JP2005343010A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録動作中に予備吐出動作が必要となるシリアルスキャン型のカラーインクジェット記録装置において、記録中の予備吐出動作に関わる時間を極力低減し、高精細な画像も高速に出力可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 記録中の予備吐出動作を、記録ヘッドの加速区間あるいは減速区間に設けられた予備吐出口に対して行い、その吐出回数は、各色のノズルが予備吐出口を通過する際の移動速度に応じてインク色ごとに設定する。これにより、狭い幅の予備吐出口であっても、記録ヘッドの走査を停止することなく必要な予備吐出を実行することが出来、記録中の予備吐出に関わる消費時間を極力低減しつつも、比較的小型な構成で高品位の画像を高速に出力することが可能となる。
【選択図】 図9

Description

本発明はインクジェット記録装置に関し、特にインクジェット記録ヘッドの予備吐出方法に関するものである。
単数或いは複数の吐出口よりインク滴を吐出し、これを記録媒体に付与することによって画像を形成するインクジェット記録装置は、比較的小型で低コストに実現できることから、近年急速に普及している。インクジェット記録装置においては、微細に形成された記録素子(ノズル)に定常的にインクが供給された状態で、記録信号に応じてノズルの端部に位置する吐出口からインクが吐出される。このような構成上、インクがある程度吐出口から蒸発することは避けられない。特に、非記録時間が長かったり、使用環境が高温や低湿度であったりすると、蒸発に伴って粘度が増したインクが増粘インクとなり、吐出口近傍に固着してしまう場合もある。このような状態で記録を継続すると、インク滴が正規の方向に吐出されなかったり、記録の開始直後のみ染料濃度の高いインクが吐出されたりして、記録媒体においては白スジや濃度ムラのような画像弊害が引き起こされる。
そこで、記録ヘッドの非記録時間が所定値以上になった場合や、非記録時間が所定値以上になったノズルが確認された場合などにおいては、記録ヘッドの吐出状態を良好に維持するための予備吐出動作を行うことが一般となっている。予備吐出動作とは、記録とは無関係の吐出を所定回数行う動作であり、これについての詳細は、例えば特許文献1などによって開示されている。
予備吐出動作によって吐出されるインク滴は、記録装置内に設置されたインク受容部(以下、予備吐出口と称す)に収容されたり、上記吸引動作時や待機時に吐出口面をキャッピングするキャップに向かって吐出されたりすることが一般である。但し、記録中に画像上問題とならない程度に、紙面上に予備吐出を行う方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。
予備吐出動作を実行するタイミングは様々である。上述のように、非記録時間が所定量以上になった場合以外にも、記録画像のページ頭やページ間、また、全ての記録走査の直前または直後に行われる場合もある。更に、インクジェット記録装置においては、インク滴が付着した記録ヘッドの吐出口面を一掃するワイピング動作や、吐出口内のインクを強制的に吸引する吸引動作も、良好な吐出状態を維持するために行われている。そして、このような動作の後にも、異なるインク色を吐出する吐出口間での混色を防止する等の目的のために、予備吐出動作は行われている。
特開平6−126982号公報 特開昭55−139269号公報
ところで、近年のインクジェット記録装置に対しては、更に高解像な画像を更に高速に記録することへの要求が高まっている。これに応えるために、記録ヘッドにおいては、各吐出口から吐出されるインクを少量化し、適用するインク色や記録素子数すなわち吐出口の数を増大化させようとする傾向にある。このような状況においては、吐出口からのインクの蒸発も促進され、吐出状態への影響も大きくなりがちになる。よって、近年のインクジェット記録装置においては、従来に比べ、記録動作中の予備吐出動作が、より頻繁なタイミングで必要になって来ていると言える。
しかしながら、記録動作中に予備吐出動作を頻繁に行うことは、記録ヘッドをインク受容部やキャップのような予備吐出位置まで移動させ、予備吐出のために停止させる回数が増加するので、記録速度の低下を招くことになる。また、多くのインク色を吐出する記録ヘッドに対しては、インク受容部も記録ヘッドの幅すなわちインク色の数に応じて増幅した状態で記録領域外に用意されなければならず、記録装置自体が大型化される原因にもなる。
これに対し、特許文献2に記載されているように、記録中の記録媒体上で十分な紙面予備吐出が実行できれば、上記問題は緩和される。しかし、ブラックインクのように濃度の高いインクの場合には、画像品位を劣化させないために、紙面上への予備吐出が殆ど許容されない場合も少なくない。よって、近年のインクジェット記録装置では、特に画像品位を重視する記録モードにおいて、予備吐出のために費やされる記録時間が多大なものとなってしまっていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、記録動作中に予備吐出動作が必要となるシリアルスキャン型のインクジェット記録装置において、記録中の予備吐出動作に関わる時間を極力低減し、高精細な画像も高速に出力可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することである。
そのために本発明においては、記録信号に応じてインクを吐出する複数の記録素子を有する記録素子列を、所定の方向に複数配列した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを前記所定の方向に移動走査しながら前記記録素子よりインクを吐出する記録主走査と、該記録主走査とは交差する方向に記録媒体を所定量搬送する副走査とを交互に繰り返すことによって、前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置において、前記記録主走査中に、前記記録ヘッドが停止状態から所定の速度に達するまでの加速区間と、該所定の速度で移動しつつ前記記録媒体に対しインクを吐出する等速区間と、前記記録ヘッドが前記所定の速度から停止状態に到達するまでの減速区間とを含むように、前記記録ヘッドの移動速度を制御する手段と、前記加速区間または前記減速区間の少なくとも一方に設けられ、前記記録媒体に形成すべき画像とは無関係な記録信号に基づいて前記記録ヘッドより予備的に吐出されるインク滴を受容するための予備吐出口と、を具備し、前記予備的に吐出されるインク滴の数は、前記記録素子列が前記予備吐出口を通過する際の移動速度に応じて、前記複数の記録素子列に対応して設定されていることを特徴とする。
また、記録信号に応じてインクを吐出する記録素子を、所定の方向に複数のインク色分配列した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを前記所定の方向に移動走査しながら前記記録素子よりインクを吐出する記録主走査と、該記録主走査とは交差する方向に記録媒体を所定量搬送する副走査とを交互に繰り返すことによって、前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法において、前記記録主走査中に、前記記録ヘッドが停止状態から所定の速度に達するまでの加速区間と、該所定の速度で移動しつつ前記記録媒体に対しインクを吐出する等速区間と、前記記録ヘッドが前記所定の速度から停止状態に到達するまでの減速区間とを含むように、前記記録ヘッドの移動速度を制御する工程と、前記加速区間または前記減速区間の少なくとも一方に設けられた予備吐出口に対し、前記記録媒体に形成すべき画像とは無関係の記録信号に基づいて前記記録ヘッドからインク滴を吐出する予備吐出工程と、を具備し、前記予備吐出工程において吐出されるインク滴の数は、前記記録素子が前記予備吐出口を通過する際の移動速度に応じて、前記複数のインク色に対応して設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、狭い幅の予備吐出口であっても、記録ヘッドの走査を停止することなく必要な予備吐出を実行することが出来るので、記録中の予備吐出に関わる消費時間を極力低減しつつも、比較的小型な構成で高品位の画像を高速に出力することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に適用可能なインクジェット記録装置の内部構成を説明するための概観斜視図である。本実施形態で適用する記録装置は、シリアルスキャン型のカラーインクジェット記録装置である。シリアルスキャン型の記録装置では、記録ヘッドを搭載したキャリッジが移動走査しながら記録ヘッドよりインクを吐出する記録主走査と、当該記録主走査とは交差する方向に記録媒体を搬送する副走査とを、交互に繰り返しながら記録媒体に順次画像を形成していく。
記録が開始されると、まず給紙モータ5が駆動され、ギヤを介して回転する給紙ローラ6によって、記録媒体が給紙トレイ9より1枚給紙される。複数色分の記録ヘッドを搭載したキャリッジユニット2(以下、単にキャリッジとも言う)は、キャリッジモータ3の駆動によって、図のx方向に移動走査する。この時、記録ヘッドは画像信号に応じたタイミングでインクの吐出を行い、記録媒体上に1バンド分の画像を形成する。1バンド分の画像が形成されると、不図示の搬送モータによって記録媒体がy方向に所定量搬送され、さらに次のバンド幅に対して、記録ヘッドによる記録走査が実行される。
本実施形態ではキャリッジモータ3からキャリッジユニット2へ駆動力を伝達する手段として、キャリッジベルト4を用いている。但し、キャリッジベルトの代わりにリードスクリュー等他の駆動方法を用いても本実施形態は有効である。給紙された記録媒体は給紙ローラ6と圧力ローラ7の間を通って、記録ヘッドによる記録が可能な位置に導かれる。
図においてキャリッジユニット2が位置している箇所は、キャリッジユニット2のホームポジションである。記録が行われていないとき、ホームポジションの下部に配設されている不図示のキャップ手段は、記録ヘッドの吐出口面に対してキャッピングを行っている。記録が開始されると、キャップ手段は記録ヘッドを開放し、これによりキャリッジユニット2はx方向への移動走査が可能となる。
以下に、本実施形態の記録装置で適用可能なインクについて説明する。
本発明および本実施形態のインクに用いられる水溶性有機溶剤としては、公知のインクに使用されているものであれば、概ね使用することが出来る。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;チオジグリコール;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
上記の様な水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインクの全重量に対して重量%で1〜49%、好ましくは2〜30%の範囲である。又、上記の如き水溶性有機溶剤は、単独でも混合物としても使用出来るが、媒体を併有する場合の最も好ましい液媒体組成は、少なくとも1種の水溶性高沸点有機溶剤、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを含有するものである。また、記録品位を向上させることを目的として、必要に応じて硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム等、金属塩を使用することも可能である。
図2は本実施形態に適用可能なインクジェット記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。図2において、101はプログラマブル・ベリフェラルインターフェイス(以下PPIとする)である。PPI101は、不図示のホストコンピュータから入力される指令信号(コマンド)や記録情報信号を受信し、これをMPU102に転送する。また、コンソール106の制御や、キャリッジユニット2がホームポジションにあるか否かを検出するホームポジションセンサ107からの信号の受信も行っている。
MPU(マイクロプロセッシングユニット)102は、制御用ROM105に記憶された制御プログラムに従って、インクジェット記録装置内の各部を制御する。103はRAMであり、受信した信号を貯えたり、MPU102のワークエリアとして使用されたりと、各種データを一時的に記憶するために使用されている。104はフォント発生用ROMである。フォント発生用ROM104には、コード情報に対応した文字や記録等のパターン情報が記憶されており、入力されたコード情報に対応して各種パターン情報を出力する。121はプリントバッファであり、フォント用発生ROM104等により展開されたデータを記憶するための所定行分の容量を有している。
以上示した各ブロックは、アドレスバス117およびデータバス118を介することによって、MPU102により制御されている。
キャリッジモータ3は、記録ヘッド112を搭載したキャリッジ2を往復方向に移動走査させている。110は、紙等の記録媒体を副走査方向に搬送するための搬送モータである。113は、キャップ手段を駆動し、記録ヘッド112のインク吐出口に当接させてキャッピングを行うキャッピングモータである。キャッピングモータ113によるキャッピングにより、インク吐出口は外気より遮断され、ノズルの乾燥は極力抑制されることができる。更にキャッピングモータ113の駆動により、キャップ手段の近傍に配設されたワイパーも動作され、記録ヘッドの吐出口面に付着したインクなどを拭き取る等の動作を行うことも出来る。114、115、116および119は、それぞれキャッピングモータ113、キャリッジモータ3、給紙モータ5および搬送モータ110を駆動するためのモータドライバである。
本実施形態の、コンソール106には、キーボードスイッチ及び表示ランプなどが設けられている。また、ホームポジションセンサ107は、キャリッジ2のホームポジション近傍に設けられており、記録ヘッド112を搭載したキャリッジ2がホームポジションに到達したことを検知してMPUに情報を伝える。
109は記録部に設置されたシートセンサであり、記録媒体の有無を検出することにより、記録媒体が記録部まで正常に給紙されたか否かを判断する。
112は記録ヘッドである。本実施形態の記録ヘッドは、発生した熱エネルギを用いてインクに膜沸騰による状態変化を生起させ、発泡に応じた量のインク滴を吐出する方式のものである。記録ヘッド112には、複数個の吐出口と、各吐出口に対応した数の吐出用ヒータなどが設けられている。記録ヘッドについての詳細は、図を用いて後述する。
111は画像信号に応じて記録ヘッド112の吐出用ヒータを駆動するためのヘッドドライバである。120は上述した各部へ電源を供給するための電源部であり、駆動電源装置としてACアダプタと電池を有している。
図1および図2には示されていないが、キャリッジ2には、記録ヘッド112とともに各色のインクを収容した複数のインクタンクを搭載することが可能となっている。インクタンクとしてはPP、PE等の樹脂により、インジェクション・ブロー等により成型され、その後、超音波溶着、熱溶着、接着、勘合などの技術を用いて組み立てが行われたものを適用することが出来る。インクタンクの内部は、外装がそのままインクチャンバーとして機能する形式のものや内部にインクを充填した袋を持つもの、また内部に多孔質体挿入してインク保持をさせ同時に負圧を発生させるもの等の形態を採ることができる。負圧発生機構をタンク内部に持たせる場合には、タンク内部の袋部分を袋内部または外部に設けられたばね機構等によって拡大方向に支持することによって負圧を発生させることもできる。
記録が開始されると、キャップ手段は記録ヘッドを開放し、これによりキャリッジユニット2はx方向への移動走査が可能となる。1回の記録走査分の画像データがプリントバッファ121に蓄積されると、キャッリッジモータ3はキャリッジ2の移動走査を開始する。
本実施形態の記録装置においては、キャップ手段から開放され、実際にインクの吐出が開始されるまでの間に、記録前の予備吐出が実行される。通常、この予備吐出は一律の吐出発数に従って行われるか、もしくは非記録時間によって決められた発数に従って行われる。また、インクの色別に発数が設定されている場合もある。
記録動作が開始されると、必要に応じて記録中にも予備吐出が実行される。シリアルスキャン型の場合には、各記録走査の間のタイミングで行われるのが一般である。このときの予備吐出は、全てのノズルについて行っても良いが、前回までの記録走査で使用されなかったノズルや、使用頻度が少なかったノズルに対してのみ行うようにしてもよい。また、使用した頻度に基づいて予備吐出の回数を調整するような機構が設けられていても良い。
記録前や記録中の予備吐出については、予備吐出口までキャリッジを移動させて行うのが一般である。予備吐出口が全記録ヘッドに対応出来る幅を有している場合には、キャリッジが予備吐出口の位置に停止した状態で、全記録ヘッドによる予備吐出を一括して完了させることが出来る。但しこの場合には、先にも述べたように、幅広な予備吐出口を用意せねばならず、記録装置自体が大型化してしまう。よって本実施形態においては、1色分の記録ヘッドに対応可能な予備吐出口を備え、記録ヘッドが各色のノズル列の位置で、各色に対する予備吐出を順次実行可能な構成とする。
図3は、本実施形態で適用する記録ヘッド112の外観図である。図において、15は、ブラックインクを吐出するための吐出口、16はシアンインクのための吐出口、17はマゼンタインクのための吐出口、および18はイエローインクのための吐出口となっている。各色の吐出口は、1cmあたり約490個の配列密度で、1280個ずつ各色のオリフィスプレート11〜14上に形成されている。
23は、インク供給口である。吐出や吸引などによって吐出口からインクが消費されても、インク供給口23が各色のインクタンクと連結していることにより、吐出口までインクを供給することができる。
図4は、記録ヘッド112の内部構造を説明するための、図3で示すA−A’、B−B’におけるブラックヘッドの断面図である。インク供給口23より供給されたインクは、
第1のインク液室24内をH方向へと進む。第1のインク液室24がある程度充填されると、インクはJ方向へと進み、フィルター25を通過した後に、第2のインク液室26およびオリフィスプレートに形成された複数の吐出口15に供給される。インク流路にフィルター25を設けることにより、混入したゴミ等を、微細なノズルに混入させない様にすることが出来る。なお、吐出口15の配列する面の位置は、オリフィスプレート11の中でも、TAB面30に対し、一段凹んだ位置に形成されている。これは、各吐出口と記録媒体との接触を極力回避するためである。
図5は、オリフィスプレート上の吐出口の1つを示す拡大図である。各吐出口はオリフィスプレート31上に形成された円形状の穴となっている。
図6は、図5で示した1つの吐出口に対応する1つの記録素子の内部構造を説明するための拡大図である。ヒータ33は、吐出口の数と配列に応じた状態で、ヒータボード上に形成されている。液室形成部材34およびオリフィスプレート31が、各ヒータと各吐出口とが連通する様に、ヒータボード32上に重ねられることにより、ヒータ33から吐出口15までのインク流路(ノズル)が複数形成されている。本実施形態で適用するインクジェット記録ヘッドは、発生した熱エネルギを用いてインクに膜沸騰による状態変化を生起させ、発泡に応じた量のインク滴を吐出する方式のものである。すなわち、画像信号に応じて、ヒータ33に所定のパルスが印加されると、ヒータ33は急激に発熱し、これに接するインク内に発泡が起こる。発生した気泡の膨張により、ノズル内のインクはオリフィスプレートから所定量押し出される。更に、押し出されたインク滴は、空気との界面張力によって球状の液滴となって飛翔し、記録媒体に着弾されることによって記録が行われる。
図7は、記録ヘッド112のフェイス面に対するワイピング機構を示した図である。図において、20はブラックノズル用のワイパー、21はシアン、マゼンタおよびイエローに対応するカラーノズル用のワイパーを示している。ブラックノズル用のワイパー20は、図3で示したブラックのオリフィスプレート11の幅よりも若干狭く形成されている。これは、TAB面より凹んだ位置に形成されている吐出口に対し、ワイパーが入り込んで確実に払拭するための構成である。同様の理由から、カラーノズル用のワイパー21も、カラーの3つのオリフィスプレートの幅よりも若干狭く形成されている。また、ワイパー22は、TAB面を含む記録ヘッドフェイス面全体に付着したインクを取り除くための全面ワイパーである。ワイパー20、21および22は、ワイパー固定金具によって、本体内に設置された不図示のワイパーホルダーに取り付けられている。記録ヘッドに対するワイパーの位置あわせは、ワイパー20、21および22に設けられた開孔、およびワイパーホルダーに設けられたピンとの勘合によって行われる。ワイパー20、21および22は、キャッピングモータ113によって駆動され、記録ヘッド112のフェイス面に対し、図3および図7に示したG方向に移動し、吐出口部およびフェイス面全体を払拭する。ワイピング動作が終了すると、記録ヘッド112が搭載されたキャリッジ2はワイピング領域の外に退避し、ワイパー20、21および22は、ワイピング時と逆方向に駆動されて、ワイピング開始時のポジションに戻される。
本実施形態においては、各ページの記録終了時に、ワイピング動作の実行を判断する工程を設け、実行すると判断された場合のみ上述したようなワイピング動作を行う構成とした。実行するか否かの判断は、記録装置本体内に設けられたドットカウンタによって、ページ内への記録における吐出回数をカウントし、カウント値が所定の閾値以上の場合にワイピングを実行すると判断するものとした。但し、このような構成および方法は本発明を限定するものではない。例えば、本実施形態で適用可能な記録媒体としてはA4サイズ程度としているが、記録領域が更に大きいプロッターや大判プリンタの場合には、各記録走査後にワイピングを実行するか否かの判断を行うようにしてもよい。また、ヘッドフェイス面に付着するインクの量は、吐出回数のみでなく、記録デューティ(記録密度)によっても影響を受けることが知られている。よって、ドットカウンタによるカウント値のみでなく、記録中の記録デューティも加味して判断を行ってもよい。
以下に、本実施形態の最も特徴的な構成である、予備吐出について説明する。
図8は、本実施形態の記録ヘッドに対する、記録領域、予備吐出口、およびホームポジションの位置関係を説明するための模式図である。記録を行っていないとき、記録ヘッド112はホームポジション81にてキャッピングされた状態で待機している。
記録の開始コマンドが入力されると、まず記録ヘッド112がキャップ手段から開放され、記録ヘッドは記録領域まで移動する。この際、予備吐出口を通過するタイミングで、記録前の予備吐出が実行される。また、記録動作が開始されると、必要に応じて記録中にも予備吐出が実行される。本実施形態のようなシリアルスキャン型の場合には、各記録走査の間のタイミングで行われるのが一般である。このときの予備吐出は、全てのノズルについて行っても良いが、前回までの記録走査で使用されなかったノズルや、使用頻度が少なかったノズルに対してのみ行うようにしてもよい。また、使用した頻度に基づいて予備吐出の回数を調整するような機構が設けられていても良い。
図のような狭い幅の予備吐出口に対して行われる予備吐出では、記録ヘッドを予備吐出口に対して一時的に複数回停止させつつ、色ごとに順次予備吐出を行うのが一般となっている。これに対し、本実施形態においては、記録ヘッドを停止させない状態で予備吐出を行う。記録領域83においては、画像品位の点から、記録ヘッドは等速運動にて記録を行う。よって、記録ヘッド112がホームポジション81に停止した状態から、記録領域に到達するまでの間は、キャリッジ2は徐々に加速していく状態となっている。また、特にホームポジション81まで到達しない記録中においても、記録ヘッド112を載せたキャリッジ2は、その走査方向を切り替えるために走査速度の減速、停止、および向きを変えての加速を行う。
図9は、このような加速および減速を行いつつ記録領域では等速で移動する記録ヘッドにおいて、各色の吐出口の位置と、その位置における移動速度を説明するための図である。図において、901はブラックノズル、902はシアンノズル、903はマゼンタノズル、および904はイエローノズルの移動速度をそれぞれ示している。記録領域83においては、全てのノズルが一定の速度を保っているが、その両側の位置では加速および減速のために、移動速度が増減していることが分かる。本発明においては、このような加減速時に予備吐出を行うことを特徴としている。
図にも示すように、記録ヘッド112には各色のオリフィスプレートが、進行方向に順に並列している。このような構成においては、記録ヘッド112が予備吐出口82を通過する際の移動速度が各色で異なっており、これに準じて、予備吐出口82に対してインクを打ち込み可能な時間も、各色で異なることになる。例えば、図において最も右に位置するブラックの吐出口15は、加速を開始して、最も早いタイミングで予備吐出口82の位置に到達する。従って、他色に比べて最もキャリッジ速度の遅い状態で予備吐出口82を通過するため、予備吐出口82に対し比較的多数の予備吐出を行うことが出来る。すなわち、本実施形態のように、ホームポジション側からの加速時に予備吐出を行う構成においては、各色の吐出口が予備吐出口82を通過する際の速度は、ブラック(901)<シアン(902)<マゼンタ(903)<イエロー(904)の順となり、予備吐出可能な時間は、これとは逆のイエロー<マゼンタ<シアン<ブラックの順となる。
図10は、上記状態を考慮した上で設定した、本実施形態の予備吐出の回数を示した図である。ここでは、記録開始時および記録中における、1回の予備吐出で1つのノズルが吐出する回数を示している。図からもわかるように、各色の予備吐出回数は、各色の予備吐出可能な時間に対応してイエロー(4発)<マゼンタ(6発)<シアン(8発)<ブラック(10発)となっている。
このように、記録ヘッドの加速中に予備吐出を行うことは、従来のように記録ヘッドごとに一時的に停止させつつ予備吐出を行う構成に比べて、記録時間全体を短縮することができる。特に、吐出量が少なくノズル数が多い記録ヘッドを適用する場合には、毎回の記録走査のタイミングで予備吐出が必要になる場合が多いので、1回の予備吐出にかかる時間自体は少なくとも、累積される効果は多大なものとなる。また、記録ヘッドを停止することなく予備吐出が行えるにもかかわらず、予備吐出口自体は、1色分の幅を有していればよいので、記録装置も比較的小型の状態で構成することが出来る。
なお、予備吐出の必要性は、適用するインクの含有成分などによって異なってくる。本実施形態においては、ブラック>シアン>マゼンタ>イエローの順に予備吐出数を設定したが、予備吐出数を多く必要とするインク色をより右側に配置することにより、本発明をより効果的に実現することが出来る。
また、本実施形態においては、ホームポジション側からの加速中に予備吐出を行う構成としたが、キャリッジ2が減速しながらホームポジション側に戻る最中に予備吐出を行ってもよい。この場合であっても、予備吐出口82を通過する際の各色のオリフィスプレートの速度の関係は、ブラック<シアン<マゼンタ<イエローとなっており、図10で示した予備吐出数を採用することが出来る。
以上説明したように本実施形態によれば、記録ヘッドが予備吐出口を通過する際の、各色の通過速度を考慮した条件で予備吐出数を設定することにより、記録時間を極力増大させない状態で、記録中の予備吐出を効率的に実施することが可能となった。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の実施形態で採用した予備吐出に加えて、記録媒体上に対する予備吐出、いわゆる紙面予備吐を併用する構成とする。本実施形態においても、図1〜図9で説明した記録装置の構成は第1の実施形態と同様とする。
本実施形態で採用する紙面予備吐とは、背景の技術の項でも説明したように、画像を形成する記録媒体上に目立たない程度の予備吐出(記録)を実行するものである。記録媒体上での視認性は、インクの色によって異なることから、本実施形態においては、色ごとに吐出回数(吐出密度)を異なる範囲で設定する。
図11は、本実施形態の記録装置における、紙面予備吐の吐出密度および予備吐出口への予備吐出の回数を、色ごとに示した図である。ここでは、1つのノズルが、1回の記録走査で行う紙面予備吐の発数および予備吐出口への発数をそれぞれ示している。本実施形態において、明度が最も低く記録媒体上で最も視認しやすいブラックインクは、紙面予備吐を行わない構成としている。また、ブラックよりも徐々に明度の高くなる順、すなわちシアン、マゼンタ、イエローの順に、紙面予備吐の発数を多く設定している。これに対し、予備吐出口へ向けての発数は、第1の実施形態と同様に、各色が予備吐出口を通過する時間に対応して、イエロー(2発)<マゼンタ(3発)<シアン(4発)<ブラック(5発)としている。
既に説明したが、全ての予備吐出が紙面予備吐だけで賄うことが出来れば、記録速度は最も短縮され得ることが予想される。しかしながら、上述した視認性の問題からも、画像品位を保って行く上で紙面予備吐のみでは対応が困難な場合が多い。本実施形態においては、このように紙面予備吐だけでは予備吐出として不足な分を、予備吐出口への予備吐出で補う構成としている。この場合、図11にも示したように、予備吐出口82への発数は第1の実施形態に比べて少なく設定することが出来る。よって、より速い速度で予備吐出口を通過させても十分となる場合には、キャリッジ速度や加速度を更に上昇させて記録時間を更に短縮させることも可能となる。
また、本実施形態においては、記録媒体上で相対的に視認性の高いインクを、予備吐出口への吐出数を多く設定できる右側に配置することにより、本発明をより効果的に実現することが出来る。
更に本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、キャリッジ2が減速しながらホームポジション側に戻る最中に予備吐出口への予備吐出を行ってもよい。この場合であっても、予備吐出口82を通過する際の各色のオリフィスプレートの速度の関係は、ブラック<シアン<マゼンタ<イエローとなっており、図11で示した予備吐出数を採用することが出来る。
以上説明したように本実施形態によれば、記録ヘッドが予備吐出口を通過する際の、各色の通過速度を考慮した条件で予備吐出数を設定することと、記録媒体上への紙面予備吐を併用することにより、記録時間を極力増大させない状態で、記録中の予備吐出を効率的に実施することが可能となった。
以下に本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の実施形態で採用した予備吐出の構成を適用しつつも、複数の記録モードに応じて、キャリッジの移動速度および予備吐出数を可変に設定するものである。本実施形態においても、図1〜図8で説明した記録装置の構成は上述した実施形態と同様とする。
図12は、本実施形態における各色の吐出口の位置と、その位置での移動速度を説明するための図である。図において、1201〜1204は、低速記録モードでの移動速度を示しており、1201はブラックノズル、1202はシアンノズル、1203はマゼンタノズル、および1204はイエローノズルの移動速度をそれぞれ示している。また、1205〜1208は、高速記録モードでの移動速度を示しており、1205はブラックノズル、1206はシアンノズル、1207はマゼンタノズル、および1208はイエローノズルの移動速度をそれぞれ示している。記録領域83においては、低速記録モードでは速度1、高速記録モードでは速度2の状態で、全てのノズルが一定の移動速度を保っている。両側の位置では、どちらのモードでも加速度および減速度(グラフの傾き)は同じであるが、目標の一定速度に到達するために、加速を開始する位置および減速が終了する位置が異なっており、1205〜1208で示す高速モードの方が、より広い領域を走査する構成となっている。本実施形態においては、このような加減速時の速度の違いに応じた予備吐出を行うことを特徴としている。
本実施形態のように、記録モードによってキャリッジの移動速度が異なる場合、速度に応じて必要な予備吐出数も異なる。移動速度が遅いモードでは、移動速度が速いモードに比べて、予備吐出口83を通過する時間間隔が長くなるので、その間のインクの蒸発、増粘が促進されてノズルが吐出不良となる恐れも増大する。よって、各記録走査単位で必要となる予備吐出の発数もより多く設定されることが望まれる。
図13は、本実施形態の低速記録モードおよび高速記録モードにおける、予備吐出口82への予備吐出数を示した図である。低速記録モードにおいては、第1の実施形態と同様に、イエロー(4発)<マゼンタ(6発)<シアン(8発)<ブラック(10発)となっている。これに対し、高速記録モードでは、図12にも示したように、予備吐出口を通過する際の速度が、低速記録モードの場合よりも高い状態で通過するので、イエロー(2発)<マゼンタ(3発)<シアン(4発)<ブラック(5発)となっている。本実施形態においては高速記録モードにおいても第2の実施形態のような紙面予備吐は行っていないが、キャリッジの移動速度が高速な分、記録ヘッドが予備吐出口へ予備吐出を行う間隔も短くなるので、各ノズルにおけるインクの蒸発や増粘の度合いも緩和され、必要な予備吐出の回数も低減される。
以上説明したように、本実施形態によれば、記録ヘッドが予備吐出口を通過する際の、各色の通過速度を考慮した条件で、互いにキャリッジ速度の異なる複数の記録モードに対応した予備吐出数を設定することにより、各記録モードに適応しつつも、記録時間を極力増大させない状態で、記録中の予備吐出を効率的に実施することが可能となった。
以下に、本発明の第4の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の実施形態で採用した予備吐出口を記録領域の両側に配置させた構成を適用する。本実施形態においても、図1〜図7で説明した記録装置の構成は上述した実施形態と同様とする。
図14は、本実施形態で適用する記録装置の、記録領域と予備吐出口の位置関係を説明するための図である。ここでは、記録領域の幅が上述した実施形態よりも大幅なものとなっている。また、記録領域1403の両側には、予備吐出口A1402および予備吐出口B1404が配備されている。本実施形態のように大型な記録装置の場合、特に記録時間が大幅に増大するのを抑えるために、双方向の走査で記録が行われることが多い。しかしながら、記録ヘッド1405が1回記録走査する間のみで、各ノズルからは予備吐出が要される程度の蒸発が起こることもしばしばである。よって本実施形態においては、記録領域の両側に予備吐出口A1402およびB1404を配置することによって、どちらの方向の記録走査であっても予備吐出が行われる構成としている。
図15は、本実施形態における各色の吐出口の位置と、その位置での移動速度を説明するための図である。図において、1501はブラックノズル、1502はシアンノズル、1503はマゼンタノズル、および1504はイエローノズルの移動速度をそれぞれ示している。
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、記録ヘッド1405が予備吐出口を通過する際の移動速度が各色で異なっている。但し、この速度は予備吐出口A1402とB1404では、互いに逆転している。例えば、記録ヘッド1405が図の左側から右側に移動走査する場合、記録ヘッド1405上で最も右に位置するブラックの吐出口は、加速を開始して最も早いタイミングで予備吐出口A1402に到達する。従って、他色に比べて最もキャリッジ速度の遅い状態で予備吐出口A1402を通過する。しかしながら、記録ヘッド1405が図の右側から左側に移動走査する場合、ブラックの吐出口は、加速を開始して今度は最も遅いタイミングで予備吐出口B1404に到達する。すなわち、本実施形態においては、各色の吐出口が予備吐出口A1402を左から通過する際の速度は、ブラック<シアン<マゼンタ<イエローの順となるが、各色の吐出口が予備吐出口B1404を右から通過する際の速度は、イエロー<マゼンタ<シアン<ブラックの順となる。
図16は、上記状態を考慮した上で設定した、2つの予備吐出口AおよびBに対する予備吐出の回数を示した図である。図からもわかるように、各色の予備吐出回数は、各色の予備吐出可能な時間に対応しおり、2つの予備吐出口AおよびBにおいては、互いの値が逆転している。このような構成は、記録時間を短縮させるのみでなく、各色の予備吐出量を、ほぼ均一に保つことが出来る。
以上説明したように本実施形態によれば、大型の記録装置で双方向記録を行う場合であっても、記録ヘッドの加速中に記録領域の両側で予備吐出を行う構成を有することにより、記録時間全体を極力短縮することが可能となる。
なお、本実施形態においても、各記録走査の加速中に予備吐出を行う構成としたが、キャリッジが減速する最中に予備吐出を行ってもよい。この場合であっても、各予備吐出口を通過する際の各色のオリフィスプレートの速度の関係は保たれており、図16で示した予備吐出数を採用することが出来る。
なお、以上の実施形態においては、シアン、マゼンタ、ブラックおよびイエローの4色のインクを吐出する記録ヘッドを用いて説明を行ったが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。記録ヘッドの進行方向に並列した複数の吐出口列(記録素子列)を有する記録ヘッドを用いた構成であれば、本発明は有効となる。この場合、各記録素子列から吐出されるインクの種類は、なんら限定されるものではない。上記4色の他、例えばマゼンタとライトマゼンタや、シアンとライトシアンのように色相が同様で濃度の異なるインクを用意していてもよい。また、レッド、ブルー、グリーンのように、上記インク色とは異なる色相を有するインクを同時に適用してもよい。更に、記録素子列の配列がシアン、マゼンタ、イエロー、マゼンタ、シアンのように、複数の記録素子列に同一の色調のインク含む形態であっても、記録素子列の位置によって定められた予備吐出の発数に従うという本発明の構成、およびここから得られる効果は何ら変わらない。
本発明の実施形態に適用可能なインクジェット記録装置の内部構成を説明するための概観斜視図である。 本発明の実施形態に適用可能なインクジェット記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施形態で適用する記録ヘッドの外観図である。 記録ヘッドの内部構造を説明するための断面図である。 オリフィスプレート上の吐出口の1つを示す拡大図である。 1つの吐出口に対応する1つの記録素子の内部構造を説明するための拡大図である。 記録ヘッドのフェイス面に対するワイピング機構を示した図である。 本発明の第1の実施形態の記録ヘッドに対する、記録領域、予備吐出口、およびホームポジションの位置関係を説明するための模式図である。 各色の吐出口の位置と、その位置における移動速度を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の予備吐出の回数を示した図である。 本発明の第2の実施形態における、紙面予備吐の吐出密度および予備吐出口への予備吐出の回数を、色ごとに示した図である。 本発明の第3の実施形態における各色の吐出口の位置と、その位置での移動速度を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態における低速記録モードおよび高速記録モードの、予備吐出口82への予備吐出数を示した図である。 本発明の第4の実施形態で適用する記録装置の、記録領域と予備吐出口の位置関係を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態における、各色の吐出口の位置と、その位置での移動速度を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態における、2つの予備吐出口AおよびBに対する予備吐出の回数を示した図である。
符号の説明
11 ブラックオリフィスプレート
12 シアンオリフィスプレート
13 マゼンタオリフィスプレート
14 イエローオリフィスプレート
15 ブラック吐出口
16 シアン吐出口
17 マゼンタ吐出口
18 イエロー吐出口
82 予備吐出口
83 記録領域
901 ブラックノズル移動速度
902 シアンノズル移動速度
903 マゼンタノズル移動速度
904 イエローノズル移動速度
1201 ブラックノズル移動速度
1202 シアンノズル移動速度
1203 マゼンタノズル移動速度
1204 イエローノズル移動速度
1205 ブラックノズル移動速度
1206 シアンノズル移動速度
1207 マゼンタノズル移動速度
1208 イエローノズル移動速度
1401 ホームポジション
1402 予備吐出口A
1403 記録領域
1404 予備吐出口B
1405 記録ヘッド
1501 ブラックノズル移動速度
1502 シアンノズル移動速度
1503 マゼンタノズル移動速度
1504 イエローノズル移動速度

Claims (9)

  1. 記録信号に応じてインクを吐出する複数の記録素子を有する記録素子列を、所定の方向に複数配列した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを前記所定の方向に移動走査しながら前記記録素子よりインクを吐出する記録主走査と、該記録主走査とは交差する方向に記録媒体を所定量搬送する副走査とを交互に繰り返すことによって、前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置において、
    前記記録主走査中に、前記記録ヘッドが停止状態から所定の速度に達するまでの加速区間と、該所定の速度で移動しつつ前記記録媒体に対しインクを吐出する等速区間と、前記記録ヘッドが前記所定の速度から停止状態に到達するまでの減速区間とを含むように、前記記録ヘッドの移動速度を制御する手段と、
    前記加速区間または前記減速区間の少なくとも一方に設けられ、前記記録媒体に形成すべき画像とは無関係な記録信号に基づいて前記記録ヘッドより予備的に吐出されるインク滴を受容するための予備吐出口と、を具備し、
    前記予備的に吐出されるインク滴の数は、前記記録素子列が前記予備吐出口を通過する際の移動速度に応じて、前記複数の記録素子列に対応して設定されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記予備的に吐出されるインク滴の数は、前記記録素子列が前記予備吐出口を通過する際の移動速度が相対的に小さいほど、相対的に大きな値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記予備吐出口は前記加速区間に設けられており、前記予備的に吐出されるインク滴は、前記加速区間で吐出されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記予備吐出口は前記減速区間に設けられており、前記予備的に吐出されるインク滴は、前記減速区間で吐出されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記複数の記録素子列は互いに異なる色調のインクを吐出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記予備的に吐出されるインク滴は、前記予備吐出口および前記記録媒体に吐出されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクジェット記録装置は、前記所定の速度を複数段階に設定可能であり、前記予備的に吐出されるインク滴の数は、前記記録素子列が前記予備吐出口を通過する際の移動速度に応じて、前記複数の記録素子列に対応して設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記予備的に吐出されるインク滴は、前記等速区間の両側に設けられた2つの予備吐出口のいずれに対しても吐出されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  9. 記録信号に応じてインクを吐出する記録素子を、所定の方向に複数のインク色分配列した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを前記所定の方向に移動走査しながら前記記録素子よりインクを吐出する記録主走査と、該記録主走査とは交差する方向に記録媒体を所定量搬送する副走査とを交互に繰り返すことによって、前記記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方法において、
    前記記録主走査中に、前記記録ヘッドが停止状態から所定の速度に達するまでの加速区間と、該所定の速度で移動しつつ前記記録媒体に対しインクを吐出する等速区間と、前記記録ヘッドが前記所定の速度から停止状態に到達するまでの減速区間とを含むように、前記記録ヘッドの移動速度を制御する工程と、
    前記加速区間または前記減速区間の少なくとも一方に設けられた予備吐出口に対し、前記記録媒体に形成すべき画像とは無関係の記録信号に基づいて前記記録ヘッドからインク滴を吐出する予備吐出工程と、を具備し、
    前記予備吐出工程において吐出されるインク滴の数は、前記記録素子が前記予備吐出口を通過する際の移動速度に応じて、前記複数のインク色に対応して設定されていることを特徴とするインクジェット記録方法。
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