JP6896221B2 - ワイヤハーネス - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスに関する。
従来より、導体と導体の外周を被覆する絶縁体とを有する複数の電線と、複数の電線を被覆するシースと、シース及びシースから露出されている複数の電線を一体に覆い樹脂成型により形成された被覆部材(止水部)と、を備えたワイヤハーネスが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、被覆部材により、複数の電線が露出されているシースの端部からシース内に水が浸入するのを防止することに寄与することが可能である。
また、特許文献1では、複数の電線のうち2本の電線(以下、第1電線)はシースの長手方向に被覆部材から延出し、複数の電線のうち2本の電線(以下、第2電線)はシースの長手方向に対して直交する方向に被覆部材から延出している。被覆部材は、第1電線が被覆部材から延出する方向と第2電線が被覆部材から延出する方向とが異なる状態となるように固定するという機能も有する。
特開2016−091731号公報
ここで、第1電線及び第2電線の絶縁体の材料、及びシースの材料は、用途に応じて種々に変更されうる。しかしながら、これら材料は、特許文献1における被覆部材を構成する樹脂との溶着性や密着性が低い場合がある。この場合、被覆部材と第1電線との間、被覆部材と第2電線との間、及び被覆部材とシースとの間に、それぞれ防水手段(熱収縮チューブやパッキン等のゴム栓)を設けなければならず、製造工程が煩雑になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、複数の電線が被覆部材から異なる方向に延出しているワイヤハーネスにおいて、複数の電線が露出しているシースの端部からシース内に水が浸入するのを抑止することが可能でありながらも、製造工程の煩雑さを低減することが可能なワイヤハーネスを提供することを目的とする。
本発明は、複数の電線と前記複数の電線の外周を被覆するシースとを備えたケーブルと、前記シースから延出している前記複数の電線及び前記シースを被覆する被覆部材と、を備え、前記複数の電線が前記被覆部材から異なる方向に延出しているワイヤハーネスにおいて、前記シースから延出している前記複数の電線及び前記シースを覆う熱収縮チューブをさらに備え、前記被覆部材は、前記シースから延出している前記複数の電線及び前記シースとともに、前記熱収縮チューブを被覆しているワイヤハーネスを提供する。
本発明によれば、複数の電線が被覆部材から異なる方向に延出しているワイヤハーネスにおいて、複数の電線が露出しているシースの端部からシース内に水が浸入するのを抑止することが可能でありながらも、製造工程の煩雑さを低減することが可能なワイヤハーネスを提供できる。
本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスを用いた車両の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るワイヤハーネスを構成するケーブルの横断面図である。 本実施の形態に係るワイヤハーネスの斜視図である。 図3のA方向から見た側面図である。 図3のB方向から見た裏面図である。 図3のC方向から見た下面図である。 図3のD方向から見た前面図である。 図5におけるX−X’断面図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
(本実施の形態に係るワイヤハーネス10を適用する車両の説明)
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤハーネス10を用いた車両100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両100には、電動式の制動装置として、電動パーキングブレーキ(以下、EPB)101が備えられている。
EPB101は、EPB用電気モータ101aと、EPB制御部101bと、を備えている。EPB用電気モータ101aは、車両100の車輪102に搭載されており、EPB制御部101bは、車両100のECU(電子制御ユニット)103に搭載されている。なお、EPB制御部101bは、ECU103以外のコントロールユニットに搭載されていてもよく、専用のハードウェアユニットに搭載されていてもよい。
図示していないが、EPB用電気モータ101aには、ブレーキパッドが取り付けられたピストンが設けられている。当該ピストンをEPB用電気モータ101aの回転駆動により移動させることで、ブレーキパッドを車輪102のディスクロータに押し付け、制動力を発生させるように構成されている。EPB用電気モータ101aには、EPB用電気モータ101aに駆動電流を供給するための電源線としての一対の第1電線2が接続されている。
EPB制御部101bは、主に車両100の停止後に、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオフ状態からオン状態に操作されたとき、所定時間(例えば1秒間)にわたってEPB用電気モータ101aに一対の第1電線2を介して駆動電流を出力する。これにより、ブレーキパッドが車輪102のディスクロータに押し付けられた状態となり、車輪102に制動力が発生する。また、EPB制御部101bは、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオン状態からオフ状態に操作されたとき、あるいは、アクセルペダルが踏込操作されたときに、EPB用電気モータ101aに一対の第1電線2を介して駆動電流を出力する。これにより、ブレーキパッドが車輪のディスクロータから離間されて、車輪102への制動力を解除する。つまり、EPB101の作動状態は、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオンされてから、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオフされるかアクセルペダルが踏み込まれるまで維持されるように構成されている。なお、パーキングブレーキ作動スイッチ101cは、レバー式又はペダル式のスイッチであってもよい。
また、車両100には、ABS装置104が搭載されている、ABS装置104は、ABSセンサ104aと、ABS制御部104bと、を備えている。ABSセンサ104aは、走行中の車輪102の回転速度を検出するものであり、車輪102に搭載されている。ABS制御部104bは、車両100の急停止時に車輪102がロックされないように、ABSセンサ104aの出力に基づいて制動装置を制御し、車輪102の制動力を制御するものであり、ECU103に搭載されている。ABSセンサ104aには、信号線としての一対の第2電線3が接続されている。
一対の第1電線2及び一対の第2電線3をシース4(図2参照)で一括被覆したものが、本実施の形態に係るワイヤハーネス10に使用されるケーブル1である。車輪102側から延出されたケーブル1は、車体105に設けられた中継ボックス106内にて電線群107に接続され、電線群107を介してECU103やバッテリ(不図示)に接続されている。なお、本実施の形態に係るワイヤハーネス10には、一対の第1電線2及び一対の第2電線3とシース4とを被覆する被覆部材20(後述。図3参照)が設けられている。
なお、図1では、図の簡略化のために1つの車輪102のみを示しているが、EPB用電気モータ101a、およびABSセンサ104aは、車両100の各車輪102に搭載されていてもよく、例えば、車両100の前輪のみ、あるいは後輪のみに搭載されていてもよい。
(ケーブル1の説明)
図2は、本実施の形態に係るワイヤハーネス10に使用されるケーブル1の横断面図である。
ケーブル1は、2本の第1電線2が対となっている一対の第1電線2と、2本の第2電線3が対となっている一対の第2電線3と、一対の第1電線2及び一対の第2電線3の外周を被覆するシース4と、を備えている。一対の第2電線3は、互いに撚り合わされており、一対の第1電線2は、互いに撚り合わされた一対の第2電線3とともに撚り合わされている。本実施の形態において、一対の第2電線3の撚り方向と、一対の第1電線2と互いに撚り合わされた一対の第2電線3とが撚り合わされたものの撚り方向とは、反対方向となっているが、同じ方向であってもよい。
第1電線2は、銅や銅合金等の金属からなる複数の素線を撚り合わせてなる第1導体2Aと、第1導体2Aの外周を被覆するポリエチレン等の絶縁性の樹脂からなる第1絶縁体2Bと、を備えている。第1絶縁体2Bの絶縁性の樹脂としては、ポリエチレンに架橋処理を施した架橋ポリエチレンを用いることもできる。
第1導体2Aを構成する素線としては、直径0.05mm以上0.30mm以下のものを用いることができる。直径0.05mm未満の素線を用いた場合は十分な機械的強度が得られず耐屈曲性が低下するおそれがあり、直径0.30mmより大きい素線を用いた場合複合ケーブル1の可撓性が低下するおそれがある。第1電線2の第1導体2Aの外径、および第1絶縁体2Bの厚さは、要求される駆動電流の大きさに応じて適宜設定すればよい。本実施の形態では、第1電線2がEPB101用電気モータ101aに駆動電流を供給するための電源線であることを考慮し、第1導体2Aの外径を1.5mm以上3.0mm以下に設定すると共に、第1電線2の外径を2.0mm以上4.0mm以下に設定した。
第2電線3は、銅や銅合金等の金属からなる複数の素線を撚り合わせてなる第2導体3Aと、第2導体3Aの外周を被覆するポリエチレン等の絶縁性の樹脂からなる第2絶縁体3Bと、を備えている。第2絶縁体3Bの絶縁性の樹脂としては、ポリエチレンに架橋処理を施した架橋ポリエチレンを用いることもできる。第2導体3Aに用いる素線としては、第1導体2Aと同様に、直径0.05mm以上0.30mm以下のものを用いることができる。
第2電線3の外径は、第1電線2の外径よりも小さい。本実施の形態では、互いに撚り合わせた一対(2本)の第2電線3と一対の第1電線2とを撚り合わせるため、ケーブル1の外径を円形状に近づけるという観点から、第2電線3として、第1電線2の外径の半分程度のものを用いることが望ましいといえる。具体的には、第2電線3としては、外径1.0mm以上1.8mm以下、第2導体3Aの外径が0.4mm以上1.0mm以下のものを用いることができる。
本実施の形態において、一対の第1電線2は、互いに接触しているとともに、一対の第2電線3は、互いに接触している。また、第1電線2と第2電線3とは、接触している。特に、図2に示すように、一対の第1電線2の横断面視における中心同士を結ぶ直線と、一対の第2電線3の横断面視における中心同士を結ぶ直線とが直交する際、一対の第1電線2の間である谷間に第2電線3の一部が配置された状態で、第2電線3は、当該谷間において、一対の第1電線2の両方に接触する。ケーブル1をこのように構成することで、ケーブル1の外径の大径化を抑制することが可能である。
なお、EPB101では、主に車両の停止時に電気モータ101aに駆動電流を供給する。これに対して、ABSセンサ104aは主に車両の走行時に使用されるものである。よって、ABSセンサ104aが使用されている際に、第1電線2を介して電気モータ101aに駆動電流が供給されることは通常の運転状態においては少ない。よって、本実施の形態では、第1電線2と第2電線3との間で発生するノイズを低減するためのシールド導体は省略可能である。シールド導体を省略することで、シールド導体を設けた場合と比較してケーブル1の外径を小さくすることができ、また部品点数を削減してコストを抑制することも可能になる。
一対の第1電線2及び一対の第2電線3の外周には、一対の第1電線2及び一対の第2電線3を一括して被覆するシース4が設けられている。シース4は、ポリウレタン等のウレタン系樹脂からなる。図2に示されている通り、本実施の形態において、シース4は、一対の第1電線2の間、一対の第1電線2と一対の第2電線3との間、及び一対の第2電線3の間に入り込んでいる。すなわち、シース4は、ケーブル1の断面形状が円形状となるよう、場所によって厚さが不均一となっている。シース4と一対の第1電線2及び一対の第2電線3との間には、シース4と一対の第1電線2及び一対の第2電線3との間の溶着や摩擦抵抗を低減するためのタルク(Mg3Si410(OH)2)やシリカ(SiO2)等からなる粉体が設けられていてもよい。また、一対の第1電線2と一対の第2電線3との間の摩擦抵抗を低減するために、一対の第1電線2と一対の第2電線3との間にも同様に粉体が設けられていてもよい。このようにすることで、ケーブル1が屈曲した際に、一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4が相互に相対移動しやすくなり、屈曲耐久性(屈曲寿命)の向上を図ることが可能となる。なお、粉体の粒径は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、粒径は、JIS8801で規定されるふるい分け法、顕微鏡法、レーザー回折散乱法、電気検知法、クロマトグラフィー法等により求めることができる。
(ワイヤハーネス10の説明)
図3は、本実施の形態に係るワイヤハーネス10の斜視図である。また、図4は、図3のA方向から見た側面図、図5は、図3のB方向から見た裏面図、図6は、図3のC方向から見た下面図、図7は、図3のD方向から見た前面図である。なお、図3及び4において、右側を前方、左側を後方、上側を上方、下側を下方ということがある。
本実施の形態に係るワイヤハーネス10は、図3に示すように、複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)と複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)の外周を被覆するシース4とを備えた上述したケーブル1と、シース4から延出している複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)及びシース4を被覆する被覆部材20と、を備えている。また、一対の第1電線2と一対の第2電線3とは、被覆部材20から異なる方向に延出している。具体的には、一対の第1電線2は、シース4の長手方向に対して交差する方向(本実施の形態においては、直交する方向)に被覆部材20から延出しており、一対の第2電線3は、シース4の長手方向に沿って被覆部材20から延出している。被覆部材20は、一対の第1電線2及び一対の第2電線3の延出方向を保持する機能を有する。
被覆部材20は、本実施の形態において、シース4と同じ材質からなることが好ましく、ポリウレタン等のウレタン系樹脂からなる。被覆部材20は、図3及び4に示すように、第1本体部21と、第2本体部22と、第1突出部23と、第2突出部24と、を備えており、これらは、JISA硬度10以上95以下(好ましくは、JISA硬度30以上80以下)のポリウレタンを樹脂モールド成形することにより一体に形成されている。
第1本体部21は、図3、4及び5に示されている通り、四隅が丸みを帯びた矩形状(本実施の形態では正方形状)の底面を有する角柱状に形成されている。より具体的には、第1本体部21内には、詳細は図8を用いて後述するとおり、一対の第1電線2や一対の第2電線3等が存在する部分があるが、第1本体部21は、一対の第1電線2や一対の第2電線3等を取り除いたとすると、これらの形状に合致した中空部を有する角柱状に形成されている。
第2本体部22は、第1本体部21の図3及び4における後方の底面(以下、第1底面という)から後方に向かってシース4の長手方向に突出して形成されている。第2本体部22は、第1本体部21の第1底面と連結する本体部突出部22aを有する。本体部突出部22aは、図5に示す通り、後方から見た際における外形が円形状に形成されており、本体部突出部22aを図5の上下方向から切った際の横断面形状も円形状である。本体部突出部22aは、図8を用いて後述する通り、その内部には一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4等が存在しているが、本体部突出部22aは、これらを取り除いたとすると、これらの形状に合致した中空部を有する円筒状に形成されている。本体部突出部22aの上記外形が形成する円形状の面積は、図5に示す通り、第1底面の面積よりも小さい。すなわち、本体部突出部22aは、図5に示す通り、後方から見た際に第1底面内に収まっている。
また、第2本体部22は、図3及び4に示す通り、本体部突出部22aよりも後方に位置する本体部テーパ部22bを有する。本体部テーパ部22bは、本体部突出部22aと連結しており、後方に向かって円形状の径が小さくなる筒状に形成されている。すなわち、本体部テーパ部22bは、円錐台に中空部が形成されている筒状体をなしている。
さらに、第2本体部22は、図3及び4に示す通り、本体部テーパ部22bよりも後方に位置する後端部22cを有する。後端部22cは、本体部テーパ部22bと連結しており、図4及び5に示す通り、円筒状に形成されている。また、後端部22cは、図8を用いて後述する熱収縮チューブ30と接触して熱収縮チューブ30の外周に形成されている。後端部22cからは、ケーブル1が後方に延出している。
第1突出部23は、図4、5及び6に示す通り、第1本体部21の図4における下方の側面(以下、第1側面という)から下方に突出して形成されている。また、詳細は図8を用いて後述するが、一対の第1電線2は、被覆部材20内において折れ曲がっており、シース4の長手方向に沿ってシース4から延出する延出部2aと、延出部2aと連続しておりシース4の長手方向に対して交差する交差部2bと、を備えている。第1突出部23は、当該交差部2bに沿って形成されている。なお、本実施の形態において、交差部2bは、シース4の長手方向に対して直交している。
第1突出部23は、第1突出部本体23aと、第1テーパ部23bと、を備える。
第1突出部本体23aは、図6に示されている通り、下方から見た際における外形が円形状に形成されており、第1突出部本体23aを図6の上下方向から切った際の横断面形状も円形状である。すなわち、第1突出部本体23aは、一対の第1電線2の交差部2bが挿通している二つの中空部を有する円筒状に形成されている。第1突出部本体23aの上記外形が形成する円形状の面積は、図6に示す通り、第1側面の面積よりも小さく、第1突出部本体23aは、下方から見た際に第1側面内に収まっている。第1突出部本体23aの端面からは、一対の第1電線2の交差部2bが延出している。このような第1突出部本体23aは、一対の第1電線2が揺動するのに伴って揺動する揺動部となり、一対の第1電線2が揺動した際に一対の第1電線2が損傷(第1導体2Aの摩耗や第1絶縁体2Bの亀裂)することを低減することが可能となるという効果を奏する。また、第1突出部本体23aがJISA硬度10以上95以下のポリウレタンからなることにより、当該効果はより向上する。さらに、第1突出部本体23aは、本実施の形態において、横断面形状が円形状であるので、一対の第1電線2が揺動するのに伴って異方性なく揺動しやすくなるという効果を奏する。
第1テーパ部23bは、第1突出部本体23aと第1側面との間に介在し、第1突出部本体23aと第1側面とを連結している。第1テーパ部23bは、第1突出部本体23aから第1側面に向かって(図4における上方に向かって)、円形状の径が大きくなる筒状((一対の第1電線2の交差部2bが挿通している)二つの中空部が形成されている筒状)に形成されている。すなわち、第1テーパ部23bは、円錐台に二つの中空部が形成されている筒状体をなしている。
つぎに、第2突出部24は、図3、4、6及び7に示す通り、第1本体部21の図4における前方の底面(以下、第2底面という)から前方に突出し、一対の第2電線3に沿って形成されている。ここで、第2底面は、第2本体部22が突出している第1底面と平行に対向している面である。
第2突出部24は、第2突出部本体24aと、第2テーパ部24bと、を備える。
第2突出部本体24aは、図7に示されている通り、前方から見た際における外形が円形状に形成されており、第2突出部本体24aを図7の上下方向から切った際の横断面形状も円形状である。すなわち、第2突出部本体24aは、一対の第2電線3が挿通している二つの中空部を有する円筒状に形成されている。第2突出部本体24aの上記外形が形成する円形状の面積は、図7に示す通り、第2底面の面積よりも小さい。すなわち、第2突出部本体24aは、前方から見た際に第2底面内に収まっている。第2突出部本体24aの端面からは、シース4の長手方向に沿って一対の第2電線3が延出している。このような第2突出部本体24aは、一対の第2電線3が揺動するのに伴って揺動する揺動部となり、一対の第2電線3が揺動した際に一対の第2電線3が損傷(第2導体3Aの摩耗や第2絶縁体3Bの亀裂)することを低減することが可能となるという効果を奏する。また、第2突出部本体24aがJISA硬度10以上95以下のポリウレタンからなることにより、当該効果はより向上する。さらに、第2突出部本体24aは、本実施の形態において、横断面形状が円形状であるので、一対の第2電線3が揺動するのに伴って異方性なく揺動しやすくなるという効果を奏する。なお、第2突出部本体24aの横断面形状の円形状の径は、第1突出部本体23aの横断面形状の円形状の径よりも小さい。
第2テーパ部24bは、第2突出部本体24aと第2底面との間に介在し、第2突出部本体24aと第2底面とを連結している。第2テーパ部24bは、第2突出部本体24aから第2底面に向かって(後方に向かって)、円形状の径が大きくなる筒状((一対の第2電線3が挿通している)二つの中空部が形成されている筒状)に形成されている。すなわち、第2テーパ部24bは、円錐台に二つの中空部が形成されている筒状体をなしている。
次に、被覆部材20の内部について、図8を用いて説明する。図8は、図5におけるX−X’断面図である。なお、ケーブル1は、図2を用いて上述した通り、実際には一対の第1電線2と互いに撚り合わされた一対の第2電線3とが撚り合わされている構造をとっているが、図8においては、図の簡略化のため一対の第1電線2及び一対の第2電線3を直線状に描いている。
図8に示されている通り、被覆部材20の内部において、ワイヤハーネス1は、さらに熱収縮チューブ30を有している。収縮されていない状態の熱収縮チューブ30は、シース4(ケーブル1)の外径よりも径が大きく、収縮されていない状態で、一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4が挿通される。そして、その一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4が挿通された状態で熱収縮チューブ30に熱が加えられることにより、熱収縮チューブ30は、収縮し、一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4に対して密に装着される。
熱収縮チューブ30は、シース4から延出している複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)及びシース4を一括して覆っている。これにより、一対の第1電線2及び一対の第2電線3と被覆部材20との間から侵入してきた水は、熱収縮チューブ30の前方側の端部にて、(複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)が露出しているシース4の端部から)シース4内に侵入することが抑止され、シース4と被覆部材20との間から侵入してきた水は、熱収縮チューブ30の後方側の端部にて、(複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)が露出しているシース4の端部から)シース4内に侵入することが抑止される。ここで、一対の第1電線2は、前述の通り、被覆部材20内において折れ曲がっており、シース4の長手方向に沿ってシース4から延出する延出部2aと、延出部2aと連続しておりシース4の長手方向に対して交差する交差部2bと、を備えている。本実施の形態において、一対の第1電線2は、熱収縮チューブ30によりそれぞれの延出部2aが覆われている。
熱収縮チューブ30は、本実施の形態において、筒状の樹脂チューブ部(図示しない)と、一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4と対向する樹脂チューブ部の内面に形成された接着剤層(図示しない)と、を備えている。本実施の形態において、樹脂チューブ部は、ポリオレフィン系樹脂からなり、接着剤層は、ホットメルトであるエポキシ樹脂接着剤からなる。なお、図8では、樹脂チューブ部と接着剤層とは分離(ハッチング分け等を)せずに熱収縮チューブ30を図示しており、樹脂チューブ部及び接着剤層に同じハッチングを付し熱収縮チューブ30を図示している。なお、熱収縮チューブ30は、内面に接着剤層が形成されていない筒状の樹脂チューブ部からなるものを用いることも可能であり、その場合は、補助として樹脂チューブ部の内部(中空部)にホットメルト等からなる接着剤を充填して使用することが好ましい。
接着剤層は、熱収縮チューブ30を収縮させる際の熱により溶融し、一対の第1電線2、一対の第2電線3、シース4、及び熱収縮チューブ30間の隙間にホットメルトが充填される。このとき、一対の第1電線2及び一対の第2電線3と熱収縮チューブ30との間、シース4と熱収縮チューブ30との間、一対の第1電線2と一対の第2電線3との間、及び一対の第1電線2の間及び一対の第2電線3の間には、ホットメルトが充填される。そして、熱収縮チューブ30を十分に収縮させた後、熱を取り除いてホットメルトを硬化させると、一対の第1電線2、一対の第2電線3、シース4、及び熱収縮チューブ30間の隙間がホットメルトにより封止される。
熱収縮チューブ30は、被覆部材20により被覆されており、その外周面が被覆部材20と接触している。詳しくは、第1本体部21内では、ケーブル1を構成するもののうち一対の第1電線2の延出部2a及び一対の第2電線3が熱収縮チューブ30に接触して覆われている。熱収縮チューブ30の前方の端部は、第1本体部21内に収容されている。
また、被覆部材20の本体部突出部22a内では、一対の第1電線2の延出部2a及び一対の第2電線3が熱収縮チューブ30に接触して覆われている部分、及びシース4が熱収縮チューブ30に接触して覆われている部分を有する。
さらに、被覆部材20の本体部テーパ部22b及び後端部22c内では、シース4が熱収縮チューブ30に接触して覆われており、熱収縮チューブ30の後方の端部は、後端部33c内に収容されている。
ここで、熱収縮チューブ30は、一度収縮を完了させたあとであっても、再度熱が加わると再度収縮が開始する場合がある。よって、ワイヤハーネス1が高温環境下で使用される場合には、熱収縮チューブ30の収縮が再度開始し、熱収縮チューブ30がシース4長手方向に移動しシース4から脱落してしまう場合がある。本実施の形態において、熱収縮チューブ30は、被覆部材20により被覆されており、その外周面が被覆部材20と接触しているため、たとえ熱収縮チューブ30の収縮が再度開始した場合であっても、熱収縮チューブ30のシース4長手方向に沿った移動が被覆部材20により規制され、シース4から熱収縮チューブ30が脱落してしまうことを抑制することが可能である。すなわち、被覆部材20は、上述の通り一対の第1電線2及び一対の第2電線3の延出方向を保持する機能を有するとともに、熱収縮チューブ30のシース4長手方向に沿った移動を規制する機能を有する。
なお、被覆部材20は、上述の通り、シース4から熱収縮チューブ30が脱落してしまうことを抑制する機能を有するが、被覆部材20の軟化温度を超える高温環境(例えば、ポリウレタンが軟化する120℃以上の環境)においては、被覆部材20が軟化するため、熱収縮チューブ30のシース4長手方向に沿った移動を規制する機能が低下する場合がある。そこで、本実施の形態においては、熱収縮チューブ30がシース4を覆っている長さを、熱収縮チューブ30の交差部2b側の端部(前方の端部)から交差部2bまでの長さよりも長くしている。これにより、被覆部材20が軟化し、熱収縮チューブ30がシース4長手方向に沿って移動したとしても、移動した熱収縮チューブ30は、シース4がいまだに熱収縮チューブ30により覆われている状態で、交差部2bに接触してその移動が止まる。よって、被覆部材20がその軟化温度を超える高温環境にさらされたとしても、シース4から熱収縮チューブ30から脱落してしまうことをより確実に抑制することが可能である。
(本実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)が被覆部材20から異なる方向に延出しているワイヤハーネス10において、ワイヤハーネス10は、シース4から延出している複数の電線(一対の第1電線2及び一対の第2電線3)及びシース4を一括して覆う熱収縮チューブ30を備えている。よって、一対の第1電線2及び一対の第2電線3と被覆部材20との間から侵入してきた水は、熱収縮チューブ30の前方の端部にて、シース4内に侵入することが抑止され、シース4と被覆部材20との間から侵入してきた水は、熱収縮チューブ30の後方の端部にて、シース4内に侵入することが抑止される。すなわち、一つの熱収縮チューブ30にて、一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4と、被覆部材20と、の間からシース4内に侵入する水を抑止することが可能である。これにより、被覆部材20と一対の第1電線2との間、被覆部材20と一対の第2電線3との間、及び被覆部材20とシース4との間に、それぞれ防水手段を設ける必要がなく、ワイヤハーネス10の製造工程の煩雑さを低減することが可能となる。
また、防水手段としては、熱収縮チューブ30の代わりにパッキン等のゴム栓を用いることも考えられるが、一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4をゴム栓の挿通孔に挿通する挿通作業の際、ゴム栓の緊縛力により挿通作業が面倒になる場合がある。一方、本実施の形態では、一対の第1電線2、一対の第2電線3、及びシース4をシース4の外径よりも径が大きい収縮されていない状態の熱収縮チューブ30に挿通するだけでよいので、挿通作業が容易になるという効果もある。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]複数の電線(2,3)と前記複数の電線(2,3)の外周を被覆するシース(4)とを備えたケーブル(1)と、前記シース(4)から延出している前記複数の電線(2,3)及び前記シース(4)を被覆する被覆部材(20)と、を備え、前記複数の電線(2,3)が前記被覆部材(20)から異なる方向に延出しているワイヤハーネス(10)において、前記シース(4)から延出している前記複数の電線(2,3)及び前記シース(4)を覆う熱収縮チューブ(30)をさらに備え、前記被覆部材(20)は、前記シース(4)から延出している前記複数の電線(2,3)及び前記シース(4)とともに、前記熱収縮チューブ(30)を被覆しているワイヤハーネス(10)。
[2]前記複数の電線(2,3)は、前記シース(4)の長手方向に対して交差する交差部(2b)を有し当該交差部(2b)が前記被覆部材(20)から延出する第1電線(2)を備え、前記熱収縮チューブ(30)が前記シース(4)を覆っている長さは、前記熱収縮チューブ(30)の前記交差部(2b)側の端部から前記交差部(2b)までの長さよりも長い、[1]に記載のワイヤハーネス(10)。
[3]前記複数の電線(2,3)は、前記シース(4)の長手方向に沿って前記被覆部材(20)から延出する第2電線(3)を備える、[2]に記載のワイヤハーネス(10)。
[4]前記複数の電線(2,3)は、2本の前記第1電線(2)が対となっている一対の前記第1電線(2)を備えるとともに、2本の前記第2電線(3)が対となっている一対の前記第2電線(3)を備える、[3]に記載のワイヤハーネス(10)。
[5]前記熱収縮チューブ(30)は、ポリオレフィン系樹脂からなる、[1]乃至[4]の何れかに記載のワイヤハーネス(10)。
[6]前記複数の電線(2,3)と前記熱収縮チューブ(30)との間には、ホットメルトが充填されている、[1]乃至[5]の何れかに記載のワイヤハーネス(10)。
[7]前記複数の電線(2,3)の間には、ホットメルトが充填されている、[1]乃至[6]の何れかに記載のワイヤハーネス(10)。
[8]前記被覆部材(20)には、前記第1電線(2)に沿って形成されている第1突出部(23)を備え、前記第1突出部(23)は、横断面形状が円形状の第1突出部本体(23a)を備える、[1]乃至[7]の何れかに記載のワイヤハーネス(10)。
[9]前記被覆部材(20)には、前記第2電線(3)に沿って形成されている第2突出部(24)を備え、前記第2突出部(24)は、横断面形状が円形状の第2突出部本体(24a)を備える、[1]乃至[8]の何れかに記載のワイヤハーネス(10)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、本実施の形態では、一対の第1電線2と一対の第2電線3を有する4芯のケーブル1を用いる場合を説明したが、複数の電線の本数はこれに限定されず、2芯、3芯、あるいは5芯以上であってもよい。また、本実施の形態では、複数の電線(2,3)は、被覆部材20から異なる2つの方向から延出しているが、3つ以上の方向から延出していてもよい。
さらにまた、本実施の形態では、被覆部材20が樹脂モールド成形されてなる場合について説明したが、被覆部材20は、予め成形された2分割構成のケース部品を嵌合することにより形成されるケースにより構成されてもよい。
1・・・ケーブル
2・・・第1電線
3・・・第2電線
4・・・シース
10・・・ワイヤハーネス
20・・・被覆部材
30・・・熱収縮チューブ

Claims (7)

  1. 複数の電線と前記複数の電線の外周を被覆するシースとを備えたケーブルと、前記シースから延出している前記複数の電線及び前記シースを被覆する被覆部材と、を備え、前記複数の電線が前記被覆部材から異なる方向に延出しているワイヤハーネスにおいて、
    前記シースから延出している前記複数の電線及び前記シースを覆う熱収縮チューブをさらに備え、
    前記被覆部材は、前記シースから延出している前記複数の電線及び前記シースとともに、前記熱収縮チューブを被覆しており、
    前記複数の電線は、前記シースの長手方向に対して交差する交差部を有し当該交差部が前記被覆部材から延出する第1電線を備え、
    前記熱収縮チューブが前記シースを覆っている長さは、前記熱収縮チューブの前記交差部側の端部から前記交差部までの長さよりも長い、
    ワイヤハーネス。
  2. 前記複数の電線は、前記シースの長手方向に沿って前記被覆部材から延出する第2電線を備える、
    請求項に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記複数の電線は、2本の前記第1電線が対となっている一対の前記第1電線を備えるとともに、2本の前記第2電線が対となっている一対の前記第2電線を備える、
    請求項に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記熱収縮チューブは、ポリオレフィン系樹脂からなる、
    請求項1乃至の何れかに記載のワイヤハーネス。
  5. 前記複数の電線と前記熱収縮チューブとの間には、ホットメルトが充填されている、
    請求項1乃至の何れかに記載のワイヤハーネス。
  6. 前記複数の電線の間には、ホットメルトが充填されている、
    請求項1乃至の何れかに記載のワイヤハーネス。
  7. 前記被覆部材には、前記第1電線に沿って形成されている第1突出部を備え、
    前記第1突出部は、横断面形状が円形状の第1突出部本体を備える、
    請求項1乃至の何れかに記載のワイヤハーネス。
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