JP2020090023A - インクジェット記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシング回復動作を昇温不吐が発生していない状態で確実に行うとともに、フラッシング回復動作の時間短縮を可能とするインクジェット記録装置及びその制御方法を提供する。【解決手段】フラッシング回復シーケンスにおいて、S407のトリガー温度決定シーケンスでは、フラッシングセル数が多い、つまり、不吐温度は低いほど、昇温回復のトリガー温度は低く設定される。また、フラッシングセルが隣接の状態は、フラッシングセルが非隣接の状態と比べ、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的速いため、昇温不吐が発生しないように、昇温回復のトリガー温度は低く設定される。これにより、フラッシングシーケンスが、昇温不吐が発生していない状態で確実に行われるとともに、フラッシング回復を最短時間、かつ、効率的に行うことができる。【選択図】図4

Description

本発明は、フラッシング回復動作を備えるインクジェット記録装置及びその制御方法に関する。
インクジェット記録装置には、発熱素子に通電させ、インク内に生じる気泡により、インク滴を吐出させるサーマル方式を採用したものがあるが、使用頻度が高い発熱素子上には、焦げと呼ばれる沈着異物が堆積する現象が生じていた。この焦げが発熱素子上に堆積すると、発熱素子で発生した熱エネルギーがインクに伝わりにくくなり、正常な吐出量や吐出速度でインク滴を吐出させることができず、画像品位を低下させるおそれがあった。
そこで、インクジェット記録装置では、記録ヘッドの吐出性能を良好に回復させるために、通常の記録動作時よりも高い駆動パルスを記録ヘッドに印加させるフラッシング回復動作を実行させているものがある。これにより、インク内に通常の記録動作時より大きい気泡を発生させるとともに、この気泡が消泡する際に生じる比較的強い圧力波等を利用し、発熱素子上の堆積する焦げを除去している。
しかしながら、フラッシング回復動作の実行により、記録ヘッドの温度は、通常の記録動作時よりも昇温し、ついに不吐温度を超えると、吐出ノズルでのメニスカス保持力が低下し、インク滴の不吐出が生じてしまう、いわゆる昇温不吐が発生するおそれがあった。そのため、フラッシング回復動作では、昇温不吐が発生しないように、不吐温度より低い閾値温度を決定し、この閾値温度を記録ヘッドの温度が超える場合には、記録ヘッドを冷却する昇温回復を実行している。
ここで、例えば、特許文献1では、記録ヘッドにおける全ての吐出ノズルに対して、フラッシング回復動作を実行するとともに、昇温不吐の発生を回避するために、全ての吐出ノズルに対して昇温回復を実行するものが記載されている。
特開2004−314444号公報
ここで、インクジェット記録装置には、記録領域の幅に対応するフルライン型の記録ヘッドを備えるものがあるが、この記録ヘッドでは、吐出ノズル毎の使用頻度のばらつきが比較的大きく、特定の吐出ノズル内に焦げの堆積が生じることがあった。このフルライン型の記録ヘッドに対して、特許文献1におけるフラッシング回復動作及び昇温回復を採用すると、焦げの堆積が生じる特定の吐出ノズルに対してだけでなく、全ての吐出ノズルに対してフラッシング回復動作及び昇温回復を実行することになる。これにより、多くの吐出ノズルを備えるフルライン型の記録ヘッドは、フラッシング回復動作により、記録ヘッドに多くの熱量が負荷され、昇温速度が比較的速くなるため、昇温回復の回数が多くなり、フラッシング回復動作の時間が長くなるおそれがあった。
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、フラッシング回復動作を昇温不吐が発生していない状態で確実に行うとともに、フラッシング回復動作の時間短縮を可能とするインクジェット記録装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置において、複数のノズルが配列方向に沿って配列され、前記ノズル内部に設けられる発熱素子で発生した熱エネルギーを利用してインクを吐出させる記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドのインク吐出性能を回復させるフラッシング回復手段を備え、前記フラッシング回復手段は、前記記録ヘッドの前記複数のノズルを等間隔ごとにまとめた制御単位をセルとし、該セル毎にフラッシング回復が必要とされるフラッシングセルであるのかが判定されるフラッシングセル判定手段と、前記フラッシングセルの数及び前記フラッシングセルの隣接の有無に応じて、昇温回復の閾値温度が決定される昇温回復温度決定手段と、前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の閾値温度以下の場合に、前記フラッシングセルに対してフラッシング回復が実行されるフラッシング手段と、前記フラッシング手段により、前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の閾値温度を超える場合に、前記フラッシングセルが冷却される昇温回復手段と、を備えるものである。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置の制御方法において、複数のノズルが配列方向に沿って配列され、前記ノズル内に設けられる発熱素子で発生した熱エネルギーを利用してインクを吐出させる記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、前記記録ヘッドのインク吐出性能を回復させるフラッシング回復ステップを備え、前記フラッシング回復ステップは、前記記録ヘッドの前記複数のノズルを等間隔ごとにまとめた制御単位をセルとし、該セル毎にフラッシング回復が必要とされるフラッシングセルであるのかが判定されるフラッシングセル判定ステップと、前記フラッシングセルの数及び前記フラッシングセルの隣接の有無に応じて、昇温回復の閾値温度が決定される昇温回復温度決定ステップと、前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の前記閾値温度以下の場合に、前記フラッシングセルに対してフラッシング回復が実行されるフラッシングステップと、前記フラッシングステップにより、前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の閾値温度を超える場合に、前記フラッシングセルが冷却される昇温回復ステップと、を備えるものである。
本発明によれば、フラッシング回復動作を昇温不吐が発生していない状態で確実に行うとともに、フラッシング回復動作の時間短縮を可能とするインクジェット記録装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略断面図である。 図1に示されるインクジェット記録装置における制御ユニットを説明するためのブロック図である。 第1の実施形態のフラッシング回復時における記録ヘッドについての説明であり、(a)記録ヘッドの下面概略図、(b)フラッシング回復時の記録ヘッド温度の変化と昇温回復のトリガー温度の関係性を示すグラフである。 第1の実施形態のフラッシング回復シーケンスのフローチャートを示す図である。 第1の実施形態のトリガー温度決定シーケンスのフローチャートを示す図である。 第2の実施形態のフラッシングシーケンスのフローチャートを示すである。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
(第1の実施形態)
<インクジェット記録装置>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略断面図である。
インクジェット記録装置(以下、単に記録装置とも称する)100は、プリンタケーブル103を介して情報処理装置としてのホストコンピュータ102に接続され、画像データ及び記録媒体に関する情報などを制御コマンドとして入力している。記録装置100は、ロール状に巻かれている記録媒体である連続用紙101を給紙する給紙ユニット110と、連続用紙101を搬送する搬送ユニット120と、連続用紙101に記録を行う記録ユニット130と、制御ユニット200(図2参照)と、を備えている。
まず、給紙ユニット110は、未使用の連続用紙101がセットされる用紙シャフト112と、駆動軸114aを備えるロールモータ114と、用紙シャフト112及び駆動軸114aに掛け回される給紙ベルト115と、を備える。ロールモータ114の回転方向A(図1中の矢印A)への回転駆動により、給紙ベルト115を介して、用紙シャフト112を回転方向B(図1中の矢印B)へと回転させる。これにより、連続用紙101が弛まないように張力を与えつつ、搬送方向C(図1中の矢印C)へと繰り出して搬送ユニット120に給紙する。また、ロールモータ114が回転方向Aと反対方向に回転することにより、連続用紙101を用紙シャフト112へと巻き戻すことができる。
次に、搬送ユニット120は、搬送方向の上流側及び下流側に配置される従動ローラ対122及び搬送ローラ対123と、駆動軸124aを備える搬送モータ124と、搬送ローラ対123及び駆動軸124aに掛け回される駆動ベルト125と、を備える。さらに、搬送ユニット120は、エンコーダ127と、用紙センサ128と、画像形成位置に配置されプレート部材(不図示)との間に連続用紙101を固定保持するプラテン129と、を備える。従動ローラ対122は、従動ローラ122aと、圧接ローラ122bと、を備え、それぞれのローラ122a,122bは、垂直方向に互いに圧接した状態で配置されている。また、従動ローラ122aは、圧接ローラ122bよりも大径に形成されており、軸線が同軸上になるように一体的に設けられているエンコーダ127とともに回転方向D(図1中の矢印D)へと同軸回転する。連続用紙101が搬送方向Cに搬送されることにより、エンコーダ127は、従動ローラ122aとともに、回転方向Dへと連続用紙101の搬送速度と同じ周速度で従動回転され、連続用紙101の搬送速度を検出する。このエンコーダ127から検出される連続用紙101の搬送速度は、制御ユニット200に送信され、各種制御処理を実行する。搬送ローラ対123は、搬送ローラ123aと、圧接ローラ123bと、を備え、それぞれのローラ123a,123bは、垂直方向に互いに圧接した状態で配置されている。搬送モータ124の回転方向E(図1中の矢印E)への回転駆動により、駆動ベルト125を介して、搬送ローラ123aを回転方向F(図1中の矢印F)へと回転させる。これにより、搬送ローラ対123は、それぞれのローラ123a,123b間に、給紙ユニット110から給紙される連続用紙101を挟み込んで引き出すようにして搬送する。さらに、用紙センサ128は、従動ローラ対122の搬送方向Cの下流側に配置され、連続用紙101のラベル毎の先端辺を検出する。このように、搬送ユニット120は、給紙ユニット110から給紙される連続用紙101を従動ローラ対122と搬送ローラ対123とで挟み込んで位置決め保持しつつ、プラテン129上を通過するように搬送し、記録装置100の外部に搬出して排紙する。
本実施形態における連続用紙101は、ロール状であるが、これに限らず、例えば、蛇腹に折り曲げられた記録媒体、あるいは真直ぐな連続する記録媒体、枚葉にカットされた記録媒体であっても良く、また、紙以外の記録媒体であっても良い。
さらに、記録ユニット130は、記録ヘッド131と、記録ヘッド131と着脱可能であるインクタンク136と、キャップ133と、を備える。
記録ヘッド131は、連続用紙101に対しフルカラー記録を行うために、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色インクに別個の記録ヘッド131Bk,131C,131M,131Yを備え、移動可能に支持されている。この記録ヘッド131Bk,131C,131M,131Yは、連続用紙101の搬送方向Cの上流側から下流側に向かって順に配置されており、連続用紙101の搬送位置に同期させて各色インクを重ねるように吐出させることにより記録形成する。また、各記録ヘッド131には、連続用紙101の幅方向(搬送方向Cに直交する方向)に延在するノズル列が少なくとも1列以上配列されるように、複数個の吐出ノズル132(図3(a)参照)が設けられる。詳細は後述するが、記録ヘッド131は、ノズル列が延在する方向に沿って等間隔に分割された複数のセル(図3(a)参照)とともに、それぞれのセルには、記録ヘッド131内のインクの温度を検出するヘッド温度検出センサ137が設けられている。記録ヘッド131は、この吐出ノズル132が等間隔に分割されたセル毎に、記録動作やフラッシング回復動作などを個別に駆動して行う(図3(a)参照)。さらに、記録ヘッド131は、いわゆるサーマル方式を採用し、吐出ノズル132に連通するインク流路(不図示)内に発熱素子(例えば、ヒータ)を設け、発熱素子を通電させ、インク内に生じる気泡により、吐出ノズル132からインク滴を吐出させる。
本実施形態における記録ヘッド131は、フルラインヘッドの長尺形態のものであり、連続用紙101の最大の有効記録幅(搬送方向Cに直交する方向)よりもやや長いものを採用する。また、本実施形態における記録ヘッド131は、4色インク用の記録ヘッド131Bk,131C,131M,131Yを備えているが、これに限らず、例えば、ブラックインク用の記録ヘッド131Bkのみを備えるものであっても良い。
インクタンク136は、記録ヘッド131の上部に着脱可能に設置され、各色インクを貯留するインクタンク136Bk、136C、136M、136Yを備えるとともに、各色インクに対応して組み合わされる記録ヘッド131に各色インクを供給する。
本実施形態におけるインクタンク136には、4色インク用のインクタンク136Bk、136C、136M、136Yが備えられているが、これに限らず、例えば、ブラックインク用のインクタンク136Bkのみが備えられるものであっても良い。
キャップ133は、各色インク用の記録ヘッド131に対応して組み合わされるキャップ133Bk、133C、133M、133Yを備え、キャップ133は、各記録ヘッド131の吐出口形成面との間に閉塞空間を形成するために移動可能である。キャップ133が、各記録ヘッド131の吐出口形成面との間に閉塞空間を形成することにより、回復動作、不純物の付着防止及びインクの乾燥防止等を行うことができる。この回復動作は、発熱素子上の焦げ付き等を除去するために、通常の発熱素子への駆動パルスより高い駆動パルスを印加して吐出ノズル132よりインクを吐出するフラッシング回復を備える。また、回復動作は、キャップ133内にインクを吐出する予備吐出、キャップ133内を減圧し吐出ノズル132からインクを吸引する吸引回復、記録ヘッド131内のインクを加圧し吐出ノズル132からインクを排出する加圧回復を備えることができる。
<制御系の構成>
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100の制御系の構成を説明する。
図2を用いて、インクジェット記録装置100における制御ユニット200を説明する。CPU206は、記録装置100の各種指令の解析、記録データの受信、記録動作、回復動作など全般の制御をつかさどる演算処理装置である。CPU206は、インターフェイスコントローラー201、プログラムROM202、イメージメモリ203、ワークRAM204、EEPROM205に通信可能に接続されている。さらに、CPU206は、A/Dコンバータ207、入出力回路(I/O)208及び入出力ポート(I/O)209に通信可能に接続されている。インターフェイスコントローラー201は、記録データや各種通信制御を実行指令等のやり取りをホストコンピュータ102とCPU206との間で通信可能に接続する。プログラムROM202は、図4乃至図6などで後述されるフラッシング回復シーケンス等を示す制御フローチャートに対応する処理プログラムやその処理プログラムで使用する各種パラメータなどを格納する。イメージメモリ203は、CPU206が受信した指令の解析結果に基づいて作成する画像データの各色のイメージデータがビットマップ展開される。ワークRAM204は、プログラムROM202に格納されたプログラムに従い作業用メモリとして用いられる。EEPROM205は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、記録ヘッド131間の離隔距離や、連続用紙101への画像形成位置などの補正値などの各種情報と共に、各種制御処理時の実行時刻や実行条件などの各種更新情報を書き換えて保持する。A/Dコンバータ207は、記録ヘッド131の各セルに設けられるヘッド温度検出センサ137を有するとともに、記録ヘッド131の駆動制御を行う記録ヘッド制御回路210と、温湿度センサ211とに接続されている。このヘッド温度検出センサ137及び温湿度センサ211によって計測されるセル毎のインクの温度信号、記録装置100の雰囲気温度信号や湿度信号を、回復動作(例えば、フラッシング回復)制御等のためにCPU206にそれぞれ送信する。入出力回路(I/O)208は、用紙センサ128と、エンコーダ127とに接続されている。この用紙センサ128及びエンコーダ127によって計測される連続用紙101の先端検出信号、連続用紙101の搬送速度信号を、記録動作制御等のためにCPU206にそれぞれ送信する。入出力ポート(I/O)209は、各モータ114,124,213〜215への電力供給を実行して駆動制御を行うモータ駆動部212に接続されている。
記録前の動作処理として、CPU206は、入出力ポート(I/O)209及びモータ駆動部212を介してヘッドモータ213及びキャッピングモータ214を駆動し、各記録ヘッド131が対応するキャップ133から離間する記録位置へと移動させる。ヘッドモータ213は、記録ヘッド131を昇降方向G(図1中の矢印G方向)に移動させるものであり、キャッピングモータ214は、キャップ133を搬送方向Cやその反対方向に移動させるものである。
次に、記録時の動作処理として、CPU206は、入出力ポート(I/O)209及びモータ駆動部212を介してロールモータ114及び搬送モータ124を駆動し、連続用紙101が弛まないように張力を与えつつ、搬送方向Cの所望の位置まで移動させる。この連続用紙101の所望の位置は、CPU206が、入出力回路(I/O)208を介して検出される用紙センサ128及びエンコーダ127からの連続用紙101の先端検出信号及び連続用紙101の搬送速度信号に基づいて調整する。並行して、CPU206は、ホストコンピュータ102から受け取る記録データをイメージメモリ203内で各色にビットマップ展開した後、このビットマップ展開した記録データを読み出し、記録ヘッド制御回路210を介して、記録ヘッド131に転送する。連続用紙101の記録開始位置が、ブラックインク用の記録ヘッド131Bkの下方に到達した後に、ブラック(Bk)のインクを選択的に吐出する。同様に、シアンインク用の記録ヘッド131C、マゼンタインク用の記録ヘッド131M及びイエローインク用の記録ヘッド131Yの順に、各色のインクを吐出する記録動作を行い、カラー画像を連続用紙101上に記録する。この際、CPU206は、記録データと共に、連続用紙101の記録枚数、種類、サイズ、搬送速度、カット設定等の指令データを受け取り、記録ヘッド制御回路210やモータ駆動部212等を制御する。
また、回復動作処理として、CPU206は、モータ駆動部212を介してヘッドモータ213及びキャッピングモータ214を駆動し、キャップ133が各記録ヘッド131の吐出口形成面との間に閉塞空間を形成する待機位置へと移動させる。その後、CPU206は、EEPROM205に格納されている各セルのノズル毎のフラッシングドットカウント等に基づいて、プログラムROM202のフラッシング回復シーケンスに対応する処理プログラムに従って、フラッシング回復を行う。この際、CPU206は、A/Dコンバータ207及び記録ヘッド制御回路210を介して、ヘッド温度検出センサ137からセル毎のインクの温度信号を受信するとともに、記録ヘッド131を駆動する。また、CPU206は、プログラムROM202の吸引回復動作に対応する処理プログラムに従って、入出力ポート(I/O)209及びモータ駆動部212を介してポンプモータ215を駆動し、吸引回復等を行うことができる。
図3は、第1の実施形態のフラッシング回復時における記録ヘッドについての説明であり、(a)記録ヘッドの下面概略図、(b)フラッシング回復時の記録ヘッド温度の変化と昇温回復のトリガー温度の関係性を示すグラフである。ここで、図3(b)中の、黒塗りの丸形、三角形及び四角形は、2つのフラッシングセルが隣接(S1,S2)、2つのフラッシングセルが非隣接(S1,S4)及びフラッシングセルが1箇所の場合における、それぞれの昇温回復のトリガー温度を示している。また、図3(b)中の、実線及び破線からなる横軸方向の直線は、1セルフラッシング及び2セルフラッシング状態における、それぞれの昇温不吐が発生する不吐温度Tn1,Tn2を示している。
<記録ヘッドのセルについて>
記録ヘッド131は、図3(a)に示すように、連続用紙101の幅方向(搬送方向Cに直交する方向)に延在するように、複数個の吐出ノズル132からなるノズル列を備える。このノズル列は、延在方向に沿って等間隔に4つのセルS1〜S4に分割され、それぞれのセルには、記録ヘッド131内のインクの温度を検出するヘッド温度検出センサ137(不図示)が設けられており、セル毎に、記録動作やフラッシング回復動作など行う。
本実施形態においては、ノズル列を1列とするとともに、セル数を4つとするものであるが、これに限らず、ノズル列を1列以上とするとともに、セル数を複数としても良い。
<フラッシング回復時の記録ヘッド温度の変化について>
図3(b)に示すように、実線からなる曲線は、2つのフラッシングセルが隣接(S1,S2)する状態における、フラッシング回復動作時での単位時間当たりの記録ヘッド温度の変化を示す。また、破線からなる曲線は、2つのフラッシングセルが非隣接(S1,S4)の状態やフラッシングセルが1箇所の状態における、フラッシング回復動作時での単位時間当たりの記録ヘッド温度の変化が同一の挙動であることを示す。この記録ヘッド温度は、フラッシング回復動作を実行しているフラッシングセル内における記録ヘッド温度の最大値をプロットしたものである。
2つのフラッシングセルが隣接(S1,S2)する状態でフラッシング回復動作を行った場合、特に、フラッシングセル同士が隣接の領域におけるインクは、非フラッシングセルのインクにより冷却されることはないため、昇温速度が比較的速くなる。一方、2つのフラッシングセルが非隣接(S1,S4)の状態、又は、フラッシングセルが1箇所の状態でフラッシング回復動作を行った場合、フラッシングセルのインクは、隣接する非フラッシングセルのインクにより冷却されるため、昇温速度が比較的遅くなる。
<不吐温度について>
フラッシングセルにおける記録ヘッド温度が不吐温度を超え、インク粘性が低下すると、吐出ノズル132においてメニスカスの破壊が生じたり、記録ヘッド131の貯留インクにおいて溶存気泡の発泡が生じたりすることにより、不吐出となるおそれがある。この昇温不吐が発生する不吐温度は、フラッシングセル数、つまり、単位時間当たりのインクの供給量によって異なり、フラッシングセル数が多いほど、不吐温度は低くなる(図3(b)中のTn1,Tn2参照)。したがって、不吐温度は、フラッシングセル数、つまり、インクの供給量によって決定されるものであり、フラッシングセルが隣接又は非隣接の状態であるのか(図3(b)中の実線又は破線からなる曲線参照)に左右されない。
<昇温回復のトリガー温度について>
昇温回復のトリガー温度は、昇温不吐が発生しないように、不吐温度より低く設定する必要がある。よって、フラッシングセル数が多い、つまり、不吐温度は低いほど、昇温回復のトリガー温度は低く設定される(図3(b)中の黒塗りの丸形及び三角形参照)。また、2つのフラッシングセルが隣接する状態(S1,S2)は、フラッシングセルが非隣接の状態(S1,S4)と比べ、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的速いため、昇温不吐が発生しないように、昇温回復のトリガー温度は低く設定される必要がある。よって、フラッシング回復動作時における記録ヘッド温度の昇温速度が速いほど、昇温回復のトリガー温度は低く設定される(図3(b)中の黒塗りの丸形及び三角形参照)。
ここで、図3(b)に示される、各昇温回復のトリガー温度(図3(b)中の黒塗りの丸形、三角形及び四角形参照)について比較する。
フラッシングセル数が2箇所で、フラッシングセルが隣接する状態(S1,S2)では、インクの供給量が比較的多く、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的速いため、最も低い昇温回復のトリガー温度に設定される(図3(b)中の黒塗りの丸形参照)。
フラッシングセル数が2箇所で、フラッシングセルが非隣接の状態(S1,S4)では、インクの供給量が比較的多いが、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的遅いため、次に低い昇温回復のトリガー温度に設定される(図3(b)中の黒塗りの三角形参照)。
フラッシングセル数が1個所の状態では、インクの供給量が比較的に少ないとともに、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的遅いため、最も高い昇温回復のトリガー温度に設定される(図3(b)中の黒塗りの四角形参照)。
このように、フラッシングセル数と、フラッシングセルが隣接又は非隣接の状態であるのかに応じて、記録ヘッド131の昇温特性が異なるため、昇温回復のトリガー温度は、最適な温度を選択する必要がある。本実施形態において、セル数を4つとし、フラッシングセルをセルS1,S2、フラッシングセルをセルS1,S4、及び、フラッシングセルを1個所とした場合における、フラッシング回復時の記録ヘッド温度の変化及び昇温回復のトリガー温度を示した。しかしながら、これは単なる例示に過ぎず、フラッシングセル数が多い、又は、フラッシングセルが隣接の状態では、昇温回復のトリガー温度が低くなる傾向は変わらないことから、セル分割数等に応じて、昇温回復のトリガー温度を適宜設定できる。
<フラッシング回復シーケンスについて>
まず、図4に示す、記録ヘッド131毎に行われるフラッシング回復シーケンス(フラッシング回復手段)について説明する。記録装置100の本体電源が入れられると、S401〜S403に進む。
S401〜S403では、記録データを受信した場合、記録動作が実行される。その後、S404に進む。
S404では、EEPROM205に格納されている各セルのフラッシングドットカウントが取得される。フラッシングドットカウントは、記録動作時の累積吐出回数を吐出ノズル132毎にカウントしたものであり、各セルの最大値が取得される。その後、S405に進む。
S405(フラッシングセル判定手段)では、取得したフラッシングドットカウントを所定値(例えば、2×107)と比較する。フラッシングドットカウントが所定値以上であるセルが存在しない場合(NO)、発熱素子上に堆積している焦げ付き量が少なく、フラッシング回復を行う必要性が少ないと判定し、フラッシング回復シーケンスが終了される。これは、フラッシング回復では、通常の記録動作時よりも強い駆動パルスを印加するため、フラッシング回復を過剰に行うことによる、記録ヘッドの寿命に対する影響を回避するためである。一方、フラッシングドットカウントが所定値以上であるセルが存在する場合(YES)、発熱素子上に堆積している焦げ付き量が多く、インク滴の吐出速度や吐出量を低下させ、画像品位を劣化させるおそれがあると判定し、S406〜S407に進む。
S406〜S407では、フラッシング回復の実行命令を送信するとともに、詳細は後述するが、トリガー温度決定シーケンス(S501〜S511)を実行し、昇温回復のトリガー温度が決定される(図5参照)。その後、S408に進む。
S408では、各セルにおける記録ヘッド温度を検出する。少なくとも一つのセルの記録ヘッド温度が、決定された昇温回復のトリガー温度より高い場合(NO)、昇温不吐が発生しているおそれがあり、フラッシング回復による効果が低いと判定され、フラッシング回復シーケンスが終了される。一方、全てのセルの記録ヘッド温度が、決定された昇温回復のトリガー温度以下である場合(YES)、昇温不吐が発生しておらず、フラッシング回復による効果が高いと判定され、S409に進む。
S409では、記録動作時よりも高い駆動パルスを記録ヘッド131に印加させ、キャップ133内にインク滴を吐出させるフラッシングシーケンス(フラッシング手段)が実行される。フラッシングシーケンスの実行中にS410に進む。
S410では、フラッシングシーケンス中における記録ヘッド温度を監視するために、各セルにおける記録ヘッド温度を検出する。少なくとも一つのセルの記録ヘッド温度が、決定された昇温回復のトリガー温度より高い場合(NO)、昇温不吐が発生しているおそれがあり、フラッシング回復による効果が低いと判定され、フラッシング回復を中断し、S411に進む。S411では、記録ヘッド131を冷却させるために、記録ヘッド131内の吐出ノズル132のインクを吸引して、記録ヘッドを冷却する昇温回復(昇温回復手段)が行われる。その後、S409に進み、フラッシング回復を再開する。一方、全てのセルの記録ヘッド温度が、決定された昇温回復のトリガー温度以下である場合(YES)、昇温不吐が発生しておらず、フラッシング回復による効果が高いと判定され、S412に進む。
S412では、フラッシング回復を実行した発数を取得するとともに、取得したフラッシングを実行した発数を所定発数(例えば、1×105)と比較する。フラッシングを実行した発数が所定発数に達していない場合(NO)、発熱素子上に堆積している焦げ付きを除去するために実行されたフラッシング回復が不十分であると判定し、S409に進み、フラッシング回復を継続する。一方、フラッシングを実行した発数が所定発数に達している場合(YES)、発熱素子上に堆積していた焦げ付きが除去されたと判定し、S413にすすむ。
S413では、フラッシングシーケンスが実行されたセルにおいて、フラッシングドットカウントがリセットされるとともに、フラッシング回復シーケンスが終了される。
本実施形態のフラッシング回復シーケンスにおいて、フラッシングシーケンスを実行時に、記録動作の実行指令を受信した場合は、フラッシングシーケンスを中断させ、記録動作を優先して実行し、記録動作の終了後に、フラッシングシーケンスを再開しても良い。また、本実施形態におけるフラッシングドットカウントの所定値は、例示として、2×107とするものであり、インク種類や記録動作時の駆動パルス等によって、発熱素子への焦げ付き方は異なるため、これに応じて適宜設定して良い。さらに、本実施形態におけるフラッシングシーケンスが実行される所定発数は、例示として、1×105とするものであり、インク種類や記録動作時の駆動パルス等に応じて適宜設定して良い。本実施形態における昇温回復は、全ての吐出ノズル132に対してキャップ133を介して、吐出ノズル132内のインクを同時に吸引することにより、記録ヘッド131を冷却するものである。しかしながら、これに限らず、例えば、キャップ133により各セルに対応する個別な閉塞空間を形成し、トリガー温度より記録ヘッド温度が高いフラッシングセルの閉塞空間に対してのみ吸引可能な形態とすることにより、セル毎に昇温回復を実行しても良い。
<トリガー温度決定シーケンス>
次に、図5を用いて、フラッシング回復シーケンスにおけるトリガー温度決定シーケンス(昇温回復温度決定手段)を説明する。
S501では、フラッシングドットカウントが所定値以上であるセルの数、つまり、フラッシングセル数を所定数(例えば、4つ)と比較する。フラッシングセル数が4つである場合(YES)、フラッシングセル数が多く隣接する状態、つまり、インクの供給量が多く、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的速い状態であると判定し、S502に進む。S502では、各昇温回復のトリガー温度(閾値温度)の中で最も低い50℃に設定されるとともに、トリガー温度決定シーケンスが終了される。一方、フラッシングセル数が4つでない場合(S501:NO)、フラッシングセル数を検出するために、S503に進む。
S503では、フラッシングドットカウントが所定値以上であるセルの数、つまり、フラッシングセル数を所定数(例えば、3つ)と比較する。フラッシングセル数が3つである場合(YES)、フラッシングセル数が多い、つまり、インクの供給量が多い状態であると判定し、S504に進む。一方、フラッシングセル数が3つでない場合(S503:NO)、フラッシングセル数が多くない、つまり、インクの供給量が多くないと判定し、S507に進む。
S504では、フラッシングセル同士が隣接するのかを判定する。フラッシングセルの隣接がある場合(YES)、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的速いと判定し、S505に進む。S505では、各昇温回復のトリガー温度の中で二番目に低い55℃に設定されるとともに、トリガー温度決定シーケンスが終了される。一方、フラッシングセルの隣接がない場合(S504:NO)、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的遅いと判定し、S506に進む。S506では、各昇温回復のトリガー温度の中で三番目に低い60℃に設定されるとともに、トリガー温度決定シーケンスが終了される。
S507では、フラッシングドットカウントが所定値以上であるセルの数、つまり、フラッシングセル数を所定数(例えば、2つ)と比較する。フラッシングセル数が2つでない場合(NO)、フラッシングセル数が1つ、つまり、インクの供給量が少なく、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的遅い状態であると判定し、S511に進む。S511では、各昇温回復のトリガー温度の中で最も高い75℃に設定されるとともに、トリガー温度決定シーケンスが終了される。一方、フラッシングセル数が2つである場合(S507:YES)、フラッシングセル数が全体の半分、つまり、インクの供給量が中程度と判定し、S508に進む。
S508では、フラッシングセル同士が隣接するのかを判定する。フラッシングセルの隣接がある場合(YES)、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的速いと判定し、S509に進む。S509では、各昇温回復のトリガー温度の中で四番目に低い65℃に設定されるとともに、トリガー温度決定シーケンスが終了される。一方、フラッシングセルの隣接がない場合(S508:NO)、フラッシング回復動作時の昇温速度が比較的遅いと判定し、S510に進む。S510では、各昇温回復のトリガー温度の中で五番目に低い70℃に設定されるとともに、トリガー温度決定シーケンスが終了される。
本実施形態におけるフラッシングドットカウントの所定値は、例示として、4つ、3つ及び2つとするものであるが、これに限らず、セルの分割数等に応じて適宜設定して良い。また、本実施形態における昇温回復のトリガー温度は、例示として、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃及び75℃とするものであるが、これに限らず、本体構成、記録ヘッド構成等に応じて昇温不吐を発生させない温度であれば適宜設定して良い。このように、本実施形態におけるトリガー温度決定シーケンスは、フラッシングセル数と、フラッシングセルが隣接又は非隣接の状態であるのかに応じて、昇温回復のトリガー温度を最適化する。これにより、フラッシングシーケンスが、昇温不吐が発生していない状態で確実に行われるとともに、フラッシング回復を最短時間、かつ、効率的に行うことができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態のフラッシング回復シーケンスは、第1の実施形態のフラッシング回復シーケンスと基本的に同一である。よって、以下では、図6を用いて、第1の実施形態と異なるフラッシングシーケンス(S409)を中心に第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態におけるフラッシングシーケンスは、フラッシングセルが複数(ここでは、例示として4つ)ある場合、記録装置100が使用されている環境温度に応じて、フラッシングシーケンスを同時に行うフラッシングセルの組合せを調整するものである。
<フラッシングシーケンス>
S601〜S602では、フラッシングセル数を4つとする命令を受信すると、記録装置100が使用されている環境温度を温湿度センサ211から取得する。その後、S603に進む。
S603では、記録装置100が使用されている環境温度を所定値(例えば、35℃)と比較する。記録装置100が使用されている環境温度が35℃以上である場合(YES)、環境温度が高いため、フラッシング回復を実行することにより、昇温回復のトリガー温度に比較的速く到達すると判定し、S604〜S605に進む。S604〜S605では、まず、セルS1及びS3に対するフラッシングシーケンスが同時に行われ、次に、セルS2及びS4に対するフラッシングシーケンスが同時に行われた後、フラッシングシーケンスが終了される。このように、フラッシングシーケンスを同時に行うフラッシングセルを少なくするとともに、同時に行うフラッシングシーケンス同士を離間させることにより、フラッシング回復動作時のインクの供給量を中程度とし、昇温速度が比較的遅くすることができる。よって、本実施形態のフラッシングシーケンスにおいては、記録ヘッド温度が昇温回復のトリガー温度に達するまでの時間を比較的長くすることができるため、昇温回復の実行回数を減らすことができ、フラッシング回復シーケンスの時間を短縮することができる。一方、記録装置100が使用されている環境温度が35℃未満である場合(NO)、環境温度が低いため、フラッシング回復を実行しても、記録ヘッド温度が直ぐには昇温回復のトリガー温度に達しないと判定し、S606に進む。S606では、4つのセル(S1〜S4)に対するフラッシングシーケンスが同時に行われた後、フラッシングシーケンスが終了される。
本実施形態のフラッシングシーケンスは、フラッシングセル数を4つとするものであるが、これに限らず、セルの分割数や環境温度等に応じて、フラッシングセル数を適宜設定して良い。また、本実施形態における記録装置100が使用されている環境温度の所定値は、例示として、35℃とするものであるが、これに限らず、本体構成、記録ヘッド構成等に応じて適宜設定して良い。さらに、本実施形態におけるフラッシングシーケンスを同時に行うフラッシングセルの組合せは、例示として、セルS1及びS3、セルS2及びS4とするものである。しかしながら、これに限らず、セルの分割数に応じて、複数のフラッシングセルを隣接しないフラッシングセルの組み合わせに分割しても良い。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 インクジェット記録装置
101 連続用紙
102 ホストコンピュータ
110 給紙ユニット
120 搬送ユニット
130 記録ユニット
131,131Bk,131C,131M,131Y 記録ヘッド
132 吐出ノズル
133,133Bk、133C、133M、133Y キャップ
136,136Bk、136C、136M、136Y インクタンク
137 ヘッド温度検出センサ
200 制御ユニット
211 温湿度センサ
S1〜S4 セル
Tn1,Tn2 不吐温度

Claims (8)

  1. 複数のノズルが配列方向に沿って配列され、前記ノズル内部に設けられる発熱素子で発生した熱エネルギーを利用してインクを吐出させる記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドのインク吐出性能を回復させるフラッシング回復手段を備え、
    前記フラッシング回復手段は、
    前記記録ヘッドの前記複数のノズルを等間隔ごとにまとめた制御単位をセルとし、該セル毎にフラッシング回復が必要とされるフラッシングセルであるのかが判定されるフラッシングセル判定手段と、
    前記フラッシングセルの数及び前記フラッシングセルの隣接の有無に応じて、昇温回復の閾値温度が決定される昇温回復温度決定手段と、
    前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の閾値温度以下の場合に、前記フラッシングセルに対してフラッシング回復が実行されるフラッシング手段と、
    前記フラッシング手段により、前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の閾値温度を超える場合に、前記フラッシングセルが冷却される昇温回復手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記昇温回復温度決定手段は、前記フラッシングセルの数が多くなるにともない、前記昇温回復の閾値温度が低くなるように決定されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記昇温回復温度決定手段は、前記フラッシングセルの数が同一の場合には、前記フラッシングセルの隣接がある状態は、前記フラッシングセルの隣接がない状態と比べ、前記昇温回復の閾値温度が低くなるように決定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記フラッシング手段は、
    前記フラッシングセルが複数であるとき、
    前記インクジェット記録装置の環境温度が閾値環境温度に達していない場合には、全ての前記フラッシングセルに対してフラッシング回復を同時に実行させる一方、前記環境温度が前記閾値環境温度に達している場合には、複数の前記フラッシングセルを隣接しない前記フラッシングセルの組み合わせへと分割し、それぞれの組み合わせに対して、フラッシング回復を実行させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 複数のノズルが配列方向に沿って配列され、前記ノズル内に設けられる発熱素子で発生した熱エネルギーを利用してインクを吐出させる記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記記録ヘッドのインク吐出性能を回復させるフラッシング回復ステップを備え、
    前記フラッシング回復ステップは、
    前記記録ヘッドの前記複数のノズルを等間隔ごとにまとめた制御単位をセルとし、該セル毎にフラッシング回復が必要とされるフラッシングセルであるのかが判定されるフラッシングセル判定ステップと、
    前記フラッシングセルの数及び前記フラッシングセルの隣接の有無に応じて、昇温回復の閾値温度が決定される昇温回復温度決定ステップと、
    前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の前記閾値温度以下の場合に、前記フラッシングセルに対してフラッシング回復が実行されるフラッシングステップと、
    前記フラッシングステップにより、前記フラッシングセルの温度が前記昇温回復の閾値温度を超える場合に、前記フラッシングセルが冷却される昇温回復ステップと、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  6. 前記昇温回復温度決定ステップは、前記フラッシングセルの数が多くなるにともない、前記昇温回復の閾値温度が低くなるように決定されることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  7. 前記昇温回復温度決定ステップは、前記フラッシングセルの数が同一の場合には、前記フラッシングセルの隣接がある状態は、前記フラッシングセルの隣接がない状態と比べ、前記昇温回復の閾値温度が低くなるように決定されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  8. 前記フラッシングステップは、
    前記フラッシングセルが複数であるとき、
    前記インクジェット記録装置の環境温度が閾値環境温度に達していない場合には、全ての前記フラッシングセルに対してフラッシング回復を同時に実行する一方、環境温度が前記閾値環境温度に達している場合には、複数の前記フラッシングセルを隣接しない前記フラッシングセルの組み合わせへと分割し、それぞれの組み合わせに対して、フラッシング回復を実行されることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
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