JP7370130B2 - 電線及びケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車に用いられる電線及びケーブルに関する。
近年、自動車において、電動式の制動装置が普及しつつある。電動式の制動装置としては、電気機械式ブレーキ(Electro-Mechanical Brake、EMB)や、電動パーキングブレーキ(Electric Parking Brake、EPB)が知られている。EMBやEPBは、車体に設けられている車体側装置から車輪に設けられている車輪側装置へ配線されるケーブルを介して電流が供給されることにより動作する。
EMBやEPBに使用されるケーブルとして、例えば、特許文献1に記載のようなケーブルがある。特許文献1に記載のケーブルは、複数の導体素線からなる導体と該導体の外周全周に接触して設けられている絶縁層とを有する複数の電線と、該複数の電線の外周に設けられているシース層と、を有するものである。
特開2017-201579号公報
ところで、EMBやEPBに使用されるケーブルは、走行中における車輪の上下動(バウンドやリバウンド)や車輪の左右動(転舵)により、繰り返し屈曲する。このため、EMBやEPBに使用されるケーブルには、電線を構成する導体の繰り返し屈曲に対する耐久性(屈曲耐久性)の向上が求められている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、導体の屈曲耐久性を向上させることが可能な電線及びケーブルの提供を目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、複数の導体素線により形成されている導体と、前記導体の外周に設けられている絶縁層と、を有し、前記導体と前記絶縁層との間には、中空部が設けられており、断面視において前記導体の中心と前記中空部の中心とを一致させた際に、前記導体と前記絶縁層とが接触しない電線を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、複数の導体素線により形成されている第1導体と、前記第1導体の外周に設けられている第1絶縁層と、を有する複数の第1電線と、前記複数の第1電線の外周に設けられているシースと、を有し、前記第1導体と前記第1絶縁層との間には、中空部が設けられており、断面視において前記第1導体の中心と前記中空部の中心とを一致させた際に、前記第1導体と前記第1絶縁層とが接触しないケーブルを提供する。
本発明によれば、導体の屈曲耐久性を向上させることが可能な電線及びケーブルの提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る電線(第1電線1)を有するケーブル10を用いた車両の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る電線(第1電線1)を有するケーブル10の断面図である。 本発明の実施の形態に係る電線(第1電線1)の拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る電線(第1電線1)の第1導体2の中心と中空部Sの中心とを一致させた際の拡大断面図である。 (a)従来の電線の断面図である。(b)従来の電線が屈曲した際の断面図である。 本実施の形態に係る電線(第1電線1)が屈曲した際の断面図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
<ケーブル10を適用する車両の説明>
図1は、本実施の形態に係る電線(第1電線1)を有するケーブル10を用いた車両の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両100には、電動式の制動装置として、電動パーキングブレーキ(以下、EPBという)101が備えられている。
EPB101は、EPB用電気モータ101aと、EPB制御部101bと、を備えている。
EPB用電気モータ101aは、車両100の車輪102に搭載されている車輪側装置である。EPB制御部101bは、車両100の車体105に搭載されている車体側装置であるECU(電子制御ユニット)103に搭載されている。なお、EPB制御部101bは、ECU103以外のコントロールユニットに搭載されていてもよく、専用のハードウェアユニットに搭載されていてもよい。
図示していないが、EPB用電気モータ101aには、ブレーキパッドが取り付けられたピストンが設けられている。当該ピストンは、EPB用電気モータ101aの回転駆動により移動する。EPB101は、当該ピストンが移動することにより、ブレーキパッドが車輪102のディスクロータに押し付けられ、車輪102に対して制動力が発生するよう構成されている。EPB用電気モータ101aには、EPB用電気モータ101aに駆動電流を供給するための電源線として一対の第1電線1(本実施の形態に係る電線)が接続されている。
EPB制御部101bは、車両100の停止時に、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオフ状態からオン状態に操作されたとき、所定時間(例えば1秒間)にわたってEPB用電気モータ101aに駆動電流を出力することにより、ブレーキパッドを車輪102のディスクロータに押し付けた状態とし、車輪102に制動力を発生させるように構成されている。また、EPB制御部101bは、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオン状態からオフ状態に操作されたとき、あるいは、アクセルペダルが踏込操作されたときに、EPB用電気モータ101aに駆動電流を出力し、ブレーキパッドを車輪のディスクロータから離間させて、車輪102への制動力を解除するように構成される。つまり、EPB101の作動状態は、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオンされてから、パーキングブレーキ作動スイッチ101cがオフされるかアクセルペダルが踏み込まれるまで維持されるように構成されている。なお、パーキングブレーキ作動スイッチ101cは、レバー式又はペダル式のスイッチであってもよい。
また、車両100には、ABS装置104が搭載されている。ABS装置104は、ABSセンサ104aと、ABS制御部104bと、を備えている。
ABSセンサ104aは、走行中の車輪102の回転速度を検出する回転速度検出センサであり、車輪102に搭載されている。ABS制御部104bは、急停止時に車輪102がロックされないように、ABSセンサ104aの出力に基づいて制動装置を制御し、車輪102の制動力を制御するものであり、ECU103に搭載されている。ABSセンサ104aには、信号線として一対の第2電線6が接続されている。
第1電線1と第2電線6とを一括してシース5(図2参照)で被覆したものが、ケーブル10である。車輪102側から延出されたケーブル10は、車体105に設けられた中継ボックス106内にて電線群107に接続され、電線群107を介してECU103やバッテリ(不図示)に接続されている。
図1では、図の簡略化のために1つの車輪102のみを示しているが、EPB用電気モータ101a、およびABSセンサ104aは、車両100の各車輪102に搭載されていてもよく、例えば、車両100の前輪のみ、あるいは後輪のみに搭載されていてもよい。
<ケーブル10の説明>
図2は、本発明の実施の形態に係る電線(第1電線1)を有するケーブル10の断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係る電線(第1電線1)の拡大断面図である。図4は、本発明の実施の形態に係る電線(第1電線1)の第1導体2の中心と中空部Sの中心とを一致させた際の拡大断面図である。なお、本明細書において、「断面」とは、ケーブル10の長手方向に対して直交する方向に切った際の横断面のことである。
図2に示すように、ケーブル10は、一対の第1電線1と、一対の第2電線6と、一対の第1電線1及び一対の第2電線6の外周に設けられているシース5と、を有している。また、シース5と一対の第1電線1及び一対の第2電線6との間には、一対の第1電線1及び一対の第2電線6の外周に接触して螺旋状に巻き付けられているテープ部材4が設けられている。
本実施の形態では、一対の第1電線1は、車両100の車輪102に搭載されたEPB101用の電気モータ101aに駆動電流を供給するための電源線である。また、本実施の形態では、一対の第2電線6は、車輪102に搭載されたABSセンサ104a用の信号線である。
(第1電線1)
第1電線1は、図2に示すように、第1導体2と、第1導体2の外周に設けられている第1絶縁層3と、を有する。
第1導体2は、図3に示すように、複数の導体素線2aにより形成されている。より詳しくは、第1導体2は、複数の導体素線2aが撚り合わされて形成されている複数(本実施の形態では、7つ)の子撚り線により形成されている。第1導体2は、この複数の子撚り線がさらに撚り合わされて形成されている一つの親撚り線からなる。本実施の形態では、子撚り線が集合撚りにて形成されており、親撚り線が同心撚りにて形成されている。本実施の形態では、第1導体2の径、すなわち、複数の導体素線2aにより形成される円C(図4における破線で描いた円)の直径は、約1.8mmである。この場合、当該円Cの面積は、約2.5mm2である。なお、本実施の形態では、第1導体2が複数の子撚り線を同心撚りして形成されているため、円Cは、複数の子撚り線の外周に接する円である。
導体素線2aは、銅やアルミ等の良導電性の金属からなる。より詳しくは、導体素線2aは、軟線、銀メッキ軟線、硬銅線、錫メッキ軟線、銅合金線、錫メッキ銅合金線、錫入り銅合金線等からなる。また、導体素線2aは、導体径が0.01mm以上0.30mm以下のものからなることが好ましい。導体素線2aの導体径が0.01mm未満の場合、十分な機械的強度が得られず、屈曲耐久性が低下するおそれがある。また、導体素線2aの導体径が0.30mmより大きい場合、第1電線1の可撓性の低下、さらには、第1電線1を有するケーブル10の可撓性の低下を招くおそれがある。
第1絶縁層3は、絶縁性の樹脂からなり、第1導体2の外周に設けられている。より詳しくは、第1絶縁層3は、第1導体2の外周全周を覆って第1導体2の外周に設けられている。つまり、第1絶縁層3は、第1導体2を覆う円筒状に形成されている。第1絶縁層3は、ショアD硬度が35以上85以下のものからなることが好ましい。本実施の形態では、第1絶縁層3は、架橋ポリエチレン(XLPE)からなる。その他、第1絶縁層3として、ポリエチレン、テトラフルオロエチレンーエチレン共重合体(ETFE)、フッ素樹脂等の絶縁樹脂を用いることができる。また、第1絶縁層3は、厚さが0.2mm以上3.0mm以下であることが好ましい。第1絶縁層3の厚さが0.2mm未満の場合、絶縁性の低下を招くおそれがある。また、第1絶縁層3の厚さが3.0mmより大きい場合、第1電線1の可撓性の低下、さらには、第1電線1を有するケーブル10の可撓性の低下を招くおそれがある。
ここで、第1電線1には、図2及び図3に示すように、中空部Sが設けられている。より詳しくは、第1電線1における第1導体2と第1絶縁層3との間に中空部Sが設けられている。このようにすることで、図5、6を用いて後述する通り、第1電線1における第1導体2の屈曲耐久性を向上させることが可能となる。
中空部Sは、円筒状の第1絶縁層3の内部に形成されているとともに、断面円形状に形成されている。第1電線1は、予め押出成形等により円筒状に形成された第1絶縁層3に第1導体2を挿通させることにより、第1導体2と第1絶縁層3との間に中空部Sが設けられている状態で形成される。なお、本実施の形態では、第1導体2は、第1絶縁層3と接触可能な状態で中空部Sに配置されており、図3に示すように、通常の状態においては、第1導体2は、その自重により第1絶縁層3と接触している。
上述したように、第1導体2は、第1絶縁層3と接触可能な状態で中空部Sに配置されているが、図4に示すように、断面視において第1導体2の中心と中空部Sの中心とを一致させた際に、第1導体2と第1絶縁層3とは接触しない。この際、第1導体2(円C)から第1絶縁層3の内面3aまでの距離Dは、0.05mm以上5.0mm以下とすることが好ましい。すなわち、中空部Sの断面積に対する円Cの面積の比率(円Cの面積/中空部Sの断面積)は、0.02以上0.90以下であることが好ましい。第1導体2から第1絶縁層3の内面3aまでの距離Dが0.05mm未満の場合、第1電線1が屈曲した際、断面視において第1絶縁層3が第1導体2の外周に接触する部分が大きくなるおそれがある。また、第1導体2から第1絶縁層3の内面3aまでの距離Dが5.0mmより大きい場合、第1電線1が大径化してしまうおそれがある。加えて、第1導体2と第1絶縁層3とは断面視において相対移動可能であるため、第1導体2から第1絶縁層3の内面3aまでの距離Dが5.0mmより大きい場合、車両100の振動に伴い第1電線1が振動した際、第1導体2と第1絶縁層3の内面3aとが強くぶつかるおそれがある。なお、断面視において第1絶縁層3が第1導体2の外周に接触する部分が大きくなるおそれをより抑制するとともに、第1電線1の大径化をより抑制するという観点から、第1導体2から第1絶縁層3の内面3aの距離Dは、0.1mm以上1.3mm以下であることがより好ましい。すなわち、中空部Sの断面積に対する円Cの面積の比率(円Cの面積/中空部Sの断面積)は、0.16以上0.80以下とすることが好ましい。
ここで、「第1導体2と第1絶縁層3との間に中空部Sを設ける」意義について、以下、図5、6を用いて説明する。図5(a)は、従来の電線21の断面図であり、図5(b)は、従来の電線が屈曲した際の断面図である。図6は、本実施の形態に係る第1電線1が屈曲した際の断面図である。
まず、従来の電線21について、図5(a)を用いて説明する。電線21は、複数の導体素線22aからなる導体22と、導体22の外周全周に接触して設けられている絶縁層23と、を有する。導体22は、本実施の形態と同様、複数の導体素線22aが撚り合わされて形成されている複数の子撚り線がさらに撚り合わされて形成されている。
電線21が屈曲した際、図5(b)に示すように、絶縁層23が変形することとなる。なお、図5(a)に図示した従来の電線21の構造においては、電線21が屈曲した際の絶縁層23の変形は微小であると考えられるが、図5(b)では、絶縁層23の変形を誇張して図示している。
電線21の屈曲により絶縁層23が変形すると、図5(b)に示すように、絶縁層23が導体22の外周全周に接触して設けられているため、絶縁層23から導体22へ圧力Pが印加される。このため、電線21が屈曲するたびに、導体22に圧力Pが印加された状態で複数の導体素線22aが互いに擦れ合うこととなる。よって、電線21が繰り返し屈曲することにより、複数の導体素線22aが摩耗し、導体22の屈曲耐久性の低下につながる。
一方、本実施の形態に係る第1電線1は、図4に示すように、第1導体2と第1絶縁層3との間に中空部Sが設けられているとともに、断面視において第1導体2の中心と中空部Sの中心とを一致させた際に、第1導体2と第1絶縁層3とが接触しない構成となっている。このような構成により、図6に示すように、第1電線1が屈曲した際、第1絶縁層3は、断面視において従来の電線21よりも導体の外周に接触する部分が少ないかたちで変形する。このため、第1電線1の屈曲により第1絶縁層3が変形しても、第1絶縁層3から第1導体2へ印加される圧力が空間Sにより従来よりも緩和される。よって、第1電線1が繰り返し屈曲したとしても、複数の導体素線22aの摩耗が抑制され、第1導体2の屈曲耐久性の向上につながる。
(第2電線6)
第2電線6は、図2に示すように、第2導体7と、第2導体7の外周に設けられている第2絶縁層8と、を有する。
第2導体7は、複数の導体素線(図示せず)が撚り合わされて形成されている。本実施の形態では、第2導体7は、第1導体2よりも径が小さく、約1.0mmに形成されている。このとき、第2導体7の断面積は、約0.79mm2となっており、第1導体2における円Cの断面積よりも小さくなっている。
第2導体7を形成する導体素線は、第1導体2と同様、銅やアルミ等の良同性の金属からなり、より詳しくは、軟導線、銀メッキ軟導線、硬銅線、錫メッキ軟導線、銅合金線、錫メッキ銅合金線、錫入り銅合金線等からなる。また、その導体径も、第1導体2と同様、0.01mm以上0.30mm以下のものからなることが好ましい。
第2絶縁層8は、絶縁性の樹脂からなり、第2導体7の外周に設けられている。より詳しくは、第2絶縁層8は、例えば押出成形により、第2導体7の外周全周に接触して第2導体7の外周に設けられる。すなわち、第2電線6における第2導体7と第2絶縁層8との間には、中空部は設けられていない。本実施の形態では、第2絶縁層8は、第1絶縁層3と同様、架橋ポリエチレン(XLPE)からなる。また、その他、第1絶縁層3と同様、第2絶縁層8としては、ポリエチレン、テトラフルオロエチレンーエチレン共重合体(ETFE)、フッ素樹脂等を用いることができる。
なお、一対の第2電線6は、互いに撚り合わされており、当該互いに撚り合わされている一対の第2電線6は、一対の第1電線1と共に撚り合わされている。
(テープ部材4)
テープ部材4は、一対の第1電線1及び一対の第2電線6の外周に設けられている。また、テープ部材4は、一対の第1電線1及び一対の第2電線6を一括で覆っており、一対の第1電線1及び一対の第2電線6と接触している。テープ部材4は、不織布、紙、樹脂等からなる。テープ部材4は、シース5と一対の第1電線1及び一対の第2電線6との間の摩擦抵抗を抑制する役割を有する。すなわち、シース5と一対の第1電線1及び一対の第2電線6との間にテープ部材4が設けられることにより、一対の第1電線1及び一対の第2電線6がシース5に対して相対移動しやすくなる。
テープ部材4は、一対の第1電線1及び一対の第2電線6の外周にケーブル10の長手方向に沿って螺旋状に巻き付けられている。本実施の形態において、テープ部材4の巻き付け方向は、互いに撚り合わされている一対の第2電線6と一対の第1電線1とが撚り合わされてなる撚合体の撚り方向と逆方向になっている。
(シース5)
シース5は、絶縁性の樹脂からなり、一対の第1電線1及び一対の第2電線6の外周に設けられている。また、シース5は、例えば押出成形により、テープ部材4の外周全周に接触して設けられる。シース5は、ウレタンやエチレンプロピレンジエンゴム等からなる。なお、本実施の形態において、シース5の断面形状は、円形状となっている。
[実施の形態の作用及び効果]
(1)本実施の形態に係る電線(第1電線1)では、第1導体2と第1絶縁層3との間に中空部Sが設けられており、断面視において第1導体2の中心と中空部Sの中心とを一致させた際に、第1導体2と第1絶縁層3とは接触しない。これにより、第1電線1の屈曲により第1絶縁層3が変形しても、第1絶縁層3から第1導体2へ印加される圧力が空間Sにより従来よりも緩和される。よって、第1電線1が繰り返し屈曲したとしても、複数の導体素線22aの摩耗が抑制され、第1導体2の屈曲耐久性の向上につながる。
(2)ケーブル10では、第1電線1に中空部Sが設けられているが、第2電線6には中空部が設けられていない。第2導体7は、第1導体2よりも径が小さいので、第1導体2と同じ導体素線を用いた場合、第1導体2よりも一般的に屈曲耐久性が高い。そのため、第1導体2と第1絶縁層3との間のみに中空部Sを設けて、第1導体2よりも径が小さく屈曲耐久性の高い第2導体7と第2絶縁層8との間には中空部を設けていない。これにより、第1導体2の屈曲耐久性を向上させることが可能であるとともに、第2電線6を第2導体7の外周に第2絶縁層8を押出成形することで製造可能なので、製造工程の簡略化が可能である。
(3)ケーブル10では、テープ部材4の巻き付け方向が、互いに撚り合わされている一対の第2電線6と一対の第1電線1とが撚り合わされてなる撚合体の撚り方向と逆方向になっている。これにより、シース5をテープ部材4の外周に押出形成して設ける際に、押出成形の樹脂圧により、シース5が一対の第1電線1の間及び一対の第1電線1と一対の第2電線6との間に入り込むのを抑制することが可能となる。これにより、シース5をテープ部材4の外周に押出形成して設ける際に、押出成形の樹脂圧による第1絶縁層3のつぶれを低減することが可能となり、ケーブル10において第1導体2の屈曲耐久性をより向上させることが可能である。
[変形例]
(1)上記実施の形態では、第1導体2は、第1絶縁層3と接触可能な状態で中空部Sに配置されているが、第1導体2の外周に巻き付けられた押さえ巻きテープ等の介在部により、第1導体2を第1絶縁層3と接触不能な状態で中空部Sに配置してもよい。この場合、断面視において第1導体2の中心と中空部Sの中心とを一致させた際に、介在部と第1絶縁層3とが接触しないことが好ましい。このようにすることで、第1導体2と第1絶縁層3とが擦れることにより、第1絶縁層3(特に第1絶縁層3の内面31)が摩耗してしまうことを抑制することが可能である。
(2)テープ部材4と一対の第1電線1及び一対の第2電線6との間に、複数の線状体等からなる介在物を設けることも可能である。介在物を設けることにより、ケーブル10の断面形状を円形状に成形しやすくなる。さらに、シース5をテープ部材4の外周に押出形成して設ける際に、押出成形の樹脂圧による第1絶縁層3のつぶれをより低減することが可能となる。
(3)第2電線6の第2導体7と第2絶縁層8との間に中空部を設けることも可能である。これにより、ケーブル10としての屈曲耐久性をより向上させることが可能となる。
(4)上記実施の形態において、ケーブル10では、一対の第2電線6は、互いに撚り合わされており、当該互いに撚り合わされている一対の第2電線6は、一対の第1電線1と共に撚り合わされている。しかし、これに限らず、ケーブル10は、一対の第2電線6を有さず、一対の第1電線1からなるものであってもよい。この場合は、一対の第1電線1が互いに撚り合わされていることが好ましい。
(5)第1電線1は、EPBのみならず、電気機械式ブレーキ(EMB)、インホールモータ(IWM)等の電源線としても適用可能である。
[実施の形態のまとめ]
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]複数の導体素線(2a)により形成されている導体(第1導体2)と、前記導体(第1導体2)の外周に設けられている絶縁層(第1絶縁層3)と、を有し、前記導体(第1導体2)と前記絶縁層(第1絶縁層3)との間には、中空部(S)が設けられており、断面視において前記導体(第1導体2)の中心と前記中空部(S)の中心とを一致させた際に、前記導体(第1導体2)と前記絶縁層(第1絶縁層3)とが接触しない電線(1)。
[2]断面視において前記導体(第1導体2)の中心と前記中空部(S)の中心とを一致させた際における、前記導体(第1導体2)から前記絶縁層(第1絶縁層3)の内面(3a)までの距離(D)は、0.05mm以上5.0mm以下である、[1]に記載の電線(1)。
[3]前記絶縁層のショアD硬度は、35以上85以下である、[1]または[2]に記載の電線(1)。
[4]前記絶縁層(第1絶縁層3)は、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ウレタン、ポリプロピレン、及びフッ素樹脂の何れかからなる、[1]乃至[3]の何れかに記載の電線(1)。
[5]前記導体(第1導体2)は、前記複数の導体素線(2a)が撚り合わされた子撚り線が更に撚り合わされた親撚り線からなる、[1]乃至[4]の何れかに記載の電線(1)。
[6]複数の導体素線(2a)により形成されている第1導体(2)と、前記第1導体(2)の外周に設けられている第1絶縁層(3)と、を有する複数の第1電線(1)と、前記複数の第1電線(1)の外周に設けられているシース(5)と、を有し、前記第1導体(2)と前記第1絶縁層(3)との間には、中空部(S)が設けられており、断面視において前記第1導体(2)の中心と前記中空部(S)の中心とを一致させた際に、前記第1導体(2)と前記第1絶縁層(3)とが接触しないケーブル(10)。
[7]前記複数の第1電線(1)の外周に巻き付けられており、前記複数の第1電線(1)と前記シース(5)との間に配置されているテープ部材(4)を有する、[6]に記載のケーブル。
[8]前記複数の第1電線(1)は、撚り合わされており、前記テープ部材(4)は、前記複数の第1電線(1)の外周に螺旋状に巻き付けられており、前記複数の第1電線(1)の撚り方向と前記テープ部材(4)の巻き付け方向は、逆方向である、[7]に記載のケーブル。
[9]さらに、複数の導体素線により形成されている前記第1導体(2)よりも径が小さい第2導体(7)と、前記第2導体(7)の外周に設けられている第2絶縁層(8)と、を有する複数の第2電線(6)を有し、前記第2導体(7)と前記第2絶縁層(8)との間には、中空部が設けられていない、[6]乃至[8]の何れかに記載のケーブル。
1 第1電線
2 第1導体
2a 導体素線
3 第1絶縁層
3a 内面
4 テープ部材
5 シース
6 第2電線
7 第2導体
8 第2絶縁層
10 ケーブル
S 中空部
C 複数の導体素線2aにより形成される円
D 第1導体2から第1絶縁層3の内面3aまでの距離

Claims (8)

  1. 繰り返し屈曲する電線であって、
    軟銅線、銀メッキ軟銅線、硬銅線、錫メッキ軟銅線、銅合金線、錫メッキ銅合金線、及び錫入り銅合金線の何れかからなる複数の導体素線により形成されている導体と、
    前記導体の外周に設けられている絶縁層と、
    前記導体の外周に設けられ前記導体と前記絶縁層との間に介在し前記導体と前記絶縁層とを接触させないための介在部と、
    を有し、
    前記介在部は、前記導体の外周に巻き付けられたテープであり、
    前記導体と前記絶縁層との間には、中空部が設けられており、
    断面視において前記導体の中心と前記中空部の中心とを一致させた際に、前記テープと前記絶縁層とが接触しない
    電線。
  2. 断面視において前記導体の中心と前記中空部の中心とを一致させた際における、前記導体から前記絶縁層の内面までの距離は、0.05mm以上5.0mm以下である、
    請求項1に記載の電線。
  3. 前記絶縁層のショアD硬度は、35以上85以下である、
    請求項1または2に記載の電線。
  4. 前記導体は、前記複数の導体素線が撚り合わされた子撚り線が更に撚り合わされた親撚り線からなる、
    請求項1乃至の何れかに記載の電線。
  5. 軟銅線、銀メッキ軟銅線、硬銅線、錫メッキ軟銅線、銅合金線、錫メッキ銅合金線、及び錫入り銅合金線の何れかからなる複数の導体素線により形成されている第1導体と、前記第1導体の外周に設けられている第1絶縁層と、前記第1導体の外周に設けられ前記第1導体と前記第1絶縁層との間に介在し前記導体と前記絶縁層とを接触させないための介在部と、を有し、繰り返し屈曲する複数の第1電線と、
    前記複数の第1電線の外周に設けられているシースと、
    を有し、
    前記介在部は、前記導体の外周に巻き付けられたテープであり、
    前記第1導体と前記第1絶縁層との間には、中空部が設けられており、
    断面視において前記第1導体の中心と前記中空部の中心とを一致させた際に、前記テープと前記第1絶縁層とが接触しない
    ケーブル。
  6. 前記複数の第1電線の外周に巻き付けられており、前記複数の第1電線と前記シースとの間に配置されているテープ部材を有する、
    請求項に記載のケーブル。
  7. 前記複数の第1電線は、撚り合わされており、
    前記テープ部材は、前記複数の第1電線の外周に螺旋状に巻き付けられており、
    前記複数の第1電線の撚り方向と前記テープ部材の巻き付け方向は、逆方向である、
    請求項に記載のケーブル。
  8. さらに、複数の導体素線により形成されている前記第1導体よりも径が小さい第2導体と、前記第2導体の外周に設けられている第2絶縁層と、を有する複数の第2電線を有し、
    前記第2導体と前記第2絶縁層との間には、中空部が設けられていない、
    請求項乃至の何れかに記載のケーブル。
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