[参考例の第1例]
参考例の第1例について、図1〜図7を用いて説明する。
本参考例の車輪支持用転がり軸受ユニット1は、従動輪用であり、自動車の車輪を構成するタイヤ2及びホイール3、並びに、制動装置であるディスクブレーキ装置4を構成するロータ5を、懸架装置を構成するナックル6に対し回転自在に支持している。また、図示の構造では、ナックル6は、車体に対し揺動変位を可能に支持されたアッパアーム8とロアアーム9により支持されている。
車輪支持用転がり軸受ユニット1は、軸受機能を有する軸受部10と、車輪の絶対角を検出するための絶対角検出装置11と、並進加速度を検出するための加速度測定装置12と、発電機能を有する発電機13と、無線通信機能を有する無線通信器14と、蓄電機能を有するバッテリ15と、センサ信号を処理するインターフェース回路16と、コネクタ17とを備えている。
軸受部10は、タイヤ2及びホイール3を、ナックル6に対し回転自在に支持する部分であり、外方部材かつ静止部材である外輪18と、内方部材であるハブ19と、複数個の玉20とを備えている。
外輪18は、全体が略円環状に構成されており、内周面に複列の外輪軌道21a、21bを有し、外周面の軸方向中間部に静止側フランジ22を有している。また、静止側フランジ22には、軸方向に貫通した図示しない取付孔が、複数設けられている。
なお、軸方向に関して内とは、車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図3の右側をいい、反対に、車両の幅方向外側となる、図3の左側を、軸方向に関して外という。
ハブ19は、ハブ輪23と内輪24とを組み合わせて成り、外周面のうち外輪軌道21a、21bとそれぞれ対向する部分に内輪軌道25a、25bを有し、外輪18の径方向内側にこの外輪18と同軸に支持されている。軸方向外側列の内輪軌道25aは、ハブ輪23の外周面の軸方向中間部に形成されている。これに対し、軸方向内側列の内輪軌道25bは、内輪24の外周面に形成されている。
内輪24は、ハブ輪23の外周面の軸方向内端寄り部分に形成した小径段部26に外嵌固定されており、ハブ輪23の軸方向内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部27により、軸方向内端面が抑え付けられている。また、ハブ輪23の軸方向外端部で、外輪18の軸方向外端開口部よりも軸方向外方に突出した部分には、車輪を支持するための回転側フランジ28が設けられている。回転側フランジ28には、軸方向に貫通した雌ねじである結合孔29が設けられている。
また、かしめ部27の径方向内方に位置する、ハブ輪23の軸方向内側部の中心部に、軸方向外方に向けて凹んだインナ凹部30が設けられている。インナ凹部30は、軸方向内方に向かうほど内径寸法が段階的に大きくなった断面略台形状に構成されている。インナ凹部30の内周面の軸方向外端部には、ハブ19の中心軸O19と同軸の円筒面状の嵌合面部(インロー部)31が設けられている。また、インナ凹部30の底面32は、ハブ19の中心軸O19に対して直交する仮想平面上に存在する平坦面となっている。
これに対し、回転側フランジ28の径方向内方に位置する、ハブ輪23の軸方向外側部の中心部には、軸方向内方に向けて凹んだアウタ凹部33が設けられている。アウタ凹部33は、軸方向外方に向かうほど内径寸法が大きくなった断面略台形状に構成されている。
また、ハブ輪23の軸方向中間部の中心部で、かつ、インナ凹部30とアウタ凹部33との間部分には、隔壁部34が設けられている。隔壁部34の中心部には、隔壁部34を軸方向に貫通した貫通孔35が設けられている。貫通孔35の軸方向内側部は、インナ凹部30の底面32に開口しており、貫通孔35の軸方向外側部は、アウタ凹部33の底面に開口している。
各玉20は、外輪軌道21a、21bと内輪軌道25a、25bとの間に、それぞれ保持器により保持された状態で、転動自在に配置されている。図示の例では、各玉20に、背面組み合わせ型の接触角とともに予圧を付与しており、両列の玉20同士の間で、直径、ピッチ円直径、及び、接触角の大きさなどの各種寸法を互いに同じにしている。ただし、例えば、インナ側(軸方向内側)の玉列を構成する玉の直径を、アウタ側(軸方向外側)の玉列を構成する玉の直径よりも大きくし、かつ、アウタ側の玉列のピッチ円直径を、インナ側の玉列のピッチ円直径よりも大きくすることで、アウタ凹部の空間の容積をより大きく確保することもできる。
静止部材である外輪18をナックル6に対して支持固定するには、外輪18のうち、静止側フランジ22よりも軸方向内側に設けられた部分(ナックル側パイロット部)を、ナックル6に形成された円形の支持孔37に挿入し、かつ、静止側フランジ22の軸方向内側面をナックル6の軸方向外端面に当接させる。そして、この状態で、互いに整合する位置に設けられた、静止側フランジ22の取付孔と、ナックル6に設けられた複数のナックル側取付孔38とに、それぞれ結合部材(ボルト)39を螺合または挿通し、さらに締め付ける。これにより、外輪18をナックル6に対して支持固定する。
一方、回転部材であるハブ19に設けられた回転側フランジ28には、車輪を構成するホイール3及びロータ5を結合固定する。このために、ロータ5の中央部に設けられたロータ中心孔、及び、ホイール3の中央部に設けられたホイール中心孔に、ハブ輪23の軸方向外端部に設けられたパイロット部と呼ばれる位置決め筒部40を順次挿入(内嵌)する。これにより、ホイール3及びロータ5の径方向の位置決めを図った状態で、互いに整合する位置に設けられた、ホイール3に形成されたホイール結合孔及びロータ5に形成されたロータ結合孔をそれぞれ挿通した結合部材41を、回転側フランジ28の結合孔29に螺合し、さらに締め付ける。これにより、回転側フランジ28の軸方向外側面に、ホイール3及びロータ5を結合固定する。
また、外輪18の内周面とハブ19の外周面との間に存在し、玉20が設置されている内部空間の軸方向外端開口は、図示しないシールリングにより塞いでいる。一方、外輪18の軸方向内端開口は、有底円筒状のカバー42により塞いでいる。これにより、玉20を設置した内部空間に封入したグリースが外部空間に漏洩したり、または外部空間に存在する異物が、内部空間に侵入したりすることを防止している。
カバー42は、円筒状の嵌合筒部43と、円板状の底板部44とを、複数本のボルト45により結合することにより構成されている。カバー42は、嵌合筒部43の軸方向外側部に設けられた小径部46を、外輪18の軸方向内側部に内嵌固定し、かつ、嵌合筒部43の軸方向中間部に設けられた軸方向外側を向いた段差面47を、外輪18の軸方向内端面に突き当てることで、外輪18に対する軸方向の位置決めを図った状態で、外輪18に取り付けられている。嵌合筒部43は、金属製で、内周面の軸方向中間部に、径方向内方に向けて突出した内向フランジ48が設けられている。本参考例では、このような嵌合筒部43の軸方向内端面に、ABS樹脂やAS樹脂などの電波透過性に優れた樹脂製の底板部44を、ボルト45により結合している。図示の例では、底板部44の軸方向外側面の外径側部に設けられた小円筒部49を、嵌合筒部43に内嵌することで、嵌合筒部43に対する底板部44の径方向に関する位置決めを図っている。また、図示は省略するが、嵌合筒部43と外輪18との当接部に、シール部材を設けて、カバー42による防水性能を高めることもできる。
ハブ19に取り付けられるホイール3は、図示の例ではアルミニウム合金製であり、回転側フランジ28の軸方向外側面に結合固定されるディスク部と、該ディスク部の外周縁部に設けられた円筒状のリム部とから構成されている。そして、リム部の周囲に、タイヤ2を支持固定している。一方、ロータ5は、断面クランク形で、全体を円輪板状に構成されている。また、ロータ5は、内径側部分に設けられ、回転側フランジ28の軸方向外側面に結合固定されるハット部と、外径側部分に設けられ、ブレーキ作動時に、ディスクブレーキ装置4を構成するキャリパに支持された1対のパッドにより挟持される摺動部とを備えている。
本参考例では、上述のような構成を有する軸受部10に対して、絶対角検出装置11と、加速度測定装置12と、発電機13と、無線通信器14と、バッテリ15と、インターフェース回路16と、コネクタ17とを組み付けて、車輪支持用転がり軸受ユニット1を構成している。
絶対角検出装置11は、外輪18に対するハブ19の回転角度を検出するためのもので、円輪板状の変位センサ基板50と、該変位センサ基板50に固定された2個の変位センサ51a、51bと、これら変位センサ51a、51bに対し微小隙間を介して軸方向に対向配置された被検出部52とを備えている。
変位センサ基板50は、全体が円輪板状に構成されており、円周方向に関して等間隔複数個所(図示の例では3個所)に、中空円筒状の固定部53が設けられている。本参考例では、変位センサ基板50を、固定部53の内側を挿通したボルト54を利用して、無線通信器14を固定した後述の整流回路74に固定している。そして、このように変位センサ基板50を固定した状態で、変位センサ基板50とハブ19とを同軸に配置し、変位センサ基板50の軸方向内側面を、ハブ19の中心軸O19に対して直交する仮想平面上に配置している。
変位センサ51a、51bとしては、例えば特許第5047833号公報に記載された変位センサと同様の構造を有するものを使用可能であり、平面コイルを有し、小型に構成されており、測定対象物との間の距離やオーバーラップ量(対向面積)を非接触で測定可能である。本参考例では、このような変位センサ51a、51bを、変位センサ基板50の軸方向内側面である平坦面に対し、円周方向に関する位相を互いに90度ずらした状態で取り付けている。また、図4に示したように、変位センサ51a、51bのそれぞれの検出部を、ハブ19の中心軸O19上の点を中心とする仮想円S上に位置させている。つまり、本参考例では、変位センサ51a、51bのそれぞれの検出部を、ハブ19の中心軸O19上の点を中心とする同一円上に配置している。
被検出部52は、鋼やアルミニウム合金製などの導電性を有する金属から造られており、全体が円輪板状に構成されている。このため、被検出部52の外周縁E及び内周縁は、それぞれ円形状の輪郭を有している。また、被検出部52の外径(外周縁Eの直径)は、平面コイル51a、51bのそれぞれの検出部が通る前記仮想円Sの直径と同じである。本参考例では、このような被検出部52を、カバー42を構成する底板部44の軸方向外側面に設けた円柱状の嵌合凸部90に外嵌するとともに、底板部44の軸方向外側面に対し接着などの固定手段を用いて固定している。また、図5に示すように、被検出部52を底板部44の軸方向外側面に固定した状態で、被検出部52の中心軸O52を、前記ハブ19の中心軸O19に対して偏心させている。具体的には、被検出部52の中心軸O52を、前記ハブ19の中心軸O19に対して、鉛直方向に関して上側に、偏心量dだけ偏心させている。
このため、変位センサ51a、51bが、ハブ19とともに回転した際に、変位センサ51a、51bのそれぞれの検出部は、鉛直方向中央位置にて、被検出部52の外周縁E上を通過し、鉛直方向上端位置及び鉛直方向下端位置にて、被検出部52の外周縁Eから下方及び上方にそれぞれ偏心量dだけ離隔した位置を通過する。つまり、変位センサ51a、51bのそれぞれの検出部から被検出部52の外周縁Eまでの距離(換言すれば検出部を覆う被検出部52の面積)が、変位センサ51a、51bの回転角度に応じて大小変化する。したがって、ハブ19とともに変位センサ51a、51bが回転すると、これら変位センサ51a、51bの出力信号は、被検出部52の外周縁Eとの距離に応じて変化する。
ここで、図6に示すように、ハブ19の中心軸O
19を原点とし、ハブ19の回転に伴い中心軸O
19回りに回転するx−y座標を考える。また、図6に示した位置(x軸が水平方向を向き、y軸が鉛直方向を向いた位置)での回転角度θを0degとし、被検出部52の外周縁Eの半径をrとすると、y軸上における被検出部52の外周縁Eの位置y
pは、次の(1)式で表すことができる。
また、r≫dである場合には、上記(1)式は、次の(2)式に近似できる。
このため、変位センサ51aの検出部をy=rの位置に配置したと仮定すると、変位センサ51aの検出部に対する外周縁Eの位置変化は、dcosθで近似することができる。また、変位センサ51aから位相が90度ずれた位置に変位センサ51bを配置したと仮定すると、変位センサ51bの検出部に対する外周縁Eの位置の変化は、dsinθで近似することができる。このため、2つの変位センサ51a、51bの出力信号を組み合わせて処理することで、被検出部52に対する変位センサ51a、51bの回転角度(絶対角度情報)を、360度の全範囲で求めることができる。
なお、変位センサ基板に対して変位センサを1個のみ設ける場合には、以上の説明から明らかなように、1個の変位センサから得られる出力信号は、機械角度180度で対称になる。したがって、変位センサを1個のみ設ける場合には、360度の絶対角情報を得ることはできない。ただし、加速度測定装置12の測定結果と組み合わせて使用する角度情報が、例えば、鉛直方向下向きを0度として、そこからの角度であるプラスθとマイナスθとを計算上区別する必要がないものである場合には、変位センサを1個のみ設ける構造であっても十分である。
本参考例では、2個の変位センサ51a、51bの出力信号を、例えば変位センサ基板50に固定した図示しない演算装置に入力する。そして、該演算装置により、計算により又は予め算出し記録しておいたマップ情報を参照して、外輪18に対するハブ19の回転角度を求める。なお、変位センサの出力信号は、被検出部の外周縁の位置の変化に対して必ずしも線形である必要はなく、被検出部の外周縁の位置の変化に対して出力信号が1対1で対応していればよい。その場合、マップや近似式を用いて、出力信号から回転角度に換算すれば良い。また、前記演算装置は、ハブ19に対して直接又は間接的に取り付けることができる。また、前記演算装置においては、r≫dであるとして、上記(2)式の近似式を利用しても良いし、上記(1)式をそのまま利用しても良い。
本参考例では、上述した絶対角検出装置11により、外輪18に対するハブ19の回転角度を算出することができるため、加速度測定装置12により算出される並進加速度の方向(回転系から見た方向)及び大きさと同期して処理することで、静止系から見た場合にどの方向にどの程度(大きさ)の並進加速度が作用しているのかを求めることが可能になる。
加速度測定装置12は、ハブ19のアウタ凹部33の内側に配置されており、図7に示すように、円形板状の加速度センサ基板55と、3個(第1〜第3)の加速度センサ56、57、58とを備えている。加速度センサ56、57、58は、それぞれ1方向の加速度のみを検出可能な1軸加速度センサであり、加速度センサ基板55の軸方向内側面である平坦面に固定されている。このため、加速度センサ56、57、58は、ハブ19の中心軸O19に直交する同一仮想平面上に配置されている。
本参考例では、3個の加速度センサ56、57、58のうち、第1の加速度センサ56及び第2の加速度センサ57を、ハブ19の回転中心O19を通る第1の仮想線P1上で、該回転中心O19から第1の加速度センサ56までの距離(A)と該回転中心O19から第2の加速度センサ57までの距離(B)とが互いに等しい位置に配置している(A=B)。また、第1の加速度センサ56の検出方向(図中の矢印α)と第2の加速度センサ57の検出方向(図中の矢印β)とを、ハブ輪23の半径方向(放射方向)に向けるとともに、径方向に関して互いに逆向きにしている。図示の例では、第1の加速度センサ56の検出方向(矢印α)を径方向外側に向け、第2の加速度センサ57の検出方向(矢印β)を径方向内側に向けている。
加速度センサ56、57、58のうち、残りの第3の加速度センサ58を、第1の加速度センサ56から円周方向(図示の例では時計回り)に角度δだけ位相がずれた位置で、かつ、回転中心O19から距離(C)だけ離れた位置に配置している。また、第3の加速度センサ58の検出方向(図中の矢印γ)を、ハブ輪23の半径方向(径方向外側)に向けている。これにより、第3の加速度センサ58の検出方向を、第1の加速度センサ56の検出方向及び第2の加速度センサ57の検出方向に対しそれぞれ非平行となる向きにしている(一次独立な方向に規制している)。
本参考例の加速度測定装置12は、第1〜第3の加速度センサ56、57、58の出力信号により、車輪支持用転がり軸受ユニット1に作用する並進加速度を求めることができる。以下、この並進加速度を求める算出方法について説明する。
先ず、第1、第2の加速度センサ56、57は、回転中心O19から等しい距離(A=B)に設置されているため、第1の加速度センサ56及び第2の加速度センサ57に作用する遠心加速度の大きさは等しくなる。また、車輪支持用転がり軸受ユニット1に作用する並進加速度の大きさは、車輪支持用転がり軸受ユニット1の何れの部分においても等しくなるため、第1の加速度センサ56及び第2の加速度センサ57に作用する並進加速度の大きさ(出力信号に占める並進加速度の大きさ)も等しくなる。例えば車輪支持用転がり軸受ユニット1に、回転座標系で見た場合に、図7にベクトルTで示す並進加速度が作用していると仮定した場合、第1の加速度センサ56及び第2の加速度センサ57にも同様に、ベクトルTの並進加速度が作用する。
従って、第1の加速度センサ56からは、該第1の加速度センサ56に作用する遠心加速度{Ca(正の値)}に、該第1の加速度センサ56に作用する並進加速度(T)のうち検出方向(矢印α方向)成分の値が加算された値が出力される。これに対し、第2の加速度センサ57からは、該第2の加速度センサ57に作用する遠心加速度{Ca(負の値)}に、該第1の加速度センサ56に作用する並進加速度(T)のうち検出方向(矢印β方向)成分の値が加算された値が出力される。
このため、第1の加速度センサ56の出力信号から第2の加速度センサ57の出力信号の値を減算する(又は第2の加速度センサ57の出力信号の値から第1の加速度センサ56の出力信号の値を減算する)ことで、これら第1、第2の加速度センサ56、57に等しく作用する遠心加速度の2倍の値(|2Ca|)が得られ、最終的に遠心加速度の大きさ(|Ca|)を求めることができる。
次いで、第1の加速度センサ56(又は第2の加速度センサ57)の出力信号から遠心加速度を減算することで、第1、第2の加速度センサ56、57に作用する並進加速度(T)のうち検出方向(矢印α、β方向)成分の大きさ(Tα、Tβ)を算出することができる。
一方、第3の加速度センサ58を、第1の加速度センサ56から円周方向(図示の例では反時計回り)に角度δだけ位相がずれた位置で、かつ、回転中心O19から所定距離(C)だけ離れた位置に配置している。また、第3の加速度センサ58の検出方向(図中の矢印γ)を、ハブ19の半径方向(径方向外側)に向けている。このため、このように配置した第3の加速度センサ58に作用する遠心加速度の大きさは、第1、第2の加速度センサ56、57に作用する遠心加速度の大きさ(Ca)、及び、回転中心O19から第3の加速度センサ58までの距離(C)と該回転中心O19から第1、第2の加速度センサ56、57までの距離(A=B)との比を利用して求めることができる。すなわち、第3の加速度センサ58に作用する遠心加速度の大きさは、式Ca×(C/A)により算出することができる。
したがって、第3の加速度センサ58の出力信号から、該第3の加速度センサ58に作用する遠心加速度の値を減算すれば、該第3の加速度センサ58に作用する並進加速度(T)のうち検出方向(矢印γ方向)成分の大きさ(Tγ)を求められる。また、第3の加速度センサ58は、第1の加速度センサ56から円周方向に角度δ分だけ位相がずれた位置に設置しているため、第1の加速度センサ56及び第2の加速度センサ57を通る第1の仮想線P1に対して直交する仮想線POからの第3の加速度センサ58までの位相のずれ角は、(90−δ)で表される。このため、第3の加速度センサ58の出力信号から算出される並進加速度の検出方向成分の大きさ(Tγ)と余弦の定理を利用して、並進加速度の仮想線PO方向成分の大きさ(To)を求めることができる。
そして、この様にして得られた、並進加速度(T)のうち互いに直交する2成分{Tα(Tβ)、To}を利用して{|T|=(Tα 2+To 2)1/2}、並進加速度(T)の大きさを求めることができる。
なお、本参考例では、第3の加速度センサ58を、第1の加速度センサ56から円周方向に角度δだけ位相がずれた位置に設置しており、この角度δは任意に設定できるが、例えば角度δを90度に設定すれば、第3の加速度センサ58の検出方向は、第1、第2の加速度センサ56、57の検出方向と直交するため、第3の加速度センサ58の出力信号から、遠心加速度の値を減算した値である、並進加速度(T)のうち検出方向(矢印γ方向)成分の大きさ(Tγ)をそのまま利用して(余弦の定理による計算を省略して)、並進加速度(T)を算出することができる。このため、演算処理量を少なくするのに有利になる。
また、同様に、第3の加速度センサ58を、回転中心O19から距離(C)だけ離れた位置に設置しており、この距離(C)は任意に設定できるが、例えば距離(C)を、回転中心O19から第1、第2の加速度センサ56、57までの距離(A、B)と等しくすれば、第3の加速度センサ58に作用する遠心加速度の大きさとして、第1、第2の加速度センサ56、57に作用する遠心加速度の大きさをそのまま利用できる。このため、演算処理量を少なくするのに有利になる。
本参考例では、絶対角検出装置11の出力信号に基づいて、ハブ19が、外輪18の原点位置(初期設定値)から、何度(何ラジアン)回転した位置にあるのかを測定できる。このため、このようにして求められる回転角度と、上述のようにして求められるハブ19に作用する並進加速度の方向(回転系から見た方向)及び大きさとを同期して処理することで、静止系から見た場合にどの方向にどの程度(大きさ)の並進加速度が作用しているのかを特定することができる。
本参考例の特徴は、絶対角検出装置11により得られる絶対角情報と、加速度測定装置12により得られる加速度情報(回転系から見た方向及び大きさ)とを組み合わせて利用することで、静止系から見た場合に作用する並進加速度を求める点にあるが、このような絶対角検出装置11及び加速度測定装置12とともに軸受部10に組み付けられる、その他の装置について以下説明する。
発電機13は、単相または三相の交流を発電する磁石式交流発電機で、絶対角検出装置11や加速度測定装置12などに供給する電力を発電するものであり、互いに同軸に配置された固定子59と回転子60とを備えている。
固定子59は、外輪18に固定された嵌合筒部43の内周面に内嵌固定されており、磁性金属板により円筒状に構成された固定子コア61と、該固定子コア61の内周面の円周方向複数個所に支持された永久磁石62とを備えている。永久磁石62は、それぞれ矩形板状に構成されており、径方向に着磁するとともに、着磁の向きを、円周方向に隣り合う永久磁石62同士で互いに逆向きとしている。このため、固定子59の内周面には、S極とN極とが円周方向に関して交互にかつ等間隔で配置されている。また、固定子コア61は、嵌合筒部43の内周面に設けられた内向フランジ48の軸方向内側面に突き当てられることで、軸方向に関する位置決めが図られている。なお、固定子59は、外輪18に対して直接固定しても良い。
回転子60は、支持部材63を介してハブ19に支持されており、複数枚の電磁鋼板を積層することにより形成した略円環状の回転子コア64と、複数のコイル65とを備えた電機子である。コイル65は、回転子コア64を構成する放射状に配置された複数本のティース(突極)66の周囲に巻装されている。
本参考例では、ハブ19の軸方向内方に存在する限られた空間を有効利用するために、上述のような回転子60を、有底円筒状の支持部材63を利用して、ハブ19の軸方向内端部に支持固定している。支持部材63は、段付円筒状の固定筒部67と、該固定筒部67の軸方向外端開口を塞ぐ底部68とから構成されている。
固定筒部67の軸方向外端部の外周面には、軸方向内側に隣接する部分に比べて小径で、かつ、支持部材63の中心軸と同軸の円筒面状の案内面部69が設けられている。また、固定筒部67の軸方向内端部には、径方向外方に突出した外向フランジ70が設けられている。
支持部材63をハブ19に対して支持固定するには、支持部材63の平坦面状の軸方向外端面を、インナ凹部30の平坦面状の底面32に突き当てるとともに、支持部材63の案内面部69を、インナ凹部30の嵌合面部31にがたつきなく内嵌固定する。また、底部68に設けられた段付孔71を挿通した取付ボルト72を、インナ凹部30の底面32に対し螺合しさらに締め付ける。また、支持部材63を構成する外向フランジ70の平坦面状の軸方向内側面に対し、回転子60を構成する回転子コア64を、複数のスプリングピンなどの締結部材73を利用して固定する。
本参考例では、固定子59を、カバー42を構成する嵌合筒部43の内周面に結合固定し、かつ、回転子60を、支持部材63を介してハブ19に支持固定した状態で、固定子59と回転子60とが同軸に配置され、該回転子60(ティース66)の外周面が、固定子59を構成する永久磁石62の内周面に対し、微小隙間を介して径方向に対向する。これにより、ラジアルギャップ型の発電機13を構成し、回転子60がハブ19とともに回転した際に、各コイル65の電磁誘導作用により起電力を発生させる。つまり、車輪とともにハブ19を回転させることで、発電機13が発電する。
無線通信器14は、車体側に設置された図示しない演算器との間で、無線による通信を行うもの(本参考例では送受信が可能)であり、ワイヤレス通信回路(基板)と、アンテナとを備えている。本参考例では、無線通信器14を、整流回路74に取り付けた状態で、支持部材63を構成する固定筒部67の径方向内側に配置している。したがって、無線通信器14と発電機13とが、径方向に重畳するように配置されるため、これら発電機13及び無線通信器14を設けることに伴う、車輪支持用転がり軸受ユニット1の軸方向寸法の増大を最小限に抑えられる。
整流回路74は、固定筒部67の内径よりも僅かに小さな外径を有する略円板状の回路本体75と、複数の脚部76とを、変位センサ基板50を構成する固定部53の内側を挿通したボルト54を利用して連結している。つまり、本参考例では、ボルト54により、回路本体75と脚部76とを連結するとともに、これら回路本体75と脚部76から構成される整流回路74に対して、変位センサ基板50を固定している。また、整流回路74は、脚部76のそれぞれの先端部を、支持部材63を構成する底部68の取付孔78に螺合することで、支持部材63に対して取り付けられている。
無線通信器14は、回路本体75の軸方向内側面に取り付けられており、無線通信器14を構成するアンテナは、電波透過性樹脂製の底板部44に対し軸方向に近接対向している。したがって、前記アンテナに出入りする無線信号が、ハブ19を構成する鋼材及びカバー42により遮られることを有効に防止できるため、無線通信器14と前記演算器との間で、無線による通信を効率良く行える。このような本参考例の無線通信器14は、整流回路74及び支持部材63を介して、ハブ19に支持されている。
バッテリ15は、発電機13が発電した電力を蓄えるものである。このようなバッテリ15は、隔壁部34に形成された貫通孔35を挿通した配線79及び整流回路74を介して、発電機13に電気的に接続されている。なお、整流回路74には、発電機13が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための整流回路部と、バッテリ15の充放電制御回路部と、出力電圧を一定に保つ電圧制御回路部とを備えている。
なお、本発明を実施する場合には、発電機が発電した電力を、バッテリを介さずに、直流電圧に変換するとともに一定電圧に調整して、各種装置に供給することもできる。また、発電機が発電した発電量が、各種装置を動作させるのに十分である場合に、余剰の電力をバッテリに供給し、該バッテリを充電することができる。
インターフェース回路16は、車輪側に設置されたセンサ(タイヤ側センサ、ホイール側センサ)の出力信号を集約するとともに、適切な信号に変換し、配線79を通じて、無線通信器14に送信する。
コネクタ17は、車輪側に設置されたセンサに電力を供給するための電力出力端子と、これら各センサの出力信号を入力するための信号入力端子とを備えている。前記電力出力端子は、バッテリ15に接続されており、前記信号入力端子は、インターフェース回路16を介して、無線通信器14に接続されている。
本参考例では、加速度測定装置12と、バッテリ15と、インターフェース回路16と、コネクタ17とを、取付部材80を介して、アウタ凹部33の内側に支持固定している。取付部材80は、円環状の支持環部81と、支持環部81の軸方向内側面から軸方向内方に突出した複数の支持筒部82とを備えている。このような取付部材80は、アウタ凹部33の内周面の軸方向外端部(位置決め筒部40の内周面)に、支持環部81を内嵌固定(圧入)することで、アウタ凹部33の内側に支持されている。また、支持筒部82の先端部には、連結ボルト83を利用して、加速度測定装置12及びインターフェース回路16を軸方向に離隔した状態で固定している。また、支持環部81の径方向内側に、コネクタ17を取り付けている。
上述のように、本参考例では、ハブ19の軸方向内方に存在する空間に、絶対角検出装置11、発電機13及び無線通信器14を配置し、かつ、ハブ19のアウタ凹部33の内側に、加速度測定装置12、バッテリ15、インターフェース回路16及びコネクタ17を配置している。そして、ハブ19の軸方向内方に配置された各装置11、13、14と、アウタ凹部33の内側に配置された各装置12、15、16、17とを、配線79により電気的に接続している。これにより、車輪支持用転がり軸受ユニット1は、発電機13により発電した電力を、バッテリ15に一時的に蓄えた後、絶対角検出装置11、加速度測定装置12、無線通信器14及びインターフェース回路16などに供給するとともに、コネクタ17を通じて、車輪側に設置したセンサに供給する。そして、車輪側に設置したセンサの出力信号、絶対角検出装置11により得られる絶対角情報、加速度測定装置12により得られる加速度情報などを、無線通信器14を通じて、車体側に配置された演算器に対して無線送信する。
なお、本参考例では、タイヤ交換時のコストを抑える面から、タイヤ2の状態量を測定するためのセンサのうち、摩耗センサ、タイヤ歪みセンサ、温度センサなどの、該タイヤ2に直接設置しなければ測定できない状態量を測定するタイヤ側センサを、タイヤ2内に直接設置する。これに対し、空気圧センサ、ホイール歪みセンサ、加速度センサなどの、タイヤ2に設置しなくても測定可能な状態量を測定するホイール側センサについては、ホイール3に設置する。
以上のような本参考例の車輪支持用転がり軸受ユニット1は、車両の走行に伴い車輪が回転すると、軸受部10のうち、回転輪であるハブ19が回転する。すると、該ハブ19の軸方向内端部に支持固定された回転子60が、静止輪である外輪18に支持固定された固定子59に対して相対回転する。これにより、これら固定子59及び回転子60から構成される発電機13が発電する。そして、該発電機13により発電された交流電圧は整流回路74で整流され、配線79を通じてバッテリ15に送られる。バッテリ15に蓄えられた電力は、絶対角検出装置11を構成する変位センサ51a、51b、加速度測定装置12を構成する第1〜第3の加速度センサ56〜58、及び、タイヤ側、ホイール側各センサに供給される。そして、絶対角検出装置11によりハブ19(車輪)の絶対角情報を検出するとともに、第1〜第3の加速度センサ56〜58によりハブ19に作用する並進加速度の方向(回転系から見た方向)及び大きさを測定する。さらに、タイヤ側、ホイール側各センサにより、タイヤ2及びホイール3の状態量(例えばタイヤ空気圧、歪み、上下力、加速度、温度など)を検出する。
絶対角情報、及び、並進加速度の方向(回転系から見た方向)及び大きさ、並びに、タイヤ側、ホイール側各センサの出力信号は、無線通信器14に送られた後、カバー42の底板部44を通じて、車体側に配置された前記演算器に無線送信される。
また、車輪支持用転がり軸受ユニット1は、車両の走行速度に関する信号を、前記演算器から無線通信器14(アンテナ)により受信する。そして、走行速度が走行状態にあると判定できる所定値以上である場合にのみ、各種装置に対し電力の供給を実行し、実質的に停止していると判定できる所定値未満である場合には、電力の供給を停止してもよい。このような電力供給制御を行うことで、バッテリ15の無駄な電力の消費を防止できる。
特に本参考例の車輪支持用転がり軸受ユニット1によれば、絶対角検出装置11を構成するハブ19に取り付けた変位センサ51a、51bの出力信号により、外輪18に対するハブ19の回転角度を算出することができる。このため、加速度測定装置12を構成するハブ19に取り付けられた加速度センサ56〜58により算出される並進加速度の方向(回転系から見た方向)及び大きさと、タイムラグのない同期した演算を行うことが可能になる。このため、本参考例によれば、静止系から見た場合にどの方向にどの程度(大きさ)の並進加速度が作用しているのかを求めることができる。したがって、このような並進加速度を、車両のアクティブセーフティ技術に利用することができる。また、絶対角検出装置11により得られる絶対角情報は、加速度測定装置12以外にも、例えば、車輪に設置した複数の変位センサの出力信号と同期した演算を行うことで、車輪に作用する荷重を求めるのに利用することもできる。また、本参考例では、ハブ19の中心軸O19と同軸に変位センサ51a、51b(仮想円S)を設けており、カバー42に固定される被検出部52をハブ19の中心軸O19に対して偏心させているため、ハブ19が回転する際に振動などの影響が生じることも防止できる。
車輪支持用転がり軸受ユニット1は、発電機13によって発電した電力を、軸受部10に取り付けられた各種装置に供給することができ、かつ、各種装置から出力される信号(情報)を、無線通信器14から車体側に設置された前記演算器に無線送信できるため、車輪支持用転がり軸受ユニット1をナックル6に対して取り付ける際に、ハーネスの取り回し作業を行う必要がなく、組立作業性を良好にできる。
また、タイヤ2の交換時にも、車輪支持用転がり軸受ユニット1に設けられた各種装置は、そのまま継続して使用できる(タイヤ2に設置されたタイヤ側センサのみ交換すれば足りる)。このため、発電装置などをタイヤ内に設置する場合に比べて、タイヤ交換時のコストを低く抑えられる。
さらに、偏摩耗防止のためにタイヤローテーション(タイヤの位置変更)を実施した場合にも、無線通信機能を有する車輪支持用転がり軸受ユニット1自体の取付位置には変更がないため、車体側の前記演算器で受信した信号が、どのタイヤの信号か判別がつかなくなることも防止することもできる。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図8〜図9を用いて説明する。本例では、外輪18の軸方向内端開口を塞ぐカバー42aのうち、底板部44aを、金属製の外側円輪部84と、電波透過性を有する樹脂から造られ、外側円輪部84の径方向内側に配置された内側円形部85とから構成している。そして、外側円輪部84と内側円形部85との境界である、外側円輪部84の内周縁Eを、円形状の輪郭を有する被検出部52aとしている。また、被検出部52aの中心軸O52を、ハブ19の中心軸O19に対して、鉛直方向に関して上側に、偏心量dだけ偏心させている。そして、このような被検出部52aに対して、ハブ19の軸方向内側に支持された変位センサ51a(51b)の検出部を、微小隙間を介して軸方向に対向させている。
以上のような構成を有する本例の絶対角検出装置11aは、カバー42aを構成する底板部44a自体を被検出部52aとして利用できる。このため、カバーとは別に被検出部を設ける必要がないだけでなく、カバーとは別体の被検出部をカバーに対して固定する作業も省略できる。したがって、車輪支持用転がり軸受ユニット1の製造コストの低減を図れる。また、底板部44aの軸方向内側面に、被検出部を固定する必要がないため、被検出部52aの中心軸O52の位置を設計値通りに配置し易くなるとともに、車輪支持用転がり軸受ユニット1の軸方向寸法を短くする上で有利になる。その他の構成及び作用効果は、参考例の第1例と同じである。
[参考例の第2例]
参考例の第2例について、図10〜図11を用いて説明する。本参考例では、絶対角検出装置11bとして、ホール素子やMR素子を有する磁気センサ86と、永久磁石87とを備えるものを使用している。磁気センサ86は、整流回路74に固定された円輪板状の磁気センサ基板88に取り付けられており、ハブ19とともに回転する。特に本参考例では、磁気センサ86(の検出部)を、ハブ19の中心軸O19上に配置している。
これに対し、永久磁石87は、全体が円板状に構成されており、径方向に着磁されている。このため、永久磁石87は、径方向片側半部がN極になっており、径方向他側半部がS極になっている。本参考例では、このような永久磁石87を、カバー42を構成する底板部44の軸方向外側面に設けた保持凹部89の内側に固定している。そして、このような取付状態で、永久磁石87を、ハブ19の中心軸O19上に配置している。つまり、磁気センサ86と永久磁石87とを同軸に配置している。そして、磁気センサ86の検出部を、永久磁石87に対して、微小隙間を介して軸方向に対向させている。
以上のような本参考例では、磁気センサ86が、永久磁石87が形成する磁場(磁界)を検出することで、永久磁石87に対する磁気センサ86の回転角度を求めることができる。このような磁気センサ86については、例えば特開2015−009349号公報などに記載され従来から広く知られているため、本明細書中でのこれ以上の詳しい説明は省略する。また、磁気センサとして、磁場の方向を出力するのではなく、磁場の方向を絶対角度に換算して出力するものを使用しても良い。その他の構成及び作用効果については、参考例の第1例と同じである。
また、本発明を実施する場合に、発電機に代えて、非接触給電手段を設けることで、車体側から供給された電力を、絶対角検出装置などに供給しても良い。また、無線通信回路に代えて、通信機能を有する非接触信号伝送手段を利用して、各種信号を車体側の演算器に送信しても良い。さらに、実施の形態及び参考例の各例で示したように、外方部材を静止部材とし、内方部材を回転部材であるハブとした、内輪回転型の構造を採用することもできるし、反対に、内方部材を静止部材とし、外方部材を回転部材であるハブとした、外輪回転型の構造を採用することもできる。