JP6895474B2 - セルスタック及び電気化学セル - Google Patents
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Description
(固体酸化物形燃料電池セル1の構成)
固体酸化物形燃料電池セル1は、O2−(酸素イオン)をキャリアとする。固体酸化物形燃料電池セル1は、本発明に係る「電気化学セル」の一例である。以下の説明では、固体酸化物形燃料電池セルを「セル」と略称する。
金属支持部材4は、第1電極5、電解質6、反応防止膜7、及び第2電極8を支持する。金属支持部材4は、全体として平板状に形成される。金属支持部材4は、セル1の強度を保つことができればよく、その厚みは特に制限されないが、例えば0.02mm〜2.0mmとすることができる。
本実施形態において、第1電極5は、金属支持部材4に係止される「機能膜」の一例である。第1電極5は、金属支持部材4によって支持される。本実施形態において、第1電極5は、その内部に一部埋設された金属支持部材4によって支持されている。
電解質6は、第1電極5と第2電極8との間に配置される。本実施形態では、セル1が反応防止膜7を有しているため、電解質6は、第1電極5と反応防止膜7との間に介挿されている。
反応防止膜7は、電解質6上に配置される。反応防止膜7は、電解質6と第2電極8との間に介挿される。反応防止膜7の厚さは特に制限されないが、例えば1μm〜100μmとすることができる。反応防止膜7は、第2電極8の構成材料と電解質6の構成材料とが反応して高抵抗層が形成されることを抑制する。
第2電極8は、電解質6を基準として、第1電極5の反対側に配置される。本実施形態では、セル1が反応防止膜7を有しているため、第2電極8は、反応防止膜7上に配置される。
まず、第1電極5に燃料ガスを供給し、かつ、第2電極8に酸化剤ガスを供給しながら、セル1を作動温度(例えば、600℃〜850℃)まで加熱する。すると、第2電極8においてO2(酸素)がe−(電子)と反応してO2−(酸素イオン)が生成される。生成されたO2−は、電解質6を通って第1電極5に移動する。第1電極5に移動したO2−は、燃料ガスに含まれるH2(水素)と反応して、H2O(水)とe−とが生成される。このような反応によって、第1電極5と第2電極8との間に起電力が発生する。
(固体アルカリ形燃料電池セル10の構成)
固体アルカリ形燃料電池セル10は、OH−(水酸化物イオン)をキャリアとするアルカリ形燃料電池(AFC)の一種である。固体アルカリ形燃料電池セル10は、本発明に係る「電気化学セル」の一例である。以下の説明では、固体アルカリ形燃料電池セルを「セル」と略称する。
金属支持部材14は、第1電極15、電解質16、及び第2電極18を支持する。金属支持部材14は、全体として平板状に形成される。金属支持部材14は、セル10の強度を保つことができればよく、その厚みは特に制限されないが、例えば0.02mm〜2.0mmとすることができる。
第1電極15は、一般的に燃料極と呼ばれるアノードである。セル10の発電中、第1電極15には、水素原子(H)を含む燃料が供給される。第1電極15は、内部に燃料を拡散可能な多孔質体である。第1電極15の気孔率は特に制限されない。第1電極15の厚みは特に制限されないが、例えば10〜500μmとすることができる。
電解質16は、第1電極15と第2電極18との間に配置される。電解質16は、第1電極15及び第2電極18のそれぞれに接続される。電解質16は、膜状、層状、或いは、シート状に形成される。
第2電極18は、一般的に空気極と呼ばれるカソードである。セル10の発電中、第2電極18には、酸素(O2)を含む酸化剤が供給される。酸化剤としては、空気を用いるのが好ましく、空気は加湿されていることがより好ましい。第2電極18は、内部に酸化剤を拡散可能な多孔質体である。第2電極18の気孔率は特に制限されない。第2電極18の厚みは特に制限されないが、例えば10〜200μmとすることができる。
まず、第1電極15に燃料を供給し、かつ、第2電極18に酸化剤を供給しながら、セル10を作動温度(例えば、50℃〜250℃)まで加熱する。すると、第2電極18においてO2(酸素)が水及びe−(電子)と反応してOH−(水酸化物イオン)が生成される。生成されたOH−は、電解質16を通って第1電極15に移動する。第1電極15に移動したOH−は、燃料と反応して、H2O(水)とCO2(二酸化炭素)とe−とが生成される。このような反応によって、第1電極15と第2電極18との間に起電力が発生する。
本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
上記第1実施形態では、電気化学セルの一例として、O2−(酸素イオン)をキャリアとする固体酸化物形燃料電池セル1について説明した。また、上記第2実施形態では、電気化学セルの一例として、OH−(水酸化物イオン)をキャリアとする固体アルカリ形燃料電池セル10について説明した。しかしながら、電気化学セルとは、電気エネルギーを化学エネルギーに変えるため、全体的な酸化還元反応から起電力が生じるように一対の電極が配置された素子と、化学エネルギーを電気エネルギーに変えるための素子との総称である。従って、電気化学セルには、例えば、プロトンをキャリアとする燃料電池や、水蒸気から水素と酸素を生成する電解セルなどが含まれる。
上記第1及び第2実実施形態において、「機能膜」の一例である第1電極5,15を金属支持部材4,14(すなわちメッシュ部材)上に成膜することとしたが、金属支持部材4,14上には電解質6,16が成膜されていてもよい。この場合、第1電極5,15及び電解質6,16の少なくとも一方が第1係止部51,151及び第2係止部52,152のいずれかを有していればよい。例えば、電解質6,16のみが第1係止部51,151又は/及び第2係止部52,152のいずれかを有していてもよいし、第1電極5,15及び電解質6,16の両方が第1係止部51,151又は/及び第2係止部52,152を有していてもよい。金属支持部材4,14上に電解質6,16を成膜する場合、金属支持部材4,14の表面に電解質6,16を成膜した後、金属支持部材4,14の裏面側に第1電極5,15を形成してもよい。この際、メッシュ部材の各目開き内に電解質6,16が充填されていなければ、第1電極5,15は各目開き内に充填されてもよいし、メッシュ部材の各目開き内に電解質6,16が充填されていれば、第1電極5,15は膜状に成膜されてもよい。また、金属支持部材4,14上に電解質6,16を成膜する場合、各線材41,141の表面に電極触媒が担持された金属支持部材4,14を準備し、この金属支持部材4,14上に電解質6,16を成膜してもよい。この場合、各線材41,141の表面に担持された電極触媒が第1電極を構成する。
上記第1及び第2実施形態において、金属支持部材4,14の線材41,141は、基材及び酸化クロム膜によって構成されることとしたが、金属支持部材4,14の最表面には被覆膜が形成されていてもよい。被覆膜を構成する材料としては、セラミックス材料及び金属材料などを用いることができる。
上記第1実施形態において、セル1は、反応防止膜7を含むこととしたが、反応防止膜7を含んでいなくてよい。
上記第1及び第2実施形態において、第1電極5,15はアノードとして機能し、第2電極8,18はカソードとして機能することとしたが、第1電極5,15がカソードとして機能し、第2電極8,18がアノードとして機能してもよい。この場合、第1電極5,15と第2電極8,18の構成材料を入れ替えるとともに、第1電極5,15に燃料を供給するとともに、第2電極8,18に酸化剤を供給すればよい。
上記実施形態において、金属支持部材4はメッシュ部材であることとしたが、これに限られない。金属支持部材4は、複数の貫通孔が形成された板部材であってもよいし、複数の貫通孔を有する多孔質金属によって構成されていてもよい。この場合、貫通孔どうしが互いに連通することによって、第1凹部S1及び/又は第2凹部S2が形成される。
4,14 金属支持部材(メッシュ部材)
41,141 線材
S1,S11 第1凹部
S2,S12 第2凹部
5,15 第1電極
51,151 第1係止部
52,152 第2係止部
6,16 電解質
7 反応防止膜
8,18 第2電極
Claims (5)
- 金属支持部材と、
前記金属支持部材によって支持される第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と第2電極との間に配置される固体電解質と、
を備え、
前記金属支持部材は、金属材料によって構成される複数の線材を織り込むことによって形成されたメッシュ部材であり、前記複数の線材のうち交差する2本の線材の間に形成される第1凹部を有し、
前記固体電解質は、前記第1凹部に充填されることによって前記第1凹部に係止される第1係止部を有する、
電気化学セル。 - 前記金属支持部材は、前記2本の線材の間に形成され、前記第1凹部の反対側に位置する第2凹部を有し、
前記固体電解質は、前記第2凹部に充填されることによって係止される第2係止部を有する、
請求項1に記載の電気化学セル。 - 前記複数の線材のうち少なくとも一部の線材の断面は、前記固体電解質の面方向に延びる扁平状である、
請求項1又は2に記載の電気化学セル。 - 前記固体電解質は、酸素イオン伝導性を有する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の電気化学セル。 - 前記固体電解質は、水酸化物イオン伝導性を有する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の電気化学セル。
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