JP6896017B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
なお、車両の進行方向を「前」、後退方向を「後」、「鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、車幅方向を「左」、「右」として説明する。なお、参照する図5〜図8は、閉じたフード3に下方向の荷重F1(図7参照)がかかったときの動作状態を示し、説明の便宜上、クッション部材5を拡大して示し、フード3における湾曲の程度を縮小して模式的に示し、隙間S1,S2は誇張して示す。
自動車(図示省略)は、図7に示すように、フェンダ2と、フード3と、を有しているものであればよく、種類、形式等は特に限定されない。自動車は、左右対称な形状をしており、以下、車体左側を主に説明し、車体右側の説明は適宜省略する。
図1に示すように、車体前部構造1は、フード3(図7参照)と、フード3を支えるクッション部材5と、クッション部材5が固定されたフェンダブラケット4と、フェンダブラケット4の車幅方向外側端部に配置されたフェンダ2と、を備えている。
フェンダ2は、車輪の泥よけを覆う部材である。フェンダ2は、車体の左右側部に設けられている。フェンダ2の部位等は、特に限定されない。フェンダ2の上部には、車幅方向内側に延びる上部フランジ部21及びフェンダ取付部22と、上部フランジ部21及びフェンダ取付部22の外側端部から斜め外側下方向に傾斜した傾斜部23と、が形成されている。
稜線22cは、補強部22bを段差状に折曲形成したことによって、車体前後方向に線状に形成された折曲部である。
ランプユニット設置部22eは、ランプユニット(図示省略)のランプブラケット6が載設される設置箇所である。
「フード」は、一般に、エンジンルームまたはトランランクルームの開口部を覆う部材を意味する。図5に示すように、フード3は、車体外側のサイド部31が下方に向けて湾曲して形成されている。フード3の車幅方向下端部31aは、フェンダ2の上端部2aを上側から囲み込むように、フェンダ2の上端部2aの車幅方向外側に配置されている。フード3は、インナ部材3aと、アウタ部材3bと、から主に構成されている。フード3は、基端部に設けられたフードヒンジ(図示省略)によって、車体に開閉自在に取り付けられている。フード3は、閉じたときに、サイド部31がフェンダ2の上部に位置するように見切り部8を設けて車体に配設されている。
アウタ部材3bは、フード3の車外側の面を形成するパネル部材である。
フレーム部材(図示省略)は、フェンダブラケット4が固定されている車体フレームである。フレーム部材(図示省略)は、フェンダ2よりも高い剛性を有する中空構造を有する部材から成る。フレーム部材(図示省略)は、例えば、フェンダブラケット4の下方に配置されて、車体の前後方向に沿って配設されたアッパメンバである。なお、フレーム部材(図示省略)の形状や部位等は、特に限定されない。
図4に示すように、フェンダブラケット4は、フェンダ2のフェンダ取付部22を、フレーム部材(図示省略)に連結するためのブラケット部材である。フェンダブラケット4は、フェンダ2よりも高い剛性を有する部材によって、正面視して略L字状に折曲形成されている(図3参照)。
図5に示すように、クッション部材5は、フード3が下降して当接したときの衝撃を緩和すると共に、フード3を支えるための部材である。クッション部材5は、正面視して略四角柱形状に形成されている。クッション部材5は、フェンダブラケット4のクッション部材設置部41上に固定されている。クッション部材5は、車幅方向外側端部に形成された突出部51及び窪み56と、下部に形成された車幅方向内側下面52、係合部53及び係止用クリップ52aと、上部に形成された斜面部54と、前後側面に形成された凹部55(図2参照)と、を有している。クッション部材5は、フード3の質量等を考慮して、所定の弾性及び撓み性を有するゴム部材等を適宜採用する。
次に、図1〜図8を参照しながら本発明の実施形態に係る車体前部構造1の作用を説明する。
このようにして車体前部構造1は、フード3にかかった上方からの荷重F1を効率よく吸収して、歩行者等の物体Aを保護することができる(図7参照)。
これにより、クッション部材5は、フード3からクッション部材5への負荷F2を、突出部51を介在してフェンダ2の傾斜部23側に逃がすようにコントロールして、クッション部材5にかかった負荷F2をフェンダ2で受けて吸収することができる。
これにより、クッション部材5は、窪み56が形成されていることで、下方向へ変形し易くして荷重を柔軟に吸収すると共に、突出部51に荷重を伝わり易くすることができる。
これにより、フェンダ2の上部は、上部フランジ部21によって補強して剛性を向上させることができる。また、クッション部材5にかかった下方向の負荷F2は、突出部51によって、上部フランジ部21を介在してフェンダ2の上部にかかるように逃がすことができる。
これにより、フェンダ2の上部は、折り曲げて形成されたフェンダ取付部22によって剛性を向上させることができる。そのフェンダ取付部22は、稜線22cを有する補強部22bによって、フェンダ2の上端部2aの剛性を向上させて、曲がり難くすることができる。
これにより、フード3の車幅方向下端部31aは、フード3に下方向の過大な荷重F1(図7参照)がかかって下降した場合、フェンダ2の上端部2aの車幅方向外側に下降し、傾斜部23に当接して下方向に摺動するように配置することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
2 フェンダ
2a 上端部
3 フード
4 フェンダブラケット
5 クッション部材
21 上部フランジ部
22 フェンダ取付部
22b 補強部
22c 稜線
23 傾斜部
31a 車幅方向下端部
51 突出部
56 窪み
Claims (6)
- フードと、前記フードの車幅方向端部に設けられたフェンダと、を備え、
前記フードの車幅方向端部は、下方に向けて形成され、
前記フェンダの、前記フードの車幅方向端部の下方に位置する部分には、車幅方向外側へ向けて下方に傾斜した傾斜部が形成され、
前記傾斜部は、前記フェンダの車幅方向内側上端部に形成されて、前記フードを閉めたとき、前記フードの下端部の車幅方向内方の位置に配置されて、前記フードの下端部によって隠れる位置に配置された第1傾斜部と、
前記第1傾斜部の下端から斜め下方向外側に、前記第1傾斜部よりも緩い勾配に形成されて、前記フードの下端よりも車幅方向外側まで延びて、前記フードに下方向に荷重が負荷されて下降した場合に、前記フードの車幅方向下端部が当接して下方向に摺動するように配置された第2傾斜部と、を有していること、
を特徴とする車体前部構造。 - 前記フードを支えるクッション部材の下部には、前記フェンダ側に突出して前記フェンダの上端部に配置された突出部が形成されていること、
を特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。 - 前記クッション部材は、前記フードを支える斜面部と、
前記斜面部と前記突出部との間に形成された窪みと、
を有していること、
を特徴とする請求項2に記載の車体前部構造。 - 前記フェンダの上端部は、車幅方向内側に折り曲げて形成されて、
前記突出部が配置される上部フランジ部が形成されていること、
を特徴とする請求項2または請求項3に記載の車体前部構造。 - 前記フェンダの上端部には、車幅方向内側に折り曲げて形成されたフェンダ取付部を有し、
前記フェンダ取付部には、車体前後方向に延びる稜線を有する補強部が形成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車体前部構造。 - 前記フードの車幅方向下端部は、前記フェンダの上端部を上側から囲み込むように、前記上端部の車幅方向外側に配置されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車体前部構造。
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