッジ100が移動している間の記録ヘッド101によるインク滴の吐出と、搬送ローラ400による記録媒体Pの所定量ずつの搬送(間欠搬送)とが交互に繰り返されることによって、記録媒体P全体に1ページ分の画像が記録される。
次に本実施形態に係る記録装置の制御部の構成について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。図4において、CPU1000は、メインバスライン1013を介して装置各部の制御およびデータ処理を実行する。CPU1000は、ROM1001に格納されているプログラムに従い、データ処理、記録ヘッド駆動およびキャリッジ駆動の制御、記録動作、及び予備吐出動作を含むメンテナンス動作等を実行する。
CPU1000は、インターフェース1004を介してホスト装置との通信処理が可能である。RAM1002は、CPU1000によるデータ処理等のワークエリアとして用いられる。RAM1002は、記録動作に用いる記録データ、記録装置の回復動作、及び供給動作に係るパラメータ等を一時的に保存する。画像入力部1003は、インターフェース1004を介してホスト装置から入力された画像を一時的に保持する。
また、CPU1000は、回復部による吸引動作等によるインクの消費量をカウントし廃インクを収容する廃インク収容部(廃インクパック)504に収容されている廃インク量を算出する。CPU1000は、インターフェース1004を介して廃インク収容部504が満杯になった等の警告をホスト装置等に通知することができる。不揮発性メモリ1005は、廃インク収容部504に収容されているインク量や、プラテン吸収体301に吐出されたインク量等に関する情報を記憶し保存する。不揮発性メモリ1005は、記録装置の電源がOFFにされても情報を保持することができる。
回復系制御回路1008は、RAM1002に格納された回復処理プログラムに従って回復系モータ1009の駆動を制御する。回復系制御回路1008は、回復系モータ1009の駆動を制御することによって、キャップ500の昇降動作(キャッピング動作)、ワイパ506の拭払動作(ワイピング動作)、吸引ポンプ503の吸引動作等の回復動作(クリーニング動作)を制御する。
ヘッド駆動制御回路1010は、記録ヘッド101のインク吐出用の駆動を制御し、予備吐出や記録動作のためのインク吐出を記録ヘッド101に行わせる。
キャリッジ駆動制御回路1011は、画像信号処理部1006で処理された記録データに従ってキャリッジ100の往復移動を制御し、また回復動作を行う際にキャリッジ100の回復部への移動を制御する。
搬送制御回路1012は、RAM1002に格納されたプログラムに従って搬送モータの駆動を制御する。搬送制御回路1012は、記録ヘッド101による1バンド分の画像データの記録が終了した後、次の1バンド分の画像データを記録するために記録データに従って記録媒体を所定量搬送する制御を行う。
次に本実施形態に係る記録装置の回復部(回復ユニット)の構成について詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る回復ユニットの模式図である。上述したように、回復ユニットは、各種回復動作を行う際に記録ヘッド101の吐出口面102を覆うキャップ500を有している。キャップ500内において、記録ヘッドの吐出口面102と対向する位置にはキャップ吸収体(インク吸収体、インク受け部)501が設けられている。キャップ吸収体501と記録ヘッドの吐出口面102との間には、微小な空間が設けられている。キャップ500は下方においてチューブ502を介して吸引ポンプ503と連通している。
吸引ポンプ503が駆動されると、記録ヘッド101とキャップ500の間の空間に負圧が発生し、記録ヘッド101の吐出口からインクが吸引される。吸引されたインクは、チューブ502を介して接続された廃インク収容部504へ排出される。このように、記録ヘッド101の吐出口からインクを吸引することにより、記録ヘッド内のインク固着や泡の混入などを防止することができる。
また、記録ヘッド101からインクが吐出されない状態が一定時間以上続くと、記録ヘッド101の吐出口からの水分蒸発によりインクが増粘し、記録動作の開始時にインクの吐出不良が生じるおそれがある。そこで、記録動作の開始時の吐出不良の防止を目的として、記録動作を行う前に、記録ヘッドは、キャリッジによりキャップと対向する位置に移動し、キャップに対し規定量のインクを吐出する予備吐出動作を行う。この予備吐出動作を記録前予備吐、記録前キャップ予備吐とも称する。
この記録前予備吐は、記録動作中の吐出不良を防止することができる範囲内で最低限のインク消費量で行うことが望ましい。しかし、後述するように、キャップ500に少量のインクを吐出した後に一定時間放置した場合、キャップ内のインクの乾燥、増粘が進み、インクの堆積が発生するおそれがある。
そこで、このインクの堆積の発生を防止するために、記録動作を行った後に、記録ヘッドは、キャップに対し所定量のインクを吐出する予備吐出動作を行う。この予備吐出動作を記録後予備吐、記録後キャップ予備吐、後がけ制御とも称する。この予備吐出動作により、キャップ内の水分比率が増え、キャップ内のインクの堆積を抑制することができる。
本実施形態では、9種類の顔料インクのうち、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、ブラックインク、レッドインクのような色が濃いインクは、固形成分の比率が高く、インク中の水分が蒸発すると固着し易く、インク吸収体に吸収され難い。よって、これらのインクをインク吸収体に堆積しやすい「堆積インク」(第1のインク)と分類する。一方、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、クリアインクのようなインクは、固形成分が少なく、固着し難く、インク吸収体に吸収され易い。これらのインクは堆積した顔料インクの吸収を促進する作用もあることから、インク吸収体への堆積を抑制する「堆積抑制インク」(第2のインク)と分類する。
なお、ここでは固形成分の量に応じて堆積インクと堆積抑制インクとに分類したが、インクに含まれる溶剤や保湿剤の量に応じて堆積インクと堆積抑制インクとに分類しても良い。インクに溶剤等が多く含まれる場合、堆積インクの粘性の上昇を抑えて、堆積インクをインク吸収体により吸収しやすくすることができる。よって、顔料インクにおいて溶剤・保湿剤を多く含むものを堆積抑制インクとして分類しても良い。また、堆積インクを顔料インク、堆積抑制インクを染料インクとして分類しても良い。
本実施形態における記録後予備吐では、記録前予備吐において吐出したインクの堆積を抑制するために、記録動作の終了後にキャップ500に堆積抑制インクを吐出するものである。この際、記録後予備吐において吐出するインクは、堆積抑制インクだけでなく、併せて堆積インクを吐出しても良い。堆積抑制インクと共に堆積インクを吐出しても、キャップ内の水分比率が増えることから、キャップ内のインクの堆積を抑制する効果がある。
また、これらのキャップ予備吐によって、キャップ内にキャップの容積以上のインク量のインクが吐出されると、キャップ内からインクが溢れてしまうおそれがある。そこで、所定のタイミングで吸引ポンプ503を駆動してキャップ内のインクを吸引する吸引動作を実行する。この吸引動作を空吸引とも称する。
図6は、キャップへの吐出制御を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS131において、CPU1000から記録命令を受信する。記録命令を受信すると、次のステップS132へ進み、キャップに対し記録前予備吐を行う。この記録前予備吐では、キャップ500に各色各ノズル100ドット(100発)ずつの吐出を行う。そして、この記録前予備吐を行った後、ステップS133へ進み、記録動作を開始する。記録動作が完了すると、ステップS134へ進み、記録ヘッド101のクリーニングのために、ワイパ506により記録ヘッド101の吐出口面を拭払するワイピング動作を実施する。
ステップS135では、記録前予備吐においてキャップに吐出したインクが堆積するのを抑制するために、再度、記録ヘッド101は、キャリッジ100によりキャップ500と対向する位置に移動し、キャップ500に対し予備吐出を行う。この記録後予備吐では、キャップ500に各色各ノズル2000発ずつの吐出を行う。この記録後予備吐において、堆積抑制インクだけでなく堆積インクも含めた全色のインクを吐出することにより、ワイピング動作によって混色したインクを吐出口外へ排出することができる。この記録後予備吐を行った後、ステップS136へ進み、吸引ポンプ503を駆動してキャップ内のインクを吸引排出する空吸引を実施する。空吸引の実施後、本制御は終了する。
次に、本発明者らが検討した、記録後予備吐とインクの堆積の関係について説明する。図7は、キャップへの吐出発数とインクの堆積の関係を説明する図である。図7を用いて、所定の記録画像(記録パターン)を連続して記録した際の、記録後予備吐の吐出量(吐出発数、吐出ドット数)とキャップ内のインクの堆積の関係を説明する。図7において、(A)では、記録動作の終了後にキャップに1000発の予備吐出を行った。湿度の低い環境下(温度30℃、湿度10%)において、画像を連続して10枚記録した場合、所定時間後に、堆積しやすいブラックインクがキャップ内で固着し堆積した。さらに画像を連続して20枚記録した場合、所定時間後のインクの堆積はさらに成長した。
(B)では、記録動作の終了後にキャップに2000発の予備吐出を行った。吐出したインク量は、(A)の1000発のときよりも多いため、キャップ内は湿潤し、インクは堆積し難くなった。よって、10枚記録した場合はインクの堆積が抑制された。一方、(B)において20枚記録した場合はインクの堆積が発生した。(B)では、(A)の場合よりもインクの堆積を抑制することはできたものの、堆積インクはキャップ吸収体に残っているため、やがて水分蒸発が進み、所定時間後にはインクの堆積が発生してしまう。また、これ以上吐出発数を多くすると、キャップの容積以上のインク量のインクがキャップに吐出されることになってしまい、キャップからインクが溢れてしまうおそれがある。
そこで、(C)では、さらに、インクの堆積やインクの溢れを抑制する対策として、記録動作の終了後にキャップに2000発の予備吐出を行った後、吸引ポンプを駆動してキャップ内のインクを吸引する空吸引を実施した。キャップ予備吐の直後にこの空吸引を実施することで、キャップからインクが溢れることを防止することができた。また、この空吸引によってインクの蒸発が進む前にキャップ吸収体のインクを排出することができたため、(B)の場合よりもさらにインクの堆積を抑制することできた。
本発明者らの検討によれば、インクの堆積は、水分蒸発によりインク中の顔料・固形分量の比率が高くなることでインク吸収体にインクが固着し発生する。特に、記録動作において所定のインクがあまり使用されなかった場合、記録動作中にその使用されていないインクの水分が吐出口から蒸発しインクが増粘する。記録後予備吐において、そのようなインクが吐出されキャップ吸収体に着弾すると、インクの堆積を抑制する効果が低下してしまうことが分かった。一方、記録動作においてよく使用されているインクに関しては、使用によりノズルにはフレッシュなインクが供給される。記録後予備吐において、そのようなインクが吐出されキャップ吸収体に着弾しても、インクの堆積を抑制する効果は低下しないことが分かった。
本発明者らは、堆積インクとしてブラックインクを用いて、堆積インクと記録動作における非吐出時間の関係を調べる実験を行った。実験では、ブラックインクを使用した3種類の記録画像で記録動作を行ったときの、インク吸収体におけるブラックインクの堆積の状態を確認した。この際、3種類の記録画像として、図8の(A)、(B)、(C)に示すような記録パターンを用いた。(A)は、記録媒体Pの左端部付近にのみ画像(Y方向に沿った1ラインの画像)がある記録パターンである。(B)は全面に画像がある、いわゆるベタ画像(600dpi)の記録パターンである。(C)は、Y方向における画像の長さが(A)、(B)の半分であり、記録媒体Pの左端部付近に、総打ち込み量(総吐出量)が(A)と同じになるような画像(Y方向に沿った2ラインの画像)がある記録パターンである。(C)は、記録動作に要する記録時間が(A)の半分である。
図9は、図8の(A)、(B)、(C)の各画像を連続して20枚記録した場合のキャップ吸収体におけるインクの堆積の状態を示す表である。ここで、記録前予備吐では、キャップに各色各ノズル100発ずつの吐出を行い、記録後予備吐では、各色各ノズル1000発の吐出を行った。結果、(A)にはインクの堆積が発生し、(B)、(C)にはインクの堆積が発生しなかった。
図10は、図8の(A)、(B)、(C)の各画像を連続して20枚記録した場合に、キャップ吸収体におけるインクの堆積を抑制するために、記録後予備吐において必要なインクの吐出発数を調べた結果である。結果、(A)では、インクの堆積を抑制するために、記録後予備吐において2000発のインクの吐出が必要であり、(B)、(C)では、インクの堆積を抑制するために、記録後予備吐において1000発のインクの吐出で良いことが分かった。
これは、(A)に関しては、記録動作においてブラックインクがあまり使用されなかったため、記録ヘッドからインクの水分が蒸発してインクの増粘が進み、記録後予備吐におけるインクの堆積を抑制する効果が低下したためである。一方、(B)に関しては、記録動作においてブラックインクが多く使用されたため、記録ヘッドからインクの水分があまり蒸発せずインクの増粘も進まず、記録後予備吐におけるインクの堆積を抑制する効果が低下しなかったためである。また、(C)に関しては、記録動作においてブラックインクはあまり使用されていないが、記録動作に要する記録時間が短かったため、記録ヘッドからインクの水分があまり蒸発せずインクの増粘も進まず、記録後予備吐におけるインクの堆積を抑制する効果が低下しなかったためである。
このように、記録動作において使用される堆積インクのインク量が所定量より多い場合や、記録時間が所定時間より短いような場合には、記録後予備吐において吐出するインク量を低減することができることが分かった。具体的には、記録動作におけるブラックインクの吐出発数Dが所定のドット数Dth(所定量)より大きい場合(D>Dth)、記録後予備吐における吐出数を通常の2000発より少ない1000発に抑えることができる。また、記録動作に要する記録時間Tが所定時間Tthより短い場合(T<Tth)、記録後予備吐における吐出数を通常の2000発より少ない1000発に抑えることができる。
本発明は上記新たな知見に基づいてなされたものである、以下、本実施形態に係る特徴的な制御を図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101において、CPU1000から記録命令を受信する。記録命令を受信すると、次のステップS102へ進み、キャップに対し記録前予備吐を行う。この記録前予備吐において吐出するインクの発数は、各色各ノズル100発ずつである。これは、記録動作において吐出不良となり画像形成に支障をきたさないよう、吐出口からの水分蒸発等により増粘したインクを排出するのに必要なインク量である。次に、ステップS103へ進み、堆積インク(本実施形態ではブラックインク)の消費量と記録時間の測定を開始する。そして、ステップS104において、記録命令に係る画像を記録媒体に記録する記録動作を開始する。記録動作が完了すると、ステップS105において、堆積インクの消費量と記録時間の測定を終了する。そして、ステップS106において、記録ヘッドの吐出口面に付着したインクや紙粉を除去することを目的として、記録ヘッドの吐出口面をワイピングするワイピング動作を実施する。
次に、ステップS107では、測定した記録時間が所定時間Tthより長いか否かを判定する。記録時間が所定時間Tthより長い場合は、ステップS108へ進む。ステップS108では、測定した堆積インクの消費量が所定のドット数Dthより多いか否かを判定する。堆積インクの消費量が所定のドット数Dthより少ない場合は、ステップS109へ進む。このとき、堆積インクの水分は吐出口から蒸発しインクの増粘が進んでおり、記録後予備吐によるインクの堆積を抑制する効果は低下している。よって、ステップS109では、通常通り、各色各ノズル2000発ずつの記録後予備吐を行い、ステップS111へ進む。ここでの記録後予備吐では、堆積インクの蒸発分を考慮した十分な量の吐出量が設定されているため、この記録後予備吐によって、キャップ吸収体におけるインクの堆積を抑制することができる。また、ここでの記録後予備吐では、堆積抑制インクのみならず堆積インクも含めて各色のインクを吐出するため、ワイピング動作の実施により混色した各色のインクを吐出口外に排出することができる。
一方、ステップS107において、記録時間が所定時間Tthより短い場合、または、ステップS108において、堆積インクの消費量が所定のドット数Dthより多い場合は、ステップS110へ進む。このとき、堆積インクの水分は吐出口からあまり蒸発せずインクの増粘はあまり進んでおらず、記録後予備吐によるインクの堆積を抑制する効果は低下していない。よって、ステップS110では、記録後予備吐において吐出するインクの発数を減らすことができ、各色各ノズル1000発ずつの記録後予備吐を行い、ステップS111へ進む。ここでも同様に、記録後予備吐において堆積抑制インク及び堆積インクを吐出することにより、ワイピング動作の実施により混色した各色のインクを吐出口外に排出することができる。
次に、ステップS111において、吸引ポンプを駆動して空吸引を実施する。これにより、キャップからインクが溢れることを防止することができる。この空吸引を行った後、本制御を終了する。
本実施形態では、記録後予備吐において、通常の記録後予備吐では2000発、吐出量を減らした記録後予備吐では1000発のインクを吐出するように設定したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、記録時間や記録動作中の堆積インクの消費量などに応じて変化するようにしても良い。
また、インクの蒸発のし易さは環境温度や環境湿度に応じて異なる。高温・低湿の環境下においては、インクは水分蒸発が進み増粘し易くなる。一方、低温・高湿環境下においては、インクは水分蒸発が進まず増粘し難くなる。そこで、記録後予備吐において、低温・高湿になるほど予備吐量を減らすようにしても良い。すなわち、記録後予備吐において、環境温度が所定温度より低い場合に吐出するインク量を、環境温度が所定温度より高い場合に吐出するインク量よりも少なくしても良い。また、記録後予備吐において、環境湿度が所定湿度より高い場合に吐出するインク量を、環境湿度が所定湿度より低い場合に吐出するインク量よりも少なくしても良い。
以上、本実施形態によれば、記録動作において使用される堆積インクのインク量が所定量より多い場合や、記録時間が所定時間より短いような場合には、記録後予備吐において吐出するインク量を低減する。これにより、キャップにおけるインクの堆積を好適に抑制しつつ、インクの堆積を抑制するために使用するインク消費量を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、図面を参照しながら本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
第1実施形態では、図11のステップS109またはステップS110において、記録後予備吐を実施した直後に、ステップS111において一律に空吸引を行っていた。しかし、空吸引はキャップに溜まったインクをすべて排出しようとする吸引動作であるため、空吸引には時間を要する。本実施形態は、その空吸引に要する時間を条件に応じて削減することが可能な構成である。
本実施形態に係る特徴的な制御を図12のフローチャートを用いて説明する。ここで、ステップS201〜S210までは、第1実施形態において説明した図11のステップS101〜S110までと同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態では、ステップS209において、通常の記録後予備吐(各色各ノズル2000発ずつ)を行った後は、ステップS211において、通常の空吸引を行う。ここでの空吸引では吸引ポンプを5秒間駆動する。一方、ステップS210において、吐出発数の少ない記録後予備吐(各色各ノズル1000発ずつ)を行った後は、ステップS212において、通常の空吸引よりも短い駆動時間の空吸引を行う。ここでの空吸引では吸引ポンプを1秒間駆動する。このように、堆積抑制インクがあまり増粘していないような場合には、空吸引によってインクが吸引されやすかったり、自重でキャップ吸収体に浸透したりするため、短い空吸引時間(駆動時間)でキャップ内のインクを吸引排出することができる。ここで、堆積抑制インクがあまり増粘していないような場合には、空吸引の時間を減らす構成としたが、空吸引を行わない構成とすることもできる。
以上、本実施形態によれば、記録動作において使用される堆積インクのインク量が所定量より多い場合や、記録時間が所定時間より短いような場合には、記録後予備吐において吐出するインク量を低減し、さらに空吸引の時間を削減する。これにより、キャップにおけるインクの堆積を好適に抑制しつつ、インクの堆積を抑制するために使用するインク消費量を低減し、さらに空吸引によるスループットの低下を抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、図面を参照しながら本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
上記実施形態では、記録動作の開始前の記録前予備吐によりキャップに吐出したインクの堆積を、記録動作の終了後の記録後予備吐により抑制する構成について説明した。本実施形態では、縁なし記録動作においてプラテンに吐出したインクの堆積を、記録動作の終了後の記録後予備吐により抑制する構成について説明する。
以下縁なし記録動作を行う際の制御について説明する。
図13は、本実施形態において縁なし記録動作を行う際の記録媒体とプラテン吸収体の関係を示す模式図である。プラテン300は、搬送される記録媒体Pを下方より支持するために、キャリッジ100の移動方向に延在して設けられている。記録ヘッド101は、縁なし記録動作を行う際、記録媒体Pの端部を超えた位置(記録媒体外)に対してもインクを吐出する。また、記録ヘッド101は、内部の増粘インクを排出するために、記録媒体外に対して記録に寄与しないインクを吐出する予備吐出動作を行う。
プラテン300には、記録媒体外に対してはみ出して吐出されたインクを収容するプラテン吸収体(インク吸収体、インク受け部)301が配されている。プラテン吸収体301に収容されたインクは、その後、プラテン300の下方より排出され、記録装置本体の下部に設けられた廃インク収容部504に排出(回収)されるように構成されている。なお、本実施形態において縁なし記録動作を行う際は、記録媒体の大きさよりも3mm程外側にはみ出した領域まで、記録ヘッド101によりインクが吐出される。
図14は、本実施形態において縁なし記録動作を行う際の堆積インクのカウント領域を説明するための模式図である。本実施形態では、上述したように、縁なし記録動作を行う際には、記録媒体の領域Pよりも先端部、後端部、右端部および左端部にそれぞれ3mmずつはみ出した領域に対してもインクを吐出する。図14では、このようなはみ出した領域を斜線で示し、それぞれ、先端部はみ出し領域、後端部はみ出し領域、右端部はみ出し領域、左端部はみ出し領域に分類している。右端部はみ出し領域および左端部はみ出し領域に対して吐出されたインクは、図13に示したプラテン吸収体301の右端部領域と左端部領域にそれぞれ吸収される。また、先端部はみ出し領域および後端部はみ出し領域に吐出されたインクは、図13に示したプラテン吸収体301の先後端部領域に吸収される。なお、各領域の分割は上記例に限らず、さらに細かく分割しても良い。
CPU1000は、ホスト装置から縁なし記録動作を行う記録命令を受信すると、はみ出し領域に吐出される堆積インクのドット数を算出する。堆積インクのドット数の算出にあたっては、プラテン吸収体301の右端部領域に吐出されるインクのドット数、左端部領域に吐出されるインクのドット数、さらに先後端領域に吐出されるインクのドット数をインク種類ごとにカウントする。そして、堆積インクとなる顔料インクのカウント結果から、堆積抑制インクとなる顔料インクのドット数を差し引くことによって、堆積ドット数を算出する。すなわち、
堆積ドット数=シアンドット数+マゼンタドット数+イエロードット数+ブラックドット数+レッドドット数−(ライトシアンドット数+ライトマゼンタドット数+グレイドット数+クリアインクドット数)
となる。なお、本実施形態では、堆積インクのドット数と堆積抑制インクのドット数との差である堆積ドット数を算出することにより、プラテン吸収体301の各領域における堆積インクの堆積状況に関する情報を取得した。しかし、例えば、単に顔料インクのドット数のみを算出する構成としても良い。また、本実施形態では堆積インクの吐出発数をカウントしているが、堆積インクの吐出量や、その比率等を算出しても良い。
CPU1000は、ROM1001に予め格納されているテーブルを参照することにより、算出した各領域の堆積ドット数から、各領域に対して吐出するそれぞれの堆積抑制インクの吐出数(ドット数)を決定することができる。この堆積ドット数や堆積抑制インクの吐出数は、後述する制御で用いられる。
堆積インクに対して堆積抑制インクを吐出する堆積抑制制御(後がけ制御)について図15を用いて説明する。縁なし記録動作が終了すると、ステップS331では、縁なし記録動作によってインクが吐出されたプラテン上の領域と対向する位置(所定位置)へキャリッジ100を移動させる。ステップS332では、前述した方法で予め算出した堆積抑制インクのドット数を取得する。具体的には、下記式により、取得した堆積ドット数に所定の係数Bを掛けて堆積抑制インクのドット数を算出する。
吐出する堆積抑制インクのドット数(後がけ量AT)=係数B×堆積ドット数
係数Bは、堆積インクに対して堆積抑制インクを吐出したときの効果を事前に検討・評価して設定された係数である。ここでは、堆積ドット数と吐出する堆積抑制インクのドット数を比例関係として算出している。インクの堆積は環境依存性が大きいため、係数Bは温度や湿度等の環境によって変化する係数としても良い。なお本実施形態においては、予め記録動作の開始前に記録データから上記の堆積ドット数や堆積抑制インクの吐出ドット数を計算して取得しているが、記録動作の終了後に計算しても良いし、例えばステップS332において計算しても良い。
ステップS333では、ステップS332で取得した堆積抑制インクの吐出量分の堆積抑制インクの吐出を行う。ここで、図13の先後端部領域のようにプラテン吸収体上の広い領域に亘ってインクの堆積を抑制しようとする場合には、キャリッジを複数回往復移動させながら堆積抑制インクを吐出しても良い。また、狭い領域におけるインクの堆積を抑制しようとする場合には、その領域上にキャリッジを停止させて堆積抑制インクを吐出しても良い。堆積抑制インクの吐出が終了すると、後がけ制御は終了する。
なお、本実施形態では、縁なし記録動作によりプラテン吸収体のはみ出し領域に吐出されたインクの堆積抑制について述べた。しかし、予備吐出動作によりプラテン吸収体に吐出されたインクの堆積抑制に本発明を適用しても良い。
次に、本実施形態に係る制御を図16のフローチャートを用いて説明する。ステップS301において、CPU1000から縁なし画像を記録する旨の記録命令を受信する。記録命令を受信すると、次のステップS302へ進み、記録ヘッド101は、キャリッジ100によりキャップ500と対向する位置へ移動し、記録前予備吐を行う。これにより、記録動作の前に、各色のインクの増粘を十分に解消することができる。次に、ステップS303へ進み、堆積抑制インク(本実施形態ではクリアインク)の消費量と記録時間の測定を開始する。そして、ステップS304において、記録命令に係る縁なし画像を記録媒体に記録する縁なし記録動作を開始する。縁なし記録動作が完了すると、ステップS305において、堆積抑制インクの消費量と記録時間の測定を終了する。そして、ステップS306において、記録ヘッド101の吐出口面に付着したインクや紙粉を除去することを目的として、記録ヘッド101の吐出口面をワイピングするワイピング動作を実施する。
次に、ステップS307では、測定した記録時間が所定時間Tthより長いか否かを判定する。記録時間が所定時間Tthより長い場合は、ステップS308へ進む。ステップS308では、測定した堆積抑制インクの消費量が所定のドット数Dthより多いか否かを判定する。堆積抑制インクの消費量が所定のドット数Dthより少ない場合は、ステップS309へ進む。このとき、堆積抑制インクの水分は吐出口から蒸発しインクの増粘が進んでいる。このような堆積抑制インクがプラテン吸収体へ着弾しても、インクの堆積を抑制する効果は低減しているおそれがある。よって、ステップS309では、上述したような、通常通りの後がけ制御を実施する。この後がけ制御では、堆積抑制インクの蒸発分を考慮した十分な量の吐出量が設定されているため、この後がけ制御によって、プラテン吸収体におけるインクの堆積を抑制することができる。
一方、ステップS307において、記録時間が所定時間Tthより短い場合、または、ステップS308において、堆積抑制インクの消費量が所定のドット数Dthより多い場合は、ステップS310へ進む。ステップS310では、上述した通常の後がけ制御における吐出量よりも少ない吐出量の後がけ制御を実施する。この後がけ制御では、通常の後がけ制御における後がけ量ATの半分の後がけ量(1/2AT)としている。
ここでは、説明の簡単のため、後がけ制御において、クリアインクのみを堆積抑制インクとして用いる構成としたが、他のライトシアンインクやライトマゼンタインクなどの堆積抑制インクを用いて同様の計算、制御を行う構成としても良い。
また、後がけ量を減らした後がけ制御では、通常の後がけ制御の半分の後がけ量としたが、通常の後がけ量に対して係数Kを掛けることとし、係数Kを記録時間や記録動作中の堆積抑制インクの消費量などに応じて変化することとしても良い。
以上、本実施形態によれば、記録動作において使用される堆積抑制インクのインク量が所定量より多い場合や、記録時間が所定時間より短いような場合には、記録動作の終了後の後がけ制御において吐出するインク量を通常より減らす。これにより、プラテンにおけるインクの堆積を好適に抑制しつつ、インクの堆積を抑制するために使用するインク消費量を低減することができる。
1 インクジェット記録装置
101 記録ヘッド
300 プラテン
301 プラテン吸収体
500 キャップ
501 キャップ吸収体

Claims (18)

  1. インクを受けるインク受け部と、
    前記インク受け部に吐出された場合にインクの堆積が発生する第1のインクのための吐出口と当該インクの堆積を抑制する第2のインクのための吐出口とを有し、記録媒体に画像を記録する記録動作を行う記録ヘッドと、
    記録命令があったときに、前記記録動作を行う前に前記記録ヘッドに前記インク受け部に対して規定量の第のインクおよび第2のインクを吐出させる第1の吐出制御と、当該記録動作の終了に応じて、前記記録ヘッドに前記第1の吐出制御において吐出された前記インクの堆積を抑制するための前記第2のインクと、前記第1のインクとを、前記インク受け部に対して吐出させる第2の吐出制御とを行う制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記制御手段は、前記記録動作に要した記録時間が所定時間より短い場合には前記第2の吐出制御において第1の量の前記第2インクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が所定量より少ない場合には、前記第2の吐出制御において前記第1の量より多い第2の量の前記第2のインクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が前記所定量以の場合には前記第2の吐出制御において前記第2の量より少ない量の前記第2のインクを吐出させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記第2の吐出制御において、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が前記所定量以の場合には前記記録ヘッドから前記第1の量の前記第2インクを吐出させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドの吐出口面を覆うキャップをさらに備え、
    前記インク受け部は、前記キャップに配されたキャップ吸収体であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第2の吐出制御を行う前に前記記録ヘッドの吐出口面をワイピングするワイパをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第2の吐出制御を行った後に、次の記録命令を受ける前に前記インク受け部におけるインクを吸引する吸引動作を行う吸引ポンプをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記吸引ポンプは、前記吸引動作において、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が前記所定量より多い場合の駆動時間を、前記第1のインクの吐出量が前記所定量より少ない場合の駆動時間よりも短くすることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記第2の吐出制御において、環境温度が所定温度より低い場合に吐出するインク量を、前記環境温度が前記所定温度より高い場合に吐出するインク量よりも少なくすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記制御手段は、前記第2の吐出制御において、環境湿度が所定湿度より高い場合に吐出するインク量を、前記環境湿度が前記所定湿度より低い場合に吐出するインク量よりも少なくすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. インクを受けるインク受け部と、
    前記インク受け部に吐出された場合にインクの堆積が発生する第1のインクのための吐出口と当該インクの堆積を抑制する第2のインクのための吐出口とを有し記録媒体に画像を記録する記録動作を行う記録ヘッドと、
    前記記録動作の終了に応じて、前記記録ヘッドに前記インク受け部におけるインクの堆積を抑制するために前記インク受け部に対して前記第2のインクを吐出させる吐出制御を行う制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記制御手段は、前記記録動作に要した記録時間が所定時間より短い場合には前記吐出制御において、第1の量の前記第2のインクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第2のインクの吐出量が所定量より少ない場合には前記吐出制御において、前記第1の量より多い第2の量の前記第2のインクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第2のインクの吐出量が前記所定量以の場合には前記吐出制御において、前記第2の量より少ない量の前記第2のインクを吐出させることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 前記制御手段は、前記吐出制御において、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が前記所定量以の場合には前記記録ヘッドから前記第1の量の前記第2のインクを吐出させることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 記録媒体を下方より支持するプラテンをさらに備え、
    前記インク受け部は、前記プラテンに配されたプラテン吸収体であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録ヘッドは、記録媒体外に対してもインクを吐出して画像を記録する縁なし記録動作を行い、
    前記インク受け部は、前記縁なし記録動作において吐出されたインクを受けることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記制御手段は、前記吐出制御において、前記インク受け部に吐出された前記第1のインクの吐出量と前記インク受け部に吐出された前記第2のインクの吐出量とに基づいて決定されるインク量の前記第2のインクを吐出することを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記第1のインクは、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、ブラックインク、およびレッドインクの少なくともいずれか1つであり、
    前記第2のインクは、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、およびクリアインクの少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記第1のインクは顔料インクであり、前記第2のインクは染料インクであることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  16. インクを受けるインク受け部と、
    前記インク受け部に吐出された場合にインクの堆積が発生する第1のインクのための吐出口と当該インクの堆積を抑制する第2のインクのための吐出口とを有し、記録媒体に画像を記録する記録動作を行う記録ヘッドと、
    記録命令があったときに、前記記録動作を行う前に前記記録ヘッドに前記インク受け部に対して規定量の第のインクおよび第2のインクを吐出させる第1の吐出制御と、当該記録動作の終了に応じて、前記記録ヘッドに前記第1の吐出制御において吐出された前記インクの堆積を抑制するための前記第2のインクと、前記第1のインクとを、前記インク受け部に対して吐出させる第2の吐出制御とを行う制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記第2の吐出制御を行った後に、前記インク受け部におけるインクを吸引する吸引動作を行う吸引ポンプと、
    を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記制御手段は、前記第2の吐出制御において、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が所定量より多い場合に吐出する第2のインク量を、前記第1のインクの吐出量が前記所定量以下の場合に吐出する第2のインク量よりも少なくし、
    前記吸引ポンプは、前記吸引動作において、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が前記所定量より多い場合の駆動時間を、前記第1のインクの吐出量が前記所定量より少ない場合の駆動時間よりも短くすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. インクを受けるインク受け部に吐出された場合にインクの堆積が発生する第1のインクのための吐出口と当該インクの堆積を抑制する第2のインクのための吐出口とを有し記録媒体に画像を記録する記録動作を行う記録ヘッドを用いて、記録命令があったときに前記記録動作を行う前に前記記録ヘッドに前記インク受け部に対して規定量の第1のインクおよび第2のインクを吐出させる第1の吐出制御と、当該記録動作の終了に応じて、前記記録ヘッドに前記第1の吐出制御において吐出された前記インクの堆積を抑制するための前記第2のインクと、前記第1のインクとを、前記インク受け部に対して吐出させる第2の吐出制御とを行う堆積抑制方法であって、
    前記記録動作に要した記録時間が所定時間より短い場合には前記第2の吐出制御において第1の量の前記第2のインクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が所定量より少ない場合には、前記第2の吐出制御において前記第1の量より多い第2の量の前記第2インクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第1のインクの吐出量が前記所定量以の場合には前記第2の吐出制御において前記第2の量より少ない量の前記第2のインクを吐出させることを特徴とする堆積抑制方法。
  18. インクを受けるインク受け部に吐出された場合にインクの堆積が発生する第1のインクのための吐出口と当該インクの堆積を抑制する第2のインクのための吐出口とを有し記録媒体に画像を記録する記録動作を行う記録ヘッドを用いて前記記録動作を行った後に、前記記録動作の終了に応じて前記インク受け部におけるインクの堆積を抑制するために前記インク受け部に対して前記第2のインクを吐出する吐出制御を行う堆積抑制方法であって、
    前記記録動作に要した記録時間が所定時間より短い場合には前記吐出制御において、第1の量の前記第2のインクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第2のインクの吐出量が所定量より少ない場合には前記吐出制御において、前記第1の量より多い第2の量の前記第2のインクを吐出させ、前記記録時間が前記所定時間以上であって、前記記録動作における前記第2のインクの吐出量が前記所定量以の場合には前記吐出制御において、前記第2の量より少ない量の前記第2のインクを吐出させることを特徴とする堆積抑制方法。
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